JPH10146166A - 生理活性組成物 - Google Patents

生理活性組成物

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JPH10146166A
JPH10146166A JP32121196A JP32121196A JPH10146166A JP H10146166 A JPH10146166 A JP H10146166A JP 32121196 A JP32121196 A JP 32121196A JP 32121196 A JP32121196 A JP 32121196A JP H10146166 A JPH10146166 A JP H10146166A
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sake
lees
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Hiromichi Okuda
拓道 奥田
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NIPPON SHUZO KUMIAI CHIYUUOUKA
NIPPON SHUZO KUMIAI CHIYUUOUKAI
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NIPPON SHUZO KUMIAI CHIYUUOUKA
NIPPON SHUZO KUMIAI CHIYUUOUKAI
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 酒粕、酒粕水抽出液、及び/又は処理物
を有効成分として含有することを特徴とする生理活性組
成物。 【効果】 本有効成分は、NK細胞活性の促進、トキソ
ホルモン−Lの阻害、インスリン様作用、アミラーゼ阻
害等の生理活性を有するため、本組成物は、癌(それに
起因するやせ症状)、糖尿病、肥満等の予防、治療、あ
るいは保健に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性組成物に
関し、更に詳細には、NK細胞(naturalkil
ler cells)活性化作用、アミラーゼ阻害作用
等すぐれた生理活性を有する酒粕由来の組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】酒粕は、清酒もろみから清酒を分離した
後の残渣であって、従来、工業的に格別な用途はなく、
粕取焼酎、奈良漬、粕酢等の製造原料として、あるいは
粕汁等の素材として限定的に消費されているにすぎな
い。したがって、このような用途に利用されなかった酒
粕は廃棄物として処理しなければならないが、酒粕は栄
養物に富むために腐敗しやすく、放置しておくことがで
きないし、また、水分含量も高いために焼却処理するに
はコストがかかるという欠点は避けられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術背景に鑑み、酒粕を有効に処理する新しいシステム
を開発する目的でなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、酒粕について、こ
れを廃棄物として取扱い、焼却したりするのではなく
て、これを更に積極的に有効利用することを目的として
なされたものである。
【0005】そこで本発明者らは、各方面から酒粕に含
まれる機能性物質について検討した結果、酒粕にはNK
細胞活性化作用があることをはじめて見出した。そして
この有用新知見にとどまらず、本発明者らは更に研究を
続けた結果、アミラーゼ阻害作用、トキソホルモン−L
阻害作用、インスリン様作用を酒粕が有することを新た
に見出し、酒粕を由来とする生理活性組成物に関する本
発明を完成するに至った。以下、本発明について詳述す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、酒粕を有効成分として
含有せしめてなる生理活性組成物を基本的技術思想とす
るものであって、本有効成分が、NK細胞活性の促進、
トキソホルモン−Lの阻害、インスリン様作用、アミラ
ーゼ阻害という有用な機能を有することから、本組成物
は、例えば、それぞれ、癌、癌に起因するやせ症状、糖
尿病、肥満の予防及び/又は治療に有用であり、特に飲
食品タイプの組成物として長期間摂取すれば特にすぐれ
た効果が期待される。
【0007】本組成物の有効成分としては、酒粕が使用
されるが、これを濃縮したり水抽出すれば更に効果が高
まる。水抽出法としては、酒粕に蒸留水(脱イオン水)
を加えて攪拌し(必要あればホモゲナイズし)、遠心分
離(濾過)して、上清を得、これを酒粕抽出液とする。
そして、この酒粕抽出液を本組成物の有効成分として使
用するのである。
【0008】酒粕抽出液は、濃縮して有効成分濃度を更
に高めてもよく、例えば、濃縮物、ペースト化物、乾燥
物といった処理物とすることができ、これらの段階で有
効成分濃度を所望値にコントロールすることも可能であ
る。また、酒粕抽出液の各種処理物に水を添加して有効
成分濃度を所望値にコントロールすることも可能であ
り、更に、このようにして調製した加水物に上記処理物
を所望比率で添加混合して、有効成分濃度のコントロー
ルを行うことも可能である。
【0009】本発明は、酒粕、酒粕抽出液、及び/又は
処理物を有効成分とする生理活性組成物をその主題とす
るものであって、本組成物は、すぐれたNK細胞活性の
促進、トキソホルモン−Lの阻害、インスリン様作用、
