JPH10137684A - 振動発生機構 - Google Patents

振動発生機構

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JPH10137684A
JPH10137684A JP8294921A JP29492196A JPH10137684A JP H10137684 A JPH10137684 A JP H10137684A JP 8294921 A JP8294921 A JP 8294921A JP 29492196 A JP29492196 A JP 29492196A JP H10137684 A JPH10137684 A JP H10137684A
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Yoshinori Fujita
悦則 藤田
Hiroki Yoda
浩樹 誉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の永久磁石を組み込むことにより、コン
パクトで騒音の少ない安価な加振機が実現可能な振動発
生機構を提供すること。 【解決手段】 反発磁極が対向する少なくとも二つの永
久磁石12,14,46,48を互いに離間して配置す
るとともに、永久磁石のいずれか一方12,46にリン
ク機構16,50を連結した。また、駆動源18,52
の駆動力をリンク機構16,50を介して一方の永久磁
石12,46に加えるようにしたので、一方の永久磁石
12,46を他方の永久磁石14,48に対し周期的に
往復移動させることができ、この往復運動により永久磁
石12,14,46,48の対向面積を変化させて上記
他方の永久磁石14,48を振動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水平方向あるいは
垂直方向の振動発生機構に関し、更に詳しくは、複数の
永久磁石の反発力を利用して水平方向あるいは垂直方向
のいずれか一方向に振動エネルギを発生させる振動発生
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある構造体の振動特性を調べるた
めに、人為的に振動を発生させる加振機が使用されてい
る。また、加振機としては、動電型のものと不釣り合い
質量やカム式のものとが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラン
ク等のリンク機構を使用した加振機では、駆動モータに
直接負荷が加わることから比較的大きな駆動モータが必
要となり、動電型の場合、低周波の対応ができないとい
う問題があった。また、装置自体が大規模なため、設置
場所の確保及び工事が必要となるばかりか、発熱量が大
きいことから強制空冷が必要となり、ファン等の排気音
により異音評価ができないという問題があった。さら
に、上記加振機はいずれも構成が複雑で、重たく、か
つ、高価であることから、軽量で安価なものが望まれて
いた。
【0004】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、複数の永久磁石を組
み込むことにより、コンパクトで騒音の少ない安価な加
振機が実現可能な振動発生機構を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、互いに離
間し反発磁極が対向する少なくとも二つの永久磁石と、
該永久磁石のいずれか一方に連結されたリンク機構と、
該リンク機構を介して上記一方の永久磁石を駆動する駆
動源とを備え、該駆動源により上記一方の永久磁石を他
方の永久磁石に対し周期的に往復移動させて上記永久磁
石の対向面積を変化させることにより上記他方の永久磁
石を振動させるようにしたことを特徴とする振動発生機
構である。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、上記少な
くとも二つの永久磁石を垂直方向に離間せしめる一方、
該永久磁石の両側の各々に一対の永久磁石を反発磁極が
対向した状態で垂直方向に離間せしめ、該一対の永久磁
石の反発力を利用して垂直方向に加わる負荷を支持する
ようにしたことを特徴とする。
【0007】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載の発明において、上記リンク機構の一部に負荷
調整手段を取り付け、該負荷調整手段により上記一方の
永久磁石に加わる水平方向の荷重をキャンセルするよう
にしたことを特徴とする。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、上記少なくとも二つの永久磁石
