JP3613909B2 - 空調用通路付き建材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建物を建築する際に用いられるものであって、建物の壁面に対し空調用の空気を供給する通路を予め形成するために用いられる空調用通路付き建材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、住宅等の建物の各室内空間に対し冷房,暖房,もしくは,除湿等の空気調和を集中的に行う場合には、その建物の建築工事の終了後に空気調和機を屋外に設置し、その空気調和機と各部屋とを接続するダクト等を上記建物の外壁面に沿って配設したり、その外壁を貫通して屋内に沿って上記各部屋まで配設するという設置工事が一般に行われている。
【0003】
また、特に住宅の各部屋毎に個別に上記空気調和を行う場合には、各部屋毎に室外ユニット(室外機)と室内ユニット(室内機)とを設置し、壁面に貫通孔を開けてダクト等を通しこのダクト等により上記室外ユニットと室内ユニットとを互いに連続するという設置工事が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の設置工事では、建物の建築工事の終了後でなければ行い得ないものであるため、その設置工事のために建物完成までの工期が長期化するという不都合がある。加えて、上記の空気調和機の設置工事やダクトの配設工事には手間がかかるばかりでなく、そのダクトの存在により建物の外観が損なわれる上、ダクト配設のための内部スペースが必要になるという不都合がある。
【0005】
その上、室内空間に対し、室内ユニットの空気吹出口、つまり一箇所の出口から空気調和後の空気が強制的に吹き出されるようになるため、室内空間に風が巻き起こり、その風に晒されることにより室内空間にいる人間に対し不快感を与えることになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気調和された空気の供給通路等を建物の建築中に予め形成し得るようにして建築工事終了後のダクト等の配設工事を不要にしつつ、その空気による室内空間の空気調和時においても室内空間を快適な環境に維持することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1〜請求項4の内の一に記載の発明は、建物の室内空間を区画形成する単位建材パネル(31)の内部に空調用通路(37)を予め形成し、この単位建材パネル(31)に対し、ケーシング(38)の内部に送風機(40)及び熱交換器(39)を含む各種機器が内蔵された空気調和機(32)を一体的に結合して空調用通路付き建材(30)を構成したものである。
【0008】
具体的には、請求項1記載の発明は、建物の室内空間を区画形成する単位建材パネル(31)に対し、ケーシング(38)の内部に送風機(40)及び熱交換器(39)を含む各種機器が内蔵された空気調和機(32)を予め一体的に結合して構成する。そして、上記単位建材パネル(31)を、上記空気調和機(32)の空気吸込口及び空気吹出口に対応する大きさの開口部(33a,33b)が順に上下の位置関係となるように長手方向に並んで且つ厚み方向に貫通して形成された補強パネル部材(31′)と、この補強パネル部材(31′)の上記空気吸口を除く範囲の裏面側に積層された第1及び第2の断熱材層(35,36)と、この第1及び第2の断熱材層(35,36)の間に長手方向に延びるように形成された空調用通路(37)とを備えるものとする。加えて、上記空調用通路(37)を挟んで裏面側に位置する第2断熱材層(36)に、裏面側に臨む空間と上記空調用通路(37)とを互いに連通する多数の微小孔(36a)を形成する。また、上記空気調和機(32)を、上記開口部(33a,33b)を通して室内空間の空気の吸い込み及び吹き出しが行い得るように上記開口部(33a,33b)を挟み上記単位建材パネル(31)の表面側位置に取付ける構成とするものである。
【0009】
