JPH10147614A - 酸で開裂する保護基を有する樹脂の製造方法 - Google Patents

酸で開裂する保護基を有する樹脂の製造方法

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JPH10147614A
JPH10147614A JP30658896A JP30658896A JPH10147614A JP H10147614 A JPH10147614 A JP H10147614A JP 30658896 A JP30658896 A JP 30658896A JP 30658896 A JP30658896 A JP 30658896A JP H10147614 A JPH10147614 A JP H10147614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸基を有する樹脂に、エノールエーテル基
を有する化合物を反応させて、樹脂中の水酸基をアルコ
キシアルキルなどで保護する際、保護化率をほぼ一定に
制御でき、化学増幅型ポジ型レジストに好適な樹脂を製
造する方法を提供する。 【解決手段】 次式の反応を、酸触媒の存在下に、水分
含量が0.5重量%以下の液相中で行う。 1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 はそれぞれ、水
素、アルキルなどを表すが、R4 、R5 及びR6 のうち
二つが結合して脂肪族性の環を形成してもよく、R7
アルキルなどを表すか、又はR5 と結合して脂肪族性の
環を形成し、Xはアルキレン、アリーレン又はカルボニ
ルを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸で開裂する保護
基を有する樹脂の製造方法に関する。さらに詳しくは、
式(I)
【0002】
【0003】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、
水素、脂肪族炭化水素基、アルコキシ又はハロゲンを表
し、R3 は、水素、脂肪族炭化水素基、アリール、シア
ノ、ハロゲン、カルボキシル又はカルボン酸エステル基
を表し、Xは、アルキレン、アリーレン又はカルボニル
を表す)で示される構造単位を有する樹脂に、式(II)
【0004】
【0005】(式中、R4 及びR5 はそれぞれ独立に、
水素、脂肪族炭化水素基、アルコキシ、シアノ若しくは
ハロゲンを表し、そしてR6 は、水素、脂肪族炭化水素
基、アルコキシ若しくはハロゲンを表すか、又はR4
5 及びR6 のうち二つが結合して脂肪族性の環を形成
し、R7 は、エーテル結合で中断されていてもよい脂肪
族炭化水素基、ビニルオキシで置換されていてもよい脂
環式炭化水素基、トリアルキルシリル、アリール、アル
カノイル若しくはアリーロイルを表すか、又はR7 がR
5 と結合して脂肪族性の環を形成する)で示される不飽
和化合物、すなわちエノールエーテル基を有する化合
物、を反応させることにより、式(I)で示される構造
単位中の水酸基を、式(III)
【0006】
【0007】(式中、R4 、R5 、R6 及びR7 は、そ
れぞれ前記の意味を表す)で示される基で、部分的に又
は全面的に保護した樹脂を製造する方法に関するもので
ある。
【0008】
【従来の技術】樹脂中にある水酸基の少なくとも一部を
上記式(III) で示される基で保護した樹脂は、酸の作用
によりその保護基が開裂して脱離し、アルカリに対して
不溶性ないし難溶性の状態からアルカリ可溶性になるた
め、放射線照射により酸発生剤から発生する酸の触媒作
用を利用するいわゆる化学増幅型レジストのバインダー
成分として有用であることが知られている。
【0009】半導体集積回路の製造においては、高集積
化に伴い、クォーターミクロンのパターン形成が要求さ
れるようになっており、特にフッ化クリプトン(KrF) や
フッ化アルゴン(ArF) からのエキシマーレーザーを利用
するリソグラフィーは、64MDRAM 及び256MDRAM の
製造を可能とすることから、注目されている。かかるエ
キシマーレーザーリソグラフィープロセスに適したレジ
ストとして、酸触媒による化学増幅効果を利用した、い
わゆる化学増幅型レジストが提案されている。化学増幅
型レジストは、放射線照射部で酸発生剤から発生した酸
を触媒とする反応によって、露光部のアルカリ現像液に
対する溶解性を発現させるものであり、これによってポ
ジ型レジストが得られる。
【0010】化学増幅型のポジ型レジストには、ポリビ
ニルフェノール系樹脂など、前記式(I)で示される構
造単位を有する樹脂の水酸基を、酸の作用により脱離す
る基で保護した樹脂が多く用いられている。そして、こ
のような化学増幅型ポジ型レジスト用の樹脂には、水酸
基のうち保護基が導入された割合、すなわち保護化率を
種々にしたものが、用途に応じて要求されている。ま
た、半導体集積回路の高集積化には、一般にレジスト中
の金属分の低減が不可欠である。さらには、保護基は酸
の作用により脱離するので、樹脂中に酸が微量でも存在
すると、保存安定性などに顕著な影響を与えることも考
えられる。このような化学増幅型ポジ型レジスト用とし
て、安定した保護化率を有する樹脂を合成することは一
般に困難であり、また得られる樹脂中の金属分及び酸の
低濃度化についても非常に難しく、従来から、これらが
化学増幅型ポジ型レジスト用樹脂の製造における課題と
