JPH10140683A - 空調用通路付き建材 - Google Patents

空調用通路付き建材

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JPH10140683A
JPH10140683A JP8300176A JP30017696A JPH10140683A JP H10140683 A JPH10140683 A JP H10140683A JP 8300176 A JP8300176 A JP 8300176A JP 30017696 A JP30017696 A JP 30017696A JP H10140683 A JPH10140683 A JP H10140683A
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insulating material
heat insulating
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Kazuhiko Kadowaki
一彦 門脇
Toru Inazuka
徹 稲塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和された空気の供給通路等を建物の建
築中に予め形成し得るようにして建築工事終了後のダク
ト等の配設工事を不要にしつつ、その空気による室内空
間の空気調和時においても室内空間を快適な環境に維持
する。 【解決手段】 補強パネル部材(1)に第1断熱材層
(2)を接着し、第1断熱材層と第2断熱材層(3)と
を2本以上のスペーサ部材を介して一体化して、第1及
び第2断熱材層間に上下方向に延びて開口する空調用通
路(5)を形成する。第2断熱材層を内外方向に連続し
て連通する多数の微小孔が形成された多孔質材料で形成
し、同様に多数の微小孔が開けられた化粧パネル部材
(6)を室内空間側に取付ける。上端部に嵌められた接
続部材(9)の接続通路(9a)を通して空調用通路に
供給された空気調和後の空気を多数の微小孔から室内空
間に分散状態で、かつ、じわっと吹出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建物を建
築する際に用いられるものであって、建物の壁面に対し
空調用の空気を供給する通路を予め形成するために用い
られる空調用通路付き建材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅等の建物の各室内空間に
対し冷房,暖房,もしくは,除湿等の空気調和を集中的
に行う場合には、その建物の建築工事の終了後に空気調
和機を屋外に設置し、その空気調和機と各部屋とを接続
するダクト等を上記建物の外壁面に沿って配設したり、
その外壁を貫通して屋内に沿って上記各部屋まで配設す
るという設置工事が一般に行われている。
【0003】また、特に住宅の各部屋毎に個別に上記空
気調和を行う場合には、各部屋毎に室外ユニット(室外
機)と室内ユニット(室内機)とを設置し、壁面に貫通
孔を開けてダクト等を通しこのダクト等により上記室外
ユニットと室内ユニットとを互いに連続するという設置
工事が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の設置
工事では、建物の建築工事の終了後でなければ行い得な
いものであるため、その設置工事のために建物完成まで
の工期が長期化するという不都合がある。加えて、上記
の空気調和機の設置工事やダクトの配設工事には手間が
かかるばかりでなく、そのダクトの存在により建物の外
観が損なわれる上、ダクト配設のための内部スペースが
必要になるという不都合がある。
【0005】その上、室内空間に対し、室内ユニットの
空気吹出口、つまり一箇所の出口から空気調和後の空気
が強制的に吹き出されるようになるため、室内空間に風
が巻き起こり、その風に晒されることにより室内空間に
いる人間に対し不快感を与えることになる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、空気調和され
た空気の供給通路等を建物の建築中に予め形成し得るよ
うにして建築工事終了後のダクト等の配設工事を不要に
しつつ、その空気による室内空間の空気調和時において
も室内空間を快適な環境に維持することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1〜請求項5の内の一に記載の第1の発明で
は、建物の室内空間を区画形成する単位建材パネルの内
部に空調用通路を予め形成したものである。具体的に
は、請求項1記載の発明は、上記単位建材パネルを、表
裏各面側に配置された第1及び第2の断熱材層(2,
3、21,22、35,36)と、この第1及び第2の
断熱材層の間に長手方向に延びるように形成された空調
用通路(5,23,37)とを備えるものとし、上記空
調用通路(5,23,37)を挟んで裏面側に位置する
第2断熱材層(3,22,36)に、空気吹出口とし
て、裏面側に臨む空間と上記空調用通路(5,23,3
7)とを互いに連通する多数の微小孔(3a,22a,
36a)を形成する構成とするものである。
【0008】上記の構成の場合、住宅の建築工事におい
て、柱や梁等により構成された枠組に対し通常の単位建
材パネルを順次固定していく際に、所定位置の上記通常
の単位建材パネルに代えて上記の空調用通路付き建材
(10,20)を固定することにより、建築工事過程に
おいて空調用通路が建物の室内空間を区画形成する壁の
内部に予め形成される。このため、建築工事終了後にダ
クト等を上記壁に沿って固定していくという配設工事を
省略することが可能になる。そして、建築工事の終了後
