JPH10140781A

JPH10140781A - 耐火パネル

Info

Publication number: JPH10140781A
Application number: JP8295569A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Suzuki; 雅彦鈴木; Hideki Takiguchi; 英喜滝口
Original assignee: IG Technical Research Inc
Current assignee: IG Technical Research Inc
Priority date: 1996-11-08
Filing date: 1996-11-08
Publication date: 1998-05-26

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は建築、構築物の内壁材、外壁材、屋
根材、天井材、床材、間仕切り材、あるいは防火戸、等
として使用でき、かつ、製造後に膨れ、反り等の変形が
なく、しかも防火性、耐火性、機械強度に優れた耐火パ
ネルに関するものである。【構成】表面材１と裏面材２にて耐火性のある合成樹
脂発泡体１０からなる芯材３をサンドイッチし、幅方向
の少なくともどちらか一方に不燃ボード７を形成し、両
端に雄雌連結構造を形成した耐火パネルＡにおいて、少
なくとも前記表面材１を凹凸を形成したキーストン調化
粧面６とした耐火パネルＡである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築、構築物の内壁材、
外壁材、屋根材、天井材、床材、間仕切り材、あるいは
防火戸、等として使用でき、かつ、製造後に膨れ、反り
等の変形がなく、しかも防火性、耐火性、機械強度に優
れた耐火パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、薄板状の表面材と裏面材にてフ
ェノール樹脂発泡体（フェノールフォーム）からなる芯
材をサンドイッチした耐火パネルは数多く発明、考案さ
れて上市されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような芯材としてフェノールフォームを使用した耐火パ
ネルでは、一般的にフェノールフォームの自己接着性
が弱く、表面材、裏面材と芯材との接着性に劣り、剥離
が生じ易いものであった。また、一般的に芯材を各種
合成樹脂発泡体とした際には、耐火パネル自体の機械強
度に劣り、しかも合成樹脂発泡体の経時変化により、耐
火パネル表面に凹凸が生じたり、反ったりする不具合が
生じることがある場合もあった。さらに、芯材の形成
時に反応ガスが発生して芯材内に残留したり、フェノー
ルフォーム中に、反応の際の縮合水が重量の数１０パー
セント位が保持され、製品の養生期間、あるいは耐火パ
ネルの施工後に、外気温等の変化により、水分が水蒸気
化し、逃げ道が無いために、耐火パネルの表面材もしく
は裏面材と芯材間に残留し、耐火パネルの表面材裏面や
裏面材裏面にガス膨れが発生したり、反ったりする等、
経時的に耐火パネルに悪影響をおよぼす不具合を生じる
こともあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するために、表面材と裏面材にて耐火性のある合
成樹脂発泡体からなる芯材をサンドイッチし、幅方向の
少なくともどちらか一方に不燃ボードを形成し、両端に
雄雌連結構造を形成した耐火パネルにおいて、少なくと
も前記表面材を凹凸を形成したキーストン調化粧面とす
ることにより、耐火パネル自体の機械強度を向上させる
と共に、芯材との接着強度を向上させ、芯材内の反応ガ
スや水蒸気による耐火パネルの反りやふくれ等の悪影響
を排除した耐火パネルを提案するものである。

【０００５】

【実施例】以下に図面を用いて、本発明に係る耐火パネ
ルの一実施例について詳細に説明する。すなわち、耐火
パネルＡは図１に示すように、表面材１と裏面材２で例
えばフェノール樹脂を主原料とする合成樹脂発泡体から
なる芯材３を、サンドイッチした耐火パネルＡである。

【０００６】耐火パネルＡの全体形状の例としては図１
に示すように、長尺で金属製の薄板からなる表面材１と
裏面材２間に芯材３をサンドイッチし、幅方向の一端に
形成した雄型連結部４、他端に形成した雌型連結部５、
およびキーストン調化粧面６とから形成したものであ
る。また、耐火パネルＡ同士の連結で生じる目地部には
不燃ボード７、不燃パッキング材８、防水パッキング材
９を介在し、さらに防火性、耐火性、防水性の向上を図
った耐火パネルＡである。また、図２において、αは躯
体、βは固定具である。

