JPH10140123A - タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物 - Google Patents

タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物

Info

Publication number
JPH10140123A
JPH10140123A JP8296859A JP29685996A JPH10140123A JP H10140123 A JPH10140123 A JP H10140123A JP 8296859 A JP8296859 A JP 8296859A JP 29685996 A JP29685996 A JP 29685996A JP H10140123 A JPH10140123 A JP H10140123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
rubber
styrene
butadiene
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8296859A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Taniguchi
由紀 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP8296859A priority Critical patent/JPH10140123A/ja
Publication of JPH10140123A publication Critical patent/JPH10140123A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tyre Moulding (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維コードのディップ処理の際、ロールにガ
ムアップの発生量が少なく、ゴムと繊維との接着性に優
れたタイヤ補強有機繊維用接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 レゾルシン及びホルムアルデヒドからな
るレゾルシン−ホルムアルデヒド成分、ゴムラテックス
成分及び水を含む組成物を熟成してなるタイヤ補強有機
繊維用接着剤組成物であって、該ゴムラテックス成分
が、エチレン系不飽和酸単量体により共重合変性された
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重
合体ラテックスからなり、該カルボキシ変性スチレン−
ブタジエン共重合体ラテックスがpH12〜13.4に
調整されたラテックスであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤に関し、さら
に詳しくは保存安定性、機械的安定性延いては耐ガムア
ップ性かつゴムと有機繊維との接着性に優れたタイヤ補
強有機繊維用接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムとゴム補強用繊維の接着剤には、保
存安定性、機械的安定性、延いては耐ガムアップ性及び
接着性が併立する特性が強く要請されている。
【0003】ポリアミド繊維コードなどのゴム補強用繊
維は、従来からトラック・バス用、建設車両用、航空機
用などの大型タイヤやコンベヤベルト、ホース、空気バ
ネなどのゴム工業製品の補強材として多く使用されてき
た。
【0004】このようなゴム補強用繊維コードは、繊維
−ゴム間の接着に必要な接着剤液に浸漬処理(以下、デ
ィップという)した後、乾燥熱処理し、ついで繊維の融
点近傍の高温下で熱処理する、いわゆる「ディップ処理
工程」を経て製造される。
【0005】例えば、特開昭48−11335などに開
示されているように、通常ビニルピリジン−スチレン−
ブタジエン三元共重合体ラテックス及びスチレン−ブタ
ジエン共重合体(SBR)系ラテックスとの混合ラテッ
クスと、レゾルシン−ホルムアルデヒド(以下RFと略
す場合がある)成分とからなる接着剤液(以下ディップ
液という場合がある)が用いられている。
【0006】しかしながら、レゾルシン−ホルムアルデ
ヒド成分とゴムラテックス例えば上記混合ラテックスか
らなるディップ液は、ゴムラテックスが含まれているた
め、タイヤコードを単線又はすだれ状でディップ処理す
る際に、該液の攪拌、ロール絞りなどのせん断力(機械
的な力)が加わって、ラテックスを主とするゴム成分が
ロール上に析出するいわゆるガムアップ現象が起る。こ
れが徐々にロールに付着して作業性が低下したり、タイ
ヤコードに付着して品質の低下を起す。また、そのため
にロールの洗浄も必要となり、工場の生産性の低下を招
く。
【0007】特開平2−91276には、ナイロン繊維
によるゴム補強用コードの処理に上記RFラテックスデ
ィップ液のゴムラテックス成分としてビニルピリジン−
ブタジエン−スチレン三元共重合体ラテックスと天然ゴ
ムラテックスとを用いることにより加硫後のコードの強
力低下が防止されることが開示されている。しかしなが
