JPH10144682A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH10144682A
JPH10144682A JP29507396A JP29507396A JPH10144682A JP H10144682 A JPH10144682 A JP H10144682A JP 29507396 A JP29507396 A JP 29507396A JP 29507396 A JP29507396 A JP 29507396A JP H10144682 A JPH10144682 A JP H10144682A
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oxide
oxidizing
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film
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Takeshi Takamori
毅 高森
Takeshi Kamijo
健 上條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AlAs層に選択酸化を行なう際に、自然酸
化膜の影響を除去して均一性および再現性を向上させ
る。 【解決手段】 酸化工程として、AlAs被酸化層が露
出した試料を載置した酸化炉内にドライな窒素ガス等を
導入することによってこの被酸化層に形成された自然酸
化膜からAs酸化物を除去してAl酸化物のみを残す第
1の工程と、この第1の工程後の試料に水蒸気を含む窒
素ガスを導入することによって被酸化層を選択酸化する
第2の工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化合物半導体層
中に酸化層を形成するための酸化工程を有する半導体装
置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、化合物半導体の表面に酸化層
を形成する技術が知られている。この技術は、例えば、
化合物半導体素子の表面のパッシベーションを行なうた
めに酸化層を形成する場合や、化合物半導体発光素子の
光出力面の保護膜として酸化層を形成する場合、化合物
半導体発光素子の多層膜積層構造の一部を酸化して電流
狭窄層を形成する場合、化合物半導体発光素子の多層膜
反射鏡の一部を酸化して反射率の向上を図る場合等に使
用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以下、従来の酸化層形
成技術の課題について、半導体面発光レーザのAlAs
層に酸化層を形成する場合と例に採って説明する。な
お、このような半導体面発光レーザの詳細は、例えば、
K.D.Choquette et al.IEEE Photonics TechnologyLette
rs.vol.7 no.11 pg.1237-1239 1995 "Fabrication and
Performance of Selectively Oxidized Vertical-Cavit
y Lasers"等の文献に記載されている。
【0004】かかる技術においては、従来より、形成さ
れた酸化層の厚みあるいは長さに大きな不均一性があ
り、再現性にも乏しいという欠点があった(例えば、N.
Ohnokiet al.First Optoelectronics and Communicatio
ns Conference(OECC'96) Technical Digest paper no.1
6D1-3,pg.64-65 July 1996,"A Study on AlAs Oxide Co
nfinement Structure for Long Wavelength Surface Em
itting Lasers" のFig.3 およびFig.4 参照)。
【0005】これは、酸化層を形成する工程よりも前
に、このAlAs層の露出面に自然酸化膜が形成されて
しまうためである。すなわち、この自然酸化膜が形成さ
れているAlAs層にそのまま酸化工程を施してAlA
s酸化層を形成すると、このAlAs酸化層の均一性お
よび再現性が悪くなることが、既に知られている。
【0006】これに対して、従来、以下のような対策方
法が、既に提案されている。
【0007】第1の対策方法は、AlAs層の表面に自
然酸化膜が形成されるのを防止することによって、Al
As酸化層の均一性および再現性を向上させようとする
