JPH10135110A - 結像特性評価方法 - Google Patents

結像特性評価方法

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JPH10135110A
JPH10135110A JP8289787A JP28978796A JPH10135110A JP H10135110 A JPH10135110 A JP H10135110A JP 8289787 A JP8289787 A JP 8289787A JP 28978796 A JP28978796 A JP 28978796A JP H10135110 A JPH10135110 A JP H10135110A
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Mamoru Nakasuji
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    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
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    • G03F7/20Exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/2037Exposure with X-ray radiation or corpuscular radiation, through a mask with a pattern opaque to that radiation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/304Controlling tubes
    • H01J2237/30433System calibration

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いSN比の検出信号を得て、高精度に投影
系の結像特性を評価する。 【解決手段】 ウエハステージの上板21aに固定され
た評価用基板30上に種々のマーカ37A〜37Cを形
成しておき、投影系による評価用パターンの投影像とマ
ーカ37A〜37C中の対応するマーカとを相対的に走
査して、そのマーカからの反射電子を検出して、その投
影系の結像特性を評価する。評価用基板30を平均原子
番号の小さい薄い基板から形成し、マーカ37A〜37
Cを平均原子番号の大きい材料の厚い膜から形成し、評
価用基板30の底面にこの評価用基板30を透過した電
子線を吸収するための電子線吸収体32を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線を介し
て所定のパターンを転写する投影系の結像特性評価方法
に関し、例えば半導体集積回路等を製造するためのリソ
グラフィ工程等で使用される電子線縮小転写装置用の投
影系の分解能や非点収差等を評価する場合に使用して好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、転写パターンの解像度の向上とス
ループット(生産性)の向上との両立を可能とした荷電
粒子線転写装置の検討が進められている。このような転
写装置としては、1ダイ(1枚の感光基板に形成される
多数の集積回路の1個分に相当するパターン。)又は複
数ダイ分のパターンをマスクから感光基板へ一括して転
写する一括転写方式の装置が従来より検討されていた。
ところが、一括転写方式は、転写の原版となるマスクの
製作が困難で、且つ1ダイ分以上の大きな光学フィール
ド内で投影系の収差等を所定値以下に収めることが難し
い。そこで、最近では感光基板に転写すべきパターンを
マスク上で複数の小領域(副視野)に分割し、各小領域
毎に分割されたパターンを順次感光基板上に転写するこ
とによって、全体として大きな光学フィールドを得るこ
とができる分割転写方式の装置が注目されている。
【0003】この分割転写方式では、その小領域毎に、
被露光面上に結像される像のディストーション(視野
歪)や非点収差等の結像特性を補正しながら転写を行う
ことができる。これにより、一括転写方式に比べて光学
的に広い領域に亘って解像度、及び位置精度の良好な露
光を行うことができる。但し、このように小領域毎に結
像特性の補正を行うためには、予め投影系の結像特性を
正確に評価しておく必要がある。
【0004】また、パターンは通常例えば種々の大きさ
の矩形のパターンに分解できるため、大きさが可変の矩
形の荷電粒子ビーム(以下、「可変成形ビーム」と呼
ぶ)を生成し、この可変成形ビームを感光基板上でつな
ぎ合わせて所望のパターンを形成する方式の描画装置も
使用されている。この方式では、例えば大きさが可変の
アパーチャの像を投影系を介して感光基板上に投影する
ことによって、その可変成形ビームを生成しているた
め、高精度に所望のパターンを描画するためには、その
投影系の結像特性を正確に評価しておく必要がある。
【0005】荷電粒子線として電子線を使用するものと
すると、従来よりそのような投影系の結像特性を評価す
るために、所定のマーカ上にその投影系による像を投影
し、そのマーカからの反射電子線を検出した状態で、そ
のマーカとその像とを相対的に走査し、その反射電子線
の強度変化からその像の状態を検出する方法が使用され
ている。この方法で使用されるマーカとしては、低い原
子番号の材料からなる基板上に付着された金(Au)等
の高い原子番号の微粒子よりなるマーカが知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
