JPH10144593A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH10144593A
JPH10144593A JP8302737A JP30273796A JPH10144593A JP H10144593 A JPH10144593 A JP H10144593A JP 8302737 A JP8302737 A JP 8302737A JP 30273796 A JP30273796 A JP 30273796A JP H10144593 A JPH10144593 A JP H10144593A
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光の照明条件が切り換えられたような場
合でも高精度にレチクルアライメントやベースラインチ
ェックを行う。 【解決手段】 露光光のもとでレチクル12上のアライ
メントマーク29A,30Aの像を投影光学系8を介し
て投影し、その像をウエハステージ上の開口パターン4
1A,41Bで相対走査する。開口パターン41A,4
1Bを透過した露光光を光ファイバ42A,42B等を
介して光電センサ64A,64Bで受光して得られる光
電信号より、開口パターン41A,41Bに対するアラ
イメントマーク29A,29Bの位置ずれ量を求める。
次に偏向ミラー15,16を露光光の光路中に設定し
て、不図示のレチクルアライメント系で開口パターン4
1A,41Bに対するアライメントマーク29A,29
Bの位置ずれ量を検出し、2つの位置ずれ量の差分より
レチクルアライメント系のオフセットを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中
で、マスクパターンを感光基板上に転写するために使用
される投影露光装置に関し、更に詳しくはマスクアライ
メント用のセンサ、又は感光基板のアライメント用のセ
ンサを備えた投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、マスクと
してのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォト
レジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)
上の各ショット領域に転写する投影露光装置(ステッパ
ー等)が使用されている。例えば半導体素子は、ウエハ
上に多数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ね
て形成されるので、2層目以降の回路パターンをウエハ
上に投影露光する際には、ウエハ上の既に回路パターン
が形成された各ショット領域と、これから露光するレチ
クルのパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精
度に行う必要がある。
【0003】そのようなアライメントを行う場合には、
例えば特開平7−176468号公報に開示されている
ように、先ずレチクル側のアライメント系を介してレチ
クル上に形成されたアライメントマークと、ウエハが載
置されるウエハステージ上に固定された基準マーク板上
の所定の基準マークとの位置ずれ量を検出することによ
って、レチクルのウエハステージに対する位置合わせで
あるレチクルアライメントが行われる。この際に、従来
はレチクルアライメント用の基準マークを、基準マーク
板の底面側から露光光と同じ波長の照明光で照明する所
謂ステージ発光方式が採用され、レチクル側のアライメ
ント系ではその基準マークを通過した照明光を検出して
いた。
【0004】次に、ウエハ側の例えばオフ・アクシス方
式のアライメントセンサを介してウエハ上の所定のアラ
イメントマーク(ウエハマーク)の座標検出が行われ
る。この場合、予め、その基準マーク板上の別の基準マ
ークを用いて、ウエハ側のアライメントセンサの検出中
心とレチクルのパターンの投影像の中心(露光中心)と
の間隔であるベースライン量が求められて記憶されてい
る。このようにベースライン量を計測する工程はベース
ラインチェックと呼ばれている。そして、検出されたウ
エハマークの座標をそのベースライン量で補正した結果
に基づいてウエハステージを駆動することによって、ウ
エハ上の各ショット領域の中心が高精度に露光中心に設
定されて露光が行われていた。
【0005】また、一般に投影露光装置のウエハステー
ジの座標は、ウエハステージに固定された移動鏡と外部
のレーザ干渉計とによって計測されているが、露光中に
露光光の照射による熱変形等によってその移動鏡とその
基準マーク板との位置関係が変化すると、実質的にベー
スライン量が変動して重ね合わせ誤差が生じてしまう。
そのため、従来は基準マーク板と移動鏡とはウエハステ
ージ上で近接して配置され、両者の位置関係の変化は無
視できる程度とみなされていた。そして、この前提条件
のもとで、例えばウエハの交換中にその基準マーク板上
の基準マークを介して、ウエハステージを大きく駆動す
ることなく高速に、且つほぼ同時にレチクルアライメン
ト、及びベースラインチェックが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の投影
露光装置では、基準マーク板と移動鏡との位置関係は変
化しないものとしてレチクルアライメント等が行われて
いた。しかしながら、近年のデバイスパターンの微細化
に伴って、重ね合わせ精度も益々厳しくなる状況にあ
り、露光光の照射熱等によるウエハステージの僅かな温
度変化に起因する基準マーク板と移動鏡との位置関係の
変化が、許容範囲を超える重ね合わせ誤差を招く可能性
が出てきた。
【0007】例えば、移動鏡と基準マーク板とを低膨張
率のセラミックス製の部材で保持したり、基準マーク板
を石英から形成している場合、セラミックスや石英の線
膨張率は0.5〜1.0ppm/℃程度なので、アライ
メントセンサのベースライン量が60mm程度で、ウエ
ハステージの温度変化が0.2℃程度であるとすると、
移動鏡と基準マーク板との間隔が6〜12nm程度変化
すると共に、それに応じて移動鏡と基準マーク板との間
の傾斜角も変化することになる。最近では、この程度の
間隔の変化や傾斜角の変化でも、必要な重ね合わせ精度
を得る上で大きな障害になりつつある。そのため、レチ
クルアライメントやベースラインチェックをより高精度
に行うことが要求されている。
【0008】また、上述のようなステージ発光方式、即
ちウエハステージで基準マーク板の底面側から所定の基
準マークを照明する方式では、ウエハステージの機構が
複雑化し、且つ大型化するという不都合もあった。更
に、ステージ発光方式では露光光と同じ波長の照明光が
使用されてはいるものの、その開口数等の照明条件は固
定されていた。これに関して投影露光装置では、解像度
を高めるために投影光学系の開口数を切り換えたり、照
明光学系のコヒーレンスファクタであるσ値を切り換え
たり、更には輪帯照明法や変形照明法等に切り換えたり
することが行われている。このように照明条件等を切り
換えた場合には、露光用の照明光学系のテレセントリッ
ク性の条件の変化や僅かな収差によって生ずるディスト
ーションの変動によって、通常の照明条件を使用する場
合に比べて、レチクル上のアライメントマークと基準マ
ークとの位置ずれ量が僅かに変化することがある。しか
しながら、ステージ発光方式では基準マークの照明条件
を露光光の照明光学系における照明条件と完全に一致さ
せることはできないため、レチクルアライメント時に計
測誤差が生ずる恐れがあった。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、ステージ発光方
式でウエハステージ側の基準マークを照明することな
く、且つ露光光の照明条件が切り換えられたような場合
でも高精度にレチクルアライメントを行うことができる
投影露光装置を提供することを第1の目的とする。本発
明は更に、露光光の照明条件が切り換えられたような場
合でも高精度にウエハ側のアライメントセンサのベース
ライン量を計測できる投影露光装置を提供することを第
2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
露光装置は、位置合わせ用マーク(29A〜29D,3
0A〜30D)及び転写用パターンが形成されたマスク
(12)を露光光で照明する照明光学系(SL,45,
46,49〜53)と、その露光光のもとでマスク(1
2)のその転写用パターンの像を感光基板(5)上に投
影する投影光学系(8)と、感光基板(5)を移動する
基板ステージ(1〜4)とを備えた投影露光装置におい
て、その基板ステージ上に形成された第1の基準マーク
(35A〜35D,36A〜36D)と、その基板ステ
ージ上に形成された透過型の第2の基準マーク(41
A,41B)と、マスク(12)の上方に配置され、そ
の露光光と同じ波長域の照明光のもとで投影光学系
(8)を介してその基板ステージ上のその第1又は第2
の基準マークとマスク(12)上の位置合わせ用マーク
(29A〜29D,30A〜30D)との位置ずれ量を
検出するマスク側のアライメントセンサ(19,20)
と、その露光光と同じ波長域で、且つ同じ照明条件の照
明光のもとでマスク(12)上のその位置合わせ用マー
クの投影光学系(8)による投影像を第2の基準マーク
(41A,41B)を介して検出する空間像センサ(6
4A,64B,42A,42B〜44A,44B)と、
を設けたものである。
【0011】斯かる本発明によれば、マスク(12)の
アライメント時には、マスク側のアライメントセンサ
(19,20)は露光光と同じ波長域の照明光を用いて
落射照明方式で、マスク(12)上の位置合わせ用マー
ク(29A〜29D,30A〜30D)と対応する第1
の基準マーク(35A〜35D,36A〜36D)との
位置ずれ量を検出する。ところが、これでは露光光の照
明条件が変化した場合にはアライメント誤差が生ずる恐
れがある。そこで、予め実際に使用される露光光と同じ
照明条件のもとで、その空間像センサによってマスク
(12)上の位置合わせ用マークと第2の基準マーク
(41A,41B)との相対位置を検出し、マスク側の
アライメントセンサ(19,20)でも両者の相対位置
を検出し、2つの相対位置のずれ量をオフセットとして
