JP2000012974A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2000012974A
JP2000012974A JP10174974A JP17497498A JP2000012974A JP 2000012974 A JP2000012974 A JP 2000012974A JP 10174974 A JP10174974 A JP 10174974A JP 17497498 A JP17497498 A JP 17497498A JP 2000012974 A JP2000012974 A JP 2000012974A
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layer
oxidized
semiconductor device
manufacturing
superlattice
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Takeshi Takamori
毅 高森
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再現性および信頼性に優れていること。 【解決手段】 被酸化層20xの一部若しくは全部を酸
化して得られる酸化領域29を具えた化合物半導体装置
を製造するに当たり、被酸化層を、酸化速度の速い組成
からなる第1層と、この第1層よりも酸化速度の遅い組
成からなる第2層との超格子層20として形成する積層
工程と、被酸化層に対して酸化処理を行って被酸化層の
一部若しくは全部を酸化領域にする酸化工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化合物半導体層
中に酸化層を形成するための酸化工程を含む半導体装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、化合物半導体の表面に酸化層
を形成する技術が知られている。この技術は、例えば、
化合物半導体素子の表面のパッシベーションを行うため
に酸化層を形成する場合や、化合物半導体素子の光出力
面の保護膜としての酸化層を形成する場合や、化合物半
導体光素子の多層膜積層構造の一部を酸化して電流狭窄
層を形成する場合、また、化合半導体光素子の多層膜反
射鏡の一部を酸化して反射率の向上を図る場合などに使
用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以下、従来の酸化層形
成技術における課題につき、半導体面発光レーザのAl
As層に酸化層を形成する場合を例に採って説明する。
なお、このような半導体面発光レーザについての詳細
は、例えば、文献1(文献1:P.D.Floyd et al. Laser
s and Electro-Optics Society(LEOS) 1995 Annual Mee
ting, paper no. SCL14.2, San Francisco, CA, Oct. 3
0-Nov.2 1995 "Reduced threshold bottom emitting ve
rtical cavity lasers by AlAs oxidation")に記載され
ている。
【0004】文献1の半導体面発光レーザは、下部の多
層構造はSiがドープされたGaAsとAlAsとから
なるDBRミラー構造で、上部はBeがドープされたG
aAsとAl0.75Ga0.25AsからなるDBRミラー構
造と1組のGaAs/AlAsの層とで構成されてい
る。また、活性層はGaAs中間層を具えたIn0.17
0.83Asの量子井戸構造で、周りをAl0.5 Ga0.5
Asの狭窄層で囲まれている。そして、このレーザで
は、活性層のすぐ上に位置するAlAs層の一部を選択
的に酸化させて電流阻止部とし、およびこのAlAs層
の未酸化の部分を電流チャネル部としている。
【0005】しかしながら、AlAs層は酸化速度が速
いために酸化する領域の範囲を制御するのが困難で、再
現性に乏しいという問題があった。
【0006】さらに、酸化を行う前と後とでは、AlA
s層の厚さが約13%も変化してしまうために、酸化後
の積層膜中に歪みが生じてしまう。このため、後工程で
AlAs層に対して熱処理を行うと、得られた酸化膜が
剥離するおそれがあり、従ってこの酸化膜は信頼性に乏
しいという問題もあった。
【0007】このため、上記問題を解決する手段とし
て、以下に示すような対策が、例えば文献2(文献2:
Kent.D.Choquette et al. Applied Physics Letters vo
l. 69no. 10 pp. 1385-1387 1996 "Selective oxidatio
n of buried AlGaAs versus AlAs layers" )で提案さ
れている。
【0008】文献2によれば、従来の被酸化層であるA
lAs層の代わりに、酸化速度がAlの混晶組成xに依
存するAlx Ga1-x As混晶層を用いている。例え
ば、組成で2%程度の微量のGaを含ませたAl0.98
0.02As混晶層を用いれば、酸化速度をAlAs層の
酸化速度よりも低下させ、酸化する領域の範囲の制御を
行うことができる。また、AlAs層は、酸化されると
AlAs層からAsが抜けて酸化Alとなる。酸素原子
はAs原子よりも結晶中での占有体積が小さいために酸
化工程後の被酸化層の厚さは減少すると考えられる。A
lGaAs層を酸化した場合においてもAsが抜けて酸
化AlGaとなり、層の厚さは減少するが、Ga原子
は、Al原子よりも大きいために、AlAs層よりもA
lGaAs層のほうが酸化後の層の厚さの減少率は小さ
くなると推測される。よって、被酸化層としてAlGa
As層を用いることによって、酸化工程の前後での被酸
化層の厚さの変化を低減させ、その結果、酸化層の歪み
量を減らすことによって信頼性の向上が図れる。
【0009】このAlx Ga1-x As混晶層を、例え
ば、MBE法を用いて成長させるとする。超高真空装置
内に基板をセットして、この基板の対面に原料であるA
lとGaとAsを入れたルツボをそれぞれ用意する。そ
して、層の成長は、ルツボの温度を上昇させて中にある
原料を蒸発させて基板へ吸着させることによってなされ
る。従って、ルツボの温度を上げることによって基板へ
の原料供給量を増やすことができる。すなわち、層の成
長速度をルツボの温度によって制御することができる。
【0010】また、As原子は基本的には基板表面に直
接吸着せず、既に基板に吸着しているAl原子若しくは
Ga原子に取り込まれるような状態で吸着する。よっ
て、層の成長速度は、Al原子とGa原子の供給量に依
存する。
【0011】Alx Ga1-x As混晶層を成長させる場
合、この層の組成は、基板表面上に単位時間に供給され
るAl原子とGa原子との比率で決定される。すなわ
ち、Alの供給量が多ければ、Alの含有率を示すxの
値は大きくなる。従って、Alx Ga1-x As混晶層の
混晶組成は、AlAs層の成長速度とGaAs層の成長
速度との比に相当している。
【0012】例えば、Al0.98Ga0.02As混晶層を成
長させる場合、AlAs層の成長速度を一般的な層の成
長速度である0.5μm/時間となるようにルツボの温
度を設定した場合、GaAs層の成長速度は、0.01
μm/時間に設定すればよい。
【0013】実際の、酸化工程が行われる化合物半導体
素子は、被酸化層であるAlx Ga1-x As層の他に
も、GaAs層やもっとGaの含有量の多いAlGaA
s層等、多数の層で構成されている。しかも、これらの
層の中には数μmにも及ぶ厚さの層も存在し得る。普
通、このような多層構造は、同じ装置を用いて、ルツボ
の温度は一定にしたままで、ルツボと基板との間にそれ
ぞれ設けられているシャッタの開閉の選択やシャッタの
開閉時間(成長時間)を変えることによって、各層を成
長させていく。しかしながら、上述したようにGaAs
