JPH10137366A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH10137366A
JPH10137366A JP9194205A JP19420597A JPH10137366A JP H10137366 A JPH10137366 A JP H10137366A JP 9194205 A JP9194205 A JP 9194205A JP 19420597 A JP19420597 A JP 19420597A JP H10137366 A JPH10137366 A JP H10137366A
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JP
Japan
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meth
ethylene
ionomer resin
golf ball
acrylic acid
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JP9194205A
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Hiroshi Kawabata
浩 川畑
Yasuhiro Fukui
康弘 福井
Taro Izawa
太郎 伊澤
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KASCO CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】打球感が柔らかく、反発性が満足できるととも
に、カバー表面に擦り傷がつきにくいゴルフボールを提
供する。 【解決手段】コアをカバーで被覆してなるゴルフボール
において、(A)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体のリチウム塩のアイオノマー樹脂と、(B)エチレン
・(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三
元共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂と、(C)
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の部分
ケン化樹脂との混合物を主成分とする樹脂組成物により
カバーを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、打球感が柔らか
く、かつ十分な飛距離が得られるゴルフボールに関す
る。さらに詳しくは、本発明は、アイオノマー樹脂を含
む基材により構成されたカバーを備え、打球感が柔らか
く、十分な飛距離を得るための反発性が満足できるとと
もに、カバー表面に擦り傷がつきにくいゴルフボールに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴルフボールのカバー材料と
しては、反発性、耐久性等に優れるという利点を有する
ことから、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金
属塩のアイオノマー樹脂が広く用いられている。ところ
が、この種のアイオノマー樹脂をカバー材料とするゴル
フボールは、打球感が硬いとされていることから、この
欠点を改善する試みがなされている。
【0003】カバーを柔軟化して打球感を柔らかくする
ために、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体のナトリウム塩または亜鉛塩のアイオノマー樹脂と、
軟質であるエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・
(メタ)アクリル酸三元共重合体のナトリウム塩または
亜鉛塩のアイオノマー樹脂との混合物をカバー材料とし
て使用することが提案されている(米国特許第4,88
4,814号公報、米国特許第5,120,791号公
報、特開平1−308577号公報、特開平5−393
1号公報参照)。
【0004】しかしながら、このような提案によるゴル
フボールは、打球感は柔らかくなるものの、カバーの柔
軟化に伴い、カバーの反発性の低下を招き、飛距離が損
なわれるという傾向がある。
【0005】そこで、カバーの反発性を維持しながらカ
バーを柔軟化するために、エチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体の金属塩のアイオノマー樹脂と、エチレン・
不飽和カルボン酸エステル共重合体の部分ケン化樹脂と
の混合物をカバー材料として使用することが提案されて
いる(特開平5−345051号公報、特開平6−31
3075号公報参照)。しかしながら、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の金属塩のアイオノマー樹脂
と、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の部
分ケン化樹脂とは、互いに相溶性が良くないために、エ
チレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の部分ケン
化樹脂の混合割合が多くなりすぎると、ゴルフクラブで
の打撃時にカバー表面に擦り傷がつき易くなるという間
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、アイオノマー
樹脂を用いたゴルフボールにおいて、カバーを柔軟化し
