JPH10146023A - 電動機 - Google Patents

電動機

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JPH10146023A
JPH10146023A JP8292788A JP29278896A JPH10146023A JP H10146023 A JPH10146023 A JP H10146023A JP 8292788 A JP8292788 A JP 8292788A JP 29278896 A JP29278896 A JP 29278896A JP H10146023 A JPH10146023 A JP H10146023A
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JP
Japan
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detecting
electric motor
magnetic pole
phase
pole position
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JP8292788A
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Inventor
Yoshinaga Hirano
嘉良 平野
Hiroshi Katada
寛 片田
Tetsuya Yokoyama
哲也 横山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、小型な永久磁石式の回転子を
用いた回転検出器を備えた電動機を提供することにあ
る。 【解決手段】電動機は、永久磁石2式の回転子3を用い
ており、回転子3の磁極位置と回転変位を検出する回転
検出器9を有している。回転検出器9は、モジュール1
4と回転板16から構成されている。モジュール14
は、回転変位を検出するフォトカプラ21と磁極位置を
検出するフォトカプラ21が一体的に取り付けている。
回転板16は、フォトカプラ21の間に挿入され、回転
子3によって回転されるとともに、回転変位を検出する
ためのスリット窓16aと磁極位置を検出するためのス
リット窓16bとが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転検出器を備え
た電動機に係り、特に、永久磁石式の回転子を用いた回
転検出器を備えた電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の永久磁石式の回転子を用いた回転
検出器を備えた電動機としては、例えば、公開平2−1
88145に記載されているように、ロータリーエンコ
ーダを用いて、電動機の回転変位及び永久磁石の磁極位
置を検出するようにしている。ロータリーエンコーダの
構成としては、磁極位置検出用のディスクと磁極位置を
検出するホトインタラプタを有するプリント基板とによ
り磁極位置検出用センサを構成し、U,V,W相の磁極
位置を検出し、また、回転変位検出用のディスクと回転
変位を検出するホトインタラプタを有するプリント基板
とにより回転変位検出用センサを構成し、A,B相の回
転変位を検出するようにしている。即ち、磁極位置検出
用センサと、回転変位検出用センサをそれぞれ独立に設
けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構成の回転検出器を備える電動機においては、
電動機本体の軸方向長さが長くなり、電動機が大型化す
るという問題があった。特に、電気自動車用電動機とし
ては、車両への電動機の搭載条件が制限されるため、で
きるだけ、小型な電動機が要求されている。しかしなが
ら、上述したように軸方向の長さが長くなると、車両へ
の搭載条件が制約されることになる。
【0004】本発明の目的は、小型な永久磁石式の回転
子を用いた回転検出器を備えた電動機を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、永久磁石式の回転子を用い、この回転子
の磁極位置と回転変位を検出する回転検出器を有する電
動機において、上記回転検出器は、回転変位を検出する
フォトカプラと磁極位置を検出するフォトカプラが一体
的に取り付けられたモジュールと、上記フォトカプラの
間に挿入され、上記回転子によって回転されるととも
に、上記回転変位を検出するためのスリット窓と上記磁
極位置を検出するためのスリット窓とが形成された1つ
の回転板とから構成するようにしたものであり、かかる
構成により、回転検出器を小型化し、電動機を小型化し
得るものとなる。
【0006】上記電動機において、好ましくは、上記モ
ジュールは、回転変位を検出する2個のフォトカプラ
を、A相及びB相の位相差を検出する所定角度で配置
し、磁極位置を検出する3個のフォトカプラを、U相,
V相及びW相の位相差を検出する所定角度で配置した上
で、一体的に成形するようにしたものであり、かかる構
成により、磁極位置検出及び回転変位検出の検出精度を
向上し得るものとなる。
【0007】上記電動機において、好ましくは、上記モ
ジュールは、馬蹄形状とするようにしたものであり、か
かる形状により、モジュールを小型化し得るものとな
る。
【0008】上記電動機において、好ましくは、上記モ
ジュールは、上記フォトカプラと上記回転板の間に配置
され、上記回転変位検出用のスリット窓と同一形状の開
口部を有する遮光板を備えるようにしたものであり、か
かる構成により、検出精度を向上し得るものとなる。
【0009】上記電動機において、好ましくは、上記回
転子は、シャフトと、このシャフトに固定されるととも
に内部に複数個の永久磁石の固定されたロータとから構
成され、上記シャフトは、基準位置となるキー部と平面
部を有し、上記ロータは、上記キー部と係合するととも
に、上記永久磁石の1つと所定の位置関係にある溝部を
有し、上記回転板は、上記平面部と係合するとともに、
上記回転板の上記磁極位置検出用のスリット窓と所定の
位置関係にある平面部を有するようにしたものであり、
かかる構成により、永久磁石位置と磁極位置検出用のス
リット窓の位置合わせを容易にし得るものとなる。
【0010】上記電動機において、好ましくは、上記モ
ジュールは、基準位置となる貫通穴を有し、上記回転板
は、基準位置となる貫通穴を有るようにしたものであ