層の成長速度が0.01μm/時間であるような場合、
数μmにも及ぶ層を成長させるのは、非常に長い成長時
間がかかってしまい、現実的ではない。このため、多層
構造の形成工程の途中で、成長条件、ここでは、Gaル
ツボの温度を大きく変更しなければならない。ルツボの
温度を大きく変えてしまうと、ルツボ内でのGaの溶融
状態が変化して、再び元の温度に設定し直したとして
も、基板へのGa原子の供給量は同じにはならなくなっ
てしまう。
【0014】従って、化合物半導体素子の多層構造の形
成工程における信頼性や再現性の維持が困難となるおそ
れがある。
【0015】このため、再現性および信頼性に優れた化
合物半導体装置の製造方法の出現が望まれていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような化合物半導体
素子を製造するためには、酸化する領域の範囲を制御す
ることができ、しかも、酸化した層が剥離したりするこ
とのないように、酸化工程の前後での厚さの変化を低減
させることのできる被酸化層を含む複数の層を、再現性
および信頼性良く成長させる必要がある。
【0017】このため、この発明の、少なくとも被酸化
層の一部若しくは全部を酸化して得られる酸化領域を具
えた化合物半導体装置を製造する方法によれば、被酸化
層を、酸化速度の速い組成からなる第1層と、この第1
層よりも酸化速度の遅い組成からなる第2層との超格子
層として形成する積層工程と、この被酸化層に対して酸
化処理を行って、被酸化層の一部若しくは全部を酸化領
域にする酸化工程とを含むことを特徴とする。
【0018】第1層および第2層は超格子層を構成する
層であり、これらの層を積層することにより超格子層が
形成されている。これにより、被酸化層の第2層が第1
層の酸化速度を遅くする緩和層として働き、被酸化層全
体の酸化速度を抑制することができる。よって、被酸化
層の酸化速度を制御することができ、形成する酸化領域
の再現性を向上させることができる。また、酸化領域の
厚さが酸化工程の前後で変化するのを抑えることがで
き、剥離したりすることのない信頼性に優れた酸化領域
が得られる。従って、化合物半導体素子の表面のパッシ
ベーション膜や、光出力面の保護膜を、このような酸化
領域で構成することができる。また、化合物半導体素子
の多層膜積層構造の一部を酸化して電流狭窄層を形成す
る場合や、ミラーの反射率を向上させるために多層膜反
射鏡の一部を酸化する場合において、被酸化層の酸化速
度を制御することができるために、好ましい電流狭窄層
や酸化多層膜反射ミラーを形成することができる。
【0019】また、酸化領域を電流阻止部、および非酸
化領域を電流チャネル部とする電流路制限層を含む化合
物半導体装置を製造するにあたり、被酸化層を超格子層
として形成する積層工程と、この被酸化層に対して酸化
処理を行って、被酸化層の中心部を非酸化領域とし、こ
の中心部の周辺領域を酸化領域にする酸化工程とを含む
のがよい。
【0020】従来は、酸化速度を制御することができ、
かつ酸化工程前後の層の厚さの変化を低減させることが
できるような組成の混晶層を用いていたが、この発明に
よれば、この従来の混晶層の代わりに、この混晶層に含
まれる元素の割合と実質的に同様の割合で元素を含有さ
せることのできる超格子層を用いて、この超格子層を被
酸化層として形成している。この超格子層は、元素の含
有される割合を、超格子層を構成する各層の厚さを制御
することによって、より精密に制御することができる。
また、層の厚さは成長時間によって容易に制御できる。
このため、従来の混晶層の場合と同様に、酸化工程前後
での層の厚さの変化を低減することができる。また、こ
の超格子層は、実質的に従来の混晶層に含まれる元素の
割合と同じ割合の元素を含んでいるため、この超格子層
の酸化速度を低減することができる。よって、電流阻止
部となる、酸化領域の範囲を容易に制御することができ
る。また、半導体装置には、超格子層の他に、この超格
子層を構成している元素が含まれる層を具えている。通
常これらの層は、同一装置内で連続して形成する。この
発明の超格子層は、超格子層を構成している各層の厚さ
によって組成が制御されている。この層の厚さは上述し
たように成長時間で制御している。このため、この超格
子層は、他の層の、例えば温度等の成長条件を変えるこ
となく、連続して形成することが可能である。従って、
半導体装置を構成している被酸化層と、他の層とを再現
性および信頼性良く成長させることができる。
【0021】また、好ましくは、酸化工程は、被酸化層
の端面側からこの被酸化層の中心側に向かって酸化させ
るのがよい。
【0022】被酸化層の酸化速度を制限することができ
るために、所定の時間の間酸化処理することによって、
被酸化層の中心部を非酸化領域とし、この中心部の周辺
領域を酸化領域にすることができる。これにより、再現
性のよい電流阻止部および電流チャネル部を有する電流
路制限層を形成することができる。
【0023】また、好ましくは、積層工程の前に、基板
上に下部多層膜反射ミラーを形成する工程と、この下部
多層膜反射ミラー上に活性層を設ける工程とを含ませ、
積層工程において、活性層上に被酸化層を形成するのが
良い。さらに、積層工程と酸化工程との間には、被酸化
層上に上部多層膜反射ミラーを形成する工程と、被酸化
層の端面を露出させる工程とを含んでいるのが好適であ
る。
【0024】これにより、形成される半導体装置を半導
体発光レーザ素子とすることができる。よって、上記の
ような構造体に対して酸化工程を行えば、被酸化層は電
流阻止部および電流チャネル部を有する電流路制限層と
なって、電流チャネル部から活性層へ効率よく電流を供
給することができる。
【0025】また、好ましくは、酸化工程によって下部
多層膜反射ミラーおよび上部多層膜反射ミラーの一部の
層を全面的に酸化することにより、この下部多層膜反射
ミラーおよび上部多層膜反射ミラーを下部酸化多層膜反
射ミラーおよび上部酸化多層膜反射ミラーにするのがよ
い。
【0026】例えば、下部多層膜反射ミラーおよび上部
多層膜反射ミラーの反射率をより向上させるために酸化
処理を行う場合、被酸化層に対する酸化工程と同じ工程
でこの酸化処理を行うことができる。これらの多層膜反
射ミラーの一部の層に対しては全面的に酸化が行われる
ように、多層膜反射ミラーを構成する一部の層よりも被
酸化層の酸化速度が遅くなるように、被酸化層を構成す
る元素を選択する。被酸化層を構成する元素と、多層膜
反射ミラーの酸化する層を構成する元素とが同じである
場合には、被酸化層中に含有される元素の割合を変化さ
せることにより、被酸化層の酸化速度を多層膜反射ミラ
ーの酸化速度よりも遅くさせる。これにより、被酸化層
の酸化工程において、被酸化層の酸化と同時に、多層膜
反射ミラーの一部の層の酸化を行うことができる。そし
て、多層膜反射ミラーの一部の層が全面的に酸化された
時点で、被酸化層内に非酸化領域を未酸化のまま残存さ
せることができる。
【0027】また、好ましくは、酸化領域が酸化多層膜
反射ミラーである半導体装置を製造する場合、被酸化層
を多層膜を構成する一部の層とし、この一部の層を全面
的に酸化して酸化多層膜反射ミラーを形成する工程を含
むのがよい。
【0028】これにより、信頼性および再現性に優れた
酸化多層膜反射ミラーを形成することができる。
【0029】また、被酸化層を、好ましくは異なる2元
化合物層同士の超格子層とするのがよい。あるいはこの
被酸化層を、2元化合物半導体層と3元化合物半導体層
との超格子層とするのも好適である。あるいはまた、好
ましくはこの被酸化層を異なる3元化合物半導体層同士
の超格子層としても良い。
【0030】そして、特に、これら2元および3元化合
物半導体層の各々は、III 族元素およびV族元素で構成
される半導体層(III −V族化合物半導体層)若しくは
II族元素およびVI族元素で構成される半導体層(IIーVI
族化合物半導体層)であってっもよい。
【0031】被酸化層の材料である上記に示した半導体
は、半導体装置を構成する他の層の材料でもある。この