ら、一方、天然ゴムラテックスの使用はディップ液のガ
ムアップを促進する要因となる欠点がある。
【0008】特開昭63−57685では、ゴムラテッ
クス成分として、カルボキシ変性ブタジエン−スチレン
共重合体ラテックスとビニルピリジン−ブタジエン−ス
チレン共重合体ラテックスを用いて、機械的安定性及び
接着性を改良したことが開示されている。
【0009】しかし、カルボキシ変性ブタジエン−スチ
レン共重合体ラテックスは通常pHが10以下であり、
この場合pHが低すぎて、ディップ液はRFとゴムラテ
ックスの熟成が十分進行せず、接着性は低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事実に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的はゴムラテッ
クスの保存安定性が改良され、ゴム補強有機繊維コード
のディップ処理の際、機械的安定性が向上し、ロールに
ガムアップの発生量が少なく、作業性、生産性が改善さ
れ、ゴムと有機繊維との接着性に優れたタイヤ補強有機
繊維用接着剤組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
ゴムラテックス特にそのpHに着目して、鋭意検討した
結果、このpHを従来より特定の高い範囲に限定するこ
とによって、すなわち下記の手段によって、目的が達成
できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】すなわち、(1)本発明のタイヤ補強有機
繊維用接着剤組成物は、レゾルシン及びホルムアルデヒ
ドからなるレゾルシン−ホルムアルデヒド成分、ゴムラ
テックス成分及び水を含む組成物を熟成してなるタイヤ
補強有機繊維用接着剤組成物であって、該ゴムラテック
ス成分が、エチレン系不飽和酸単量体、スチレン及びブ
タジエンよりなるカルボキシ変性スチレン−ブタジエン
三元共重合体ラテックスと、ビニルピリジン−スチレン
−ブタジエン三元共重合体ラテックスからなり、該カル
ボキシ変性スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテック
スがpH12〜13.4に調整されたラテックスである
ことを特徴とする。
【0013】(2)本発明のタイヤ補強有機繊維用接着
剤組成物は、前(1)項において、前記ゴムラテックス
成分が、さらに天然ゴムラテックスを有することを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、ガムアップ性と
は前記した通りである。
【0015】また、機械的安定性とは一般にゴムラテッ
クスのコロイド的安定性は、ゴム粒子表面の水和と粒子
の電荷によって大きく支配され、ゴムラテックスを苛酷
な条件でポンプ移送したり、ロール操作したりする工程
で外部から機械的な力によりゴムラテックス同士が異常
に接近し、衝突して、凝集する場合があるが、このよう
に機械的な力に対する安定性を機械的安定性という。
【0016】本発明の組成物は、レゾルシン、ホルムア
ルデヒド、ゴムラテックス成分、金属水酸化物、必要な
らばアンモニア、水を混合することにより得られるが、
好ましくは単なる混合物ではなく熟成して得られる。よ
り好ましくはレゾルシンとホルムアルデヒドを、金属水
酸化物としてアルカリ金属水酸化物、アンモニア存在下
で熟成した後、ゴムラテックスを加えて熟成する。熟成
は特に限定しないが、10〜30℃で0.5〜7日間が
好ましい。
【0017】通常、水にレゾルシンを溶解させ、アルカ
リ金属水酸化物水溶液を加え、ついでホルムアルデヒド
原料としホルマリンを加え室温で放置熟成させ、必要に
応じてNH3 水溶液を加え、レゾルシン−ホルムアルデ
ヒド成分が得られる。これに所定量のゴムラテックスを
加えて、本発明のタイヤ補強有機繊維用接着剤組成物を
製造する。
【0018】レゾルシン−ホルムアルデヒド成分につい
ては、ホルマリン(F)対レゾルシン(R)のモル比F
/Rが1.1未満であるとRF重合反応の進行が十分で
なく、逆に3.0を越えると、3次元的な重縮合反応が
進みすぎて、いずれの場合もゴムとの接着力が低下し好
ましくない。よって、1.1≦F/R≦3.0であると
好ましい。
【0019】また、高強度ナイロン繊維コードの場合に
は、その強度保持の観点から、F/R≦2.3であるこ
とが好ましい。
【0020】レゾルシン(R)及びホルマリン(F)の
合計量とゴムラテックス(L)固形分の総量との比RF
/Lは、1/10未満では十分な接着力が得られず、1
/4を越えるとRF量がL量に対し多すぎて、結果とし
て接着剤層が硬くなり過ぎ、また相対的にゴムラテック
スが少な過ぎるので、コーティングゴム層との共加硫も
十分でなく、接着が低下する。よって、1/10≦RF
/L≦1/4が好ましい。
【0021】本発明に用いられるカルボキシ変性スチレ
ン−ブタジエン三元共重合体ラテックスの製造方法は、
エチレン系不飽和酸単量体、中でもエチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ケ
イ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の少なく
