JPH10146933A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JPH10146933A
JPH10146933A JP8322239A JP32223996A JPH10146933A JP H10146933 A JPH10146933 A JP H10146933A JP 8322239 A JP8322239 A JP 8322239A JP 32223996 A JP32223996 A JP 32223996A JP H10146933 A JPH10146933 A JP H10146933A
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JP
Japan
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sheet
decorative sheet
thermoplastic elastomer
weight
decorative
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Application number
JP8322239A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Takahashi
浩昭 高橋
Yoji Masuda
洋史 増田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 化粧シートの表面、裏面平滑性を保持しなが
ら、視覚的にはあたかもエンボスされているように見
え、さらにノッチ効果による加工性の低減が無くなり、
被着体との貼り合わせも容易であり、Vカット等の後加
工性も向上すること。 【解決手段】 オレフィン系樹脂のシート基材上に、柄
印刷層を介してアクリル系樹脂の保護シート及び艶調整
層及び前記艶調整層と艶の異なる印刷層を順に積層して
なる化粧シートにおいて、シート基材を構成するオレフ
ィン系樹脂が、熱可塑性エラストマー10〜60重量
%、無機充填剤5〜60重量%含有し、尚且つ熱可塑性
エラストマーと充填剤の合計が70重量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車輛内装等に用いる表面に意匠を賦与し
たり表面を保護する目的で用いられる化粧シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、斯かる用途に用いる化粧シートと
しては、主に下記の3種の化粧シートが知られている。
【0003】(1)ポリ塩化ビニルフイルムを使用し
て、これに印刷し、エンボス加工等で装飾を施した2層
構成のタブリング化粧シートがあった。(特公昭28−
5036、特公昭58−14312号公報) (2)ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムに延
伸倍率3〜5倍の延伸を施してなる通常のポリオレフイ
ン系フイルムをダブリングした化粧シートがあった。
(特開昭54−62255号公報) (3)(2)の欠点を改良するものとして、(3−1)
特開平6−210808、特表平4−504384号公
報、(3−2)特開平7−26038号公報の発明が有
る。これらの改良点としては、極性官能基をグラフト重
合させたポリオレフイン系樹脂に、オレフイン系熱可塑
性エラストマーを混合させたり(3−1)、或いはポリ
オレフイン系樹脂に相溶化剤を用いてポリウレタン樹脂
を混合させたり(3−2)して、下記の欠点、、
、を解決しようとした化粧シートもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)のようなポリ塩
化ビニルフィルムを用いた化粧シートにあっては、耐熱
性が不足するとか、可塑剤のブリード(滲出)により、
表面の耐汚染性が悪いという問題点があった。
【0005】また、(2)のような従来の化粧シートに
あっては、此の様なポリ塩化ビニルの欠点は改善し得る
ものの、透明性が不足する。耐熱性が不足する。
耐候性が悪い。柔軟性がない。印刷やラミネート時
のインキ、接着剤等との接着力が不足する。耐衝撃性
が弱く、Vカット加工時に亀裂破断する。特に、加熱軟
化〜エンボス版押圧〜冷却というエンボス加工時の熱履
歴により、結晶化が進行し、シートが脆弱化し、この傾
向が強まる。結晶化度が高い為、エンボス加工条件が
非常に狭い。という問題点があった。さらに(3)のよ
うな従来の化粧シートにあっても、依然、前記欠点、
、は不十分であるという問題点があった。
【0006】更に本発明者は、オレフィン系樹脂のシー
ト基材にアクリル系樹脂の保護シートを積層した構造の
化粧シートについて検討した。しかしながら、アクリル
系樹脂の保護シートを有する化粧シートは、該シートを
積層した化粧材にVカット加工を施すと、アクリル系樹
脂の保護シートに亀裂が生じたり、保護シートが白化し
たりするという問題があった。
【0007】また、従来のエンボス加工で設けた凹部を
含む全面に着色インキを塗り、凹部以外のインキをドク
ターブレード、ロールなどでかき取る、いわゆるワイピ
ング法による化粧シートの場合、ノッチ効果(製品に切
り欠きや刻み込みの部分があると、応力を加えたとき、
その集中効果によって強さが低下する現象をいう。)に
より加工性が低減してしまう。つまり、被着体との貼り
合わせ、Vカット等の後加工性が悪いという問題もあっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明においては、オレフィン系樹脂のシート
基材上に、柄印刷層を介してアクリル系樹脂の保護シー
ト及び艶調整層及び前記艶調整層と艶の異なる印刷層を
順に積層してなる化粧シートにおいて、上記シート基材
が高密度ポリエチレンに熱可塑性エラストマー及び無機
充填剤を配合したオレフィン系樹脂よりなることを特徴
とする化粧シート。シート基材を構成するオレフィン系