て打球感を柔らかくしようとするとカバーの反発性の低
下を招いて飛距離が損なわれることを回避し、また、カ
バーの反発性を維持しながらカバーを柔軟化しようとす
るとカバー表面に擦り傷がつき易くなることを回避しな
がら、打球感が柔らかく、反発性が満足できるととも
に、カバー表面に擦り傷がつきにくいゴルフボールを提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コアをカバー
で被覆してなるゴルフボールにおいて、カバーが、
(A)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のリチウ
ム塩のアイオノマー樹脂と、(B)エチレン・(メタ)
アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元共重合体
の2価金属塩のアイオノマー樹脂と、(C)エチレン・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の部分ケン化樹脂
との混合物を主成分とする樹脂組成物から形成されたこ
とを特徴とし、さらに、混合物を100重量%として、
アイオノマー樹脂(A)が10〜75重量%、アイオノ
マー樹脂(B)が10〜88重量%、部分ケン化樹脂
(C)が2〜30重量%の範囲の混合割合であることを
特徴とし、特にアイオノマー樹脂(B)が、亜鉛塩のア
イオノマー樹脂、マグネシウム塩のアイオノマー樹脂、
およびカルシウム塩のアイオノマー樹脂よりなる群から
選択されるアイオノマー樹脂であり、特にマグネシウム
塩のアイオノマー樹脂を含有することを特徴とする。
【0008】前記したように、いわゆるハードアイオノ
マー樹脂とソフトアイオノマー樹脂との混合物からカバ
ーを形成したゴルフボールが提案されているが、飛距離
が出ない傾向がある。また、ソフトアイオノマー樹脂で
はなくエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
の部分ケン化樹脂を混合することも試みられているが、
ハードアイオノマー樹脂との相溶性が不足するため、耐
久性が低下したり、ささくれ立ちが生じ易いという問題
点がある。
【0009】本発明のゴルフボールは、これらの問題点
を解消したものである。すなわち、本発明のゴルフボー
ルは、カバーが、(A)エチレン・(メタ)アクリル酸
共重合体のリチウム塩のアイオノマー樹脂と、(B)エ
チレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリ
ル酸三元共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂と、
(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
の部分ケン化樹脂との混合物を主成分とする樹脂組成物
から形成されている。一般にアイオノマー樹脂は、エチ
レンとアクリル酸(エステル)またはメタクリル酸(エ
ステル)との共重合体を金属イオンによって中和したも
のであるが、(メタ)アクリル酸の含有量や金属イオン
の種類によって物性が変化することが知られている。本
発明は、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メ
タ)アクリル酸三元共重合体の2価金属塩のアイオノマ
ー樹脂、特に好ましくは、マグネシウム塩のアイオノマ
ー樹脂をゴルフボールのカバーの構成成分として採用
し、この成分と混合する他の成分を特定することによ
り、前記した問題点を解消することに成功したものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】(1) エチレン・(メタ)アクリル酸共
重合体のリチウム塩のアイオノマー樹脂(A) 本発明において、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体のリチウム塩のアイオノマー樹脂(A)は、エチレン
・(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基の一部
をリチウムイオンで中和して得られる樹脂またはその混
合物であり、従来のエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体のナトリウム塩または亜鉛塩のアイオノマー樹脂と
比べて反発性が高いという性質を有する。エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体のリチウム塩のアイオノマ
ー樹脂(A)としては、例えば、米国デュポン社製のサ
ーリン7930、サーリン7940等として市販されて
いるものを使用することができる。
【0012】本発明で使用するエチレン・(メタ)アク
リル酸共重合体のリチウム塩のアイオノマー樹脂(A)
は、通常、(メタ)アクリル酸含有量が10〜25重量
%、イオン中和度が10モル%以上のものとし、ショア
ーD硬度60以上、曲げ剛性率300〜500MPaの
物性を有するものとする。
【0013】(2) エチレン・(メタ)アクリル酸エ
ステル・(メタ)アクリル酸三元共重合体の2価金属塩
のアイオノマー樹脂(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アク
リル酸三元共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂
(B)は、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・