を第1水平方向に離間せしめる一方、該永久磁石の片側
に一対の永久磁石を上記第1水平方向に反発磁極が対向
した状態で離間せしめ、上記少なくとも二つの永久磁石
の一方と上記一対の永久磁石の一方をそれぞれ対応する
他方の永久磁石に対し上記第1水平方向に振動させるよ
うにしたことを特徴とする。
【0009】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の発明において、もう一対の永久磁石を上記第1
水平方向に垂直な第2水平方向に反発磁極を対向した状
態で離間せしめるとともに、上記もう一対の永久磁石の
いずれか一方を上記リンク機構に連結することにより互
いに対向する永久磁石間の上記第2水平方向の反発力を
バランスさせるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。互いに離間し同磁極
を対向させた少なくとも二つの永久磁石を有する磁性バ
ネ構造体の場合、離間した永久磁石同士は非接触のた
め、構造体自体の摩擦損失等を無視すると、その静特性
は入力時(行き)と同一ライン上を非線形で出力され
(帰り)、さらに、非接触対偶特有の自由度、浮上制御
系の不安定度を利用することにより、小さな入力で静磁
界(磁石の配置)を変化させることで負の減衰を生じや
すい。
【0011】本発明はこの事実に着目してなされたもの
であり、二つの永久磁石間の幾何学的寸法を運動行程内
機構あるいは外力により入力側(行き)と出力側(帰
り)で変化させ、その運動系内で反発力に変換させるこ
とにより、二つの永久磁石の平衡位置からの入力側の反
発力より出力側の反発力を大きくしている。
【0012】以下、その基本原理について説明する。図
1は、入力側と出力側における二つの永久磁石2,4の
平衡位置を示した模式図で、図2は、いずれか一方の永
久磁石に加えられた荷重と、二つの永久磁石の平衡位置
からの変位量との関係を示した磁性バネ構造体の基本特
性を示している。
【0013】図1に示されるように、永久磁石2に対す
る永久磁石4の入力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれ
0,k1とし、出力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれ
1,k2とすると、x0〜x1の間で面積変換が行われ、
各平衡位置では次の関係が成立する。 −k1/x0+mg=0 −k2/x1+mg=0 k2>k
【0014】従って、その静特性は、図2に示されるよ
うに負の減衰特性を示し、位置xと位置x0における
ポテンシャルの差が発振のポテンシャルエネルギと考え
ることができる。
【0015】また、図1のモデルを製作し、荷重と変位
量との関係を、荷重を加える時間を変えて実測したとこ
ろ、図3に示されるようなグラフが得られた。これは、
二つの永久磁石2,4が最近接位置に近づくと、大きな
反発力が作用すること、また、平衡位置からの変位量が
微小に変化すると摩擦損失が磁性バネのダンパー効果に
より発生し、そのことにより減衰項が現れたものと解釈
される。
【0016】図3において、(a)は一定荷重を加えた
場合のグラフで、(a)、(b)、(c)の順で荷重を
加えた時間が短くなっている。すなわち、荷重の加え方
により静特性が異なり、荷重を加える時間が長いほど力
積が大きい。
【0017】また、希土類磁石は、磁化の強さが磁界に
依存しない。つまり、内部磁気モーメントが磁界による
影響を受けにくいので、減磁曲線上で磁化の強さはほと
んど変化せず、ほぼその飽和磁化の強さの値を保ってい
る。従って、希土類磁石では、端面上に磁荷が均一に分
布していると仮定したチャージモデルを用いて、入出力
が考えられる。
【0018】図4はその考え方を示しており、磁石を最
小単位の磁石の集合と定義し、各単位磁石間の力の関係
を三つに分類して計算したものである。 (a)吸引(r,mとも同一なので、2タイプを1つで
定義する) f(1)=(m2/r2)dx1dy1dx2dy2x (1)=f(1)cosθ fz (1)=f(1)sinθ (b)反発 fx (2)=f(2)cosθ fz (2)=f(2)sinθ (c)反発 fx (3)=f(3)cosθ fz (3)=f(3)sinθ 従って、 −fx=2fx (1)−fx (2)−fx (3) −fz=2fz (1)−fz (2)−fz (3) ここで、クーロンの法則は次のように表されるので、 上記−fx,−fzを磁石の寸法の範囲で積分して力を求
めることができる。
【0019】これを図5に示されるように、対向する磁
石を各磁気ギャップ毎に完全にラップした状態(x軸移
動量=0mm)から完全にずれた状態(x軸移動量=5