り、かかる構成により、上記モジュールの貫通穴及び上
記回転板の貫通穴を用いて、上記モジュールと上記回転
板の位置合わせを容易にし得るものとなる。
【0011】上記電動機において、好ましくは、上記モ
ジュールは、上記回転変位を検出する2個のフォトカプ
ラと、磁極位置を検出する3個のフォトカプラとを有
し、上記回転変位を検出する2個のフォトカプラの信号
端子及び上記磁極位置を検出する3個のフォトカプラの
内の1個のフォトカプラの信号端子を第1のコネクタに
接続し、上記磁極位置を検出する3個のフォトカプラの
内の残りの2個のフォトカプラの信号端子を第2のコネ
クタに接続するようにしたものであり、かかる構成によ
り、一方が故障した場合でも、故障モードの検出を容易
にし得るものとなる。
【0012】上記電動機において、好ましくは、上記第
1及び第2のコネクタは、それぞれに電源が接続される
ようにしたものであり、かかる構成により、最低限の電
動機の駆動制御が可能と得るものとなる。
【0013】上記電動機において、好ましくは、上記回
転子の両端側を回転可能に取り付けたフロントエンドブ
ラケットとリアエンドブラケットを有し、上記回転検出
器は、上記リアブラケットの湾曲された空所に取り付け
るようにしてものであり、かかる構成により、空間を有
効に利用して、電動機を小型化し得るものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を用いて、本発
明の一実施形態による電動機について説明する。最初
に、図1を用いて、本発明の一実施形態による電動機の
全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形
態による電動機の上半断面図である。
【0015】本実施形態においては回転検出器を有した
電気自動車用永久磁石式同期電動機を例にとって説明す
るが、本実施形態は、他の回転検出器を有した永久磁石
式電動機に適用できるものである。
【0016】シャフト1の軸方向のほぼ中央部には、円
柱形状のロ−タ3が固定されている。ロータ3の内部に
は、永久磁石2が固定されている。ロータ3内の永久磁
石2の配置については、図5を用いて後述する。シャフ
ト1の両端には、ベアリング4a,4bの内輪側が取付
けられている。ベアリング4a,4bの外輪側は、それ
ぞれ、フロント側エンドブラケット5及びリヤ側エンド
ブラケット6によって保持されている。従って、ロ−タ
3及びシャフト1は、フロント側エンドブラケット5及
びリヤ側エンドブラケット6に対して、ベアリング4
a,4bにより回転可能に支持されている。
【0017】フロント側エンドブラケット5及びリヤ側
エンドブラケット6は、それぞれ、ステ−タフレ−ム7
の両端部にインロ−嵌合され、ボルト等によって締結さ
れている。ステ−タフレ−ム7には、電動機を車両に搭
載するためのマウントボスなどの造形部が設けられてい
る。ステ−タフレ−ム7は、略円筒形状であり、ステ−
タフレ−ム7の中央部の内面側には、ステ−タ8が固定
されている。
【0018】電動機のステ−タ8には、電機子巻線が施
されるため、ステ−タ8の軸長は、コイルエンド分だ
け、ロ−タ3の軸長よりも長くなる。そこで、電動機の
ステ−タ8の軸長とロ−タ3の軸長の差異により生じる
ステ−タ8内径とシャフト1間の空所部に向けて、フロ
ント側エンドブラケット5及びリヤ側エンドブラケット
6は、内側に湾曲させて形成されている。
【0019】リヤ側エンドブラケット6の湾曲させた空
所に、回転検出器9が取付けられている。本実施形態に
おける回転検出器9は、電動機の回転変位及び磁極位置
の両方を検出することができるものである。回転検出器
9の詳細な構成については、図3及び図9を用いて、後
述する。
【0020】電動機のリヤ側エンドブラケット6には、
エンコ−ダベ−ス10が、図示しない取付け用ガイド治
具を用いて、ボルト12aにより締め付け、固定され
る。エンコ−ダベ−ス10は、回転検出器9の取付け基
準となるものであり、このエンコ−ダベ−ス10に、着
脱可能な回転検出器9が取付けられる。回転検出器9の
取付構造の詳細については、図2を用いて後述する。
【0021】エンコ−ダカバ−13が、リヤ側エンドブ
ラケット6に、ボルト12bにより締め付け固定され
る。エンコ−ダカバ−13は、回転検出器9に対する防
水・防塵及びサ−ビス性向上のために設けられるもので
あり、リヤ側エンドブラケット6に対して着脱可能であ
る。
【0022】エンコ−ダベ−ス10に圧入されたベアリ
ング4cは、回転検出器9を保持するエンコ−ダベ−ス
10をシャフト1に対して同芯化するために設けられて
いる。また、ベアリング4cは、シャフト1に取付けら
れているベアリング4bのグリ−ス油分が回転検出器9
側への流入するのを遮断する働きも有している。なお、
油流入遮断の方法としては、他の構造を採用することも
可能である。
【0023】次に、図2を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に取り付けられる回転検出器の取付構造に
ついて説明する。図2は、本発明の一実施形態による電
動機に取り付けられる回転検出器の部分の拡大断面図で
ある。
【0024】図2に示すように、回転検出器9は、電動
機のリヤ側エンドブラケット6の端面より内部の空所部
に取り付けられている。回転検出器9は、メンテナンス
のため、着脱可能な別構造体となっており、回転検出器
9の本体は、電動機本体から取外すことができる構造と
なっている。なお、回転検出器9の組立手順について
は、図9を用いて後述する。
【0025】エンコ−ダベ−ス10は、リヤ側エンドブ
ラケット6を湾曲させてできたリヤ側エンドブラケット
6の後端部の空所を有効活用できるに、平板な形状で形
成されいる。エンコ−ダベ−ス10は、その中央部に、
シャフト1が貫通するリング状の突起10aを有してい
る。エンコ−ダベ−ス10の突起10aの内径側に、取
付け用ガイド治具を組み込み、シャフト1とエンコ−ダ
ベ−ス10が同芯上となるように組立てられる。取付け
用ガイド治具の構成については、図9を用いて後述す
る。取付け用ガイド治具の外径は、エンコ−ダベ−ス1
0の突起10aの内径とはめあい寸法としてなってい
る。また、取付け用ガイド治具の内径は、シャフト1の
外径とはめあい寸法となっている。以上のような取付け
用ガイド治具の内外径とすることにより、エンコ−ダベ