(メタ)アクリル酸三元共重合体のカルボキシル基の一
部を2価金属イオンで中和して得られる樹脂またはその
混合物である。エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
・(メタ)アクリル酸三元共重合体における(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブ
チル等のエステルが挙げられる。エチレン・(メタ)ア
クリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元共重合体の
カルボキシル基の一部を中和する2価金属イオンとして
は、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等のイオンが挙げ
られる。これらのイオンの中では、マグネシウムイオン
が好ましい。マグネシウムイオンで中和したものとして
は、米国デュポン社製のサーリンAD8542を例示す
ることができる。このようなアイオノマー樹脂(B)を
混合するのは、打撃耐久性が良いカバーが得られるから
である。
【0014】本発明で使用するエチレン・(メタ)アク
リル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元共重合体の2
価金属塩のアイオノマー樹脂(B)は、通常、(メタ)
アクリル酸エステル含有量が10〜40重量%、(メ
タ)アクリル酸含有量が2〜20重量%、イオン中和度
が10モル%以上のものとし、ショアーD硬度20〜5
0、曲げ剛性率10〜120MPaの物性を有するもの
が好ましい。
【0015】(3) エチレン・(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体の部分ケン化樹脂(C) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の部分
ケン化樹脂(C)は、工チレン・(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体のエステル成分の一部を苛性アルカリで
ケン化して得られるものまたはその混合物である。ナト
リウム、リチウム、カリウム等の部分ケン化物またはそ
の混合物が挙げられる。エチレン・(メタ)アクリル酸
エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エステル
としては、アイオノマー樹脂(B)のエチレン・(メ
タ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元共重
合体における(メタ)アクリル酸エステルと同様のもの
が挙げられる。
【0016】この部分ケン化樹脂(C)は、アイオノマ
ー樹脂(B)と同様にカバーを柔軟化するものである
が、これを混合するのは、アイオノマー樹脂(B)のみ
で柔軟化した場合と比較して、反発性が高いカバーが得
られるからである。
【0017】エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共
重合体の部分ケン化樹脂(C)は、通常、(メタ)アク
リル酸エステル含有量が15〜50重量%、ケン化度が
5〜50モル%、好ましくは(メタ)アクリル酸エステ
ル含有量が20〜40重量%、ケン化度が10〜30モ
ル%のものとする。
【0018】(4) アイオノマー樹脂(A)とアイオ
ノマー樹脂(B)と部分ケン化樹脂(C)との混合物 本発明において、アイオノマー樹脂(A)とアイオノマ
ー樹脂(B)と部分ケン化樹脂(C)との混合割合は、
混合物を100重量%として、通常、アイオノマー樹脂
(A)が10〜75重量%、アイオノマー樹脂(B)が
10〜88重量%、部分ケン化樹脂(C)が2〜30重
量%の範囲である。特に、アイオノマー樹脂(A)が2
0〜70重重%、アイオノマー樹脂(B)が20〜78
重量%、部分ケン化樹脂(C)が2〜25重量%の範囲
であるのが好ましい。アイオノマー樹脂(A)、アイオ
ノマー樹脂(B)、部分ケン化樹脂(C)が、このよう
な混合割合の範囲内である混合物をカバーの基材とする
と、カバーの反発性を維持しながらカバーを柔軟化する
ことが可能である。アイオノマー樹脂(A)の混合割合
が多いと、カバーが柔軟化されず、アイオノマー樹脂
(A)の混合割合が少ないと、カバーの反発性が低下す
る。部分ケン化樹脂(C)の混合剖合が多いと、カバー
表面に擦り傷がつき易くなり、外観不良が発生し易くな
る。
【0019】アイオノマー樹脂(A)とアイオノマー樹
脂(B)と部分ケン化樹脂(C)との混合物は、一般に
熱可塑性樹脂用のバンバリーミキサー、押出機等を使用
して溶融混合することにより製造されるが、本発明の効
果を損なわない範囲であれば、アイオノマー樹脂
(A)、アイオノマー樹脂(B)、部分ケン化樹脂
(C)以外の他のポリマーを混合することができ、ま
た、必要に応じて着色剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、紫外線安定剤、分散剤等の添加剤を混合す
ることもできる。
【0020】(5) コアをカバーで被覆してなるゴル
フボール 本発明のゴルフボールは、前記したカバーでコアを被覆
することにより作製する。本発明のゴルフボールのコア
としては、ソリッド(成形)コアおよびワウンド(糸巻
き)コアのいずれも使用することができる。コアの作
製、カバーによる被覆、ゴルフボールの作製等のために
は、公知のいずれの方法を使用してもよい。
【0021】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0022】実施例1〜6 表1に示す組成のゴム組成物をコア用金型中で加熱加圧
