JPH10136700A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

Info

Publication number
JPH10136700A
JPH10136700A JP8289579A JP28957996A JPH10136700A JP H10136700 A JPH10136700 A JP H10136700A JP 8289579 A JP8289579 A JP 8289579A JP 28957996 A JP28957996 A JP 28957996A JP H10136700 A JPH10136700 A JP H10136700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction motor
current
voltage
angular frequency
inverter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8289579A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Ashikaga
正 足利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP8289579A priority Critical patent/JPH10136700A/ja
Publication of JPH10136700A publication Critical patent/JPH10136700A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータによる電動機制御にあって、電流
許容値内にバッテリ電流を制限するようにした誘導電動
機の制御装置を提供する。 【解決手段】 バッテリを電源としたモータのベクトル
制御において、バッテリの許容電流から許容電力(P
dcmax )を求め、モータの最大出力時のインバータ入力
電力(Pinvmax)との比でモータの基底角速度
(ωb ′)を変更することにより、モータ出力を抑え
て、バッテリ電流を許容値に制限するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源(バッテ
リ)を用いた誘導電動機の制御装置に係わり、特に電源
電圧低下に対処した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の誘導電動機の制御装置にお
いてトルク制御時のベクトル制御構成図であって、1は
トルク分電流指令部、2はベクトル演算部、3は座標変
換部、4a〜4cは加減算器、5a、5bは比例制御演
算器、6は反転増幅器、7はPWMインバータ、8a、
8bは電流検出器、9は誘導電動機(IM)、10はパ
ルスエンコーダ、11は速度演算部、12は励磁電流演
算部である。
【0003】電流指令部1はトルク設定値信号を入力と
してトルク分励磁電流指令信号ITを出力する。ベクト
ル演算部2は励磁電流指令信号Io 、トルク分電流指令
信号IT および回転角周波数信号ωn を入力としてI1
=(Io 2 +IT 2 1/2 、φ=tan-1(IT
o )、すべり角周波数ωs =(IT /Io )・(1/
τ 2 )一次角周波数ωo =ωn +ωs およびωo t=ω
o の時間積分、の演算を行う。座標変換部3はI1
φ、ωo tを入力として座標変換してIa =I1 sin
(ωo t+φ)およびIb =I1 sin{ωo t+φ−
(2/3)π}を求める。
【0004】座標変換部3による電流信号Ia 、Ib
加減算器4a、4bによって電流検出器8a、8bによ
って検出されたPWMインバータ7の出力電流検出信号
と加減算され、その偏差信号を電流アンプ5a、5bで
比例積分して電圧指令信号V a 、Vb を得るとともに、
これらの電圧指信号を加減算器4cで加減算し、その加
算信号を反転増幅器6を通して電圧指令信号Vc を得
る。速度演算部11はパルスエンコーダ10による誘導
電動機9の速度検出信号を基に演算して回転角周波数ω
n を出力する。
【0005】ついで、速度演算部11の出力ωn は、ベ
クトル演算部2に入力されると共に励磁電流演算部12
に入力される。この励磁電流演算部12では、速度演算
部11の検出信号である回転角周波数ωn を基にIo
ON(ωb /ωn )の演算を実行する。ここで、ION
励磁分定格電流である。
【0006】図6の誘導電動機の制御装置において、一
次周波数に同期して回転するd−q軸上で、定常状態の
モータ電圧は、次式(1)〔数1〕となる。
【0007】
【数1】
【0008】また、二次磁束は、次式(2)〔数2〕と
なる。
【0009】
【数2】
【0010】更に、一次周波数及びすべり周波数は、次
式(3)〔数3〕となる。
【0011】
【数3】