ものである。この方法は、例えば、M.J.Ries et al.App
lied Physics Letters vol.65 no.6 pg.740-742 1994 "
Photopumped room-temperature edge- and vertical-ca
vity operation of AlGaAs-GaAs-InGaAs quantum-well
heterostructure lasers utilizing native oxide mirr
ors"に記載されている。この文献に記載された方法で
は、結晶成長したGaAs層とAlAs層との多層膜構
造に細いストライプ溝を化学エッチング法で形成した後
で溝側壁に露出したAlAs層を酸化する際に、AlA
s層を露出させる工程と酸化工程との間の時間を短縮す
ることによって自然酸化膜の発生を抑制し、これにより
AlAs酸化層の均一性および再現性を図っている。
【0008】また、第2の対策方法は、AlAs層の表
面に形成された自然酸化膜を酸化工程前にエッチングで
除去することによって、AlAs酸化層の均一性および
再現性を向上させようとするものである。この方法は、
例えば、K.L.Lear et al.IEEE Lasers and Electro-Opt
ics Society(LEOS'95) 8th Annual Meeting Conference
Proceedings vol.2 paper no.SCL-16.7,pg.445-446 No
vember 1995,"High Efficiency Oxide Confinde Vertic
al Cavity Surface Emitting Lasers"に記載されてい
る。この文献に記載された方法では、結晶成長させたG
aAs層中に薄いAlAs層を設けた積層構造をドライ
エッチングで円筒形ポスト構造に加工し、その後でこの
ポスト構造の側面に露出したAlAs層を酸化する際
に、リン酸と過酸化水素水と純水とを混合してなるエッ
チャントを用いて自然酸化膜を予め除去することによ
り、AlAs酸化層の均一性および再現性を図ってい
る。
【0009】しかしながら、これらの対策方法には、以
下のような欠点があった。
【0010】第1の対策方法では、AlAs酸化層を露
出させてから酸化工程を行なうまでの時間を短縮するだ
けであるため、自然酸化膜の発生量を多少は低減できる
ものの、完全に防止することはできなかった。このた
め、AlAs酸化層の均一性および再現性の向上にも限
界があり、十分な効果を得ることはできなかった。特
に、生産工程において大量の試料を一括処理するような
場合には、化学エッチング工程でAlAs酸化層を露出
させてから酸化工程を行なうまでの時間を十分には短縮
できず、このため、満足な効果を得ることは困難であっ
た。
【0011】一方、第2の対策方法では、被酸化層を露
出させる工程と酸化工程との時間を短縮する必要がない
ので、大量生産には適している。しかし、化学エッチン
グ法を用いて自然酸化膜をすべて除去する必要があるの
で、露出面に与えるダメージ(形状の変化)が非常に大
きくなってしまう。このため、酸化工程中に被酸化層の
露出面から内部に入り込む酸化種(水、酸素等)の量に
ばらつきが生じてしまう。すなわち、この対策方法で
は、AlAs酸化層の均一性・再現性の自然酸化膜によ
る悪化は防止できるものの、露出面に与えるダメージと
いう新たな悪化要因が生じるので、全体としては均一性
および再現性の向上に限界があり、十分な効果を得るこ
とはできなかった。
【0012】なお、このような課題は、AlAs層に酸
化層を形成する場合に限定されるものではなく、化合物
半導体層中に酸化層を形成する際には一般的に生じ得る
課題である。
【0013】このため、従来より、酸化層の十分な均一
性および再現性を得ることができる半導体装置の製造方
法が嘱望されていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明は、化合物半導体層中に酸化層を形成す
るための酸化工程を有する半導体装置の製造方法に関す
るものである。
【0015】そして、酸化工程が、被酸化層が露出した
半導体装置を載置した第1の酸化炉内に非活性ガスまた
は還元性ガスを導入することによって、この被酸化層に
形成された自然酸化膜から陰イオン側元素の酸化物を除
去して陽イオン側元素の酸化物のみを残す第1の工程
と、この第1の工程後の半導体装置を載置した第2の酸
化炉内に酸化種を導入することによって被酸化層を酸化
する第2の工程とを備えている。
