JP2943740B2 - 化学増幅型フォトレジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
化学増幅型フォトレジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法Info
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おける微細加工に用いられる化学増幅型フォトレジスト
組成物およびパターン形成方法に関する。
ロオーダーの微細加工を必要とする各種電子デバイス製
造の分野では、デバイスのより一層の高密度、高集積化
の要求が高まっている。そのため、微細パターン形成の
ためのフォトリソグラフィー技術に対する要求が益々厳
しくなっている。パターンの微細化を図る手段の一つと
して、レジストのパターン形成の際に使用される露光光
の短波長化が知られている。例えば64Mビットまでの
集積度のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス
・メモリー)の製造には、高圧水銀灯のi線(波長=3
65nm)が光源として使用されてきた。256Mビッ
ト(加工寸法が0.25μm以下)DRAMの量産プロ
セスには、i線に変りより短波長のKrFエキシマレー
ザ(波長=248nm)の露光光源としての利用が現在
積極的に検討されている。しかし、さらに微細な加工技
術(加工寸法が0.18μm以下)を必要とする1Gビ
ット以上の集積度をもつDRAMの製造には、より短波
長の光源が必要とされており、特にArFエキシマレー
ザ(193nm)を用いたフォトリソグラフィーの利用
が最近考えられている[ドナルド C.ホッファーら、
ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サイエンス・アン
ド・テクノロジー(Journal of PhotopolymerScience a
nd Technology) 、9巻(3号)、387頁〜397頁
(1996年)]。このためArF光を用いたフォトリ
ソグラフィーに対応するレジストの開発が望まれてい
る。このArF露光用レジストは、レーザ発振の原料で
あるガスの寿命が短いこと、レーザ装置自体が高価であ
る等々から、レーザのコストパフォーマンスの向上を満
たす必要がある。このため、加工寸法の微細化に対応す
る高解像性に加え、高感度化への要求が高い。レジスト
の高感度化の方法として、感光剤である光酸発生剤を利
用した化学増幅型レジストがよく知られており、例えば
代表的な例としては、特開平2−27660号公報に
は、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフロオロアーセ
ナートとポリ(p−tert−ブトキシカルボニルオキ
シ−α−メチルスチレン)の組み合わせからなるレジス
トが記載されている。化学増幅型レジストは現在KrF
エキシマレーザ用レジストに広く用いられている[例え
ば、ヒロシ イトー、C.グラントウィルソン、アメ
リカン・ケミカル・ソサイアティ・シンポジウム・シリ
ーズ242巻、11頁〜23頁(1984年)]。化学
増幅型レジストの特徴は、含有成分である、光酸発生剤
から光照射により発生したプロトン酸が、露光後の加熱
処理によりレジスト樹脂等と酸触媒反応を起こすことで
ある。このようにして光反応効率(一光子あたりの反
応)が1未満の従来のレジストに比べて飛躍的な高感度
化を達成している。現在では開発されるレジストの大半
が化学増幅型であり、露光光源の短波長化に対応した高
感度材料の開発には、化学増幅機構の採用が必須となっ
ている。
マレーザに代表される220nm以下の短波長光を用い
たリソグラフィーの場合、微細パターンを形成するため
の化学増幅型フォトレジストの樹脂成分には従来の材料
では満足できない新たな特性、すなわち、220nm以
下の露光光に対する高透明性とエッチング耐性が必要と
されている。g線(438nm)、i線(365n
m)、KrFエキシマレーザ(248nm)を用いる従
来のリソグラフィーにおいては、フォトレジスト組成物
の樹脂成分はノボラック樹脂あるいはポリ(p−ビニル
フェノール)等構造単位中に芳香環を有する樹脂が利用
されており、この芳香環のドライエッチング耐性により
樹脂のエッチング耐性を維持できた。しかし、芳香環を
有する樹脂は220nm以下の波長の光に対する光吸収
が極めて強い。そのため、レジスト表面で大部分の露光
光が吸収され、露光光が基板まで透過しないため、微細
なレジストパターン形成ができない。このため従来樹脂
をそのまま220nm以下の短波長光を用いたフォトリ
ソグラフィーに適用できない。したがって、芳香環を含
まずかつエッチング耐性を有し、220nm以下の波長
に対して透明な樹脂材料が切望されている。ArFエキ
シマレーザ光(193nm)に対し透明性をもち、なお
かつドライエッチング耐性をもつ高分子化合物として、
脂環族高分子であるアダマンチルメタクリレート単位を
もつ共重合体[武智ら、ジャーナル・オブ・フォトポリ
マー・アンド・サイエンス・アンド・テクノロジー(Jou
rnal of Photopolymer Science and Technology)、5巻
(3号)、439頁〜446頁(1992年)やイソボ
ルニルメタクリレート単位をもつ共重合体[R.D.ア
レン(R.D.Allen)ら、ジャーナル・オブ・フォトポリマ
ー・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Ph
otopolymer Sciennce and Technology) 、8巻(4
号)、623頁〜636頁(1995年)、および9巻
(3号)、465頁〜474頁(1996年)]、ある