されていた。
【0011】化学増幅型ポジ型レジスト用の樹脂につ
き、従来から知られている合成法の一つとして、例え
ば、特開平 5-249682 号公報(= USP 5,468,589) の製造
例2や、特開平 8-101507 号公報に記載されているよう
な、保護基が導入されたモノマーと保護基が導入されて
いないモノマーとを別々に用意し、両者を共重合する方
法がある。この方法によれば、保護化率はほぼ一定にす
ることができるものの、樹脂の重合度、多分散度、均一
性(各共重合成分の分布状態)などを調整するのが難し
く、一定の保護化率を有する均一な樹脂を作るには、非
常に手間がかかっていた。また、ラジカル重合などでは
反応熱を必要とする場合も多く、共重合過程で保護基が
はずれる可能性もある。
【0012】一方、従来から知られている化学増幅型ポ
ジ型レジスト用樹脂のもう一つの製造法としては、前記
特開平 5-249682 号公報(= USP 5,468,589) の製造例3
〜5及び7〜9や、特開平 3-282550 号公報に記載され
ているような、保護基のない樹脂に保護基を導入してい
く方法がある。この方法でも、反応を厳密に制御するこ
とが困難であり、反応のロット毎に保護化率が大きく変
化するなどの問題があった。そのためか、この方法によ
って得られた保護基導入樹脂を用いたレジストにおい
て、耐熱性、残膜率、塗布性、プロファイルなどの諸性
能を一定にするのが難しく、そしてレジストの感度及び
解像度の向上にも限界があった。
【0013】また、従来の方法では一般に、保護基が導
入された樹脂は粉体として取り出されていたが、こうし
て粉体の形で取り出された樹脂には、金属成分や酸が混
入してくることが多く、それらの除去が非常に難しい。
さらには、結晶性の悪い樹脂では、粉体としての取り出
し自体が困難になることもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
式(I)の構造単位を有する樹脂に、前記式(II)の不
飽和化合物を反応させて、当該樹脂中の水酸基の少なく
とも一部を前記式(III)で示される基で保護した樹脂を
製造するにあたり、保護化率をほぼ一定に制御でき、そ
れにより、化学増幅型ポジ型レジストに用いた場合に優
れた性能を発揮する樹脂を製造しうる方法を提供するこ
とにある。
【0015】本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭
意研究を行った結果、前記式(I)の構造単位を有する
樹脂に前記式(II)の不飽和化合物を反応させるにあた
り、原料樹脂や溶媒、酸触媒などの反応資材から持ち込
まれる水分が、反応結果に大きく影響を与えることを見
出し、そして、この反応系内の水分含量を適正な値に調
整することにより、化学増幅型ポジ型レジスト用とし
て、優れた性能を有する保護基導入樹脂が得られること
を見出した。本発明は、こうした知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、前記
式(I)で示される構造単位を有する樹脂と、前記式
(II)で示される不飽和化合物とを、酸触媒の存在下
に、水分含量が0.5重量%以下の液相中で反応させるこ
とにより、酸で開裂する保護基を有する樹脂を製造する
方法を提供するものである。
【0017】ここで、反応溶液中の水分が多くなると、
その水も酸の存在下で式(II)の不飽和化合物と反応し
て、式(II)の不飽和化合物に水が付加した構造の副生
成物を生ずる可能性があり、これが不純物になるととも
に、式(I)の構造単位を有する樹脂に対する式(II)
で示される不飽和化合物の反応効率が悪くなる。保護基
導入後の樹脂中に不純物が多く存在することは、それを
用いて得られるレジストの耐熱性、残膜率、塗布性、プ
ロファイルなどの諸性能に悪影響を及ぼす可能性がある
とともに、レジストの感度や解像度などにも悪影響を及
ぼしかねない。そこで本発明は、反応溶液中の水分含量
を0.5重量%以下とすることによって、このような問題
を解決したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明によれば、式(I)で示さ
れる構造単位を有する樹脂と、式(II)で示される不飽
和化合物との反応により、式(I)中の水酸基に前記式
(III) で示される保護基が導入されて、式(I)で示さ
れる構造単位の少なくとも一部が、次式(IV)
【0019】
【0020】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 及びXは、それぞれ前記の意味を表す)で示
される構造単位になった樹脂が得られることになる。
【0021】本発明で原料として用いる樹脂は、前記式
(I)の構造単位を有し、この構造単位は、フェノール
性水酸基、アルコール性水酸基又はカルボキシル性水酸
基を有するものである。この樹脂は、式(I)の構造単
位を有していればよく、事実上この構造単位のみを有す
るいわゆる単独重合体のほか、式(I)の定義に含まれ
る2種又はそれ以上の繰り返し単位からなる共重合体
や、式(I)の構造単位とともに他の構造単位を有する
共重合体であってもよい。
【0022】式(I)において、R1 及びR2 はそれぞ
れ、水素、脂肪族炭化水素基、アルコキシ又はハロゲン
である。ここで脂肪族炭化水素基は、例えば炭素数1〜
6程度であることができ、炭素数2以上の場合は飽和で
