JP5478161B2 - アクリル酸エステル誘導体およびアルコール誘導体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えばポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかる、レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。
また、ベース樹脂及び酸発生剤以外に、例えばアルキルアミン、アルキルアルコールアミン等の含窒素有機化合物を化学増幅型レジスト組成物に配合することが行われている。該含窒素有機化合物は、酸発生剤から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用し、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性の向上に寄与する。
現在、該含窒素有機化合物としては、一般的に第3級アミンが広く用いられている。また、パターンの微細化に伴い、孤立パターン形成の際のプロセスマージン等の向上を図るため、種々の含窒素有機化合物が用いられている(例えば、特許文献2および3参照)。
しかしながら、含窒素有機化合物として第3級アミンを用いたレジスト組成物においては、露光領域から未露光領域への酸拡散の制御及び環境耐性の効果は認められるものの、求核性や塩基性度が高すぎることにより、レジスト組成物に含まれる酸発生剤中または基材成分中のエステル部位と反応して分解を引き起こすため、保存安定性が低く、リソグラフィー特性も低下するという問題があった。
特許文献2、3に記載された含窒素有機化合物を含有するレジスト組成物は、パターンの微細化が進むにつれて要求されるリソグラフィー特性やパターン形状を未だ満足できるものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成し得るレジスト組成物用の高分子化合物の原料として有用なアクリル酸エステル誘導体及びその中間体(アルコール誘導体)並びにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
[1]下記一般式(1)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(以下、アクリル酸エステル誘導体(1)と称する。)。
[2]下記一般式(2)
で示されるアルコール誘導体(以下、アルコール誘導体(2)と称する。)をエステル化することを特徴とする、アクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法。
[3]アルコール誘導体(2)。
[4]塩基の存在下、下記一般式(3)
で示されるシクロヘキセン誘導体(以下、シクロヘキセン誘導体(3)と称する。)を酸化し、下記一般式(4)
で示されるエポキシ誘導体(以下、エポキシ誘導体(4)と称する。)を得、得られた該エポキシ誘導体(4)を塩基処理することを特徴とする、アルコール誘導体(2)の製造方法。
[5]塩基の存在下、シクロヘキセン誘導体(3)を酸化することを特徴とする、エポキシ誘導体(4)の製造方法。
リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成するレジスト組成物を得るためには、以下の本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)が有用である。
上記アクリル酸エステル誘導体(1)中のR2、R3、R5、R7、R8、R9、R10は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
上記アクリル酸エステル誘導体(1)中のR4およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、またはR4およびR6は両者が結合して炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、若しくは−S−を表す。
上記アクリル酸エステル誘導体(1)中のR11は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の環状炭化水素基を表す。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10がそれぞれ独立して表す炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10がそれぞれ独立して表す炭素数1〜6のアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。これらの中でも、良好な形状のレジストパターンを形成するレジスト組成物を得る観点から、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
以上の中でも、R2、R3、R5、R7、R8、R9、R10としては、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。
以上の中でも、R4およびR6としては、いずれも水素原子であるか、または両者が結合した炭素数1〜3のアルキレン基もしくは−O−であることが好ましく、メチレン基または−O−であることがより好ましい。
R11がそれぞれ独立して表す炭素数3〜10の環状炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン−1−イル基などが挙げられる。
以上の中でも、R11としては、良好な形状のレジストパターンを形成するレジスト組成物を得る観点から、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、アダマンタン−1−イル基が好ましい。
以下に、本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に特に制限はないが、例えば以下の第1工程〜第4工程により製造することができる。
第1工程:ジエン誘導体(以下、ジエン誘導体(5)と称する。)とアクリル酸ハライド誘導体(以下、アクリル酸ハライド誘導体(6)と称する。)を反応させた後、アミン化合物R11NH2(R11は前記定義の通りである。以下、アミン化合物(7)と称する。)と反応させることによりシクロヘキセン誘導体(3)を得る工程。
第2工程:塩基性化合物の存在下、シクロヘキセン誘導体(3)を有機過酸化物と反応させることにより、エポキシ誘導体(4)を得る工程。
第3工程:エポキシ誘導体(4)を塩基性物質と反応させることにより、アルコール誘導体(2)を得る工程。
第4工程:アルコール誘導体(2)をアクリル酸誘導体と反応させることにより、アクリル酸エステル誘導体(1)を製造する工程。
第1工程〜第4工程に関する化学反応式を次に示す。なお、上記ジエン誘導体(5)およびアクリル酸ハライド誘導体(6)は、以下の化学反応式中に記載した構造である。
まず、シクロヘキセン誘導体(3)の製造方法に関する第1工程について説明する。