に上記空調用通路(5,23)に空気調和機を接続する
ことにより上記空調用通路を通して空気調和後の空気を
搬送し得ることになる。この際、上記空調用通路はその
表裏両側が第1及び第2の断熱材層(2,3、21,2
2)により挟まれているため、上記の空気調和後の空気
をその熱的状態を損なわずに搬送し得る上、その壁内を
通る空気調和後の空気によって壁内の結露防止が図られ
る。また、上記空調用通路(5,23)に供給された空
気調和後の空気は第2断熱材層(3,22)の多数の微
小孔(3a,22a)のそれぞれを通して室内空間に徐
々に吹き出されることになる。このため、従来の室内ユ
ニットの空気吹出口から吹き出される場合ように一箇所
の空気吹出口から室内空間に強制的に吹き出されて室内
空間に風が巻き起こるようなことがなく、従来の場合と
比べ自然対流に近い環境で室内空間の温度調整が可能に
なり、快適な環境を創造してそれを維持することが可能
になる。加えて、上記空気調和の空気が通過する単位建
材パネルの室内側壁面からの輻射熱によってその単位建
材パネルによって仕切られた各部屋の熱的調和も図り得
る上、各部屋を外部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も
得られる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第2断熱材層(3,22,36)を、厚み
方向に連続して連通する多数の微小孔(3a,22a,
36a)を有する多孔質の材料により形成するものであ
る。
【0010】上記の構成の場合、第2断熱材層(3,2
2,36)が多数の微小孔を有する多孔質の材料により
形成されているため、上記の微小孔を別に形成する必要
もなく、請求項1記載の発明の空調用通路付き建材(1
0,20,30)を容易に形成することが可能になり、
請求項1記載の発明による作用を容易に得ることが可能
になる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、単位建材パネルとして、少なくとも2本の
スペーサ部材(4,4)が第1及び第2の断熱材層
(2,3、21,22、35,36)の間であって、幅
方向に互いに離れた位置で上記単位建材パネルの長手方
向略全長に延びるように介装された状態で一体化する。
そして、長手方向に延びる空調用通路(5,23,3
7)を、互いに隣接する2つのスペーサ部材(4,4)
と上記第1及び第2の断熱材層(2,3、21,22、
35,36)とにより区画して形成するものである。
【0012】上記の構成の場合、単位建材パネルの一対
の断熱材層(2,3、21,22、35,36)間に空
調用通路(5,23,37)を形成するための一構成例
が具体的に特定され、これにより、空調用通路(5,2
3,37)が容易かつ確実に形成される。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、表面側の第1断熱材層(2,35)に、そ
の第1断熱材層(2,35)の外表面を覆い単位建材パ
ネルとしての平面形状を保持する補強パネル部材(1,
31′)を一体に固定するものである。
【0014】上記の構成の場合、一対の断熱材層(2,
3、21,22、35,36)間に空調用通路(5,2
3,37)が形成されていても、補強パネル部材(1,
31′)により単位建材パネルの全体形状が確実に平面
形状に維持され、これにより、枠組等に対する上記単位
建材パネル(31)の固定作業の容易化及び確実化が図
られる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、裏面側の第2断熱材層(3,22,36)
に、その第2断熱材層(3,22,36)の外表面を覆
う化粧パネル部材(6)を一体に固定し、上記化粧パネ
ル部材(6)の長手方向もしくは幅方向に対し所定範囲
に、厚み方向に貫通する多数の微小孔(6a,6a,
…)を分散して形成するものである。
【0016】上記の構成の場合、建築工事において本空
調用通路付き建材を枠組等に固定するだけで、内装仕上
げ材としての化粧パネルがすでに終了した状態になる。
このため、通常の単位建材パネルの取付けの後の内装仕
上げ材の張り付け作業を省略することが可能になる。し
かも、その化粧パネル部材(6)には予め多数の微小孔
(6a,6a,…)が貫通形成されているため、第2断
熱材層(3,22,36)の微小孔(3a,22a,3
6a)を通して吹き出される空気調和後空気を室内空間
に対し徐々に吹出させることが可能になる。
【0017】請求項6〜請求項9の内の一に記載の第2
発明は、建物の室内空間を区画形成する単位建材パネル
(31)の内部に空調用通路(37)を予め形成し、こ
の単位建材パネル(31)に対し、ケーシング(38)
の内部に送風機(40)及び熱交換器(39)を含む各
種機器が内蔵された空気調和機(32)を一体的に結合
して空調用通路付き建材(30)を構成したものであ
る。
【0018】具体的には、請求項6記載の発明は、建物
の室内空間を区画形成する単位建材パネル(31)に対
し、ケーシング(38)の内部に送風機(40)及び熱
交換器(39)を含む各種機器が内蔵された空気調和機
(32)を予め一体的に結合して構成する。そして、上
記単位建材パネル(31)を、上記空気調和機(32)
の空気吸込口及び空気吹出口に対応する大きさの開口部
(33a,33b)が厚み方向に貫通して形成された補
強パネル部材(31′)と、この補強パネル部材(3
1′)の上記空気吸口を除く範囲の裏面側に積層された
第1及び第2の断熱材層(35,36)と、この第1及
び第2の断熱材層(35,36)の間に長手方向に延び
るように形成された空調用通路(37)とを備えるもの