【0016】(2)ここで、酸化とは、被酸化層を構成
している化合物半導体の陰イオン側元素を除去し、陽イ
オン側元素と酸素とが結合して、安定な酸化物に変わる
ことをいう。
【0017】また、酸化種とは、被酸化層の原子への酸
素原子の供給源となるものをいい、具体的には例えば水
分子、酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよびオゾン分
子等が該当する。
【0018】非活性ガスとは、被酸化層を形成する化合
物半導体材料や半導体装置の他の構成部を形成する材料
と化学反応しないガスをいい、通常の半導体装置では例
えば窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が該当す
る。
【0019】還元性ガスとは、酸素原子と結合している
原子あるいは分子から酸素原子を奪う作用のあるガスを
いい、通常の半導体装置では水素ガス等が該当する。
【0020】自然酸化膜とは、被酸化層を空気中に放置
したときに被酸化膜の表面に自然に形成される酸化膜を
いい、陽イオン側元素の酸化物と陰イオン側元素の酸化
物との混合体からなる。
【0021】(3)上記発明において、化合物半導体と
しては、例えばIII −V族化合物半導体やII−VI族化合
物半導体、具体的には例えばAlGaAs、AlAs、
ZnSe等が使用できる。
【0022】また、第1の工程は、酸化炉内の温度を3
50℃〜500℃に設定して行なわれることが望まし
い。
【0023】さらに、第1の酸化炉と第2の酸化炉と
は、同一の酸化炉であってもよいし、異なる酸化炉であ
ってもよい。
【0024】(4)上記発明の構成によれば、第1の工
程で自然酸化膜から陰イオン側元素の酸化物を除去して
陽イオン側元素の酸化物のみを残すこととしたので、第
2の工程で形成した酸化膜の均一性および再現性を向上
させることができる。
【0025】このように、自然酸化膜から陰イオン側元
素の酸化物を除去して陽イオン側元素の酸化物を残すこ
とで、第2の工程で形成した酸化膜の均一性および再現
性を向上させることができる理由は、明らかではない。
ただし、本願発明者の検討によれば、第2の工程で形成
する酸化膜の均一性および再現性を悪化させる原因が自
然酸化膜のうち陰イオン側元素の酸化物にあると思わ
れ、このことがこの発明の効果を得ることができる要因
になっていると考えられる。また、陽イオン側元素の酸
化物を残すことで、自然酸化膜を完全に取り除く場合よ
りも、被酸化層表面の体積減少による形状変化が抑制さ
れていると思われ、このこともこの発明の効果を得るこ
とができる要因になっていると考えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の一
例について、半導体面発光レーザのAlAs層を酸化す
ることによって電流狭窄層を形成する場合と例に採り、
図面を用いて説明する。なお、図中、各構成成分の大き
さ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度
に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する
数値的条件は単なる例示にすぎないことを理解された
い。
【0027】図1は、この実施の形態で作製する半導体
面発光レーザの構成を模式的に示す断面図である。
【0028】図1において、n型GaAs基板11の表
面には、複数のAlGaAs膜12aとGaAs膜12
bとを交互に積層してなるn型DBR(Distributed Bra
gg Reflector) ミラー12が形成されている。
【0029】そして、このn型DBRミラー12の表面
には、InGaAs/GaAs量子井戸構造からなる活
性層13が設けられている。
【0030】さらに、この活性層13の表面には、電流
狭窄層14が設けられている。この電流狭窄層14は、
中央部に未酸化AlAsからなる直径約2μmの電流チ
ャネル部14aを備えており、その周囲は酸化AlAs
からなる電流阻止部14bとなっている。なお、後述す
るように、この電流阻止部14bが、この発明に係る酸
化工程で作製される。
【0031】また、この電流狭窄層14の表面には、複
数のAlGaAs膜15aとGaAs膜15bとを交互
に積層してなるp型DBRミラー15が形成されてい
る。
【0032】そして、n型GaAs基板11の裏面には
n型電極16が、p型DBRミラー15の表面にはp型
電極17が、それぞれ設けられている。
【0033】なお、同図に示したように、n型DBRミ