0mm)まで移動させて計算したのが図6のグラフであ
る。ただし、「内部磁気モーメントは一定」と定義して
あるが、磁気ギャップが小さいときは磁石の周辺で乱れ
が生じるので、補正している。
【0020】上記計算結果は実測値とも略一致してお
り、図2のポイントaからbに移動させる力がx方向荷
重で、出力はz方向荷重で表されており、不安定系故の
入力<出力の関係が静的に明確になっている。
【0021】また、図7は、図5に示される磁石の離間
距離を3mmに保持し、完全にずれた状態から完全にラ
ップした状態まで移動させ、さらにこの状態から完全に
ずれた状態まで移動した時の関係を表したグラフであ
る。このグラフは、x方向荷重の絶対値は同じで出力方
向が逆になって出てくる特性で、完全ラップ状態に近づ
く場合は抵抗つまり減衰となり、完全ラップ状態から完
全にずれた状態に移行する場合は加速されることを示し
ている。
【0022】また、図8に示されるように、対向する磁
石の回転角度を変化させると、図9に示されるようなグ
ラフが得られた。当然のことながら、対向面積が減少す
ると最大荷重が減少し、所定の入力を加えることによる
面積変換を介して出力を変化させることが可能なことを
示している。
【0023】図10は、永久磁石としてネオジム系磁石
を採用した場合の磁石間距離と荷重との関係を示すグラ
フであり、反発力は質量増加とともに増加する。ここ
で、反発力Fは、 F∝Br2×(幾何学的寸法) Br:磁化の強さ で表され、幾何学的寸法とは、対向する磁石の離間距
離、対向面積、磁束密度、磁界の強さ等により決定され
る寸法を意味する。磁石材料が同一の場合、磁化の強さ
(Br)は一定であるので、幾何学的寸法を変化させる
ことにより磁石の反発力を変えることができる。
【0024】図11は、永久磁石2,4の一方を他方に
対しスライドさせて対向面積を変化させることにより幾
何学的寸法を変化させるようにしたスライド型原理モデ
ルを示している。
【0025】図11に示されるように、永久磁石2は基
台6に摺動自在に取り付けられており、直動スライダ8
は基台6に固定されるとともに、上方に垂直に立設せし
められている。直動スライダ8にはL型アングル10が
上下動自在に取り付けられており、L型アングル10の
下面には、永久磁石4が永久磁石2に対し同一(反発)
磁極を対向させた状態で固定されている。
【0026】上記構成のスライド型原理モデルにおい
て、永久磁石2,4として50mmL×25mmW×1
0mmHのもの(商品名:NEOMAX-39SH)を使用すると
ともに、合計質量3.135kgの負荷を使用して、永
久磁石2をスライドさせたところ、図12に示されるよ
うな結果が得られた。
【0027】図12は、入出力の実験値を仕事(J)で
示したもので、約0.5Jの入力仕事に対し約4Jの出
力仕事が得られており、対向する二つの永久磁石2,4
で構成される磁性バネが有する負の減衰特性を利用する
ことにより、あるいは、静磁エネルギを変化させること
により小さな入力仕事で大きな出力仕事を引き出すこと
が可能となる。
【0028】図13は、上記スライド型原理モデルの応
用例を示す第1の振動発生機構を示している。図13に
示される振動発生機構は、摺動自在の第1永久磁石12
と、第1永久磁石12から所定距離離間し上下動自在の
第2永久磁石14と、第1永久磁石12に連結されたリ
ンク機構16と、リンク機構16を介して第1永久磁石
12をスライドさせるVCM(ボイスコイルモータ)等
の駆動源18とを備えており、第1永久磁石12と第2
永久磁石14は、同一(反発)磁極が対向した状態で配
置されている。リンク機構は、第1永久磁石12に連結
されたロッド20と、ロッド20の略中間部に回動自在
に連結された一端を有する第1レバー22と、第1レバ
ー22の他端に回動自在に連結された第2レバー24
と、第1レバー22の略中間部に回動自在に連結された
一端を有する第3レバー26とを備えており、第2レバ
ー24の他端は、例えばベースプレート等の基台28に
回動自在に取り付けられるとともに、第3レバー26の
他端は、駆動源18の往復軸18aに連結されている。
また、ロッド20の第1永久磁石12との連結端部の反
対側の端部は、ロッド保持部30に遊挿されるととも
に、ロッド20に固着されたストッパ32とロッド保持
部30との間のロッド20には負荷調整手段としてのス
プリング34が巻装されている。
【0029】上記構成において、第2永久磁石14に負
荷Wを加えた状態で、駆動源18からリンク機構16を
介して第1永久磁石12を水平方向に往復移動させる
と、第1永久磁石12に対し同一磁極が対向する第2永
久磁石14は垂直方向に移動する。すなわち、図13の
振動発生機構は、対向する一対の永久磁石12,14の
