JPH10147131A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH10147131A
JPH10147131A JP8306748A JP30674896A JPH10147131A JP H10147131 A JPH10147131 A JP H10147131A JP 8306748 A JP8306748 A JP 8306748A JP 30674896 A JP30674896 A JP 30674896A JP H10147131 A JPH10147131 A JP H10147131A
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Takayuki Shimauchi
孝行 嶋内
Hideaki Inasawa
秀明 稲澤
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両衝突時に空調ユニット7の樹脂製ケース
8の上部8aによって補強部材6が車両後方側へ押圧変
形することを防止して、車両安全性を向上する。 【解決手段】 空気温度調整用熱交換器および空気流れ
制御用ドアを内蔵する空調ユニット7の樹脂製ケース8
の上部8aが計器盤5内の補強部材6より車両前方側に
位置している。車両衝突時に、樹脂製ケース8の上部8
aが補強部材6に衝突すると、樹脂製ケース8の上部8
aが容易に破断するように、樹脂製ケース8の上部8a
に脆弱箇所となる薄肉部8dを形成する。これにより、
車両衝突時に、樹脂製ケース8の上部8aが補強部材6
に衝突すると、この上部8aを薄肉部8dにて容易に破
断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に
おいて、車両衝突時における乗員防護の安全性を向上す
るための空調ユニット構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両開発の中で、衝突時における
安全性向上という課題が大きくクローズアップされるよ
うになった。これに伴って、車両の車室前部の計器盤内
に配設される空調ユニットに対しても、衝突時の安全性
向上への要求が強くなっている。
【0003】ところで、車両のボディ構造の剛性を高め
て、衝突時における安全性向上を図るために、近年、車
室前部の計器盤内に、車両の左右の側方ボディ間を連結
する鉄製パイプ状の補強部材(リーンフォースバー)が
配設される車両が多くなっている。そして、この補強部
材が配設される車両においては、車両前後方向におい
て、空調ユニットケースの上部が補強部材より車両前方
側に位置する配置レイアウトとなることが多い。一方、
車両のステアリングシャフトは車両前後方向において補
強部材の直後の位置に配置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】空調ユニットケースは
通常、樹脂製であるが、車両前後方向に延びるケース壁
面、ケース内の空気通路仕切り壁、ケース内のドア類の
機器等が組み合わさることにより、空調ユニットケース
が車両前後方向に対して剛性の高い形態となる場合が多
い。
【0005】そのため、車両衝突時に車室前方のエンジ
ンルーム部が車両後方側(車室側)へ変形して、空調ユ
ニット全体が車両後方側へ押されると、これに伴って、
空調ユニットケースの上部が上記補強部材を押し、さら
に上記補強部材を介してステアリングシャフトを車両後
方側へ押すという事態が発生する可能性があり、乗員防
護の観点から好ましくない。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
車両衝突時に空調ユニットの樹脂製ケースの上部によっ
て補強部材が車両後方側へ押圧変形することを防止し
て、車両安全性を向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1〜6
記載の発明では、空気温度調整用の熱交換器(10、1
1)および空気流れ制御用のドア(14、19、23)
を内蔵する空調ユニット(7)の樹脂製ケース(8)の
上部(8a)が補強部材(6)より車両前方側に位置し
ているとともに、車両衝突時に、樹脂製ケース(8)の
上部(8a)が補強部材(6)に衝突すると、樹脂製ケ
ース(8)の上部(8a)が容易に破断するように、樹
脂製ケース(8)の上部(8a)に脆弱箇所(8d、8
2、84、85)を形成したことを特徴としている。
【0008】これにより、車両衝突時に、樹脂製ケース