においては、高い原子番号の微粒子よりなるマーカから
の反射電子線を検出することによって結像特性を評価し
ていた。しかしながら、微粒子からの反射電子信号は弱
いと共に、そのマークの背景である低い原子番号の基板
からの反射電子信号(背景雑音)もかなり強いため、検
出信号のSN比が悪いという不都合があった。このよう
に検出信号のSN比が悪いと、結像特性を高精度に評価
するのが困難である。
【0007】特に、分割転写方式の投影系のように、大
きい小領域(副視野)のパターンを転写する投影系を評
価する際には、背景雑音が大きくなり過ぎて検出信号の
SN比が極端に悪化していた。本発明は斯かる点に鑑
み、高いSN比の検出信号が得られ、高精度に投影系の
結像特性を評価できる結像特性評価方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による結像特性評
価方法は、所定の荷電粒子線のもとで第1面上のパター
ンの像を第2面上に投影する投影系(14,15)の結
像特性評価方法において、その第1面上に評価用パター
ン(38A〜38G)を配置し、その第2面上に平均原
子番号が14以下で厚さが3μm以下の材料よりなる薄
膜体(30)を配置すると共に、薄膜体(30)の表面
に平均原子番号が47以上で厚さが0.01μm以上の
材料よりなりその評価用パターンに対応する形状のマー
カ(37A〜37F)を形成しておき、その荷電粒子線
のもとでその評価用パターンのその投影系による像と薄
膜体(30)とを相対走査したときにマーカ(37A〜
37F)から発生する反射荷電粒子線、又は2次電子の
強度に基づいて、その投影系の結像特性を評価するもの
である。
【0009】斯かる本発明によれば、荷電粒子線として
電子線を使用した場合、薄膜体(30)は平均原子番号
が14以下で、厚さが3μm以下であるため、100k
V程度で加速された電子線が入射すると、大部分の電子
線は透過してしまい、反射電子はごく僅かである。ま
た、マーカ(37A〜37F)は平均原子番号が47以
上で厚さが0.01μm(10nm)以上と或る程度厚
いため、従来例のように約10nm程度の大きさの金の
微粒子よりなるマーカを使用する場合に比べて大きい反
射電子又は2次電子信号が得られる。従って、検出信号
(反射荷電粒子信号)のSN比が向上し、その投影系の
結像特性を高精度に評価できる。
【0010】この場合、薄膜体(30)の底面に反射荷
電粒子線、又は2次電子を少なくするための荷電粒子線
吸収体(32)を配置することが望ましい。このとき、
薄膜体(30)を透過した荷電粒子線は荷電粒子線吸収
体(32)によって吸収されて殆ど戻らないため、背景
雑音が更に減少して検出信号のSN比が向上する。本発
明において、薄膜体(30)上のマーカとして0.2μ
m角以上の面積の孤立パターン(37A)を使用し、そ
の評価用パターンとして投影像がその孤立パターンの面
積と実質的に等しい複数のパターン(38A)を使用し
たとき、そのマーカとその評価用パターンの投影像とを
相対走査して得られる反射荷電粒子線、又は2次電子よ
りその投影系による視野内強度を評価することができ
る。即ち、マーカ(37A)は0.2μm角以上の面積
を持つので非常に大きい反射荷電粒子信号が得られる。
また、評価用パターン(38A)の投影像の個々のパタ
ーンは、マーカ(37A)と同程度の大きさであるた
め、1つの計測点(評価用パターン中の1つのパターン
の投影像)での測定を行っているとき、他の計測点から
の反射荷電粒子線の量は少なく、背景雑音が小さくなっ
ている。従って、SN比の良好な検出信号が得られ、視
野内強度分布を1%より十分高い精度で評価できる。
【0011】また、薄膜体(30)上のマーカとして、
幅がビーム分解能の4倍から8倍で長さが10μm以上
のラインパターンをビーム分解能の8倍から16倍のピ
ッチで5本から100本配列した周期的パターン(37
B)を使用したとき、そのマーカとその評価用パターン
の投影像とをピッチ方向に相対走査して得られる反射荷
電粒子線、又は2次電子よりその投影系による分解能、
又は非点収差を評価できる。このとき、例えば個々のパ
ターンの投影像がビーム分解能の2倍の幅を持つ評価用
パターン(38B)を使用して、この評価用パターンの
投影像でそのマーカ(37B)をピッチ方向に相対的に
走査すると、底部及び上部に平坦部を持つ検出信号が得
られる。それを1回微分するとビーム強度分布が得ら
れ、その1回微分信号の立ち上がりからビーム分解能が
得られる。また、例えば50nmのビーム分解能の投影
系を評価する場合、マーカ(37B)のピッチは最大で
も0.8μm(=16×50nm)にしかならず、狭い
領域に多数のラインパターンを設けられるので、高精度
にビーム分解能を測定できる。
【0012】更に、そのマーカとして、ピッチ方向が互
いに直交する2種類のマーカ(37B,37C)を使用
して、評価用パターンとしてもピッチ方向がそれぞれマ
ーカ(37B,37C)と同じ2種類のパターンを使用
して、薄膜体(30)の高さを変えながら2方向のパタ
ーンでそれぞれビーム分解能が最も高くなる高さ(ベス
トフォーカス位置)を求める。この際に、2方向でのベ
ストフォーカス位置の差分より非点収差が求められる。
【0013】また、薄膜体(30)上のマーカとして、
幅がビーム分解能の1倍から2倍で長さが5μm以下の
ラインパターンをビーム分解能の2倍から4倍のピッチ
で5本から25本配列した周期的パターン(37E)を
使用し、その評価用パターンとして、投影像がその周期
的パターンと実質的に同一の単位パターン(41X)を
所定の位置関係で複数個配列したパターン(38D)を
使用したとき、そのマーカとその評価用パターン内の各
