JPH11186652A - 半導体レーザの製造方法および半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザの製造方法および半導体レーザ

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JPH11186652A
JPH11186652A JP35164397A JP35164397A JPH11186652A JP H11186652 A JPH11186652 A JP H11186652A JP 35164397 A JP35164397 A JP 35164397A JP 35164397 A JP35164397 A JP 35164397A JP H11186652 A JPH11186652 A JP H11186652A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流注入領域を決定する酸化層を安定して形
成することで素子の歩留まり向上、光学特性の向上が図
れる半導体レーザの製造方法を提供する。 【解決手段】 ストライプメサ19を形成したInP基
板20上に下部クラッド層35、下部SCH層36、活
性層37、上部SCH層38、上部クラッド層39、キ
ャップ層40を順次積層する工程と、前記各層の一部を
エッチングしてメサ19の幅より広い幅のメサ41を形
成し、メサ41側面に上部クラッド層39を露出させる
工程と、水蒸気10を用いて上部クラッド層39を酸化
させる工程と、キャップ層40の上面とInP基板20
の裏面に電極をそれぞれ形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光効率が高く、
均一性の良い半導体レーザおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通信に用いられる半導体レーザにおいて
は、基本横モード発振を得るため、狭い幅のストライプ
状の活性層に電流を注入する必要がある。そのために、
レーザ基板を結晶成長装置で作成した後、一旦取り出し
てエッチングを行い、ストライプ幅のメサを形成した
後、その両側をpnpn構造などを用いた高抵抗層を再
成長して活性層部分を埋め込む構造が一般的であった。
この方法については技術革新が繰り返され、非常に高性
能のレーザダイオード(Laser Diode,以下、LDと記
す)が作製可能になった。しかし、再成長前の基板の処
理など技術的に難易度が高い。
【0003】一方、加入者系半導体レーザは、従来の通
信用半導体レーザと比較して低コスト化への要求が強
い。そこで、従来行われていた埋め込み再成長による方
法よりもさらに簡便な電流狭窄法として、主として面発
光レーザの分野で開発されているAl系の酸化が加入者
系レーザの分野でも注目されている。酸化による電流狭
窄とは、AlAs、もしくはAlAsSb等の非常に酸
化されやすい層を含むLDウエハを作製した後、メサを
形成してAlAs層などの側面を露出させ、高温下で水
蒸気に曝して絶縁領域を作成する方法である。AlAs
層が酸化されてAlxyの層に変化すると高抵抗化する
だけでなく、屈折率が大幅に減少し、光の閉じ込めにつ
いても有利である。
【0004】この方法は面発光レーザの電流狭窄として
開発されたものであるが、この特徴を用いて酸化による
電流狭窄が長波系ストライプレ−ザにも応用されてい
る。これらは、例えばブルム等により1997年コンフ
ァレンス オン レーザーズアンド エレクトロオプテ
ィクス カンタム エレクトロニクス アンド レーザ
ーサイエンス コンファレンス プロシーディング C
WHF8(Conferenceon Lasers and Electro-optics Q
uantum Electronics and laser Science Conference 19
97 CWHP8 )に発表されている。図7にその構造を示
す。以下に製法に従って構造を説明する.図8はプロセ
スフロー図である。
【0005】図8(a)に示すように、InP基板1の
上へ、1.5μm厚さのn型クラッド層2としてIn
0.52Al0.48As層、下部SCH層3として1150Å
のi−In0.52Al0.16Ga0.31As層、活性層4とし
て100ÅのIn0.53Ga0.47As井戸層と100Åの