も不飽和でもよく、また炭素数3以上の場合は直鎖でも
分枝状でもよいが、好ましくは飽和のもの、すなわちア
ルキルである。アルコキシも、例えば炭素数1〜6程度
であることができ、炭素数3以上の場合は直鎖でも分枝
状でもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素などであ
ることができる。
【0023】R3 は、水素、脂肪族炭化水素基、アリー
ル、シアノ、ハロゲン、カルボキシル又はカルボン酸エ
ステル基である。ここで脂肪族炭化水素基は、例えば炭
素数1〜6程度であることができ、炭素数2以上の場合
は飽和でも不飽和でもよく、また炭素数3以上の場合は
直鎖でも分枝状でもよいが、好ましくは飽和のもの、す
なわちアルキルである。アリールとしては、無置換の又
は、アルキル、アルコキシ若しくはハロゲンのような置
換基で置換されたフェニルなどを挙げることができる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素などであることができ
る。カルボキシルは、−COOHなる基であり、そして
カルボン酸エステル基は、−COOR11で示される基で
あり、ここにR11は、炭化水素基、特に脂肪族又は脂環
式炭化水素基である。
【0024】またXは、アルキレン、アリーレン又はカ
ルボニルである。ここでアルキレンは、例えば炭素数1
〜6程度であることができ、炭素数2以上の場合は直鎖
でも分岐していてもよい。アリーレンは、例えば、無置
換の又は、アルキル、アルコキシ若しくはハロゲンのよ
うな置換基で置換されたフェニレンなどであることがで
きる。
【0025】式(I)の構造単位を有する樹脂として、
具体的には例えば、ポリビニルフェノール樹脂;ポリイ
ソプロペニルフェノール樹脂;一部接触水素還元された
ポリビニルフェノール樹脂;一部接触水素還元されたポ
リイソプロペニルフェノール樹脂;ビニルフェノール
と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン
酸、無水マレイン酸、イソプロペニルフェノール、スチ
レン、α−メチルスチレン、核アルキル又はアルコキシ
置換スチレン等との共重合体;イソプロペニルフェノー
ルと、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、無水マレイン
酸、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、核アルキル又はアルコキシ置換スチレン等との共重
合体;スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル又は
アルコキシ置換スチレンのようなスチレン類と、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸等との共重合体;アク
リル酸及び/又はメタクリル酸と、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、無水マレイン
酸、アクリロニトリル等との共重合体;脂肪族不飽和ア
ルコールを一つのモノマーとする重合体又は共重合体な
どを挙げることができる。
【0026】また、上記水酸基を有する樹脂と反応させ
る式(II)の不飽和化合物は、分子内にエノールエーテ
ル基を少なくとも1個有し、水酸基を有しないものであ
る。エノールエーテル基は、分子内に少なくとも1個あ
ればよいが、複数個あっても構わない。
【0027】式(II)において、R4 及びR5 はそれぞ
れ、水素、脂肪族炭化水素基、アルコキシ、シアノ若し
くはハロゲンであり、そしてR6 は、水素、脂肪族炭化
水素基、アルコキシ若しくはハロゲンであるか、又はR
4 、R5 及びR6 のうち二つが結合して脂肪族性の環を
形成する。またR5 は、後述するように、R7 と結合し
て脂肪族性の環を形成することもできる。ここで脂肪族
炭化水素基は、例えば炭素数1〜6程度であることがで
き、炭素数2以上の場合は飽和でも不飽和でもよく、ま
た炭素数3以上の場合は直鎖でも分枝状でもよいが、好
ましくは飽和のもの、すなわちアルキルである。アルコ
キシも、例えば炭素数1〜6程度であることができ、炭
素数3以上の場合は直鎖でも分枝状でもよい。ハロゲン
は、フッ素、塩素、臭素などであることができる。
4 、R5 及びR6 のうちの二つが結合する場合につい
て説明すると、この結合は脂肪族性のものであり、飽和
であってもオレフィン性不飽和であってもよい。例え
ば、R4 とR6 が一緒になって、それらが結合する−C
=C−とともに、炭素数5〜10程度のシクロアルケン
環やシクロアルカジエン環などを形成することができ
る。また例えば、R4 とR5が一緒になって、それらが
結合する炭素原子とともに、炭素数5〜10程度のシク
ロアルカン環やシクロアルケン環などを形成することが
できる。
【0028】R7 は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水
素基、トリアルキルシリル、アリール、アルカノイル若
しくはアリーロイルであるか、又はR5 と結合して脂肪
族性の環を形成する。ここで脂肪族炭化水素基は、例え
ば炭素数1〜6程度であることができ、炭素数2以上の
場合は飽和でも不飽和でもよく、また炭素数3以上の場
合は直鎖でも分枝状でもよいが、好ましくは飽和のも
の、すなわちアルキルである。この脂肪族炭化水素基