単位パターン(41X)とをそれぞれピッチ方向に相対
走査して得られる反射荷電粒子線、又は2次電子よりそ
の投影系による視野歪、又は倍率誤差を評価できる。
【0014】視野歪を高精度に測定するには、視野内の
各計測点においてできるだけ小さい投影像の位置をそれ
ぞれ高精度に測定する必要がある。しかしながら、マー
カと評価用パターンの個々のパターンの投影像とを相対
走査する場合には、そのマーカ及びその個々の投影像の
内部の全面積での平均的な位置のみが測定されるため、
そのマーカの面積をできるだけ小さくすることが望まし
い。一方、そのマーカをあまり小さくすると、反射荷電
粒子が少なくなって検出信号のSN比が悪化する。本発
明では、ビーム分解能を例えば50nm程度とすると、
マーカ(37E)の面積A1は最大でも次のように25
μm2 となり、例えば分割転写方式のように250μm
角程度の視野内の視野歪を測定するには必要、且つ十分
な大きさである。
【0015】 A1=5μm×4×25×0.05μm=5×5μm2 (1) また、倍率誤差を高精度に計測するためには、視野内で
大きく離れた2つの計測点(評価用パターンの投影像)
の間隔の実測値を設計値と比較すれば良い。そこで、ビ
ーム分解能を50nm、視野を250μm角とすると、
(1)式よりマーカ(37E)の最大幅は5μmである
ため、2つの計測点の間隔の最大値D1は次のように2
40μm程度にまで長くできる。
【0016】 D1=250−2・5=240(μm) (2) そこで、ビーム分解能の10分の1程度(5nm)の精
度で評価用パターンの投影像の位置検出ができれば、倍
率誤差の計測精度は約0.002%(=100×5nm
/240μm)となり、十分な精度が得られる。また、
本発明における薄膜体(30)の材料の一例は炭素
(C:原子番号6)、又はシリコン(Si:原子番号1
4)である。このように原子番号が14以下の材料を使
用することによって、マーカの背景での反射荷電粒子線
は非常に少なくなって、背景雑音が小さくなる。
【0017】一方、マーカ(37A〜37E)の材料の
一例は金(Au:原子番号79)、タングステン(W:
原子番号74)、又は銀(Ag:原子番号47)であ
る。このように原子番号が47以上の材料を使用するこ
とによって、マーカでの反射荷電粒子線が非常に多くな
る。また、その荷電粒子線吸収体の一例は、薄膜体(3
0)に対向する面がテーパーを有する凹面(32a,3
2b)とされた導体(32)、又は半導体である。この
ように薄膜体(30)に対向する面が凹面であると、反
射荷電粒子線が少なくなる。更に、その荷電粒子線吸収
体の材料は平均原子番号が13以下の導体、又は半導体
であることが望ましい。このような材料としては、アル
ミニウム(Al:原子番号13)、又は炭素等がある。
これによって、材料自体の反射荷電粒子線も少なくな
り、更に背景雑音が低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例は分割転写方式で
マスクパターンの転写を行う電子線縮小転写装置用の投
影系の結像特性を評価する場合に本発明を適用したもの
である。図1は本例で使用される電子線縮小転写装置の
概略構成を示し、この図1において、電子光学系の光軸
AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の
紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って
説明する。先ず、本例の偏向照明系において、電子銃1
0から放出された電子線EBは、第1コンデンサレンズ
11Aで一度集束された後、第2コンデンサレンズ11
Bで再び集束される。第2コンデンサレンズ11Bの近
傍にアパーチャ板31が配置され、アパーチャ板31の
開口を通過した電子線EBは、第1の視野選択偏向器1
2Aによって主にY方向に偏向され第3コンデンサレン
ズ11Cで平行ビームにされた後、第2の視野選択偏向
器12Bによって振り戻されてマスク1の1つの小領域
(副視野)上の照射領域33に導かれる。視野選択偏向
器12A,12Bにおける偏向量は、装置全体の動作を
統轄制御する主制御装置19が、偏向量設定器25を介
して設定する。なお、図1において、電子線EBの実線
で示す軌跡はクロスオーバ像の共役関係を示し、点線で
示す軌跡はマスクパターン像の共役関係を示している。
アパーチャ板31の配置面は、マスク1の配置面と共役
であり、アパーチャ板31の開口の投影像がマスク1上
の電子線の照射領域33となっている。
【0019】次に、マスク1を通過した電子線EBは2
段の電磁偏向器よりなる偏向器13Aにより所定量偏向
された上で、投影レンズ14により一度クロスオーバC
Oを結んだ後、対物レンズ15及び2段の電磁偏向器よ
りなる偏向器13Bを介して電子線レジストが塗布され
たウエハ5上に集束され、ウエハ5上の所定位置にマス
ク1の1つの小領域内のパターンを所定の縮小倍率β
(例えば1/4)で縮小した像が転写される。本例の投
影レンズ14及び対物レンズ15は、一例として対称磁
気ダブレット(SMD:Symmetric Magnetic Doublet)
方式の投影系(以下、「投影系14,15」と呼ぶ)を
構成しており、この投影系14,15の結像特性が本例
の評価対象である。偏向器13A,13Bにおける偏向
量は、主制御装置19が偏向量設定器26を介して設定
する。分割転写方式では、マスク1上の各小領域はスト
ラット(境界領域)を挟んで配置されているのに対し
て、対応するウエハ5上の各小転写領域は密着して配置
されているため、偏向器13A,13Bはそのストラッ
トの分だけ電子線を横ずれさせるため、及びマスク1と