いはメンチルメタクリレート単位をもつ共重合体[信田
ら、ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サイエンス・
アンド・テクノロジー(Journal of Photopolymer Scien
nce and Technology) 、9巻(3号)、457頁〜46
4頁(1996年)]等が提案されている。そしてこの
ような樹脂においては、露光により発生した酸の作用に
より分解し、露光前後での現像液に対する溶解速度差を
発現し得るコモノマーとして、t−ブチル基やテトラヒ
ドロピラニル基のような酸分解性基(保護基)を有する
メタクリレートエステルが用いられている。そして、露
光部と未露光部の現像液に対する溶解速度差が大きいほ
ど溶解コントラストが大きくなり、微細パターンの形成
が可能となる。
るt−ブチル基やテトラヒドロピラニル基は、溶解阻止
能が低く(露光前後での溶解速度差が小さく)、また基
板への密着性が低い欠点を有する。
ソグラフィーに用いられる化学増幅型フォトレジスト組
成物においては、220nm以下の光に対する透明性が
高く、エッチング耐性が高く、かつ露光前後の溶解度差
が大きい保護基を有し、かつ基板密着性の向上した新し
いフォトレジスト材料が切望されている。
20nm以下の露光光、特に180nm以上220nm
以下の露光光を用いたリソグラフィーに用いられる化学
増幅型フォトレジスト組成物において透明性、ドライエ
ッチング耐性、基板密着性を維持し、さらに解像度、お
よび現像液に対する溶解性に優れた化学増幅型フォトレ
ジスト組成物を提供することを目的とする。
によって達成される。
により酸分解性基が分解しアルカリ水溶液への溶解度が
増大する樹脂と、露光により酸を発生する光酸発生剤を
含有する化学増幅型フォトレジスト組成物において、前
記樹脂は芳香環を含まず、前記樹脂構造中の酸の作用に
より分解する酸分解性基が下記一般式(1)で表される
ことを特徴とする化学増幅型フォトレジスト組成物
6〜10の2価の炭化水素基、R2 は水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、あるいはアシル基を表す。)を提
案するものであり、前記樹脂成分が下記一般式(2)で
表される樹脂であること、
はメチル基を表し、R4,R6 は有橋環式炭化水素基を
有する炭素数7〜13の2価の炭化水素基、R8は水素
原子あるいは炭素数1〜10の炭化水素基を表す。x+
y+z=1、xは0〜1、yは0.1〜1、zは0〜
0.9を表す、また、重合体の重量平均分子量は100
0〜500000である。) 前記樹脂成分が下記一般式(3)で表される樹脂である
こと、
はメチル基を表し、R10は炭素数7〜10の有橋環式炭
化水素基を表す。k+m+n=1、kは0.1〜1、m
は0.1〜1、nは0〜0.9を表す。また、重合体の
重量平均分子量は1000〜500000である。) 前記樹脂成分を70〜98.8重量部、光酸発生剤を
0.2〜30重量部含有することを含む。
物を被加工基板上に塗布し、プリベーク後、189nm
〜220nmの波長の光で露光し、次いでベークを行っ
た後に現像して、レジストパターンを形成することを特
徴とするパターン形成方法を提案するものであり、前記
露光光がArFエキシマレーザ光であることを含む。
する。本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物は、酸
の作用により分解する酸分解性基が下記一般式(1)で
表される樹脂を使用するものである。
〜10の2価の炭化水素基であるが、具体的には、シク
ロヘキサンジイル基、メチルシクロヘキサンジイル基、
1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキサン−4,7
−ジイル基、ノルボルナンジイル基等が挙げられる。
基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基等が挙げられる。あるいはアシ
ル基具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基等が挙げられる。
る樹脂の具体的な例としては、一般式(2)、あるいは
一般式(3)で表される樹脂が挙げられるが、これらだ
けに限定されるものではない。
メチル基を表す。またR4 ,R6 は有橋環式炭化水素基
を有する炭素数7〜13の2価の炭化水素基を表すが具
体的には、表1に示すようなトリシクロ[5.2.1.
02,6 ]デシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.
02,6 ]デカンジイル基、アダマンタンジイル基、ノル
ボルナンジイル基、メチルノルボルナンジイル基、イソ
ボルナンジル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .
17,10]ドデカンジイル基、メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]ドデカンジイル基等が挙げら
れるが、これらだけに限定されるものではない。
素基を表すが、具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシク
ロヘキシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ニル基、アダマンチル基、ノルボニル基、イソボルニル
基等が挙げられるが、これらだけに限定されるものでは
ない。x+y+z=1、xは0〜1、yは0.1〜1、
zは0〜0.9を表す。また、重合体の重量平均分子量
は1000〜500000である。
メチル基を表す。また、R10は炭素数7〜10の有橋環
式炭化水素基、具体的には、トリシクロ[5.2.1.