−ス10の取付け時に生じるラジアル方向のガタを極力
抑えている。取付け用ガイド治具は、エンコ−ダベ−ス
10の組付け後に取外される。
【0026】回転検出器9の一部を構成するモジュ−ル
14は、出力信号を変換する回路を形成したプリント基
板15に、予めボルト12c及びナット12dにて固定
されている。モジュ−ル14には、一対の発光ダイオー
ドと受光ダイオードから構成されるフォトカプラ21
が、コ字状スリット14b部に挿入される回転板16を
挟む位置に、組み込まれている。フォトカプラ21は、
図3を用いて後述するように、回転変位検出用に2対設
けられ、磁極位置検出用に3対設けられている。回転板
16には、回転変位を検出するためのスリット窓と、磁
極位置を検出するためのスリット窓が形成されている。
それぞれのスリット窓の構成については、図4を用いて
後述する。フォトカプラ21が、回転板16に設けられ
たスリット窓を挟んで設けられている。
【0027】また、回転検出器9のモジュール14のコ
字状スリット部14bにおいて、回転板16と対向する
部分には、それぞれ、遮光板を、モジュール14と一体
的に成形している。遮光板には、回転変位検出用のスリ
ット窓16aと同一形状の開口部が形成されている。回
転板16の回転変位検出用のスリット窓16aに対向す
る部分の開口部の数は、3個としてある。開口部を3個
とすることにより、開口部が1個の場合に比べて検出精
度を向上することができる。なお、開口部の数は、3個
に限らず、複数個にすればよいものである。
【0028】モジュ−ル14に予め組み込まれているフ
ォトカプラ21の中の発光ダイオードから出射された光
は、回転板16の回転変位検出用スリット窓と磁極位置
検出用スリット窓と通過して、フォトカプラ21の中の
受光ダイオードで検出される。ここで、発光ダイオード
から出射される光束は広いため、発光ダイオードと回転
板16の間に、遮光板を設けることにより、回転板16
のスリット窓に照射される光束を絞り込むことができ
る。また、回転板16と受光ダイオードの間に、遮光板
を設けることにより、迷光の影響を除いて、回転板16
のスリット窓を通過した光束を効率よく受光することが
できる。
【0029】このようにして、モジュール14と一体的
に設けられた遮光板を用いることにより、回転板16の
回転変位検出用スリット窓と磁極位置検出用スリット窓
を透過した光束を精度良く検出することが可能となる。
遮光板を用いない場合には、受光ダイオードで検出され
た光信号が、立ち上がり及び立ち下がりの鋭いパルス状
信号とならずに、立ち上がり及び立ち下がり部分で鈍っ
た波形となる。その結果、この信号波形を適当なスライ
スレベルを用いて波形整形して、パルス状とした場合
に、そのパルス幅が本来のパルス幅よりも短くなる。特
に、電動機を高速回転した場合には、パルス幅も短くな
るが、このような場合において、本来のパルス幅よりも
短く検出することになり、検出精度が低下することにな
る。しかしながら、遮光板を用いることにより、立ち上
がり及び立ち下がりの鋭いパルス状信号となり、高速回
転時においても、検出精度を向上することができるよう
になる。
【0030】モジュ−ル14には、電動機のシャフト1
の側に、カラー14aが一体成形されている。プリント
基板15とモジュール14とによって組み立てられたモ
ジュ−ルサブASSYは、モジュ−ル14のカラ−14
aの内径側を、エンコ−ダベ−ス10の突起10aの外
径側に沿うように挿入し、ボルト12eを用いて、エン
コ−ダベ−ス10に固定される。モジュ−ル14のカラ
−14aの内径は、エンコ−ダベ−ス10の突起10a
の外径と、はめあい寸法となっており、モジュ−ルサブ
ASSYの取付け時に生じるラジアル方向のガタを極力
抑えている。
【0031】エンコ−ダベ−ス10の中心部には、ベア
リング4cが圧入されている。ベアリング4cのインナ
−レ−スには、スペ−サ17が突き合わされている。回
転板16は、スペ−サ17とリテ−ナ18との間に設置
し、ボルト12fをシャフト1に締め付けることにより
固定される。スペ−サ17は、回転板16がモジュ−ル
14のコ字状スリット14b部の中央に位置するような
長さ寸法となっている。
【0032】エンコ−ダカバ−13は、リヤ側エンドブ
ラケット6に、ボルト12bにより締め付け固定され
る。エンコ−ダカバ−13とリヤ側エンドブラケット6
の接合面には、防水・防塵のため、シ−リング剤等を介
して締め付け固定されている。
【0033】次に、図3を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に用いる回転検出器を反駆動軸側から見た
形状について説明する。図3は、本発明の一実施形態に
よる電動機に用いる回転検出器を反駆動軸側から見た側
面図である。
【0034】モジュ−ル14は、回転変位を検出するフ
ォトカプラ21a,21b及び磁極位置を検出するフォ
トカプラ21u,21v,21wを、コ字状の馬蹄形形
状に一体で成形する構成となっている。
【0035】フォトカプラ21a,21bは、それぞれ
A相,B相の回転変位を検出する。フォトカプラ21
a,21bは、回転板16の外径側に設けられており、
回転板16の回転変位検出用スリット窓16aの位置す
るところに、回転板16を挟んで一対づつ設けられてい
る。
【0036】フォトカプラ21u,21v,21wは、
それぞれU相,V相,W相の磁極位置を検出する。フォ
トカプラ21u,21v,21wは、回転板16の内径
側に設けられており、回転板16の磁極位置検出用スリ
ット窓16bの位置するところに、回転板16を挟んで
一対づつ設けられている。回転変位検出用スリット窓1
6a及び磁極位置検出用スリット窓16bの詳細につい
ては、図4を用いて後述する。
【0037】モジュ−ル14の電動機軸中心よりに、取
付け用ピン治具を挿入するピン用貫通穴14dが設けら
れている。ピン用貫通穴14dは、磁極位置検出用フォ
トカプラ21u,21v,21wの位置を、回転板16
の磁極位置検出用スリット窓16bに、合わせ組付ける
ために用いられる。なお、ロータの中の複数の永久磁石
の位置と磁極位置検出用スリット窓16bの位置とは、
後述するように予め位置合わせされている。したがっ
て、永久磁石の位置と磁極位置検出用フォトカプラ21
u,21v,21wの位置とが、位置合わせされること
になる。
【0038】モジュ−ルサブASSYをエンコ−ダベ−
ス10に取り付けた後、スペ−サ17を挿入し、さら