ウエハ5との同期誤差を補正するため等に使用される。
【0020】マスク1はマスクステージ16にXY平面
と平行に取り付けられている。マスクステージ16は転
写時には、駆動装置17によりX方向に連続移動し、Y
方向にステップ移動する。マスクステージ16のXY平
面内での位置はレーザ干渉計18で検出されて主制御装
置19に出力される。一方、ウエハ5は、試料台20上
のウエハステージ21上にXY平面と平行に保持されて
いる。試料台20は、ウエハステージ(ウエハ5)のZ
方向の位置を調整できる。ウエハステージ21は、転写
時には駆動装置22によりマスクステージ16のX軸に
沿った連続移動方向とは逆方向へ連続移動可能で、且つ
Y方向へステップ移動可能である。X方向に逆方向とし
たのは、投影系14,15によりマスクパターン像が反
転されるためである。但し、ウエハステージ21は必要
に応じてX方向、Y方向への連続移動が可能である。ウ
エハステージ21のXY平面内での位置はレーザ干渉計
23で検出されて主制御装置19に出力される。
【0021】主制御装置19は、マスクパターンの転写
時には、後述の入力装置24から入力される露光データ
と、レーザ干渉計18,23が検出するマスクステージ
16及びウエハステージ21の位置情報とに基づいて、
視野選択偏向器12A,12B、及び偏向器13A,1
3Bによる電子線EBの偏向量を演算すると共に、マス
クステージ16及びウエハステージ21の動作を制御す
るために必要な情報(例えば位置及び移動速度)を演算
する。偏向量の演算結果は偏向量設定器25及び26に
出力され、これらの設定器によりそれぞれ、視野選択偏
向器12A,12B及び偏向器13A,13Bによる偏
向量が設定される。また、例えばマスク1上の小領域の
位置等に応じて予め計測されている投影系14,15の
結像特性に応じて、主制御装置19は、偏向器13A,
13Bの偏向量や、投影系14,15の励磁電流等を補
正する。これによってウエハ5上に転写されるマスク上
の各小領域の像の結像特性(倍率誤差等)が許容範囲内
に維持される。
【0022】マスクステージ16、及びウエハステージ
21の動作に関する演算結果はドライバ27,28にそ
れぞれ出力される。ドライバ27,28は演算結果に従
ってステージ16,21が動作するように駆動装置1
7,22の動作を制御する。なお、入力装置24として
は、露光データの作成装置で作成した磁気記録情報を読
み取る装置、マスク1やウエハ5に記録された露光デー
タをこれらの搬入の際に読み取る装置等適宜選択してよ
い。
【0023】さて、本例の転写装置には、投影系14,
15の結像特性を評価するための機構が組み込まれてい
る。先ず、ウエハステージ21上のウエハ5の近傍に、
シリコン(Si)の単結晶よりなる評価用基板30が固
定され、評価用基板30の底面側にこの評価用基板30
を透過して来た電子線を吸収するためのアルミニウム
(Al)よりなる電子線吸収体32が埋め込まれてい
る。
【0024】図2は、図1の評価用基板30及び電子線
吸収体32を示す拡大断面図であり、この図2におい
て、評価用基板30はウエハステージ21の上板21a
に設けられた開口を覆うように、その上板21a上に取
り付けられている。評価用基板30はX方向の幅が3m
m程度で、Y方向の幅が2mm程度の矩形の平板状であ
り、この平板状の領域が厚さが100μm程度で幅が1
00μm程度の仕切部31を挟んで、それぞれ厚さが2
μm程度で1mm角程度の大きさの6個のマーク形成領
域36A〜36Fに分割されている。評価用基板30
は、厚さが100μm程度のシリコン単結晶の基板を、
例えばマーク形成領域36A〜36Fに対応する部分の
みを2μm程度の厚さまでエッチングすることによって
形成できる。評価用基板30としては、反射電子線量の
少ない原子番号が14以下の材料が好適であり、シリコ
ン基板以外には、炭素、又は複数種類の材料からなり平
均的な原子番号(平均原子番号)が14以下の合成材料
等が使用できる。
【0025】図3は、評価用基板30上のそれぞれほぼ
1mm角程度のマーク形成領域36A〜37Fに形成さ
れたマーカ37A〜37Fを示す。本例で評価対象とす
る投影系14,15のビーム分解能を50nm(=0.
05μm)程度とすると、本例の各マーカ37A〜37
Fはそれぞれ0.2μm角〜10μm角程度の大きさで
あり、マーク形成領域全体に比べると無視できる程度の
大きさであるが、図3ではマーカのみを拡大して示して
いる。また、マーカ37A〜37Fは厚さが0.05μ
m程度の金(Au)の薄膜より形成され、これらのマー
カからの反射電子が検出される。なお、マーカ37A〜
37Fの厚さは0.01μm以上で1μm程度までが望
ましい。
【0026】具体的に、第1のマーク形成領域36Aの
中央部には、視野内強度分布評価用の0.2μm角程度
の孤立パターン状のマーカ37Aが形成され、第2及び
第3のマーク形成領域36B,36Cの中央部には、分
解能、及び非点収差評価用のX軸のマーカ37B、及び
Y軸のマーカ37Cが形成されている。マーカ37B
は、X方向の幅が0.3μm(ビーム分解能の6倍)で
Y方向の長さが10μmのラインパターンをX方向にピ
ッチ0.6μm(ビーム分解能の12倍)で17本配列
したパターンであり、Y軸のマーカ37CはX軸のマー
カ37Bを90°回転した形状である。また、第4のマ
ーク形成領域36Dにはマーカは形成されておらず、こ
のマーク形成領域36Dは例えばマーカの無い状態での
反射電子信号である背景雑音を計測する場合に使用であ
る。更に、第5のマーク形成領域36Eの中央部には、
視野歪、及び倍率誤差評価用のX軸のマーカ37E、及
びY軸のマーカ37Fが形成されている。マーカ37E