ラー12の一部、活性層13、電流狭窄層14、p型D
BRミラー15およびp型電極17は、直径約20μm
の円筒形に形成されている。
【0034】次に、図1に示した半導体面発光レーザの
製造方法について、図2および図3を用いて説明する。
【0035】まず、この製造方法における酸化工程で使
用する酸化炉の一構成例について、図2に示した模式図
を用いて説明する。
【0036】同図において、試料20が搬入される石英
チューブ21の外周には、この石英チューブ21内の温
度を制御するためのヒータ22が設けられている。ま
た、この石英チューブ21には、図示しない窒素ガス供
給源に接続されたガス導入管24と、図示しない真空ポ
ンプに接続されたガス排気管25とが設けられている。
そして、ガス導入管24は、バルブ26の前後に設けら
れた支管27a,27bを備えている。ここで、支管2
7aは純水バブラー28の吸気口に接続されており、支
管27bは純水バブラー28の排気口に接続されてい
る。また、これらの支管27a,27bには、それぞれ
バルブ29a,29bが接続されている。なお、純水バ
ブラー28の外周には、この純水バブラー28の温度を
制御するためのヒータ23が設けられている。
【0037】次に、この実施の形態に係る製造方法を用
いて図1に示した半導体面発光レーザを製造する際の製
造工程について、図3(A)および(B)に示した断面
工程図を用いて説明する。
【0038】まず、n型GaAs基板11を通常の結
晶成長用の真空チャンバ内に搬入する。そして、図3
(A)に示したように、このn型GaAs基板11の表
面に、n型にドーピングされた複数のAlGaAs膜3
2aとGaAs膜32bとを、所定の膜厚で複数層ずつ
交互に積層する。なお、このAlGaAs膜32aおよ
びGaAs膜32bが、n型DBRミラー12を構成す
る。
【0039】次に、この積層構造の最上層であるAl
GaAs膜32aの表面に、InGaAs/GaAs量
子井戸構造からなる膜33とAlAs膜34とを順次形
成する。
【0040】そして、このAlAs膜34の表面に、
p型にドーピングされた複数のGaAs膜35bとAl
GaAs膜35aとを、所定の膜厚で複数層ずつ交互に
積層する。
【0041】続いて、最上層であるGaAs膜35b
の表面に所定の膜厚のSiO2 膜を堆積し、通常のフォ
トリソグラフィー技術を用いてパターニングすることに
より、直径約20μmの円形マスク36を形成する。
【0042】そして、図3(B)に示したように、こ
の円形マスク36を用いたドライエッチングによってA
lGaAs膜32a、InGaAs/GaAs量子井戸
構造からなる膜33、AlAs膜34、AlGaAs膜
35aおよびGaAs膜35bをエッチングすることに
より、活性層13、電流狭窄層14およびp型DBRミ
ラー15等からなる円形ポスト構造を形成する。なお、
この工程により、被酸化層である電流狭窄層14の側面
が露出する。
【0043】続いて、このようにして作製された試料
20を、図2に示したような酸化炉の石英チューブ21
内に搬入する。このとき、この石英チューブ21内の温
度は、ヒータ22によって例えば400℃に設定してお
く。
【0044】次に、バルブ26を開き且つバルブ27
a,27bを閉じた状態で、ガス導入管24を介して、
図示しない窒素ガス供給源から石英チューブ21内にド
ライな窒素ガスを所定流量で導入する。そして、この石
英チューブ21内の試料20を、例えば400℃の温度
で10分間熱処理する。これにより、試料20の電流狭
窄層14の側面を露出させた後に(上記工程)この露
出面に形成されるAlAs自然酸化膜から、陽イオン側
元素であるAlの酸化物を脱離させることなく、陰イオ
ン側元素であるAsの酸化物のみを脱離させることがで
きる。
【0045】その後、酸化炉のバルブ26を閉じると
ともに、バルブ27a,27bを開く。これにより、図
示しない窒素ガス供給源から供給された窒素ガスは、純
水バブラー28を通過してから石英チューブ21内に導
入されるようになる。このとき、純水バブラー28内の
蓄えられた純水は、ヒータ23によって例えば85℃〜
90℃に設定されている。純水バブラー28に供給され
る窒素ガスは、この純水内を通過するので、この純水の
温度によって定まる飽和水蒸気を含んだ状態で石英チュ
ーブ21内に供給されることとなる。そして、この水蒸
気により、試料20の電流狭窄層14が選択酸化され
る。この実施の形態では、このような選択酸化を10分
間行なうことにより、電流狭窄層14の中央から直径約