【0012】軸トルクは、次式(4)となる。 T=(3/2)・(P/2)・(M2 /L2 )・i1d・i1q ……(4) 三相電圧と電流は、次式(5)(6)となる。 V1 =(V1d 2 +V1q 2 1/2 ……(5) V2 =(i1d 2 +i1q 2 1/2 ……(6)
【0013】なお、式(1)〜(6)において、V1d
1qは一次電圧、i1d、i1qは一次電流、ωo は一次角
周波数、L1 は一次インダクタンス、L2 は二次インダ
クタンス、Mは励磁インダクタンス、Lσ=L1 −M2
/L2 、r1 は一次抵抗、r 2 は二次抵抗、τ2 =L2
/r2 、ωn は回転角周波数、ωs はすべり角周波数、
Pは極数であり、i1d=Io (励磁分電流)に対応し、
1q=IT (トルク分電流)に対応する。
【0014】(1)式において、i1d=Io 、i1q=I
T として、r1 及びLσは小さいので無視すると、前述
(1)式は次式(7)〔数4〕となる。
【0015】
【数4】
【0016】この(7)式と(5)式によりモータ電圧
は次式(8)となる。 V1 ≒ωo 1 o ……(8) ここで、比較的高速域ではωs <<ωn となるので、ω
o ≒ωn と考えられ、次式(9)となる。 V1 ≒ωn 1 o ……(9)
【0017】この結果、モータ軸トルクは次式(1
0)、出力は次式(11)となる。 T=(3/4)・P(M2 /L2 )・Io ・IT ……(10) P=ωn T ……(11)
【0018】定トルクの最大回転をωb (基底回転角周
波数)として、Io を次式(12)で制御すれば、定出
力制御となる。 I=ION・(ωb /ωn ) ……(12) また(9)式より定出力範囲ではモータ電圧がほぼ一定
に保たれることが分かる。定トルクの制御範囲ではIo
=IONとする。
【0019】上述の図6に関しては、定出力制御付ベク
トル制御が可能であるが、この図6に示す構成であって
も電源電圧の低下に伴い次の問題がある。電気自動車等
の駆動用電源としては、直流電源(バッテリ)が用いら
れるが、バッテリ電圧は、満充電時と放電末期時では大
きく異なる。つまり、インバータ入力直流電圧は、バッ
テリの使用程度に応じて大きな範囲で変化することにな
る。ここで、満充電時の直流電圧を基準にして、インバ
ータの最大出力電圧を決定し、モータの定格電圧を決定
すると、放電が進み、バッテリ電圧が低下してくると、
インバータの出力可能な電圧が低下し、モータ回転数を
定格回転まで上げるには、インバータ出力電圧が不足と
なってしまう。
【0020】図6に示す様なベクトル制御装置において
は、モータ電流をフィードバック制御して指令値通りの
電流に制御すべくPWMインバータに電圧指令値(Va,
b,c )を与えている。この方式において、上述した
ようにインバータ出力電圧が不足となると、指令値通り
の電流を流し得なくなり、電流制御器が飽和し、この影
響でモータ電流に歪が生じ高周波成分が増加するという
問題が発生する。もちろん、回転数も定格値まで増加で
きなくなる。他方モータの定格電圧を放電末期のバッテ
リ電圧を基準として決定すれば、上述の問題は発生しな
いが、同じモータ出力を得るには、モータ電圧が低いと
電流が大きくなり損失などの面で、不利となるため、こ
の方法は不適当である。
【0021】このため、バッテリ電圧が低下した場合に
図7に示すように定トルク制御範囲(基底回転角周波数
ωb )を変化させて電圧低下に対応させた構成が本発明
者らによって提案されている。すなわち、図8に示すよ
うに誘導電動機9の回転角周波数ωn とインバータの直
流電圧検出値VDCとに基づき励磁分電流Io を算出する
励磁分電流演算部21を備えたものである。
【0022】電気自動車等の駆動用に誘導電動機(I
M)をベクトル制御装置で駆動するシステムにおいて
は、図7に示す様に、低中速域では定トルク制御とし、
高速域では定出力制御とすることが多い。これは、大き
なトルクが必要となる低中速域に比較し、トルクが少な
くてすむ高速域では、速度の上昇につれて励磁分電流が
低下し、トルクを下げることで定出力に制御することに
よって、定出力の範囲ではモータ端子電圧をほぼ一定に
保つ方式である。これによると、モータ定格は最大回転
ではなく図7のA点(定トルク範囲の最高回転)で設計
できモータを小型化できる。
【0023】ところで、前述のように、電気自動車等の
駆動系ではバッテリ電圧が大きく変動するため、インバ
ータが出力し得る最大電圧が変化する。ここで、バッテ
リ公称電圧(Vs )を基準として、インバータの最大出
力電圧を決め、この値で定格点(図7−A点)のモータ
端子電圧を設定すると、バッテリ電圧がVs より大きい
時は問題ないが、Vs より電圧が低い時には、インバー
タの出力し得る電圧が不足となる。この点を解決するに
は、直流電圧の低下に応じて、前述した励磁分電流を下
げ、モータ端子電圧を抑えれば良い。
【0024】図7の定出力範囲ではモータ端子電圧がほ
ぼ一定になることはすでに述べているが、直流電圧がV