第1工程は、ジエン誘導体(5)とアクリル酸ハライド誘導体(6)を反応させる工程[以下、第1工程−1と称する。]と、第1工程−1で得られた反応中間体をアミン化合物(7)と反応させる工程[以下、第1工程−2と称する。]を有する。
(第1工程−1)
第1工程−1で使用するジエン誘導体(5)の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、シクロペンタジエン、フランなどが挙げられる。
第1工程−1で使用するアクリル酸ハライド誘導体(6)の具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、クロトン酸クロリド、クロトン酸ブロミド、3−メチル−2−ブテン酸クロリドなどが挙げられる。
ジエン誘導体(5)の使用量は、アクリル酸ハライド誘導体(6)に対して、1〜50倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜10倍モルの範囲がより好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒などが挙げられる。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
第1工程−1における反応時間は、ジエン誘導体(5)およびアクリル酸ハライド誘導体(6)の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
第1工程−1における反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
第1工程−1で得られる反応中間体を含有した反応混合液は、特に精製操作を行うことなく、そのまま第1工程−2の原料として用いることが可能であり、また、そうすることが好ましい。
第1工程−2で使用するアミン化合物(7)の具体例としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、1−アダマンチルアミンなどが挙げられる。
アミン化合物(7)の使用量は、第1工程−1で使用したアクリル酸ハライド誘導体(6)に対して、1〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。アミン化合物(7)の使用形態に特に制限は無く、水溶液として使用してもよいし、純品のまま使用してもよい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はないが、第1工程−1の説明において例示した溶媒と同じものが挙げられる。よって、第1工程−1で溶媒を使用した場合、使用した溶媒をそのまま第1工程−2で使用することが好ましい。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量は、第1工程−1で使用したジエン誘導体(5)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
第1工程−1で得られた反応混合液をそのまま第1工程−2の原料として使用する場合、溶媒の量はそのままでもよいし、さらに追加してもよい。
第1工程−2における反応時間は、アミン化合物(7)およびアクリル酸ハライド誘導体(6)の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
第1工程−2における反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
例えば、第1工程−2の反応終了後、有機溶媒および水を添加してから静置して、有機層と水層に分け、有機層を濃縮することによりシクロヘキセン誘導体(3)を分離できる。そして、必要に応じ、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィーなどで精製することにより、純度の高いシクロヘキセン誘導体(3)を得ることができる。
次に、エポキシ誘導体(4)の製造方法に関する第2工程について説明する。
第2工程で使用する有機過酸化物の具体例としては、過酢酸、m−クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシランなどが挙げられる。
有機過酸化物の使用量は、シクロヘキセン誘導体(3)に対して、1〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。
塩基性化合物の使用量は、有機過酸化物に対し、1〜20倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜10倍モルの範囲がより好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、水;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル溶媒が挙げられる。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒の使用量は、シクロヘキセン誘導体(3)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
第2工程における反応時間は、有機過酸化物およびシクロヘキセン誘導体(3)の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
第2工程における反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
還元剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
還元剤を添加して第2工程の反応を停止する場合、該還元剤の添加量は、未反応の有機過酸化物に対して、1〜5倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜3倍モルの範囲がより好ましい。
次に、アルコール誘導体(2)の製造方法に関する第3工程について説明する。
第3工程で使用される塩基性物質の具体例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物などが挙げられる。これらの中でも、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基性物質の使用量は、エポキシ誘導体(4)に対して、1〜5倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜3倍モルの範囲がより好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒;メタノール、エタノール、t−ブタノールなどのアルコール溶媒などが挙げられる。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒の使用量は、エポキシ誘導体(4)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
第3工程における反応時間は、塩基性物質およびエポキシ誘導体(4)の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