上記の構成の場合、単位建材パネル(31)に対し空気調和機(3)が予め一体に結合され、しかも、内部に空調用通路(37)が予め形成されているため、住宅の建築工事において、柱や梁等により構成された枠組に対し通常の単位建材パネルを順次固定していく際に、所定位置の上記通常の単位建材パネルに代えて上記空調用通路付き建材(30)を用い、空気調和機(32)が取付けられた側を外部空間側に配設して上記枠組に対し固定することにより、空気調和機の取付けと、空気調和後の空気を搬送するダクト等の取付けとが建築過程においてすでに完了することになる。このため、建築工事完了後に空気調和機の特に室内ユニットの取付工事やダクト等の取付工事を共に省略することが可能になる。しかも、空気調和機(32)が外部空間側に位置付けられることになるため、室内空間から室内ユニットによる出っ張りをなくすことが可能になる。なお、上記単位建材パネル(31)に予め取付ける空気調和機(32)としては、室内ユニットのみを取付けてこの室内ユニットを建築工事完了後に設置される室外ユニットに接続するようにする他、室内ユニットと室外ユニットとが一体に構成された空気調和機を取付けるようにしてもよい。
【0010】
その上、空気調和機からの空気調和後の空気が空調用通路(37)を通して搬送される際、上記空調用通路(37)の表裏両側が第1及び第2の断熱材層(2,3)により挟まれているため、上記の空気調和後の空気をその熱的状態を損なわずに搬送し得る上、その壁内を通る空気調和後の空気によって壁内の結露防止が図られる。また、上記空調用通路(37)に供給された空気調和後の空気は第2断熱材層(36)の多数の微小孔(36a,36a,…)のそれぞれを通して室内空間に徐々に吹き出されることになる。このため、従来の室内ユニットの空気吹出口から吹き出される場合ように一箇所の空気吹出口から室内空間に強制的に吹き出されて室内空間に風が巻き起こるようなことがなく、従来の場合と比べ自然対流に近い環境で室内空間の温度調整が可能になり、快適な環境を創造してそれを維持することが可能になる。加えて、上記空気調和後の空気が通過する単位建材パネルの室内側壁面からの輻射熱によってその単位建材パネル(31)によって仕切られた各部屋の熱的調和も図り得る上、各部屋を外部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得られる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、補強パネル部材(31′)の裏面側に、開口部(33a)を覆うようにグリル(48)を取付けるものである。このグリル(48)の取付けにより、室内空間側の見栄えの向上や風向き調整が可能となる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、空気調和機(32)の配管(44,45)及び電源投入用配線(46)をケーシング(48)から外部に延ばし補強パネル部材(31′)に対し一体に固定し、その配管(44,45)及び配線(46)の先端に接続部(44a,45b,46a)を設けるものである。
【0013】
上記の構成の場合、建築工事完了後に上記の配管等(44,45,46)を取付ける必要もなく、しかも、上記の配管等(44〜46)の先端の接続部(44a,45a,46a)を用いて、延長用配管や延長用配線等と容易に接続することが可能になる。
【0014】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、空気調和機(32)のケーシング(48)に、送風機(40)の吸い込み側と連通しかつ開閉可能に構成された外気導入口(42)を形成するものである。
【0015】
上記の構成の場合、外気導入口(42)を閉状態にすると室内空間の空気が熱交換器(39)を通して循環されて空気調和が行われ、上記外気導入口(42)を開状態にすると送風機(40)の作動により室内空間の空気が外気と共に吸い込まれて空気調和され、その空気調和後の外気が開口部(33b)、空調用通路(37)及び各微小孔(36a)から室内空間に供給されて換気されることになる。従って、換気のための特別な設備を建築工事完了後に付設しなくても、本空調用通路付き建材を用いて建築工事を行うことにより、容易に換気機能を付加することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0017】
<前提技術の形態1>
図1及び図2は、本発明の前提技術の形態1に係る空調用通路付き建材(10)を示し、1は表面側に配置された補強パネル部材、2はこの補強パネル部材(1)に接着等の手段により固定された第1断熱材層、3は裏面側に配置された第2断熱材層、4,4,…は第1及び第2の両断熱材層(2,3)間に介装されたスペーサ部材、5,5,…は互いに隣接する2つのスペーサ部材(4,4)と第1及び第2の両断熱材層(2,3)とにより区画形成された空調用通路である。そして、上記空調用通路付き建材(10)は所定の厚み(例えば80〜150mm)、幅(例えば910mm)及び長さ(例えば2730mm)に設定され、長さ方向を上下方向に配置して用いられる。