樹脂が、熱可塑性エラストマー10〜60重量%、無機
充填剤5〜60重量%含有し、尚且つ熱可塑性エラスト
マーと充填剤の合計が70重量%以下であることを特徴
とする上記の化粧シート。を開発したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
も含めてより詳細に説明する。図1は、本発明による化
粧シート1の一実施例を示す断面図であり、図中、2は
ポリオレフィン系樹脂のシート基材、6は保護シート、
7は艶調整層である。
【0010】本発明の化粧シート1において、シート基
材2は、高密度ポリエチレンに熱可塑性エラストマー及
び無機充填剤を配合したオレフィン系樹脂により構成さ
れる。高密度ポリエチレンとは、比重が0.94〜0.
96のポリエチレンで、低圧法で得られる。結晶化度が
高く、分子の枝分かれ構造の少ない高分子である。高密
度ポリエチレンの配合量は、高密度ポリエチレンに熱可
塑性エラストマー及び無機充填剤を配合したオレフィン
系樹脂に対して、30重量%以上、85重量%以下が好
ましい。
【0011】本発明において、上記熱可塑性エラストマ
ーとしては、例えば、 特公平6−23278号公報記載の(A)数平均分子
量Mnが25000以上、且つ重量平均分子量Mwと数
平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタン可
溶ポリプロピレン10〜90重量%と、(B)メルトイ
ンデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶
性ポリプロピレン90〜10重量%との混合物からなる
軟質ポリプロピレン。
【0012】特公昭53−21021号公報記載の如
き、(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハー
ドセグメントとし、これに(B)部分架橋したエチレン
プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン・プロピレン
・非共軛ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共
重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配
合し、混合してなるオレフィン系エラストマー。(B)
モノオレフィンゴム/(A)オレフィン重合体=50/
50〜90/10(重量比)の割合で混合する。
【0013】特公昭53−21021号公報記載の如
き、(B)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフト
セグメント)と、(A)オレフィン共重合体(結晶性ハ
ードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力
を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラ
ストマー。(B)モノオレフィンゴム/(A)オレフィ
ン共重合体=60/40〜80/20(重量比)であ
る。
【0014】特公昭56−15741号公報記載の如
き、(a)アイソタクチックポリプロピレン、プロピレ
ン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体等
のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を減じ、流動
性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体(ハード
セグメント)と、(b)エチレン・プロピレン共重合体
ゴム、エチレン・プロピレン・非共軛ジエン三元共重合
体ゴム等のペルオキシドと混合加熱することにより、架
橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオレフィ
ン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(c)ポリイソ
ブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合、加熱し
ても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシド非架橋型
炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成分)、
及び(d)パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱
物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシドの存在下
で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマー。
(a)が90〜40重量部、(b)が10〜60重量
部、(c)、及び(d)が5〜100重量部の配合比と
なる。
【0015】特開平2−139232号公報に記載の
如き、エチレン・スチレン・ブチレン共重合体からなる
オレフィン系エラストマー。である。
【0016】また熱可塑性エラストマーとして、ジエン
系ゴム、水素添加ジエン系ゴム等も用いることができる
が、なかでも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添
加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少な
くとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、高密
度ポリエチレンの結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアッ
プさせる役割がある。一般にポリオレフィン系樹脂にジ
エン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の為、
耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン
系樹脂より低下するが、ジエン系ゴムの二重結合を水素
で飽和させることにより、ポリオレフィン系樹脂の耐候
性、耐熱性の低下をきたす虞れがなくなる。
【0017】上記ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム等が有る。本発明の目的からは特にスチレン・ブタジ
エンゴムが好ましい。
【0018】一方、シート基材2に含有される無機充填
剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、
タルク等の粉末が用いられる。シート基材2を構成する
オレフィン系樹脂に対して、熱可塑性エラストマーを1
0〜60重量%、無機充填剤を5〜60重量%含有して
おり、尚且つ熱可塑性エラストマーと充填剤の合計の含
有量が70重量%以下であることが好ましい。熱可塑性
エラストマーの含有量が10重量%未満であったり、無
機充填剤の含有量が5重量%未満であると、シート基材
2の弾性、伸び率、耐衝撃性が不足し、化粧材にVカッ
ト加工や、絞り加工等の折り曲げ加工を施した際に、化
粧シート1の保護シート6に亀裂や割れを生じやすくな
る。また、熱可塑性エラストマーの含有量が60重量%
を超える場合や、無機充填剤の含有量が、60重量%を
超える場合には、シート基材2の弾性、及び伸び率が大
きくなりすぎ、シート基材2に印刷等によって柄印刷層
4を形成する際に、柄印刷層4を形成する位置の位置合
わせが困難となるため好ましくない。
【0019】またシート基材2の加熱寸法収縮率と、化
粧材のVカット加工時の化粧シート1の耐亀裂・破断性
とに相関関係があり、100°C雰囲気中で30分間加
熱した後の寸法収縮率(加熱前を基準として)、即ち、 〔(加熱後の寸法)−(加熱前の寸法)〕×100/
(加熱前の寸法)=加熱寸法収縮率(%) が、長尺帯状シートの場合、シート長手方向が−2〜+
7%、シート幅方向が−7〜+2%の範囲にあるものが
好ましい。寸法収縮率が此の範囲から逸脱すると、耐衝
撃強度に対し、伸び率と引き裂き伝幡抵抗が大幅に低下
し、シートに衝撃的な折り曲げが加わるため、Vカット
加工時に亀裂を生じ易くなり好ましくない。
【0020】尚、加熱寸法収縮率の許容値がシート長手
方向と幅方向とで別々になるのは、シート製造時のシー
トの材料力学的な履歴、及びシート加工時の衝撃力の加
わり方が長手方向と幅方向とで異なる為である。
【0021】此の加熱寸法収縮率は、主にシート基材2
の延伸と大きな相関がある。無延伸であれば、シート基
材2の加熱寸法収縮率は前記の範囲に収まり、また、3
倍以上延伸すると大体の場合、前記の範囲を外れる。従
って延伸する場合は、加熱寸法収縮率が前記範囲に収ま
るように延伸倍率を抑制することが好ましい。
【0022】本発明において、保護シート6を構成する
アクリル系樹脂シートとしては、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独
又は共重合体からなるものが挙げられる。このアクリル
系樹脂シートの厚さは、20〜100μm程度が好まし
い。
【0023】シート基材2と保護シート6とを積層する
方法としては、溶融押し出し塗工(エクストルージョン
コート)、熱プレスによる融着、或いは2液硬化型ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用いたド
ライラミネート等が挙げられる。
【0024】このシート基材または保護シートには、必
要に応じ、顔料、染料、充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤
等を添加する。
【0025】シート基材表面に直接模様を印刷したり、
接着剤を塗布することも可能であるが、インキや接着剤
とシート基材との接着力を、より強固なものにする必要
がある場合には、シート基材表面に易接着層の塗布、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理等の易接着処理を施すと良
い。
【0026】本発明の化粧シートにおいて、易接着層
(プライマー層、或いはアンカー層とも云う)として
は、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素
化ポリエチレンが使用されるが、特にアクリルや塩素化
ポリプロピレンが望ましい。
【0027】アクリルとしては、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独
又は共重合体からなるアクリル樹脂のことである。但
し、此処で(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアク
リルを意味するものとし以下同様である。
【0028】ポリウレタンとはポリオール(多価アルコ
ール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とする組成物である。
【0029】ポリオールとしては、分子中に2個以上の
水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が
用いられる。
【0030】又、イソシアネートとしては、分子中に2
個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート
が用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添
加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至
は脂環族)イソシアネートが用いられる。
【0031】本発明の化粧シート1に装飾を施す方法と
して、上記シート基材2に顔料を添加して透明着色又は
不透明着色を施す方法が挙げられる。
【0032】添加する顔料としては、チタン白、亜鉛