ため、この被酸化層を含む多層構造を同一装置を用い
て、連続して形成することができる。
【0032】また、被酸化層がAlGaAs超格子層で
あるとき、この超格子層の第1層をAlAs層とし、第
2層をGaAs層とするのがよい。これにより、この超
格子層を、実質的にAlGaAs混晶層と同様の作用お
よび効果が得られる層として形成することができる。
【0033】また、AlGaAs超格子層に含まれるA
lおよびGaの割合を、Al1-x Gax As混晶層(た
だし、0<x<1とする。)に含まれるAlおよびGa
の割合と実質的に同一とするとき、この超格子層を構成
するAlAs層の厚さとGaAs層の厚さとの比(d
AlAs:dGaAs)が、Al1-x Gax As層の組成比(1
−x:x)と実質的に等しくなるように、各層の厚さを
制御してAlAs層とGaAs層とを積層するのがよ
い。
【0034】このようにすれば、AlGaAs超格子層
を、組成が制御されたAl1-x Gax As混晶層と巨視
的な性質が同じ層として形成することができる。そし
て、超格子層であれば、混晶層を形成するよりも容易
に、しかもより精密に含有される元素の割合を制御する
ことができる。
【0035】また、このAlGa層およびGaAs層の
それぞれの厚さは、各層の成長時間によって制御される
のが好ましい。これにより、半導体装置を構成する他の
半導体層であって、このAl元素、Ga元素およびAs
元素のうち、少なくとも1つの元素を含む層をこの超格
子層と連続して形成するときには、温度等の成長条件を
変えることなく、当該層を成長させる時間を制御するだ
けで容易に形成することができる。このため、半導体装
置の超格子層を含む多層構造を形成する工程を、再現性
および信頼性に優れた工程にすることができる。
【0036】また、被酸化層を、例えば、InAlGa
As超格子層としても良い。この超格子層を、InAs
層とAlAs層とGaAs層とで構成しても良いし、I
nAs層とAlGaAs層とで構成してもよい。また、
この超格子層をAlAs層とInGaAs層とで構成し
ていてもよい。さらに、この超格子層をGaAs層とI
nAlAs層とで構成することもできる。
【0037】また、被酸化層を、例えば、InAlAs
超格子層としても良い。この超格子層を、InAs層と
AlAs層との積層構造で構成するのが好適である。
【0038】また、被酸化層は、例えば、ZnMgSS
e超格子層としても良い。この超格子層を、ZnS層と
MgSe層とで構成するのが好適である。
【0039】また、電流路制限層を具えた半導体装置を
製造する際、この電流制限層は、半導体装置からの発光
の光学的特性に影響を及ぼさないような厚さを有する層
であるのがよい。光学的な影響を無視できるような厚さ
は20nm程度であるため、超格子層を構成する各層
は、合わせて20nmの厚さになるように積層すればよ
い。
【0040】また、好ましくは、製造する半導体発光装
置は、多層膜反射ミラーを具えていて、上述した電流阻
止部と電流チャネル部とからなる電流狭窄層は、多層膜
反射ミラーを構成する層の一部であるのが良い。多層膜
反射ミラーは、発光波長の4分の1の光学的厚みを有す
る層が多数積層されている。このため、電流狭窄層とな
る被酸化層の厚さは、発光波長の4分の1の光学的厚さ
に形成する。よって、被酸化層である超格子層は、上記
のような厚さの層となるように積層する層の数を決定す
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の実
施の形態につき説明する。なお、各図は発明を理解でき
る程度に各構成成分の形状、大きさおよび配置関係を概
略的に示してあるに過ぎず、したがってこの発明を図示
例に限定するものではない。また、図において、図を分
かり易くするために断面を示すハッチング(斜線)は一
部分を除き省略してある。
【0042】<第1の実施の形態>第1の実施の形態と
して、図1〜図4を参照して、AlAs層とGaAs層
とで構成されるAlGaAs超格子層を被酸化層とし
て、この被酸化層を端面側から中心側に向かって酸化し
て得られる酸化領域を電流阻止部とし、非酸化領域を電
流チャネル部として用いる半導体面発光レーザ素子の製
造方法につき、説明する。図1は、製造された半導体面
発光レーザ素子の概略的な構造説明図であり、断面の切
り口を示す図である。また、図2は、この実施の形態の
主要な製造工程図であり、最終的に半導体面発光レーザ
素子になる構造体の断面の切り口を示している。図3
は、図1の電流路制限層を拡大して示した図である。ま
た、図4は、図2(B)のAl0.98Ga0.02As超格子
層を拡大して示した図である。
【0043】まず、図1を参照して、製造する半導体面
発光レーザ素子10(以下、半導体装置と称する。)の
構造を説明する。
【0044】まず、基板(n型GaAs基板)11上
に、下部多層膜反射ミラー17(n型DBR(Distribu
ted Bragg Reflector )ミラー)、活性層19、および
電流路制限層21を最下層に含む上部多層膜反射ミラー
35(p型DBRミラー)がこの順で設けられている。
そして基板11の裏面側にはn型電極37が設けられて
いて、p型DBRミラー35の表面にはp型電極39が
設けられている。
【0045】電流路制限層21は、中心部27が電流チ
ャネル部でこの中心部27の周辺領域29が電流阻止部
となっている。
【0046】また、n型DBRミラー17は、第1Ga
As層15と第1AlAs層13とが交互に20組(G
aAs/AlAs層を1組とする。)以上を積層して構
成されている。同様にp型DBRミラー35は、最下層
に上記電流路制限層21を具え、第2GaAs層33と
第2AlAs層31とが交互に20組以上積層されてい
る。
【0047】また、活性層19は、InGaAs/Ga
As量子井戸構造からなっている。
【0048】そして、電流路制限層21は、超格子層が
中心部を残して酸化され、酸化領域である電流阻止部と
非酸化領域である電流チャネル部とで構成されている。
この超格子層は、この例ではAlAs薄層23とGaA
s薄層25との積層構造である。このAlAs/GaA
s超格子層は、AlGaAs混晶層と実質的に同じ割合
の元素を含む層となっている。この例では、80nmの
厚さのAl0.98Ga0.02As混晶層と、含まれる元素の
割合が同じになるように、9.8nmの厚さのAlAs
薄層23と0.2nmの厚さのGaAs薄層25とが全
部で8層積層されてなる超格子層21である(図3参
照。)。このAlAs/GaAs超格子層は、端面側か
ら中心部に向かって酸化されていて、中心部27は未酸
化AlGaAsからなる直径約2μmの電流チャネル部
となっていて、その周辺領域29は酸化AlGaAsか
らなる電流阻止部となっている(図1および図3)。
【0049】なお、活性層19、p型DBRミラー35
およびp型電極39は、直径約20μmの円筒形41
(円形ポスト構造)に形成されている。
【0050】次に、図1に示した半導体装置を製造する
際の製造方法につき、図2に示した主要な工程における
構造体の断面の切り口の図を用いて説明する。
【0051】半導体装置は、酸化領域を電流阻止部、お
よび非酸化領域を電流チャネル部とする電流路制限層を
含む化合物半導体装置である。このような半導体装置を
製造するにあたり、被酸化層を超格子層として形成する
積層工程と、この被酸化層に対して酸化処理を行って、
被酸化層の中心部を非酸化領域とし、この中心部の周辺
領域を酸化領域とする酸化工程とを含んでいる。
【0052】この例の半導体装置は、図1に示してある
ように、基板11上に、下部多層膜反射ミラー17、活
性層19、電流路制限層21を含む上部多層膜反射ミラ
ー35とを具えた半導体面発光レーザ素子である。この
ため、積層工程の前に、基板上に下部多層膜反射ミラー
を形成する。
【0053】まず、n型GaAs基板11を通常の結晶
成長用の真空チャンバ内に搬入する。そして、MBE法
(分子線結晶成長法)を用いて、このn型GaAs基板