とする。加えて、上記空調用通路(37)を挟んで裏面
側に位置する第2断熱材層(36)に、裏面側に臨む空
間と上記空調用通路(37)とを互いに連通する多数の
微小孔(36a)を形成する。また、上記空気調和機
(32)を、上記開口部(33a,33b)を通して室
内空間の空気の吸い込み及び吹き出しが行い得るように
上記開口部(33a,33b)を挟み上記単位建材パネ
ル(31)の表面側位置に取付ける構成とするものであ
る。
【0019】上記の構成の場合、単位建材パネル(3
1)に対し空気調和機(3)が予め一体に結合され、し
かも、内部に空調用通路(37)が予め形成されている
ため、住宅の建築工事において、柱や梁等により構成さ
れた枠組に対し通常の単位建材パネルを順次固定してい
く際に、所定位置の上記通常の単位建材パネルに代えて
上記空調用通路付き建材(30)を用い、空気調和機
(32)が取付けられた側を外部空間側に配設して上記
枠組に対し固定することにより、空気調和機の取付け
と、空気調和後の空気を搬送するダクト等の取付けとが
建築過程においてすでに完了することになる。このた
め、建築工事完了後に空気調和機の特に室内ユニットの
取付工事やダクト等の取付工事を共に省略することが可
能になる。しかも、空気調和機(32)が外部空間側に
位置付けられることになるため、室内空間から室内ユニ
ットによる出っ張りをなくすことが可能になる。なお、
上記単位建材パネル(31)に予め取付ける空気調和機
(32)としては、室内ユニットのみを取付けてこの室
内ユニットを建築工事完了後に設置される室外ユニット
に接続するようにする他、室内ユニットと室外ユニット
とが一体に構成された空気調和機を取付けるようにして
もよい。
【0020】その上、空気調和機からの空気調和後の空
気が空調用通路(37)を通して搬送される際、上記空
調用通路(37)の表裏両側が第1及び第2の断熱材層
(2,3)により挟まれているため、上記の空気調和後
の空気をその熱的状態を損なわずに搬送し得る上、その
壁内を通る空気調和後の空気によって壁内の結露防止が
図られる。また、上記空調用通路(37)に供給された
空気調和後の空気は第2断熱材層(36)の多数の微小
孔(36a,36a,…)のそれぞれを通して室内空間
に徐々に吹き出されることになる。このため、従来の室
内ユニットの空気吹出口から吹き出される場合ように一
箇所の空気吹出口から室内空間に強制的に吹き出されて
室内空間に風が巻き起こるようなことがなく、従来の場
合と比べ自然対流に近い環境で室内空間の温度調整が可
能になり、快適な環境を創造してそれを維持することが
可能になる。加えて、上記空気調和後の空気が通過する
単位建材パネルの室内側壁面からの輻射熱によってその
単位建材パネル(31)によって仕切られた各部屋の熱
的調和も図り得る上、各部屋を外部空間と仕切る壁に対
する蓄熱効果も得られる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、補強パネル部材(31′)の裏面側に、開
口部(33a)を覆うようにグリル(48)を取付ける
ものである。このグリル(48)の取付けにより、室内
空間側の見栄えの向上や風向き調整が可能となる。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項6記載の発
明において、空気調和機(32)の配管(44,45)
及び電源投入用配線(46)をケーシング(48)から
外部に延ばし補強パネル部材(31′)に対し一体に固
定し、その配管(44,45)及び配線(46)の先端
に接続部(44a,45b,46a)を設けるものであ
る。
【0023】上記の構成の場合、建築工事完了後に上記
の配管等(44,45,46)を取付ける必要もなく、
しかも、上記の配管等(44〜46)の先端の接続部
(44a,45a,46a)を用いて、延長用配管や延
長用配線等と容易に接続することが可能になる。
【0024】さらに、請求項9記載の発明は、請求項6
記載の発明において、空気調和機(32)のケーシング
(48)に、送風機(40)の吸い込み側と連通しかつ
開閉可能に構成された外気導入口(42)を形成するも
のである。
【0025】上記の構成の場合、外気導入口(42)を
閉状態にすると室内空間の空気が熱交換器(39)を通
して循環されて空気調和が行われ、上記外気導入口(4
2)を開状態にすると送風機(40)の作動により室内
空間の空気が外気と共に吸い込まれて空気調和され、そ
の空気調和後の外気が開口部(33b)、空調用通路
(37)及び各微小孔(36a)から室内空間に供給さ
れて換気されることになる。従って、換気のための特別
な設備を建築工事完了後に付設しなくても、本空調用通
路付き建材を用いて建築工事を行うことにより、容易に
換気機能を付加することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0027】<第1実施形態>図1及び図2は、本発明
の第1実施形態に係る空調用通路付き建材(10)を示
し、1は表面側に配置された補強パネル部材、2はこの
補強パネル部材(1)に接着等の手段により固定された
第1断熱材層、3は裏面側に配置された第2断熱材層、
4,4,…は第1及び第2の両断熱材層(2,3)間に
介装されたスペーサ部材、5,5,…は互いに隣接する
2つのスペーサ部材(4,4)と第1及び第2の両断熱
材層(2,3)とにより区画形成された空調用通路であ
る。そして、上記空調用通路付き建材(10)は所定の
厚み(例えば80〜150mm)、幅(例えば910mm)
及び長さ(例えば2730mm)に設定され、長さ方向を
上下方向に配置して用いられる。
【0028】上記補強パネル部材(1)は例えば構造用
合板等により構成されて空調用通路付き建材(10)の