s より低下した割合により、定出力制御を開始する回転
数(図7−A点)を低回転側にA′の如く移動(点線で
示す)すればモータ端子電圧をインバータが出力可能な
電圧以下に抑えることができる。
【0025】インバータの最大出力電圧(Vimax)は、
バッテリの公称電圧(Vs )を基準にすると、 Vimax=Vs /2 ……(13) となり、インバータ最大出力電圧とモータ定格電圧が一
致するように(9)式と(13)式より励磁分定格電流
ONを決定する。
【0026】 ION=(Vs /2)・ωb ・L1 ……(14) インバータ直流入力電圧VDCがバッテリの公称電圧Vs
よりも低下した場合には定出力制御を開始するときの回
転数を下げるために新たな基底角周波数ωb ′を次式で
決める。
【0027】 ωb ′=(VDC/Vs )・ωb ……(15) 定出力制御はωn がωb ′よりも大きくなった時点から
開始し、励磁分電流指令Io は Io =ION・(ωb ′/ωn ) ……(16) で制御する。
【0028】インバータ直流電圧VDCがバッテリ公称電
圧Vs よりも高い場合は、ωb ′=ωb とし、またωn
≦ωb ′の区間は定トルクの制御となりIo =IONとす
る。従って、インバータ直流電圧VDC、回転角周波数ω
n の条件により定出力制御を行うことによって、モータ
端子電圧の上昇を抑え、常にインバータが出力可能な電
圧以下で運転できる。
【0029】励磁分電流演算部21は図9に示すような
フローで演算を実行する。すなわち、ステップST9で
インバータの直流電圧VDCとバッテリ公称電圧Vs との
間でVDC≧Vs であればステップST10に進みωb
=ωb とするステップST11でωn >ωb ′か否かを
判断し、ωn >ωb ′であればステップST12に進み
o =ION・(ωb ′/ωn )とする。ステップST9
でVDC≧Vs でなければωb ′=(VDC≧Vs )・ωb
としてステップST11に移行して再びωn >ωb ′か
否かを判断し、ωn >ωb ′でなければIo =IONとす
る。
【0030】図8に示す誘導電動機の制御装置によれ
ば、電気自動車等の駆動源であるバッテリ電圧が大きく
変動する条件下において、定出力制御を開始する点(基
底回転数)を直流電圧の変動に対応して(15)式によ
り変化させ、(16)式で励磁分電流指令値Io を演算
することにより、定出力制御を行い、常にインバータが
出力し得る電圧以内のモータ電圧に抑えて運転ができ
る。これより、電流制御器の飽和を防ぎ回転数も定格点
(基底回転)を越えた回転数まで制御可能となる。
【0031】図10は他の例による誘導電動機の制御装
置を示し、この例においては励磁分電流演算部22を設
け、この励磁分電流演算部22にIo =VDC/2ωn
1 (L1 は一次インダクタンス)の演算を実行させる。
【0032】この誘導電動機の制御装置において、ベク
トル制御時にモータに印加される電圧は、同期回転座標
上で(17)〔数5〕式となる。
【0033】
【数5】
【0034】ここで、一次抵抗r1 及び結合インダクタ
ンスLσの項が小さいので無視すると次式(18)〔数
6〕を得る。
【0035】
【数6】
【0036】 モータ一次電圧:V1 =(V1 2 qo+V1 2 do1/2 ……(19) より V1 =ωo 1 o ……(20) ここで、一次インダクタンスL1 はモータ定数であり、
一次周波数ωo はωo=ωn +ωs で制御されており、
高速域ではωn ≧ωs であるから、モータ一次電圧V1
は回転角速度ωn と励磁分電流Io でほぼ決まることに
なる(V1 ≒ω n 1 o )。
【0037】以上より、直流電圧の低下に応じてインバ
ータの出力可能な最大電圧(Vimax)を求め、V1 がV
imaxを越えないように励磁分電流Io を決定すれば良い
ことが分かる。同期回転座標上におけるインバータの最
大出力電圧は、三相インバータでは、 Vimax=VDC/2 ……(21) となる。従って、V1 =VimaxとなるIo を求めると Io =VDC/2ωn 1 ……(22) 回転角速度ωn と直流電圧VDCを検出し、励磁分電流I
o を(22)式で演算する。かくして、電流電圧低下時
には、励磁分電流を下げ、モータ電圧をインバータが出
力可能な最大値以下に抑えることにより、電流制御器の
飽和を防ぎ、モータ回転数を定格値まで上昇させること
ができる。
【0038】この例の誘導電動機の制御装置によれば、
(22)式により励磁分電流を制御することにより、電
気自動車の駆動源であるバッテリ電圧が大きく変化して
も、常にインバータが出力し得る電圧以内にモータ電圧
を抑えて運転ができる。これにより、電流制御器の飽和
を防ぎ回転も定格値まで制御可能となる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにしてバッ
テリ電圧の変動してもインバータ出力最大電圧が変化で