(8)の上部(8a)が補強部材(6)に衝突すると、
この上部(8a)を容易に破断することができるため、
空調ユニット(7)の樹脂製ケース(8)の上部(8
a)によって補強部材(6)が車両後方側へ押圧変形す
ることを防止して、車両の安全性を向上できる。しか
も、樹脂製ケース(8)の上部(8a)それ自体に脆弱
箇所を形成することにより、安全性の向上を図っている
ので、空調ユニット(7)のコストアップをほとんど生
じることがなく、実用上、極めて有利である。
【0009】請求項2記載の発明によると、脆弱箇所
を、樹脂製ケース(8)の上部(8a)に形成された薄
肉部(8d)にて形成しており、脆弱箇所を、樹脂製ケ
ース(8)の成形時に一体成形で簡単に形成できる。請
求項3記載の発明によると、樹脂製ケース(8)の上部
(8a)を、補強部材(6)の軸方向に対して斜め方向
に延びる2つの壁面(81)で形成される角部(82)
を有する開口形状とし、角部(82)にて脆弱箇所を形
成している。従って、上部(8a)の開口形状の変更に
より脆弱箇所を簡単に形成できる。
【0010】請求項4記載の発明によると、車両衝突時
に、樹脂製ケース(8)の上部(8a)の一般面(8
e)が補強部材(6)に衝突する直前に、補強部材
(6)に衝突する破断促進部材(83)を樹脂製ケース
(8)の上部(8a)に備え、樹脂製ケース(8)の上
部(8a)の一般面(9e)のうち、破断促進部材(8
3)近傍の部位に、補強部材(6)と破断促進部材(8
3)との衝突により大きな応力が作用する破断起点箇所
(84)を形成し、この破断起点箇所(84)を脆弱箇
所としている。
【0011】従って、破断促進部材(83)を樹脂製ケ
ース(8)の上部(8a)に一体成形することにより脆
弱箇所を簡単に形成できる。請求項5記載の発明による
と、樹脂製ケース(8)の上部(8a)に、樹脂成形時
の樹脂材料の接合面(85)を位置させ、この接合面
(85)にて脆弱箇所を形成している。従って、樹脂成
形時の樹脂材料の接合面の位置設定により脆弱箇所を簡
単に形成できる。
【0012】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図8は本発明の第1実施形態を
示すもので、先ず、最初に車両用空調装置における空調
ユニットの車両に対する搭載状態の概要を説明すると、
図1において、1は車室、2は車室1より車両前方側に
位置するエンジンルーム、3はエンジンルーム2内のエ
ンジン部、4は車室1とエンジンルーム2とを仕切るダ
ッシュボード、5は車室1前部に配設される計器盤、6
は計器盤5内に配設された鉄製パイプ状の補強部材(リ
ーンフォースバー)で、車両の左右の側方ボディ間を連
結するものである。
【0014】7は車両用空調装置における空調ユニット
で、計器盤5内部において車両左右方向の略中央部に配
設される。この空調ユニット7は、樹脂製のケース8を
有し、このケース8内に後述する種々の空調機器を収納
するものである。そして、空調ユニット7の樹脂製のケ
ース8のうち、上部8aが補強部材6より車両前方側に
位置する配置レイアウトでもって、空調ユニット7は計
器盤5内に搭載されている。
【0015】図2に示すように、補強部材6は樹脂製ケ
ース8の上部8aより車両後方側に位置し、そして、補
強部材6の車両前後方向直後の位置にステアリングシャ
フト9が配設され、このステアリングシャフト9の筒状
カバー9aは支持ブラケット9bにて補強部材6に支持
されている。9cはステアリングシャフト9の上端部に
連結されたステアリングホィールである。
【0016】次に、空調ユニット7の概略構成を図3に
より説明すると、本実施形態の車両用空調装置の通風系
は、大別して、空調ユニット7と図示しない送風機ユニ
ットとの2つの部分に分かれている。空調ユニット7が
前述のごとく車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方
向の略中央部に配置されているのに対して、送風機ユニ
ット部は車室内の計器盤5下方部のうち、中央部から助
手席側へオフセットして配置されている。
【0017】図示しない送風機ユニット部は周知のごと
くは内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替
導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱から導入さ
れる空気を送風する送風機とから構成されている。この
送風機は例えば、周知の遠心多翼ファン(シロッコファ
ン)を電動モータにて回転駆動するものである。空調ユ