華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄
鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ
ン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレ
ッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブリー
RS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含
む)、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化チタ
ン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢
(パール)顔料等であり、用途に応じて、透明着色顔料
か不透明着色顔料かのいずれかを選択する。これらは、
粉末、或いは鱗片状箔片として添加、分散せしめられ
る。
【0033】また、本発明化粧シート1に装飾を施す他
の方法としては、例えば図1に示すようにシート基材2
と保護シート6との間に装飾層(柄印刷層4)を設ける
方法が挙げられる。装飾層は印刷や、金属薄膜を積層す
ることにより形成することができる。印刷法としては、
グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印
刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷法を用いイ
ンキ(或いは塗料)にて模様を形成する。
【0034】模様(柄)としては、木目模様、石目模
様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或
いは全面ベタ等がある。模様はシートの表面、裏面、表
裏両面、或いは層間に設ける。
【0035】装飾層用のインキ(或いは)塗料として
は、バインダー(ベヒクル)として、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、
等を用い、一種又は二種以上混合して用いる。これに前
記に列挙した様な公知の顔料を添加した物を用いる。
【0036】シート基材2に直接印刷する場合は、バイ
ンダーとしてアクリル、塩素化ポリオレフィン、ポリウ
レタン等が接着性の点で好ましいが、易接着プライマー
を適当に選択して層形成すれば、其の他のバインダーを
用いても十分な接着性を与える。
【0037】装飾層を金属薄膜によって形成する場合、
金属薄膜を全面又は部分的にパターン状に積層する方法
が挙げられる。金属薄膜は、アルミニウム、クロム、
金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング
等の方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良
い。該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分的に
パターン状に設けても良い。
【0038】次に、艶調整層は、化粧シートの表面に、
好ましい艶を与えるものであって、適宜のベヒクルを用
いた塗料を塗布することにより形成できる。ベヒクルと
しては、前記した柄印刷層に用いられるインキのベヒク
ルと同じである。艶調整層を形成する塗料には、通常適
量の艶消し剤を分散させて、所望の艶消し度を与える
が、艶消し剤を全く含まないグロス(光沢)タイプの塗
料を用いることもある。使用できる艶消し剤は、マイ
カ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、
ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体などであ
る。
【0039】また、前記艶調整層と艶の異なる印刷層の
成分は、艶調整層の成分に、前記した顔料を加えたもの
であり、艶消し剤の種類や量を変化させて、艶調整とは
異なる好みの艶にすれば良い。前記艶調整層と艶の異な
る印刷層の柄としては、例えば、木目化粧シートの場合
には、導管印刷層となる。
【0040】本発明の化粧シート1において、より良好
な耐候性(耐光性)を付与するために、必要に応じてシ
ート基材2や保護シート6中に、紫外線吸収剤、及び/
又は光安定剤を添加することができ、その添加量は紫外
線吸収剤、光安定剤とも通常0.5〜10重量%程度で
あるが、一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用す
るのが好ましい。
【0041】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、
又は0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリ
ウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。光
安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミ
ン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等の
ラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0042】また化粧シート1に難燃性を付与するため
に、必要に応じてシート基材2や保護シート6中に、難
燃剤を添加することができる。難燃剤としては、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いら
る。添加量はオレフィン系樹脂100重量部に対して1
0〜150重量部程度である。
【0043】又本発明の化粧シートを他の被着体(裏打
材)に積層することもできる。積層は、被着体に化粧シ
ート自体が(熱融点等で)接着可能な場合は、接着剤層