は、途中にエーテル結合が存在していてもよく、この場
合は末端がビニルオキシになったものも有効である。脂
環式炭化水素基は、例えば炭素数5〜10程度であるこ
とができ、飽和でも不飽和でもよく、また環からアルキ
ルなどが分岐していてもよい。この脂環式炭化水素基
は、ビニルオキシで置換されていてもよい。トリアルキ
ルシリルは、アルキル部分が炭素数1〜6程度のもの、
例えばトリメチルシリルやトリイソプロピルシリルなど
であることができる。アリールは、例えば、無置換の又
は、アルキル、アルコキシ若しくはハロゲンのような置
換基で置換されたフェニルなどであることができる。ア
ルカノイル及びアリーロイルは、式−C(=O)R12で示
される基であり、アルカノイルはR12がアルキルのも
の、そしてアリーロイルはR12がアリールのものであ
る。アルカノイルは、例えば、アセチルやプロピオニル
など、炭素数2〜6程度であることができる。アリーロ
イルは、例えば、ベンゾイルやそのアルキル、アルコキ
シ又はハロ置換体などであることができる。R7 がR5
と結合する場合の例としては、両者で例えば炭素数2〜
6程度のアルキレン鎖を形成したものが挙げられる。こ
のアルキレン鎖は、環外に分岐していてもよく、またア
ルコキシなどの置換基を有していてもよい。
【0029】式(II)で示される不飽和化合物として、
具体的には例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピ
ルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−
ペンチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテ
ル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニ
ルエーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、シクロヘプ
チルビニルエーテル、1−メトキシプロペン及び2−メ
トキシプロペンのようなアルキルアルケニルエーテル
類、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレン
グリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオール
ジビニルエーテル及び1,4−シクロヘキサンジオール
ジビニルエーテルのようなグリコールジアルケニルエー
テル類、2,3−ジヒドロ−4H−ピラン、2,3−ジ
ヒドロフラン、2−メトキシ−2,3−ジヒドロ−4H
−ピラン、2−エトキシ−2,3−ジヒドロ−4H−ピ
ラン及び2−メトキシ−2,3−ジヒドロフランのよう
な環状不飽和エーテル類、トリメチルシリルビニルエー
テル及びトリイソプロピルシリルビニルエーテルのよう
なトリアルキルシリルビニルエーテル類、3−メトキシ
アクリロニトリルのようなシアノビニルエーテル類、1
−シクロヘキセニルメチルエーテル及び1−シクロヘキ
セニルエチルエーテルのような1−シクロアルケニルア
ルキルエーテル類などが挙げられる。
【0030】本発明では、式(I)の構造単位を有する
樹脂に、式(II)の不飽和化合物を反応させて、式
(I)中の水酸基の少なくとも一部を前記式(III) で示
される基で保護する。この反応により元の水酸基に導入
される保護基の割合、すなわち保護化率は、保護基導入
後の樹脂の用途にもよるが、一般には原料樹脂中の水酸
基のうち、5〜100モル%の範囲から選択され、特に
元の水酸基の一部、具体的には例えば5〜90モル%の
範囲で、式(III) の基を導入するのが好ましい。このた
めには、式(II)で示される不飽和化合物の種類にもよ
るが、この反応は平衡反応であることから、式(II)の
不飽和化合物の使用量を、式(I)の構造単位を有する
樹脂中の水酸基に対して5モル%以上で、適宜選択すれ
ばよい。
【0031】式(I)で示される構造単位を有する樹脂
と式(II)で示される不飽和化合物との反応は、酸触媒
の存在下で行われる。ここで用いる酸触媒は、有機酸で
も無機酸でもよく、具体的には例えば、p−トルエンス
ルホン酸、蓚酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、蟻
酸、マレイン酸、フタル酸、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸
などが挙げられる。酸触媒は、式(II)で示される不飽
和化合物に対して、一般には0.0001〜0.1モル倍の
範囲で用いるのが好ましく、さらには0.001〜0.01
モル倍の範囲がより好ましい。酸触媒の量があまり少な
くなると、反応が進みにくく、化学平衡に達するのに長
時間を要する。また、その量があまり多くなると、式
(II)の不飽和化合物がカチオン重合を起こしやすくな
り、これにより保護化率が低下しやすくなる。
【0032】反応にあたっては、通常、式(I)の構造
単位を有する樹脂、酸触媒及び溶媒を混合して液相と
し、そこへ式(II)の不飽和化合物を添加していくのが
好ましい。そして、式(I)の構造単位を有する樹脂、
酸触媒及び溶媒を混合してなる液相中には、各反応資材
から持ち込まれた水分がある程度存在するので、本発明
では、その液相中の水分を0.5重量%以下にしておく必
要がある。この場合、式(I)の構造単位を有する樹