ニット7部は、1つの共通の樹脂製ケース8内に蒸発器
(冷房用熱交換器)10とヒータコア(暖房用熱交換
器)11を両方とも一体的に内蔵するタイプのものであ
る。樹脂製ケース8はポリプロピレンのような、ある程
度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からな
り、図1の上下方向(車両上下方向)に分割面8b(図
2参照)を有する左右2分割のケースからなる。この左
右2分割のケースは、上記熱交換器10、11、後述の
ドア等の機器を収納し、金属バネクリップ、ネジ等の締
結手段により一体に結合されて空調ユニット7を構成す
る。
【0018】空調ユニット7部は、車両の前後および上
下方向に対して、図1〜3に示す形態で配置され、そし
て、樹脂製ケース8の、最も車両前方側の部位には空気
流入口12が配設されている。この空気流入口12に
は、前述の送風機ユニットから送風される空調空気が流
入する。樹脂製ケース8内において、空気流入口12直
後の部位に蒸発器10が空気通路の全域を横切るように
配置されている。この蒸発器10は周知のごとく冷凍サ
イクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調
空気を冷却するものである。そして、蒸発器10の空気
流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒー
タコア11が隣接配置されている。このヒータコア11
は、蒸発器10を通過した冷風を再加熱するものであっ
て、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、
この冷却水を熱源として空気を加熱するものである。
【0019】また、樹脂製ケース8内で、ヒータコア1
1の上方部位には、このヒータコア11をバイパスして
空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路13が形成され
ている。樹脂製ケース8内で、ヒータコア11と蒸発器
10との間には、ヒータコア11で加熱される温風とヒ
ータコア11をバイパスする冷風(すなわち、冷風バイ
パス通路13を流れる冷風)との風量割合を調整する平
板状のエアミックスドア14が配置されている。ここ
で、このエアミックスドア14は、図示しないリンク機
構に結合されて、空調装置の温度制御機構(サーボモー
タのようなアクチュエータ等)により車両上下方向に回
動可能になっている。
【0020】一方、樹脂製ケース8内において、ヒータ
コア11の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒー
タコア11との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる
仕切り壁15が樹脂製ケース8に一体成形されている。
この仕切り壁15によりヒータコア11の直後から上方
に向かう温風通路16が形成され、この温風通路16の
下流側(上方側)はヒータコア11の上方部において冷
風バイパス通路13と合流し、冷風と温風の混合を行う
冷温風混合空間17を形成している。
【0021】樹脂製ケース8の上部8aにおいて、車両
前方側の部位にはデフロスタ開口部18が開口してい
る。このデフロスタ開口部18は冷温風混合空間17か
ら温度制御された空調空気が流入するものであって、図
示しないデフロスタダクトおよびデフロスタ吹出口を介
して、車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出す。デフロ
スタ開口部18に至る通路に設けられた入口穴18aは
回動可能なデフロスタドア19により開閉される。
【0022】樹脂製ケース8の上部8aにおいて、デフ
ロスタ開口部18よりも車両後方側(乗員寄り)の部位
にはフェイス開口部20が開口している。このフェイス
開口部20にも冷温風混合空間17から温度制御された
空調空気が空気通路21を通して流入し、フェイス開口
部20は図示しないフェイスダクトを介して計器盤上方
部のフェイス吹出口より乗員頭部に向けて風を吹き出
す。空気通路21はデフロスタドア19により開閉され
る。
【0023】また、樹脂製ケース8のうち、車両後方側
の側面の上部側には、フット開口部22が開口してい
る。このフット開口部22には冷温風混合空間17から
温度制御された空調空気が空気通路21を通って流入す
る。そして、フット開口部22はフットダクト22aを
介してフット吹出口22bから前席側の乗員足元に温風
を吹き出す。ここで、フット開口部22よりも下方部位