記憶しておく。そして、そのマスクのアライメント時に
アライメントセンサ(19,20)によって検出される
位置ずれ量をそのオフセットで補正することによって、
高精度にそのマスクのアライメント(レチクルアライメ
ント)が行われる。
【0012】より具体的に本発明による第2の投影露光
装置は、その第1の投影露光装置において、そのマスク
上の位置合わせ用マークの投影像と第2の基準マーク
(41A,41B)とを相対走査したときにその空間像
センサから得られる検出信号よりマスク(12)とその
基板ステージとの第1の相対位置ずれ量を求めると共
に、マスク(12)用のアライメントセンサ(19,2
0)により検出されるそのマスク上の位置合わせ用マー
クと第2の基準マーク(41A,41B)の投影像との
位置ずれ量からマスク(12)とその基板ステージとの
第2の相対位置ずれ量を求める演算制御手段(22A)
を設ける。更に、演算制御手段(22A)でその第2の
相対位置ずれ量とその第1の相対位置ずれ量とのオフセ
ットを求め、そのマスク側のアライメントセンサ(1
9,20)により検出されるそのマスク上の位置合わせ
用マークと第1の基準マーク(35A〜35D,36A
〜36D)の投影像との位置ずれ量を演算制御手段(2
2A)により求められるオフセットで補正するものであ
る。
【0013】これは、例えばその空間像センサとして光
量検出型の光電センサを使用し、第2の基準マーク(4
1A,41B)を開口パターンとして、マスク(12)
用のアライメントセンサ(19,20)を画像処理方式
とした場合を意味する。このような構成でその空間像セ
ンサについては相対走査を行い、アライメントセンサ
(19,20)については静止状態で画像のサンプリン
グを行うことによって、第2の基準マーク(41A,4
1B)を共通に使用できる。
【0014】また、本発明による第3の投影露光装置
は、それら第1又は第2の投影露光装置において、感光
基板(5)上の位置合わせ用マークの位置を検出するた
めの基板側のアライメントセンサ(34)を配置し、そ
の基板ステージ上に第1の基準マーク(35A〜35
D,36A〜36D)に対して所定の位置関係で第3の
基準マーク(37A〜37D)を形成しておき、そのマ
スク側のアライメントセンサ(19,20)によりその
マスク上の位置合わせ用マークと第1の基準マーク(3
5A〜35D,36A〜36D)の投影像との位置ずれ
量を検出するのと並行に、その基板側のアライメントセ
ンサ(34)により第3の基準マーク(37A〜37
D)の位置を検出することによって、その基板側のアラ
イメントセンサ(34)の検出中心とそのマスクのその
基板ステージ上への投影像の中心との相対間隔(ベース
ライン量)を計測するものである。
【0015】この場合、予め求められているその第1の
基準マークの間隔とその第3の基準マークとの間隔を、
マスク側のアライメントセンサ(19,20)により検
出される位置ずれ量、及び基板側のアライメントセンサ
(34)で検出される位置ずれ量で補正することによっ
て、アライメントセンサ(34)のベースライン量が求
められる。更に本発明では、第2の基準マーク(41
A,41B)を介してマスク側のアライメントセンサ
(19,20)の検出結果を補正することによって、露
光光の照明条件が切り換わっても高精度にそのベースラ
イン量が求められる。
【0016】また、その基板ステージの位置をレーザ干
渉計で計測する場合には、その基板ステージ上に移動鏡
(7X)が設置される。この際には、その第1の基準マ
ーク及びその第3の基準マークが形成される部材(6)
をその移動鏡(7X)と一体的に低膨張率の材料から形
成することが望ましい。これによって露光光の照射熱等
による熱変形の影響が小さくなる。
【0017】また、上述の本発明においては、マスク側
のアライメントセンサ(19,20)、及びその空間像
センサ用の照明光としてそれぞれその露光光を使用し、
マスク側のアライメントセンサ(19,20)をその露
光光の光路から退避させるための退避装置(17,1
8)を設けるようにしてもよい。この場合、その空間像
センサを使用する際にはその退避装置を介してアライメ
ントセンサ(19,20)を露光光の光路から退避さ
せ、アライメントセンサ(19,20)による検出を行
う際にはアライメントセンサ(19,20)をその露光
光の光路に戻すことによって、露光光の照明光学系を共
通に使用できる。
【0018】また、マスク(12)の反射率に応じて、
そのマスク側のアライメントセンサ(19,20)を用
いて投影光学系(8)を介してその基板ステージ上のそ
の第1、又は第2の基準マークとそのマスク上の位置合
わせ用マークとの位置ずれ量を検出する際のその第1、
又は第2の基準マークの位置を調整するようにしてもよ
い。例えばアライメントセンサ(19,20)が画像処
理方式である場合、マスク(12)の反射率に応じて得
られる像のコントラストが最も高くなるようにその第
1、又は第2の基準マークの位置を調整することによっ
て、マスク(12)として例えば低反射レチクルが使用
されるような場合でも、高精度にマスクのアライメント
等が行われる。
【0019】また、その透過型の第2の基準マーク(4
1A,41B)を複数個の透過型マーク(開口)より形
成することが望ましい。これはその第2の基準マークを
マルチマーク化することを意味し、各透過型マークにつ
いて得られる位置ずれ量を平均化することによって、位
置ずれ量がより高精度に検出され、マスクのアライメン
ト等もより高精度に行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の実施の形態の一例につき図面を参照して説明する。本
例は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置
に本発明を適用したものである。図1は、本例の投影露
光装置を示し、この図1において、図示省略された照明
光学系からの露光光ELによる矩形の照明領域(以下、
「スリット状の照明領域」という)によりレチクル12
上のパターンが照明され、そのパターンの像が投影光学
系8を介してフォトレジストが塗布されたウエハ5上に
投影される。露光光ELとしては、水銀ランプのi線
(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長24
8nm)若しくはArFエキシマレーザ(波長193n
m)等のエキシマレーザ光、金属蒸気レーザ光、又はY
AGレーザの高調波等が使用できる。この際に、露光光
ELのスリット状の照明領域に対して、レチクル12が
図1の紙面に対して前方向(又は後方向)に一定速度V
で走査されるのに同期して、ウエハ5は図1の紙面に対
して後方向(又は前方向)に一定速度V/M(1/Mは
投影光学系8の縮小倍率で、例えば1/4,1/5等の
値を取る)で走査される。以下、投影光学系8の光軸A
Xに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙
面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説
明する。
【0021】先ず、レチクル12及びウエハ5用のステ
ージ系について説明する。レチクル支持台9上にY軸に
平行な方向(Y方向)に移動自在にレチクルY軸駆動ス
テージ10が載置され、このレチクルY軸駆動ステージ
10上にレチクル微小駆動ステージ11が載置され、レ
チクル微小駆動ステージ11上にレチクル12が真空吸
着等により保持されている。レチクル微小駆動ステージ
11は、レチクルY軸駆動ステージ10に対してX方
向、Y方向及び回転方向(θ方向)にそれぞれ微小量だ
け且つ高精度にレチクル12の位置制御を行う。レチク
ル微小駆動ステージ11上には移動鏡21が配置され、
レチクル支持台9上に配置されたレーザ干渉計14によ
って、常時レチクル微小駆動ステージ11のX方向、Y
方向及びθ方向の位置がモニタされている。なお、移動
鏡21は直交する2つの移動鏡を総称し、レーザ干渉計
14は、3軸のレーザ干渉計を総称している(図2
(b)参照)。レーザ干渉計14により得られた位置情
報が、装置全体の動作を統轄制御する主制御系22Aに
供給されている。主制御系22Aは、レチクル駆動装置
22Dを介してレチクルY軸駆動ステージ10、及びレ
チクル微小駆動ステージ11の動作を制御する。レチク
ル支持台9、レチクルY軸駆動ステージ10、及びレチ
クル微小駆動ステージ11よりレチクルステージが構成
されている。
【0022】一方、ウエハ支持台1上には、Y方向に移
動自在にウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その上
にX方向に移動自在にウエハX軸駆動ステージ3が載置
され、その上にZθ軸駆動ステージ4が設けられ、この
Zθ軸駆動ステージ4上にウエハ5が真空吸着によって
保持されている。Zθ軸駆動ステージ4上にも移動鏡7
が固定され、外部に配置されたレーザ干渉計13によ
り、Zθ軸駆動ステージ4のX方向、Y方向及びθ方向
の位置がモニタされ、レーザ干渉計13により得られた
位置情報も主制御系22Aに供給されている。移動鏡7
も直交する2つの移動鏡を総称し、レーザ干渉計13
は、4軸のレーザ干渉計を総称している(図2(a)参
照)。主制御系22Aは、ウエハ駆動装置22Bを介し
てウエハY軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ
3、及びZθ軸駆動ステージ4の位置決め動作を制御す
る。ウエハ支持台1、ウエハY軸駆動ステージ2、ウエ
ハX軸駆動ステージ3、及びZθ軸駆動ステージ4より
ウエハステージが構成されている。
【0023】また、ウエハ側のレーザ干渉計13によっ
て計測される座標により規定されるウエハ座標系と、レ
チクル側のレーザ干渉計14によって計測される座標に
より規定されるレチクル座標系との対応をとるために、
Zθ軸駆動ステージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク
板6が固定されている。基準マーク板6の表面はウエハ
5の表面と同じ高さに設定され、この表面上には後述の
ように各種基準マークが形成されている。本例の基準マ
ーク板6は移動鏡7(より正確には図2(a)に示すよ
うにX軸の移動鏡7X)と一体化されており、レチクル