【0018】
上記補強パネル部材(1)は例えば構造用合板等により構成されて空調用通路付き建材(10)の全体形状を保持するようになっている。上記第1及び第2断熱材層(2,3)はスチロール,ウレタンフォームもしくは発泡ポリスチレン等により構成されている。この内、特に、上記建材(10)の裏面側を構成する第2断熱材層(3)は、上記材料を用いて厚み方向に連通して貫通する多数の微小孔(3a,3a,…)を有するような多孔質のものに形成されており、その各微小孔(3a)が空気吹出口の役割を果たすようになっている。また、上記スペーサ部材(4)は構造材等の矩形断面の木材の他、空調用通路(5)を確保し得る厚みを有するものであれば、いずれの材質のもので構成してもよい。
【0019】
上記第1断熱材層(2)は第2断熱材層(3)と比較して相対的に厚肉に形成され、第2断熱材層(3)の方が薄肉に形成されている。そして、第1及び第2断熱材層(2,3)間の幅方向両端位置と、その幅方向を等間隔に3つに区画する各中間位置とに、それぞれスペーサ部材(4)が長さ方向(図1の上下方向)全長に延びるように配置されており、各スペーサ部材(4)の表裏両面が上記第1及び第2断熱材層(2,3)に対し接着等の手段により位置固定されている。この各スペーサ部材(4)の介装により互いに隣接する2つのスペーサ部材(4,4)と、第1及び第2断熱材層(2,3)とにより空調用通路付き建材(10)の長さ方向(上下方向)全長に延びる空調用通路(5,5,5)が区画形成されている。そして、この各空調用通路(5)の一端は上記空調用通路付き建材(10)の上端面で開口する一方、他端は上記建材(10)の下端面で閉止されている。
【0020】
次に、上記構成の空調用通路付き建材(10)を用いた住宅の壁及び室内空間の空気調和について説明する。
【0021】
住宅の建築工事において、図示省略の布基礎上に柱を建て込みその柱に対し天井部もしくは2階部分の梁を固定して枠組を形成する。そして、その枠組に対し図示省略のパネル状の断熱材を取付けていく。その際に、所定位置に上記断熱材に代えて図3に示すように上記空調用通路付き建材(10)を補強パネル部材(1)を外部空間側にして横に並べて取付ける(図4参照)。次に、内装仕上げ材や外装仕上げ材を取付けていく。内装仕上げ材としては上記空調用通路付き建材(10)の室内空間側に例えばクロス(壁紙)付きの石膏ボードや化粧パネル部材(6)を取付け、外装仕上げ材としては上記の断熱材や空調用通路付き建材(10)の外部空間側を覆うように例えば防水・防湿シート(7)を貼り付け、その外表面側に例えばレンガ、天然もしくは人造石、または、タイル等を用いた外壁材や外壁パネル(8)を取付けるようにすればよい。なお、上記の内装仕上げ材として用いる化粧パネル部材等(6)には、ほぼ全面に多数の微小孔(6a,6a,…)が予め貫通形成されたものを用いるか、もしくは、取付け後に貫通形成する。そして、1もしくは複数の空調用通路付き建材(10、10,10,…)の各上端部に対し内部が中空とされて接続通路(9a)が形成された接続部材(9)を取付ける。
【0022】
上記接続部材(9)は所定枚数の空調用通路付き建材(10,10,…)の幅方向に延びるよう合成樹脂等により筒状に形成されたものであり、一端が閉塞され他端が後述の空気調和機の吹き出し側に接続されるようになっている。そして、上記の各空調用通路(5)に内嵌する筒状部(9b)が一体に形成され、上記接続通路(9a)により搬送された空気調和後の空気を各空調用通路(5)に対し分配供給するようになっている。
【0023】
このようにして形成した住宅に対し図示省略の空気調和機を屋外に設置し、その空気調和機からのダクト等を上記接続部材(9)の接続通路(9a)に接続するだけで、空気調和後の空気を各空調用通路(5)を通して住宅の壁内に供給することができるようになる。従って、空気調和機から各室内空間に供給するためのダクト等を建築工事終了後に個別に取付けなくても、上記の空調用通路付き建材(10)を用いて住宅の壁を形成するだけで空調用通路(5,5,…)を工事過程において予め形成することができるようになる。しかも、その空調用通路(5,5,…)は表裏両側の第1及び第2の断熱材層(2,3)に挟まれた状態で形成されているため、その空調用通路(5,5,…)を通して搬送される空気調和後の空気の熱的条件を維持するための特別なパイプ等の手段を付加しなくても、上記空気の熱的条件を維持した状態で各室内空間までの搬送を行うことができる。また、上記空調用通路(5,5,…)に通される空気により壁内の結露防止も図られる。