02,6 ]デシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、イ
ソボルニル基等が挙げられるが、これらだけに限定され
るものではない。k+m+n=1、kは0.1〜1、m
は0.1〜1、nは0〜0.9を表す。また、重合体の
重量平均分子量は1000〜500000である。
る光酸発生剤は、400nm以下、好ましくは180n
m〜220nmの範囲の光の照射により酸を発生する光
酸発生剤であることが望ましく、なおかつ先に示した本
発明における高分子化合物等との混合物が有機溶媒に十
分に溶解し、かつその溶液がスピンコート等の製膜法で
均一な塗布膜が形成可能なものであれば、いかなる光酸
発生剤でもよい。また、単独でも、2種以上を混合して
用いてもよい。
ば、ジャーナル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリ
ー(Journal of the Organic Chemistry) 43巻、15
号、3055頁〜3058頁(1978年)に記載され
ているJ.V.クリベロ(J.V.Crivello)らのトリフェニ
ルスルホニウム塩誘導体、およびそれに代表される他の
オニウム塩(例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム
塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩
等の化合物)や、2,6−ジニトロベンジルエステル類
[O.ナラマス(O. Nalamasu) ら、 SPIEプロシー
ディング、1262巻、32頁(1990年)]、1,
2,3−トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン[タ
クミ ウエノら、プロシーディング・オブ・PME’8
9、講談社、413〜424頁(1990年)]、平5
−134416号公開特許公報で開示されたスルホサク
シンイミド等がある。
光酸発生剤は単独でも用いられるが、2種以上を混合し
て用いてもよい。光酸発生剤の含有率は、それ自身を含
む全構成成分100重量部に対して通常0.2〜30重
量部、好ましくは1〜15重量部である。この含有率が
0.5重量部未満では本発明の感度が著しく低下し、パ
ターンの形成が困難である。また30重量部を越える
と、均一な塗布膜の形成が困難になり、さらに現像後に
は残渣(スカム)が発生し易くなる等の問題が生ずる。
また高分子化合物の含有率は、それ自身を含む全構成成
分100重量部に対して通常70〜99.8重量部、好
ましくは85〜99重量部である。本発明にて用いる溶
剤として好ましいものは、高分子化合物と光酸発生剤か
らなる成分が十分に溶解し、かつその溶液がスピンコー
ト法等の方法で均一な塗布膜が形成可能な有機溶媒であ
ればいかなる溶媒でもよい。また、単独でも2種以上を
混合して用いてもよい。具体的には、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、メチルセロソルブア
セテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、
乳酸エチル、酢酸2−メトキシブチル、酢酸2−エトキ
シエチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−
メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン
酸エチル、N−メチル−2−ピロリジノン、シクロヘキ
サノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノール、メチ
ルエチルケトン、1,4−ジオキサン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等が挙げられるが、も
ちろんこれらだけに限定されるものではない。
本的な」構成成分は、上記の光酸発生剤、樹脂、溶剤で
あるが、必要に応じて溶解阻止剤、界面活性剤、色素、
安定剤、塗布性改良剤、染料等の他の成分を添加しても
構わない。
有する樹脂は、アルカリ水溶液に対する溶解阻止能に優
れ、また基板密着性も良好であることを確認した。さら
に発明の酸分解性基を有する樹脂を含有するフォトレジ
スト組成物を用いると、例えばArFエキシマレーザを
露光光とした解像実験において良好な矩形状の微細パタ
ーンが高感度で形成されることを確認した。
組成物は、220nm以下の遠紫外線を露光光としたリ
ソグラフィーにおいて、微細パターン形成用フォトレジ
ストとして利用できる。
するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるも
のではない。 (合成例1)2−アセトキシ−p−メンタン−8−オー
ル
0℃に冷却する。そこにジヒドロカルベオール(Aldric
i Chemical Company, Inc. (U.S.A). 製品番号2184
2−1)10gを加え、2時間反応させる。その後、混
合物を氷水100mlに注ぎ、水酸化ナトリウムで中和
させ、析出した白色沈澱を濾別、水洗することで2,8
−ジヒドロキシ−p−メンタンを9g得た。次に、2,
8−ジヒドロキシ−p−メンタン50gをピリジン76
mlに溶解し、0℃に冷却する。そして無水酢酸38m
lを滴下し、さらに室温で17時間反応させる。混合物
を氷水400mlに注ぎ、有機層をエーテル300ml
で抽出し、0.5N塩酸、飽和食塩水、3%炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。エーテル