アライメントやベースラインチェックに使用される。本
例の移動鏡7及び基準マーク板6は、線膨張率が石英よ
り小さいガラスセラミックス(例えばショット社の商品
名「ゼロデュアー」等が使用できる)より形成されてい
る。なお、ガラスセラミックスは、線膨張率は極めて小
さいが、通常使用される露光光である水銀ランプのi線
やエキシマレーザ光に対する透過率は低いため、露光光
を透過させるような用途には不適である。また、移動鏡
7と基準マーク板6とを一体化する方法としては、移
動鏡7と基準マーク板6とを1つの材料で一体的に成形
する方法、移動鏡7と基準マーク板6とを別体で形成
した後、両者を接着する方法、移動鏡7と基準マーク
板6とを別体で形成した後、例えば移動鏡7に対して基
準マーク板6を真空吸着等で吸着して固定する方法、
移動鏡7と基準マーク板6とを別体で形成した後、例え
ば移動鏡7に対して基準マーク板6を押しつけて接合す
る方法等の何れの方法を使用してもよい。
【0024】また、本例のレチクル12の上方には、1
対のレチクルアライメント系19及び20が配置されて
おり、これらのレチクルアライメント系19,20には
それぞれ露光光ELと同じ波長の照明光にて検出対象の
マークを照明するための落射照明系と、その検出対象の
マークの像を撮像するためのアライメント顕微鏡とが含
まれている。このアライメント顕微鏡は、結像光学系と
撮像素子とを含んでいる。この場合、レチクル12から
の検出光をそれぞれレチクルアライメント系19及び2
0に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在に配
置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系22
Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び18に
よりそれぞれ偏向ミラー15及び16は露光光ELの光
路外に退避される。更に、投影光学系8のY方向の側面
部に、ウエハ5上のアライメントマーク(ウエハマー
ク)を観察するためのオフ・アクシス方式で画像処理方
式のアライメントセンサ34が配置されている。
【0025】次に、図2を参照してレチクルステージ側
のレーザ干渉計、及びウエハステージ側のレーザ干渉計
の構成等につき説明する。図2(a)はウエハステージ
の平面図であり、この図2(a)において、Zθ軸駆動
ステージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定
されている。また、Zθ軸駆動ステージ4の−X方向、
及び+Y方向の端部にそれぞれY方向に延びたX軸の移
動鏡7X、及びX方向に延びたY軸の移動鏡7Yが固定
され、移動鏡7Xに対して基準マーク板6が一体化され
ている。また、ウエハ5上のスリット状の露光領域32
Wにレチクル12のパターンの一部の像が投影され、露
光領域32Wの両端部の観察領域19W及び20Wがそ
れぞれ図1のレチクルアライメント系19及び20の観
察領域となっている。
【0026】また、移動鏡7Xには、X軸に平行で且つ
それぞれ投影光学系8の光軸AX及びアライメントセン
サ34の検出中心(基準点)を通る光路に沿って間隔I
LのレーザビームLWX及びLWofが照射され、移動鏡
7Yには、Y軸に平行な光路に沿って間隔ILの2本の
レーザビームLWY1及びLWY2が照射されている。
レーザビームLWX,LWof,LWY1,LWY2はそ
れぞれ図1のレーザ干渉計13を構成する干渉計から供
給され、露光時には、Zθ軸駆動ステージ4のX座標と
して、レーザビームLWXを用いる干渉計で計測された
座標値XWが使用され、Y座標としてレーザビームLW
Y1,LWY2をそれぞれ用いる干渉計で計測された座
標値Y1 ,Y2 の平均値YW(=(Y1+Y2)/2)が
用いられる。また、例えば座標値Y1 とY2 との差分か
らZθ軸駆動ステージ4の回転角(θ方向の変位量)が
計測される。それらの座標に基づいて、Zθ軸駆動ステ
ージ4のXY平面の位置及び回転角が制御される。
【0027】特に、走査方向であるY方向は2個の干渉
計の計測結果の平均値を用いることで、走査露光時の空
気揺らぎ等による誤差を平均化効果により緩和してい
る。また、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ3
4を使用する場合のX方向の位置は、所謂アッベ誤差が
生じないように、レーザビームLWofを使用する専用の
干渉計の計測値に基づいて制御される構成である。その
ようにレーザ干渉計13によって計測されるウエハステ
ージのX座標XW、及びY座標YWよりなる座標系(X
W,YW)を「ウエハ座標系」と呼ぶ。
【0028】図2(b)は、レチクルステージの平面図
であり、この図2(b)において、レチクルY軸駆動ス
テージ10上にレチクル微小駆動ステージ11が載置さ
れ、その上にレチクル12が保持されている。また、レ
チクル微小駆動ステージ11の+X方向の端部、及び+
Y方向の端部にはそれぞれY方向に延びたX軸の移動鏡
21x、及びY軸の2個の移動鏡21y1,21y2が
固定され、移動鏡21xにはX軸に平行にレーザビーム
LRxが照射され、移動鏡21y1,21y2にはそれ
ぞれY軸に平行にレーザビームLRy1,LRy2が照
射されている。レーザビームLRx,LRy1,LRy
2はそれぞれ図1のレーザ干渉計14から供給されてい
る。そして、ウエハステージと同様に、レチクル微小駆
動ステージ11のY方向の座標としては、レーザビーム
LRy1及びLRy2を使用する2個の干渉計で計測さ
れた座標値y1 及びy2 の平均値YR(=(y1+y2
/2)が用いられる。また、X方向の座標としては、レ
ーザビームLRxを使用する干渉計で計測された座標値
XRが使用される。また、例えば座標値y1 とy2との
差分からレチクル微小駆動ステージ11の回転角(θ方
向の変位量)が計測される。そのようにレーザ干渉計1
4によって計測されるレチクルステージのX座標XR、
及びY座標YRよりなる座標系(XR,YR)を「レチ
クル座標系」と呼ぶ。
【0029】この場合、走査方向であるY方向の移動鏡
21y1,21y2としてはコーナキューブ型の反射要
素が使用されており、移動鏡21y1,21y2で反射
されたレーザビームLRy1,LRy2はそれぞれ反射
ミラー39,38で反射されて戻されている。即ち、そ
のレチクル用のY軸の干渉計はダブルパス干渉計であ
り、これによって、レチクル微小駆動ステージ11が回
転してもレーザビームの位置ずれが生じない構成になっ
ている。また、レチクル12上のスリット状の照明領域
32に露光光ELが照射され、照明領域32の両端にレ
チクルアライメント系19,20の観察領域19R,2
0Rが設定されている。照明領域32は図2(a)のウ
エハ5上の露光領域32Wと共役であり、観察領域19
R,20Rは図2(a)のウエハ側のZθ軸駆動ステー
ジ4上の観察領域19W,20Wと共役である。従っ
て、本例では観察領域19R及び20Rを介して、レチ
クル12と図2(a)のZθ軸駆動ステージ4とを観察
できるようになっている。
【0030】次に、本例の投影露光装置でレチクルアラ
イメント及びベースラインチェックを行う場合に使用さ
れるアライメントマーク及び基準マークにつき説明す
る。図2(c)は、レチクル12上に形成されたアライ
メントマーク(レチクルマーク)の配列を示し、この図
2(c)において、レチクル12の+X方向の端部にY
方向に沿って一定ピッチで同一のアライメントマーク2
9A〜29Dが形成され、レチクル12の−X方向の端
部にアライメントマーク29A〜29Dと対称にアライ
メントマーク30A〜30Dが形成されている。レチク
ル12をY方向に走査することによって、アライメント
マーク29A〜29D,及び30A〜30Dはそれぞれ
図2(b)の観察領域19R及び20R内に収まるよう
に形成されている。図3(b)に拡大して示すように、
アライメントマーク29Aは、光透過性の背景中に形成
された反射型の(ウエハステージ側には遮光性の)十字
型パターン61と、この十字型パターン61をX方向に
挟むように配列された4個の基本パターン60Xと、そ
の十字型パターン61をY方向に挟むように配列された
4個の基本パターン60Yとから構成されるマルチマー
クである。基本パターン60Xは、Y方向に延びた直線
状の反射型のパターンをX方向に一定ピッチで3本並べ
たライン・アンド・スペースパターンであり、基本パタ
ーン60Yは基本パターン60Xを90°回転したライ
ン・アンド・スペースパターンである。十字型パターン
61、及び基本パターン60X,60Yは例えばクロム
膜を蒸着することで形成される。本例の基本パターン6
0X,60Yは投影光学系8の解像度の限界に近いピッ
チで形成された限界解像マークであり、これによって実
際の露光パターンに合わせて高精度にレチクルアライメ
ントが実施できるようになっている。
【0031】図4(a)は、レチクル12を図2(a)
の基準マーク板6上に投影して得られるレチクル像12
Wを示し、この図4(a)において、アライメントマー
ク29A〜29D及び30A〜30Dにそれぞれ共役な
マーク像29AW〜29DW及びマーク像30AW〜3
0DWが示されている。これらのマーク像29AW〜2
9DW,30AW〜30DWはレチクル12をY方向に
移動したときに、それぞれスリット状の露光領域32W
の両端部に収まる位置に投影されている。
【0032】図4(c)は、図2(a)の基準マーク板
6上の基準マークの配置を示し、この図4(c)におい
て、基準マーク板6上には図4(a)のマーク像29A
W〜29DW及び30AW〜30DWとほぼ同一の配置
でそれぞれ基準マーク35A〜35D及び36A〜36
Dが形成されている。レチクルアライメント時には、こ
れら基準マークはレチクル12の上方からレチクルアラ
イメント系19,20により、露光波長の照明光で照明
される。基準マーク35A〜35D,36A〜36Dの
形状は互いに同一であり、基準マーク35Aは、図3
(a)に示すように、例えばクロム膜のように露光光に
対する反射率の高い反射膜中に形成された正方形の開口
パターン62Cと、この開口パターン62CをX方向に
挟むように配列された4個の正方形の開口パターン62
Xと、その開口パターン62CをY方向に挟むように配