【０００７】表面材１と裏面材２は金属薄板、例えば
鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・
亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼
板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板（塩ビ鋼板等）、サ
ンドイッチ鋼板（制振鋼板等）、塩化ビニル樹脂、ポリ
カーボネイト樹脂等（勿論、これらを各種色調に塗装し
たカラー板を含む）の一種をロール成形、プレス成形、
押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは
無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生
成形等して各種任意形状に形成したもの、さらには、裏
面材２としてアルミニウム蒸着紙、アスベスト紙、クラ
フト紙、アスファルトフェルト、金属箔（Ａｌ、Ｆｅ、
Ｐｂ、Ｃｕ）、合成樹脂シート、ゴムシート、布シー
ト、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の１
種、または２種以上をラミネートしたもの、あるいは防
水処理、難燃処理されたシート状物からなるものであ
る。

【０００８】また、芯材３はポリウレタンフォーム、ポ
リイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩
化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレ
ンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体から
なるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液
と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材１、もしくは裏面
材２の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化さ
せて形成したものである。また、芯材３中には各種難燃
材として軽量骨材（パーライト粒、ガラスビーズ、石膏
スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウ
ム等）、繊維状物（グラスウール、ロックウール、カー
ボン繊維、グラファイト等）を混在させ、耐火性、防火
性を向上させることもできる。

【０００９】さらに詳説すると芯材３は、例えば主構成
材をプラスチックフォーム１０とし、両端部に不燃ボー
ド７を介在させた構成であり、プラスチックフォーム１
０は主に断熱材、耐火材、接着剤、補強材、緩衝材、吸
音材、嵩上材、軽量化材、等として機能するものであ
る。勿論、芯材３としてロックウール、グラスウール、
セラミックウール等の無機材を使用しても良いものであ
る。

【００１０】キーストン調化粧面６は、表面材１を凹凸
状に形成しキーストン調（波状）に形成したものであ
る。このように表面材１を凹凸状に形成することによ
り、耐火パネルＡの剛性を強化して強度を向上し、ま
た、芯材３の余剰ガス成分による表面材１の変形の防
止、等を図るものである。さらに、化粧面を凹凸状に形
成することにより、化粧面に深み（陰影）のある重厚な
外観を付与し、金属の安っぽいイメージを払拭するもの
である。なお、凹凸の幅は１０ｍｍ〜５０ｍｍ位、深さ
は５ｍｍ〜２０ｍｍ位である。

【００１１】プラスチックフォーム１０としてはレゾー
ル型のフェノールフォームに、発泡剤、水酸化アルミニ
ウム（Ａｌ（ＯＨ）₃）、ポリリン酸アンモニウム、グ
ラファイト、硬化剤、ケイ酸カルシウムあるいは炭酸カ
ルシウム等の無機材等を混入し、発泡、硬化させ、仕上
がり密度で５０〜３００Ｋｇ／ｍ³位に形成したもので
ある。

【００１２】不燃ボード７は、連結部の防火性の強化の
ため用いるもので、ＪＩＳ−Ａ−１３０４の耐火構造試
験の耐火構造１時間試験（３０分、１時間、２時間の試
験がある）に合格するためのものであり、例えばケイ酸
カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、パーラ
イトセメント板、ロックウール板、スレート板、ＡＬＣ
板、ＰＣ板、その他の無機質軽量体、無機質軽量発泡
体、あるいはこれらの複合板の１種以上、もしくは超高
密度樹脂（高密度のフェノールフォーム等）を耐火パネ
ルＡの雄型連結部４、雌型連結部５に一体に介在させる
ものである。勿論、図に示すように雄型連結部４、雌型
連結部５の両方に形成したり、一方に形成したり、雄型
連結部４から雌型連結部５に亘って形成したりすること
ができるものである。

【００１３】不燃パッキング材８は、例えばロックウー
ルフェルト、セラミックウール等よりなり、ＪＩＳ−Ａ
−１３０４の耐火構造試験の耐火構造１時間試験時に連
結部間に間隙が形成されるのを防止して火炎の浸入を遮
断し、主に耐火材、気密材等の機能として有用なもので
ある。