層をMgSO4 で乾燥し、エーテルを留去する。さらに
減圧蒸留することで目的物を43.4g得た(沸点:1
08−109℃/0.5mmHg)。
880,2920,2980(νCH)、1720(ν
C=0)、1250(νC−O) (合成例2) 2−メトキシ−p−メンタン−8−オール
と乾燥THF50mlを加え0℃に冷却する。雰囲気を
アルゴン置換した後、1Mボラン−THF錯塩THF溶
液55mlを滴下する。0℃で1時間攪拌後、室温でさ
らに1時間攪拌する。その後0℃に冷却し、水8mlを
滴下し、さらに3MNaOH水溶液18ml、30%H
2 O2 12mlを20℃以下で滴下する。その後室温で
1.5時間攪拌した後、NaClで水層を飽和し、エー
テル100mlで希釈する。エーテル層を飽和食塩水、
水で洗浄し、MgSO4 で乾燥、エーテルを留去するこ
とで2−ヒドロキシ−8−アセトキシ−p−メンタンを
20g得た。次に2−ヒドロキシ−8−アセトキシ−p
−メンタン17gとヨウ化メチル45mlをアセトニト
リル60mlに溶解し、そこに酸化銀23.3gを加
え、13時間還流させる。放冷後、沈澱を濾別し、残渣
をカラム分離することで2−メトキシ−8−アセトキシ
−p−メンタンを4.5g得た。次に2−メトキシ−8
−アセトキシ−p−メンタン4.5を95%エタノール
20mlに溶解し、そこに水酸化カリウム1.95gを
加え、1.5時間還流させる。放冷後、水150mlで
希釈し、エーテル100mlで抽出。エーテル層を飽和
食塩水、水で洗浄し、MgSO4で乾燥、エーテルを留
去することで目的物を2.75g得た。
880,2920,2980(νCH)、1098(ν
C−O−C) (合成例3)下記構造のメタクリレートエステル(但
し、R13はトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−
4,8−ジイル基)の合成
00ml用4つ口フラスコに、トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン−4,8−ジメタノール(Aldrici
Chemical Company, Inc. (U.S.A)、製品番号B4.59
0−9)50g(0.25mol)、乾燥ピリジン2
5.76g(0.25mol)、乾燥テトラヒドロフラ
ン300mlを仕込んだ、攪拌後均一溶液とした後、氷
水浴にて冷却した。この溶液をテフロンバーにて激しく
攪拌しながら、塩化メタクリロイル(東京化成(株)2
6.53g(0.25mol)を乾燥テトラヒドロフラ
ン100mlに溶解した溶液を滴下ロートからゆっくり
滴下した。滴下終了後、攪拌しながら氷水浴中で1時
間、引き続き室温で10時間反応させた。沈澱を濾別
後、濾液を集め減圧下で溶媒を留去した。残渣を塩化メ
チレン500mlに溶解後、この溶液を0.5N塩酸、
飽和食塩水、3%炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水の
順で洗浄した。塩化メチレン層を硫酸マグネシウムで脱
水処理後、濾過。エバポレータを用い溶媒を除去して得
られた残渣を、シリカゲルカラムで分離精製することに
より粘性液体のトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン−4,8−ジメタノールモノメタクリレートを29.
6g得た(収率44%)。次に、塩化カルシウム乾燥
管、等圧滴下ロート、温度計付き100ml用4つ口フ
ラスコに、ジクロム酸ピリジニウム24.9g(66.
2mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド40ml
を仕込んだ。攪拌後均一溶液とした後、トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン−4,8−ジメタノール
モノメタクリレート5g(18.9mmol)をN,N
−ジメチルホルムアミド10mlに溶解した溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で10時間反応させた。反応溶
液を水500mlで希釈し、有機層をジエチルエーテル
で抽出した(150ml×3)。エーテル層を硫酸マグ
ネシウムで脱水処理後、濾過した。エバポレーターを用
いて溶媒を除去して得られた残渣を、シリカゲルカラム
で分離精製することにより目的物を2.12g得た(粘
性液体、収率40%)。
NMRはブルカー社AMX−400型の分析装置を用い
て測定した。
474)の計算値を表す。
OH)、2950(νCH)、1696(νC=O)、
1626(νC=C)、1166(νC−O)1 H−NMR(CDCl3 、内部標準物質:テトラメチ
ルシラン)ppm:0.95〜2.74(m,14
H)、1.95(s,3H)、3.88〜4.17
(m,2H)、5.55(d,J=1.5Hz,1
H)、6.1(s,1H)、9.58〜10.8(br
s,1H) (合成例4)下記構造のアクリレートエステル(但し、
R14はトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン−4,
8−ジイル基)の合成
て、塩化アクリロイルを用いて合成を行った(粘性液
体、収率20%)。
206)の計算値を表す。
OH)、2950(νCH)、1700(νC=O)、
1630(νC=C)、1168(νC−O)1 H−NMR(CDCl3 、内部標準物質:テトラメチ
ルシラン)ppm:0.95〜2.74(m,14
H)、3.88〜4.17(m,2H)、5.6〜6.