は省いても良い。又、化粧シート自体では被着体と接着
しない場合は、適当な易接着層及び接着剤層を介して積
層する。
【0044】被着体が最終製品であり、その表面化粧の
為に化粧シートを積層する場合も有れば、必要に応じ化
粧シートの力学的強度の補強、或いは隠蔽性の付与の為
化粧シート裏面に被着体を積層する場合も有る。
【0045】被着体としては各種素材の平板、曲面板等
の板材、立体形状物品〔成形品〕、シート(或いはフィ
ルム)等の各種形状の物品が対象となる。板材、立体形
状物品、或いはシート(フィルム)のいづれにも用いら
れる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクル
ボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維
板等の木質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル、
ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリオレフイン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩
化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂、専ら板
材、或いは立体形状物品として用いられる素材として
は、硝子、陶磁器、等のセラミックス、ALC(発泡軽
量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏
等の非セメント窯業系材料、専らシート(或いはフィル
ム)として用いられる素材としては、上質紙、和紙等の
紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、硝子、合成樹脂等
の繊維からなる不織布又は織布等がある。
【0046】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラー
で加圧して積層する方法、特公昭50−19132号
公報、特公昭43−27488号公報等に記載される様
に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、
両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充填し
て後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化
粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート
方法、特公昭56−45768号公報、特公昭60−
58014号公報等に記載される様に、成形品の表面に
化粧シートを間に接着剤層を介して対向乃至は載置し、
成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シート
を成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、
特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公
報等に記載される様に、円柱、多角柱等の柱状基材の長
軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつ
つ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成
する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層し
てゆく、所謂ラッピング加工方法、実公大15−31
122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載
される様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介
して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の
面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面
がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着
剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成
形する所謂、Vカット又はUカット加工方法、等があ
る。
【0047】特に、本発明化粧シートを凹凸立体物に貼
り合わせる方法としては、前記方法のうち、(a)ラッ
ピング加工法、(b)Vカット加工法、(c)射出成形
同時ラミネート法、(d)真空成形同時ラミネート法等
が好ましい。
【0048】本発明の化粧シートは各種被着体に積層
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例
えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等
の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネ
ットの表面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内
装、窓硝子の化粧等の用途が挙げられる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0050】実施例1 下記組成のオレフィン系樹脂よりなる、厚み0.16m
mのシート基材の表面に、易接着層としてウレタン系メ
ジュームをグラビアコーティングして、さらにその上に
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系インキにて木目柄を