とも一種と、スチレンと、ブタジエンを共重合して得る
ことができる。
【0022】このカルボキシ変性スチレン−ブタジエン
三元共重合体ラテックスのpHは12〜13.4、効果
の点から好ましくは12.5〜13.2であることが必
要である。このpHが12未満では機械的安定性はよい
が接着性が劣る。通常のカルボキシ変性スチレン−ブタ
ジエン三元共重合体ラテックスのpHは前記した通り1
0以下であり、接着力低下等満足な効果は得られない
が、このpHが10を越え12未満ではpHの経時低下
が著るしく、保存安定性に劣る。上記pHが13.4を
越えるとpH調整に用いる例えばアルカリ金属水酸化物
が過剰に存在することにより、ゴムラテックスとRF樹
脂との熟成が進みすぎ、ディップ処理後の接着層が硬く
なりすぎて、接着性が低下する。
【0023】本発明におけるカルボキシ変性スチレン−
ブタジエン三元共重合体ラテックスのpHの調整はこの
ラテックスにあらかじめ例えばアルカリ金属水酸化物を
添加して行い、この添加時期は特に制限されないがRF
成分と熟成を行う1時間以上前に、このラテックスを攪
拌しながらアルカリ金属水酸化物を徐々に添加し、例え
ば数十分攪拌を継続して行うことができる。こうして得
られた所定のpHを有するこのラテックスとRF及び他
の成分の熟成混合物とを混合し、十分に熟成させると耐
ガムアップ性、接着性等に優れた接着剤が得られる。
【0024】本発明に用いられるピリジン−スチレン−
ブタジエン三元共重合体及び天然ゴムラテックスは、特
に制限されないが通常の市販品が用いられる。
【0025】本発明に用いられるカルボキシ変性スチレ
ン−ブタジエン三元共重合体ラテックスの添加量は固形
分として、全ゴムラテックス固形分重量中の割合が20
〜70重量%であることが好ましい。この添加量が20
重量%未満ではガムアップ改良(減少)効果が十分でな
く、70重量%を越えると接着力が低下するので好まし
くない。
【0026】本発明に使用されるピリジン−スチレン−
ブタジエン三元共重合体の添加量は固形分として、全ゴ
ムラテックス固形分重量中の割合が10〜80重量%で
あることが好ましい。この添加量が10重量%未満では
接着力が低下し、80重量%を越えるとゴムとの接着選
択性が大きくなり、ディップ液のコストも上がり、また
汎用の接着性の点で好ましくない。
【0027】また、本発明に用いられる天然ゴムラテッ
クスの添加量は固形分として、全ゴムラテックス固形分
重量中の割合が0〜60重量%であることが好ましい。
この添加量が60重量%を越えるとコーティングゴム種
の接着選択性が大きくなり、汎用の接着性の点で、好ま
しくない。
【0028】本発明の接着剤におけるアルカリ金属水酸
化物の添加量Aは、カルボキシ変性スチレン−ブタジエ
ン三元共重合体に添加されるアルカリ金属水酸化物の量
を除いて、接着剤液の全固形分重量中の割合が0.05
〜0.8重量%であることが好ましい。さらにまた本発
明の接着剤に、NH3 水溶液を少量添加することによ
り、ゴムとの接着性がやや向上するが、NH4 OHの添
加量Bが0.5重量%を越えるか、またはBが0.5重
量%未満でもA+Bが0.8重量%を越えると、FとR
の架橋が進みすぎて熱処理後のRF樹脂の網目が密とな
り、結果としてRFL接着剤層が硬くなりすぎる。
【0029】本発明で用いられる有機繊維コードとして
は、特に制限されないが、例えばナイロン、レーヨン、
ポリエステル、芳香族ポリアミド、高強度高弾性率ポリ
ビニルアルコール繊維コード等を用いることができる
が、これらのなかで、特別な前処理なく、本接着処理の
みにて十分接着できる繊維コードとしては、例えば6−
ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等のナ
イロンコードを挙げることができる。
【0030】また、本発明の接着剤処理にて補強コード
の高強力保持性の効果を利用する分野には、例えば10
g/d以上の原系強度を有する高強度ナイロン繊維等が
好ましく、また、天然ゴムラテックスによるタックの高
さを利用する分野には、例えばナイロン、ビニロン等の
マルチフィラメント/モノフィラメントのキャンバス等
が好ましい。
【0031】含浸方法としては、上記接着剤液に、スダ
レ織り又は単線状のコードを、例えばデイップ処理など
により、浴中で浸漬したり、コードに液をドクターナイ
フ等を用いて塗布したり、あるいはスプレーしたりする
方法等が挙げられる。
【0032】含浸後、余分なRF/L接着剤液を絞りと
った後、100〜180℃の温度で乾燥し、水分を除去
した後、繊維により異なるが、例えば、170〜240
℃にて40〜200秒間熱処理する。240℃以上20
0秒以上では、天然ゴムラテックスポリマーが熱酸化劣
化し過ぎるので好ましくない。より好ましくは225℃
以下、150秒以下である。
【0033】本発明の組成物においては、スチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックスをカルボキシ変性ラテック
スとすることにより、粒子表面負電荷を増加させて、安
定な電気二重層を形成させ、ゴムラテックスの機械的安
定性および化学的安定性を向上させ、接着剤液のディッ
プ処理時のガムアップの発生量を減少させる。特に粒子