11の表面に、Siによってn型にドーピングされた第
1AlAs層13と第1Gaas層15とを積層する。
この第1AlAs層13と第1GaAs層15のそれぞ
れの厚さは、発光波長の1/4程度の光学的厚さとなる
ようにする。この例では、発光波長を950nmとす
る。このため、第1AlAs層13を83nmの厚さ
に、および第1GaAs層15を67nmの厚さに交互
に積層する。第1AlAs層13を1層と、第1GaA
s層15を1層とを、AlAs/GaAs層とし、これ
を1組と数えて、所定の反射率が得られる程度に積層さ
せる。この例では20組以上積層させて反射率99%の
n型DBRミラー17が形成される。また、各層を成長
させる成長装置内には、層を構成する材料が入ったるつ
ぼが備えてあり、このるつぼの温度を一定にして成長さ
せる層の成長速度を制御している。ここでは、第1Al
As層13および第1GaAs層15の成長速度を、ど
ちらの層も共に0.72μm/時間となるようにしてあ
る。(図2(A))。
【0054】次に、下部多層膜反射ミラー17上に活性
層を設ける。
【0055】この例では、n型DBRミラー17の最上
層である第1AlAs層13の表面にInGaAs/G
aAs量子井戸構造からなる活性層用膜18を形成す
る。
【0056】この後、上記積層工程を行う。すなわち、
活性層上に被酸化層を形成する。
【0057】この例では、活性層用膜18の表面に、後
に被酸化層となるAl0.98Ga0.02As超格子層20を
形成する。この超格子層20を、後に形成するp型DB
Rミラー35の最下層のAlAs層の代わりとして構成
する。このため、超格子層20全体の厚さを発光波長
(950nm)の1/4程度の光学的厚さにする必要が
ある。よって、この厚さはAlAs層の厚さと同様に8
0nm程度とする。さらに、この超格子層20は、後の
工程において部分的に酸化処理される。この酸化速度を
制御するために、超格子層を構成する第1層としてのA
lAs薄膜22と、第2層としてのGaAs薄膜24と
を積層してなる超格子層には、Al0.98Ga0.02As混
晶層に含まれる元素の割合と、実質的に同じ割合で元素
が含まれているようにする必要がある(図4参照。)。
このため、ここでは、AlAs薄膜(第1層)22とG
aAs薄膜(第2層)24の厚さの比を、Al0.98Ga
0.02As混晶層の組成比と同じにする。すなわち、Al
As薄膜22の厚さとGaAs薄膜24との比を98:
2とする。よって、この例では、AlAs薄膜22の厚
さを9.8nmとし、GaAs薄膜24の厚さを0.2
nmとする。これらAlAs薄膜22およびGaAs薄
膜24の成長は、上述したn型DBRミラー17を形成
した工程と同じ装置を用いて、装置内の圧力およびるつ
ぼの温度等の成長条件は一定に維持された状態で行われ
る。よって、AlAs層およびGaAs層の成長速度
は、n型DBRミラー17を形成したときと同じ0.7
2μm/時間である。これにより、AlAs薄膜22お
よびGaAs薄膜24の厚さは、成長時間によって制御
される。よって、この例では、AlAs薄膜22の成長
時間を49秒とし、GaAs薄膜24の成長時間は1秒
として形成する。これにより、9.8nmの厚さのAl
As薄膜22および0.2nmの厚さのGaAs薄膜2
4が得られる(図4)。また、超格子層20の厚さを8
0nmとするために、AlAs/GaAs薄膜を8組形
成する。この結果、80nmの厚さのAl0.98Ga0.02
As超格子層20が形成される(図4)。
【0058】その後、被酸化層上に上部多層膜反射ミラ
ーを形成する。
【0059】この例では、被酸化層は上部多層膜反射ミ
ラーの最下層として構成する。よって、この最下層の上
側の上部多層膜反射ミラ−の積層構造の形成方法につき
説明する。
【0060】ここでは、Al0.98Ga0.02As超格子層
20の表面に、Beによってp型にドーピングされた、
第2AlAs/第2GaAs膜を20組以上、積層す
る。第2AlAs膜30の厚さは発光波長の1/4の程
度の光学的厚さである83nmとし、第2GaAs膜3
2の厚さは、同様に76nmとなるようにする。また、
上述したように、ここでは、最下層の第2AlAs膜の
代わりに80nmの厚さのAl0.98Ga0.02As超格子
層20を用いている。これにより、p型DBRミラー用
積層構造34が形成される(図2(A))。
【0061】次に被酸化層の端面を露出させる。
【0062】この例では、被酸化層となるAl0.98Ga
0.02As超格子層20、その上のp型DBRミラー用積
層構造34、およびAl0.98Ga0.02As超格子層20
の下側の活性層用膜18の端面を露出させる。
【0063】ここでは、最上層である第2GaAs膜3
2の表面に所定の膜厚のSiO2 膜を形成し、通常のフ
ォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることに
より、直径約20μmの円形マスク43を形成する(図
2(A))。
【0064】そして、この円形マスク43を用いたドラ
イエッチングによって、円形マスク43から露出してい
るp型DBRミラー用積層構造34の部分、およびその
下に位置するAl0.98Ga0.02As超格子層20および
活性層用膜18の部分をエッチング除去することによ
り、活性層19、被酸化層20xおよびp型DBRミラ
ー35からなる円形ポスト構造41が形成される(図2
(B))。なお、これにより、被酸化層20xの端面2
0xaが露出する(図2(B))。
【0065】次に、被酸化層に対する酸化工程を行う。
【0066】この例では、少なくとも、p型DBRミラ
ー35の露出している側面35aをSiN膜で保護した
後(図示せず。)、酸化炉中へ、図2(B)に示す構造
体40を導入する。その後、水蒸気雰囲気中で、425
℃の温度で約10分間、被酸化層20xの酸化処理を行
う。これにより、この実施の形態では、被酸化層20x
の中央から直径約2μmの領域を残した領域を、選択的
に酸化することができる。これにより、被酸化層20x
を、中央部の未酸化AlGaAs27からなる直径約2
μmの電流チャネル部と、中央部の周辺領域の酸化Al
GaAs29からなる電流阻止部とが形成された電流路
制限層21に変えることができる(図1参照。)。
【0067】その後、通常の方法により、n型電極37
およびp型電極39の形成を行い、半導体装置10を完
成させる(図1)。
【0068】この結果、後に電流路制限層21となる被
酸化層20xを、Al0.98Ga0.02As超格子層2
0で構成しているために、この層20に含まれる元素の
割合は、層20を構成するAlAs薄膜22およびGa
As薄膜24の厚さを制御することによって、精密に制
御することができる。この層20の厚さは、結晶成長工
程において、DBRミラー等の結晶成長条件を変えるこ
となく、成長時間を制御するだけで形成することができ
る。よって、DBRミラー等の他の層と超格子層20と
を連続して成長させることができる。よって、半導体装
置10を構成する多層構造を形成する結晶成長工程の、
再現性および信頼性を向上させることができる。
【0069】また、被酸化層20xを、上述したように
Al0.98Ga0.02As超格子層としているため、A
0.98Ga0.02As混晶層と実質的に同じ作用および効
果を有する層となるため、酸化速度をAlAs層の酸化
速度よりも遅くすることができる。このため、被酸化層
の酸化する領域の範囲を制御することができる。よって
再現性の良い酸化処理を行うことができる。また、この
層の酸化工程の前後での厚さの変化を抑制することがで
きる。従って、半導体装置の信頼性を向上させることが
できる。
【0070】また、この実施の形態においては、Al
0.98Ga0.02As超格子層20を、p型DBRミラーの
一部とし、厚さが80nm程度になるようにしたが、こ
の超格子層20の厚さを、活性層19からの発光に与え
る光学的な影響が無視できる程度に薄くしてあってもよ
い。例えば、20nm程度の厚さとするとき、AlAs