4(m,3H)、9.58〜10.8(br s,1
H) (合成例5)下記構造のメタクリレートエステル
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1.7,10]−
3−ドデセン10gと乾燥THF25mlを加え0℃に
冷却する。雰囲気をアルゴン置換した後、1Mボラン−
THF錯塩THF溶液20mlを滴下する。0℃で1時
間攪拌後、室温でさらに1時間攪拌する。その後0℃に
冷却し、水3mlを滴下し、さらに3MNaOH水溶液
6.6ml、30%H2 O2 4.3mlを20℃以下で
滴下する。その後室温で1.5時間攪拌した後、NaC
lで水層を飽和し、エーテル100mlで希釈する。エ
ーテル層を飽和食塩水、水で洗浄し、MgSO4 で乾
燥、エーテルを留去することでヒドロキシ−8−t−ブ
チトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2, 5 .1.7,10]ドデカン10gを得た(収率94
%)。次にヒドロキシ−8−t−ブチトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1.7,10]ドデカ
ン7.7g(0.0276mol)とピリジン2.19
g(0.0276mol)を乾燥THF40mlに溶解
する。0℃に冷却後、メタクリル酸クロリド289g
(0.0276mol)をTHF10mlに溶解したも
のを滴下する。1時間攪拌後、さらに室温で1晩反応さ
せる。析出したピリジン塩酸塩を濾別し、濾液を濃縮後
塩化メチレン100mlで希釈し、5%塩酸、3%Na
2 CO3 、飽和食塩水の順で洗浄し、MgSO4 で乾燥
する。塩化メチレンを留去し、カラム分離(ヘキサン/
酢エチ=10/1)することでt−ブトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1.7,10]ドデカ
ニルメタクリレートを4.5g得た(収率47%)。次
に上記方法で得たメタクリレート3gをトルエン20m
lに溶解する。そこにトリフルオロメタンスルホン酸1
0滴を加え、室温で5時間攪拌する。トルエン層を飽和
食塩水で洗浄し、3%NaCO3 で抽出する。水層を5
%塩酸で酸性にし、有機層をエーテルで抽出する飽和食
塩水、水で洗浄し、MgSO4 で乾燥。カラム精製(ヘ
キサン/酢エチ=1/1)することで目的物を1.68
g得た(粘性液体、収率67%)。
質:テトラメチルシラン)ppm:1.1〜1.9(9
H,m)、2.1〜2.7(6H,m)、4.98(1
H,s)、5.52(1H,s)、6.05(1H,
s)、10.5〜12.4(1H,br s):IR
(cm-1)2800〜3400(νOH)、3048,
2960(νCH)、1710,1700(νC=
O)、1632(νC=C)、1170(νC−O) (合成例6)下記構造のメタクリレートエステル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセンに代えて8−メチル−8−t−ブチトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセンを用いて合成を行った(粘性液体、収率50
%)。
H)、3048,2960(νCH)、1710,17
00(νC=O)、1632(νC=C)、1170
(νC−O) (合成例7)下記構造のメタクリレートエステル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセンに代えてノルボルネンカルボン酸t−ブチルエス
テルを用いて合成を行った。
H)、2960,2880(νCH)、1704(νC
=O)、1628(νC=C)、1168(νC−O)1 H−NMR(CDCl3 、内部標準物質:テトラメチ
ルシラン)ppm:1.25〜2.05(6H)、1.
92(3H)、2.3〜2.85(3H)、4.69〜
4.74(1H)、5.53(1H)、6.06(1
H) (合成例8)下記構造のメタクリレートエステル(但
し、R15はトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−
4,8−ジイル基)の合成
ロ酢酸無水物12.4gをトルエン10mlに溶解し、
0℃に冷却する。そこに合成例2で得たアルコール2.
75gを滴下し、さらに1時間反応させる。反応混合物
をエーテル50mlで希釈し、エーテル層を5%水酸化
ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、MgSO4 で乾
燥。カラム精製することで目的物を1.5g得た(粘性
液体、収率20%)。
質:テトラメチルシラン)ppm:0.98(d,3
H)、1〜2.6(m,22H)、1.38〜1.45
(6H)、1.95(s,3H)、3.9〜4.05
(m,2H)、5.55(s,1H)、6.1(s,1
H):IR(cm-1)2820,2872,2952
(νCH)、1720(νC=O)、1634(νC=
C)、1166(νC−O) (合成例9)下記構造のメタクリレートエステル(但
し、R16はトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−
4,8−ジイル基)の合成
えて合成例1で得たアルコールを用いて合成を行った
(粘性液体、収率48%)。
質:テトラメチルシラン)ppm:0.9(d,3
H)、1〜1.19(m,3H)、1.36〜2.65
(m,19H)、1.39〜1.42(6H)、1.9
5(s,3H)、2.06(s,3H)、3.89〜
4.02(m,2H)、4.4〜4.5(m,1H)、
5.55(s,1H)、6.1(s,1H):IR(c
m-1)2880,2950(νCH)、1720(νC
=O)、1634(νC=C)、1166(νC−O) (合成例10)下記構造のメタクリレートエステル
ール16gとピリジン6.5gを乾燥THF80mlに
溶解し、氷冷する。そこにメタクリル酸クロリド8.5
8gを乾燥THFに溶解したものを滴下する。その後室
温で10時間反応させる。析出したピリジン塩酸塩を濾
別し、濾液を濃縮する。残渣をエーテル100mlで希
釈し、この溶液を0.5N塩酸、飽和食塩水、3%炭酸
水素ナトリウム水、飽和食塩水の順で洗浄した。エーテ
ル層を硫酸マグネシウムで脱水処理後、濾過。エバポレ
ータを用い溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラム(留
出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製するこ
とで目的物を10g得た(粘性液体、収率47%)。
H)、1722(νC=O)、1632(νC=C)、
1165(νC−O) (合成例11)下記構造のアクリレートエステル(但
し、R17はトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン−
4,8−ジイル基)
に代えて合成例4で得たビニルモノマーを用いて合成を
行った(粘性液体、収率40%)。
H)、1718(νC=O)、1630(νC=C)、
1164(νC−O) (合成例12)下記構造のメタクリレートエステル
に代えて合成例5で得たビニルモノマーを用いて合成を
行った(粘性液体、収率50%)。
H)、1718(νC=O)、1634(νC=C)、
1242,1162(νC−O) (合成例13)下記構造のメタクリレートエステル(但
し、R18はトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−
4,8−ジイル基)
えてt−ブチルアルコールを用いて合成を行った(収率
47%)。
質:テトラメチルシラン)ppm」0.95〜2.8
(m,14H)、1.43(s,9H)、1.95
(s,3H)、3.9〜4.07(m,2H)、5.5
5(s,1H)、6.1(s,1H):IR(cm-1)
2950,2880(νCH)、1716(νC=
O)、1630(νC−O)、1152(νC−O) (合成例14)下記構造のメタクリレートエステル
メタノール30mlに溶解し、そこに炭酸カリウム1.