列された4個の正方形の開口パターン62Yとから構成
されるマルチマークである。即ち、基準マーク35A
は、それぞれ露光光に対する反射率の低い正方形の開口
パターン62C,62X,62Yを十字型に配列したマ
ークであり、図3(b)のアライメントマーク29A内
の十字型パターン61が開口パターン62Cのレチクル
への投影像内に位置するときに、他の開口パターン62
X及び62Yの像がそれぞれ基本パターン60X及び6
2Yの一部に重なるように設定されている。
【0033】一例として、図1の一方のレチクルアライ
メント系19によって図2(c)のレチクル12上のア
ライメントマーク29A、及び図4(c)の基準マーク
板6上の基準マーク35Aを重ねて観察すると、図5
(a)に示すような像が得られる。図5(a)におい
て、アライメントマーク29Aの中央の十字型パターン
61に、基準マーク35Aの中央の開口パターンの像6
2CR(正方形の暗部)が重なっており、アライメント
マーク29Aの基本パターン60X及び60Yにもそれ
ぞれ基準マーク35Aの開口パターンの像62XR及び
62YRが重なっている。また、レチクルアライメント
系19では、基準マーク35Aの複数の開口パターンの
像に沿ってX方向に細長い観察視野SX、及びY方向に
細長い観察視野SY内の像をそれぞれX方向、及びY方
向に走査して撮像信号を生成する。観察視野SX及びS
Yより図2(b)の観察領域19Rが構成されている。
【0034】この場合、基準マーク35Aの開口パター
ンの像62CR,62XRはそれぞれ暗部であり、アラ
イメントマーク29Aの十字型パターン61及び基本パ
ターン60Xは、露光光を反射するパターンであるた
め、観察視野SX内の像をX方向に走査して得られる撮
像信号IAは、図5(b)に示すように、基準パターン
35Aの像に対応して周期的にレベルが変動する信号6
7の低レベル領域に、それぞれ高レベルとなるパルス信
号66A〜66Eが重畳された信号となる。また、予め
レチクルアライメント系19内の撮像素子上での画素ピ
ッチと、対応するウエハステージ上での2点間の座標の
間隔(ウエハ座標系上での間隔)との倍率が求めて記憶
されており、レチクルアライメント系19の信号処理系
ではその撮像信号IAをA/D変換し、変換後の撮像信
号IAをウエハ座標系でのX座標に対応させてメモリに
格納する。この場合の原点は、例えば撮像素子の1番目
の画素とすればよい。その後、信号処理系では例えば所
定の閾値レベルIA1でその撮像信号IAをスライスす
ることによってその撮像信号IAを2値化し、この2値
化した信号より基準マーク35Aの像及びアライメント
マーク29Aの位置を検出する。
【0035】一例として、基準マーク35Aの像35A
Rについては、2値の撮像信号がローレベル”0”とな
っている領域の中点の座標を各開口パターンの像62C
R,62XRのX座標とみなし、アライメントマーク2
9Aについては、2値の撮像信号がハイレベル”1”と
なる狭い領域の中点の座標を各線状パターンのX座標と
みなす。この結果、図5(b)に示すように、基準マー
クの像35AR内で左端の開口パターンの像の位置はx
Aとなり、アライメントマーク29Aの左端の基本パタ
ーンの3本の線状パターンの位置はxA1〜xA3とな
り、その開口パターンの像に対するその基本パターンの
X方向への位置ずれ量ΔXAは次のようになる。
【0036】 ΔXA=xA−(xA1+xA2+xA3)/3 (1) 同様に、基準マークの像35ARの他の開口パターンの
像に対するアライメントマーク29Aの他の基本パター
ン60X及び十字型パターン61の位置ずれ量ΔXB〜
ΔXEも求められる。そして、これらの位置ずれ量ΔX
A〜ΔXEの平均値ΔX(ウエハ座標系上に換算された
値)を基準マーク35Aに対するアライメントマーク2
9AのX方向の位置ずれ量とみなす。これによってマル
チマークの平均化効果が得られ、位置ずれ量が高精度に
求められる。また、その位置ずれ量ΔXは、基準マーク
35Aの中心に対するアライメントマーク29Aの中心
のX方向への相対座標とみなすこともできる。図5
(b)に示すようにこの相対座標(位置ずれ量ΔX)
は、基準マーク35Aの像の中心が原点となる。同様
に、観察視野SY内の撮像信号を処理することによっ
て、基準マーク35Aに対するアライメントマーク29
AのY方向への位置ずれ量(相対座標)ΔYが検出され
る。他の基準マーク及びアライメントマークについても
同様に位置ずれ量が検出される。
【0037】但し、最近は、レチクル12として例えば
低反射クロム膜よりパターンが形成されている所謂低反
射レチクルが使用されることがある。このような低反射
レチクルが使用されていると、図5(a)のアライメン
トマーク29Aの反射率も低くなるため、観察視野SX
内の像の撮像信号IAは、図5(c)に示すようにパル
ス信号66A〜66Eのレベルが低くなる。そのため、
撮像信号IAを閾値レベルIA1でスライスして2値化
しようとしても、パルス信号66A〜66Eの部分が全
部ローレベル”0”となる恐れがある。これを避けるた
めには、図5(a)において、基準マークの像35AR
に対してアライメントマーク29Aの位置をX方向、及
びY方向にそれぞれ1/2ピッチずらせばよい。
【0038】図10(a)は、基準マークの像35AR
に対してアライメントマーク29Aの位置をX方向、及
びY方向にそれぞれ1/2ピッチずらした状態を示し、
この図10(a)において、アライメントマーク29A
の基本パターン60X,60Yがそれぞれ基準マークの
像35ARの開口パターンの像62XR,62YRの間
に位置している。
【0039】図10(b)は、図10(a)のレチクル
アライメント系19の観察視野SX内の像の撮像信号I
Aを示し、この図10(b)において、基準マークの像
35ARに対応する信号67の高レベル領域に、それぞ
れアライメントマーク29Aに対応して低レベルとなる
パルス信号66A’〜66E’が重畳されている。この
際に、アライメントマーク29Aの反射率が小さいた
め、閾値レベルIA1でその撮像信号IAを2値化する
ことによって、パルス信号66A’〜66E’もそれぞ
れ2値化される。従って、低反射レチクルを使用する場
合には、基準パターン35Aの各開口パターンの周囲の
反射領域の像をアライメントマーク29Aに重ねること
によって、基準マーク35Aに対するアライメントマー
ク29Aの位置ずれ量を高精度に検出できるようにな
る。また、図10(a)ではアライメントマーク29A
の十字型パターン61は観察視野SXから外れている
が、X方向の位置検出を行う場合には基準マークの像3
5ARを−Y方向にずらして、基準マークの像35AR
の開口パターンの像の間にその十字型パターン61を収
めるようにしてもよい。これによって平均化効果が更に
高まる。
【0040】また、図4(c)に戻り、基準マーク板6
上には、基準マーク35A,36Aの中点から走査方向
であるY方向に間隔ILだけ離れた位置に基準マーク3
7Aが形成されている。間隔ILは、図1における投影
光学系8の光軸AXとオフ・アクシス方式のアライメン
トセンサ34の検出中心との間隔であるベースライン量
と等しい。同様に、基準マーク35B,36Bの中点、
基準マーク35C,36Cの中点、及び基準マーク35
D,36Dの中点からそれぞれY方向に間隔ILだけ離
れた位置に基準マーク37B,37C,及び37Dが形
成されている。基準マーク37A〜37Dは、図4
(d)に示すように、X方向及びY方向に所定ピッチで
形成された格子パターン69内の対応する格子点を使用
するものであり、基準マーク37A〜37Dはそれぞれ
図1のアライメントセンサ34によって検出される。ア
ライメントセンサ34は、基準マーク37A〜37Dの
像を内部の指標マーク板上に結像し、この基準マークの
像及び指標マークの像を2次元CCDよりなる撮像素子
上にリレーする。この撮像素子からの撮像信号を付属の
信号処理系で処理することによって、その指標マークに
対する基準マークの像の2次元的な位置ずれ量が求めら
れ、この位置ずれ量が主制御系22Aに供給される。ウ
エハ5上のアライメントマーク(ウエハマーク)の位置
をアライメントセンサ34で検出する場合も同様であ
る。主制御系22Aでは、必要に応じてその位置ずれ量
をZθ軸駆動ステージ4のX座標、Y座標に加算するこ
とによって、検出対象のマークのウエハ座標系(XW,
YW)での配列座標を求めることができる。
【0041】ところで、本例のレチクルアライメント系
19,20は、露光波長の照明光で落射照明を行ってい
るため、厚さの異なるレチクルや厚さにテーパのあるレ
チクルを使用すると、レチクルアライメント系19,2
0の撮像素子の撮像面に対して、レチクル上のアライメ
ントマーク29A〜29D,30A〜30Dの結像面、
及び基準マーク板6上の基準マーク35A〜35D,3
6A〜36Dの結像面がデフォーカスすることによっ
て、検出される位置ずれ量にオフセットが残存する恐れ
がある。また、実際の露光光の照明光学系は、レチクル
アライメント系19,20内の照明系よりもコヒーレン
スファクタ(σ値)が大きく、更に投影光学系8の焦点
深度をあまり浅くすることなく解像度を高めるために変
形照明や輪帯照明等の機構も設けられている。そのた
め、実際の露光光のもとでの基準マーク35A〜35
D,36A〜36Dとアライメントマーク29A〜29
D,30A〜30Dとの位置ずれ量と、レチクルアライ
メント系19,20で検出される位置ずれ量との間に、
ディストーションの差等に起因するオフセットが発生し
ている恐れもある。このようにレチクルアライメント系
19,20で検出される位置ずれ量に、実際の位置ずれ
量に対するオフセットが混入していると、レチクルアラ
イメント、及びベースライン量の計測を高精度に行うこ
とができなくなり、重ね合わせ露光を行う場合に重ね合
わせ誤差が生ずることになる。そのレチクルアライメン
ト系19,20のオフセットを求めるために、本例では
以下のように透過型の基準マーク板、及び空間像センサ
を設けている。
【0042】即ち、図2(a)に示すように、本例のウ
エハステージのZθ軸駆動ステージ4上の基準マーク板
6の近傍に、露光光を透過する材料よりなる透過型基板
40が固定されている。透過型基板40の表面はウエハ
5の表面と同じ高さに設定され、図2(a)及び図4
(b)に示すように、透過型基板40上の表面の遮光膜