In0.52Al0.16Ga0.31As障壁層、上部SCH層5
として2050ÅのIn0.52Al0.16Ga0.31As層、
上部クラッド層6として1μm厚さのAlAs0.56Sb
0.44層、キャップ層7として1000Åのp−In0.5
Ga0.5As層を順に成長し、レーザ基板8を作製す
る。ここでは分子線エピタキシー装置を用いて基板温度
520℃で作製した。
【0006】その後、図8(b)に示すように、幅52
μmにエッチングしてメサストライプ9を作製し、メサ
側面にAlAs0.56Sb0.44層6を露出させ、酸化用基
板20とする。その後、図8(c)に示すように、基板
を340℃に保ったまま、N 2 ガスでバブリングさせた
水蒸気10を導入し、側面から左右20μmずつ、酸化
による高抵抗領域11を形成し、酸化されていない中央
部が電流注入領域12となる。
【0007】酸化工程においては、酸化用基板をホット
プレート上に載せ、カバーで覆う。カバーには蒸気導入
口と排気口を設けておく。一方、バブラに水を入れて、
別のホットプレートにより一定の温度に保っておき、ガ
ス導入口からからキャリアガスを導入して排気ロより水
蒸気を取り出す。水蒸気はチューブを通してカパーの蒸
気導入ロから酸化用基板20の周辺に導入する。
【0008】その後、図7に示すように、メサ上面と基
板裏面に電極13、14を形成し、適当な長さに劈開し
て半導体レーザ15が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような酸化工
程は、組成、温度、膜厚等に大きく依存するため、均一
性、制御性を得ることが極めて困難である。酸化速度の
ばらつきにより、ストライプの幅が素子によってばらつ
くと、個々のレーザー特性のばらつきによる歩留まり低
下が生じる。また、1つのストライプ内で酸化領域の
幅、すなわち活性層の幅がばらつくと導波損失となり光
学特性の劣化が生じていた。そこで、光学特性を向上さ
せ、歩留まりを高くするためには酸化領域の幅を制御す
ることが重要となっていた。
【0010】また、上述したような酸化工程は組成、膜
厚に大きく依存し、Al比が0.9以下ではほとんど酸
化は進行しない。また、Inなどの酸化されにくい材料
が混入していると、やはり酸化が非常に困難である。ま
た、InP基板上の半導体レーザでは酸化の容易なAl
As層は格子整合しないため、AlAs層を形成するた
めには50Å程度以下の非常に薄い層でないと歪の緩和
なしに形成が不可能である。また、層厚が薄くなっても
酸化が困難である。さらに、AlAsSb層ではInP
に格子整合するが、Sb系材料は良質な結晶を得ること
が比較的困難で、その場合、発光効率の低下などの問題
があった。すなわち、InP基板上では適当な酸化層を
得ることが難しいといった問題があった。
【0011】本発明は、上記の解題を解決するためにな
されたものであって、電流注入領域を決定する酸化層を
安定して形成することで素子の歩留まり向上、光学特性
の向上を図ることができる半導体レーザの製造方法およ
びその半導体レーザを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザの
製造方法は、ストライプ状の第1のメサを形成した半導
体基板上に、下部クラッド層、下部SCH層、活性層、
上部SCH層、他の層よりも酸化速度が大きい材料から
なる上部クラッド層、キャップ層を、少なくとも上部ク
ラッド層が前記第1のメサによる段差を有するように順
次積層する工程と、前記各層の一部をエッチングして前
記第1のメサの幅より広い幅の第2のメサを形成し、そ
の第2のメサの側面に前記上部クラッド層を露出させる
工程と、酸化作用を持つ蒸気を用いて前記上部クラッド
層を酸化させる工程と、前記キャップ層の上面と前記半
導体基板の裏面に電極を形成する工程と、を有すること
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明の他の半導体レーザの製造方
法は、半導体基板上に下部クラッド層、下部SCH層、
活性層、上部SCH層を積層する工程と、前記各層の一
部をエッチングして第1のメサを形成する工程と、該第
1のメサを覆うように前記半導体基板上に他の層よりも
酸化速度が大きい材料からなる上部クラッド層、キャッ
プ層を順次積層する工程と、前記上部クラッド層および
キャップ層の一部をエッチングして前記第1のメサの幅