【0024】
その上、上記各空調通路(5)内の空気調和後の空気は、第2断熱材層(3)の上下左右方向のほぼ全範囲にわたり形成された多数の微小孔(3a,3a,…)を通して室内空間にじわっと、つまり、徐々に吹き出されることになる。このため、自然対流に近い環境で室内空間の温度調整を行うことができ、快適な環境を創造してそれを維持することができる。加えて、上記各空調用通路(5)内の空気調和後の空気によって各部屋を外部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得られる上、壁面からの輻射熱によって上記各部屋の熱的調和も図り得る。
【0025】
<前提技術の形態2>
図5は本発明の前提技術の形態2に係る空調用通路付き建材(20)を示し、この空調用通路付き建材(20)は天井用断熱材として構成されたものである。
【0026】
上記空調用通路付き建材(20)は所定の長さと幅と厚みとを有するパネル状に形成されたものであり、第1断熱材層(21)と、第2断熱材層(22)と、これら第1及び第2断熱材層(21,22)の間に介装されて両断熱材層(21,22)を互いに接着一体化する図示省略のスペーサ部材と、このスペーサ部材により上記第1及び第2断熱材層(21,22)の間に区画形成された空調用通路(23)とを備えている。上記第1及び第2断熱材層(21,22)は前提技術の形態1のものと同様な材質のもので形成され、上記第2断熱材層(22)はその厚み方向に貫通して表裏両面間を連通する多数の微小孔(22a,22a,…)を備えている。
【0027】
そして、建物の建築過程において、屋根裏もしくは2階の床材(24)の下面側に上記うよよ通路付き建材(20)を取付け、これにより、第2断熱材層(22)が1階の室内空間の天井面を構成するようにする。次に、屋外に設置した空気調和機(25)の吹き出し側から配管(26)を延ばし、壁(27)を貫通して上記空調用通路(23)に接続する一方、上記壁(27)の下端部を貫通する吸い込み管(28)を上記空気調和機(25)の吸い込み側に接続する。
【0028】
このような第2実施形態の場合、上記空気調和機(25)の運転作動により空気調和後の空気が配管(26)を通して天井の空調用通路付き建材(20)の空調用通路(23)に搬送され、この空調用通路(23)内の空気が第2断熱材層(22)の多数の微小孔(22a,22a,…)から1階の室内空間に対し下方に吹き出されて室内空間の温度調整が図られることになる。従って、前提技術の形態1の場合と同様に建築工事過程で天井に対する空調用通路の形成を行うことができ、かつ、多数の微小孔(22a,22a,…)から空気調和後の空気が分散された状態でかつ徐々に吹き出されて室内空間の熱的環境を快適に創造して維持することができる。また、天井壁部内への蓄熱効果により2階の室内空間の熱的環境の創造にも寄与し得る。
【0029】
<実施形態>
図6は、本発明の実施形態に係る空調用通路付き建材(30)を示し、31は単位建材パネル、32はこの単位建材パネルに対し一体に固定された空気調和機としての室内ユニット(室内機)である。
【0030】
上記単位建材パネル(31)は枠組壁工法(2×4法)用の構造用パネルにより構成された補強パネル部材(31′)が用いられ、この補強パネル部材(31′)は長さ,幅,厚み等のサイズや曲げ強度が所定のものに規定されたものである。そして、上記単位建材パネル(31)には所定の上部位置に2つの開口部(33a,33b)が厚み方向に貫通して形成され、第1開口部(33a)は上記室内ユニットの空気吸込口として機能する大きさ及び形状に、また、第2開口部(33b)は上記室内ユニット(32)の空気吹出口として機能する大きさ及び形状にそれぞれ設定されている。また、上記第1開口部(33a)の下側の室内空間側(裏面側)の面のほぼ全範囲には凹所(34)が形成され、この凹所(34)には図9にも示すように第1断熱材層(35)と、幅方向に等間隔位置で上下方向に延びるように配設された図示省略の複数のスペーサ部材と、第2断熱材層(36)とが積層された状態で上記単位建材パネル(31)と一体に形成されている。そして、上記のスペーサ部材により第1及び第2断熱材層(35,36)間に上下方向に延びる複数の空調用通路(37)が区画形成され、上記第1断熱材層(35)の所定位置に孔が開けられてこの各空調用通路(37)と上記第2開口部(33b)とが連通されている。