に、2点鎖線で示す後席用フット開口部22cを追加設
置して、車室内の後席側の乗員足元にも温風を吹き出す
ようにしてもよい。22dは前席用のフット開口部22
の部位から後席用フット開口部22cへ温風を導く後席
用温風通路である。
【0024】フット開口部22の入口穴22eと、フェ
イス開口部20との間に、フットフェイス切替用ドア2
3が回動自在に設置され、このドア23によりフット開
口部22の入口穴22eおよびフェイス開口部20の入
口穴20aが切替開閉される。デフロスタドア19とフ
ットフェイス切替用ドア23は、吹出モード切替用のド
ア手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、
吹出モード切替機構(サーボモータのようなアクチュエ
ータ等)により連動操作されるようになっている。
【0025】デフロスタドア19とフットフェイス切替
用ドア23の回動位置の選択により、吹出モードとし
て、図4〜図8に示す5つのモードを選択できる。すな
わち、図4はフェイス(FACE)モード:フェイス
開口部20のみから冷風を吹き出すモードである。 図5はバイレベル(B/L)モード:フェイス開口部
20とフット開口部22、22cの両方から同時に風を
吹き出すモードである。
【0026】図6はフット(FOOT)モード:フッ
ト開口部22、22cから温風を吹き出すモードであ
り、図6ではデフロスタ開口部18からの温風吹き出し
を停止している状態を示しているが、デフロスタドア1
9を少量だけ開く位置に操作して、少量(例えは、20
%程度)の温風をデフロスタ開口部18から吹き出して
窓ガラスの曇り止め効果を得るようにしてもよい。
【0027】図7はフットデフロスタ(F/D)モー
ド:フット開口部22、22cから略半分の温風を吹き
出し、デフロスタ開口部18から残余の半分の温風を吹
き出すモードである。 図8はデフロスタ(DEF)モード:デフロスタ開口
部18のみから温風を吹き出すモードである。なお、図
4〜図8中に示す各矢印は各モードにおける空気の流れ
を示している。
【0028】ところで、第1実施形態においては、樹脂
製ケース8のうち、デフロスタ開口部18およびフェイ
ス開口部20を有する上部8aは、後述の図10に示す
ように平面形状が長方形であり、車両左右方向(図2の
左右方向)に横長となっている。従って、上部8aは、
樹脂製ケース8の下方の本体部(熱交換器10、11等
を収納している拡大部分)から矩形状に突出して、補強
部材6の車両前方側に位置している。
【0029】そして、この上部6aの根元部の部位に、
図3(b)に拡大図示するように、断面V字状の溝部8
cを形成している。この溝部8cは上部8aの根元部の
表面側において、根元部の全周にわたって形成してあ
る。この溝部8cの形成により、上部8aの根元部に脆
弱箇所をなす薄肉部8dが形成される。ここで、薄肉部
8dの板厚t1は例えば0.6mmであり、樹脂製ケー
ス8の上部8aの一般面8eの板厚t2(例えば1.2
mm)の1/2程度に設定してある。
【0030】ところで、車両衝突時には、図1(b)に
示すように、エンジンルール2、ダッシュボード4部分
が車両後方側(矢印B方向)へ変形、移動するので、空
調ユニット7も車両後方側へ変形、移動する。しかし、
第1実施形態によれば、樹脂製ケース8の上部8aの根
元部に上述のように断面V字状の溝部8cを全周にわた
って形成して、この溝部8cにより、薄肉部8dを形成
しているため、空調ユニット7の車両後方側への変形、
移動に伴って、樹脂製ケース8の上部8aが補強部材6
に衝突すると、樹脂製ケース8の上部8aは脆弱箇所と
なる薄肉部8dの部分から容易に破断される。
【0031】その結果、樹脂製ケース8の上部8aが補
強部材6を車両後方側へ変形、移動させるという事態が
発生しないので、図2に示すステアリングホィール9c
が乗員側に接近することを防止できる。 (第2実施形態)図9は第2実施形態を示すもので、樹
脂製ケース8の上部8aの開口形状を示すものである。
樹脂製ケース8の上部8aの平面形状は、通常、図10
に示すような車両左右方向に横長となっている長方形で
あり、そして、車両前方側に1つに区画されたデフロス
タ開口部18が形成されており、車両後方側に3つに区
画されたフェイス開口部20が形成されている。
【0032】ここで、フェイス開口部20のうち、中央
の開口部は、計器盤中央部のセンターフェイス吹出口に
接続され、左右の開口部は、計器盤左右両端部のサイド
フェイス吹出口に接続されるものである。樹脂製ケース