より広い幅の第2のメサを形成し、その第2のメサの側
面に前記上部クラッド層を露出させる工程と、酸化作用
を持つ蒸気を用いて前記上部クラッド層を酸化させる工
程と、前記キャップ層の上面と前記半導体基板の裏面に
電極を形成する工程と、を有することを特徴とするもの
である。
【0014】上記の半導体レーザの製造方法において、
前記上部クラッド層の材料が少なくともAl、Sbのい
ずれかを含んでもよい。さらに、前記上部クラッド層の
材料がInを含む場合には、前記蒸気としてH22蒸気
を用いるのがよい。
【0015】本発明の半導体レーザの製造方法において
は、第1のメサを形成したことにより上部クラッド層が
段差を持つときに第1のメサの上面で薄く、その外方で
厚く形成されることになる。そして、第2のメサの側面
に上部クラッド層の端面を露出させておき、蒸気を用い
て酸化させると、酸化速度が大きい材料からなる上部ク
ラッド層の端面から酸化が進行していく。この際、酸化
速度は膜厚が厚い程大きく、薄い程小さくなるため、酸
化は第1のメサの側面に達したところで実質的に停止す
る。その結果、制御性の良い絶縁領域を形成することが
できる。
【0016】本発明の半導体レーザは、ストライプ状の
第1のメサが形成された半導体基板上に、下部クラッド
層、下部SCH層、活性層、上部SCH層、上部クラッ
ド層、キャップ層が前記第1のメサによる段差を有する
ように積層され、前記各層からなり前記第1のメサの幅
より広い幅の第2のメサが設けられ、前記上部クラッド
層の前記第1のメサより外方の領域が酸化されて絶縁領
域とされ、前記キャップ層の上面と前記半導体基板の裏
面に電極が形成されたことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明の他の半導体レーザは、半導
体基板上に、下部クラッド層、下部SCH層、活性層、
上部SCH層からなる第1のメサが形成され、該第1の
メサを覆うように上部クラッド層、キャップ層が積層さ
れ、これら上部クラッド層およびキャップ層からなり前
記第1のメサの幅より広い幅の第2のメサが設けられ、
前記上部クラッド層の前記第1のメサより外方の領域が
酸化されて絶縁領域とされ、前記キャップ層の上面と前
記半導体基板の裏面に電極が形成されたことを特徴とす
るものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図面を参照して詳細に説明する。図1は本素子
の構造図、図2は本素子のプロセスフロー図である。以
下、製法に従って構造を説明する。図2(a)に示すよ
うに、10μm幅のストライプ状のメサ19(第1のメ
サ)を形成したInP基板20(半導体基板)の上に、
図2(b)に示すように、n型クラッド層35として
1.5μm厚さのn型InGaAsPクラッド層(バン
ドギャップ:1.18eV)、下部SCH層36として
1150ÅのInGaAsP層(バンドギャップ:1.
08eV)、活性層37として100ÅのIn 0.53Ga
0.47As井戸層と100ÅのIn0.52Al0.16Ga0.31
As障壁層、上部SCH層38として2050ÅのIn
0.52Al0.16Ga0.31As層を成長し、その後、上部p
型クラッド層39として0.3μm厚さのAlAs0.56
Sb0.44層、キャップ層40として1000Åのi−I
0.2Ga0.8As層を順に形成する。以上を、例えばM
OCVDなどの結晶成長装置を用いて成長する。この種
の膜を成長させると表面が平坦化するように成長するた
め、その結果、メサ19の上面ではAlAs0.56Sb
0.44層39は薄く、メサ19の外側の底部では厚くな
る。
【0019】その後、図2(c)に示すように、初めに
InP基板20に形成したメサ19よりも幅が広い、幅
50μmのストライプメサ41(第2のメサ)にメサエ
ッチングしてメサ側面にAlAs0.56Sb0.44層39を
露出させ、酸化用基板42を作製する。その後、340
℃に保ったまま、N2 ガスでバブリングさせた水蒸気1
0を導入し、AlAs0.56Sb0.44層39の側面から酸
化による高抵抗領域層(絶縁領域)11を形成し、電流
注入領域12の幅を10μmにする。
【0020】酸化工程の図を図3に示す。酸化用基板4
2はホットプレート16の上に載せ、カバー21で覆
う。カバー21には蒸気導入ロ22と排気口23を設け
ておく。バブラ24には水25を入れて、別のホットプ