き、安定な運転が実現できる。しかしながら、バッテリ
の寿命等を勘案するとき、最大出力電流を制限する必要
があり、翻えってこれまでの方式では直流電圧の基準値
に対し電圧低下の比率によりモータ出力を制限する方式
のためバッテリの許容電流以内に電流を抑えられるとは
限らない。特に、バッテリが放電末期に近づいた時など
は、電池の開放電圧及び内部抵抗が非線形に変化し、イ
ンバータ入力直流電圧が大きく低下する。この場合、バ
ッテリ公称電圧に対する電圧低下に応じてモータの出力
電力を制限する方式では、この電圧低下のとき直流電流
がバッテリの最大出力電流許容値を越える可能性があ
る。
【0040】本発明は、上述の問題を解決するため、電
流を許容値内に制限する誘導電動機の制御装置を提供す
る。
【0041】上述の目的を達成する本発明は、次の発明
特定事項を有する。 (1) 誘導電動機の励磁分電流指令とトルク分電流指令を
基に、上記誘導電動機の制御要素を演算処理して、上記
誘導電動機の一次電流指令と該一次電流指令の位相角指
令および上記誘導電動機の回転角周波数を算出し、これ
らの指令を座標変換して電流指令を得、この電流指令を
基にインバータの入力電圧指令を得て該インバータを制
御して上記誘導電動機を制御する誘導電動機の制御装置
において、上記誘導電動機の回転角周波数ωn と上記イ
ンバータ直流電圧検出値Vdcから得られた定出力制御開
始回転角周波数ωb ′とを基に励磁分電流Io を設け、
この励磁分電流演算部により算出された励磁分電流(I
o )と上記回転角周波数(ωn )を基に上記制御要素を
演算処理することを特徴とする。 (2) 上記(1) の誘導電動機の制御装置において、上記励
磁分電流演算部が、バッテリ許容最大電力(Pdcmax
≧インバータ最大入力電力(Pinvmax)であればモータ
定格の基底回転角周波数(ωb )=定出力回転角周波数
(ωb ′)とし、Pdcmax ≧Pinvmaxでなければωb
=(Pdcmax /Pinvmax)・ωb とし、前記誘導電動機
の回転角周波数(ωn )>ωb ′であれば励磁分電流
(Io )=I ON・(ωb ′/ωn )とし(IONは励磁分
定格電流)とするとともに、ωn >ω b ′でなければI
o =IONとする演算を実行することを特徴とする。 (3) 上記(1) の誘導電動機の制御装置において、上記イ
ンバータの直流電圧検出値Vdcの代わりにバッテリの放
電深度に対応するテーブルから得られる直流電圧及び内
部抵抗を用いることを特徴とする。
【0042】図4は駆動システムの簡略図であるが、バ
ッテリのパラメータである内部抵抗ri 、開放電圧eo
は、バッテリの放電深度により変化する。一般に、eo
はバッテリの放電が進行するにつれて低下し、ri は逆
に増加する。したがって端子電圧Vdcは放電が進むにつ
れて低下の率が大きくなる。他方、モータ駆動の場合、
バッテリは端子電圧Vdcの値にかかわらず一定の電力が
要求される。このため、Vdcが低下すると電流Idcが増
加し、よってri ・Idcが大きくなり更にVdcが低下す
るという現象が生じる。この結果、バッテリ電圧の低下
によっては、バッテリの出力電流を制限することにな
る。
【0043】ここで、バッテリ出力電流の最大値をI
dcmax に制限するとき、バッテリの許容最大電力P
dcmax は次式(23)となる。 Pdcmax =(eo −ri dcmax )Idcmax =Vdc・Idcmax ……(23) モータの基底角速度ωb におけるモータ最大出力PMmax
時のインバータ最大入力電力をPinvmaxとするとき、P
invmaxはモータ効率ηM とインバータ効率ηin v とから
求められる。 Pinvmax=PMmax/ηM /ηinv ……(24) ここにおいて、ηM ・ηinv は計測値又は実測データを
用いる。この場合、Pinvmaxをバッテリの許容最大電力
dcmax 以下に制限すればバッテリ電流もIdcmax に抑
えられる。
【0044】ところで、モータ出力PはP=ωn T……
(25)であり、ベクトル制御時のトルクはT=Kb
o ・IT ……(26)である。ベクトル制御では、定
トルク域にてIo を一定値(ION)とし、ωb 以上の角
速度では次式(27)にてI o を制御することにより定
出力制御を行っている。 Io =ION・ωb /ωn ……(27) したがって、(25)〜(27)式より、ωb を低い角
速度とすれば、定トルク領域は狭くなるが、モータ出力
を低く抑えられる。この時、定トルク域の最大トルクは
変わらないため発進性能は維持できる。こうして、バッ
テリの放電が進みVdcが低下し、(23)式のPdcmax
がPin vmaxより小さくなったとき(25)(26)式に
て励磁分電流Io を決定することにより、PinvmaxをP
dcmax 以内に抑え、バッテリ電流をIdcmax に制限でき
る。すなわち、Io =ION(ωb ′/ωn