【0031】
上記室内ユニット(32)は、そのケーシング(38)が側方に開口して図示省略のボルト等により上記単位建材パネル(31)の外部空間側(表面側)の面に固定され、このケーシング(38)の上側位置に斜め状態にして配設された熱交換器(39)と、この熱交換器(39)の下側位置に配設された送風用ファン(40)とを内蔵したものである。上記熱交換器(39)は上記第1開口部(33a)が正面に位置する上下範囲に配設され、その熱交換器(35)の正面側の空間(37)が図示省略の案内壁により仕切られて上記第1開口部(33a)により開放されるようになっている(図7を併せて参照)。これにより、上記第1開口部(33a)が上記熱交換器(39)に対する空気吸込口を構成するようになっている。そして、上記熱交換器(40)は後述の冷媒配管(44)と接続されて冷房運転時には蒸発器として機能する一方、暖房運転時には凝縮器として機能するようになっており、上記ファン(40)の作動により吸い込まれた空気を温度調整するようになっている。また、上記熱交換器(39)の正面側の空間(41)に臨む上記ケーシング(38)の上面には外気導入口(42)と、この外気導入口(42)を開閉切換可能に閉止する開閉蓋(42a)とが設けられており、この開閉蓋(42a)が開状態にされると空気吸い込みと同時に外気導入口(42)を通して外気が吸い込まれることになるようになっている。
【0032】
また、上記ファン(40)はその吸い込み側が上記熱交換器(39)の背面側に臨んで配設される一方、吐出側が案内壁(43)により仕切られて第2開口部(33b)で開放されるようになっている。これにより、上記第2開口部(33b)が空気調和後の空気吹出口を構成するようになっている。
【0033】
さらに、上記室内ユニット(32)には、熱交換器(39)に冷媒を供給する冷媒配管(44;図8も併せて参照)、熱交換器(39)で発生したドレン水を排出するドレン配管(45)、及び、ファン(40)のモータへの電源投入用の配線(46)等が設けられ、これら冷媒配管(44)、ドレン配管(45)及び配線(46)がケーシング(38)の下部から外部に出されている。これら冷媒配管(44)、ドレン配管(45)及び配線(46)はひとまとめにされた状態で、単位建材パネル(31)の外部空間側の面に沿って下端部まで延びるように適宜の固定器具(47;図6にのみ示す)により固定されている。そして、上記の冷媒配管(44)、ドレン配管(45)及び配線(46)の先端部が外側に突出され、この突出端に対しそれぞれ接続ユニット(44a,45a,46a)が設けられている。
【0034】
一方、上記単位建材パネル(31)の室内空間側の面には、図7に示すように吸込口用グリル(48)が着脱可能に取付けられている。このグリル(48)はこれに一体に形成された係止部(48a)により第1開口部(33a)の開口縁に対し着脱可能に係止されている。
【0035】
次に、このような空気調和機付き建材を用いた住宅の建築方法について図10を用いて説明すると、下枠(51)と、この下枠(51)に所定間隔毎に建て込んだ縦枠(52,52,…)と、これら縦枠(52,52,…)の上端を連結する上枠(53)とにより枠組(54)を形成し、この枠組(54)に対し構造用パネル(55)を順次取付けることにより耐力壁を形成していく。この耐力壁の形成に際し、所定位置の構造用パネル取付け部位にその構造用パネル(55)に変えて上記空調用通路付き建材(30)を取付ければ、耐力壁の形成と同時に室内ユニット(32)の設置をも行うことができる。この際、室内ユニット(32)を外部空間側に配置して上記空調用通路付き建材(30)の取付けを行う。そして、この空調用通路付き建材(30)を含む耐力壁の外面側に例えば外装仕上げ材を、内面側に例えば断熱材等を介して内装仕上げ材をそれぞれ取付ければ住宅が完成する。そして、適宜の場所に設置した室外ユニットからの冷媒配管や電源投入用の延長コードを接続ユニット(44a,46a)を介して冷媒配管(44)や配線(46)に接続する一方、必要に応じて延長用のドレン配管を対応する接続ユニット(45a)を介してドレン配管(45)に接続すればよい。