中にはX方向に基準マーク35A,36A(図4(c)
参照)と同じ間隔で2つの同一の開口パターン41A及
び41Bが形成されている。本例の移動鏡7X,7Y及
び基準マーク板6は露光光を透過する必要がないため、
ガラスセラミックスのように紫外域等の露光光に対する
透過率は小さくとも極めて低膨張率の材料から形成でき
るのに対して、透過型基板40はi線やエキシマレーザ
光等の紫外域の露光光を透過する必要があるため、その
ような露光光を透過でき、且つ線膨張率も小さい石英よ
り形成されている。
【0043】また、透過型基板40上の開口パターン4
1A,41Bは、基準マーク板6上の基準マーク35A
〜35D,36A〜36Dと同じ形状である。即ち、図
3(a)に示すように、開口パターン41Aは、遮光膜
中に形成された正方形の小開口パターン63Cと、この
小開口パターン63CをX方向に挟むように配列された
4個の正方形の小開口パターン63Xと、その小開口パ
ターン63CをY方向に挟むように配列された4個の正
方形の小開口パターン63Yとから構成されたマルチマ
ークであり、小開口パターン63C,63X,63Yの
大きさ及び配列は、基準マーク35Aを構成する開口パ
ターン62C,62X,62Yの大きさ及び配列と同一
である。従って、図3(b)のアライメントマーク29
Aの像をその透過型基板40上に投影した場合、その中
心の十字型パターン61の像が開口パターン41Aの中
心の小開口パターン63Cに重なると、他の基本パター
ン60X及び60Yの投影像がそれぞれ小開口パターン
63X及び63Yに重なるようになる。更に、透過型基
板40の底部に空間像センサが配置されている。
【0044】図7は、本例の投影露光装置の照明光学
系、及び空間像センサの構成を示し、この図7におい
て、光源、各種光学フィルタ、及び光束の断面形状を整
形する整形光学系等を含む光源系SLから、所定の断面
形状で且つ所定の照度分布に設定された露光光ELがフ
ライアイレンズ53に照射され、フライアイレンズ53
の射出面に多数の2次光源が形成される。その射出面は
レチクル12のパターン形成面に対する光学的フーリエ
変換面(瞳面)であり、その射出面に開口絞りを備えた
レボルバ51が回転自在に配置されている。レボルバ5
1の周囲には通常の円形の開口絞り、小さいコヒーレン
スファクタ(σ値)用の小さい円形の開口絞り、輪帯状
の開口絞り、及び偏心した4個の小さい円形開口よりな
る変形照明用の開口絞り等が等角度間隔で配置され、主
制御系22Aが照明条件切り換えユニット52を介して
そのレボルバ51を回転することによって、所望の開口
絞り(σ絞り)をフライアイレンズ53の射出面に設定
できるように構成されている。
【0045】レボルバ51中の1つの開口絞りを通過し
た露光光ELは、第1リレーレンズ50、偏向ミラー4
9、可動型結像ブラインド47、第2リレーレンズ4
6、及びコンデンサレンズ45を経て、レチクル12の
パターン形成面(下面)のスリット状の照明領域を均一
な照度分布で照明する。可動型結像ブラインド47の配
置面はレチクル12のパターン形成面と共役であり、可
動型結像ブラインド47はX方向に配置された2枚の可
動ブレード47a,47b、及び図7の紙面に垂直なY
方向に配置された2枚の可動ブレード(不図示)より構
成され、これらの可動ブレードで囲まれた開口によって
レチクル12上の照明領域が決定される。また、走査露
光の開始時、及び終了時にそれぞれ制御ユニット48を
介して可動型結像ブラインド47のY方向の2枚の可動
ブレードを次第に開けること、及び次第に閉じることに
よって、レチクル12上の本来の回路パターン以外のパ
ターンがウエハ5上に転写されないように構成されてい
る。走査露光時には投影光学系8の露光フィールドにウ
エハ5が配置され、ウエハ5上のスリット状の露光領域
に投影光学系8を介してレチクル12のパターンの像が
投影された状態で、レチクル12及びウエハ5が投影光
学系8に対してY方向に走査される。
【0046】一方、レチクルアライメント系19,20
のオフセットの計測時で、且つ空間像センサを使用する
場合には、レチクルアライメント系19,20用の偏向
ミラー15,16は図1のミラー駆動装置17,18に
よりそれぞれ露光光ELの光路外に退避されている。そ
して、図7に示すように、レチクル12上の例えばアラ
イメントマーク29A,30Aがレチクルアライメント
系19,20の観察領域19R,20R(図2(b)参
照)と同じ領域内に設定され、露光光ELのもとで投影
光学系8を介してアライメントマーク29A及び30A
の像が投影される位置付近に、それぞれ透過型基板40
上の開口パターン41A及び41Bが設定される。開口
パターン41A,41Bはレチクル12の走査方向に直
交する方向に、レチクルアライメント系19,20の観
察領域の間隔と同じ間隔で配置されている。
【0047】そして、開口パターン41A及び41Bを
透過した露光光ELは、透過型基板40の底部のZθ軸
駆動ステージ4の内部でそれぞれ偏向ミラー44A及び
44Bで反射され、集光レンズ43A及び43Bを介し
て光ファイバ42A及び42Bの一端に入射する。光フ
ァイバ42A,42Bの他端はZθ軸駆動ステージ4の
外部に設置され、光ファイバ42A及び42Bの他端か
ら射出された露光光は、それぞれ不図示のリレー光学系
を経てフォトダイオード、又はフォトマルチプライア等
からなる光電センサ64A及び64Bで受光され、光電
センサ64A,64Bからの光電信号が信号処理系65
に供給されている。以上の偏向ミラー44A,44B、
集光レンズ43A,43B、光ファイバ42A,42
B、及び光電センサ64A,64Bより空間像センサが
構成されている。なお、ここでは光ファイバ42A,4
2Bを用いているが、開口パターンを通過した光束を光
学レンズでリレーして光電センサ64A,64Bまで導
いてもよい。
【0048】本例の空間像センサの光電センサ64A,
64Bは光量検出型であるため、開口パターン41A,
41Bとアライメントマーク29A,29Bとの位置関
係を検出するためには、レチクルステージ又はウエハス
テージを駆動することによって両者を相対的に走査する
必要がある。この場合の位置検出方法につき図8を参照
して説明する。
【0049】図8(a)は、図7の透過型基板40上の
開口パターン41Aにレチクル12上のアライメントマ
ーク29Aの像29AWが投影されている状態を示し、
この図8(a)において、マーク像29AW中の十字型
パターンの像61Wは中央の小開口パターン63Cとそ
の−Y方向側の小開口パターンとの間に位置している。
その開口パターン41Aの全体を透過した露光光を光電
変換した光電信号IBが、図7の光電センサ64Aから
信号処理系65に供給される。この状態で、本例では例
えば図1のZθ軸駆動ステージ4を+X方向に移動する
ことによって、マーク像29AWを開口パターン41A
で+X方向に走査する。
【0050】図8(b)はそのように開口パターン41
Aを走査したときに得られる光電センサ64Aからの光
電信号IBの変化を示し、この図8(b)において、横
軸は開口パターン41Aが静止しているとした場合に、
開口パターン41Aの中心に対するマーク像29AWの
中心のX方向への位置ずれ量、即ち開口パターン41A
に対するマーク像29AWのX方向への相対座標RXを
示している。但し、光電信号IBをサンプリングする段
階では、図7の信号処理系65では光電信号IBをA/
D変換し、変換後の光電信号IBを単にウエハ座標系の
X座標に対応させてメモリに格納すればよい。マーク像
29AWは、3本のライン・アンド・スペースパターン
の像の集合であるため、光電信号IBは高いレベルから
3段階に変化してボトム値IB1となった後、再び3段
階に変化して高いレベルとなっている。また、マーク像
29AWに対して開口パターン41Aを走査すると、1
個〜3個の基本パターンの像60XWが小開口パターン
63C,63Xの何れかにかかる際にも光電信号IBが
階段状に変化するが、この際のボトム値は図8(b)の
ボトム値IB1に比べて高いため、容易に判別すること
ができる。
【0051】走査終了後、信号処理系65ではその光電
信号IBをウエハ座標系のX座標で微分することによっ
て、図8(c)に示す微分信号dIB/dXを得、この
微分信号が負のパルスとなるX座標xB1,xB2,x
B3、及びその微分信号が正のパルスとなるX座標xB
4,xB5,xB6を求める。その後、次のようにこれ
らのX座標の平均値XBを算出すると、この平均値XB
を、開口パターン41Aの中心にマーク像29AWの中
心がX方向に合致しているときのウエハ座標系のX座標
とみなすことができる。
【0052】 XB=(xB1+xB2+…+xB5+xB6)/6 (2) また、このときのレチクル12の位置を規定するレチク
ル座標系のX軸XRの値をXR0 として、ウエハ座標系
のX座標XW、及び投影光学系8の縮小倍率(1/M)
を用いると、図8(b)の横軸の相対座標RXは、次の
ようになる。
【0053】 RX=(XW−XB)+(XR−XR0)/M (3) なお、(3)式では投影光学系8によって反転像が投影
されることが考慮されている。その相対座標RXは、開
口パターン41Aの中心に対するアライメントマーク2
9Aの中心のX方向への位置ずれ量とみなすことができ
る。この際に、開口パターン41Aはマルチマーク化さ
れており、図8(b)の光電信号IBは4個のライン・
アンド・スペースパターンについての和信号であるた
め、光電信号IBのSN比が高く、高精度に相対座標R
Xが求められる。同様に、図8(a)において、マーク
像29AWを開口パターン41Aで−Y方向に走査して
光電センサ64Aの光電信号IBを取り込むことによっ
て、開口パターン41Aに対するアライメントマーク2
9AのY方向への位置ずれ量であるY方向の相対座標R
Yも検出できる。同様に、図7の光電センサ64Bの光
電信号より、透過型基板40上の他方の基準マーク41
Bに対するアライメントマーク30Aの相対座標(R
X,RY)も検出できる。これらの相対座標は図1の主
制御系22Aに供給される。なお、透過型基板40の代
わりにレチクル12を走査して相対座標を求めるように
してもよい。
【0054】また、本例では空間像センサによる計測が
終了した後、図7において、偏向ミラー15,16を露