全体形状を保持するようになっている。上記第1及び第
2断熱材層(2,3)はスチロール,ウレタンフォーム
もしくは発泡ポリスチレン等により構成されている。こ
の内、特に、上記建材(10)の裏面側を構成する第2
断熱材層(3)は、上記材料を用いて厚み方向に連通し
て貫通する多数の微小孔(3a,3a,…)を有するよ
うな多孔質のものに形成されており、その各微小孔(3
a)が空気吹出口の役割を果たすようになっている。ま
た、上記スペーサ部材(4)は構造材等の矩形断面の木
材の他、空調用通路(5)を確保し得る厚みを有するも
のであれば、いずれの材質のもので構成してもよい。
【0029】上記第1断熱材層(2)は第2断熱材層
(3)と比較して相対的に厚肉に形成され、第2断熱材
層(3)の方が薄肉に形成されている。そして、第1及
び第2断熱材層(2,3)間の幅方向両端位置と、その
幅方向を等間隔に3つに区画する各中間位置とに、それ
ぞれスペーサ部材(4)が長さ方向(図1の上下方向)
全長に延びるように配置されており、各スペーサ部材
(4)の表裏両面が上記第1及び第2断熱材層(2,
3)に対し接着等の手段により位置固定されている。こ
の各スペーサ部材(4)の介装により互いに隣接する2
つのスペーサ部材(4,4)と、第1及び第2断熱材層
(2,3)とにより空調用通路付き建材(10)の長さ
方向(上下方向)全長に延びる空調用通路(5,5,
5)が区画形成されている。そして、この各空調用通路
(5)の一端は上記空調用通路付き建材(10)の上端
面で開口する一方、他端は上記建材(10)の下端面で
閉止されている。
【0030】次に、上記構成の空調用通路付き建材(1
0)を用いた住宅の壁及び室内空間の空気調和について
説明する。
【0031】住宅の建築工事において、図示省略の布基
礎上に柱を建て込みその柱に対し天井部もしくは2階部
分の梁を固定して枠組を形成する。そして、その枠組に
対し図示省略のパネル状の断熱材を取付けていく。その
際に、所定位置に上記断熱材に代えて図3に示すように
上記空調用通路付き建材(10)を補強パネル部材
(1)を外部空間側にして横に並べて取付ける(図4参
照)。次に、内装仕上げ材や外装仕上げ材を取付けてい
く。内装仕上げ材としては上記空調用通路付き建材(1
0)の室内空間側に例えばクロス(壁紙)付きの石膏ボ
ードや化粧パネル部材(6)を取付け、外装仕上げ材と
しては上記の断熱材や空調用通路付き建材(10)の外
部空間側を覆うように例えば防水・防湿シート(7)を
貼り付け、その外表面側に例えばレンガ、天然もしくは
人造石、または、タイル等を用いた外壁材や外壁パネル
(8)を取付けるようにすればよい。なお、上記の内装
仕上げ材として用いる化粧パネル部材等(6)には、ほ
ぼ全面に多数の微小孔(6a,6a,…)が予め貫通形
成されたものを用いるか、もしくは、取付け後に貫通形
成する。そして、1もしくは複数の空調用通路付き建材
(10、10,10,…)の各上端部に対し内部が中空
とされて接続通路(9a)が形成された接続部材(9)
を取付ける。
【0032】上記接続部材(9)は所定枚数の空調用通
路付き建材(10,10,…)の幅方向に延びるよう合
成樹脂等により筒状に形成されたものであり、一端が閉
塞され他端が後述の空気調和機の吹き出し側に接続され
るようになっている。そして、上記の各空調用通路
(5)に内嵌する筒状部(9b)が一体に形成され、上
記接続通路(9a)により搬送された空気調和後の空気
を各空調用通路(5)に対し分配供給するようになって
いる。
【0033】このようにして形成した住宅に対し図示省
略の空気調和機を屋外に設置し、その空気調和機からの
ダクト等を上記接続部材(9)の接続通路(9a)に接
続するだけで、空気調和後の空気を各空調用通路(5)
を通して住宅の壁内に供給することができるようにな
る。従って、空気調和機から各室内空間に供給するため
のダクト等を建築工事終了後に個別に取付けなくても、
上記の空調用通路付き建材(10)を用いて住宅の壁を
形成するだけで空調用通路(5,5,…)を工事過程に
おいて予め形成することができるようになる。しかも、
その空調用通路(5,5,…)は表裏両側の第1及び第
2の断熱材層(2,3)に挟まれた状態で形成されてい
るため、その空調用通路(5,5,…)を通して搬送さ
れる空気調和後の空気の熱的条件を維持するための特別
なパイプ等の手段を付加しなくても、上記空気の熱的条
件を維持した状態で各室内空間までの搬送を行うことが
できる。また、上記空調用通路(5,5,…)に通され
る空気により壁内の結露防止も図られる。
【0034】その上、上記各空調通路(5)内の空気調
和後の空気は、第2断熱材層(3)の上下左右方向のほ
ぼ全範囲にわたり形成された多数の微小孔(3a,3
a,…)を通して室内空間にじわっと、つまり、徐々に
吹き出されることになる。このため、自然対流に近い環
境で室内空間の温度調整を行うことができ、快適な環境
を創造してそれを維持することができる。加えて、上記
各空調用通路(5)内の空気調和後の空気によって各部
屋を外部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得られる
上、壁面からの輻射熱によって上記各部屋の熱的調和も
図り得る。
【0035】<第2実施形態>図5は本発明の第2実施
形態に係る空調用通路付き建材(20)を示し、この空
調用通路付き建材(20)は天井用断熱材として構成さ
れたものである。
【0036】上記空調用通路付き建材(20)は所定の
長さと幅と厚みとを有するパネル状に形成されたもので
あり、第1断熱材層(21)と、第2断熱材層(22)
と、これら第1及び第2断熱材層(21,22)の間に
介装されて両断熱材層(21,22)を互いに接着一体