第3工程における反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
水を添加して第3工程の反応を停止する場合、水の添加量は、使用する塩基性物質に対して、1〜100倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜50倍モルの範囲がより好ましい。
以下に、第3工程で得られる本発明のアルコール誘導体(2)の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
次に、アクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に関する第4工程について説明する。
アクリル酸エステル誘導体(1)は、アルコール誘導体(2)をエステル化することにより得られる。アルコール誘導体(2)をエステル化する方法に特に制限は無いが、例えば、以下の方法が挙げられる。
方法1:塩基の存在下、アクリル酸ハライド類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法。
方法2:塩基の存在下、アクリル酸無水物類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法。
方法3:アクリル酸類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法。
以下、方法1〜3それぞれについて順に説明する。
方法1で使用するアクリル酸ハライド類の具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、2−トリフルオロメチルアクリル酸ブロミドなどが挙げられる。これらの中でも、入手の容易さの観点から、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリドが好ましい。
アクリル酸ハライド類の使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。
塩基の使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ベンズニトリルなどのニトリル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン系溶媒などが挙げられる。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のフェノール系重合禁止剤;N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系重合禁止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で使用することも、2種以上を混合して使用することも可能である。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
方法1における反応温度は、アルコール誘導体(2)およびアクリル酸ハライド類の種類、活性化剤使用の有無により異なるが、概ね−50〜100℃の範囲が好ましく、反応速度および重合抑制の観点から、−30〜80℃の範囲がより好ましい。また反応圧力に特に制限は無いが、通常、常圧下で実施することが好ましい。
方法1における反応時間は、塩基、アルコール誘導体(2)およびアクリル酸ハライド類の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
方法1は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
方法2で使用するアクリル酸無水物類の具体例としては、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸無水物、アクリル酸ピバリン酸無水物、メタクリル酸ピバリン酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸ピバリン酸無水物、アクリル酸メタンスルホン酸無水物、メタクリル酸メタンスルホン酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸メタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
アクリル酸無水物類の使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はなく、方法1で例示した溶媒と同じものが挙げられる。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒存在下に実施する場合、溶媒の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、0.5〜20質量倍の範囲がより好ましい。
方法2における反応温度は、アルコール誘導体(2)およびアクリル酸無水物類の種類、活性化剤使用の有無により異なるが、概ね−50〜100℃の範囲が好ましく、反応速度および重合抑制から、−30〜80℃の範囲がより好ましい。また反応圧力に特に制限は無いが、通常、常圧下で実施することが好ましい。
方法2における反応時間は、塩基、アルコール誘導体(2)およびアクリル酸無水物類の種類や使用量、反応温度等によっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
方法2は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
方法3で使用するアクリル酸類は、アクリル酸、メタクリル酸または2−トリフルオロメチルアクリル酸である。アクリル酸類の使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1〜50倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さの観点から、1〜20倍モルの範囲がより好ましい。
方法3における反応時間は、塩基、アルコール誘導体(2)およびアクリル酸類の種類や使用量、反応温度などによっても異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲が好ましい。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)を単独で重合してなる重合体またはアクリル酸エステル誘導体(1)と他の重合性化合物とを共重合してなる共重合体は、フォトレジスト組成物用の高分子化合物として有用である。
アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合させることができる他の重合性化合物(以下、共重合単量体と称する。)の具体例としては、例えば下記の化学式で示される化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
一般的なラジカル重合方法は、必要に応じて1種類以上のアクリル酸エステル誘導体(1)および必要に応じて1種類以上の上記共重合単量体を、ラジカル重合開始剤および溶媒、並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に重合させる。