に、回転板16が、リ−ド線20a,20bの接続用コ
ネクタ19a,19b側からスライドさせて挿入され
る。即ち、図3において、接続用コネクタ19a,19
bが取り付けられていない状態では、図3の下側のほう
に空間があるため、接続用コネクタ19a,19b側
(図3の下側)から、回転板16の上部を、モジュール
14のコ字状スリット部内に挿入し、その後、回転板1
6の中央の穴を、シャフトの先端に挿入する。この時、
図2に示すように、シャフト1の先端は、モジュール1
4のコ字状スリット部14bよりも僅かしか突出してい
ないため、回転板16のコ字状スリット部14b内への
挿入は容易に行える。また、モジュール14の形状は、
図3に示すように、馬蹄形状であるため、図3の下側の
空間が大きくとれることからも、回転板16のコ字状ス
リット部14b内への挿入は容易に行える。
【0039】さらに、プリント基板15の上には、IC
等の電子回路部品が実装されているが、モジュール14
の形状を馬蹄形状とすることにより、電子回路部品の取
付スペースを十分確保することが可能となる。なお、回
転板16の装着後、リテ−ナ18を取付け、ボルト12
fをシャフト1に締め付けることにより、回転板16が
固定される。
【0040】フォトカプラ21a,21b及びフォトカ
プラ21u,21v,21wによって検出された回転変
位及び磁極位置の信号は、プリント基板15に固定され
たコネクタ19a,19bからリ−ド線20a,20b
を介して、図示しない車両側リ−ド線に接続され、伝送
される。
【0041】プリント基板15には、シャフトを中心と
した同芯円上に設けた長穴15aが設けてある。したが
って、プリント基板15は、シャフトを中心として、長
穴15aの円周方向に回転可能であり、永久磁石付きロ
−タが発生する誘起電圧の波形と磁極位置検出波形の微
調整を行うことができる。
【0042】プリント基板15を回転調整する際には、
エンコ−ダベ−ス10の反駆動軸側に設けたリブ10b
とモジュ−ル14の外径側に設けた数個の溝14cに回
転調整用の治具を差し込み、治具を回転させることによ
り、プリント基板15をシャフトを中心に回転させるこ
とが可能となる。
【0043】従って、微調整時は、回転板16をシャフ
トに固定した状態で、永久磁石付きロ−タを回転させな
がら、プリント基板15を回転させることができるた
め、容易に磁極位置合わせを行うことができる。
【0044】回転変位を検出するフォトカプラ21a,
21bの取付け角度θ1は、本実施形態では、1回転3
60パルスであるからA相,B相の出力波形を0.25
°の位相をもって出力する必要がある。また、取付け角
度θ1は、小さい程シャフト1の芯ブレ許容値を拡大す
ることができるため、構造的に許す限り最小角度となる
ように配置し成形する。そこで、取付け角度θ1は、1
8.25゜としている。ここで、0.25゜は、A相,
B相の出力波形の位相差分の角度であり、18゜が、構
造的な最小角度である。なお、A相,B相の出力波形の
位相差0.25゜については、図8を用いて後述する。
【0045】磁極位置を検出するフォトカプラ21u,
21v,21wの各々の取付け角度θ2は、本実施形態
では、3相8極であるから永久磁石を用いたロ−タが発
生する誘起電圧の波形の位相に相当する角度となるよう
に、取付け角度θ2を各々30°に配置している。
【0046】フォトカプラ21a,21b及びフォトカ
プラ21u,21v,21wは、モジュール14によっ
て一体成形で形成される。したがって、金型を用いて、
フォトカプラ21a,21b及びフォトカプラ21u,
21v,21wの位置決めを行った上で、モジュール1
4を一体成形することにより、取付け角度θ1,θ2の
位置決め精度をよくすることができる。例えば、フォト
カプラ21をそれぞれ個別に取付けるように構成した場
合には、それぞれのフォトカプラ21の位置調整が必要
となり、また、A相,B相の出力波形の位相差0.25
゜を取り出せるようにするための、微小角度の調整は困
難なものである。しかしながら、上述するように、モジ
ュール14に、フォトカプラ21a,21b及びフォト
カプラ21u,21v,21wを一体成形で形成するこ
とにより、位置決め精度を向上することができる。
【0047】次に、プリント基板15に固定されている
コネクタ19a,19bの端子配列について説明する。
コネクタ19aは、5端子としてある。コネクタ19a
の端子1は、電源Iの入力端子であり、端子2は、回転
変位を検出したA相の信号の出力端子であり、端子3
は、回転変位を検出したB相の信号の出力端子であり、
端子4は、磁極位置を検出したU相の信号の出力端子で
あり、端子5は、GNDI端子である。また、コネクタ
19bは、4端子としてある。コネクタ19bの端子6
は、電源IIの入力端子であり、端子7は、磁極位置を
検出したV相の信号の出力端子であり、端子8は、磁極
位置を検出したW相の信号の出力端子であり、端子9
は、GNDIIの端子である。
【0048】上述したように、コネクタ19a,19b
は、それぞれに電源を有する2系統の信号端子としてい
る。したがって、故障時に、回転変位検出系と磁極位置
検出系のいずれかが故障したかを判別する故障モ−ドの
検出を容易に判断できるものである。即ち、コネクタ1
9aからの信号が異常であるときには、回転変位検出系
の故障と判断でき、また、コネクタ19bからの信号が
異常であるときには、磁極位置検出系の故障と判断でき
るものである。
【0049】また、原則的に、回転変位検出系と磁極位
置検出系を分離し、この中で、磁極位置検出系のU相に
ついては、回転変位検出系のコネクタ19aに配置する
ことで、片方の出力信号が故障した場合でも、最低限の
駆動制御が可能となる。即ち、コネクタ19aの系統が
故障した場合には、磁極位置を検出したW相の信号によ
って大まかな回転速度の検出が可能である。勿論、A
相,B相が出力する回転速度の信号に比べて、W相の信
号は荒いため、通常のような回転制御は不可能である
が、最低限の状態で電動機を回転制御して、修理工場等
の場所まで電動車両を移動することはできる。なお、回
転変位の信号の中で、回転方向の信号は再生できない
が、電動車両の制御としては、今までの走行方向に電動
機が回転しているものとして、その回転方向を維持する
ように制御すれば回転方向の信号が得られなくとも、電
動車両の制御は可能である。また、コネクタ19bの系