化する図示省略のスペーサ部材と、このスペーサ部材に
より上記第1及び第2断熱材層(21,22)の間に区
画形成された空調用通路(23)とを備えている。上記
第1及び第2断熱材層(21,22)は第1実施形態の
ものと同様な材質のもので形成され、上記第2断熱材層
(22)はその厚み方向に貫通して表裏両面間を連通す
る多数の微小孔(22a,22a,…)を備えている。
【0037】そして、建物の建築過程において、屋根裏
もしくは2階の床材(24)の下面側に上記うよよ通路
付き建材(20)を取付け、これにより、第2断熱材層
(22)が1階の室内空間の天井面を構成するようにす
る。次に、屋外に設置した空気調和機(25)の吹き出
し側から配管(26)を延ばし、壁(27)を貫通して
上記空調用通路(23)に接続する一方、上記壁(2
7)の下端部を貫通する吸い込み管(28)を上記空気
調和機(25)の吸い込み側に接続する。
【0038】このような第2実施形態の場合、上記空気
調和機(25)の運転作動により空気調和後の空気が配
管(26)を通して天井の空調用通路付き建材(20)
の空調用通路(23)に搬送され、この空調用通路(2
3)内の空気が第2断熱材層(22)の多数の微小孔
(22a,22a,…)から1階の室内空間に対し下方
に吹き出されて室内空間の温度調整が図られることにな
る。従って、第1実施形態の場合と同様に建築工事過程
で天井に対する空調用通路の形成を行うことができ、か
つ、多数の微小孔(22a,22a,…)から空気調和
後の空気が分散された状態でかつ徐々に吹き出されて室
内空間の熱的環境を快適に創造して維持することができ
る。また、天井壁部内への蓄熱効果により2階の室内空
間の熱的環境の創造にも寄与し得る。
【0039】<第3実施形態>図6は、本発明の第3実
施形態に係る空調用通路付き建材(30)を示し、31
は単位建材パネル、32はこの単位建材パネルに対し一
体に固定された空気調和機としての室内ユニット(室内
機)である。
【0040】上記単位建材パネル(31)は枠組壁工法
(2×4法)用の構造用パネルにより構成された補強パ
ネル部材(31′)が用いられ、この補強パネル部材
(31′)は長さ,幅,厚み等のサイズや曲げ強度が所
定のものに規定されたものである。そして、上記単位建
材パネル(31)には所定の上部位置に2つの開口部
(33a,33b)が厚み方向に貫通して形成され、第
1開口部(33a)は上記室内ユニットの空気吸込口と
して機能する大きさ及び形状に、また、第2開口部(3
3b)は上記室内ユニット(32)の空気吹出口として
機能する大きさ及び形状にそれぞれ設定されている。ま
た、上記第1開口部(33a)の下側の室内空間側(裏
面側)の面のほぼ全範囲には凹所(34)が形成され、
この凹所(34)には図9にも示すように第1断熱材層
(35)と、幅方向に等間隔位置で上下方向に延びるよ
うに配設された図示省略の複数のスペーサ部材と、第2
断熱材層(36)とが積層された状態で上記単位建材パ
ネル(31)と一体に形成されている。そして、上記の
スペーサ部材により第1及び第2断熱材層(35,3
6)間に上下方向に延びる複数の空調用通路(37)が
区画形成され、上記第1断熱材層(35)の所定位置に
孔が開けられてこの各空調用通路(37)と上記第2開
口部(33b)とが連通されている。
【0041】上記室内ユニット(32)は、そのケーシ
ング(38)が側方に開口して図示省略のボルト等によ
り上記単位建材パネル(31)の外部空間側(表面側)
の面に固定され、このケーシング(38)の上側位置に
斜め状態にして配設された熱交換器(39)と、この熱
交換器(39)の下側位置に配設された送風用ファン
(40)とを内蔵したものである。上記熱交換器(3
9)は上記第1開口部(33a)が正面に位置する上下
範囲に配設され、その熱交換器(35)の正面側の空間
(37)が図示省略の案内壁により仕切られて上記第1
開口部(33a)により開放されるようになっている
(図7を併せて参照)。これにより、上記第1開口部
(33a)が上記熱交換器(39)に対する空気吸込口
を構成するようになっている。そして、上記熱交換器
(40)は後述の冷媒配管(44)と接続されて冷房運
転時には蒸発器として機能する一方、暖房運転時には凝
縮器として機能するようになっており、上記ファン(4
0)の作動により吸い込まれた空気を温度調整するよう
になっている。また、上記熱交換器(39)の正面側の
空間(41)に臨む上記ケーシング(38)の上面には
外気導入口(42)と、この外気導入口(42)を開閉
切換可能に閉止する開閉蓋(42a)とが設けられてお
り、この開閉蓋(42a)が開状態にされると空気吸い
込みと同時に外気導入口(42)を通して外気が吸い込
まれることになるようになっている。
【0042】また、上記ファン(40)はその吸い込み
側が上記熱交換器(39)の背面側に臨んで配設される
一方、吐出側が案内壁(43)により仕切られて第2開
口部(33b)で開放されるようになっている。これに
より、上記第2開口部(33b)が空気調和後の空気吹
出口を構成するようになっている。
【0043】さらに、上記室内ユニット(32)には、
熱交換器(39)に冷媒を供給する冷媒配管(44;図
8も併せて参照)、熱交換器(39)で発生したドレン
水を排出するドレン配管(45)、及び、ファン(4
0)のモータへの電源投入用の配線(46)等が設けら
れ、これら冷媒配管(44)、ドレン配管(45)及び
配線(46)がケーシング(38)の下部から外部に出
されている。これら冷媒配管(44)、ドレン配管(4
5)及び配線(46)はひとまとめにされた状態で、単
位建材パネル(31)の外部空間側の面に沿って下端部
まで延びるように適宜の固定器具(47;図6にのみ示