光光ELの光路に戻して図1のレチクルアライメント系
19,20を動作させ、透過型基板40上の開口パター
ン41A,41Bを図4(c)の基準マーク板6上の基
準マーク35A,36Aの代わりにして、開口パターン
41A,41Bに対するアライメントマーク29A,3
0Aの相対座標(位置ずれ量)を計測する。この計測方
法は、図5を参照して説明した方法と同様であり、この
相対座標と空間像センサで検出された相対座標とから、
レチクルアライメント系19,20のオフセットを求め
ることができる。なお、アライメントマーク29A,3
0Aの代わりに、図2(c)のレチクル12上の他のア
ライメントマーク29B,30B〜29D,30Dを使
用してもよい。この場合、本例の空間像センサ用の2つ
の開口パターン41A,41Bは非走査方向に分かれて
配置されているため、レチクル12をY方向に移動する
ことによって、任意の1対のアライメントマークと開口
パターン41A,41Bとの位置ずれ量を並列に短時間
に計測できる。
【0055】以下、図9のフローチャートを参照して、
レチクルアライメント系19,20のオフセットを求め
て、レチクルアライメント及びベースラインチェックを
行う場合の動作の一例につき説明する。先ず、図9のス
テップ101において、図7に示すように、レチクルア
ライメント系19,20の偏向ミラー15,16を露光
光ELの光路外に退避させた状態で、レチクルアライメ
ント系19,20の観察領域と同じ領域内にレチクル1
2のアライメントマーク29A,30Aを移動する。ま
た、アライメントマーク29A,30Aが投影される位
置付近に透過型基板40上の開口パターン41A,41
Bを移動し、露光光ELの照射を開始して、例えばウエ
ハステージ側のZθ軸駆動ステージ4を駆動することに
よって図8(a)に示すようにマーク像29AWを開口
パターン41Aで走査する。この際にアライメントマー
ク30Aの像30AWも開口パターン41Bで走査され
る。なお、レチクルステージを駆動してアライメントマ
ーク29A,30A側を移動してもよい。そして、図7
の空間像センサ内の光電センサ64A,64Bからの光
電信号を信号処理系65でサンプリングして、(2)式
のように開口パターン41A,41Bの中心とマーク像
29AW,30AWの中心とが合致するときのウエハ座
標系のX座標を検出する。次に、マーク像を開口パター
ン41A,41BでY方向に走査して、同様に開口パタ
ーン41A,41Bの中心とマーク像29AW,30A
Wの中心とが合致するときのウエハ座標系のY座標を検
出する。
【0056】そして、ウエハステージのZθ軸駆動ステ
ージ4をX方向、Y方向に駆動して、開口パターン41
A,41Bの中心をマーク像29AW,30AWの中心
付近に設定した状態で、Zθ軸駆動ステージ4を静止さ
せる。この際にレチクル12も静止しており、この状態
で主制御系22Aは(3)式に示すように、開口パター
ン41Aの中心に対するアライメントマーク29Aの像
の中心の相対座標(x11,y11)、及び開口パター
ン41Bの中心に対するアライメントマーク29Bの像
の中心の相対座標(x12,y12)を算出し、これら
の相対座標(x1i,y1i)(i=1,2)を内部の
メモリに記憶する。
【0057】次に、ステップ102において、レチクル
アライメント系19,20の偏向ミラー15,16を露
光光ELの光路に戻して、露光光ELの照射を停止した
後、レチクルアライメント系19,20で露光波長の照
明光の照射を開始する。そして、レチクルアライメント
系19,20の撮像素子で開口パターン41A,41B
のレチクルへの投影像、及びアライメントマーク29
A,30Aの像を撮像して撮像信号をサンプリングし、
サンプリングされた撮像信号を処理することによって、
基準マーク41Aの中心に対するアライメントマーク2
9Aのウエハ座標系での相対座標(位置ずれ量)(x2
1,y21)、及び基準マーク41Bの中心に対するア
ライメントマーク29Bのウエハ座標系での相対座標
(位置ずれ量)(x22,y22)を検出し、検出され
た相対座標(x2i,y2i)(i=1,2)を主制御
系22Aに供給する。なお、この際の検出方法は、図5
(a)において、基準マーク35Aの像35ARの代わ
りに、図8(a)の開口パターン41Aの像が存在する
ものとした場合と同じであり、図5(b)のような撮像
信号IAを処理すればよい。本例では透過型基板40上
の開口パターン41A,41Bを基準マーク板6上の基
準マーク35A〜35D,36A〜36Dと同じ形状に
しているため、基準マーク35A〜35D,36A〜3
6Dの検出を行う場合と全く同じ方法で、開口パターン
41A,41Bに対する相対座標を検出できる。
【0058】なお、図5(b)に示す撮像信号IAのコ
ントラスト等が悪い場合には、例えばアライメントマー
ク29A,30Aを非計測方向(X方向の位置ずれ量を
計測する際にはY方向)に微動させて、良好な撮像信号
IAが得られる位置を捜せばよい。このようにレチクル
12、又は透過型基板40の位置を調整した場合には、
ステップ101で求めた相対座標(x1i,y1i)
を、(3)式等を用いて調整後の位置に合わせて求めた
相対座標で置き換えておく必要がある。また、レチクル
12として低反射レチクルが使用されているような場合
には、図10を参照して説明したように開口パターン4
1A,41Bとアライメントマーク29A,30Aとを
1/2ピッチだけずらして位置検出を行ってもよい。こ
の場合にも、ステップ101で求めた相対座標(x1
i,y1i)を置き換える必要がある。
【0059】次に、ステップ103において、主制御系
22Aは、ステップ102でレチクルアライメント系1
9,20を用いて求めた相対座標(x2i,y2i)
と、ステップ101で空間像センサを用いて求めた相対
座標(x1i,y1i)との差分である相対座標差S、
即ち(x2i−x1i,y2i−y1i)(i=1,
2)を求めてメモリに記憶する。この相対座標差Sは、
実際の露光時に露光光ELのもとで検出される相対座標
に対する、レチクルアライメント系19,20で検出さ
れる相対座標の差分、即ちレチクルアライメント系1
9,20で検出される位置ずれ量のオフセットに対応し
ている。なお、相対座標差Sを求める際には、アライメ
ントマーク29A,30Aの代わりに他のアライメント
マーク29B,30B〜29D,30Dを使用してもよ
い。
【0060】そして、レチクル12上のアライメントマ
ーク29A,30Aがそれぞれ図2(b)のレチクルア
ライメント系19,20の観察領域19R,20R内に
在る状態で、ステップ104において、図4(c)の基
準マーク板6上の基準マーク35A,36Aをそれぞれ
観察領域19R,20Rと共役なウエハステージ上での
観察領域19W,20W(図2(a)参照)に移動す
る。
【0061】図6(a)は、このようにレチクル12の
アライメントマークの像及び基準マーク板6上の基準マ
ークを対応する観察領域内に移動した状態を示し、この
図6(a)に示すように、観察領域19W内でマーク像
29AWと基準マーク35Aとが同時に観察でき、観察
領域20W内でマーク像30AWと基準マーク36Aと
が同時に観察できる。また、図6(c)に示すように、
観察領域19W及び20Wは、それぞれ投影光学系8の
露光フィールド内の光軸を横切る位置にあり、オフ・ア
クシス方式のアライメントセンサ34の観察領域内に基
準マーク37Aが収まっている。その後、ステップ10
5において、レチクルアライメント系19及び20では
観察される画像(図5(a)に示すような画像)の撮像
信号を処理してそれぞれ基準マーク35Aに対するマー
ク像29AWの位置ずれ量、及び基準マーク36Aに対
するマーク像30AWの位置ずれ量を求め、これらの位
置ずれ量を図1の主制御系22Aに供給する。これと同
時に、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34で
も対応する基準マーク37Aの像を撮像し、この撮像信
号を処理して得られる基準マーク37Aの検出中心(指
標マークの中心等)からの位置ずれ量を主制御系22A
に供給する。
【0062】その後、ステップ106で走査露光時と同
様に、図2(a)のZθ軸駆動ステージ4を+Y方向に
移動させるのと同期して、図2(b)のレチクル微小駆
動ステージ11を−Y方向に移動させる。これによっ
て、図6(b)に示すように、基準マーク板6とレチク
ル像12Wとが共に+Y方向に移動する。このとき、レ
チクルアライメント系19,20の観察領域19W,2
0Wと、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34
の観察領域とは固定されているので、観察領域19W,
20W及びアライメントセンサ34の観察領域を、符号
Aが付されたマーク群(マーク像29AW,30AW、
及び基準マーク35A,36A,37A)から符号Dが
付されたマーク群(マーク像29DW,30DW、及び
基準マーク35D,36D,37D)までが移動してい
く。この際に、符号B、符号C、及び符号Dが付された
マーク群が順次観察領域19W,20W及びアライメン
トセンサ34の観察領域に入ったときに、Zθ軸駆動ス
テージ4及びレチクル微小駆動ステージ11を静止させ
て各マークの位置検出を行う。
【0063】この場合、図6(a)の状態を第1の静止
位置とすると、第2の静止位置では観察領域19W,2
0W及びアライメントセンサ34の観察領域に存在する
マーク群は符号Bが付されたマーク群、即ち図4(a)
のマーク像29BW,30BW、及び図4(c)の基準
マーク35B,36B,37Bである。そして、レチク
ルアライメント系19及び20では基準マーク35B,
36Bに対するマーク像29BW,30BWの位置ずれ
量を求めて主制御系22Aに供給し、アライメントセン
サ34では対応する基準マーク37Bの位置ずれ量を求
めて主制御系22Aに供給する。以上のようなシーケン
スを第3の静止位置及び第4の静止位置(図6(b)の
状態)と繰り返すことにより、符号Cが付されたマーク
群(マーク像29CW,30CW、及び基準マーク35
C,36C,37C)、及び符号Dが付されたマーク群
についても、それぞれレチクルアライメント系19,2
0及びアライメントセンサ34によって位置計測が行わ
れる。レチクルアライメント系19,20で8個のマー