統が故障した場合には、磁極位置を検出したU相の信号
によって磁極位置の検出が可能である。磁極位置の基準
となるのがW相ではあるが、U相信号は、W相信号に対
して位相が60゜ズレただけの信号であるため、W相の
代わりにU相の信号を磁極位置検出のために用いること
ができる。
【0050】次に、図4を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に用いる回転検出器の回転板の形状につい
て説明する。図4は、本発明の一実施形態による電動機
に用いる回転検出器の回転板の平面図である。
【0051】非磁性体からなる回転板16は、外周側
に、回転変位を検出するためのスリット窓16aを備え
ており、また、内周側に、磁極位置を検出するためのス
リット窓16bを備えている。スリット窓16aは、回
転板16の円周上に360個形成されており、また、そ
れぞれのスリット窓は等間隔に形成されている。スリッ
ト窓16aの開口幅と、隣合うスリット窓間の窓が形成
されていない部分の幅は、等しいものである。
【0052】スリット窓16bは、回転板16の円周上
に4個形成されており、それぞれのスリット窓は等間隔
に形成されている。スリット窓16bの開口幅と、隣合
うスリット窓間の窓が形成されていない部分の幅は、等
しいものである。本実施形態においては、8極の永久磁
石式のロータを用いているため、スリット窓16bの数
は、磁極対数に等しい4個としているが、6極のもので
あれば、スリット窓16bの数は、3個とすればよいも
のである。
【0053】回転板16の中心部には、ロータを固定す
るシャフトに挿入するための貫通穴16cが設けられて
いる。
【0054】貫通穴16c上部には、平面部16dが形
成されている。平面部16dは、回転板16をシャフト
に挿入する際に、シャフトに設けられている平面部と係
合することにより、永久磁石付きロ−タに組み込まれて
いる永久磁石の位置と磁極検出用スリット窓16bの位
置が合うように設けられている。なお、この点について
は、図5に示すロータの構成及び図6に示すシャフトの
形状を用いて、後述する。
【0055】また、回転板16は、スペ−サ17とリテ
−ナ18との間に設置され、ボルト12fの締め付け軸
力により固定されており、ボルト12fの締め付け軸力
が変化しても、平面部16dを設けることにより、回転
板16は、シャフト1に対して空転しないようになって
いる。
【0056】また、回転板16の貫通穴16cの外周側
には、ピン貫通穴16eが形成されている。貫通穴16
eは、回転板16の磁極位置検出用スリット窓16b
と、図3に示したモジュ−ル14に組付けられているフ
ォトカプラ21との位置合わせする時に使用される。貫
通穴16eには、図9を用いて後述する取付け用ピン治
具を挿入することにより、磁極位置検出用スリット窓1
6bと、フォトカプラ21との位置合わせを行える。
【0057】次に、図5を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に用いるロータコアの形状について説明す
る。図5は、本発明の一実施形態による電動機に用いる
ロータコアの側面図である。
【0058】ロ−タコア3aの外周側には、永久磁石を
挿入するための貫通穴3bが極数の数だけ形成されてい
る。本実施形態では、8極の永久磁石形のロータである
ため、貫通穴3bの個数は、8個である。ロ−タコア3
aの中心部には、シャフトを挿入するための貫通穴3c
が形成されている。
【0059】永久磁石を挿入するための貫通穴3bとシ
ャフトを挿入するための貫通穴3cとの間には、複数個
の孔3dが設けられている。孔3dは、電動機の軽量化
及び冷却性向上化を図るために用いられる。
【0060】シャフトに挿入するための貫通穴3cは、
その一部に、溝3eが形成されている。溝3eは、永久
磁石を挿入するための複数の貫通穴3bの内の一つの貫
通穴3bの中心となる位置に設けられている。したがっ
て、溝3eは、永久磁石の位置と対応している。図6を
用いて後述するように、溝3eには、シャフトに設けた
キー部が挿入される。溝3eは、永久磁石の位置と回転
板の磁極位置検出用スリット窓との位置を合わせるのに
用いられるものであり、この点については、後述する。
貫通穴3b,3c,孔3d,及び溝3eを有するロ−タ
コア3は、パンチプレスにより、ワンパンチで同時に抜
ける構造としている。
【0061】次に、図6を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に用いるシャフトの形状について説明す
る。図6は、本発明の一実施形態による電動機に用いる
シャフトの斜視図である。
【0062】シャフト1の回転検出器の取付け側先端に
は、図4に示した回転板16の中心部に設けたシャフト
1の挿入用の貫通穴16cの平面部16dが係合され、
挿入されるための平面部1aが形成されている。
【0063】また、シャフト1のロ−タ3が焼嵌め固定
される駆動軸側には、図5に示したロ−タコア3aの中
心部に設けたシャフト1の挿入用の貫通穴3cの溝3e
が係合され、挿入されるためのキー部1bが形成されて
いる。
【0064】平面部1a及びキー部1bは、シャフト1
の円周方向の同一位置に設けてある。キー部1bと平面
部1aとは、同時に加工される。したがって、シャフト
1のキー部1bに、図5に示したロータコア3aの溝3
eを合わせて、ロータコア3aを焼嵌め固定し、さら
に、シャフト1の平面部1bに、図4に示した回転板1
6の平面部16dを合わせて、回転板16を組み込むこ
とにより、回転板16をシャフト1に挿入する際に、永
久磁石式のロ−タ3に組み込まれている永久磁石2の位
置と磁極検出用スリット窓16bとの位置が合致する。
したがって、永久磁石2の位置と磁極検出用スリット窓
16bとの位置合わせが容易に行えるようになってい
る。
【0065】次に、図7を用いて、本発明の一実施形態
による電動機のロ−タ回転に伴う誘起電圧について説明
する。図7は、本発明の一実施形態による電動機のロ−
タ回転に伴にステータに誘起される各相の誘起電圧及び
回転検出器によって検出された各相の磁極位置信号の関
係について説明する波形図である。
【0066】電動機のロ−タ回転に伴にステータに誘起
されるU相,V相,W相に誘起される電圧は、図示する
ように、それぞれ、30゜づつ位相のずれた波形とな
る。また、回転検出器によって検出されたU相,V相,