す)により固定されている。そして、上記の冷媒配管
(44)、ドレン配管(45)及び配線(46)の先端
部が外側に突出され、この突出端に対しそれぞれ接続ユ
ニット(44a,45a,46a)が設けられている。
【0044】一方、上記単位建材パネル(31)の室内
空間側の面には、図7に示すように吸込口用グリル(4
8)が着脱可能に取付けられている。このグリル(4
8)はこれに一体に形成された係止部(48a)により
第1開口部(33a)の開口縁に対し着脱可能に係止さ
れている。
【0045】次に、このような空気調和機付き建材を用
いた住宅の建築方法について図10を用いて説明する
と、下枠(51)と、この下枠(51)に所定間隔毎に
建て込んだ縦枠(52,52,…)と、これら縦枠(5
2,52,…)の上端を連結する上枠(53)とにより
枠組(54)を形成し、この枠組(54)に対し構造用
パネル(55)を順次取付けることにより耐力壁を形成
していく。この耐力壁の形成に際し、所定位置の構造用
パネル取付け部位にその構造用パネル(55)に変えて
上記空調用通路付き建材(30)を取付ければ、耐力壁
の形成と同時に室内ユニット(32)の設置をも行うこ
とができる。この際、室内ユニット(32)を外部空間
側に配置して上記空調用通路付き建材(30)の取付け
を行う。そして、この空調用通路付き建材(30)を含
む耐力壁の外面側に例えば外装仕上げ材を、内面側に例
えば断熱材等を介して内装仕上げ材をそれぞれ取付けれ
ば住宅が完成する。そして、適宜の場所に設置した室外
ユニットからの冷媒配管や電源投入用の延長コードを接
続ユニット(44a,46a)を介して冷媒配管(4
4)や配線(46)に接続する一方、必要に応じて延長
用のドレン配管を対応する接続ユニット(45a)を介
してドレン配管(45)に接続すればよい。
【0046】このような空調用通路付き建材(30)を
用いることにより、従来では建築工事完了後に行われて
いた空気調和機設置工事の内、面倒な室内ユニットの取
付工事を省略することができ、上記のごとく室外ユニッ
トの設置と各種配管等の接続作業だけで容易に空気調和
機設置工事を行うことができる。しかも、室内ユニット
(32)が住宅が外壁側に取付けられているため、従
来、室内空間側に設けられていた室内ユニットの存在に
よる室内空間側への出っ張りをなくすことができる上、
その室内ユニット(32)からの配管(44,45)や
配線(46)が上記外装仕上げ材等により隠蔽されるた
め、住宅の外観の向上をも図ることができる。
【0047】そして、室内ユニット(32)のファン
(40)の作動により第1開口部(33a)から室内空
間の空気が吸い込まれこの空気が熱交換器(39)と接
触して空気調和され、この空気調和された空気が案内壁
(43)及び第2開口部(33b)を通して空調用通路
(37)に供給され、この空調用通路(37)に供給さ
れた空気調和後の空気が第2断熱材層(36)の多数の
微小孔(36a,36a,…)を通して室内空間にじわ
っと吹き出されることになる。これにより、第1及び第
2実施形態の場合と同様に空気調和後の空気の室内空間
への吹き出しを分散した状態でかつ徐々に行うことがで
き、室内空間空間の熱的環境を快適に創造することがで
き、かつ、それを維持することができるようになる。ま
た、その際、室内空間の換気を図りたい場合には、開閉
蓋(42a)を開状態にすれば、上記ファン(40)の
作動により外気導入口(42)を通して外気が吸い込ま
れ、これが上記と同様に第2断熱材層(36)の各微小
孔(36a)を通して室内空間に吹き出されることにな
り、これにより、換気のための新たな設備を設置するこ
となく、容易に換気を行うことができる。
【0048】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
〜第3実施形態に限定されるものではなく、その他種々
の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1
〜第3実施形態では、第1及び第2断熱材層の間にスペ
ーサ部材を介装することにより空調用通路(5,23,
37)を区画形成しているが、これに限らず、例えば上
記第1及び第2断熱材層を1つの断熱材層により構成
し、その内部に空調用通路としての内部空間を一体形成
するするようにしてもよい。
【0049】また、上記第3実施形態では、単位建材パ
ネル(31)に取付ける空気調和機として室内ユニット
(32)を示したが、これに限らず、室内ユニットと室
外ユニットとが一体に構成された空気調和機を予め取付
けるようにしてもよいし、特に第1〜第3実施形態もし
く第5実施形態においては、各実施形態において説明し
た室内ユニット(32)の他にその室内ユニット(3
2)とは独立に構成された室外ユニットをも単位建材パ
ネルに対し予め一体化させておいてもよい。
【0050】さらに、上記第3実施形態では、第1及び
第2の2つの開口部(33a,33b)を形成している
が、これに限らず、例えば、それらの必要開口面積を合
計した1つの開口部を設けて空気調和機のケーシング
(38)の側に空気吸込口と空気吹出口とを仕切る壁部
を設けるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
5の内の一に記載の第1の発明における空調用通路付き
建材によれば、住宅の建築工事過程において建物の室内
空間を区画形成する壁の内部に空調用通路を予め形成す
ることができ、このため、建築工事終了後にダクト等を
上記壁に沿って固定していくという配設工事を省略する
ことができるようになる。そして、上記空調用通路の表
裏両側が第1及び第2の断熱材層により挟まれているた
め、上記空調用通路により空気調和後の空気をその熱的