レート26により85℃に保っておき、ガス導入ロ27
より窒素ガス31を導入して排気口32より水蒸気10
を取り出す。水蒸気10はチューブ33を通してカパー
21の蒸気導入口22から酸化用基板42の周辺に導入
する。
【0021】ここで、ストライプメサ41側面は各層の
側面が露出しているが、酸化速度はAl含有量と層厚に
大きく依存するため、主として酸化されるのはAl含有
量が大きく、膜厚の厚いAlAs0.56Sb0.44層39で
ある。また、酸化速度は、AlやSbの組成比の他に、
酸化される層の膜厚にも依存するため、メサ19外側の
膜厚の厚い部分は酸化速度が速く、メサ19上部の電流
注入層で酸化速度が非常に遅くなるため、実質的に酸化
がメサ19の外側のみで生じ、メサ41の側面から始ま
ってメサ19の側部でセルフアライン的に停止する。
【0022】その後、図1に示すように、基板の上面と
裏面に電極13、14を形成し、適当な長さに劈開して
半導体レーザ47が完成する。
【0023】以下、本発明の第2の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図4は本素子の構造
図、図5は本素子のプロセスフロー図である。以下に製
法に従って構造を説明する。図5(a)に示すように、
InP基板1の上に、n型クラッド層35として1.5
μm厚さのn型InGaAsPクラッド層(バンドギャ
ップ:1.18eV)、下部SCH層36として115
0ÅのInGaAsP層(バンドギャップ:1.08e
V)、活性層37として100ÅのIn0.53Ga0.47
s井戸層と100ÅのIn0.52Al0.16Ga0.31As障
壁層、上部SCH層38として2050ÅのIn0.52
0.16Ga0.31As層を成長し、一旦結晶成長装置から
取り出す。
【0024】その後、図5(b)に示すように、10μ
m幅のストライプメサ48を形成し、再び、結晶成長装
置を用いて、図5(c)に示すように、上部p型クラッ
ド層49として0.3μm厚さのAlAs0.56Sb0.44
層、キャップ層50として1000Åのi−In0.2
0.8As層を順に形成する。以上を、例えばMOCV
Dなどの結晶成長装置を用いて成長する。この種の膜を
成長させると表面が平坦化するように成長するため、そ
の結果、メサ48の上面ではAlAs0.56Sb0. 44層4
9は薄く、メサ48の外側の底部では厚くなる。
【0025】その後、図4に示すように、幅50μmの
ストライプ27にメサエッチングして、メサ側面にAl
As0.56Sb0.44層49を露出させ、340℃に保った
まま、N2 ガスでバプリングさせた水蒸気19を導入
し、AlAs0.56Sb0.44層49の側面から酸化による
絶縁領域45を形成し、電流注入領域46の幅を10μ
mにする。
【0026】酸化工程に関しては、図3に示す第1の実
施の形態と同様である。酸化用基板42はホットプレー
ト16の上に載せ、カバー21で覆う。カバー21には
蒸気導入ロ22と排気口23を設けておく。バブラ24
には水25を入れて、別のホットプレート26により8
5℃に保っておき、ガス導入ロ27より窒素ガス31を
導入して排気口32より水蒸気10を取り出す。水蒸気
10はチューブ33を通してカパー21の蒸気導入口2
2から酸化用基板42の周辺に導入する。
【0027】ここで、ストライプメサ27側面は各層の
側面が露出しているが、酸化速度はAl含有量と層厚に
大きく依存するため、Al含有量が大きく、膜厚の厚い
AlAs0.56Sb0.44層49が主として酸化される。そ
の際、酸化速度は、AlやSbの組成比の他に、酸化さ
れる層の膜厚にも依存するため、メサ48外側の膜厚の
厚い部分は酸化速度が速く、メサ48上部の電流注入層
で酸化速度が非常に遅くなるため、実質的に酸化がメサ
48の外側のみで生じ、ストライプメサ27の側面から
始まってメサ48の部分でセルフアライン的に停止す
る。
【0028】その後、図4に示すように、基板の上面と
裏面に電極13、14を形成し、適当な長さに劈開して
半導体レーザ47が完成する。
【0029】以下、本発明の第3の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図6は本実施の形態の
製造方法のプロセスフロー図である。以下に製法に従っ
て構造を説明する。図6(a)に示すように、InP基