【００１４】防水パッキング材９は、例えば定型で弾性
のあるパッキング材としては、例えばポリ塩化ビニル
系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン
系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレ
タン系、ＥＰＭ、ＥＰＤＭ等の一般的に市販されている
ものである。また、硬化型のパッキング材（シーリング
材）としてはシリコーン系（反応硬化型、湿気硬化
型）、変成シリコーン系（反応硬化型）、ポリサルファ
イド系（反応硬化型）、ポリウレタン系（反応硬化型、
湿気硬化型）、ＳＢＲ系（乾燥硬化型）、アクリル系
（乾燥硬化型）等よりなるものであり、主に防水材、気
密材等の機能として有用なものである。勿論、これらの
成分中に無機材等の難燃材、あるいは耐火性、防火性を
有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニ
ウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラファ
イト（発泡、非発泡）等の難燃材を混入した耐火性のあ
るパッキング材を使用しても良いものである。

【００１５】さらに、この構成の耐火パネルＡの防火性
を確認するため、ＪＩＳ−Ａ−１３０４の耐火構造試験
の耐火構造１時間試験を実施したところ合格する性能を
得た。なお、この際の仕様は表面材１と裏面材２が０．
５ｍｍ厚のカラー鋼板、芯材３はフェノールフォーム
（密度１６０Ｋｇ／ｍ³位）、不燃ボード７は１０ｍｍ
厚のケイ酸カルシウム板で、総厚さが５０ｍｍであっ
た。また連結部にはロックウールフェルトよりなる不燃
パッキング材８を連続で形成したものである。

【００１６】以上説明したのは本発明に係る耐火パネル
の一実施例にすぎず、図３（ａ）〜（ｃ）〜図９に示す
ように形成することもできる。

【００１７】また、図３（ａ）〜（ｃ）〜図８（ａ）、
（ｂ）は耐火パネルＡのその他の実施例を示す断面図で
ある。

【００１８】特に、図４（ｂ）、図６（ｄ）は凹凸部分
に空間１１を形成し、芯材３内の余剰ガス成分を縦目地
部分等から外部に放出するようにした耐火パネルＡであ
る。

【００１９】図６（ａ）〜（ｄ）は耐火パネルＡのその
他の実施例を示す断面図であり、表面材１、裏面材２の
裏面（図では表面材１の裏面に形成した場合を示す）に
通気性部材１２、パイルを複数本形成したパイル層１
３、通気性耐火シート１４を形成した場合を示すもので
ある。勿論、表面材１と裏面材２の両方の裏面に通気性
部材１２、パイル層１３、通気性耐火シート１４を形成
することができる。なお、各部材はプラスチックフォー
ム１０の自己接着性、あるいは接着剤等を用いて接着す
るものである。

【００２０】接着剤の例としては、エラストマー型エポ
キシ樹脂、イソシアネート、例えばメチレンジイソシア
ネート（略称ＭＤＩ）等のエマルジョンタイプ、ホット
メルトタイプ、および、その変性イソシアネート、例え
ばウレタン変性、ビュレット変性イソシアネート、イソ
シアヌレート変性イソシアネート等の１種を用いるもの
であり、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタ
ン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ＥＶＡ樹脂等の合成樹脂系の接着剤、ゴム系接着
剤、油性系接着剤、紫外線硬化型接着剤、等よりなるも
のである。

【００２１】通気性部材１２はプラスチックフォーム１
０内で極小間隙を形成する通気性のある部材であれば何
でもよく、例えば、綿、麻、毛、絹、等（植物性繊維、
動物性繊維、合成樹脂製繊維、無機質製繊維、等）の繊
維を細く長くひきのばしてよりをかけたものである。さ
らに詳説すると、通気性部材１２に形成される極小間隙
はプラスチックフォーム１０内の余剰ガス成分（塩素、
二酸化炭素、塩化メチレン、ホルムアルデヒド、水蒸
気、水素、等）、あるいは反応時の縮合水等のガスが通
気できるようにするものであり、製造後の耐火パネルＡ
の表面、裏面には内部ガスによる膨れ、反り等の変形が
なく、しかも強度、耐火性能に優れた耐火パネルＡとな
る。

【００２２】パイル層１３を形成するパイルは、表面材
１もしくは裏面材２のプラスチックフォーム１０側の面
の少なくとも一部に、接着剤を介して配設されるもの
で、多数のパイルからなるパイル層１３を形成するもの
である。パイルの素材としては、植物性繊維、動物性繊
維、合成樹脂製繊維等よりなり、例えばグラスウール、
ポリエステル、綿、絹、木綿、ナイロン、羽毛、ロック
ウール、各種金属等のうち少なくとも１つを用い、糸状
として、もしくは繊維を細く長くひきのばしてよりをか
けたものとして使用するものである。