状態を損なわずに搬送し得る上、その壁内を通る空気調
和後の空気によって壁内の結露防止が図られる。また、
上記空調用通路に供給された空気調和後の空気が第2断
熱材層の多数の微小孔のそれぞれを通して室内空間に徐
々に吹き出されることになるため、従来の室内ユニット
の空気吹出口から吹き出される場合のように一箇所の空
気吹出口から室内空間に強制的に吹き出されて室内空間
に風が巻き起こるようなことがなく、従来の場合と比べ
自然対流に近い環境で室内空間の温度調整を行うことが
できるようになり、これにより、快適な環境を創造して
それを維持することができるようになる。加えて、上記
空気調和の空気が通過する単位建材パネルの室内側壁面
からの輻射熱によってその単位建材パネルによって仕切
られた各部屋の熱的調和も図り得る上、各部屋を外部空
間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得ることができる。
【0052】ここで、上記第2断熱材層を多数の微小孔
を有する多孔質の材料により形成することにより上記の
微小孔を別に形成する必要もなく、空調用通路付き建材
を容易に形成するすることができるようになる。また、
上記空調用通路を第1及び第2断熱材層の間にスペーサ
部材を介装することにより形成するようにすることによ
り、空調用通路を容易かつ確実に形成することができ
る。さらに、第1断熱材層に補強パネル部材を予め一体
化させることにより、一対の断熱材層間に空調用通路が
形成されていても、補強パネル部材により単位建材パネ
ルの全体形状を確実に平面形状に維持することができ、
これにより、枠組等に対する上記単位建材パネルの固定
作業の容易化及び確実化を図ることができる。加えて、
建築工事において本空調用通路付き建材を枠組等に固定
するだけで、内装仕上げ材としての化粧パネルの取付け
がすでに終了した状態になる。このため、通常の単位建
材パネルの取付けの後の内装仕上げ材の張り付け作業を
省略することができ、しかも、その化粧パネル部材には
予め多数の微小孔が貫通形成されているため、第2断熱
材層の微小孔を通して吹き出される空気調和後空気を室
内空間に対し徐々に吹出させるという効果も確実に得る
ことができる。
【0053】請求項6〜請求項9の内の一に記載の第2
発明によれば、住宅の建築工事において、空調用通路付
き建材を枠組等に対し固定することにより、空気調和機
の取付けと、空気調和後の空気を搬送するダクト等の取
付けとを建築過程において完了させることができる。こ
のため、建築工事完了後に空気調和機の特に室内ユニッ
トの取付工事やダクト等の取付工事を共に省略すること
ができるようになる。しかも、空気調和機が外部空間側
に位置付けられることになるため、室内空間から室内ユ
ニットによる出っ張りをなくすことができる。
【0054】その上、空気調和機からの空気調和後の空
気が空調用通路を通して搬送される際、上記空調用通路
の表裏両側が第1及び第2の断熱材層により挟まれてい
るため、上記の空気調和後の空気をその熱的状態を損な
わずに搬送し得る上、その壁内を通る空気調和後の空気
によって壁内の結露防止を図ることができる。また、上
記空調用通路に供給された空気調和後の空気は第2断熱
材層の多数の微小孔のそれぞれを通して室内空間に徐々
に吹き出されることになるため、第1の発明の場合と同
様に、従来の室内ユニットの空気吹出口から吹き出され
る場合のように一箇所の空気吹出口から室内空間に強制
的に吹き出されて室内空間に風が巻き起こるようなこと
がなく、従来の場合と比べ自然対流に近い環境で室内空
間の温度調整を行うことができ、快適な環境を創造して
それを維持することができるようにになる。加えて、上
記空気調和後の空気が通過する単位建材パネルの室内側
壁面からの輻射熱によってその単位建材パネルによって
仕切られた各部屋の熱的調和も図り得る上、各部屋を外
部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得ることができ
る。
【0055】ここで、空気吸込口としての開口部に対し
グリルを取付けることにより、室内空間側の見栄えの向
上や風向き調整を行うことができる。また、ドレンや熱
交換器への冷媒の供給等のための配管や電源投入用の配
線等が単位建材パネルに対し予め一体に取付けることに
より、建築工事完了後にこれらの配管等を取付ける必要
もなく、しかも、上記の配管等の先端の接続部を用い
て、延長用配管や延長用配線等と容易に接続することが
できるようになる。開閉可能な外気導入口を設けること
により、換気のための特別な設備を建築工事完了後に付
設しなくても、本空調用通路付き建材を用いて建築工事
を行うことにより、容易に換気機能を付加することがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す一部切欠き斜視図
である。
【図2】図1の空調用通路付き建材の横断面図である。
【図3】図1の空調用通路付き建材により建物の壁を形
成した状態の一部省略断面図である。
【図4】図1の空調用通路付き建材を3枚並べた状態の
室内側からの斜視図である。
【図5】第2実施形態を適用した建物の部分断面説明図
である。
【図6】第3実施形態の断面説明図である。
【図7】図6の空調用通路付き建材を室内空間側から見
た斜視図である。
【図8】図6の空調用通路付き建材を外部空間側から見
た斜視図である。
【図9】図6の部分拡大断面図である。
【図10】図6の空調用通路付き建材を用いた住宅建築
例を斜視図状態で示す説明図である。
【符号の説明】