アミラーゼの阻害等の生理活性を有するものであり、し
かも本有効成分は酒粕由来である故、本来食品中に含ま
れるものであって、安全性についても問題はなく、各種
タイプの組成物として広範に使用できる。
【0010】本組成物は、後記する実施例からも明らか
なように、各種のすぐれた生理活性作用を有するもので
あり、そのうちのひとつとして、酒粕によるアミラーゼ
の阻害作用が確認された(下記表1)。
【0011】
【表1】
【0012】上記結果から明らかなように、酒粕5mg
/mlでアミラーゼを51.7%阻害している(100
%−48.3%)。このことは、酒粕を有効成分とする
本組成物を経口摂取することにより、アミラーゼ活性が
低下し、その結果、でんぷんの分解、腸からの吸収が遅
れ、そのため、血糖上昇の抑制、インスリンの急激な上
昇が阻止されることとなり、肥満の予防ないし防止が可
能であることを示すことにほかならない。
【0013】本組成物は、例えば、ヒト又は動物用の医
薬品、飲食品、調製粉乳、経腸栄養剤、健康飲食品、飼
餌料添加物等各種タイプの組成物として実用に供するこ
とができる。また、投与方法は、経口投与、静脈内投
与、患部への直接投与のどの方法を用いてもよい。
【0014】有効成分の配合量は、任意でよいが、使用
目的(予防、保健、又は治療)、患者の年令、投与方
法、剤型等に応じて適宜定めればよく、通常、0.00
01〜10%の範囲が適当である。しかしながら、長期
間に亘って保健上ないし健康維持の目的で摂取する場合
には、上記範囲よりも少量であってもよいし、また本有
効成分は、安全性について問題がないので、上記範囲よ
りも多量に使用しても一向にさしつかえない。現にマウ
スを用いた10日間の急性毒性試験の結果、1000m
g/kgの経口投与でも死亡例は認められなかった。
【0015】飲食品タイプの組成物として使用する場合
には、本有効成分(その処理物)をそのまま使用した
り、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法
にしたがって使用できる。本有効成分を用いる本発明に
係る組成物は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペース
ト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、
酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される
各種成分を用いて、健康ドリンクに製剤化すると好適で
ある。
【0016】医薬品タイプの組成物として使用する場
合、本有効成分は、種々の形態で投与される。その投与
形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、
シロップ剤等による経口投与をあげることができる。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁
剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において
通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することが
できる。その使用量は症状、年令、体重、投与方法およ
び剤形等によって異なるが、通常は、成人に対して、1
日当り、静脈投与の場合は、体重1kg当り、0.01
mg〜1000mgを投与することができ、筋肉投与の
場合は同じく0.01mg〜1000mgを投与するこ
とができる。また、経口投与の場合には同じく0.5〜
2000mg、好ましくは1〜1000mgの範囲内で
投与するのがよい。
【0017】以下に、本発明の実施例を示す。
【0018】
【実施例1】酒粕によるNK活性の促進作用を以下によ
り確認した。
【0019】(1)赤血球融解用緩衝液−塩化アンモニ
ウム−トリス等張緩衝液の調製 0.83% NH4Clとトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン(20.594g/l、pH7.65)と
を9:1(v/v)の割合で混合して使用した。
【0020】(2)酒粕抽出液の調製 酒粕を湿重量で2.5g秤量し、これに蒸留水5mlを
加え、ポリトロン(キネマティカ社製)を用いてホモジ
ナイズした後、2000rpmで5分間、遠心分離し、
得られた上清を酒粕水抽出液50mg/l相当濃度(終
濃度1mg/ml)の溶液とした。この溶液の一部を凍
結乾燥し、凍結乾燥後の酒粕5mgを蒸留水1mlに溶
かし、この溶液を100μg/ml相当濃度の溶液とし
た。
【0021】(3)マウス脾細胞の調製 マウス(CH3/HeJ、5週齢、雄性:日本クレア
社)から脾臓を摘出した。摘出した脾臓を、10% F
CS−RPMI 1640培養液中(水浴中)で、鉗子
を用いて細かくつぶした。200rpmで2分間遠心分
離した。上清をすてた後、10% FCS−RPMI
1640培養液を加え、次いで2000rpmで3分間
遠心分離して、細胞ペレットと上清に分離した。上清を
すてた後、細胞ペレット0.1ml/1ml塩化アンモ
ニウム−トリス等張緩衝液の割合で加え、1分間よく混
合した。
【0022】10% FCS−RPMI 1640培養
液で(2000rpm、3分間の遠心分離)3回洗浄し
た。次いで細胞が4.0×107個/mlになるよう
に、10% FCS−RPMI 1640培養液に浮遊
せしめて、細施浮遊液を調製した。6穴マイクロプレー
トに、10% FCS−RPMI 1640培養液3.