【００２３】パイルとしては任意の直径で長さは１〜２
５ｍｍ、太さは１０〜２００デニール、散布率１０〜３
００ｇ／ｍ²でパイル層１３を形成する。パイルは根本
を接着剤に埋設、固定するもので、先端はプラスチック
フォーム１０の方向に伸びているものであり、その方向
としては接着剤より突出していれば良いが、表面材１も
しくは裏面材２に略垂直であることが、強力にプラスチ
ックフォーム１０と結合するためには好ましい。なお、
パイルは例えば素材としてはナイロンを用い、長さは８
ｍｍ程度、太さは６０デニール程度、散布率は７０ｇ／
ｃｍ²程度とすることにより、パイル層１３とプラスチ
ックフォーム１０間の接着強度を強力にすることができ
るものである。

【００２４】パイルは、表面材１もしくは裏面材２の裏
面側の少なくとも一部に多数配設されてパイル層１３を
形成し、プラスチックフォーム１０の形成過程の液状の
うちに浸透し、後に硬化することによって表面材１もし
くは裏面材２とプラスチックフォーム１０との結合強度
を大幅に向上させるものであり、表面材１および裏面材
２の内部ガスによる膨れ、反りによるプラスチックフォ
ーム１０との剥離を防止するものである。

【００２５】パイル層１３の形成方法は、表面材１もし
くは裏面材２の裏面側の少なくとも一部に所定の方法に
て塗布された接着剤が乾燥しない内に多数のパイルを植
設するものであり、機械的に直接１単体ずつもしくは複
数を直接植設する方法や、接着剤上にパイルを散布する
方法等がある。

【００２６】通気性耐火シート１４は、例えば耐火性を
有する素材としては無機繊維をシート状にしたものであ
り、例えばロックウールフェルト、セラミックウール、
グラスウール等、あるいは通気性を有する素材としては
プラスチックフォーム１０と空間１１間に極小間隙を形
成する通気性のある部材であれば何でもよく、例えば、
綿、麻、毛、絹、等（植物性繊維、動物性繊維、合成樹
脂製繊維、無機質製繊維、等）の繊維を細く長くひきの
ばしてよりをかけたものである。勿論、この場合には通
気性耐火シート１４の繊維がパイル層１３と同様の作用
・効果を有するものである。

【００２７】図９は耐火パネルＡ間の裏面目地部に耐火
敷目板Ｂを形成し、耐火性を大幅に向上した耐火パネル
Ａの施工状態を示す断面図であり、断面略Ｔ字状の金属
製敷目板に無機材よりなる耐火シート（ロックウールフ
ェルト、セラミックウール、グラスウール、等）を一体
に形成した長尺状部材である。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る耐火パ
ネルによれば、表面材と芯材の接着強度が大幅に向上
し、製造後に表面材と芯材が剥離することがない。Ｊ
ＩＳ−Ａ−１３０４（建築構造部分の耐火試験方法）の
耐火構造１時間試験に合格できる耐火性能を有する。ま
た、表面材をキーストン調（波状）に形成したために、
耐火パネルの剛性を強化して強度を向上する。芯材
の余剰ガス成分による表面材の変形の防止する。化粧
面に深み（陰影）のある重厚な外観を付与し、金属の安
っぽいイメージを払拭する。等の特徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る耐火パネルの代表例を示す断面図
である。

【図２】本発明に係る耐火パネルの施工状態を示す断面
図である。

【図３】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図４】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図５】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図６】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図７】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図８】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す断
面図である。

【図９】本発明に係る耐火パネルのその他の例を示す施
工状態断面図である。

【符号の説明】

α 躯体 β 固定具Ａ耐火パネルＢ耐火敷目板１表面材２裏面材３芯材４雄型連結部５雌型連結部６キーストン調化粧面７不燃ボード８不燃パッキング材９防水パッキング材１０プラスチックフォーム１１空間１２通気性部材１３パイル層１４通気性耐火シート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表面材と裏面材にて耐火性のある合成樹
脂発泡体からなる芯材をサンドイッチし、幅方向の少な
くともどちらか一方に不燃ボードを形成し、両端に雄雌
連結構造を形成した耐火パネルにおいて、少なくとも前
記表面材を凹凸を形成したキーストン調化粧面としたこ
とを特徴とする耐火パネル。