8の上部8aが図10の開口形状になっている場合は、
上部8aのうち、車両前後方向(矢印C方向)と平行な
壁面80が複数存在しており、これらの壁面80がすべ
て車両衝突時に、上部8aの圧縮方向に対して突っ張り
作用を果して、上部8aの破断を阻止するように働く。
【0033】そこで、第2実施形態では図9に示すよう
に樹脂製ケース8の上部8aの開口形状を変更して、車
両衝突時に上部8aの破断を容易にしている。すなわ
ち、樹脂製ケース8の上部8aを、補強部材6の軸方向
に対して斜め方向に延びる2つの壁面81で形成される
角部82を有する開口形状とし、この角部82にて脆弱
箇所を形成している。
【0034】従って、第2実施形態よれば、車両衝突時
に角部82の部分にて上部8aを容易に破断させること
ができる。 (第3実施形態)図11は第3実施形態を示すもので、
樹脂製ケース8の上部8aの根元部の部位に破断促進部
材83を備えている。この破断促進部材83は、樹脂製
ケース8の上部8aの側面から車両左右方向に突出する
円柱状のピン部83aと、このピン部83aの先端から
車両後方側に突出する平板状の突出片83bとから構成
されている。
【0035】ここで、破断促進部材83は、樹脂製ケー
ス8の上部8aの左右両側の側面に一体成形されてお
り、ピン部83aの直径は例えば20mm程度であり、
また、突出片83bの板厚は例えば3〜5mm程度であ
り、樹脂製ケース8の上部8aの一般面8eの板厚(例
えば1.2mm)に比して、数倍以上の十分大きな寸法
に設定してある。突出片83bの先端は一般面8eより
車両後方側へ突出している。
【0036】そして、車両衝突時には、樹脂製ケース8
の上部8aの一般面8eが補強部材6に衝突する直前
に、破断促進部材83の突出片83bを補強部材6に衝
突させることができる。この際、破断促進部材83のピ
ン部83a、突出片83bは上記寸法設定により上部8
aの一般面8eより十分強度が高くなっているので、破
断促進部材83の突出片83bと補強部材6との衝突に
より、上部8aの一般面8eのうち、破断促進部材83
近傍の部位に、大きな応力が作用する破断起点箇所84
が強制的に設定される。
【0037】その結果、図11(c)に示すように、こ
の破断起点箇所84が脆弱箇所となって、樹脂製ケース
8の上部8aを容易に破断できる。 (第4実施形態)図12は第4実施形態を示すもので、
樹脂製ケース8の上部8aの根元部に、樹脂成形時の樹
脂材料の接合面(ウェルドライン)85を位置させ、こ
の接合面85にて脆弱箇所を形成している。
【0038】より具体的に説明すると、樹脂製ケース8
を射出成形するに際して、上部8aの根元部を境とし
て、上部8a側の部位と、樹脂製ケース8の本体部側の
部位に相当する位置に、射出成形用金型の溶融樹脂射出
ゲート86a、86bを配置する。これにより、射出成
形時に、上記両射出ゲート86a、86bから射出され
た溶融樹脂が金型内において矢印E、Fのように流れ
て、上部8aの根元部に相当する部位において矢印E、
Fの2つの樹脂の流れが合流して、接合面(ウェルドラ
イン)85を形成する。この接合面(ウェルドライン)
85は周知のごとく接合面のない他の部分に比して、成
形完了後の樹脂成形強度が低いので、この接合面85が
脆弱箇所となる。
【0039】その結果、車両衝突時には、樹脂製ケース
8の上部8aを上記接合面85の部分から容易に破断で
きる。 (他の実施形態)なお、上記した実施形態では、第1〜
第4実施形態をそれぞれ別個に実施する場合について説
明したが、これらの各実施形態を組み合わせて実施する
ことにより、車両衝突時における、樹脂製ケース8の上
部8aの破断容易化の効果を一層高めることができる。
【0040】例えば、第1実施形態の薄肉部8dに、第
2実施形態の開口形状および第3実施形態の破断促進部
材83のいずれか一方または両方を組み合わせてもよ
い。また、第4実施形態の接合面85に、第2実施形態
の開口形状および第3実施形態の破断促進部材83のい
ずれか一方または両方を組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態による空調ユニットの車
両正常時における搭載状態を示す断面図、(b)は同空
調ユニットの車両衝突時における搭載状態を示す断面図
である。
【図2】第1実施形態による空調ユニットの車両正常時
における搭載状態を示す正面図である。
【図3】(a)は第1実施形態による空調ユニットの側
面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】第1実施形態による空調ユニットのフェイスモ