ラジカル重合の実施方法には特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法など、例えばアクリル系の高分子化合物を製造する際に用いる慣用の方法を使用できる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応に用いるアクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量、重合温度などの重合条件に応じて適宜選択できるが、全重合性化合物[アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合単量体の合計量であり、以下同様である。]1モルに対して、通常、0.005〜0.2モルの範囲が好ましく、0.01〜0.15モルの範囲がより好ましい。
溶媒の使用量は、全重合性化合物1質量部に対して、通常、0.5〜20質量部の範囲であり、経済性の観点からは、1〜10質量部の範囲であるのが好ましい。
重合反応の時間は、アクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、重合開始剤、溶媒の種類および使用量、重合反応の温度などの重合条件により異なるが、通常、30分〜48時間の範囲が好ましく、1時間〜24時間の範囲がより好ましい。
再沈澱の操作で用いる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタンなどのニトロ化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸などのカルボン酸;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール;水が挙げられる。
上記高分子化合物と、有機溶媒および光酸発生剤、並びに必要に応じて塩基性化合物および添加物を配合することにより、フォトレジスト組成物を調製する。
光酸発生剤としては、従来、化学増幅型レジストに通常用いられる光酸発生剤を用いることができる。
さらに、フォトレジスト組成物には、界面活性剤、増感剤、ハレーション防止剤、形状改良剤、保存安定剤、消泡剤などを配合することができる。
(第1工程−1)
温度計、攪拌装置、窒素導入管および滴下ロートを設置した内容積2Lの三つ口フラスコに、塩化アクリロイル217.2g(2.400mol)およびトルエン520gを仕込み、内温を0℃に冷却した。この混合液へ、滴下ロートからシクロペンタジエン190.4g(2.880mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃にて1時間攪拌し、反応中間体溶液を調製した。
(第1工程−2)
温度計、攪拌装置、窒素導入管および滴下ロートを設置した内容積2Lの三つ口フラスコに、t−ブチルアミン201.1g(2.750mol)およびトルエン513gを仕込み、内温を0℃に冷却した。この混合液へ、滴下ロートから、上記第1工程−1で得られた反応中間体溶液を1時間30分かけて滴下した後、内温を25℃に昇温した。
得られた反応混合物に酢酸エチル1800mlおよび水300mlを添加し、30分攪拌した後、静置して分液した後、有機層を得た。得られた有機層を減圧下に濃縮して濃縮物を得た。
該濃縮物に酢酸エチル750mlおよびヘキサン250mlを添加し、40℃に加熱して濃縮物を溶解した。攪拌しながら2℃まで冷却した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧乾燥し、下記特性を有するN−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミド124.3g(0.643mol;収率26.8%)を得た。
温度計、攪拌装置、窒素導入管および滴下ロートを設置した内容積2Lの三つ口フラスコに、N−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミド50.0g(0.259mol)、塩化メチレン250g、炭酸カリウム121.6g(0.880mol)および水550gを仕込み、内温を0℃に冷却した。この混合液へ、滴下ロートからm−クロロ過安息香酸75.9g(0.440mol)および塩化メチレン1559gを20分間かけて滴下した。0〜7℃にて4時間攪拌した後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液22gを添加し、30分間攪拌した。静置して分液した後、有機層を水400mlで2回洗浄した。得られた有機層を減圧下に濃縮して濃縮物を得た。
該濃縮物にジイソプロピルエーテル554gおよびヘキサン222gを添加し、内温を50℃に昇温して濃縮物を溶解した後、2℃まで冷却し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下乾燥し、下記特性を有するN−t−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミド26.4g(0.126mol;収率48.6%)を得た。
実施例2において、炭酸カリウム121.6g(0.880mol)を用いない以外は、同様に実験を行ったところ、N−t−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミド0.5g(0.002mol;収率0.8%)を得るのみであった。
温度計、攪拌装置および窒素導入管を設置した内容積2Lの三つ口フラスコに、カリウム−t−ブトキシド61.0g(0.544mol)およびt−ブタノール1045gを仕込み、50℃に昇温した。この混合液へ、N−t−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミド56.9g(0.272mol)を1時間かけて添加した。続いて内温を25℃に冷却した後、3.9質量%塩酸620gおよび酢酸エチル1900mlを添加し、30分間攪拌した。静置して分液した後、有機層を水400mlで2回洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮して濃縮物を得た。
得られた濃縮物にメタノール30gおよびジイソプロピルエーテル820gを添加し、内温を50℃に昇温して濃縮物を溶解した。続いて0℃まで冷却した後、析出した粗結晶をろ取した。得られた粗結晶に酢酸エチル200gおよびジイソプロピルエーテル200gを添加し、内温を50℃に昇温して粗結晶を溶解した。続いて0℃まで冷却した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧乾燥し、下記特性を有するN−t−ブチル−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール24.9g(0.119mol;収率43.8%)を得た。