は、X方向の幅が0.1μm(ビーム分解能の2倍)で
Y方向の長さが5μmのラインパターンをX方向にピッ
チ0.2μm(ビーム分解能の4倍)で25本配列した
パターンであり、Y軸のマーカ37FはX軸のマーカ3
7Eを90°回転した形状である。
【0027】なお、マーカ37A〜37Fとしては、反
射電子線量の多い平均原子番号が47以上の材料が好適
であり、金の他には例えばタングステン(W)、又は銀
(Ag)等が使用できる。また、視野内強度分布評価用
のマーカ37Aとしては、0.2μm角〜10μm角程
度の大きさの孤立的パターンが好適であり、分解能、及
び非点収差評価用のマーカ37B,37Cとしては、幅
がビーム分解能の4倍〜8倍で長さが10μm〜数10
μmのラインパターンをデューティ比がほぼ1:1で
(即ち、ビーム分解能の8倍〜16倍のピッチで)5本
〜100本配列したパターンが好適である。また、視野
歪、及び倍率誤差評価用のマーカ37E,37Fとして
は、幅がビーム分解能の1倍〜2倍で長さが2μm〜5
μm程度のラインパターンをデューティ比がほぼ1:1
で(即ち、ビーム分解能の2倍〜4倍のピッチで)5本
〜25本配列したパターンが好適である。
【0028】図2に戻り、上板21aの底面に、評価用
基板30の底部を完全に覆うように、先端部にいく程直
径が小さくなる円筒状の全長D2の電子線吸収体32が
取り付けられている。即ち、電子線吸収体32は、上板
21a側の部分が内径φで長さD1の円筒部32aとな
り、円筒部32aから最下端までの先端部32bの内面
が細長い円錐面状となっている。言い換えると、電子線
吸収体32の評価用基板30と対向する面は、評価用基
板30に対して凹のテーパーを有する面となっている。
また、円筒部32aの内径φは5mm程度、長さD1は
2mm程度であり、電子線吸収体32の全長D2(内面
の全長とほぼ同じ)は10mm程度であり、次のように
内径φに比べて全長D2はかなり大きく設定されてい
る。
【0029】φ≪D2 (3) また、電子線吸収体32は電源34の出力端子及び抵抗
器35の一端に接続され、抵抗器35の他端が接地さ
れ、電源34から電子線吸収体32に正電圧が印加され
ている。本例の電子線吸収体32は、所謂ファラデー箱
(Faraday cage)と同様な形状であり、評価用基板30
を透過して電子線吸収体32に入射した電子線は殆どが
電子線吸収体32で吸収されるため、評価用基板30に
戻る反射電子線量は極めて少なくなっている。なお、電
子線吸収体32としては、グラファイト状の炭素等のよ
うに、平均原子番号が13以下の非絶縁性材料(導体、
又は半導体)が好適である。平均原子番号が13以下で
あるのは、評価用基板30よりも更に反射電子量を少な
くするためである。
【0030】更に図1において、対物レンズ15の底面
近傍にウエハ側からの反射電子を検出するための反射電
子検出器29が配置され、反射電子検出器29からの反
射電子信号REは主制御装置19に供給されている。次
に、図4を参照して本例の転写装置で分割転写方式の転
写を行う際の基本的な動作につき説明する。
【0031】図4は、本例のマスク1とウエハ5との対
応関係を示す斜視図であり、この図4において、マスク
1は境界領域としてのストラット3によってX方向、及
びY方向に所定ピッチで矩形の多数の小領域(副視野)
2A,2B,2C,…に分割され、転写対象の小領域
(図2では小領域2A)内の照射領域33に電子線EB
が照射される。電子線転写用のマスク1としては、窒化
シリコン(SiN)等の薄膜にて電子線の透過部を形成
し、その表面に適宜タングステン製の散乱部を設けた所
謂散乱マスクと、シリコン製の散乱部に設けた抜き穴を
電子線の透過部とする所謂穴空きステンシルマスク等が
存在するが、本例では何れでも構わない。
【0032】マスク1上の小領域2Aを通過した電子線
EBは、図1の投影系14,15を介して、ウエハ5上
の1つの小転写領域7Aに集束され、その小領域2A内
のパターンの縮小像が、その小転写領域7Aに投影され
る。転写時には、小領域2A,2B,2C,…を単位と
して電子線EBの照射が繰り返され、各小領域内のパタ
ーンの縮小像がウエハ5上の異なる小転写領域7A,7
B,7C,…に順次転写される。この際に、図1の偏向
器13A,13Bを駆動して、各小領域を区切るストラ
ット3の幅分だけ電子線EBを横ずれさせることによっ
て、ウエハ5上の小転写領域7A,7B,7C,…は互
いに隙間無く配置される。また、図1の投影系14,1
5の励磁電流の制御、及び偏向器13A,13Bの制御
等を介して転写像の結像特性を補正することによって、
継ぎ誤差や重ね合わせ誤差が低減される。
【0033】マスク1のパターンの転写を行う場合に
は、図1の主制御装置19の制御のもとでマスクステー
ジ16及びウエハステージ21を介して、図4に示すよ
うに、マスク1を−X方向に所定速度VMで連続移動
(機械走査)するのに同期して、ウエハ5を+X方向に
速度VWで連続移動する。図1の投影系14,15のマ
スクからウエハへの縮小倍率βを用いて、マスク1上で
の各小領域内のパターン形成領域のX方向の幅をL1、
パターン形成領域のX方向の間隔をL2とすると、ウエ
ハ5の速度VWは次式で表される。
【0034】 VW=β・{L1/(L1+L2)}・VM (4) そして、マスク1上の多数の小領域中で、ほぼ光軸AX
を横切る位置に達したY方向に一列に配列された複数の
小領域(図4では小領域2A,2B,…)に対して、図
1の視野選択偏向器12A,12Bを介して順次電子線
EBが照射され、各小領域内のパターンが順次ウエハ5
の1ダイ分の転写領域6A内に隙間無く転写される。そ
して、マスク1及びウエハ5がX方向に移動するのに伴