表面に存在する化学的に結合したカルボキシル基が粒子
のまわりに形成されて、電気二重層を厚くすることにな
りラテックス粒子をコロイドとして安定化させ、ラテッ
クスの機械的安定性は向上する。
【0034】カルボキシ変性スチレン−ブタジエン三元
共重合体ラテックスを用いた接着剤液の機械的安定性は
向上し、特に天然ゴムラテックスを含む接着剤の場合、
通常は機械的安定性が低下するが、カルボキシ変性スチ
レン−ブタジエン三元共重合体ラテックスと併用するこ
とにより、向上する。しかし、従来、カルボキシ変性ス
チレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスは非カルボ
キシ変性スチレン−ブタジエン共重合体に比べpHが低
いため、RFとラテックスの熟成が不充分になり、ゴム
との接着力が低下する欠点があるが本発明ではカルボキ
シ変性スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスの
pHを高いレベルの特定範囲に設定することにより、こ
れらの欠点を克服することができた。。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、本実施例に
限定されるものではない。
【0036】各種の測定方法は次の通りである。 ・ガムアップ発生量の測定 単線で2000m連続ディップ処理の後、絞りロール上
でガム発生量を目視し、つぎの4段階で評価した。
【0037】大:多い、中:中程度、小:少ない、微
小:非常に少ない、 ・作業性の測定 ディップ処理作業を総合的にみて、つぎの5段階で評価
した。
【0038】5:非常に良い、4:良い、3:普通、
2:悪い、1:非常に悪い ・接着力の測定 ディップ処理を施したコードを下記に示す未加硫配合ゴ
ム組成物に埋め込み、153℃×20分にて加硫した。
得られた加硫物からコードを掘り起こし、300mm/
分の速度にて引っ張って加硫物からコードを剥離し、コ
ード1本あたりの剥離抗力を求めて、これを接着力(k
g/本)とした。
【0039】 天然ゴム 70 重量部 スチレンブタジエン共重合体ゴム 30 〃 カーボンブラック 40 〃 ステアリン酸 2 〃 石油系軟化剤 10 〃 パインタール 4 〃 亜鉛華 5 〃 N−フェニル−β−ナフチルアミン 1.5 〃 2−ベンゾチアゾリルスルフィド 0.75 〃 ジフェニルグアニジン 0.75 〃 硫黄 3.5 〃 〔実施例1〜8、比較例1〜4〕試験に供するポリアミ
ド原糸として、単糸繊度6d(デニール)、原糸強度1
0.2g/d、原糸撚り構造1890d/z、撚数32
回/10cm、の高強度6,6−ナイロン1890d/
2を用いた。
【0040】接着剤の調製は次のように行った。 ・ゴムラテックスの調製;全ゴムラテックス固形分中の
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテ
ックス固形分(商品名#0596、日本合成ゴム社製)
の割合、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共
重合体ラテックス固形分(商品名Pyratex、住化
エービーエス・ラテックス社製)の割合及び天然ゴムラ
テックス固形分(60%)の割合はそれぞれ表1及び2
に示す通りとし、またカルボキシ変性スチレン−ブタシ
エン三元共重合体ラテックスのpHは10%NaOH水
溶液によって表1及び2の値となるように調整した。上
記のような3種のラテックスを混合して、ゴムラテック
スを得た。なお、比較例1及び4のスチレン−ブタジエ
ン共重合体(日本合成ゴム社2108)はカルボキシ変
性を行っていない。
【0041】・接着剤の調整;水にレゾルシンを溶解さ
せ、これに水酸化ナトリウム水溶液を加え、ついでホル
マリンを加え、27℃、6時間熟成し、レゾルシン−ホ
ルムアルデヒド成分を得る。次いでアンモニア水溶液を
加える配合の場合は、アンモニア水溶液を加えた後、こ
れに上記ゴムラテックスを加え、27℃、1日熟成し
て、接着剤が得られる。得られたRFLの組成は以下の
通りである。
【0042】 総固形分濃度(重量%) 18 F/R(重量比) 2/1 RF/L固形分(重量比) 1/6 A(NaOH)(重量%) 0.4 B(NH3 )(重量%) 0.2(実施例8のみ 0%) 繊維コードの、この接着剤液によるディップ処理は図1
に示す装置で行った。その際に繊維コードにかける温
度、露出時間、張力は、各々のゾーンにおいて、乾燥ゾ
ーン1(130℃、120秒、0.8g/d)、ホット
ゾーン2(235℃、40秒、0.8g/d)、ノルマ
ライズゾーン3(230℃、40秒、0.5g/d)と
した。
【0043】このディップ処理後のガムアップ発生量を
測定し、またディップ処理作業の作業性を評価し、さら
にディップ処理コードの接着力を測定し、結果を表1及
び2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表に示されるように、本発明のタイヤ補強
有機繊維用接着剤は、ディップ処理の際、機械的安定性
が向上し、ロールにガムアップ発生量が少なく、作業性
が改善され、ゴムと有機繊維との接着性に優れているこ
とがわかる。