温度計、攪拌装置、窒素導入管および滴下ロートを設置した内容積500mLの三つ口フラスコに、N−t−ブチル−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール34.1g(0.163mol)、塩化メチレン340mlおよびトリエチルアミン29.8g(0.294mol)を仕込み、内温を−40℃に冷却した。この混合液へ、滴下ロートからメタクリル酸クロリド20.5g(0.196mol)を1時間かけて滴下した。該反応混合物にメタノール12mlを添加し、続いて水120mlを添加した後、30分間攪拌した。静置して分液した後、水層を塩化メチレン50mlで4回抽出した。得られた塩化メチレン層を合わせ、減圧下に濃縮した。
得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記特性を有するN−t−ブチルヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール−6−イル=メタクリル酸17.2g(0.062mol;収率38.0%)を得た。
下記化学式で表されるモノマー(1)〜(7)を用いて、以下に示す高分子化合物の合成を行った。
(モノマー(2)の合成)
内容積500mlの3つ口フラスコに、窒素雰囲気下、下記化学反応式中に示すアルコール20g(105.14mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド塩酸塩30.23g(157.71mmol)およびジメチルアミノピリジン0.6g(5mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液300mlを入れた。そこへ、氷冷下(0℃)で、下記化学反応式中に示すカルボン酸化合物16.67g(115.66mmol)を加えた後、室温で12時間撹拌した。
50mlの水を加えて反応を停止した後、反応溶媒を減圧下に濃縮し、酢酸エチルで3回抽出して得られた有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム、濃度1mol/Lの塩酸水溶液の順で洗浄した。減圧下に溶媒を留去して得られた生成物を乾燥させ、モノマー(2)を得た。
温度計および還流管を繋いだ3つ口フラスコで、モノマー(1)11.77g(69.23mmol)、モノマー(2)15.00g(47.47mmol)、モノマー(3)16.58g(63.29mmol)、モノマー(4)4.65g(27.96mmol)、モノマー(5)3.27g(13.85mmol)およびモノマー(7)0.55g(1.98mmol)を、メチルエチルケトン76.91gに溶解させてモノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(22.1mmol)を添加して溶解させた。こうして得られた混合液を、窒素雰囲気下、78℃に加熱したメチルエチルケトン42.72gに3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を4時間加熱撹拌し、その後、室温まで冷却した。
得られた重合液を大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させ、沈殿した白色粉体をろ別し、n−ヘプタン/イソプロピルアルコール混合溶媒にて洗浄した後、乾燥させ、高分子化合物(A)−1を43g得た。
この高分子化合物(A)−1の重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比(高分子化合物中の各構成単位の割合(モル比))について表1に示す。
上記高分子化合物(A)−1の合成において、各高分子化合物の構成単位の割合を表1に示す通りに変更したこと以外は同様にして実験を行うことにより、高分子化合物(A)−2〜(A)−6を合成した。高分子化合物(A)−2〜(A)−6の重量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)について表1に示す。
温度計および還流管を繋いだ3つ口フラスコで、モノマー(2)32.32g(102.29mmol)と、モノマー(6)11.93g(34.10mmol)と、モノマー(5)8.05g(34.10mmol)およびモノマー(7)0.95g(3.41mmol)を、メチルエチルケトン106.77gに溶解させてモノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(17.3mmol)を添加して溶解させた。こうして得られた混合液を、窒素雰囲気下、80℃に加熱したメチルエチルケトン67.00g[モノマー(3)67.1g(255.73mmol)をあらかじめ溶解したもの]に3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。
得られた重合液を大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させ、沈殿した白色粉体をろ別し、n−ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、およびメタノールにて順次洗浄した後、乾燥させ、高分子化合物(A)−7を65g得た。
この高分子化合物(A)−7の重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)、13C−NMR測定(600MHz)により求められた共重合組成比(高分子化合物中の各構成単位の割合(モル比))について表1に示す。
上記高分子化合物(A)−7の合成において、各高分子化合物の構成単位の割合を表1に示す通りに変更したこと以外は同様にして実験を行うことにより、高分子化合物(A)−8〜(A)−12を合成した。高分子化合物(A)−8〜(A)−12の重量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)について表1に示す。
温度計および還流管を繋いだ3つ口フラスコで、モノマー(c1)15.00g(54.32mmol)およびモノマー(c2)5.21g(23.28mmol)をTHF114.52gに加えて溶解させてモノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(4.66mmol)を添加して溶解させた。こうして得られた混合液を、窒素雰囲気下、80℃で6時間加熱撹拌を行った後、室温まで冷却した。
得られた重合液を減圧下に濃縮した後、大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させ、沈殿した重合体を、ろ別、洗浄、乾燥して、含フッ素高分子化合物(C)−1を5.6g得た。
この含フッ素高分子化合物(C)−1の重量平均分子量(Mw)は25000、分子量分散度(Mw/Mn)は1.5であった。また、13C−NMR測定(600MHz)により求められた共重合組成比(高分子化合物中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m=80/20であった。
表2〜3に示す各成分を混合して溶解し、ポジ型のレジスト組成物を調製した。
(A)−1:高分子化合物(A)−1
(A)−2:高分子化合物(A)−2
(A)−3:高分子化合物(A)−3