……(28) ωb ′=ωb (Pdcmax /Pinvmax) ……(29) このことは、バッテリ最大許容電力の低下分だけ定出力
制御開始点(ωb ′)を図5の左側へ平行移動してモー
タ電力を制限するものである。
【0045】
【発明の実施の形態】ここで、図1〜図3を参照して本
発明の実施の形態の一例を説明する。図1はブロック図
であり、図8と異なる部分はωb ′演算部30と励磁分
電流演算部31である。ωb ′演算部30は端子電圧V
dcが入力されて式(23)によりPdc max を得ると共に
この式(23)と式(29)とにより定出力制御開始点
ωb ′を求めるものである。そして、励磁分電流演算部
31ではこのωb ′を用いて励磁分電流定格値Ioとを
ωb ′とωn との比率により指令値Io を求めるもので
ある。この演算フローチャートを図2に示す。すなわ
ち、バッテリ許容最大電力Pdc max とインバータ入力最
大電力Pinvmaxとを比較し、Pdcmax の方が小さくない
場合にはωb ′=ωb とし、Pdcmax の方が小さい場合
dcmax /Pinvmaxにてωb を掛算しωb ′を得る。つ
いで、ωb >ωb ′の比較によりωb ′が小さい場合I
ON=Io として励磁分定格値を指令し、ωb ′が大きい
場合Io としてION・ωb ′/ωn の演算により得る。
【0046】上述の例ではVdcを検出して(23)式よ
りPdcmax を得ているのであるが、図3に示すようにバ
ッテリ放電量(放電深度)からバッテリ内部パラメータ
iとeo とを推定し、このri とeo とから(23)
式にてPdcmax を得るようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ッテリの放電が進んだ状態(放電深度が大)でのバッテ
リ電流の過大な増加を防止し、許容電流値以内に抑える
ことにより、バッテリの劣化及びサイクル寿命の低下を
ふせぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる一例のブロック
図。
【図2】図1の制御装置の演算フロー図。
【図3】eo i 出力ブロック図。
【図4】モータ駆動システムの等価回路図。
【図5】トルク一回転数特性線図。
【図6】従来例のブロック図。
【図7】トルク一回転数特性線図。
【図8】従来例のブロック図。
【図9】図8の制御装置のフロー図。
【図10】従来例のブロック図。
【符号の説明】
1 トルク分電流指令部 2 ベクトル演算部 3 座標変換部 7 PWMインバータ 9 誘導電動機 11 速度演算部 30 ωb ′演算部 31 励磁分電流演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機の励磁分電流指令とトルク分
    電流指令を基に、上記誘導電動機の制御要素を演算処理
    して、上記誘導電動機の一次電流指令と該一次電流指令
    の位相角指令および上記誘導電動機の回転角周波数を算
    出し、これらの指令を座標変換して電流指令を得、この
    電流指令を基にインバータの入力電圧指令を得て該イン
    バータを制御して上記誘導電動機を制御する誘導電動機
    の制御装置において、 上記誘導電動機の回転角周波数ωn と上記インバータの
    直流電圧検出値Vdcから得られた定出力制御開始回転角
    周波数ωb ′とを基に励磁分電流Io を求め、この励磁
    分電流演算部により算出された励磁分電流(Io )と上
    記回転角周波数(ωn )を基に上記制御要素を演算処理
    することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の誘導電動機の制御装置におい
    て、上記励磁分電流演算部が、バッテリ許容最大電力
    (Pdcmax ) ≧インバータ最大入力電力(Pin vmax)で
    あればモータ定格の基底回転角周波数(ωb )=定出力
    回転角周波数(ωb ′)とし、Pdcmax ≧Pinvmaxでな
    ければωb ′=(Pdcmax /Pinvmax)・ωb とし、前
    記誘導電動機の回転角周波数(ωn )>ωb ′であれば
    励磁分電流(Io )=ION・(ωb ′/ωn )とし(I
    ONは励磁分定格電流)とするとともに、ωn >ωb ′で
    なければIo =IONとする演算を実行することを特徴と
    する誘導電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の誘導電動機の制御装置におい
    て、上記インバータの直流電圧検出値Vdcの代わりにバ
    ッテリの放電深度に対応するテーブルから得られる直流
    電圧及び内部抵抗を用いることを特徴とする誘導電動機
    の制御装置。