9ml、細胞浮遊液1ml、酒粕または10% FCS
−RPMI 1640培養液100μlを分注し、CO
2インキュベーターで2日間培養した。
【0023】(4)YAC−1細胞への51Crの標識化 YAC−1細胞をRPMI 1640培養液で培養し、
対数増殖期にある生存率90%以上の細胞10×106
個を、スピッツ遠心管を用い、無血清RPMI1640
培養液で(2000rpm、3分間の遠心分離)3回洗
浄した。次いで、Na2 51CrO4 0.1ml(日本ア
イソトープ協会、0.5Ci/0.5ml)を添加した
後、10% FCS−RPMI 1640培養液で(2
000rpm、3分間の遠心分離)4回洗浄した。そし
て、3.0×105個/mlになるように10% FC
S−RPMI 1640培養液に浮遊した。
【0024】(5)NK活性の測定 マウス脾単核球を10% FCS−RPMI 1640
培養液で3回洗浄した後、1.0×107個/mlにな
るように10% FCS−RPMI 1640培養液に
浮遊した。細胞浮遊液を、96ウエルU底マイクロプレ
ートに150μlずつ分注した。そして、51Cr標識Y
AC−1細胞を50μlずつウエルに分注した。96ウ
エルマイクロプレート遠心器にて、1000rpmで5
分間遠心分離した。CO2インキュベーターで、4時
間、37℃でインキュベートした。96ウエルマイクロ
プレート遠心器にて、1000rpmで5分間遠心分離
した。小試験管に上清100μlをとり、γ−カウンタ
ーで測定し、測定結果から、次式により%NK活性を算
定した。
【0025】 %NK Lysis=(E−S)/(M−S)×100 但し式中、 M:maximum release YAC−1細胞を1N NaOHで破壊したcpm S:spontaneous release YAC−1細胞を10% FCS−RPMI 1640
で培養液中に自然遊離したcpm E:experimental release YAC−1細胞とマウス脾単核球を反応させた後のcp
【0026】得られた結果を図1に示す。この結果から
明らかなように、酒粕抽出液は100μg/mlでNK
活性を増強することがわかる。
【0027】
【実施例2】酒粕によるトキソホルモン−L(脂肪分解
物質)に対する阻害作用を以下により確認した。
【0028】(1)酒粕抽出液の調製 酒粕を湿重量で1g秤量し、これに蒸留水5mlを加
え、ポリトロン(キネマティカ社製)を用いてホモジナ
イズした後、2000rpmで5分間、遠心分離し、得
られた上清を酒粕水抽出液20mg/ml相当濃度の溶
液とした。この溶液を希釈して、各濃度の測定を行っ
た。
【0029】(2)試薬の調製 a)NEFA抽出液:クロロホルム980ml、ヘプタ
ン980ml、メタノール40mlを充分混合してNE
FA抽出液を調製した。 b)銅試薬:トリエタノールアミン2.98g、Cu
(NO32・3H2O 2.42g、NaOH 0.4
8gを水に溶かし、200mlにメスアップし、NaC
l 66gを添加、溶解して銅試薬を調製した。 c)発色試薬:バソクプロイン0.2g、ブチルヒドロ
キシアニソール0.1gをクロロホルムに溶かし、20
0mlにメスアップして発色試薬を調製した。
【0030】(3)トキソホルモン−L阻害活性の測定 2.5%BSA溶液200μl、酒粕水抽出液25μ
l、トキソホルモン−L25μlを混合した後、Pac
ked fat cells 50μlを添加し、37℃
で1時間インキュベートした。次いで、酒粕水抽出液を
3ml加え、反応を停止した。10分間振とうした後、
2500rpmで5分間遠心分離した。
【0031】上層(水層)を吸引除去した。銅試薬1m
lを加え、10分間振とうした後、2500rpmで1
0分間遠心分離した。上層0.5mlを別の試験管に入