対向面積を周期的に変化させることより励振を発生し、
垂直方向の周期的な振動を発生させる。
【0030】なお、第2永久磁石14に加えられる負荷
Wに応じて、第1及び第2永久磁石12,14の片側に
一対の永久磁石36,38と、その反対側にもう一対の
永久磁石40,42とを同一磁極を対向させて配置する
こともできる。この構成において、第2永久磁石14
と、その両側に配置される永久磁石38,42とを例え
ば頂板44に固着させる一方、頂板44を基台28に対
し複数の垂直軸等を介して上下方向に摺動自在に取り付
けることにより、負荷Wに周期的振動を発生させること
が可能である。
【0031】上記構成をさらに詳述すると、固定磁石3
6,38,40,42で荷重を支持するとともに、平衡
点と加振磁石(第1永久磁石12)のボリュームで振幅
を仮設定し、加振磁石12のスライド移動により垂直方
向の振動を発生させる。また、加振磁石12のストロー
ク量については、荷重曲線、振幅及び負荷質量で設定す
る。その中心が基準位置となり駆動源18の中立位置と
し、中立位置に設定するためにアシストメカ(負荷調整
用スプリング34等)で荷重の谷を設定する。ここで荷
重の谷とは、第2永久磁石14を介して加振磁石12に
加わる水平方向荷重が駆動源のアシストメカでキャンセ
ルされ、釣り合った状態になっている位置をいう。
【0032】また、加振磁石12の水平方向のストロー
ク量で垂直方向の上死点と下死点が決定され、上下各死
点における加振磁石12の第2永久磁石14に対するラ
ップ量とギャップ量で各点の水平方向及び垂直方向の荷
重が決定される。さらに、駆動源18のアシストメカの
バネ定数については、上下各死点における水平方向荷重
で決定される。
【0033】図14は、スライド型原理モデルの応用例
を示す第2の振動発生機構を示している。図14に示さ
れる振動発生機構は、Y軸方向に摺動自在の第1永久磁
石46と、第1永久磁石46から所定距離離間し第1永
久磁石46とX軸方向に相対移動自在の第2永久磁石4
8と、第1永久磁石46に連結されたリンク機構50
と、リンク機構50を介して第1永久磁石46をスライ
ドさせるVCM(ボイスコイルモータ)等の駆動源52
とを備えており、第1永久磁石46と第2永久磁石48
は、同一(反発)磁極が対向した状態で配置されてい
る。リンク機構は、第1永久磁石46に連結された一端
を有する第1ロッド54と、第1ロッド54の他端に回
動自在に連結された一端を有する第1レバー56と、第
1レバー56の他端に回動自在に連結された一端を有す
る第2レバー58と、第1レバー56の略中間部に回動
自在に連結された一端を有する第2ロッド60とを備え
ている。また、第2ロッド60の他端は、Y軸方向に摺
動自在の第3永久磁石62に連結される一方、第2レバ
ー58の他端は、駆動源52の往復軸52aに連結され
ている。さらに、第1レバー56は、第2レバー58の
連結部と第2ロッド60の連結部との間において、基台
64に回動自在に取り付けられている。
【0034】また、第3永久磁石62からY軸方向に離
間し、第3永久磁石62と同一磁極が対向する第4永久
磁石と、第3永久磁石62に対し第1永久磁石46の反
対側に互いに対向しX軸方向に相対移動自在の第5及び
第6永久磁石68,70とが配設されている。
【0035】上記構成において、第2永久磁石48と第
6永久磁石70とを、基台64に対し平行に延在し基台
64から所定距離離間した頂板(図示せず)に固定する
とともに、駆動源52によりリンク機構50を介して第
1永久磁石46をY軸方向に往復移動させると、基台6
4と頂板のいずれか一方が他方に対しX軸方向に往復移
動する。すなわち、図14の振動発生機構は、対向する
一対の永久磁石46,48の対向面積を周期的に変化さ
せることより励振を発生し、水平方向の周期的な振動を
発生させる。
【0036】なお、図14において、72及び74は、
可動磁石すなわち第1永久磁石46及び第3永久磁石6
2が摺動自在に取り付けられるスライダをそれぞれ示し
ている。
【0037】上記構成をさらに詳述すると、水平方向
(図14ではX軸方向)に加振させる可動磁石(第1永
久磁石46)のボリュームは振動振幅により決定され、
そのストローク量と、可動磁石46と対向する第2永久
磁石48とのラップ量とギャップ量の関係から負荷質量
条件と振動加速度を満足させる荷重特性が決定される。
中立位置での荷重要件からその反力を打ち消し釣り合っ
た状態にするために、バランス磁石(第3永久磁石6
2)の荷重値が決定される。また、X軸及びY軸両方向
の各最大振幅点での可動磁石のスライド方向の反力と駆
動源52からの入力とバランス磁石の入力を釣り合わせ
る荷重値で、荷重−たわみ曲線が決定され、これに基づ