1,31′ 補強パネル部材 2,21,35 第1断熱材層 3,22,36 第2断熱材層 3a,22a,36a 微小孔 4 スペーサ部材 5,23,37 空調用通路 6 化粧パネル部材 10,20,30 空調用通路付き建材 31 単位建材パネル 32 空気調和機 33a,33b 開口部 38 ケーシング 39 熱交換器 40 ファン(送風機) 42 外気導入口 44 冷媒配管 45 ドレン配管 46 電源投入用配線 44a,45a,46a 接続ユニット 48 グリル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の室内空間を区画形成する単位建材
    パネルとして構成され、 上記単位建材パネルは、表裏各面側に配置された第1及
    び第2の断熱材層(2,3、21,22、35,36)
    と、この第1及び第2の断熱材層の間に長手方向に延び
    るように形成された空調用通路(5,23,37)とを
    備え、 上記空調用通路(5,23,37)を挟んで裏面側に位
    置する第2断熱材層(3,22,36)には、空気吹出
    口として、裏面側に臨む空間と上記空調用通路(5,2
    3,37)とを互いに連通する多数の微小孔(3a,2
    2a,36a)が形成されていることを特徴とする空調
    用通路付き建材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 第2断熱材層(3,22,36)は、厚み方向に連続し
    て連通する多数の微小孔(3a,22a,36a)を有
    する多孔質の材料により形成されていることを特徴とす
    る空調用通路付き建材。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 単位建材パネルは、少なくとも2本のスペーサ部材
    (4,4)が第1及び第2の断熱材層(2,3、21,
    22、35,36)の間であって、幅方向に互いに離れ
    た位置で上記単位建材パネルの長手方向略全長に延びる
    ように介装された状態で一体化され、 長手方向に延びる空調用通路(5,23,37)が、互
    いに隣接する2つのスペーサ部材(4,4)と上記第1
    及び第2の断熱材層(2,3、21,22、35,3
    6)とにより区画されて形成されていることを特徴とす
    る特徴とする空調用通路付き建材。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 表面側の第1断熱材層(2,35)には、その第1断熱
    材層(2,35)の外表面を覆い単位建材パネルとして
    の平面形状を保持する補強パネル部材(1,31′)が
    一体に固定されていることを特徴とする空調用通路付き
    建材。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 裏面側の第2断熱材層(3,22,36)には、その第
    2断熱材層(3,22,36)の外表面を覆う化粧パネ
    ル部材(6)が一体に固定され、 上記化粧パネル部材(6)の長手方向もしくは幅方向に
    対し所定範囲には、厚み方向に貫通する多数の微小孔
    (6a,6a,…)が分散されて形成されていることを
    特徴とする空調用通路付き建材。
  6. 【請求項6】 建物の室内空間を区画形成する単位建材
    パネル(31)に対し、ケーシング(38)の内部に送
    風機(40)及び熱交換器(39)を含む各種機器が内
    蔵された空気調和機(32)が予め一体的に結合されて
    構成され、 上記単位建材パネル(31)は、上記空気調和機(3
    2)の空気吸込口及び空気吹出口に対応する大きさの開
    口部(33a,33b)が厚み方向に貫通して形成され
    た補強パネル部材(31′)と、この補強パネル部材
    (31′)の上記空気吸口を除く範囲の裏面側に積層さ
    れた第1及び第2の断熱材層(35,36)と、この第
    1及び第2の断熱材層(35,36)の間に長手方向に
    延びるように形成された空調用通路(37)とを備え、
    上記空調用通路(37)を挟んで裏面側に位置する第2
    断熱材層(36)には、裏面側に臨む空間と上記空調用
    通路(37)とを互いに連通する多数の微小孔(36
    a)が形成されており、 上記空気調和機(32)は、上記開口部(33a,33
    b)を通して室内空間の空気の吸い込み及び吹き出しが
    行い得るように上記開口部(33a,33b)を挟み上
    記単位建材パネル(31)の表面側位置に取付けられて
    いることを特徴とする空調用通路付き建材。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 補強パネル部材(31′)の裏面側には、開口部(33
    a)を覆うようにグリル(48)が取付けられているこ
    とを特徴とする空調用通路付き建材。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 空気調和機(32)の配管(44,45)及び電源投入
    用配線(46)がケーシング(48)から外部に延びて
    補強パネル部材(31′)に対し一体に固定され、その
    配管(44,45)及び配線(46)の先端に接続部
    (44a,45b,46a)が設けられていることを特
    徴とする空調用通路付き建材。
  9. 【請求項9】 請求項6において、 空気調和機(32)のケーシング(48)には、送風機
    (40)の吸い込み側と連通しかつ開閉可能に構成され
    た外気導入口(42)が形成されていることを特徴とす
    る空調用通路付き建材。
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