板1の上に、n型クラッド層52として500nm厚さ
のn型In0.52Al0.48Asクラッド層、下部SCH層
53として50nmのi−In0.53(Al0.6Ga0.4
0.47As、活性層54として60ÅのInAs0.45
0.55井戸層と100Åのi−In0.375(Al0.6Ga
0.40.6 25As障壁層、上部SCH層55として500
Åのi−In0.53(Al0.6Ga0 .40.47Asを成長
し、その後、p型クラッド層56として2μm厚さのp
型In0.52Al0.48As層、キャップ層57として50
0Åのi−In0.53Ga0.47As層を順に形成する。以
上を、例えばMOCVDなどの結晶成長装置を用いて成
長する。その後、図6(b)に示すように、幅50μm
のストライプメサ58にメサエッチングして、酸化用基
板59を作製する。本実施の形態ではその酸化用基板5
9をH22蒸気60により酸化する。
【0030】酸化工程の装置構成に関しては、図3に示
す第1の実施の形態と同様である。酸化用基板59はホ
ットプレート16の上に載せ、カバー21で覆う。カバ
ー21には蒸気導入ロ22と排気口23を設けておく。
本実施の形態の場合、バブラ24にはH22水溶液61
を入れて、別のホットプレート26により85℃に保っ
ておき、ガス導入ロ27から窒素ガス31を導入して排
気口32からH22蒸気60を取り出す。H22蒸気6
0はチューブ33を通してカバー21の蒸気導入口22
から酸化用基板59の周辺に導入する。
【0031】ここで、ストライプメサ58側面は各層の
側面が露出しているが、酸化速度はAl含有量と層厚に
大きく依存するため、Al含有量が大きく、膜厚の厚い
In 0.52Al0.48As層56が主として酸化される。一
般に、Inなどの酸化されにくい材料を含有する場合は
単なる水蒸気では酸化が進行しないが、H22蒸気60
を用いた場合には酸化力が強いために酸化が進行する。
そこで、120分間の酸化により、In0.52Al0.48
s層56はストライプメサ58の外側から20μm程度
酸化されて絶縁領域11となり、メサ58の中央部には
約10μm幅の電流注入領域12が形成される。
【0032】その後、図6(d)に示すように、メサ上
面と基板裏面に電極13、14を形成し、適当な長さに
劈開して半導体レーザ47が完成する。
【0033】本実施の形態の方法により作製された半導
体レーザは電流注入領域12を形成する層がInを含ん
だ層であるにも関わらず、H22蒸気を用いたことによ
り酸化が進行し、近視野像等の評価において、電流が注
入領域の大きさである10μmの幅に狭窄されているこ
とが確認され、周辺部の絶縁領域への電流の漏れは観察
されなかった。
【0034】なお、上記各実施の形態においては、In
P系のストライプレーザとしたが、酸化層として他の層
よりも酸化速度の大きい層を含んでいれば、材料系が異
なっても本発明を適用できる。また、最初の基板のメサ
を正方形あるいは円形などの適当な大きさの孤立したメ
サを用いることにより、面発光レーザにも適用可能であ
る。また、実施の形態では酸化に水蒸気、またはH22
蒸気を用いたが、酸化作用のある蒸気であれぱ、この他
のものでも代用できる。また、キャリヤガスの種類も窒
素に限らない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸化による絶縁領域をセルフアライン的に形成すること
ができるので、プロセスの制御性が格段に向上し、スト
ライプ幅の均一性が高まるため、素子の歩留まり向上、
導波損失の低減による光学特性の向上が可能になる。ま
た、通常の水蒸気で酸化が不可能な材料系においても酸
化が進行するため、材料系の選択範囲の広い絶縁領域が
形成可能となり、例えば、長波系の低コストな半導体レ
ーザが実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である半導体レー
ザの断面図である。
【図2】 同半導体レーザのプロセスフロー図である。
【図3】 同プロセスフローにおける酸化工程を説明す
るための図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態である半導体レー
ザの断面図である。
【図5】 同半導体レーザのプロセスフロー図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態である半導体レー