れ、発色試薬0.5mlを加えてよく混合し、吸光度を
測定した(波長:480nm)。
【0032】得られた結果を図2に示す。この結果から
明らかなように、酒粕抽出液は、脂肪細胞におけるトキ
ソホルモン−Lの脂肪分解を阻害することがわかる。
【0033】トキソホルモン−Lは、分子量約7万でN
末端にアスパラギン酸を有する糖蛋白質であって、脂肪
分解性のほかに食欲低下作用を有する物質であり、癌細
胞から分泌されている。したがって、癌患者の急激なや
せの原因のひとつは、癌細胞から分泌されたトキソホル
モン−Lによって、現在溜まっている脂肪が分解される
とともに、食欲が低下することによるものと考えられて
いるところから、トキソホルモン−Lを阻害することに
より、癌患者の急激なやせを止め、その結果、制癌剤や
放射線療法に耐える体力を維持することが可能となり、
酒粕は、癌の治療を側面から支援する生理活性組成物と
して非常に有用である。
【0034】
【実施例3】酒粕によるインスリン様作用、つまり、脂
肪合成には影響を与えず、脂肪分解を阻害する作用を以
下により確認した。
【0035】A:脂肪分解の測定: (1)酒粕抽出液の調製 酒粕を湿重量で1g秤量し、これに蒸留水5mlを加
え、ポリトロン(キネマティカ社製)を用いてホモジナ
イズした後、2000rpmで5分間、遠心分離し、得
られた上清を酒粕水抽出液20mg/ml相当濃度(終
濃度)の溶液とした。この溶液を希釈して、各濃度の測
定を行った。
【0036】(2)試薬の調製 a)NEFA抽出液:クロロホルム980ml、ヘプタ
ン980ml、メタノール40mlを充分混合してNE
FA抽出液を調製した。 b)銅試薬:トリエタノールアミン2.98g、Cu
(NO32・3H2O 2.42g、NaOH 0.4
8gを水に溶かし、200mlにメスアップし、NaC
l 66gを添加、溶解して銅試薬を調製した。 c)発色試薬:バソクプロイン0.2g、ブチルヒドロ
キシアニソール0.1gをクロロホルムに溶かし、20
0mlにメスアップして発色試薬を調製した。
【0037】(3)脂肪分解の測定 実施例2(3)において、トキソホルモン−Lにかえて
ノルエピネフリン(Norepinephrine)を
用いたほかは、同じ操作を行って測定を実施した。得ら
れた結果を図3に示した。
【0038】B:脂肪合成の測定: (1)酒粕抽出液の調製 酒粕を湿重量で250mg秤量し、これに蒸留水5ml
を加え、ポリトロン(キネマティカ社製)を用いてホモ
ジナイズした後、2000rpmで5分間、遠心分離
し、得られた上清を酒粕水抽出液5mg/ml相当濃度
(終濃度)の溶液とした。この溶液を希釈して、各濃度
の測定を行った。
【0039】(2)試薬の調製 a)6%BSA、3mMグルコース溶液:活性炭処理済
のBSA 1.5gをハンクス緩衝液25mlに溶解
し、これにグルコース15.5mgを溶解し、pH7.
4に調整して、本溶液を調製した。 b)EM液 イソプロピルアルコール2400ml、ヘプタン600
ml、1N N2SO460mlを混合して、EM液を調
製した。
【0040】(3)脂肪合成の測定 6%BSA、3mMグルコース溶液175μlにPac
ked fat cells 40μlを加えた後、37
℃で20分間インキュベートした。これに酒粕水抽出液
25μlを加えた後、37℃で5分間インキュベートし
た。次いで、1mMインスリン25μlを加え、37℃
で5分間インキュベートした。14C−グルコース25μ
lを加え、37℃で30分間インキュベートした。次い
で、EM液0.83ml、ヘプタン0.5ml、水0.
25mlを加え、ボルテックスで約15秒間混合した
後、室温において3000rpmで3分間遠心分離し
た。上清133.3μlにトルエンシンチレーター7.