/GaAs薄膜(22/24)は2組積層すればよい。
【0071】また、この実施の形態では、被酸化層20
xをAlGaAs層とする場合につき、説明したが、こ
れに限らず、被酸化層が他の3元化合物半導体層や4元
化合物半導体層である場合にも適用可能である。これら
の3元化合物半導体層や4元化合物半導体層を、異なる
2元化合物半導体層同士の超格子層や、2元化合物半導
体層と3元化合物半導体層との超格子層や、3元化合物
半導体層同士の超格子層で構成することができる。例え
ば、被酸化層がInAlAs層であるときには、この層
をInAs層とAlAs層との超格子層とするのがよ
い。また、例えば、被酸化層がInAlGaAs層であ
るときには、この層を、InAs層とAlAs層とGa
As層との超格子層、またはGaAs層とInAlAs
層との超格子層、またはInAs層とAlGaAs層と
の超格子層とで構成することができる。また、例えば、
被酸化層が、ZnMgSSe層である場合、この層をZ
nS層とMgSe層との超格子層で構成することができ
る。
【0072】<第2の実施の形態>第2の実施の形態と
して、図5〜図9を参照して、第1の実施の形態と同様
にAlAs層とGaAs層とで構成されるAlGaAs
超格子層を、端面側から中心部に向かって酸化し、これ
により得られる酸化領域を電流阻止部とし、非酸化領域
を電流チャネル部とする電流路制限層を具えた半導体面
発光レーザ素子であって、この素子の構成要素であるD
BRミラーを、酸化されたAlGaAs超格子層とGa
As層との積層構造とする例につき、説明する。図5
は、第2の実施の形態の半導体面発光レーザ素子の概略
的な構造説明図であり、断面の切り口を示す図である。
図6は、第2の実施の形態の電流路制限層を拡大した断
面の図である。図7および図8は、この実施の形態の主
要な製造工程図である。図9は、図8(B)のAl0.96
Ga0.04As超格子層の拡大図である。
【0073】以下、第1の実施の形態と相違する点につ
き説明し、第1の実施の形態と同様の点についてはその
詳細な説明を省略する。
【0074】まず、図5および図6を参照して、この実
施の形態の半導体面発光レーザ素子50(以下、半導体
装置と称する。)の構造を説明する。
【0075】第1の実施の形態と同様に、基板(アンド
ープGaAs基板)51上に下部酸化多層膜反射ミラー
(下部酸化DBRミラー)57、活性層61、電流路制
限層63、および上部酸化多層膜反射ミラー(上部酸化
DBRミラー)81が、この順に具えられている。
【0076】そして、この実施の形態の半導体装置にお
いては、基板51の裏面側および上部酸化DBRミラー
81の上側に、n型電極およびp型電極をそれぞれ設け
ることができないために、下部酸化DBRミラー57と
活性層61との間に、n型電極89を設けるためのn型
コンタクト層59が設けられている。また、上部酸化D
BRミラー81と電流路制限層63との間に、p型電極
91を設けるためのp型コンタクト層75が設けられて
いる。
【0077】また、下部酸化DBRミラー57は、第1
酸化AlGaAs超格子層53と第1GaAs層55と
の積層構造を有している。そして、第1酸化AlGaA
s超格子層53および第1GaAs層55の厚さは、そ
れぞれ、発光波長の1/4の光学的厚さにしてある。こ
こでは、発光波長を950nmとしている。このため1
50nmの厚さの第1酸化AlGaAs超格子層53
と、67nmの厚さの第1GaAs層55とが交互に、
例えば4組(GaAs/酸化AlGaAs層(53/5
5))以上積層されている(図5)。また、この下部酸
化DBRミラー57を構成している第1酸化AlGaA
s超格子層53は、9.8nmの厚さのAlAs薄層と
0.2nmの厚さのGaAs薄層とを交互に15組積層
することにより構成されたAl0.98Ga0.02As超格子
層が酸化されて形成されている(図示せず。)。
【0078】また、n型コンタクト層59は、GaAs
コンタクト層であり、この層59は、発光波長(ここで
は、950nm)の1/2程度の光学的厚さにしてあ
る。すなわち、この例では135nmの厚さに形成され
ている。
【0079】また、この実施の形態の半導体装置の活性
層61は、第1の実施の形態と同様のInGaAs/G
aAs量子井戸構造からなる(図5)。
【0080】そして、この実施の形態の電流路制限層6
3は、第1の実施の形態と同様に、超格子層が中心部7
1を残して酸化されていて、酸化領域73である電流阻
止部と非酸化領域71である電流チャネル部とで構成さ
れている。また、超格子層はAlAs薄層65とGaA
s薄層67との積層構造である。この例では、電流路制
限層63を構成する超格子層が、Al0.96Ga0.04As
混晶層と実質的に同じ割合の元素を含む層になるように
してある。よって、この超格子層をAl0.96Ga0.04
s超格子層と称する。この超格子層は、9.6nmの厚
さのAlAs薄層65と0.4nmの厚さのGaAs薄
層67とが全部で4層(2組)積層されている(図
6)。また、この電流路制限層63は、中央部71が未
酸化AlGaAsからなる直径約2μmの電流チャネル
部であり、その周囲73は酸化AlGaAsからなる電
流阻止部となっている(図5および図6)。
【0081】また、p型コンタクト層75は、ここで
は、p型GaAsコンタクト層である。そして、135
nmの厚さ(発光波長の1/2程度の光学的厚さ)で設
けられている。
【0082】そして、上部酸化DBRミラー81は、下
部酸化DBRミラーと同様に、150nmの厚さの第2
酸化AlGaAs超格子層77と67nmの厚さの第2
GaAs層79とが、交互に4組積層されている(図
5)。
【0083】また、下部DBRミラー57およびn型G
aAsコンタクト層59は、基板51上に、直径50μ
mの第3円形ポスト構造83となるように形成されてい
て、活性層61、電流路制限層63およびp型GaAs
コンタクト層75は、n型GaAsコンタクト層59上
に、直径約30μmの第2円形ポスト構造85となるよ
うに形成されていて、さらに上部DBRミラー81はp
型GaAsコンタクト層75上に直径10μmの第1円
形ポスト構造87となるように形成されている(図
5)。
【0084】また、n型GaAsコンタクト層59上の
領域であって、第2円形ポスト構造85が形成されてい
ない領域にn型電極89が設けられていて、p型GaA
sコンタクト層75上の領域であって、第1円形ポスト
構造87が形成されていない領域にp型電極91がそれ
ぞれ設けられている(図5)。
【0085】次に、図5に示した半導体装置の製造方法
につき、図7、図8および図9を参照して説明する。
【0086】図7および図8は、後に半導体装置となる
構造体の断面の切り口を示す図である。
【0087】まず、第1の実施の形態と同様に、下部酸
化多層膜反射ミラー57を形成する。
【0088】この例では、電流路制限層を形成する酸化
工程によって、下部酸化多層膜反射ミラーが完成するた
め、まず、酸化されて下部酸化多層膜反射ミラーとなる
下部多層構造を形成する。
【0089】アンドープGaAs基板51の表面に、M
BE法を用いて、下部多層構造56を形成する。この例
では、下部多層構造56を、第1Al0.98Ga0.02As
超格子層52と第1GaAs膜54との積層構造とす
る。ここでは、第1Al0.98Ga0.02As超格子層52
および第1GaAs膜54の厚さを、それぞれ発光波長
の1/4の光学的厚さの層にする。このため、第1Al
0.98Ga0.02As超格子層52を150nmの厚さに、
および第1GaAs膜54を67nmの厚さに交互に積
層して、第1の実施の形態と同じ程度の99%の反射率
が得られるようにする。Al0.98Ga0.02As超格子層
/GaAs膜(52/54)をこの例では4組積層させ
る。第1Al0.98Ga0.02As超格子層52は、9.8
nmの厚さのAlAs薄層と0.2nmの厚さのGaA
s薄層とを交互に15層ずつ積層させた超格子構造を有