ード時の側面図である。
【図5】第1実施形態による空調ユニットのバイレベル
モード時の側面図である。
【図6】第1実施形態による空調ユニットのフットモー
ド時の側面図である。
【図7】第1実施形態による空調ユニットのフットデフ
ロスタモード時の側面図である。
【図8】第1実施形態による空調ユニットのデフロスタ
モード時の側面図である。
【図9】第2実施形態による空調ユニットの樹脂製ケー
ス上部の開口形状を示す平面図である。
【図10】第2実施形態に対する比較例の樹脂製ケース
上部の開口形状を示す平面図である。
【図11】(a)は第3実施形態による空調ユニットの
側面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は
(b)の車両衝突時における状態を示す断面図である。
【図12】第4実施形態による空調ユニットの側面図で
ある。
【符号の説明】
1…車室、2…エンジンルーム、5…計器盤、6…補強
部材、7…空調ユニット、8…樹脂製ケース、8a…上
部、8d…薄肉部、10、11…熱交換器、14、1
9、23…ドア、18…デフロスタ開口部、20…フェ
イス開口部、82…角部、83…破断促進部材、84…
破断起点箇所、85…接合面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室前部の計器盤(5)内に、車両の左
    右の側方ボディ間を連結する補強部材(6)が配設され
    る車両に適用される空調装置において、 空気温度を調整する熱交換器(10、11)および空気
    流れを制御するドア(14、19、23)を内蔵する空
    調ユニット(7)の樹脂製ケース(8)の上部(8a)
    が前記補強部材(6)より車両前方側に位置しており、 車両衝突時に、前記樹脂製ケース(8)の上部(8a)
    が前記補強部材(6)に衝突すると、前記樹脂製ケース
    (8)の上部(8a)が容易に破断するように、前記樹
    脂製ケース(8)の上部(8a)に脆弱箇所(8d、8
    2、84、85)を形成したことを特徴とする車両用空
    調装置。
  2. 【請求項2】 前記脆弱箇所は、前記樹脂製ケース
    (8)の上部(8a)に形成された薄肉部(8d)から
    なることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
  3. 【請求項3】 前記樹脂製ケース(8)の上部(8a)
    を、前記補強部材(6)の軸方向に対して斜め方向に延
    びる2つの壁面(81)で形成される角部(82)を有
    する開口形状とし、 この角部(82)にて前記脆弱箇所を形成したことを特
    徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 車両衝突時に、前記樹脂製ケース(8)
    の上部(8a)の一般面(8e)が前記補強部材(6)
    に衝突する直前に、前記補強部材(6)に衝突する破断
    促進部材(83)を前記樹脂製ケース(8)の上部(8
    a)に備え、前記樹脂製ケース(8)の上部(8a)の
    一般面(9e)のうち、前記破断促進部材(83)近傍
    の部位に、前記補強部材(6)と前記破断促進部材(8
    3)との衝突により大きな応力が作用する破断起点箇所
    (84)を形成し、 この破断起点箇所(84)を前記脆弱箇所とすることを
    特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記樹脂製ケース(8)の上部(8a)
    に、樹脂成形時の樹脂材料の接合面(85)を位置さ
    せ、この接合面(85)にて前記脆弱箇所を形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂製ケース(8)の上部(8a)
    に、車両窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹
    出口に接続されるデフロスタ開口部(18)および乗員
    頭部に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口に接続され
    るフェイス開口部(20)が形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用
    空調装置。
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