脂、酸触媒及び溶媒として、それぞれの水分含量を十分
に少なくしたあと混合することにより、反応溶液の水分
含量を上記のようにすることも可能であるが、通常は、
蒸留により水を伴って留去されうる有機溶媒を用い、こ
れに式(I)の構造単位を有する樹脂及び酸触媒を溶解
し、この溶液から、蒸留によってある程度の量の溶媒を
留去するとともに、水分も除去する方法が好ましく採用
される。水分は可能なかぎり十分に除去するのが望まし
いが、その量をあまりに少なくすることは、脱水コスト
を高め、実用的とはいえないので、通常は、水分含量が
0.001〜0.5重量%の範囲にあればよい。
【0033】ここで用いる溶媒は、前述の如く蒸留によ
り水を伴って留去されうるもの、例えば、共沸脱水が可
能な溶媒や、水よりも沸点の高い溶媒が好ましい。具体
的には例えば、メチルイソプロピルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、エチルイソプロピルケトン及びメチルア
ミルケトンのようなケトン類、1,4−ジオキサン、
1,3−ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、ジメ
トキシエタン、ジエトキシエタン及びジエチレングリコ
ールジメチルエーテルのようなエーテル類、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート及びエチレング
リコールモノプロピルエーテルアセテートのようなグリ
コールエーテルエステル類、蟻酸n−プロピル、蟻酸イ
ソプロピル、蟻酸n−ブチル、蟻酸イソブチル、酢酸エ
チル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−
ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン
酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル及びプロピオ
ン酸イソブチルのようなエステル類、ヘプタン及びオク
タンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、
キシレン及びニトロベンゼンのような芳香族炭化水素
類、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドの
ようなアミド類、ジクロロエタン及び四塩化炭素のよう
な脂肪族ハロゲン化炭化水素類などを挙げることができ
る。これらの溶媒は、それぞれ単独で、又は2種以上混
合して用いることができる。
【0034】式(I)の構造単位を有する樹脂及び酸触
媒を溶媒に溶かすにあたっては、式(I)の構造単位を
有する樹脂の総重量に対し、溶媒を2〜100重量倍の
範囲で用いるのが好ましい。溶媒の量があまり少ない
と、脱水蒸留の前及び後における樹脂の溶解度が足りな
くなったり、攪拌動力の問題が出てきたりし、また水分
の除去も十分でなくなりやすい。一方、樹脂濃度があま
り低くなると、脱水蒸留に長時間を要することになる。
【0035】このような溶液から、脱水蒸留により、水
分とともに一部の溶媒を除去するのであるが、この際、
蒸留前の溶媒のうちの少なくとも30重量%、できれば
少なくとも50重量%を留去させ、かつ蒸留後の溶液中
に残る溶媒量が、式(I)の構造単位を有する樹脂の総
重量に対して、1〜20重量倍となるようにするのが好
ましい。留去させる溶媒の量があまり少ないと、反応溶
液中の水分含量が本発明の上限値である0.5重量%を上
回ることがあり、一方、留去させる溶媒の量を極度に多
くしようとすると、蒸留の時間が長くなり、また溶解度
の制限や攪拌動力の問題も出てくるので、あまり好まし
くない。脱水蒸留は、常圧又は減圧下に行うことができ
る。脱水蒸留の際の温度は減圧度によっても変化する
が、一般には10〜100℃の範囲とするのが望まし
い。この脱水蒸留は、還流によって行うのも有効であ
る。脱水蒸留後の溶液における樹脂濃度は、通常5〜5
0重量%程度である。
【0036】こうして水分含量が低減された反応溶液中
で、式(I)の構造単位を有する樹脂と式(II)の不飽
和化合物との反応を行うのであるが、好ましくは、式
(I)の構造単位を有する樹脂及び酸触媒を溶解し、水
分含量が低減された反応溶液中に、式(II)の不飽和化
合物を添加して反応させる。この反応の温度は、使用す
る溶媒及び式(II)の不飽和化合物の沸点以下であれば
よい。ただし、式(II)の不飽和化合物が、エチルビニ
ルエーテルのように揮発性の高いものである場合や、反
応が著しい発熱を伴う場合、反応により樹脂中に導入さ
れた保護基が脱離しやすい場合などには、冷却しながら
反応を行うのが好ましい。
【0037】反応時間は、用いる樹脂や不飽和化合物の
種類によっても異なるが、通常0.1〜250時間の範囲
から選択される。好ましくは0.5〜48時間の範囲であ
る。反応時間があまり長くなると、式(II)で示される
不飽和化合物の重合反応等、副反応を起こす可能性があ
る。また、反応時間があまり短いと、反応の平衡状態に
達していない可能性がある。
【0038】反応終了後は、保護基が導入された樹脂を
晶析などにより固体として取り出すこともできるが、生
成物中の金属分や酸の含有量を少なくするために、反応
溶液を水洗して分液するのが好ましい。この際、反応に
用いた溶媒を含む反応溶液に水だけを加えて攪拌し、洗