している(図示せず。)。この超格子層52に含まれる
AlとGaの割合は、実質的にAl0.98Ga0.02As混
晶層に含まれるAlおよびGaの割合と同じである。成
長装置内の圧力および各材料(元素)の入ったるつぼの
温度を一定に制御することにより、GaAs薄層および
AlAs薄層を成長させる成長速度を、共に例えば、
0.72μm/時間とする。これにより、AlAs薄層
およびGaAs薄層の厚さを成長時間によって制御する
ことができる。よって、この例では、超格子層52を、
AlAs薄層の成長時間を49秒としGaAs薄層の成
長時間を1秒として形成する。なお、第1GaAs膜5
4の成長時間は、93秒とする。これにより、下部多層
構造56が形成される。
【0090】次に、この例では、下部多層構造56上
に、後に、n型コンタクト層となるn型GaAsコンタ
クト膜58を形成する。
【0091】ここでは、下部多層構造56の最上層であ
る第1Al0.98Ga0.02As超格子層52の表面にn型
GaAsコンタクト膜58を形成する。この膜58の厚
さは、発光波長の1/2程度の光学的厚さとする。よっ
て、ここでは、135nmの厚さにする。
【0092】次に、n型コンタクト膜58上に、最終的
には活性層となる活性層用膜60を形成する。
【0093】ここでは、n型GaAsコンタクト膜58
の表面にInGaAs/GaAs量子井戸構造からなる
活性層用膜60を形成する(図7(A))。
【0094】その後、活性層上に被酸化層を形成する。
【0095】ここでは、活性層用膜60上に被酸化層と
なるAl0.96Ga0.04As超格子層62を形成する。こ
の例では、このAl0.96Ga0.04As超格子層62の厚
さを、活性層61からの発光に光学的な影響を実質的に
与えないような厚さとする。このため、この層62の厚
さを20nm程度とする。また、後に行われる酸化工程
において、上記下部多層構造およびこれから形成する上
部多層構造も同時に酸化して、下部および上部酸化多層
膜反射層にする。これらの多層構造を構成しているAl
0.98Ga0.02As超格子層は、このとき、全面的に酸化
する。しかしながら、被酸化層となるAl0.96Ga0.04
As超格子層62は中央部を非酸化領域として残存させ
る。このため、この超格子層62の酸化速度を、多層構
造のAl0.98Ga0.02As超格子層よりも遅くさせるた
めに、この例では、超格子層62に含まれるGaの含有
量を多くして、実質的にAl0.96Ga0.04As混晶層に
含まれるAlとGaの割合と同じにする。従って、ここ
では、Al0.96Ga0.04As超格子層62を構成する、
第1層としてのAlAs薄膜64の厚さと、第2層とし
てのGaAs薄膜66の厚さとの比を、96:4にす
る。このため、ここでは、AlAs薄膜64の厚さを
9.6nmとし、GaAs薄膜66の厚さを0.4nm
とする(図9)。この例では、成長装置内のるつぼの温
度や圧力等の成長条件を変えず、成長速度を下部多層構
造56を形成したときの速度と同じ0.72μm/時間
とする。このため、AlAs薄膜64の成長時間を48
秒とし、GaAs薄膜66の成長時間を2秒として形成
する。これにより、9.6nmの厚さのAlAs薄膜6
4および0.4nmの厚さのGaAs薄膜66が得られ
る(図9)。また、ここでは超格子層62の厚さを20
nmとするためにAlAs/GaAs薄膜(64/6
6)を2組形成する。この結果、20nmの厚さのAl
0.96Ga0.04As超格子層62が形成される(図9)。
【0096】そして、このAl0.96Ga0.04As超格子
層62の表面にp型GaAsコンタクト膜74を、n型
GaAsコンタクト膜58と同様に、発光波長の1/2
の光学的厚さである135nmの厚さで形成させる(図
7(A))。
【0097】その後、p型コンタクト層74上に上部酸
化多層膜反射ミラーを形成する。
【0098】ここでは、後に上部酸化多層膜反射ミラー
となる上部多層構造を形成する。この上部多層構造を、
第2Al0.98Ga0.02As超格子層76と第2GaAs
膜78との積層構造とする。p型GaAsコンタクト膜
74の表面に、150nmの厚さの第2Al0.98Ga
0.02As超格子層76と67nmの厚さの第2GaAs
膜78とを交互に4組積層させる。この第2Al0.98
0.02As超格子層76は9.8nmの厚さのAlAs
薄層と0.2nmの厚さのGaAs薄層とを15組積層
させた超格子構造を有している(図示せず。)。この第
2Al0.98Ga0.02As超格子層76および第2GaA
s膜78は、下部多層構造56と同様にして形成する。
これにより、上部多層構造80が形成される(図7
(A))。
【0099】次に最上層である第2GaAs膜78の表
面に、所定の膜厚のSiO2 膜を形成し、通常のフォト
リソグラフィ技術を用いてパターニングすることによ
り、直径10μmの円形マスク93を形成する(図7
(A))。
【0100】そして、この円形マスク93を用いたドラ
イエッチングによって、円形マスク93から露出してい
る上部多層構造80をエッチング除去することにより、
上部多層構造80の残存部分80xからなる第1円形ポ
スト構造87が形成される(図7(B))。
【0101】次に、上部多層構造の残存部分80xの表
面には円形マスク93を残存させたまま、露出している
p型GaAsコンタクト膜74上に、第1リング状マス
ク95を設ける(図7(B))。この第1リング状マス
ク95と円形マスク93とを上から見たときに直径30
μmの円形となるようにする。よって、第1リング状マ
スク95は、リングの内側の円の直径が10μmで、外
側の円の直径が30μmとなるような形状となってい
る。円形マスク93と第1リング状マスク95とを用い
てドライエッチングを行うことにより、p型GaAsコ
ンタクト膜74、Al0.96Ga0.04As超格子層62お
よび活性層用膜60の残存部分(74x(75),62
x,60x(61))からなる第2円形ポスト構造85
が形成される(図8(A))。これにより、Al0.96
0.04As超格子層の残存部分62xは、端面が露出し
た被酸化層となる。
【0102】さらに、円形マスク93および第1リング
状マスク95は残存させたまま、露出しているn型Ga
Asコンタクト膜58上に外側の円の直径が50μm
で、かつ内側の円の直径が30μmの第2リング状マス
ク97を設ける(図8(A))。この第2リング状マス
ク97と、上記円形マスク93および第1リング状マス
ク95とを用いてドライエッチングを行うことにより、
n型GaAsコンタクト膜58および下部多層構造56
の残存部分(58x(59),56x)からなる第3円
形ポスト構造83が形成される(図8(B))。
【0103】続いて、円形マスク93、第1リング状マ
スク95および第2リング状マスク97を除去した後、
露出する第1、第2および第3円形ポスト構造(87,
85,83)の上面を、SiN膜で保護する(図示せ
ず。)。この後、第1の実施の形態と同様に、酸化炉中
に導入して、水素雰囲気中、425℃の温度で約40分
酸化処理を行う。これにより、残存する上部多層構造8
0xおよび下部多層構造56xとを構成しているAl
0.98Ga0.02As超格子層は、第1および第3円形ポス
ト構造(87および83)の側壁から中心まで全面的に
酸化される。この結果、上部酸化多層膜反射ミラー(上
部酸化DBRミラー)81および下部酸化多層膜反射ミ
ラー(下部酸化DBRミラー)57が形成される(図5
参照。)。
【0104】また、この酸化処理によって、被酸化層6
2xも、端面から中心に向かって酸化が進む。しかしな
がら、この層62xは、上部および下部多層構造(80
x,56x)を構成しているAl0.98Ga0.02As超格
子層よりも、Gaの含有されている割合が高くAlの含
有されている割合が小さい。このため、この被酸化層6
2xの酸化速度を遅くすることができる。従って40分
の酸化時間では全面的には酸化されず、中央から直径約
5μmの領域を残した領域が選択的に酸化される。これ