成形し、直径38.3mmのソリッドコアを作製した。
【0023】
【表1】
【0024】次に、射出成形法により、上記ソリッドコ
アを表2に示す組成の実施例1〜6の各カバー用組成物
で被覆し、カバー成形後、研磨、塗装を施して直径4
2.7mmのツーピースソリッドゴルフボールをそれぞ
れ得た。得られた実施例1〜6の各ゴルフボールの特性
を測定、評価して表2に示した。
【0025】比較例1〜4 表1に示す組成のゴム組成物をコア用金型中で加熱加圧
成形し、直径38.3mmのソリッドコアを作製した。
【0026】次に、射出成形法により、上記ソリッドコ
アを表2に示す組成の比較例1〜4の各カバー用組成物
で被覆し、カバー成形後、研磨、塗装を施して直径4
2.7mmのツーピースソリッドゴルフボールをそれぞ
れ得た。得られた比較例1〜4の各ゴルフボールの特性
を測定、評価して表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】なお、表2に示した項目の中、注(*)を
付けた項目の詳細は次の通りである。 *1(サーリン7930):商品名、米国デュポン社製
のエチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有
量15重量%)のリチウム塩のアイオノマー樹脂、ショ
アーD硬度65、曲げ剛性率336MPa。 *2(サーリンAD8542):商品名、米国デュポン
社製のエチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸
三元共重合体(アクリル酸イソブチル含有量23重量
%、メタクリル酸含有量9重量%)のマグネシウム塩の
アイオノマー樹脂、ショアーD硬度44、曲げ剛性率3
5MPa。 *3(ハイミランAM7316):商品名、三井デュポ
ンポリケミカル株式会社製のエチレン・アクリル酸イソ
ブチル・メタクリル酸三元共重合体(アクリル酸イソブ
チル含有量20重量%、メタクリル酸含有量8重量%)
の亜鉛塩のアイオノマー樹脂、ショアーD硬度28、曲
げ剛性率24MPa。 *4(SA420):商品名、三井デュポンポリケミカ
ル株式会社製のエチレン・アクリル酸エチル共重合体
(アクリル酸エチル含有量25重量%)の20モル%ナ
トリウムイオン部分ケン化樹脂、ショアーD硬度28、
曲げ剛性率20MPa。 *5(ハイミラン1605):商品名、三井デュポンポ
リケミカル株式会社製のエチレン・メタクリル酸共重合
体のナトリウム塩のアイオノマー樹脂、ショアーD硬度
65、曲げ剛性率280MPa。 *6(ハイミラン1706):商品名、三井デュポンポ
リケミカル株式会社製のエチレン・メタクリル酸共重合
体の亜鉛塩のアイオノマー樹脂、ショアーD硬度64、
曲げ剛性率244MPa。 *7(摩耗質量):各カバー用組成物を成形することで
試験片を作製し、JIS−K7204に準じて摩耗試験
を行ったもの。 *8(反発性):スイングロボット装置を使用して、ウ
ッド1番クラブにより打ったときのゴルフボールの初速
度であり、比較例1を100とした指数。 *9(打球感):男子上級ゴルファーによる実打での評
価。◎:極めて良い、○:良い、×:悪い。 *10(外観評価):男子上級ゴルファーによる実打で
の評価。○:良い、ほとんど擦り傷なし、×:悪い、た
くさん擦り傷あり。
【0029】表2に示したように、実施例1、2、4で
は、エチレン・メタクリル酸共重合体のナトリウム塩の
アイオノマー樹脂(ハイミラン1605)と、エチレン
・メタクリル酸共重合体の亜鉛塩のアイオノマー樹脂
(ハイミラン1706)と、エチレン・アクリル酸イソ
ブチル・メタクリル酸三元共重合体の亜鉛塩のアイオノ
マー樹脂(ハイミランAM7316)との混合物を使用
した比較例1に対して、高い反発性が得られた。実施例
3、5、6では、ショアーD硬度を低くし、打球感をよ
り柔らかくしたために、反発性が低くなったが、満足で
きる水準に維持されている。このことから、本発明のゴ
ルフボールは、同等硬度で比較した場合、エチレン・メ
タクリル酸共重合体のナトリウム塩のアイオノマー樹
脂、亜鉛塩のアイオノマー樹脂とエチレン・アクリル酸
エステル・メタクリル酸三元共董合体の亜鉛アイオノマ
ー樹脂との混合物からなるカバーのゴルフボールより高
い反発性が得られることが分かる。
【0030】また、エチレン・メタクリル酸共重合体の
ナトリウム塩のアイオノマー樹脂(ハイミラン160
5)と、エチレン・メタクリル酸共重合体の亜鉛塩のア
イオノマー樹脂(ハイミラン1706)と、エチレン・
アクリル酸エチル共重合体のナトリウムイオン部分ケン
化樹脂との混合樹脂(SA420)との混合物を使用し
た比較例2に対して、実施例1〜6では、摩耗質量が相
当に少なく、耐摩耗性が良かった。実打した結果、カバ
ー表面にほとんど擦り傷がつかなかった。
【0031】比較例3は、アイオノマー樹脂(A)の混
合割合が多く、アイオノマー樹脂(B)の混合割合が少
ないので、カバーが硬く、打球感が悪かった。一方、比
較例4は、アイオノマー樹脂(A)の混合割合が少な
く、アイオノマー樹脂(B)の混合割合が多いので、カ
バーが軟らか過ぎて反発性が低下し、打球感も悪かっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ゴルフボールのカバー
の基材として、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体
のリチウム塩のアイオノマー樹脂と、エチレン・(メ
タ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元共重