グラビア印刷した。 オレフィン系樹脂シート組成 高密度ポリエチレン 60重量部 スチレンブタジエンゴム(熱可塑性エラストマー) 30重量部 炭酸カルシウム(充填剤) 10重量部 さらに得られた印刷層の上に、ヒートシール剤として塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系メジュームをグラビア
コーティングした上に、厚み0.04mmのアクリル樹
脂シートを熱ラミネートした。このようにして得られた
ラミネートシートのアクリル樹脂シートの表面に、艶調
整層として、アクリルポリオールとイソシアネートとの
2液インキをグラビアコーティングした。更に、その上
にアクリルポリオールとイソシアネートとの2液インキ
にて木目導管印刷を行い、本発明の化粧シートを得た。
この化粧シートの性状を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】比較例1 下記組成のオレフィン系樹脂よりなる、厚み0.16m
mのシート基材の表面に、易接着層としてウレタン系メ
ジュームをグラビアコーティングして、さらにその上に
アクリル系インキにて木目柄をグラビア印刷した。 オレフィン系樹脂シート組成 高密度ポリエチレン 70重量部 炭酸カルシウム(充填剤) 30重量部 さらに得られた印刷層の上に、ヒートシール剤として塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系メジュームをグラビア
コーティングした上に、厚み0.04mmのアクリル樹
脂シートを熱ラミネートすると同時にエンボス加工を行
った。このようにして得られたラミネートシートのアク
リル樹脂シートの表面のエンボス凹陥部に、アクリルポ
リオールとイソシアネートとの2液インキでワイピング
処理を行い、導管部を形成した。この上に、表面保護層
としてアクリルポリオールとイソシアネートとの2液イ
ンキをグラビアコーティングして化粧シートを得た。こ
の化粧シートの性状を表1に示す。
【0053】〔試験法〕 1.破断強度 破断伸度の測定方法JISK−6734
6.3に基づき、引っ張りスピード20mm/min
で測定した。 2.Vカット時のシート破断・亀裂 化粧シートの基材シート側を、エチレン・酢酸ビニル共
重合体エマルジョンの接着剤を用い、厚さ10mmのラ
ワン合板に接着、積層し、該合板の化粧シート側と反対
側に、合板と接着剤層との界面に迄達する断面V字型の
条溝を切削し、該条溝内にエチレン・酢酸ビニル共重合
体エマルジョンの接着剤を塗布し、該条溝を閉じる様に
して合板を折り曲げて合板をL字型(断面)に折り曲げ
た。加工時の雰囲気温度は10°Cであった。 3.ラッピング適性 R面 L90 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの接着剤を
用い、化粧シートの基材シート側と、異形断面部のR面
および、L90面が貼り合わさるように、通常のラッピ
ング貼り合わせ機によりラッピング加工を行った。
【0054】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、 化粧シートを積層した化粧材に、Vカット加工を施し
ても、本発明化粧シートの保護シートに亀裂が生じた
り、白化したりする虞れがない。 従来のエンボス加工で設けた凹部を含む全面に着色イ
ンキを塗り、凹部以外のインキをドクターブレード、ロ
ールなどでかき取る、いわゆるワイピング法による化粧
シートの場合とは違い、表層のグロスマット印刷で導管
等を表現することにより、化粧シートの表面、裏面平滑
性を保持したため、視覚的にはあたかもエンボスされて
いるように見え、さらに前記したノッチ効果による加工
性の低減が無くなる。つまり、化粧シート自体が平らな
ので、被着体との貼り合わせも容易であり、Vカット等
の後加工性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートの一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 シート基材 3 易接着層 4 柄印刷層 5 ヒートシール剤層 6 保護シート 7 艶調整層 8 導管印刷層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂のシート基材上に、柄
    印刷層を介してアクリル系樹脂の保護シート及び艶調整
    層及び前記艶調整層と艶の異なる印刷層を順に積層して
    なる化粧シートにおいて、上記シート基材が高密度ポリ
    エチレンに熱可塑性エラストマー及び無機充填剤を配合
    したオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする化粧シ
    ート。
  2. 【請求項2】 シート基材を構成するオレフィン系樹脂
    が、熱可塑性エラストマー10〜60重量%、無機充填
    剤5〜60重量%含有し、尚且つ熱可塑性エラストマー
    と充填剤の合計が70重量%以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の化粧シート。
JP8322239A 1996-11-18 1996-11-18 化粧シート Pending JPH10146933A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013240888A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Nichiei Kako Kk 積層装飾構造体とその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013240888A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Nichiei Kako Kk 積層装飾構造体とその製造方法

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