W相の磁極位置信号は、それぞれ、誘起電圧の正の半波
において、電圧Vccを有し、負の半波において、電圧
0を有するパルス状の波形となる。U相,V相,W相の
磁極位置信号は、U相,V相,W相の誘起電圧に対応し
て、図示するように、それぞれ、30゜づつ位相のずれ
た波形となる。
【0067】本実施形態における電動機を制御する上
で、各相の誘起電圧波形の相順と回転検出器9の各相の
出力波形との相順が合っていることが重要である。この
相順をチェックすることにより、組付け時の誤りをチェ
ックすることができるものである。
【0068】次に、図8を用いて、本発明の一実施形態
による電動機の回転検出器によって検出された各相の磁
極位置信号と回転変位の信号について説明する。図8
は、本発明の一実施形態による電動機のロ−タ回転に伴
い回転検出器によって検出された各相の磁極位置信号と
回転変位の信号の関係について説明する波形図である。
【0069】図示の例では、3相8極、1回転360パ
ルスの場合の回転検出器が出力する波形図を示してい
る。磁極位置の検出波形であるU相,V相,W相波形
は、図4に示した回転板16の磁極位置検出用スリット
窓16bにより、相順毎に出力される。各相の位相差
は、図7において説明したように、30゜である。
【0070】また、回転変位の検出波形であるA相,B
相の波形は、図4に示した回転板16の回転変位検出用
スリット窓16aにより相順毎に出力される。A相,B
相の波形は、1周期が1゜であり、ハイレベルの期間が
0.5゜であり、ローレベルの期間が0.5゜の繰り返
し波形となる。また、B相の波形は、A相の波形に対し
て、0.25゜だけ位相がずれている。この位相差は、
図3において説明したように、フォトカプラ21a,2
1bの取付角度θ1を、18.25゜としていることに
より得られるものである。
【0071】回転変位の検出波形であるA相,B相の波
形は、本実施形態の電動機を制御する上で、各相の波形
が逆転等の現象が起きないように組付けることが重要で
ある。そのためには、図6において説明したように、平
面部1aとキー部1bの形成されたシャフト1を用い、
シャフト1のキー部1bに、図5に示したロータコア3
aの溝3eを合わせて、ロータコア3aを焼嵌め固定
し、さらに、シャフト1の平面部1bに、図4に示した
回転板16の平面部16dを合わせて、回転板16を組
み込むことにより、永久磁石2の位置と磁極検出用スリ
ット窓16bとの位置が合致し、さらに、予め位相差分
の取付角度θ1を持たせて回転変位検出用のフォトカプ
ラをモジュールに一体成形することにより、各相の波形
が逆転等の現象が起きないように組付けることが可能と
なる。
【0072】次に、図9を用いて、本発明の一実施形態
による電動機に回転検出器を組み立てる手順について説
明する。図9は、本発明の一実施形態による電動機に回
転検出器を組み立てる手順を説明する組立図である。
【0073】シャフト1には、ベアリング4bの内輪側
が取り付けられ、ベアリング4bの外輪側には、図1に
示したように、リア側エンドブラケット6が取り付けら
れている。なお、図9においては、リア側エンドブラケ
ット6の図示は省略してある。シャフト1の回転検出器
の取付け側先端には、平面部1aが形成されている。
【0074】回転検出器の組立に際して、エンコ−ダベ
−ス10には、ベアリング4cが予め圧入固定されてい
る。ベアリング4cの固定されたエンコ−ダベ−ス10
は、取り付け用ガイド治具11aを用いて、エンコ−ダ
ベ−ス10の突起10a部がシャフト1に同芯上となる
ように取り付けられる。取付終了後、エンコ−ダベ−ス
10は、ボルト12aを用いて、図1に示したリヤ側エ
ンドブラケット6に固定される。図示してあるボルト
は、ボルト12aのみであるが、実際には、図9に示す
ように、エンコ−ダベ−ス10には、ボルト取付用の穴
が3箇所あり、3本のボルトにより固定される。エンコ
−ダベ−ス10に固定されたベアリング4cの側端部
は、後述するように、回転板16の軸方向位置決めに使
用するスペ−サ17の突き合わせとなる。芯合わせに用
いた取り付け用ガイド治具11aは、エンコ−ダベ−ス
10の取付け後に取り外される。
【0075】回転変位及び磁極位置を検出するフォトカ
プラ21を組み込まれて一体成形されたモジュ−ル14
は、予めプリント基板15に、ボルト12c及びナット
12dを用いて固定されている。モジュ−ル14と、プ
リント基板15及び後述する回転板16により、回転変
位及び磁極位置を検出する回転検出器9が構成される。
プリント基板15に固定されたモジュ−ル14は、モジ
ュ−ル14の中心部に一体的に成形したカラ−14aの
内周側を、エンコ−ダベ−ス10の中心側のシャフト1
の貫通穴部に設けた突起10aの外周側に沿うように挿
入される。プリント基板15が、ボルト12eを用い
て、エンコ−ダベ−ス10に固定される。なお、この状
態では、プリント基板15の固定用ボルト12eは、仮
止めとしておくものとする。
【0076】次に、スペ−サ17が、シャフト1に沿う
ように挿入され、ベアリング4cのインナ−レ−スに突
き合わせられる。
【0077】さらに、回転板16の上端側を、リ−ド線
20a,20bの接続用コネクタ19a,19b側(図
9の下側)からスライドさせ、回転板16の上部を、モ
ジュール14内に取付られたフォトカプラ21の間のコ
字状スリット部14bに挿入される。そして、回転板1
6は、回転板16の中心の貫通穴16cに設けた平面部
16dと、シャフト1の回転検出器9の取り付け側先端
に設けた平面部1aとの向きを合わせた上で、シャフト
1に挿入される。
【0078】次に、リテ−ナ18が、回転板16に突き
あてられる。さらに、ボルト12fを用いて、リテ−ナ
18,回転板16及びスペ−サ17が、シャフト1に締
め付けられて、固定される。
【0079】この状態において、図4〜図6において説
明したように、図5に示したロ−タのロータコア3aの
貫通穴3bに挿入される永久磁石位置と、図4に示した
回転板16の磁極位置検出用スリット窓16bの位置と
があっている。そこで、次に、回転板16とモジュール
14の相互の位置合わせを行うために、取り付け用ピン
治具11bを用いる。取り付け用ピン治具11bが、モ
ジュ−ル14のピン用貫通穴14dと、回転板16のピ
ン用貫通穴16eとを通して挿入され、回転板16とモ
ジュール14の位置合わせが行なわれる。モジュ−ル1
4は、ボルト12eによって仮止めされていたわけであ