JP8289579A 1996-10-31 1996-10-31 誘導電動機の制御装置 Pending JPH10136700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8289579A JPH10136700A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 誘導電動機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8289579A JPH10136700A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 誘導電動機の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10136700A true JPH10136700A (ja) 1998-05-22

Family

ID=17745068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8289579A Pending JPH10136700A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 誘導電動機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10136700A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312268A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Fuji Electric Systems Co Ltd 電動機制御装置
JP2007071387A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Messier Bugatti 電気機械式制動作動装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312268A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Fuji Electric Systems Co Ltd 電動機制御装置
JP4701627B2 (ja) * 2004-04-26 2011-06-15 富士電機システムズ株式会社 電動機制御装置
JP2007071387A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Messier Bugatti 電気機械式制動作動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1035645B1 (en) Control device of induction motor
JPH11299297A (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置
US20150200616A1 (en) Motor controller and method for controlling motor
JPH1189297A (ja) 電力変換装置
JP2505325B2 (ja) 誘導電動機の抵抗推定起動装置
JPH10136700A (ja) 誘導電動機の制御装置
JP2004129381A (ja) 永久磁石型同期電動機の制御装置
JPH07308100A (ja) 誘導電動機の制御装置
JP2003018898A (ja) ベクトル制御による電気車制御装置
JP2004104898A (ja) 交流電動機の制御装置
JPH06225574A (ja) 電動機の制御方法及び装置
JP2002300799A (ja) インバータ制御システム、及び、インバータ制御方法
JP3641526B2 (ja) 誘導電動機の制御装置
JPH07123798A (ja) 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御方式
JP3945324B2 (ja) 交流電動機のpgレスベクトル制御装置
JPH04312382A (ja) 誘導電動機の制御方法
JP2003348897A (ja) 誘導電動機駆動装置
JPH07143798A (ja) 速度センサレスベクトル制御装置
JPH10225196A (ja) 誘導電動機の制御装置
JPH10191690A (ja) 誘導電動機の制御方法
JPH06178574A (ja) 誘導電動機の制御装置
JP4147970B2 (ja) 誘導電動機の制御方法
JPH06105580A (ja) インバータ駆動電動機の速度推定方法及び装置並びにその速度推定方法を用いてなる電動機のベクトル制御装置
JP3322088B2 (ja) 誘導電動機の制御装置
JP3751827B2 (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030812