【0036】
このような空調用通路付き建材(30)を用いることにより、従来では建築工事完了後に行われていた空気調和機設置工事の内、面倒な室内ユニットの取付工事を省略することができ、上記のごとく室外ユニットの設置と各種配管等の接続作業だけで容易に空気調和機設置工事を行うことができる。しかも、室内ユニット(32)が住宅が外壁側に取付けられているため、従来、室内空間側に設けられていた室内ユニットの存在による室内空間側への出っ張りをなくすことができる上、その室内ユニット(32)からの配管(44,45)や配線(46)が上記外装仕上げ材等により隠蔽されるため、住宅の外観の向上をも図ることができる。
【0037】
そして、室内ユニット(32)のファン(40)の作動により第1開口部(33a)から室内空間の空気が吸い込まれこの空気が熱交換器(39)と接触して空気調和され、この空気調和された空気が案内壁(43)及び第2開口部(33b)を通して空調用通路(37)に供給され、この空調用通路(37)に供給された空気調和後の空気が第2断熱材層(36)の多数の微小孔(36a,36a,…)を通して室内空間にじわっと吹き出されることになる。これにより、第1及び第2実施形態の場合と同様に空気調和後の空気の室内空間への吹き出しを分散した状態でかつ徐々に行うことができ、室内空間空間の熱的環境を快適に創造することができ、かつ、それを維持することができるようになる。また、その際、室内空間の換気を図りたい場合には、開閉蓋(42a)を開状態にすれば、上記ファン(40)の作動により外気導入口(42)を通して外気が吸い込まれ、これが上記と同様に第2断熱材層(36)の各微小孔(36a)を通して室内空間に吹き出されることになり、これにより、換気のための新たな設備を設置することなく、容易に換気を行うことができる。
【0038】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、第1及び第2断熱材層の間にスペーサ部材を介装することにより空調用通路(5,23,37)を区画形成しているが、これに限らず、例えば上記第1及び第2断熱材層を1つの断熱材層により構成し、その内部に空調用通路としての内部空間を一体形成するするようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、単位建材パネル(31)に取付ける空気調和機として室内ユニット(32)を示したが、これに限らず、室内ユニットと室外ユニットとが一体に構成された空気調和機を予め取付けるようにしてもよいし、実施形態において説明した室内ユニット(32)の他にその室内ユニット(32)とは独立に構成された室外ユニットをも単位建材パネルに対し予め一体化させておいてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜請求項4の内の一に記載の発明における空調用通路付き建材によれば、住宅の建築工事において、空調用通路付き建材を枠組等に対し固定することにより、空気調和機の取付けと、空気調和後の空気を搬送するダクト等の取付けとを建築過程において完了させることができる。このため、建築工事完了後に空気調和機の特に室内ユニットの取付工事やダクト等の取付工事を共に省略することができるようになる。しかも、空気調和機が外部空間側に位置付けられることになるため、室内空間から室内ユニットによる出っ張りをなくすことができる。
【0041】
その上、空気調和機からの空気調和後の空気が空調用通路を通して搬送される際、上記空調用通路の表裏両側が第1及び第2の断熱材層により挟まれているため、上記の空気調和後の空気をその熱的状態を損なわずに搬送し得る上、その壁内を通る空気調和後の空気によって壁内の結露防止を図ることができる。また、上記空調用通路に供給された空気調和後の空気は第2断熱材層の多数の微小孔のそれぞれを通して室内空間に徐々に吹き出されることになるため、第1の発明の場合と同様に、従来の室内ユニットの空気吹出口から吹き出される場合のように一箇所の空気吹出口から室内空間に強制的に吹き出されて室内空間に風が巻き起こるようなことがなく、従来の場合と比べ自然対流に近い環境で室内空間の温度調整を行うことができ、快適な環境を創造してそれを維持することができるようにになる。加えて、上記空気調和後の空気が通過する単位建材パネルの室内側壁面からの輻射熱によってその単位建材パネルによって仕切られた各部屋の熱的調和も図り得る上、各部屋を外部空間と仕切る壁に対する蓄熱効果も得ることができる。
