JPH10145910A - 分岐箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の分岐箱においては、分岐回路の相電流
および零相電流を計るのが極めて困難であった。本発明
はクランプ電流計を用いて、分岐回路を通電させたまま
で、その回路の相電流および零相電流を計ることを目的
とする。 【解決手段】 分岐箱において、複数の配線用遮断器を
横向き縦２列に、入力端子側を互いに内側に向い合せて
取付け配置する。２列の配線用遮断器群の中間後方に、
入力側の通し母線（銅帯）３本を縦に長く配置し、向い
合った２つの配線用遮断器の入力端子間を計測母線（銅
帯）で接続し、計測母線の中間と通し母線とを渡り母線
により接続する構造とする。この構造により、クランプ
電流計で計測母線をクランプして各電流を計ることがで
きる。また回路の電力、力率を計ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は分岐箱の配線用遮断器毎
の負荷電流、電力、力率または零相電流の測定に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来においては、分岐箱の配線用遮断器
毎の電流測定は行われていない。また回路の絶縁状態の
チェックは、停電にして回路の絶縁抵抗を測定してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】分岐箱の配線用遮断器
群の各負荷電流の計測は、負荷の電気設備の保守管理に
とって極めて必要なことであるが、その計測のためには
電流計、電流計切替器および各回路に計器用変流器が必
要となり、これらの部品を取付けるためには非常に大き
なスペースが必要となり、またその費用も大きくなるた
めに、実際には各負荷電流の計測は行われていないのが
実状である。本発明ではこの問題を解決しようとするも
のである。

【０００４】次に各負荷回路の絶縁状態の点検は、従来
の技術では回路を停電にする必要がある。しかし現今で
は、コンピューター負荷など、停電にするのが困難な負
荷が増えているので、停電しないで活線のまま絶縁チェ
ックをすることが要望されている。本発明はこの要望を
解決するものである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明では、配線用遮断
器群の各負荷電流を計測するために、次の手段を採用す
る。即ち、分岐箱の入力側通し母線から各遮断器の入力
端子に接続される導体を形成して、その導体をクランプ
電流計でクランプして各負荷電流を計測する。このよう
にすれば、電流計切替器および計器用変流器を必要とせ
ずに、電流計測が可能となる。また、クランプ電流計に
電力計、力率計を接続して、電力と力率の計測も可能と
なる。

【０００６】上記のクランプ電流計による各負荷電流の
計測の他に、回路の各相の全導体をクランプできるよう
に形成しておく。全導体のクランプ測定によって回路の
零相電流すなわち回路の漏洩電流を活線状態で測定する
ことができる。最近ではクランプ電流計の精度が向上
し、ｍＡ単位まで計測可能となっているので、漏洩電流
も計測が出来る。またこの方法によれば零相変流器を必
要としない。

【０００７】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
ずき図面を参照して説明する。図１は分岐箱の斜視図、
図２は分岐箱内部の上面図、図３は分岐箱内部の部分正
面図、図４は入力側導体構造の斜視図であるが、図４で
は配線用遮断器は図示されていない。図１において１は
分岐箱の箱体で、２は取外し可能な前面板、３は配線用
遮断器、４は配線用遮断器の操作ハンドルで、５は出力
電線を処理するための、電線処理空間６を形成するメッ
シュカバーである。図２における７は出力配線を通すた
めの配線用空間である。

【０００８】図２〜図４において、１２個の配線用遮断
器３は縦２列に横向きに、入力端子側を互いに内側に向
い合わせて配置されている。縦２列の配線用遮断器の間
には入力母線が配置される。中間後方には通し母線
（Ｕ）１０１，（Ｖ）１０２，（Ｗ）１０３の３本が縦
に長く取付けられる。本図では３相の場合を示したが、
単相３線の場合もある。１１０は図示されていない配線
用遮断器の入力端子である。左右の配線用遮断器の入力
端子１１０の間を計測母線（Ｕ）１０４で接続する。１
０５と１０６はＶ相とＷ相の計測母線である。本実施例
では計測母線は銅帯で作られており、この計測母線をク
ランプして電流計測が行われる。