により、被酸化層62xを、未酸化AlGaAs71か
らなる直径約5μmの電流チャネル部と、酸化AlGa
As73からなる電流阻止部とが形成された電流路制限
層63に変えることができる(図5)。
【0105】その後、SiN膜を除去した後、露出する
p型GaAsコンタクト層75上にp型電極91を形成
し、n型GaAsコンタクト層59上にn型電極89
を、通常の方法により形成して、この実施の形態の半導
体装置を完成させる。
【0106】この結果、第1の実施の形態と同様に半導
体装置を構成する多層構造を形成する結晶成長工程を、
再現性および信頼性良く行うことができる。
【0107】また、この実施の形態では、酸化DBRミ
ラー(57,81)を用いていて、この酸化DBRミラ
ー(57,81)の構成要素として酸化Al0.98Ga
0.02As超格子層が含まれている。そして電流路制限層
63は、Al0.96Ga0.04As超格子層の酸化領域であ
る電流阻止部と非酸化領域である電流チャネル部とで構
成されている。これらの超格子層の酸化は、一回の酸化
処理工程によって行っている。ここで、電流路制限層に
おいては、超格子層に含有されるAlの割合を、酸化D
BRミラーとなる超格子層に含有されるAlの割合より
も小さくする。これにより、一度の酸化処理工程で、同
じ時間だけ酸化処理を行っても、電流路制限層となる超
格子層の酸化速度を遅くすることができる。このため、
酸化DBRミラーとなる超格子層が全面的に酸化されて
も、電流路制限層となる超格子層には未酸化部分を残す
ことができる。
【0108】また、この実施の形態では、被酸化層をA
lGaAs層とする場合につき、説明したが、これに限
らず、被酸化層が他の3元化合物半導体層や4元化合物
半導体層である場合にも適用可能である。これらの3元
化合物半導体層や4元化合物半導体層を、異なる2元化
合物半導体層同士の超格子層や、2元化合物半導体層と
3元化合物半導体層との超格子層や、3元化合物半導体
層同士の超格子層で構成することができる。例えば、被
酸化層がInAlAs層であるときには、この層をIn
As層とAlAs層との超格子層とするのがよい。ま
た、例えば、被酸化層がInAlGaAs層であるとき
には、この層を、InAs層とAlAs層とGaAs層
との超格子層、またはGaAs層とInAlAs層との
超格子層、またはInAs層とAlGaAs層との超格
子層とで構成することができる。また、例えば、被酸化
層が、ZnMgSSe層である場合、この層をZnS層
とMgSe層との超格子層で構成することができる。
【0109】また、第1および第2の実施の形態におい
て、酸化領域を電流阻止部および非酸化領域を電流チャ
ネル部とする電流制限層を含む半導体装置につき説明し
たが、これに限らず、酸化領域を、表面のパッシベーシ
ョン膜として用いる半導体装置や、光出力面の保護膜を
この酸化領域で構成しても良い。また、反射率の向上を
図るために多層膜反射鏡の一部を酸化する場合の酸化領
域として、酸化速度の速い組成からなる第1層と、第1
層よりも薄く、かつ酸化速度の遅い組成からなる第2層
との超格子層を用いてもよい。
【0110】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、少なく
とも被酸化層の一部若しくは全部を酸化して得られる酸
化領域を具えた化合物半導体装置を製造する方法によれ
ば、被酸化層を、酸化速度の速い組成からなる第1層
と、この第1層よりも酸化速度の遅い組成からなる第2
層との超格子層として形成する積層工程と、被酸化層に
対して酸化処理を行って、被酸化層の一部若しくは全部
を酸化領域にする酸化工程とを含んでいる。これによ
り、被酸化層の第2層が第1層の酸化速度を遅くする緩
和層として働き、被酸化層全体の酸化速度を抑制するこ
とができる。よって、被酸化層の酸化速度を制御するこ
とができ、形成する酸化領域の再現性を向上させること
ができる。また、酸化領域の厚さが酸化工程の前後で変
化するのを抑えることができ、剥離したりすることのな
い信頼性に優れた酸化領域が得られる。従って、化合物
半導体素子の表面のパッシベーション膜や、光出力面の
保護膜を、このような酸化領域で構成することができ
る。また、化合物半導体素子の多層膜積層構造の一部を
酸化して電流狭窄層を形成する場合や、ミラーの反射率
を向上させるために多層膜反射鏡の一部を酸化する場合
において、被酸化層の酸化速度を制御することができる
ために、好ましい電流狭窄層や酸化多層膜反射ミラーを
形成することができる。
【0111】また、酸化領域を電流阻止部、および非酸
化領域を電流チャネル部とする電流路制限層を含む化合
物半導体装置を製造する際、被酸化層を超格子層として
形成する積層工程と、この被酸化層に対して酸化処理を
行って、被酸化層の中心部を非酸化領域とし、この中心
部の周辺領域を酸化領域にする酸化工程とを含んでい
る。
【0112】従来は、酸化速度を制御することができ、
かつ酸化工程前後の層の厚さの変化を低減させることが
できるような組成の混晶層を用いていたが、この発明に
よれば、この従来の混晶層の代わりに、この混晶層に含
まれる元素の割合と実質的に同様の割合で元素を含有さ
せることのできる超格子層を用いて、この超格子層を被
酸化層として形成している。この超格子層は、元素の含
有される割合を、超格子層を構成する各層の厚さを制御
することによって、より精密に制御することができる。
また、層の厚さは成長時間によって容易に制御できる。
このため、従来の混晶層の場合と同様に、酸化工程前後
での層の厚さの変化を低減することができる。また、こ
の超格子層は、実質的に従来の混晶層に含まれる元素の
割合と同じ割合の元素を含んでいるため、この超格子層
の酸化速度を低減することができる。よって、電流阻止
部となる、酸化領域の範囲を容易に制御することができ
る。また、半導体装置には、超格子層の他に、この超格
子層を構成している元素が含まれる層を具えている。通
常これらの層は、同一装置内で連続して形成する。この
発明の超格子層は、超格子層を構成している各層の厚さ
によって組成が制御されている。この層の厚さは上述し
たように成長時間で制御している。このため、この超格
子層は、他の層の、例えば温度等の成長条件を変えるこ
となく、連続して形成することが可能である。従って、
半導体装置を構成している被酸化層と、他の層とを再現
性および信頼性良く成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の半導体装置の概略的な構造
説明図である。
【図2】(A)および(B)は、第1の実施の形態の主
要な製造工程図である。
【図3】第1の実施の形態の電流路制限層の概略的な拡
大図である。
【図4】第1の実施の形態のAl0.98Ga0.02As超格
子層の概略的な拡大図である。
【図5】第2の実施の形態の半導体装置の概略的な構造
説明図である。
【図6】第2の実施の形態の電流路制限層の概略的な拡
大図である。
【図7】(A)および(B)は、第2の実施の形態の主
要な製造工程図である。
【図8】(A)および(B)は、図7に続く第2の実施
の形態の主要な製造工程図である。
【図9】第2の実施の形態のAl0.96Ga0.04As超格
子層の概略的な拡大図である。
【符号の説明】
10,50:半導体面発光レーザ素子(半導体装置) 11:基板(n型GaAs基板) 13:第1AlAs層 15,55:第1GaAs層 17:下部多層膜反射ミラー(n型DBRミラー) 18,60:活性層用膜 19,61:活性層 20:Al0.98Ga0.02As超格子層 20x:被酸化層 20xa:端面 21,63:電流路制限層 22,64:AlAs薄膜(第1層) 23,65:AlAs薄層 24,66:GaAs薄膜(第2層) 25,67:GaAs薄層 27,71:中心部(未酸化AlGaAs、電流チャネ
ル部) 29,73:周辺領域(酸化AlGaAs、電流阻止