ザのプロセスフロー図である。
【図7】 従来例の半導体レーザの断面図である。
【図8】 同半導体レーザのプロセスフロー図である。
【符号の説明】 1,20 InP基板(半導体基板) 10 水蒸気 13,14 電極 19 メサ(第1のメサ) 35,52 下部クラッド層 36,53 下部SCH層 37,54 活性層 38,55 上部SCH層 39,49,56 上部クラッド層 40,50,57 キャップ層 41 メサ(第2のメサ) 47 半導体レーザ 60 H22蒸気

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストライプ状の第1のメサを形成した半
    導体基板上に、下部クラッド層、下部SCH層、活性
    層、上部SCH層、他の層よりも酸化速度が大きい材料
    からなる上部クラッド層、キャップ層を、少なくとも上
    部クラッド層が前記第1のメサによる段差を有するよう
    に順次積層する工程と、 前記各層の一部をエッチングして前記第1のメサの幅よ
    り広い幅の第2のメサを形成し、その第2のメサの側面
    に前記上部クラッド層を露出させる工程と、 酸化作用を持つ蒸気を用いて前記上部クラッド層を酸化
    させる工程と、 前記キャップ層の上面と前記半導体基板の裏面に電極を
    形成する工程と、を有することを特徴とする半導体レー
    ザの製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に、下部クラッド層、下部
    SCH層、活性層、上部SCH層を積層する工程と、 前記各層の一部をエッチングして第1のメサを形成する
    工程と、 該第1のメサを覆うように前記半導体基板上に他の層よ
    りも酸化速度が大きい材料からなる上部クラッド層、キ
    ャップ層を順次積層する工程と、 前記上部クラッド層およびキャップ層の一部をエッチン
    グして前記第1のメサの幅より広い幅の第2のメサを形
    成し、その第2のメサの側面に前記上部クラッド層を露
    出させる工程と、 酸化作用を持つ蒸気を用いて前記上部クラッド層を酸化
    させる工程と、 前記キャップ層の上面と前記半導体基板の裏面に電極を
    形成する工程と、を有することを特徴とする半導体レー
    ザの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    の製造方法において、前記上部クラッド層の材料が少な
    くともAl、Sbのいずれかを含むことを特徴とする半
    導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の半
    導体レーザの製造方法において、 前記上部クラッド層の材料がInを含み、前記蒸気とし
    てH22蒸気を用いることを特徴とする半導体レーザの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ストライプ状の第1のメサが形成された
    半導体基板上に、下部クラッド層、下部SCH層、活性
    層、上部SCH層、上部クラッド層、キャップ層が前記
    第1のメサによる段差を有するように積層され、前記各
    層からなり前記第1のメサの幅より広い幅の第2のメサ
    が設けられ、前記上部クラッド層の前記第1のメサより
    外方の領域が酸化されて絶縁領域とされ、前記キャップ
    層の上面と前記半導体基板の裏面に電極が形成されたこ
    とを特徴とする半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 半導体基板上に、下部クラッド層、下部
    SCH層、活性層、上部SCH層からなる第1のメサが
    形成され、該第1のメサを覆うように上部クラッド層、
    キャップ層が積層され、これら上部クラッド層およびキ
    ャップ層からなり前記第1のメサの幅より広い幅の第2
    のメサが設けられ、前記上部クラッド層の前記第1のメ
    サより外方の領域が酸化されて絶縁領域とされ、前記キ
    ャップ層の上面と前記半導体基板の裏面に電極が形成さ
    れたことを特徴とする半導体レーザ。
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