22g加え、40℃で1時間反応させる。反応混合物を
エーテル50mlで希釈し、飽和食塩水、水の順で洗浄
した。エーテル層を硫酸マグネシウムで脱水処理後、濾
過。エバポレータを用いて溶媒を除去し、残渣をシリカ
ゲルカラム(留出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)で精製することで目的物を1g得た(粘性液体、収
率23%)。
H)、2870,2948(νCH)、1715(νC
=O)、1630(νC=C)、1166(νC−O) (合成例15)下記構造の樹脂(但し、R19,R20はト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−4,8−ジイ
ル基)
ラスコ中、合成例3で得たビニルモノマー8.88gと
合成例13で得たビニルモノマー7.11gを乾燥テト
ラヒドロフラン100mlに溶解し、そこにAIBN6
58mg(40mmol・1-1)を加え、60〜65℃
で攪拌する。2時間後放冷し、反応混合物をリグロイン
800mlに注ぎ、析出した沈殿を濾別する。さらにも
う一度再沈精製を行うことにより目的物を9.96g得
た(収率62%)。
2.21(ポリスチレン換算) (実施例1)合成例3で得られたビニルモノマーと合成
例9で得られたビニルモノマーの共重合体(一般式
(2)において、R1 がメチルシクロヘキサンジイル
基、R2 がアセチル基、R3 ,R5 がメチル基、R4 ,
R6 がトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デシルメチレ
ン基、zがO)の合成
ラスコ中、合成例3で得たビニルモノマー4.42gと
合成例9で得たビニルモノマー5.02gを乾燥テトラ
ヒドロフラン50mlに溶解し、そこにAIBN410
mg(50mmol・1-1)を加え、60〜65℃で攪
拌する。2時間後放冷し、反応混合物をリグロイン50
0mlに注ぎ、析出した沈殿を濾別する。さらにもう一
度再沈精製を行うことにより目的物を4.7g得た(収
率50%)。また、このときの共重合比は 1H−NMR
の積分比から6:4であった(x=0.6,y=0.
4)。
2.15(ポリスチレン換算) (実施例2,3)実施例1と同様に、但し合成例3で得
たビニルモノマーと合成例9で得たビニルモノマーの仕
込み比を代えて重合した。得られた重合体の共重合比
(x/y)、および重量平均分子量(MW)を以下の表
2に示す
(濃度)を代えて重合した。以下の表3に、重合体の共
重合比(k/m)、重量平均分子量(MW)を示す。
例8で得られたビニルモノマーの共重合体(一般式
(2)において、R1 がメチルシクロヘキサンジイル
基、R2 がメチル基、R3 ,R5 がメチル基、R4 ,R
6 がトリシクロ[5.2.1.02, 6 ]デシルメチレン
基、zがO)の合成
に代えて合成例8で得たビニルモノマーを用いて重合し
た。得られた重合体の共重合比は6:4であった(x=
0.6,y=0.4)。
2.32(ポリスチレン換算) (実施例7)合成例3で得られたビニルモノマーと合成
例9で得られたビニルモノマーとトリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デシルメタクリレートとの3元共重合体
(一式(2)において、R1 がメチルシクロヘキサンジ
イル基、R2 がアセチル基、R3 ,R5 ,R9 がメチル
基、R4 ,R6 がトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
シルメチレン基、R8 がトリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デシル基)の合成
ラスコ中、合成例3で得たビニルモノマー1.8gと合
成例9で得たビニルモノマー1.84gとトリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デシルメタクリレート(日立化
成(株)商品番号FA−513M)0.57gを乾燥テ
トラヒドロフラン26mlに溶解し、そこにAIBN2
14mg(50mmol・1-1)を加え、60〜65℃
で攪拌する。2時間後放冷し、反応混合物をリグロイン
300mlに注ぎ、析出した沈殿を濾別する。さらにも
う一度再沈精製を行うことにより目的物を2.4g得た
(収率57%)。また、このときの共重合比は 1H−N
MRの積分比から5:3:2であった(x=0.5,y
=0.3,z=0.2)。
2.37(ポリスチレン換算) (実施例8)合成例5で得られたビニルモノマーと合成
例12で得られたビニルモノマーの共重合体(一般式
(2)において、R1 がメチルシクロヘキサンジイル
基、R2がアセチル基、R3 ,R5 がメチル基、R4 ,
R6 がテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ド
デカンジイル基、zがO)の合成
ラスコ中、合成例5で得たビニルモノマー4.3gと合
成例12で得たビニルモノマー4.8gを乾燥テトラヒ
ドロフラン50mlに溶解し、そこにAIBN410m
g(50mmol・1-1)を加え、60〜65℃で攪拌
する。2時間後放冷し、反応混合物をリグロイン500
mlに注ぎ、析出した沈殿を濾別する。さらにもう一度
再沈精製を行うことにより目的物を4.19g得た(収
率46%)。また、このときの共重合比は 1H−NMR
の積分比から6:4であった(x=0.6,y=0.