って、光軸AXを横切る位置に達した一列の複数の小領
域内のパターンが順次ウエハ5上に転写される動作が繰
り返されて、マスク1上の全部の小領域内のパターンが
ウエハ上に転写されると、ウエハ5上の転写領域6Aへ
のパターンの転写が終了する。その後ウエハ5上の隣接
する別の1ダイ分の転写領域6Bにも同様にマスク1の
パターンの転写が行われる。
【0035】次に、本例において投影系14,15の結
像特性を評価する方法の一例につき図5及び図6を参照
して説明する。先ず、本例のマスク1は結像特性の評価
用のマスクであり、マスク1上の所定の複数の小領域に
はそれぞれ評価用パターンが形成されている。図5
(a)はマスク1の一部の拡大図を示し、この図5
(a)において、マスク1上でX方向に配列された1列
の小領域にはそれぞれ評価用パターン38A〜38Gが
形成されている。本例の投影系14,15の縮小倍率β
を1/4とすると、マスク1上の各小領域内のパターン
形成領域の大きさはほぼ1mm角であり、それらのパタ
ーン形成領域を投影系14,15を介して投影した像の
領域、即ち投影系14,15の視野の大きさはほぼ25
0μm角である。この視野の大きさは、図3の評価用基
板30上のほぼ1mm角のマーク形成領域36A〜37
Fに比べて十分小さく設定されている。
【0036】そして、第1の評価用パターン38Aは、
小領域内の中心を通る十字型の線上に、及び周辺を1周
するように微小な矩形の基本パターン39を一定間隔で
多数配置した視野内強度分布評価用のパターンであり、
基本パターン39を投影系14,15を介して投影した
像39W(図5(b)参照)は、図3のマーカ37Aと
同じ0.2μm角程度の孤立パターンである。
【0037】また、マスク1上の第2及び第3の評価用
パターン38B,38Cは、それぞれ小領域内の周辺部
及び中心(光軸)を含むように3行×3列でX軸の基本
パターン40X、及びY軸の基本パターン40Yを配置
した分解能、及び非点収差評価用のパターンであり、基
本パターン40X及び40Yを投影系14,15を介し
て投影した像40XW及び40YW(図5(c)及び
(d)参照)は、図3のX軸のマーカ37B、及びY軸
のマーカ37Cと同じ形状である。
【0038】また、マスク1上の第4及び第5の評価用
パターン38D,38Eは、それぞれ小領域内に中心部
は粗で周辺部は密となるようにX軸の基本パターン41
X、及びY軸の基本パターン41Yを配置した視野歪評
価用のパターンであり、基本パターン41X及び41Y
を投影系14,15を介して投影した像41XW及び4
1YW(図5(e)及び(f)参照)は、図3のX軸の
マーカ37E、及びY軸のマーカ37Fと同じ形状であ
る。更に、マスク1上の第6の評価用パターン38F
は、小領域内にX方向に大きな間隔で2つのX軸の基本
パターン41Xを配置したX方向の倍率誤差評価用のパ
ターンであり、第7の評価用パターン38Gは、小領域
内にY方向に大きな間隔で2つのY軸の基本パターン4
1Yを配置したY方向の倍率誤差評価用のパターンであ
る。
【0039】先ず、投影系14,15の視野内強度分布
を評価する際には、図1の視野選択偏向器12A,12
Bを介して図5(a)のマスク1の評価用パターン38
A上に電子線を照射し、ウエハステージ21を駆動し
て、評価用パターン38Aの像が投影系14,15を介
して投影される領域内に図3の評価用基板30上のマー
ク形成領域36A内のマーカ37Aを移動する。その
後、主制御装置19では、ウエハステージ21をX方
向、Y方向に駆動してその評価用パターン38Aの像を
マーカ37Aで走査して、マーカ37Aの位置に対応さ
せて反射電子検出器29からの反射電子信号REを取り
込む。このように評価用パターン38Aの像とマーカ3
7Aとを相対的に走査する際には、マーカ37Aをウエ
ハステージ21を介して位置決めした後、偏向器13
A,13Bを介して評価用パターン38Aの像を走査す
るようにしてもよい。そして、評価用パターン38A内
の各基本パターン39の像から得られる反射電子信号R
Eの強度分布より、投影系14,15の視野内強度分布
が計測される。
【0040】次に、投影系14,15のX方向のビーム
分解能及び非点収差を評価する際には、図5(a)のマ
スク1のX軸の評価用パターン38B上に電子線を照射
し、評価用パターン38Bの像が投影される領域内に図
3の評価用基板30上のマーク形成領域36B内のX軸
のマーカ37Bを移動する。その後、主制御装置19で
は、ウエハステージ21、及び偏向器13A,13Bを
駆動してその評価用パターン38Bの各基本パターン4
0Xの像とマーカ37BとをX方向に相対走査して、マ
ーカ37Bの位置に対応させて反射電子検出器29から
の反射電子信号REを取り込む。
【0041】図6(a)はその基本パターン40Xの像
40XWとマーカ37BとをX方向に相対的に走査する
様子を示し、図6(b)はその際にマーカ37BのX座
標(マーカ37B側を走査するとした場合の座標)に対
応させて得られる反射電子信号REの一例を示してい
る。なお、図6(b)の反射電子信号REは、投影系1
4,15の分解能が極めて高い場合の理想的な信号であ
り、実際にはその分解能の制限によって反射電子信号R
Eは、底部及び上部に平坦部を持つ信号となる。そこ
で、その反射電子信号REを位置Xについて1回微分す
るとビーム強度分布が得られ、その1回微分信号の立ち
上がりの傾き角からビーム分解能が得られる。同様に、
図5(c)のY軸用の評価用パターン38Cの像と図3
のY軸のマーカ37Cとを相対走査することでY方向の
ビーム分解能が得られる。例えばX方向のビーム分解能
とY方向のビーム分解能との平均値をビーム分解能とす
ることができる。