いてバランス磁石のレバー比を考慮に入れた可動範囲と
ボリュームが決定される。
【0038】次に、上記構成の振動発生機構の制御につ
いて説明する。VCM等の駆動源18,52の駆動波と
してsin波あるいはランダム波等が使用され、VCM
等を所定の位置や加速度に制御(フィードバック)する
ためには、図15の機械モデルで示されるように、VC
Mの動きを感知するポテンショメータ等のセンサが必要
となる。
【0039】すなわち、駆動波としてsin波を使用し
た場合、加振台(図13における頂板44あるいは図1
4における頂板または基台64)の動きを感知し振幅制
御を行う場合、ロータリエンコーダやポテンショメータ
等の位置センサが必要となり、加振台の加速度を感知し
加速度制御を行う場合、加速度センサが必要となる。ま
た、駆動波としてランダム波を使用した場合、加振台の
動きを感知するロータリエンコーダ等の位置センサが必
要となる。
【0040】図16は、駆動源18,52としてVCM
を使用し、VCMを図17に示されるsin波で駆動す
る場合のクローズドループ制御のブロック図を示してい
る。図16において、sin波テーブル76から所定の
タイミング(例えば1msec毎)でD/A(デジタル
ーアナログ変換器)78にデータを出力し、その電圧値
をPWM(パルス幅変調)制御アンプ等のVCM用アン
プ80に入力し、VCM18,52を駆動する。VCM
18,52にはポテンショメータ82が接続されてお
り、ポテンショメータ82の値と出力を比較器84で比
較するとともに、その差分をD/A78に出力してVC
M18,52を目的の位置まで駆動する。また、sin
波テーブル76を例えばパソコン等に接続し、パソコン
からstartコマンドを送信することによりsin波
テーブル76から所定のsin波を出力し、stopコ
マンドあるいはclearコマンドが送信されるまで出
力し続けるようにすることもできる。
【0041】また、駆動波として図18に示されるよう
なランダム波を使用することも可能で、パソコンから送
信されるstartコマンドに基づいて所定のタイミン
グでアンプ80より振幅値を出力し、VCM18,52
が目的の位置に設定されるようクローズドループ制御を
行うとともに、次のデータがアンプ80から送信される
までその出力を保持することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明のうちで、請求項1に記載の発明によれば、駆動源
からの駆動力で対向する少なくとも二つの永久磁石の一
方を他方に対し周期的に往復移動させて永久磁石の対向
面積を変化させることにより他方の永久磁石を振動させ
るようにしたので、他方の永久磁石に加わる負荷を永久
磁石の反発力を利用して振動させることができ、騒音が
少なくコンパクトで安価な振動発生機構の製作が容易で
ある。
【0043】また、請求項2に記載の発明によれば、上
記少なくとも二つの永久磁石を垂直方向に離間せしめる
一方、その両側の各々に一対の永久磁石を反発磁極が対
向した状態で垂直方向に離間せしめ、該一対の永久磁石
の反発力を利用して垂直方向に加わる負荷を支持するよ
うにしたので、大きな負荷に対しても対応でき、所望の
振動を発生させることが可能である。
【0044】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
リンク機構の一部に負荷調整手段を取り付け、該負荷調
整手段により上記一方の永久磁石に加わる水平方向の荷
重をキャンセルするようにしたので、駆動源の駆動力を
大きくする必要がなく、振動発生機構をコンパクトにす
ることができる。
【0045】また、請求項4に記載の発明によれば、上
記少なくとも二つの永久磁石を第1水平方向に離間せし
める一方、その片側に一対の永久磁石を上記第1水平方
向に反発磁極が対向した状態で離間せしめ、対向する永
久磁石の一方を対応する他方の永久磁石に対し第1水平
方向に振動させるようにしたので、騒音が少なくコンパ
クトで安価な振動発生機構で水平方向の振動を発生させ
ることができる。
【0046】また、請求項5に記載の発明によれば、も
う一対の永久磁石を第1水平方向に垂直な第2水平方向
に反発磁極を対向した状態で離間せしめるとともに、そ
のいずれか一方をリンク機構に連結することにより互い
に対向する永久磁石間の第2水平方向の反発力をバラン
スさせるようにしたので、駆動源の駆動力を大きくする
必要がなく、振動発生機構をコンパクトにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる磁性バネにおいて、二つの永
久磁石の入力側と出力側の平衡位置を示した模式図であ
る。
【図2】 図1の磁性バネにおいて、加えられた荷重と