浄することもできるが、反応溶液に水を加えただけでは
分液しないか、又は分液しにくい場合には、水ととも
に、分液用の有機溶媒を加えることも有効である。ここ
で加える分液用の溶媒は、反応に用いたものと同じでも
よいし、それとは異なるものでもよいが、水と分液する
必要があるため、通常は、水に対する溶解度が9重量%
以下のものがよく、さらには、水に対する溶解度が5重
量%以下のものがより好ましい。ここでいう水に対する
溶解度は、20℃の水100gに溶ける最大量を意味す
る。またこの分液の際、各種の分液性改良方法を採用す
ることもできるが、無機塩等の電解質を添加する方法
は、低金属化が難しくなるので好ましくない。なお、反
応終了後に反応溶液を一旦弱酸水溶液で洗浄してから分
液し、次に酸を除去するために、水、例えば蒸留水やイ
オン交換水で洗浄することは、金属分をさらに低減する
ことができるので、一層好ましい。
【0039】洗浄の際の温度は、通常5〜80℃の範囲
から選ぶのが望ましく、より好ましくは10〜50℃の
範囲である。温度があまり高いと、洗浄時に保護基の脱
離が進行してしまう可能性があるので、溶媒の融点以上
であれば、なるべく低温で洗浄するのが望ましい。一方
で、分液性向上のためには、洗浄時の温度をある程度上
げるのもやむをえない。
【0040】このようにして洗浄したあとは、そのまま
溶液の形で製品とすることもでき、また適当な方法で濃
縮して、樹脂濃度を高めた製品とすることもできる。濃
縮を行う場合は、溶媒除去のための通常の方法が採用で
きる。またもちろん、洗浄後の溶液から晶析その他の方
法により、保護基が導入された樹脂を固体として取り出
すことも可能である。本発明によれば、所望の割合で保
護基が導入され、かつ金属分や酸の含有量が低減された
樹脂を溶液の形で取り出すことができ、それをそのまま
レジスト液調製のために用いることができるので、好都
合である。
【0041】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。 以下の例において、水分含
量はカールフィッシャー法により測定し、樹脂の重量平
均分子量はゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により
測定し、樹脂溶液中の固形分は加熱質量減量法により測
定し、保護基が導入された樹脂の保護化率は核磁気共鳴
(NMR)により測定し、樹脂溶液中の金属分は誘導結
合プラズマ(ICP)質量分析法により測定し、樹脂溶
液中のp−トルエンスルホン酸含量はイオンクロマトグ
ラフ法により測定した。
【0042】実施例1 1リットル容量のナス型フラスコに、重量平均分子量 1
6,800 のポリ(p−ビニルフェノール)40g(モノマ
ー単位として0.333モル)、p−トルエンスルホン酸
1水和物0.057g、及びメチルイソブチルケトン48
0gを仕込み、攪拌して樹脂を溶解させた。溶解後、6
0℃、60Torrの条件で、261.86gの溶媒を減圧留
去した。減圧蒸留後の溶液の水分量を測定したところ、
0.043モルであり、溶液全体に対して0.30重量%で
あった。
【0043】この樹脂溶液を、メカニカルスターラー及
び冷却管が取り付けられた四つ口フラスコに入れ、その
後0.5時間かけて窒素置換した。この溶液を15℃に冷
却したあと、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテ
ル14.4g(0.20モル、ポリ(p−ビニルフェノー
ル)の水酸基に対して0.60当量)を10分かけて滴下
した。25℃で5時間攪拌後、底抜きコックを有する1
リットル容量のセパラブルフラスコに溶液を移し、メチ
ルイソブチルケトン98.17g及びイオン交換水12
3.57gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交
換水123.57gで洗浄してから分液し、さらにこの水
洗分液をもう1度繰り返した。こうして得られた有機層
から、エバポレーターを用いて267.8gの溶媒を留去
したあと、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートを396.54g加え、次にエバポレーターを用
いて溶媒の一部を留去して、152.07gの樹脂溶液を
得た。得られた樹脂溶液の分析結果は、以下のとおりで
あった。
【0044】水分0.30重量%、 重量平均分子量 23,400 、 固形分33.26重量%、 保護化率47.2%(エチルビニルエーテルの転化率7
8.7%)、 金属分:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、鉄、銅、マンガン、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、クロム及び鉛各1ppb 以下、 p−トルエンスルホン酸1ppm 以下。
【0045】実施例2 1リットル容量のナス型フラスコに、重量平均分子量 1
0,100 のポリ(p−ビニルフェノール)40g(モノマ
ー単位として0.333モル)、p−トルエンスルホン酸
1水和物0.033g、及びプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート480gを仕込み、攪拌して樹
脂を溶解させた。溶解後、60℃、30Torrの条件で、
274.65gの溶媒を減圧留去した。減圧蒸留後の溶液