部) 30:第2AlAs膜 31:第2AlAs層 32,78:第2GaAs膜 33,79:第2GaAs層 34:p型DBRミラー用積層構造 35:上部多層膜反射ミラー(p型DBRミラー) 35a:側面 37,89:n型電極 39,91:p型電極 40:構造体 41:円筒形(円形ポスト構造) 43,93:円形マスク 51:基板(アンドープGaAs基板) 52:第1Al0.98Ga0.02As超格子層 52x:(第1Al0.98Ga0.02As超格子層の)残存
部分 53:第1酸化AlGaAs超格子層 54:第1GaAs膜 54x:(第1GaAs膜の)残存部分 56:下部多層構造 56x:(下部多層構造の)残存部分 57:下部酸化多層膜反射ミラー(下部酸化DBRミラ
ー) 58:n型(GaAs)コンタクト膜 59:n型(GaAs)コンタクト層 60x:(活性層用膜の)残存部分 62:Al0.96Ga0.04As超格子層 62x:(Al0.96Ga0.04As超格子層の)残存部分
(被酸化層) 74:p型(GaAs)コンタクト膜 74x:(p型GaAsコンタクト膜の)残存部分 75:p型(GaAs)コンタクト層 76:第2Al0.96Ga0.04As超格子層 76x:(第1Al0.98Ga0.02As超格子層の)残存
部分 77:第2酸化AlGaAs超格子層 78x:(第2GaAs膜の)残存部分 80:上部多層構造 80x:(上部多層構造の)残存部分 81:上部酸化多層膜反射ミラー(上部酸化DBRミラ
ー) 83:第3円形ポスト構造 85:第2円形ポスト構造 87:第1円形ポスト構造 95:第1リング状マスク 97:第2リング状マスク

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも被酸化層の一部若しくは全部
    を酸化して得られる酸化領域を具えた化合物半導体装置
    を製造するにあたり、 前記被酸化層を、酸化速度の速い組成からなる第1層
    と、該第1層よりも酸化速度の遅い組成からなる第2層
    との超格子層として形成する積層工程と、 該被酸化層に対して酸化処理を行って、前記被酸化層の
    一部若しくは全部を前記酸化領域にする酸化工程とを含
    むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化領域を電流阻止部、および非酸化領
    域を電流チャネル部とする電流路制限層を含む化合物半
    導体装置を製造するにあたり、 被酸化層を超格子層として形成する積層工程と、 該被酸化層に対して酸化処理を行って、該被酸化層の中
    心部を前記非酸化領域とし、かつ該中心部の周辺領域を
    前記酸化領域にする酸化工程とを含むことを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記酸化工程は、前記被酸化層の端面側から該被酸化層
    の中心側に向かって酸化させることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3のいずれか一項
    に記載の半導体装置の製造方法において、 前記積層工程の前に、 基板上に下部多層膜反射ミラーを形成する工程と、 該下部多層膜反射ミラー上に活性層を設ける工程とを含
    み、 前記積層工程において、該活性層上に前記被酸化層を積
    層し、 前記積層工程と前記酸化工程との間に、 前記被酸化層上に上部多層膜反射ミラーを形成する工程
    と、 前記被酸化層の端面を露出させる工程とを含むことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記酸化工程によって、前記下部多層膜反射ミラーおよ
    び上部多層膜反射ミラーの一部の層が全面的に酸化さ
    れ、該下部多層膜反射ミラーおよび上部多層膜反射ミラ
    ーが下部酸化多層膜反射ミラーおよび上部酸化多層膜反
    射ミラーとなることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記酸化領域が、酸化多層膜反射ミラーであって、 前記被酸化層を、多層膜を構成する一部の層とし、該一
    部の層を全面的に酸化して前記酸化多層膜反射ミラーを
    形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の半
    導体装置の製造方法において、 前記被酸化層は、異なる2元化合物半導体層同士の超格
    子層、2元化合物半導体層と3元化合物半導体層との超
    格子層、または異なる3元化合物半導体層同士の超格子
    層のうちのいずれか1つの超格子層であることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記2元化合物半導体層および前記3元化合物半導体層
    は、III 族元素およびV族元素で構成される半導体層、
    またはII族元素およびVI族元素で構成される半導体層で
    あることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の半
    導体装置の製造方法において、 前記被酸化層は、AlGaAs超格子層であり、 該AlGaAs超格子層は、AlAs層である前記第1
    層とGaAs層である前記第2層とで構成されているこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体装置の製造方
    法において、 前記AlGaAs超格子層に含まれるAlおよびGaの
    割合を、Al1-x Gax As混晶層(ただし、0<x<
    1とする。)に含まれるAlおよびGaの割合と実質的
    に同一とするとき、 前記AlAs層の厚さと前記GaAs層の厚さとの比
    が、Al1-x Gax As層の組成比(1−x:x)と等
    しくなるように、前記AlAs層とGaAs層とを積層
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置の製造
    方法において、 前記AlAs層およびGaAs層のそれぞれの厚さの制
    御は、各層の成長時間によって制御されることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記被酸化層は、InAlGaAs超格子層であり、 該InAlGaAs超格子層は、InAs層とAlAs
    層とGaAs層とで構成された超格子層、InAs層と
    AlGaAs層とで構成された超格子層、AlAs層と
    InGaAs層とで構成された超格子層、およびGaA
    s層とInAlAs層とで構成された超格子層のうちの
    いずれか1つの超格子層であることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記被酸化層は、InAlAs超格子層であり、 該InAlAs超格子層は、InAs層とAlAs層と
    で構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記被酸化層は、ZnMgSSe超格子層であり、 該ZnMgSSe超格子層は、ZnS層とMgSe層と
    で構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項2〜4のいずれか一項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記電流路制限層は、発光の光学的特性に影響を及ぼさ
    ないような厚さを有する層であることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項5に記載の半導体装置の製造方
    法において、 前記電流路制限層は、前記上部多層膜反射ミラーを構成
    する層の一部であることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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