2μmの領域を残した領域を酸化した。そして、これに
より、電流狭窄層14に、未酸化AlAsからなる直径
約2μmの電流チャネル部14aと、酸化AlAsから
なる電流阻止部14bとを形成した。
【0046】その後、通常の方法により、n型電極1
6およびp型電極17等の形成を行ない、半導体面発光
レーザを完成した。
【0047】このように、この実施の形態では、選択酸
化を行なう工程(上記工程)の前に、AlAs自然酸
化膜からAlの酸化物を残してAsの酸化物のみを脱離
させる工程(上記工程)を行なうこととしている。し
たがって、このAlAs層(電流狭窄層14)に選択酸
化を施したときの酸化長の均一性および再現性を向上さ
せることができ、これにより半導体面発光レーザの製造
歩留の向上を図ることができる。
【0048】また、AlAs層を露出させる工程(上記
工程)と選択酸化を行なう工程(上記工程)との間
の時間を短縮させる必要がないため、大量生産に適した
製造方法を提供することができる。
【0049】なお、この実施の形態では、非活性ガスで
ある窒素ガスを用いて自然酸化膜から陰イオン側元素の
みを脱離させることとしたが、他の非活性ガス(例えば
ヘリウムガス、アルゴンガス等)を用いてもよいし、還
元性ガス(例えば水素等)を用いてもよい。
【0050】また、この実施の形態ではAlAs層を酸
化する場合を例に採って説明したが、この発明を他の化
合物半導体に適用した場合にも同様の効果を得られるこ
とはもちろんである。
【0051】併せて、この実施の形態では自然酸化膜か
ら陰イオン側元素のみを脱離させる工程での温度を40
0℃としたが、この発明はかかる工程での温度を制限す
るものではない。すなわち、この工程は自然酸化膜から
陰イオン側元素のみを脱離させることができる温度で行
なわれればよく、その温度は化合物半導体の種類等によ
って適宜決定することができる。ただし、一般には、3
50℃〜500℃であれば、陽イオン側元素の酸化物を
残して陰イオン側元素の酸化物のみを脱離させることが
できる。
【0052】さらに、この発明では、自然酸化膜から陰
イオン側元素のみを脱離させる工程と選択酸化を行なう
工程とを同じ酸化炉内で行なったが、これらの工程を別
々の酸化炉で行なってもよいことはもちろんである。
【0053】加えて、この発明を適用して半導体面発光
レーザの電流狭窄層を作製する場合を例に採って説明し
たが、化合物半導体層の酸化を行なうものであれば、他
の工程にも適用できることはもちろんである。
【0054】
【実施例】次に、この発明の実施例として、この発明を
適用して酸化を行なった試料の評価試験の結果を説明す
る。
【0055】試料の作製 まず、この実施例に用いた試料の構造および作製方法に
ついて、簡単に説明する。図4(A)は、この実施例で
使用した試料の構造を模式的に示す断面図である。
【0056】同図に示したように、この実施例で使用す
る試料は、通常の結晶成長法を用いて、まずGaAs基
板41にAlAs膜42およびGaAs膜43を交互に
積層してなる積層部44を形成し、次にこの積層部44
の表面にSiO2 膜45を形成し、その後、通常のエッ
チング技術を用いて溝46を形成することにより作製し
た。
【0057】なお、図4(A)では、簡単化のために積
層部44を構成するAlAs膜42およびGaAs膜4
3を4層ずつ示したが、実際には20層ずつ形成した。
また、各積層部44のピッチは350μm、各溝46の
幅は5μmとした。そして、AlAs膜42の膜厚は6
7μm、GaAs膜43の膜厚は55μmとした。
【0058】試料の酸化 次に、図4(A)に示した試料に対して、以下のように
して本発明を適用した選択酸化を行なうことにより、実
施例試料を作製した。
【0059】(a) まず、図2に示したような酸化炉の石
英チューブ21内の温度を400℃に設定した後、試料
を搬入した。
【0060】(b) 次に、バルブ26を開き且つバルブ2
7a,27bを閉じた状態で石英チューブ21内にドラ
イな窒素ガスを所定流量で導入することにより、この実
施例試料に対し、AlAs膜42に形成された自然酸化
膜からAl酸化物を脱離させることなくAs酸化物のみ
を脱離させるための熱処理を、10分間行なった。
【0061】(c) 続いて、石英チューブ21内の温度を
400℃に維持した状態で、この酸化炉のバルブ26を
閉じるとともにバルブ27a,27bを開くことによ
り、実施例試料のAlAs膜42の選択酸化を60分間
行なった。これにより、図4(B)に示したように、各
AlAs膜42は、中央部付近の未酸化AlAs膜48
を残して、酸化層47となった。