【0047】比較例からわかるように、カルボキシ変性
スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスのpHが
本発明の特許請求範囲外である場合、ガムアップ量、作
業性及び接着性の少なくとも一つの特性が劣る。
【0048】
【発明の効果】本発明のタイヤ補強有機繊維用接着剤
は、上記のような構成としたので、繊維コードのディッ
プ処理において、ロール上のガムアップ発生量を抑え、
作業性が改良され、ゴムと有機繊維との接着性が向上す
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維コードのディップ処理装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 乾燥ゾーン 2 ホットゾーン 3 ノルマライズゾーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾルシン及びホルムアルデヒドからな
    るレゾルシン−ホルムアルデヒド成分、ゴムラテックス
    成分及び水を含む組成物を熟成してなるタイヤ補強有機
    繊維用接着剤組成物であって、 該ゴムラテックス成分が、エチレン系不飽和酸単量体、
    スチレン及びブタジエンよりなるカルボキシ変性スチレ
    ン−ブタジエン三元共重合体ラテックスと、ビニルピリ
    ジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスか
    らなり、 該カルボキシ変性スチレン−ブタジエン三元共重合体ラ
    テックスがpH12〜13.4に調整されたラテックス
    であることを特徴とするタイヤ補強有機繊維用接着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ゴムラテックス成分が、さらに天然
    ゴムラテックスを有することを特徴とする請求項1記載
    のタイヤ補強有機繊維用接着剤組成物。
JP8296859A 1996-11-08 1996-11-08 タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物 Pending JPH10140123A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8296859A JPH10140123A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8296859A JPH10140123A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10140123A true JPH10140123A (ja) 1998-05-26

Family

ID=17839095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8296859A Pending JPH10140123A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10140123A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511904A (ja) * 2001-12-07 2005-04-28 トーマス・スワン・アンド・カンパニー・リミテツド 繊維をゴムに接着するための方法および組成物
JP2006307365A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Bridgestone Corp 有機繊維コードの改質方法
JP2006316389A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Bridgestone Corp 有機繊維コードの改質方法
WO2009110386A1 (ja) * 2008-03-03 2009-09-11 株式会社ブリヂストン 有機繊維コードの改質方法
JP2011168720A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Nippon A&L Inc 接着剤用共重合体ラテックス
JP2012224962A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Bridgestone Corp 有機繊維コード用接着剤組成物、並びにそれを用いたゴム補強材、タイヤおよび接着方法
CN107988802A (zh) * 2017-12-14 2018-05-04 芜湖华烨新材料有限公司 一种织物纤维浸胶液的配方
CN108004785A (zh) * 2017-12-14 2018-05-08 芜湖华烨新材料有限公司 一种用于纤维浸胶的浸胶液
CN108004784A (zh) * 2017-12-14 2018-05-08 芜湖华烨新材料有限公司 一种可提高涤纶帘线品质的浸胶液及其制备方法
WO2021182539A1 (ja) * 2020-03-11 2021-09-16 株式会社ブリヂストン 接着剤組成物、ゴム-有機繊維コード複合体、及びタイヤ