【０００９】１０７は渡り母線（Ｕ）で、計測母線
（Ｕ）１０４の中間と通し母線（Ｕ）１０１とを接続し
ている。計測母線との接続は鑞付とし、通し母線との接
続は接続ねじ１０９による。１０８はＷ相の渡り母線で
ある。本実施例ではＶ相は渡り母線を使用せず、図４に
示すように計測母線（Ｖ）１０５を直接に通し母線
（Ｖ）１０２に接続する。なお入力端子１１０のねじ
と、通し母線１０１との接続ねじ１０９を外すと、計測
母線（Ｕ）１０４と渡り母線（Ｕ）１０７を前方に取外
すことができる。

【００１０】左側の配線用遮断器のＵ相電流を計測する
には、図４の１１１で示した点線のように、計測母線
（Ｕ）１０４の左側をクランプすればよい。Ｗ相電流を
計測するには、計測母線（Ｗ）１０６を１１２の点線の
ようにクランプする。１１３の点線で示すように、Ｕ相
とＷ相の計測母線を一緒にクランプすれば、Ｖ相の電流
を計測することができる。１１４で示す点線は、右側の
配線用遮断器の全部の計測母線をクランプしている。こ
れにより零相電流すなわち回路の漏洩電流を測定するこ
とができる。なお例えば、Ｕ相Ｗ相の２相を同時に計測
して他の計器に接続すれば、力率や電力の測定も可能で
ある。

【００１１】図２において、８は配線用遮断器３を取付
ける枠板である。枠板８によって、通し母線１０１〜１
０３が仕切られて配線用空間７が形成される。この左右
２つの配線用空間７を通って出力配線が外部に引出され
る。

【００１２】図１において５はメッシュカバーである
が、金属製の網状の板で、分岐箱の下部に電線処理空間
６を形成する。出力配線はかなり長いので、出力電流に
よる電圧降下を少なくするため、太い電線を使用する。
そのために、配線用遮断器の出力端子にその太い電線を
直接に接続できない場合がある。その場合に一旦、細い
電線につなぎ替えるが、そのつなぎ替えをメッシュカバ
ー５内の電線処理空間６で行う。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、分岐箱
においてクランプ電流計を使用できるように、配線用遮
断器の入力母線を形成したことにより、各負荷電流、零
相電流および電力、力率の計測が、大きなスペースと費
用を必要とせずに、簡単にできるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる分岐箱の一実施例を示す斜視図
である。

【図２】本発明に係わる分岐箱内部の一実施例を示す上
面図である。

【図３】上記分岐箱内部の一実施例を示す部分正面図で
ある。

【図４】上記分岐箱の入力側母線の導体構造の一実施例
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１… 箱体 ２… 前面板 ３… 配線用遮断器 ４… 操作ハンドル ５… メッシュカバー ６… 電線処理空間 ７… 配線用空間 ８… 枠板 １０１… 通し母線（Ｕ） １０２… 通し母線（Ｖ） １０３… 通し母線（Ｗ） １０４… 計測母線（Ｕ） １０５… 計測母線（Ｖ） １０６… 計測母線（Ｗ） １０７… 渡り母線（Ｕ） １０８… 渡り母線（Ｗ） １０９… 接続ねじ １１０… 入力端子 １１１… Ｕ相クランプ １１２… Ｗ相クランプ １１３… Ｖ相クランプ １１４… 零相クランプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の配線用遮断器を取付けた分岐箱に
   おいて、該配線用遮断器の入力端子側を互いに内側に向
   かい合わせて横向きとし、縦に２列に配置し、該配線用
   遮断器群の中間後方に、入力側通し母線３本を縦に長く
   配置し、向い合った２つの配線用遮断器の入力端子を計
   測母線で接続し、計測母線の中間と通し母線とを渡り母
   線により接続し、該計測母線をクランプ電流計で計測で
   きるようにしたことを特徴とする分岐箱。