合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂と、エチレン・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の部分ケン化樹脂
との混合物を使用することにより、打球感が柔らかく、
反発性が満足できるとともに、カバー表面に擦り傷がつ
きにくいゴルフボールを得ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアをカバーで被覆してなるゴルフボール
    において、 カバーが、(A)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
    体のリチウム塩のアイオノマー樹脂と、(B)エチレン
    ・(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三
    元共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂と、(C)
    エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の部分
    ケン化樹脂との混合物を主成分とする樹脂組成物から形
    成されることを特徴とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】請求項1記載のゴルフボールにおいて、
    (A)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のリチウ
    ム塩のアイオノマー樹脂は、(メタ)アクリル酸含有量
    が10〜25重量%、ショアーD硬度が60以上、曲げ
    剛性率が300〜500MPaであることを特徴とする
    ゴルフボール。
  3. 【請求項3】請求項1記載のゴルフボールにおいて、
    (B)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メ
    タ)アクリル酸三元共重合体の2価金属塩のアイオノマ
    ー樹脂は、亜鉛塩のアイオノマー樹脂、マグネシウム塩
    のアイオノマー樹脂、およびカルシウム塩のアイオノマ
    ー樹脂よりなる群から選択されるアイオノマー樹脂を含
    有することを特徴とするゴルフボール。
  4. 【請求項4】請求項1記載のゴルフボールにおいて、
    (B)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メ
    タ)アクリル酸三元共重合体の2価金属塩のアイオノマ
    ー樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル含有量が10〜
    40重量%、(メタ)アクリル酸含有量が2〜20重量
    %、ショアーD硬度が20〜50、曲げ剛性率が10〜
    120MPaであることを特徴とするゴルフボール。
  5. 【請求項5】請求項1記載のゴルフボールにおいて、
    (C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
    の部分ケン化樹脂は、ナトリウム、リチウム、カリウム
    等の部分ケン化物であることを特徴とするゴルフボー
    ル。
  6. 【請求項6】請求項1記載のゴルフボールにおいて、
    (C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
    の部分ケン化樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル含有
    量が15〜50重量%、ケン化度が5〜50モル%であ
    ることを特徴とするゴルフボール。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフボ
    ールにおいて、混合物を100重量%として、(A)エ
    チレン・(メタ)アクリル酸共重合体のリチウム塩のア
    イオノマー樹脂が10〜75重量%、(B)エチレン・
    (メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元
    共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂が10〜88
    重量%、(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
    共重合体の部分ケン化樹脂が2〜30重量%の範囲の混
    合割合であることを特徴とするゴルフボール。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフボ
    ールにおいて、混合物を100重量%として、(A)エ
    チレン・(メタ)アクリル酸共重合体のリチウム塩のア
    イオノマー樹脂が20〜70重量%、(B)エチレン・
    (メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸三元
    共重合体の2価金属塩のアイオノマー樹脂が20〜78
    重量%、(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
    共重合体の部分ケン化樹脂が2〜25重量%の範囲の混
    合割合であることを特徴とするゴルフボール。
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