4)。
2.27(ポリスチレン換算) (実施例9)合成例6で得られたビニルモノマーと合成
例12で得られたビニルモノマーの共重合体(一般式
(2)において、R1 がメチルシクロヘキサンジイル
基、R2がアセチル基、R3 ,R5 がメチル基、R4 が
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ド
デカンジイル基、,R6 がテトラシクロ[4.4.0.
1 2,5 .17,10]ドデカンジイル基、zがO)の合成
に代えて合成例6で得たビニルモノマーを用いて重合し
た。得られた重合体の共重合比は6:4であった(x=
0.6,y=0.4)。
2.3(ポリスチレン換算) (実施例10)トリシクロデシルメタクリレートと合成
例10で得たビニルモノマーとメタクリル酸の共重合体
(一般式(3)において、R1 がメチルシクロヘキサン
ジイル基、R2 がアセチル基、R9 ,R11,R12がメチ
ル基、R13がトリシクロデシル基)の合成
ラスコ中、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デシルメ
タクリレート(日立化成(株)商品番号FA−513
M)5g、合成例10で得たビニルモノマー3.85
g、メタクリル酸0.78gを乾燥テトラヒドロフラン
50mlに溶解し、そこにwAIBN410mg(50
mmol・1-1)を加え、60〜65℃で攪拌する。2
時間後放冷し、反応混合物をリグロイン500mlに注
ぎ、析出した沈殿を濾別する。さらにもう一度再沈精製
を行うことにより目的物を5.2g得た(収率54
%)。また、このときの共重合比は 1H−NMRの積分
比から5:3:2であった(k=0.6,m=0.5,
n=0.2)。
2.16(ポリスチレン換算) (実施例11)トリシクロデシルメタクリレートと合成
例14で得たビニルモノマーとメタクリル酸の共重合体
(一般式(3)において、R1 がメチルシクロヘキサン
ジイル基、R2 が水素原子、R9 ,R11,R12がメチル
基、R10がトリシクロデシル基)の合成
マーに代えて合成例14で得たビニルモノマーを用いて
重合した。得られた重合体の共重合比は5:3:2であ
った(k=0.6,m=0.5,n=0.2)。
2.25(ポリスチレン換算) (実施例12)実施例1で得た樹脂2gをジエチレング
リコールジメチルエーテル10gに溶解し、さらに0.
2μmのテフロンフィルターを用いて濾過した。次に3
インチシリコン基板上にスピンコート塗布し、90℃、
60秒間ホットプレート上でベーキングを行い、膜厚
0.7μmの薄膜を形成した。得られた膜の2.38%
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水
溶液に対する溶解速度を測定した。その結果を表4に示
す。同様にして、実施例6で得た樹脂についても測定し
た。なお比較例として合成例15で得た樹脂の結果も示
す。
従来用いられてきたt−ブチル基を有する樹脂に比べ、
酸分解性基を有するユニットの割合が同じ(y=0.
4)でも溶解速度が遅く、優れた溶解阻止能を有するこ
とが示された。 (実施例13)実施例1で得た樹脂2gをジエチレング
リコールジメチルエーテル10gに溶解し、さらに0.