るが、位置合わせ終了後、ボルト12eを用いて、プリ
ント基板15がエンコ−ダベ−ス10に本締めされる。
位置合わせに用いた取り付け用ピン治具11bは、プリ
ント基板15の取付け後、取り外される。
【0080】次に、プリント基板15に予め半田により
取り付けられているコネクタ19a,19bに、リ−ド
線20a,20bが接続される。
【0081】以上説明した状態で、電動機を回転させ
て、リード線20a,20bから取り出される磁極位置
検出の誘起電圧波形と回転変位検出の出力波形(図8)
を検出し、波形の位相ズレをチェックする。位相ズレが
生じている時には、微調整を行う。微調整は、エンコ−
ダベ−ス10の回転検出器9側に設けたリブ10bと、
モジュ−ル14の外周側に設けた溝14cとの間に、治
具等を差し込み、プリント基板15を回転させ、誘起電
圧波形と出力波形を用いて、最終的な位置合わせを行う
ものである。
【0082】最後に、エンコ−ダカバ−13が、をボル
ト12bを用いて、リヤ側エンドブラケット6に締め付
け、固定される。
【0083】回転検出器9を分解する時は、上述した組
立ての時の工程と逆に行ない、状況はおよそ同一であ
る。
【0084】以上説明したように、図3に示した本実施
形態による回転検出器9は、磁極位置検出のセンサ部で
あるフォトカプラ21と、回転変位検出のセンサ部であ
るフォトカプラ21とを一体化してあるモジュール14
と、磁極位置検出のスリット窓16bと、回転変位検出
のスリット窓16aとを一体化してある回転板16とに
構成してあるため、回転検出器9自体を小型化できる。
したがって、回転検出器を備えた電動機自体を小型化す
ることができるものである。特に、電動車両に用いる電
動機においては、その取付スペースに制約がある点から
も、本実施形態のように、電動機を小型化できること
は、その取付スペースの制約上からも優位なものであ
る。
【0085】また、図3に示した本実施形態によるモジ
ュール14は、磁極位置検出のセンサ部であるフォトカ
プラ21と、回転変位検出のセンサ部であるフォトカプ
ラ21とを一体化してあるものである。そして、回転変
位検出のセンサ部であるフォトカプラ21の取付角度θ
1を、例えば、18.25゜に精度よく設定することも
可能であり、また、磁極位置検出のセンサ部であるフォ
トカプラ21の取付角度θ2を、例えば、30゜に精度
よく設定することも可能である。その結果、磁極位置検
出及び回転変位検出の検出精度を向上することができ
る。
【0086】また、図3に示した本実施形態によるモジ
ュール14は、馬蹄形状としてあるため、回転板16の
取付がしやすいとともに、モジュール14を小型化(小
面積化)できるため、プリント基板15上の電子回路部
品の取付スペースをも十分に確保し得るものとなる。
【0087】また、図3に示した本実施形態によるモジ
ュール14は、その中心部よりに、カラー部14aを有
している構造としたため、エンコーダベース10に組み
付ける時の芯出しが容易となる。
【0088】また、フォトカプラ21を内蔵するモジュ
ール14には、回転板16と対向して、開口部の形成さ
れた遮光板を設けるようにしている。開口部の大きさ
は、回転板16のスリット窓16aの大きさと同一形状
とすることにより、特に、電動機の高速回転時の検出精
度を向上することができる。
【0089】また、図6に示したように、シャフト1
は、平面部1aとキー部1bが設られており、平面部1
aに、図4に示した回転板16の平面部16dを係合さ
せ、また、キー部1bに、図5に示したロータコア3a
の溝3eを係合させるようにしたため、永久磁石の位置
と、磁極位置検出用のスリット窓の位置合わせが容易に
行えるようになるものである。
【0090】また、図9において説明したように、取り
付け用ピン治具11bを、モジュ−ル14のピン用貫通
穴14dと、回転板16のピン用貫通穴16eとを通し
て挿入することにより、回転板16とモジュール14の
位置合わせが容易に行なえるものである。
【0091】また、図3において説明したように、コネ
クタ19a,19bは、それぞれに電源を有する2系統
の信号端子としているため、回転変位検出系と磁極位置
検出系のいずれかが故障したかを判別する故障モ−ドの
検出を容易に判断できるものである。
【0092】また、磁極位置検出系のU相を、回転変位
検出系のコネクタに配置し、V相及びW相の磁極位置検
出系を他方のコネクタに配置することで、片方の出力信
号が故障した場合でも、最低限の駆動制御が可能となっ
ている。
【0093】さらに、図1に示したように、回転検出器
9は、電動機のリア側エンドブラケット6の湾曲させた
空所内に取り付けるようにしているため、ステータ8側
の軸長がロータ3側の軸長よりも長いことによって生じ
る空所を利用して、電動機本体の全長を長くすることな
く、回転検出器9の取付が可能となっており、回転検出
器を備えた電動機を小型化することが可能となってい
る。
【0094】なお、上述した説明では、永久磁石位置と
回転板の平面部の位置を、シャフトに設けたキー部の位
置を基準として決定するようにしたが、磁極位置を軸端
部形状に現わすことをすれば、他の構造をとってもよい
ものである。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、永久磁石式の回転子を
用いた回転検出器を備えた電動機を小型化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電動機の上半断面図
である。
【図2】本発明の一実施形態による電動機に取り付けら
れる回転検出器の部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による電動機に用いる回転
検出器を反駆動軸側から見た側面図である。
【図4】本発明の一実施形態による電動機に用いる回転
検出器の回転板の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による電動機に用いるロー
タコアの側面図である。
【図6】本発明の一実施形態による電動機に用いるシャ
フトの斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による電動機のロ−タ回転
に伴にステータに誘起される各相の誘起電圧及び回転検
出器によって検出された各相の磁極位置信号の関係につ
いて説明する波形図である。