【0042】また、図1の試料台20を駆動して評価用
基板30の高さ(Z方向の位置)を変えながら視野内の
3行×3列の各点でX方向のビーム分解能、及びY方向
のビーム分解能を計測し、計測点毎にX方向とY方向と
でそれぞれ最もビーム分解能が高くなるときの高さのず
れ量を求めることによって、視野内の各計測点での非点
収差が求められる。
【0043】次に、投影系14,15のX方向の視野歪
を評価する際には、図5(a)のマスク1のX軸用の評
価用パターン38Dの像が投影される領域内に図3の評
価用基板30上のマーク形成領域36E内のX軸のマー
カ37Eを移動する。その後、主制御装置19では、そ
の評価用パターン38Dの各基本パターン41Xの像と
マーカ37EとをX方向に相対走査して、マーカ37E
の位置に対応させて反射電子検出器29からの反射電子
信号REを取り込む。例えばこの反射電子信号REが最
も高くなる位置を各基本パターン41Xの像の位置とす
ることによって、各基本パターン41Xの像の設計上の
位置からのX方向へのずれ量、即ちX方向の視野歪が求
められる。同様に、図5(a)のY軸用の評価用パター
ン38Eの像と図3のY軸のマーカ37Fとを相対走査
することでY方向の視野歪が得られる。X方向の視野歪
とY方向の視野歪とから2次元的な視野歪が評価でき
る。
【0044】次に、投影系14,15のX方向の倍率誤
差を評価する際には、図5(a)のマスク1のX軸用の
評価用パターン38Fの像が投影される領域内に図3の
評価用基板30上のX軸のマーカ37Eを移動する。そ
の後、その評価用パターン38Fの2つの基本パターン
41Xの像とマーカ37EとをX方向に相対走査して、
2つの基本パターン41Xの像の設計上の位置からのX
方向へのずれ量を求める。2つの基本パターン41Xの
実際の像の間隔と設計上の間隔との比の値の1からのず
れ量よりX方向の倍率誤差が求められる。同様に、図5
(a)のY軸用の評価用パターン38Gの像と図3のY
軸のマーカ37Fとを相対走査することでY方向の倍率
誤差が得られる。
【0045】このように結像特性を評価する際に、本例
では評価用基板30のマーク形成領域36A〜36Fは
厚さが2μm程度と薄いと共に、反射電子線の少ない材
料が使用されているため、マーカ37A〜37E以外の
領域からの反射電子量は極めて少なく、反射電子信号R
EのSN比が良好であるため、極めて高精度に投影系1
4,15の結像特性を評価できる。更に本例では、評価
用基板30の底部に電子線吸収体32が配置され、評価
用基板30を透過した電子線は殆どが評価用基板30に
戻って来ないため、反射電子信号REのSN比は更に改
善されている。
【0046】なお、上述の実施の形態では、マーカ37
A〜37Eからの反射電子を検出しているが、それらの
マーカからの2次電子を検出するようにしてもよい。ま
た、荷電粒子線としては、電子線の他にイオンビーム等
を使用してもよい。また、本発明は、分割転写方式の転
写装置の投影系の結像特性の評価を行う場合のみなら
ず、例えば可変成形ビームを使用する転写装置の投影系
の結像特性の評価を行う場合等にも適用できる。
【0047】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0048】
【発明の効果】本発明の結像特性評価方法によれば、反
射荷電粒子線量の多いマーカの周囲の薄膜体での反射荷
電粒子線量が極めて少ないため、薄膜体からの反射荷電
粒子線、又は2次電子を検出して得られる検出信号のS
N比は極めて高く、高精度に投影系の結像特性を評価で
きる利点がある。
【0049】また、その薄膜体の底面に反射荷電粒子
線、又は2次電子を少なくするための荷電粒子線吸収体
を配置した場合には、その薄膜体を透過した荷電粒子線
が殆ど薄膜体側に戻ってこないため、得られる検出信号
のSN比が更に改善されて、更に高精度に結像特性を評
価できる。また、その薄膜体上のマーカとして0.2μ
m角以上の面積の孤立パターンを使用し、評価用パター
ンとして投影像がその孤立パターンの面積と実質的に等
しい複数のパターンを使用した場合、そのマーカとその
評価用パターンの投影像とを相対走査して得られる反射
荷電粒子線、又は2次電子よりその投影系による視野内
強度を高精度に評価できる。
【0050】また、その薄膜体上のマーカとして、幅が
ビーム分解能の4倍から8倍で長さが10μm以上のラ
インパターンをビーム分解能の8倍から16倍のピッチ
で5本から100本配列した周期的パターンを使用した
場合、そのマーカとその評価用パターンの投影像とをピ
ッチ方向に相対走査して得られる反射荷電粒子線、又は
2次電子よりその投影系による分解能、又は非点収差を
高精度に評価できる。
【0051】また、その薄膜体上のマーカとして、幅が
ビーム分解能の1倍から2倍で長さが5μm以下のライ
ンパターンをビーム分解能の2倍から4倍のピッチで5
本から25本配列した周期的パターンを使用し、その評
価用パターンとして、投影像がその周期的パターンと実
質的に同一の単位パターンを所定の位置関係で複数個配
列したパターンを使用した場合、そのマーカとその評価
用パターン内のその各単位パターンとをそれぞれピッチ
方向に相対走査して得られる反射荷電粒子線、又は2次
電子よりその投影系による視野歪、又は倍率誤差を高精
度に評価できる。
【0052】また、その薄膜体の材料が炭素、又はシリ
コンである場合には、材料の加工が容易であると共に、
反射荷電粒子線量が少ない。また、その荷電粒子線吸収
体が、その薄膜体に対向する面がテーパーを有する凹面
とされた導体、又は半導体であるときには、反射荷電粒
子線量が特に少なくなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される電子線