2μmのテフロンフィルターを用いて濾過した。次に3
インチシリコン基板上にスピンコート塗布し、90℃、
60秒間ホットプレート上でベーキングを行い、膜厚
0.7μmの薄膜を形成した。得られた膜を日電アネル
バ製DEM451リアクティブイオンエッチング(RI
E)装置を用いてCF4 ガスに対するエッチング速度を
測定した(エッチング条件:Power=100W、圧
力=5Pa、ガス流量=30sccm)。その結果を表
5に示す。同様にして、実施例8、および実施例10で
得た樹脂についてもエッチング速度を測定した。なお比
較例としてノボラックレジスト(住友化学社製PFI−
15A)、KrFレジストのベース樹脂として使用され
ているポリ(ビニルフェノール)、および分子構造に有
橋環式炭化水素基を持たない樹脂であるポリ(メチルメ
タクリレート)塗布膜の結果も示す。なおエッチング速
度はノボラックレジストに対して規格化した。
するエッチング速度が遅く、ドライエッチング耐性に優
れていることが示された。 (実施例14)下記の組成からなるレジストを調製し
た。
ート):0.02g (c)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート:10.5g 上記混合物を0.2μmのテフロンフィルターを用いて
濾過し、レジストを調製した。3インチ石英基板上に上
記レジストをスピンコート塗布し、90℃で1分間ホッ
トプレート上でベークし、膜厚1μmの薄膜を形成し
た。得られた膜の透過率の波長依存性を紫外可視分光光
度計を用いて測定した。193.4nmにおける透過率
を表6に示す。同様にして、実施例8、および実施例1
0で得た樹脂についても測定した。
層レジストとして十分な透明性を示すことを確認した。 (実施例15)実施例14で示したレジストを用い、窒
素で十分パージされた密着型露光実験機中にSi基板上
に0.5μm厚に成膜したウェハーを静置した。石英板
上にクロムでパターンを描いたマスクをレジスト膜上に
密着させ、そのマスクを通してArFエキシマレーザ光
を照射した。その後すぐさま90℃、60秒間ホットプ
レート上でベークし、液温23℃の1.19%TMAH
水溶液で60秒間浸漬法による現像を行い、続けて60
秒間純水リンス処理をそれぞれ行った。この結果、レジ
スト膜の露光部分のみが現像液に溶解除去され、ポジ型
のパターンが得られた。この結果、レジスト膜の露光部
分のみが現像液に溶解除去され、ポジ型のパターンが得
られた。また走査電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、
SE−4100)にて解像したパターンを観察したが、
パターン剥がれ等の現象はみられなかった。表7に感
度、および解像度の結果を示す。
れた解像特性を有することがわかった。またパターン剥
がれ等の現象がなかったことから、基板密着性にも優れ
たいることが確認できた。
に、本発明の酸分解性基を有する樹脂を含有する化学増
幅型フォトレジスト組成物は、220nm以下の遠紫外
領域に対して高い透明性を有し、また溶解阻止能、エッ
チング耐性に優れ、かつ遠紫外線特にArFエキシマレ
ーザを露光光とするフォトレジストに最適である。さら
に本発明のフォトレジスト組成物を用いることで半導体
素子製造に必要な微細パターン形成が可能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも酸の作用により酸分解性基が
分解しアルカリ水溶液への溶解度が増大する樹脂と、露
光により酸を発生する光酸発生剤を含有する化学増幅型
フォトレジスト組成物において、前記樹脂は芳香環を含
まず、前記樹脂構造中の酸の作用により分解する酸分解
性基が下記一般式(1)で表されることを特徴とする化
学増幅型フォトレジスト組成物。 【化1】 (上式において、R1は環式炭化水素基を有する炭素数
6〜10の2価の炭化水素基、R2は水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、あるいはアシル基を表す。) - 【請求項2】 前記樹脂成分が下記一般式(2)で表さ
れる樹脂である請求項1記載の化学増幅型フォトレジス
ト組成物。 【化2】 (上式において、R3 ,R5 ,R7 は、水素原子あるい
はメチル基を表し、R4,R6 は有橋環式炭化水素基を
有する炭素数7〜13の2価の炭化水素基、R8は水素
原子あるいは炭素数1〜10の炭化水素基を表す。x+
y+z=1、xは0〜1、yは0.1〜1、zは0〜
0.9を表す。また、重合体の重量平均分子量は100
0〜500000である。) - 【請求項3】 前記樹脂成分が下記一般式(3)で表さ
れる樹脂である請求項1記載の化学増幅型フォトレジス
ト組成物。 【化3】 (上式において、R9 ,R11,R12は、水素原子あるい
はメチル基を表し、R10は炭素数7〜10の有橋環式炭
化水素基を表す。k+m+n=1、kは0.1〜1、m
は0.1〜1、nは0〜0.9を表す。また、重合体の
重量平均分子量は1000〜500000である。) - 【請求項4】 樹脂成分を70〜98.8重量部、光酸
発生剤を0.2〜30重量部含有する請求項1ないし3
のうちいずれか1項に記載の化学増幅型フォトレジスト
組成物。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のうちいずれか1項に
記載のフォトレジスト組成物を被加工基板上に塗布し、
プリベーク後、180nm〜220nmの波長の光で露
光し、次いでベークを行った後に現像して、レジストパ
ターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。 - 【請求項6】 露光光がArFエキシマレーザ光である
請求項5記載のパターン形成方法。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10171122A JPH10171122A (ja) | 1998-06-26 |
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