の水分量を測定したところ、0.019モルであり、溶液
全体に対して0.14重量%であった。
【0046】この樹脂溶液を、メカニカルスターラー及
び冷却管が取り付けられた四つ口フラスコに入れ、その
後0.5時間かけて窒素置換した。この溶液を15℃に冷
却したあと、滴下ロートを用いて、エチルビニルエーテ
ル8.4g(0.116モル、ポリ(p−ビニルフェノー
ル)の水酸基に対して0.35当量)を10分かけて滴下
した。25℃で5時間攪拌後、底抜きコックを有する1
リットル容量のセパラブルフラスコに溶液を移し、メチ
ルイソブチルケトン126.88g及びイオン交換水12
6.88gを加えて分液した。得られた有機層をイオン交
換水126.88gで洗浄してから分液し、さらにこの水
洗分液をもう1度繰り返した。 こうして得られた有機
層から、エバポレーターを用いて105.92gの溶媒を
留去したあと、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテートを241.71g加え、次にエバポレーター
を用いて溶媒の一部を留去して、174.84gの樹脂溶
液を得た。得られた樹脂溶液の分析結果は、以下のとお
りであった。
【0047】水分0.14重量%、 重量平均分子量 13,900 、 固形分24.67重量%、 保護化率29.1%(エチルビニルエーテルの転化率8
3.1%)、 金属分:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、鉄、銅、マンガン、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、クロム及び鉛各1ppb 以下、 p−トルエンスルホン酸1ppm 以下。
【0048】比較例1 メカニカルスターラー及び冷却管が取り付けられた50
0ml容量の四つ口フラスコに、重量平均分子量 7,300の
ポリ(p−ビニルフェノール)25g(モノマー単位と
して0.208モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物
0.053g、及び1,4−ジオキサン250gを仕込
み、攪拌して樹脂を溶解させた。この溶液の水分量を測
定したところ、0.095モルであり、溶液全体に対して
0.62重量%であった。
【0049】この樹脂溶液を15℃に冷却したあと、滴
下ロートを用いて、エチルビニルエーテル12.0g
(0.166モル、ポリ(p−ビニルフェノール)の水酸
基に対して0.80当量)を10分かけて滴下した。25
℃で5時間攪拌後、この溶液をイオン交換水1435g
に加えて晶析させた。析出物を液体から分離したあと、
洗浄のため再び1,4−ジオキサン216.7gに溶か
し、イオン交換水1435gに加えて晶析させた。得ら
れた析出物を液体から分離し、30℃で24時間減圧乾
燥して、28.2gの粉体を得た。この粉体の分析結果
は、以下のとおりであった。
【0050】水分0.63重量%、 重量平均分子量 9,200、 固形分93.3重量%、 保護化率34.4%(エチルビニルエーテルの転化率4
3.0%)。
【0051】比較例2 メカニカルスターラー及び冷却管が取り付けられた50
0ml容量の四つ口フラスコに、重量平均分子量 7,300の
ポリ(p−ビニルフェノール)25g(モノマー単位と
して0.208モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物
0.047g、及びメチルイソブチルケトン150gを仕
込み、攪拌して樹脂を溶解させた。この溶液の水分量を
測定したところ、0.113モルであり、溶液全体に対し
て1.16重量%であった。
【0052】この樹脂溶液に、滴下ロートを用いてエチ
ルビニルエーテル9.0g(0.125モル、ポリ(p−ビ
ニルフェノール)の水酸基に対して0.60当量)を10
分かけて滴下した。25℃で5時間攪拌後、底抜きコッ
クを有する1リットル容量のセパラブルフラスコに溶液
を移し、イオン交換水184gを加えて分液した。得ら
れた有機層をイオン交換水126.88gで洗浄してから
分液し、さらにこの水洗分液をもう1度繰り返した。こ
うして得られた有機層から、エバポレーターを用いて溶
媒の一部を留去したあと、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートを184g加え、次にエバポレ
ーターを用いて溶媒の一部を留去して、101.03gの
樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の分析結果は、以下
のとおりであった。
【0053】水分1.16重量%、 重量平均分子量 8,400、 固形分26.8重量%、 保護化率5.9%(エチルビニルエーテルの転化率9.8
%)。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、水酸基を有する樹脂に
対して、エノールエーテル基を有する化合物を効率的に
反応させて保護基を導入することができ、したがって、
所望の保護化率を有する樹脂を容易に製造することがで
きる。また本発明によれば、保護基が導入された樹脂を
溶液の形で取り出した場合でも、その樹脂溶液中の酸濃
度が小さく、したがって、保護基を有するが、保存安定
性に優れた樹脂が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】重量平均分子量 23,400 、 固形分33.26重量%、 保護化率47.2%(エチルビニルエーテルの転化率7