【図8】本発明の一実施形態による電動機のロ−タ回転
に伴い回転検出器によって検出された各相の磁極位置信
号と回転変位の信号の関係について説明する波形図であ
る。
【図9】本発明の一実施形態による電動機に回転検出器
を組み立てる手順を説明する組立図である。
【符号の説明】
1…シャフト 1a…平面部 1b…キー部 2…永久磁石 3…ロ−タ 3a…ロ−タコア 3b…永久磁石用貫通穴 3c…シャフト用貫通穴 3d…孔 3e…キー部溝 4a,4b,4c…ベアリング 5…フロント側エンドブラケット 6…リヤ側エンドブラケット 7…ステ−タフレ−ム 8…ステ−タ 9…回転検出器 10…エンコーダベース 10a…突起 10b…リブ 11a…取付用ガイド治具 11b…取付用ピン治具 12a,12b,12c,12d,12e,12f…ボ
ルト 13…エンコーダカバー 14…モジュ−ル 14a…カラ− 14b…コ字状スリット 14c…溝 14d…ピン用貫通穴 15…プリント基板 15a…取付用長穴 16…回転板 16a…回転変位検出用スリット窓 16b…磁極位置検出用スリット窓 16c…貫通穴 16d…平面部 16e…ピン用貫通穴 17…スペーサ 18…リテーナ 19a…コネクタ 19b…コネクタ 20a、20b…リード線 21…フォトカプラ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石式の回転子を用い、この回転子
    の磁極位置と回転変位を検出する回転検出器を有する電
    動機において、 上記回転検出器は、 回転変位を検出するフォトカプラと磁極位置を検出する
    フォトカプラが一体的に取り付けられたモジュールと、 上記フォトカプラの間に挿入され、上記回転子によって
    回転されるとともに、上記回転変位を検出するためのス
    リット窓と上記磁極位置を検出するためのスリット窓と
    が形成された1つの回転板とから構成されることを特徴
    とする電動機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電動機において、 上記モジュールは、回転変位を検出する2個のフォトカ
    プラを、A相及びB相の位相差を検出する所定角度で配
    置し、磁極位置を検出する3個のフォトカプラを、U
    相,V相及びW相の位相差を検出する所定角度で配置し
    た上で、一体的に成形されていることを特徴とする電動
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電動機において、 上記モジュールは、馬蹄形状をしていることを特徴とす
    る電動機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電動機において、 上記モジュールは、上記フォトカプラと上記回転板の間
    に配置され、上記回転変位検出用のスリット窓と同一形
    状の開口部を有する遮光板を備えたことを特徴とする電
    動機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電動機において、 上記回転子は、シャフトと、このシャフトに固定される
    とともに内部に複数個の永久磁石の固定されたロータと
    から構成され、 上記シャフトは、基準位置となるキー部と平面部を有
    し、 上記ロータは、上記キー部と係合するとともに、上記永
    久磁石の1つと所定の位置関係にある溝部を有し、 上記回転板は、上記平面部と係合するとともに、上記回
    転板の上記磁極位置検出用のスリット窓と所定の位置関
    係にある平面部を有することを特徴とする電動機。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電動機において、 上記モジュールは、基準位置となる貫通穴を有し、 上記回転板は、基準位置となる貫通穴を有し、 上記モジュールの貫通穴及び上記回転板の貫通穴を用い
    て、上記モジュールと上記回転板の位置合わせを行うこ
    とを特徴とする電動機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電動機において、 上記モジュールは、上記回転変位を検出する2個のフォ
    トカプラと、磁極位置を検出する3個のフォトカプラと
    を有し、 上記回転変位を検出する2個のフォトカプラの信号端子
    及び上記磁極位置を検出する3個のフォトカプラの内の
    1個のフォトカプラの信号端子を第1のコネクタに接続
    し、 上記磁極位置を検出する3個のフォトカプラの内の残り
    の2個のフォトカプラの信号端子を第2のコネクタに接
    続したことを特徴とする電動機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電動機において、 上記第1及び第2のコネクタは、それぞれに電源が接続
    されることを特徴とする電動機。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電動機において、 上記回転子の両端側を回転可能に取り付けたフロントエ
    ンドブラケットとリアエンドブラケットを有し、 上記回転検出器は、上記リアブラケットの湾曲された空
    所に取り付けられていることを特徴とする電動機。
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JP8292788A Pending JPH10146023A (ja) 1996-11-05 1996-11-05 電動機

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002345211A (ja) * 2001-05-17 2002-11-29 Mitsubishi Electric Corp 電動式パワーステアリング装置
JP6461438B1 (ja) * 2017-05-26 2019-01-30 三菱電機株式会社 回転電機
JP2022156002A (ja) * 2021-03-31 2022-10-14 株式会社空 電動機
JP2022159267A (ja) * 2021-03-31 2022-10-17 株式会社空 電動機

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