(A)−4:高分子化合物(A)−4
(A)−5:高分子化合物(A)−5
(A)−6:高分子化合物(A)−6
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物
(B)−2:下記化学式(B)−2で表される化合物
(B)−3:下記化学式(B)−3で表される化合物
(B)−4:下記化学式(B)−4で表される化合物
(C)−1:含フッ素高分子化合物(C)−1
(C)−2:下記化学式(C)−2で表される含フッ素高分子化合物(特開2008−134607号公報に記載の方法により合成した。Mw=8000、Mw/Mn=1.47)
(C)−3:下記化学式(C)−3で表される含フッ素高分子化合物(Mw=8600、Mw/Mn=1.39、組成比l/m=54.2/45.8(モル比))
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン
(D)−2:トリエタノールアミン
(D)−3:下記化学式(D)−3で表される化合物
(E)−1:サリチル酸
(S)−1:γ−ブチロラクトン
(S)−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル/シクロヘキサノン=45/30/25(質量比)の混合溶剤
(A)−7:高分子化合物(A)−7
(A)−8:高分子化合物(A)−8
(A)−9:高分子化合物(A)−9
(A)−10:高分子化合物(A)−10
(A)−11:高分子化合物(A)−11
(A)−12:高分子化合物(A)−12
(B)−5:下記化学式(B)−5で表される化合物
(B)−6:下記化学式(B)−6で表される化合物
(S)−3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=6/4(質量比)の混合溶剤
前記レジスト組成物1〜14を用いて、以下に示すレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成し、リソグラフィー特性を評価した。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、レジスト組成物1〜14をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間の条件で塗布後ベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚95nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置「NSR−S609B」(株式会社ニコン製、NA(開口数)=1.07、Cross pole、液浸媒体:水)により、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、95℃で60秒間の露光後ベーク(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で10秒間、アルカリ現像処理を行い、その後、純水を用いて水リンス30秒間を行い、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅50nmの1:1ラインアンドスペース(L/S)パターンが得られた。該L/Sパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2)を求め、感度の指標とした。その結果を表4に示す。
上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらし、上記の1:1のL/Sパターンがターゲット寸法50nm±5%(すなわち47.5〜52.5nm)の寸法変化率の範囲内で形成できる焦点深度(単位:μm)を求めた。その結果を表4に示す。
上記Eopにて形成された1:1のL/Sパターンにおいて、測長SEM「S−9380」(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、株式会社日立製作所製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に50箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表4に示す。
この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のL/Sパターンが得られたことを意味する。
前記レジスト組成物16〜28を用いて、以下に示すレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成し、リソグラフィー特性を評価した。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、レジスト組成物16〜28をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で90℃、60秒間の条件で塗布後ベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置「NSR−S609B」(株式会社ニコン製、NA(開口数)=1.07、Conventional(0.97)w/oPOLANO、液浸媒体:水)により、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、80℃で60秒間の露光後ベーク(PEB)を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で20秒間、アルカリ現像処理を行い、その後、純水を用いて水リンス30秒間を行い、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、ホール直径90nmのホールが等間隔(ピッチ140nm)に配置された密コンタクトホールパターン(CHパターン)が得られた。該CHパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2;感度)を求め、感度の指標とした。その結果を表5に示す。
上記Eopにて形成されたCHパターンにおいて、各CHパターン中の100個のホールの直径(CD)を測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、CD均一性(CDU)を示す尺度として算出した。その結果を表5に示す。
この3sの値が小さいほど、ホールの限界寸法均一性が高いことを意味する。
上記Eopにて形成されたCHパターンを上空から観察し、測長SEM「S−9380」(株式会社日立製作所製)により、各CHパターン中の100個のホールについて、該ホールの中心から外縁までの24方向の距離を測定し、その結果から算出した標準偏差(s)の3倍値(3s)を、真円性を示す尺度として算出した。その結果を表5に示す。
この3sの値が小さいほど、ホールの真円性が高いことを意味する。
Claims (2)
- 下記一般式(1)
で示されるアクリル酸エステル誘導体。
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