ク像29AW〜30DWに対して計測されるウエハス座
標系での位置ずれ量を(ΔXn,ΔYn)(n=1〜
8)として、アライメントセンサ34で4個の基準マー
クに対して計測されるウエハ座標系での検出中心からの
位置ずれ量を(ΔAXi,ΔAYi)(i=1〜4)と
する。
【0064】次にステップ107において、主制御系2
2Aではステップ103で求めた相対座標差Sを、それ
ぞれレチクルアライメント系19,20で検出された位
置ずれ量(ΔXn,ΔYn)(n=1〜8)から差し引
いて、減算後の位置ずれ量(ΔXn’,ΔYn’)を記
憶する。これによってレチクルアライメント系19,2
0の計測値のオフセットが補正される。それに続くステ
ップ108において主制御系22Aは、補正後の位置ず
れ量、及びアライメントセンサ34で検出された位置ず
れ量を演算処理して動的なレチクルアライメントを行
う。この際に、本例ではアライメント精度を高めるため
に、一例として図4(c)の基準マーク板6上の基準マ
ークの配列方向によって定まる座標系(以下、「基準マ
ーク板の座標系」と呼ぶ)を基準としてレチクルアライ
メントを行う。基準マーク板の座標系は、例えば基準マ
ーク部材6上の基準マーク35A,36Aを通る直線を
横軸(これをXS軸と呼ぶ)、基準マーク35A,35
Dを通る直線を縦軸(これをYS軸と呼ぶ)とする座標
系(XS,YS)である。また、この基準マーク板の座
標系(XS,YS)に対して、レチクル座標系(XR,
YR)を基準マーク板6上に投影した座標系のXS方向
及びYS方向のスケーリング(線形伸縮)をRx,R
y、ローテーション(回転)をθ、直交度誤差をω、X
S方向及びYS方向のオフセットをOx,Oyとする。
この場合の直交度誤差ωは、YS軸に対するレチクル座
標系のY軸を投影した軸の回転角、即ちレチクルステー
ジの走査方向の回転誤差である。
【0065】更に、図4(a)のマーク像29AW〜3
0DWのレチクル座標系を基準マーク板6上に投影した
座標系での設計上の座標を(Dxn,Dyn)(n=1
〜8)として、対応する基準マーク35A〜36Dの座
標系(XS,YS)上での座標を(Exn,Eyn)と
する。このとき、レチクルアライメント系19,20で
計測された補正後の位置ずれ量(ΔXn’,ΔYn’)
を用いて、マーク像29AW〜30DWの基準マーク板
6の座標系(XS,YS)での実測された座標(Dx
n’,Dyn’)は近似的に次のようになる。
【0066】 Dxn’=Exn+ΔXn’ (4A) Dyn’=Eyn+ΔYn’ (4B) このとき、上述の6個の変換パラメータ(Rx,Ry,
θ,ω,Ox,Oy)、及びマーク像29AW〜30D
Wの設計上の座標(Dxn,Dyn)より、マーク像2
9AW〜30DWの基準マーク板の座標系(XS,Y
S)上での計算上の座標(Fxn,Fyn)は次のよう
に表される。
【0067】 Fxn=Rx・Dxn−Rx(ω+θ)・Dyn+Ox (5A) Fyn=Ry・θ・Dxn+Ry・Dyn+Oy (5B) また、マーク像29AW〜30DWのXS方向及びYS
方向での計算上の座標(Fxn,Fyn)と実測された
座標(Dxn’,Dyn’)との差分、即ち非線形誤差
(εxn,εyn)は次のようになる。
【0068】εxn=Fxn−Dxn’ (6A) εyn=Fyn−Dyn’ (6B) そして、この非線形誤差(εxn,εyn)の8個のマ
ーク像29AW〜30DWについての自乗和が最小とな
るように、図1の主制御系22Aでは最小自乗法を用い
て、上記6個の変換パラメータRx,Ry,θ,ω,O
x,Oyの値を決定する。
【0069】次にステップ109において、決定された
スケーリングRx,Ryをレチクル座標系(XR,Y
R)の座標に乗じた座標を有すると共に、決定されたロ
ーテーションθを0にするように、レチクル座標系(X
R,YR)を回転して得られる座標系を新たにレチクル
座標系(XR,YR)として、これ以後はこの新たな座
標系に沿ってレチクル微小駆動ステージ11(レチクル
12)を走査する。これは、図4(c)の基準マーク板
6上の基準マーク35A〜35Dの配列方向に沿って図
2(c)のアライメントマーク29A〜29Dが移動す
るようにレチクル12を走査することを意味する。な
お、オフセットOx,Oyについてはウエハアライメン
トで補正が行われるために、ここでは必ずしも補正を行
う必要はない。
【0070】この結果、レチクル12のパターンは、基
準マーク板6上の矩形に配置された基準マーク35A〜
36Dに沿って走査されることになって、ウエハ上に露
光されるショット領域の形状は正確な矩形となる。更
に、ウエハステージ側の移動鏡7Xと基準マーク板6と
の傾斜角が変化したような場合でも、基準マーク板6上
の基準マークを基準としているため、その傾斜角の変化
の影響を受けないという利点もある。
【0071】次にステップ110に移行して、主制御系
22Aでは、レチクルアライメント系19,20で計測
された補正後の位置ずれ量(ΔXn’,ΔYn’)(n
=1〜8)、及びアライメントセンサ34で計測された
位置ずれ量(ΔAXi,ΔAYi)(i=1〜4)を演
算処理してアライメントセンサ34のX方向及びY方向
のベースライン量(BEX,BEY)を算出する。即
ち、図4(c)の基準マーク35A,36Aに対するマ
ーク像29AW,30AWの位置ずれ量を(ΔBX1,
ΔBY1),(ΔBX2,ΔBY2)、対応する基準マ
ーク37Aに対してアライメントセンサ34で計測され
る位置ずれ量を(ΔAX1,ΔAY1)とすると、符号
Aが付されたマーク群に対するベースライン量(BEX
1,BEY1)は次のようになる。
【0072】 BEX1=(ΔBX1+ΔBX2)/2−ΔAX1 (7A) BEY1=IL+(ΔBY1+ΔBY2)/2−ΔAY1 (7B) 同様にして他の3個のマーク群に対するベースライン量
(BEX2,BEY3)〜(BEX4,BEY4)も算
出される。そして、これら4個のベースライン量を平均
化することで、アライメントセンサ34のX方向及びY
方向のベースライン量(BEX,BEY)が算出され
る。このように本例では、4個のマーク群に対する計測
データを平均化してベースライン量を求めているため、
平均化効果によって高精度にベースライン量を計測でき
る。
【0073】更に、ステップ107において、レチクル
アライメント系19,20で計測された位置ずれ量が、
ステップ103で求められた相対座標差Sで補正されて
いるため、実際の露光光ELのもとでのベースライン量
が高精度に求められる。従って、レチクルステージ上の
レチクル12が厚さの異なるレチクルに交換された場
合、又は図7の照明光学系のレボルバ51を回転して、
変形照明、若しくは輪帯照明等に設定された場合でも、
図9のステップ101〜103の相対座標差Sを求める
工程を実行して、ステップ107でレチクルアライメン
ト系19,20の計測値を補正することによって、高精
度にレチクルアライメントを実行できると共に、高精度
にベースライン量を求めることができる。
【0074】この際に、本例ではステージ発光方式が使
用されておらず、空間像センサはウエハステージの内部
で開口パターンを通過した照明光を受光するだけでよい
ため、ウエハステージが簡素化でき、且つ小型化でき
る。なお、例えばレチクルを交換した場合には通常は、
図9のステップ101〜103の相対座標差Sを求める
工程をレチクル上の任意の1対のアライメントマーク
(例えば図2(c)のアライメントマーク29A,30
A)に対して実施するのみでよい。これは、図7の空間
像センサ、及びレチクルアライメント系19,20によ
る計測時には、レチクル上の同じアライメントマーク
と、透過型基板40上の同じ開口パターン41A,41
Bとが使用されるため、マーク描画誤差の影響を受け
ず、更にマルチマーク計測による平均化効果で高精度に
相対座標差Sを計測できるからである。
【0075】但し、例えばレチクル12の厚さが位置に
よって異なる場合、即ちレチクル12の厚さにテーパが
ある場合には、図2(c)のレチクル12上の走査方向
の両端の2組のアライメントマーク29A,30A及び
29D,30Dについて、それぞれ相対座標差SA及び
SDを計測しておけばよい。このとき、走査方向の中間
の2組のアライメントマーク29B,30B及び29
C,30Cの相対座標差SB,SCについては、例えば
それらの相対座標差SA,SDを比例配分することによ
って求めることができる。そして、図9のステップ10
7で位置ずれ量の補正を行う場合には、アライメントマ
ーク29A,30A〜29D,30Dについてそれぞれ
個別に相対座標差SA〜SDを用いて補正を行えばよ
い。これによって、レチクル12の厚さにテーパがある
場合でも、正確にレチクルアライメント系19,20で
求めた位置ずれ量を補正できる。
【0076】また、図1のレチクルアライメント系19
で図5(a)に示すように、落射照明によって基準マー
ク35Aの像35ARとアライメントマーク29Aとを
観察する場合、レチクルアライメント系19内の撮像素
子からの撮像信号には通常オートゲインコントロール
(AGC)が施されている。そのため、基準マーク板6
上で基準マーク35Aを囲む反射膜の反射率が低く、レ
チクル12上でアライメントマーク29Aの反射率が高
いような場合には、図5(b)の撮像信号IAが平均と
して大きく増幅される。そのため、パルス信号66A〜
66Eの部分が飽和して、位置ずれ量が正確に検出でき
なくなる恐れがある。そこで、レチクルアライメント系
19,20内の落射照明系に光量可変機構を設け、レチ
クル12のアライメントマークに対応する信号が飽和し
ないように照明光の光量を制御することが望ましい。
【0077】なお、上述の実施の形態では、レチクルア
ライメント系19,20は独自に照明系を備えている
が、例えば図7において、偏向ミラー15,16を露光
光ELに対するハーフミラーとすることによって、光源
系SL〜コンデンサレンズ15よりなる露光光の照明光
学系をレチクルアライメント系19,20の落射照明系
として兼用するようにしてもよい。この場合、レチクル
アライメント系19,20を使用する際には、露光光E
Lの光路中に偏向ミラー15,16を配置し、空間像セ
ンサを使用する際には露光光ELの光路から偏向ミラー
15,16を退避させることによって、露光光ELの照
明光学系が共通に使用でき、レチクルアライメント系1