8.7%)、 金属分:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、鉄、銅、マンガン、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、クロム及び鉛各1ppb 以下、 p−トルエンスルホン酸1ppm 以下。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】重量平均分子量 13,900 、 固形分24.67重量%、 保護化率29.1%(エチルビニルエーテルの転化率8
3.1%)、 金属分:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、鉄、銅、マンガン、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、クロム及び鉛各1ppb 以下、 p−トルエンスルホン酸1ppm 以下。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】重量平均分子量 9,200、 固形分93.3重量%、 保護化率34.4%(エチルビニルエーテルの転化率4
3.0%)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】重量平均分子量 8,400、 固形分26.8重量%、 保護化率5.9%(エチルビニルエーテルの転化率9.8
%)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素、脂肪族
    炭化水素基、アルコキシ又はハロゲンを表し、R3 は、
    水素、脂肪族炭化水素基、アリール、シアノ、ハロゲ
    ン、カルボキシル又はカルボン酸エステル基を表し、X
    は、アルキレン、アリーレン又はカルボニルを表す)で
    示される構造単位を有する樹脂と、式(II) (式中、R4 及びR5 はそれぞれ独立に、水素、脂肪族
    炭化水素基、アルコキシ、シアノ若しくはハロゲンを表
    し、そしてR6 は、水素、脂肪族炭化水素基、アルコキ
    シ若しくはハロゲンを表すか、又はR4 、R5 及びR6
    のうち二つが結合して脂肪族性の環を形成し、R7 は、
    エーテル結合で中断されていてもよい脂肪族炭化水素
    基、ビニルオキシで置換されていてもよい脂環式炭化水
    素基、トリアルキルシリル、アリール、アルカノイル若
    しくはアリーロイルを表すか、又はR7 がR5 と結合し
    て脂肪族性の環を形成する)で示される不飽和化合物と
    を、酸触媒の存在下に、水分含量が0.5重量%以下の液
    相中で反応させることを特徴とする、酸で開裂する保護
    基を有する樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】液相中の水分含量が0.001〜0.5重量%
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】酸触媒が実質的に金属を含まない請求項1
    又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】蒸留により水を伴って留去されうる溶媒の
    存在下で反応を行う請求項1〜3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】式(I)で示される構造単位を有する樹脂
    及び酸触媒を溶媒に溶解したあと、この溶液を蒸留する
    ことにより溶媒の一部を留去するとともに水分を除去
    し、こうして水分が除去された溶液に式(II)で示され
    る不飽和化合物を加えて反応を行う、請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】反応終了後の溶液を水洗分液することによ
    り金属含量を低減させる請求項1〜5のいずれかに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】生成した樹脂を溶液として取り出す請求項
    1〜6のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6624257B2 (en) 2000-08-23 2003-09-23 Sumitomo Chemical Company, Limited Method of quantifying protective ratio of hydroxyl groups of polymer compound
WO2005023880A1 (ja) * 2003-09-03 2005-03-17 Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. 酸不安定基を有する化合物の製造法
WO2005080458A1 (ja) * 2004-02-25 2005-09-01 Kansai Paint Co., Ltd. 光導波路用硬化性樹脂組成物、光導波路用硬化性ドライフィルム、光導波路及び光導波路用コア部分の形成方法

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