5mlを加え、カウントした。得られた結果を図4に示
した。
【0041】これらの結果から、酒粕抽出液には、脂肪
細胞におけるノルエピネフリンによる脂肪分解を抑制
し、グルコースからの脂肪合成には何ら影響しない成分
が含有されていることが確認された。
【0042】
【実施例4】酒粕水抽出液分画成分のインスリン様作用
を以下により確認した。
【0043】(1)酒粕水抽出液の分画 Sephadex G−10(商品名)を用いて酒粕水
抽出液を6区分に分画し、第3区分62.5mgをIR
120B(商品名)により吸着区分と非吸着区分に分離
し、IR120B吸着区分15.8mg(凍結乾燥重
量)及びIR120B非吸着区分25.7mg(凍結乾
燥重量)を得た。収率は、41.5/62.5×100
=66.4%であった。
【0044】吸着区分についてODS−80T(商品
名)を用いる逆相クロマトグラフィーによる分画を行っ
た。逆相クロマトグラフィーの条件は次のとおりとし
た:HPLC 島津LC−9A; Buffer 20
%アセトニトリル,流量3mL/min; カラム T
OSO−ODS−80Ts(21.5×300mm)分
取用; Detector O.D.220nm(RANG
E1.28); 分画ADVANTEC SF−212
0,3mL/tubeで分取した。
【0045】試料として上記吸着区分を4mgとり、2
0mlの水に溶解分画した(500μlずつ4回に分け
てインジェクションした)。9区分に分画し、4回分を
合併した後凍結乾燥した。各区分の分画後の合併容量は
次のとおりであった: 1区分:約144mL 2区分:約72mL 3区分:約 60mL 4区分:約 36mL 5区分:約36mL 6区分:約132mL 7区分:約120mL 8区分:約48mL 9区分:約 36mL
【0046】(2)脂肪分解の測定 実施例3(3)において、酒粕水抽出液にかえてサンプ
ル溶液(上記した1〜9区分溶液)を用いたほかは、同
じ操作を行って測定を行った。得られた結果を図5に示
した。上記結果から明らかなように、酒粕水抽出液画分
(特に1、7、9区分)についても、酒粕水抽出液と同
様の作用が確認された。
【0047】
【実施例5】グラニュー糖50g、コーンスターチと乳
糖の等量混合物30g、ビタミンC20gに、実施例1
にしたがって製造した酒粕抽出液の凍結乾燥品を20g
加えて混合した。得られた混合物を100等分して袋に
詰め、スティック状の食品タイプの組成物を100袋製
造した。
【0048】
【実施例6】グラニュー糖150g、蜂蜜15g、ビタ
ミンC 1g、クエン酸0.5g、実施例1にしたがっ
て製造した酒粕抽出液の凍結乾燥品100g、香料適量
に水を加えて1kgとし、これを95℃で20分間殺菌
し、100mlずつ無菌的にビンに充填して、ドリンク
タイプの組成物を製造した。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る組成物は、NK細胞活性の
促進、トキソホルモン−Lの阻害、インスリン様作用、
アミラーゼ阻害といった生理活性を有するので、例えば
癌、癌に起因するやせの症状、糖尿病、肥満等の予防な
いし治療に有効である。
【0050】特に本組成物は、安全性については全く問
題のない酒粕を使用するものであるので、飲食品タイプ
の組成物として長期間に亘って摂取することができ、上
記疾患や症状の予防、これらの患者の術後、あるいは保
健上の目的でも有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酒粕のNK活性に及ぼす作用を示す。p<0.
05(対照比)
【図2】トキソホルモン−LによるLipolysis
(脂肪細胞の脂肪分解)に対する酒粕の作用を示す。
【図3】ノルエピネフリンによるLipolysisに
対する酒粕の作用を示す。
【図4】酒粕のLipogenesis(脂肪合成)に
対する作用を示す。
【図5】酒粕分画成分のノルエピネフリンによるLip
olysisに対する作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 35/78 ADP A61K 35/78 AED AED A23L 2/00 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酒粕、酒粕の水抽出液、及び/又は、処
    理物を有効成分として含有すること、を特徴とする生理
    活性組成物。
  2. 【請求項2】 酒粕の水抽出液は、酒粕に水を加えた後
    ホモジナイズし、次いで遠心分離して得た上清であるこ
    と、を特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該処理物が、濃縮物、ペースト化物、及
    び/又は、乾燥物であること、を特徴とする請求項1又
    は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 生理活性が、NK細胞活性の促進、トキ
    ソホルモン−Lの阻害、インスリン様作用、及び/又
    は、アミラーゼの阻害であること、を特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該組成物が、医薬品タイプ及び/又は飲
    食品タイプであること、を特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の組成物。
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