9,20の構成が簡素化できる。
【0078】また、上述の実施の形態はステップ・アン
ド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したも
のであるが、本発明はステッパーのような一括露光型の
投影露光装置にも適用できることは明らかである。この
ように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0079】
【発明の効果】本発明による第1の投影露光装置によれ
ば、例えば予め実際に使用される露光光と同じ照明条件
のもとで、空間像センサによってマスク上の位置合わせ
用マークと第2の基準マークとの相対位置を検出し、マ
スク側のアライメントセンサでも両者の相対位置を検出
し、2つの相対位置のずれ量をオフセットとして記憶し
ておくことができる。そして、そのマスクのアライメン
ト時にそのアライメントセンサによって検出される位置
ずれ量をそのオフセットで補正することによって、ステ
ージ発光方式で基板ステージ(ウエハステージ)側の第
1又は第2の基準マークを照明することなく、且つ露光
光の照明条件が切り換えられた場合、マスクの厚さが変
化した場合(テーパを有する場合も含む)、又はそのマ
スク側のアライメントセンサでデフォーカスが生じた場
合でも、それぞれ高精度にマスクのアライメント(レチ
クルアライメント)を行うことができる利点がある。こ
れによってその基板ステージの小型化及び軽量化も図ら
れる。
【0080】また、本発明による第2の投影露光装置に
よれば、例えばその空間像センサを光量検出型とし、そ
の第2の基準マークを開口パターンとし、そのアライメ
ントセンサを画像処理型とすることによって、その第2
の基準マークを容易に空間像センサとアライメントセン
サとで共通に使用できる利点がある。また、本発明によ
る第3の投影露光装置によれば、予めその空間像センサ
を用いてそのマスクのアライメントセンサの計測値を補
正しておき、この補正後の計測値と基板側のアライメン
トセンサの計測値とを使用することによって、露光光の
照明条件が切り換えられたような場合でも高精度にその
基板側のアライメントセンサのベースライン量を計測で
きる利点がある。
【0081】また、そのマスク側のアライメントセン
サ、及びその空間像センサ用の照明光としてそれぞれそ
の露光光を使用し、そのマスク側のアライメントセンサ
をその露光光の光路から退避させるための退避装置を設
けた場合には、露光光の照明光学系を共通に使用できる
ため、全体の光学系が簡素化できる。また、そのマスク
の反射率に応じて、そのマスク側のアライメントセンサ
を用いてその投影光学系を介してその基板ステージ上の
第1、又は第2の基準マークとそのマスク上の位置合わ
せ用マークとの位置ずれ量を検出する際のその第1、又
は第2の基準マークの位置を調整する場合には、そのマ
スクとして低反射レチクルが使用されるような場合でも
高精度にそのマスク上の位置合わせ用マークの位置を検
出できる利点がある。
【0082】また、その透過型の第2の基準マークを複
数個の透過型マークより形成した場合には、相対走査を
行うときには検出信号のSN比が向上し、画像処理方式
のときには平均化効果が得られるため、それぞれマスク
のアライメント、又はベースライン量の計測をより高精
度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の実施の形態の一例
を示す概略構成図である。
【図2】(a)は図1のウエハステージを示す平面図、
(b)は図1のレチクルステージを示す平面図、(c)
はレチクル12上のアライメントマークの配列を示す平
面図である。
【図3】(a)は基準マーク35A、及び空間像センサ
用の開口パターン41Aを示す拡大平面図、(b)はレ
チクル上のアライメントマーク29Aを示す拡大平面図
である。
【図4】(a)はレチクル12のウエハステージへの投
影像を示す平面図、(b)はウエハステージ上の透過型
基板40を示す平面図、(c)は基準マーク板6上の基
準マークの配置を示す平面図、(d)はオフ・アクシス
方式のアライメントセンサ用の基準マークの形状を示す
図である。
【図5】(a)は基準マークの像35ARとアライメン
トマーク29Aとが重ね合わされた状態を示す拡大図、
(b)は図5(a)の像をレチクルアライメント系で撮
像して得られる撮像信号を示す図、(c)はレチクルの
反射率が低い場合の撮像信号を示す図である。
【図6】レチクル12と基準マーク板6とを相対走査す
る際の説明図である。
【図7】図1の投影露光装置における露光光の照明光学
系、及び空間像センサを示す一部断面図を含む構成図で
ある。
【図8】(a)はアライメントマークの像29AWと開
口パターン41Aとを相対走査する様子を示す拡大図、
(b)はその相対走査によって空間像センサで検出され
る光電信号IBを示す図、(c)はその光電信号IBの
微分信号を示す図である。
【図9】本発明による実施の形態でレチクルアライメン
ト系の計測値のオフセットを求める際の動作の一例を示
すフローチャートである。
【図10】(a)は基準マークの像35ARとアライメ
ントマーク29Aとが1/2ピッチずれて重ね合わされ
た状態を示す拡大図、(b)は図10(a)の像をレチ
クルアライメント系で撮像して得られる撮像信号を示す
図である。
【符号の説明】 4 Zθ軸駆動ステージ 5 ウエハ 6 基準マーク板 7 ウエハ側の移動鏡 8 投影光学系 11 レチクル微小駆動ステージ 12 レチクル 17,18 ミラー駆動装置 19,20 レチクルアライメント系 21 レチクル側の移動鏡 22A 主制御系 29A〜29D,30A〜30D アライメントマーク 34 オフ・アクシス方式のアライメントセンサ 35A〜35D,36A〜36D 基準マーク 37A〜37D 基準マーク 40 透過型基板 41A,41B 開口パターン 42A,42B 光ファイバ 64A,64B 光電センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置合わせ用マーク及び転写用パターン
    が形成されたマスクを露光光で照明する照明光学系と、
    前記露光光のもとで前記マスクの前記転写用パターンの
    像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記感光基板
    を移動する基板ステージとを備えた投影露光装置におい
    て、 前記基板ステージ上に形成された第1の基準マークと、 前記基板ステージ上に形成された透過型の第2の基準マ
    ークと、 前記マスクの上方に配置され、前記露光光と同じ波長域
    の照明光のもとで前記投影光学系を介して前記基板ステ
    ージ上の前記第1又は第2の基準マークと前記マスク上
    の位置合わせ用マークとの位置ずれ量を検出するマスク
    側のアライメントセンサと、 前記露光光と同じ波長域で、且つ同じ照明条件の照明光
    のもとで前記マスク上の位置合わせ用マークの前記投影
    光学系による投影像を前記第2の基準マークを介して検
    出する空間像センサと、を設けたことを特徴とする投影
    露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投影露光装置であって、 前記マスク上の位置合わせ用マークの投影像と前記第2
    の基準マークとを相対走査したときに前記空間像センサ
    から得られる検出信号より第1の相対位置ずれ量を求め
    ると共に、 前記マスク側のアライメントセンサにより検出される前
    記マスク上の位置合わせ用マークと前記第2の基準マー
    クの投影像との位置ずれ量から求められる第2の相対位
    置ずれ量と、前記第1の相対位置ずれ量とのオフセット
    を求める演算制御手段を設け、 前記マスク側のアライメントセンサにより検出される前
    記マスク上の位置合わせ用マークと前記第1の基準マー
    クの投影像との位置ずれ量を前記演算制御手段により求
    められるオフセットで補正することを特徴とする投影露
    光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の投影露光装置で
    あって、 前記感光基板上の位置合わせ用マークの位置を検出する
    ための基板側のアライメントセンサを配置し、 前記基板ステージ上に前記第1の基準マークに対して所
    定の位置関係で第3の基準マークを形成しておき、 前記マスク側のアライメントセンサにより前記マスク上
    の位置合わせ用マークと前記第1の基準マークの投影像
    との位置ずれ量を検出するのと並行に、前記基板側のア
    ライメントセンサにより前記第3の基準マークの位置を
    検出することによって、前記基板側のアライメントセン
    サの検出中心と前記マスクの前記基板ステージ上への投
    影像の中心との相対間隔を計測することを特徴とする投
    影露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の投影露光装
    置であって、 前記マスク側のアライメントセンサ、及び前記空間像セ
    ンサ用の照明光としてそれぞれ前記露光光を使用し、 前記マスク側のアライメントセンサを前記露光光の光路
    から退避させるための退避装置を設けたことを特徴とす
    る投影露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、又は4記載の投影露
    光装置であって、 前記マスクの反射率に応じて、前記マスク側のアライメ
    ントセンサを用いて前記投影光学系を介して前記基板ス
    テージ上の前記第1、又は第2の基準マークと前記マス
    ク上の位置合わせ用マークとの位置ずれ量を検出する際
    の前記第1、又は第2の基準マークの位置を調整するこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項記載の投影露
    光装置であって、 前記透過型の第2の基準マークを複数個の透過型マーク
    より形成したことを特徴とする投影露光装置。
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