縮小転写装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中の評価用基板30及び電子線吸収体32
を示す一部を切り欠いた拡大断面図である。
【図3】図2中の評価用基板30に形成された複数種類
のマーカを示す拡大平面図である。
【図4】図1のマスク1上の小領域の配置、及び対応す
るウエハ5上の小転写領域の配置を示す斜視図である。
【図5】(a)はマスク1上の評価用パターン38A〜
38Gの形状を示す部分拡大平面図、(b)は図5
(a)のB部の投影像の拡大図、(c)は図5(a)の
C部の投影像の拡大図、(d)は図5(a)のD部の投
影像の拡大図、(e)は図5(a)のE部の投影像の拡
大図、(f)は図5(a)のF部の投影像の拡大図であ
る。
【図6】(a)は基本パターンの像40XWとマーカ3
7Bとを相対走査する様子を示す説明図、(b)はその
相対走査によって得られる反射電子信号REの一例を示
す波形図である。
【符号の説明】
1 マスク 2A,2B,2C 小領域(副視野) 5 ウエハ 7A,7B,7C 小転写領域 12A,12B 視野選択偏向器 13A,13B 電磁方式の偏向器 14 投影レンズ 15 対物レンズ 16 マスクステージ 19 主制御装置 21 ウエハステージ 29 反射電子検出器 30 評価用基板 32 電子線吸収体 36A〜36F マーク形成領域 37A〜37F マーカ 38A〜38G 評価用パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/30 541K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の荷電粒子線のもとで第1面上のパ
    ターンの像を第2面上に投影する投影系の結像特性評価
    方法において、 前記第1面上に評価用パターンを配置し、 前記第2面上に平均原子番号が14以下で厚さが3μm
    以下の材料よりなる薄膜体を配置すると共に、該薄膜体
    の表面に平均原子番号が47以上で厚さが0.01μm
    以上の材料よりなり前記評価用パターンに対応する形状
    のマーカを形成しておき、 前記荷電粒子線のもとで前記評価用パターンの前記投影
    系による像と前記薄膜体とを相対走査したときに前記マ
    ーカから発生する反射荷電粒子線、又は2次電子の強度
    に基づいて、前記投影系の結像特性を評価することを特
    徴とする結像特性評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の結像特性評価方法であっ
    て、 前記薄膜体の底面に反射荷電粒子線、又は2次電子を少
    なくするための荷電粒子線吸収体を配置したことを特徴
    とする結像特性評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の結像特性評価方
    法であって、 前記薄膜体上のマーカとして0.2μm角以上の面積の
    孤立パターンを使用し、 前記評価用パターンとして投影像が前記孤立パターンの
    面積と実質的に等しい複数のパターンを使用し、 前記マーカと前記評価用パターンの投影像とを相対走査
    して得られる反射荷電粒子線、又は2次電子より前記投
    影系による視野内強度を評価することを特徴とする結像
    特性評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の結像特性評
    価方法であって、 前記薄膜体上のマーカとして、幅がビーム分解能の4倍
    から8倍で長さが10μm以上のラインパターンをビー
    ム分解能の8倍から16倍のピッチで5本から100本
    配列した周期的パターンを使用し、 前記マーカと前記評価用パターンの投影像とをピッチ方
    向に相対走査して得られる反射荷電粒子線、又は2次電
    子より前記投影系による分解能、又は非点収差を評価す
    ることを特徴とする結像特性評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、又は2記載の結像特性評価方
    法であって、 前記薄膜体上のマーカとして、幅がビーム分解能の1倍
    から2倍で長さが5μm以下のラインパターンをビーム
    分解能の2倍から4倍のピッチで5本から25本配列し
    た周期的パターンを使用し、 前記評価用パターンとして、投影像が前記周期的パター
    ンと実質的に同一の単位パターンを所定の位置関係で複
    数個配列したパターンを使用し、 前記マーカと前記評価用パターン内の前記各単位パター
    ンとをそれぞれピッチ方向に相対走査して得られる反射
    荷電粒子線、又は2次電子より前記投影系による視野
    歪、又は倍率誤差を評価することを特徴とする結像特性
    評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項記載の結像特
    性評価方法であって、 前記薄膜体の材料は炭素、又はシリコンであることを特
    徴とする結像特性評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5の何れか一項記載の結像特
    性評価方法であって、 前記荷電粒子線吸収体は、前記薄膜体に対向する面がテ
    ーパーを有する凹面とされた導体、又は半導体であるこ
    とを特徴とする結像特性評価方法。
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