【0042】
ここで、空気吸込口としての開口部に対しグリルを取付けることにより、室内空間側の見栄えの向上や風向き調整を行うことができる。また、ドレンや熱交換器への冷媒の供給等のための配管や電源投入用の配線等が単位建材パネルに対し予め一体に取付けることにより、建築工事完了後にこれらの配管等を取付ける必要もなく、しかも、上記の配管等の先端の接続部を用いて、延長用配管や延長用配線等と容易に接続することができるようになる。開閉可能な外気導入口を設けることにより、換気のための特別な設備を建築工事完了後に付設しなくても、本空調用通路付き建材を用いて建築工事を行うことにより、容易に換気機能を付加することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提技術の形態1を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1の空調用通路付き建材の横断面図である。
【図3】図1の空調用通路付き建材により建物の壁を形成した状態の一部省略断面図である。
【図4】図1の空調用通路付き建材を3枚並べた状態の室内側からの斜視図である。
【図5】前提技術の形態2を適用した建物の部分断面説明図である。
【図6】本発明の実施形態の断面説明図である。
【図7】図6の空調用通路付き建材を室内空間側から見た斜視図である。
【図8】図6の空調用通路付き建材を外部空間側から見た斜視図である。
【図9】図6の部分拡大断面図である。
【図10】図6の空調用通路付き建材を用いた住宅建築例を斜視図状態で示す説明図である。
【符号の説明】
1,31′ 補強パネル部材
2,21,35 第1断熱材層
3,22,36 第2断熱材層
3a,22a,36a 微小孔
4 スペーサ部材
5,23,37 空調用通路
6 化粧パネル部材
10,20,30 空調用通路付き建材
31 単位建材パネル
32 空気調和機
33a,33b 開口部
38 ケーシング
39 熱交換器
40 ファン(送風機)
42 外気導入口
44 冷媒配管
45 ドレン配管
46 電源投入用配線
44a,45a,46a 接続ユニット
48 グリル
Claims (4)
- 建物の室内空間を区画形成する単位建材パネル(31)に対し、ケーシング(38)の内部に送風機(40)及び熱交換器(39)を含む各種機器が内蔵された空気調和機(32)が予め一体的に結合されて構成され、
上記単位建材パネル(31)は、
上記空気調和機(32)の空気吸込口及び空気吹出口に対応する大きさの開口部(33a,33b)が順に上下の位置関係となるように長手方向に並んで且つ厚み方向に貫通して形成された補強パネル部材(31′)と、
この補強パネル部材(31′)の上記空気吸口を除く範囲の裏面側に積層された第1及び第2の断熱材層(35,36)と、
この第1及び第2の断熱材層(35,36)の間に長手方向に延びるように形成された空調用通路(37)とを備え、
上記空調用通路(37)を挟んで裏面側に位置する第2断熱材層(36)には、裏面側に臨む空間と上記空調用通路(37)とを互いに連通する多数の微小孔(36a)が形成されており、
上記空気調和機(32)は、上記開口部(33a,33b)を通して室内空間の空気の吸い込み及び吹き出しが行い得るように上記開口部(33a,33b)を挟み上記単位建材パネル(31)の表面側位置に取付けられている
ことを特徴とする空調用通路付き建材。 - 請求項1において、
補強パネル部材(31′)の裏面側には、開口部(33a)を覆うようにグリル(48)が取付けられている
ことを特徴とする空調用通路付き建材。 - 請求項1において、
空気調和機(32)の配管(44,45)及び電源投入用配線(46)がケーシング(48)から外部に延びて補強パネル部材(31′)に対し一体に固定され、その配管(44,45)及び配線(46)の先端に接続部(44a,45b,46a)が設けられている
ことを特徴とする空調用通路付き建材。 - 請求項1において、
空気調和機(32)のケーシング(48)には、送風機(40)の吸い込み側と連通しかつ開閉可能に構成された外気導入口(42)が形成されている
ことを特徴とする空調用通路付き建材。
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