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511904A (ja) * 2001-12-07 2005-04-28 トーマス・スワン・アンド・カンパニー・リミテツド 繊維をゴムに接着するための方法および組成物
JP2006307365A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Bridgestone Corp 有機繊維コードの改質方法
JP2006316389A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Bridgestone Corp 有機繊維コードの改質方法
WO2009110386A1 (ja) * 2008-03-03 2009-09-11 株式会社ブリヂストン 有機繊維コードの改質方法
JP2009235661A (ja) * 2008-03-03 2009-10-15 Bridgestone Corp 有機繊維コードの改質方法
JP2011168720A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Nippon A&L Inc 接着剤用共重合体ラテックス
JP2012224962A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Bridgestone Corp 有機繊維コード用接着剤組成物、並びにそれを用いたゴム補強材、タイヤおよび接着方法
CN107988802A (zh) * 2017-12-14 2018-05-04 芜湖华烨新材料有限公司 一种织物纤维浸胶液的配方
CN108004785A (zh) * 2017-12-14 2018-05-08 芜湖华烨新材料有限公司 一种用于纤维浸胶的浸胶液
CN108004784A (zh) * 2017-12-14 2018-05-08 芜湖华烨新材料有限公司 一种可提高涤纶帘线品质的浸胶液及其制备方法
WO2021182539A1 (ja) * 2020-03-11 2021-09-16 株式会社ブリヂストン 接着剤組成物、ゴム-有機繊維コード複合体、及びタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3820473B2 (ja) ステンレス鋼製品を処理してゴム組成物への接着性を良くする方法
US3262482A (en) Adhesion of ethylene-propylene-diene terpolymer rubber to textiles
CN113840957A (zh) 水性浸渍组合物
JPH10140123A (ja) タイヤ補強有機繊維用接着剤組成物
CN113631771A (zh) 水性浸渍组合物
US3868985A (en) Process of adhering polyester textile material to rubber and the products produced thereby
CN103119202A (zh) 橡胶-金属复合体的制造方法、橡胶-金属复合体、轮胎、隔震橡胶支承体、工业用带和履带
JPH0530378B2 (ja)
US2211959A (en) Artificial cellulosic material bonded to rubber and method of producing the bond
CN113939623B (zh) 水性浸渍组合物
WO1998001614A1 (fr) Traitement pour fibres de renfort pour caoutchoucs, fibres de renfort, et caoutchoucs renforces
JP2006037251A (ja) ゴム・繊維接着用の処理液及びゴム補強用繊維材料の製造方法
US3819399A (en) Treating metal clad steel wire for application of organic adhesive
JPH06306344A (ja) ゴム補強繊維用接着剤組成物
JP2667555B2 (ja) 接着剤組成物
JP4465514B2 (ja) ポリエステル繊維コードの処理方法
JPH0978045A (ja) 接着剤組成物
JPH02216281A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維の処理方法
JPH06299134A (ja) ポリエステル繊維用接着剤組成物
JPH11140404A (ja) 接着剤、ゴムと帆布との複合体、および歯付ベルト
US2211949A (en) Artificial cellulosic material bonded to rubber and method of producing the bond
JPH09111213A (ja) 接着剤組成物
JPH1044251A (ja) コード・ゴム複合体およびその製造方法
JP2000026827A (ja) 接着剤組成物およびその製造方法
JP3657634B2 (ja) ゴム/コード複合体およびその製造方法ならびに繊維接着用組成物