【0062】続いて、比較例試料として、自然酸化膜に
対する処理をまったく行なわない試料を作製した。この
比較例試料は、図4(A)に示した構造の試料に対し
て、上記工程(a) および(c) のみを行なうことによって
作製した。これにより、この比較例試料の各AlAs膜
42も、図4(B)に示したように、中央部付近の未酸
化AlAs膜48を残して、酸化層47となった。
【0063】試料の評価 その後、このようにして作製した実施例試料と比較例試
料とを、それぞれSiO2 膜45側から観察し、酸化長
L(すなわちAlAs膜42の露出面49から未酸化A
lAs膜48との境界面までの長さ、図4(B)参照)
を測定した。その結果を、表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1からわかるように、実施例試料は、比
較例試料と比べて、酸化長のばらつきを20分の1にす
ることができた。このことにより、この発明によって酸
化長の均一性および再現性を向上できることが確認され
た。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、酸化層の十分な均一性および再現性を得ること
ができる半導体装置の製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態で作製する半導体面発光
レーザの構造断面図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る製造方法で使用す
る酸化炉の構造を示す模式図である。
【図3】(A)、(B)ともに、この発明の実施の形態
に係る製造方法の工程断面図である。
【図4】(A)、(B)ともに、この発明の実施例を説
明するための模式的断面図である。
【符号の説明】 11:n型GaAs基板 12:n型DBRミラー 12a:AlGaAs膜 12b:GaAs膜 13:活性層 14:電流狭窄層 14a:電流チャネル部 14b:電流阻止部 15:p型DBRミラー 15a:AlGaAs膜 15b:GaAs膜 16:n型電極 17:p型電極 21:石英チューブ 22,23:ヒータ 24:ガス導入管 25:ガス排気管 26,29a,29b:バルブ 27a,27b:支管 28:純水バブラー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体層中に酸化層を形成するた
    めの酸化工程を有する半導体装置の製造方法において、 前記酸化工程が、 被酸化層が露出した半導体装置を載置した第1の酸化炉
    内に非活性ガスまたは還元性ガスを導入することによっ
    て、この被酸化層に形成された自然酸化膜から陰イオン
    側元素の酸化物を除去して陽イオン側元素の酸化物のみ
    を残す第1の工程と、 この第1の工程後の前記半導体装置を載置した第2の酸
    化炉内に酸化種を導入することによって前記被酸化層を
    酸化する第2の工程と、 を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物半導体層が、III −V族化合
    物半導体またはII−VI族化合物半導体からなる層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記化合物半導体層が、AlGaAs、
    AlAsまたはZnSeからなる層であることを特徴と
    する請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1の工程が、前記酸化炉内の温度を
    350℃〜500℃に設定して行なわれることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の酸化炉と前記第2の酸化炉と
    が同一の酸化炉であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の酸化炉と前記第2の酸化炉と
    が異なる酸化炉であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体装置が半導体発光素子であ
    り、且つ、前記化合物半導体層がこの半導体発光素子の
    電流狭窄層であることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の半導体装置の製造方法。
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