永久磁石の平衡位置からの変位量との関係を示す基本特
性のグラフである。
【図3】 実測された荷重と変位量との関係を示すグラ
フである。
【図4】 永久磁石の端面上に磁荷が均一に分布してい
ると仮定したチャージモデルにおける入出力の考え方を
示す模式図であり、(a)は吸引を、(b)は反発を、
(c)は(b)とは異なる部位の反発をそれぞれ示して
いる。
【図5】 同磁極を対向させた永久磁石において、一方
を他方に対し移動させた(対向面積を変えた)場合の模
式図である。
【図6】 図5に基づいて計算した場合のX軸移動量に
対するX軸及びZ軸方向の荷重を示すグラフである。
【図7】 図5の永久磁石の離間距離を一定に保持し、
一方を他方に対し完全にずれた状態から完全にラップし
た状態まで移動し、さらにこの状態から完全にずれた状
態まで移動させた時の変位量と荷重との関係を示すグラ
フである。
【図8】 同磁極を対向させた永久磁石において、一方
を他方に対し回転させた(対向面積を変えた)場合の模
式図である。
【図9】 図8に基づいて永久磁石を回転させた場合の
対向面積に対する最大荷重を示すグラフである。
【図10】 永久磁石としてネオジム系磁石を採用した
場合の磁石間距離と荷重との関係を示すグラフである。
【図11】 永久磁石の対向面積を変化させることによ
り幾何学的寸法を変化させるようにしたスライド型原理
モデルの斜視図である。
【図12】 図11のスライド型原理モデルにより得ら
れた入出力の関係を示すグラフである。
【図13】 図11のスライド型原理モデルの応用例を
示す第1の振動発生機構の概略斜視図である。
【図14】 図11のスライド型原理モデルの応用例を
示す第2の振動発生機構の概略斜視図である。
【図15】 本発明にかかる振動発生機構の機械モデル
を示す概略図である。
【図16】 振動発生機構の駆動源としてVCMを使用
するとともに、VCMをsin波で駆動する場合のクロ
ーズドループ制御のブロック図である。
【図17】 駆動波として使用されるsin波を示すグ
ラフである。
【図18】 駆動波として使用されるランダム波を示す
グラフである。
【符号の説明】
2,4,12,14,36,38,40,42,46,48,62,66,68,70 永久磁石 6 基台 8 直動スライダ 10 L型アングル 16,50 リンク機構 18,52 VCM 34 負荷調整用スプリング 76 sinテーブル 78 デジタルーアナログ変換器 80 VCM用アンプ 82 ポテンショメータ 84 比較器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに離間し反発磁極が対向する少なく
    とも二つの永久磁石と、該永久磁石のいずれか一方に連
    結されたリンク機構と、該リンク機構を介して上記一方
    の永久磁石を駆動する駆動源とを備え、該駆動源により
    上記一方の永久磁石を他方の永久磁石に対し周期的に往
    復移動させて上記永久磁石の対向面積を変化させること
    により上記他方の永久磁石を振動させるようにしたこと
    を特徴とする振動発生機構。
  2. 【請求項2】 上記少なくとも二つの永久磁石を垂直方
    向に離間せしめる一方、該永久磁石の両側の各々に一対
    の永久磁石を反発磁極が対向した状態で垂直方向に離間
    せしめ、該一対の永久磁石の反発力を利用して垂直方向
    に加わる負荷を支持するようにした請求項1に記載の振
    動発生機構。
  3. 【請求項3】 上記リンク機構の一部に負荷調整手段を
    取り付け、該負荷調整手段により上記一方の永久磁石に
    加わる水平方向の荷重をキャンセルするようにした請求
    項2に記載の振動発生機構。
  4. 【請求項4】 上記少なくとも二つの永久磁石を第1水
    平方向に離間せしめる一方、該永久磁石の片側に一対の
    永久磁石を上記第1水平方向に反発磁極が対向した状態
    で離間せしめ、上記少なくとも二つの永久磁石の一方と
    上記一対の永久磁石の一方をそれぞれ対応する他方の永
    久磁石に対し上記第1水平方向に振動させるようにした
    請求項1に記載の振動発生機構。
  5. 【請求項5】 もう一対の永久磁石を上記第1水平方向
    に垂直な第2水平方向に反発磁極を対向した状態で離間
    せしめるとともに、上記もう一対の永久磁石のいずれか
    一方を上記リンク機構に連結することにより互いに対向
    する永久磁石間の上記第2水平方向の反発力をバランス
    させるようにした請求項4に記載の振動発生機構。
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