JPH10135022A - 低損失酸化物磁性材料及びその製造方法 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料及びその製造方法

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JPH10135022A
JPH10135022A JP8303708A JP30370896A JPH10135022A JP H10135022 A JPH10135022 A JP H10135022A JP 8303708 A JP8303708 A JP 8303708A JP 30370896 A JP30370896 A JP 30370896A JP H10135022 A JPH10135022 A JP H10135022A
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JP
Japan
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oxide
specific resistance
magnetic material
loss
oxide magnetic
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Application number
JP8303708A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Chiba
龍矢 千葉
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波において低損失な酸化物磁性材料及び
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 主成分としてFe23、MnO及びZn
O、副成分としてSiO2、CaO及びHfO2からなる
酸化物磁性材料を製造する際、焼成後の焼成体を800
〜1000℃で熱処理することにより、平均結晶粒径が
2〜5μmであり、かつ、直流比抵抗が2000Ωcm
以上、1GHz以上での交流比抵抗が10Ωcm以上で
ある、高周波で低損失な酸化物磁性材料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
等のトランス材として用いられる低損失酸化物磁性材料
及びその製造方法に関し、特に、Mn−Zn系フェライ
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電源機器の高性能化、かつ、
軽量小型化の進展が著しい。それ故、この各種電源機器
に搭載されるスイッチング電源用トランスコアの、より
一層の高性能化が求められている。
【0003】ところで、一般に、Mn−Zn系フェライ
トは、粉末冶金法により、混合、仮焼、解砕、造粒、成
形、焼成という工程を経て製造される。この製造プロセ
ス条件の適切なコントロールにより、低損失化が図られ
ている。
【0004】フェライトの損失は、大別してヒステリシ
ス損失、渦電流損失、残留損失からなっており、周波数
が高くなるほど渦電流損失、残留損失の全損失に占める
割合が高くなることが知られている。渦電流損失の低減
のためには、SiO2、CaO等の微量添加物を添加
し、高い比抵抗の粒界層を形成することが効果的であ
る。また、渦電流損失は、渦電流半径に比例することか
ら、均一で、高い比抵抗の粒界層を形成することが不可
欠である。
【0005】さらに、渦電流損失の低減には、粒界層の
比抵抗のみならず、マトリックスを構成する結晶粒子の
比抵抗を高くすることが必要とされている。フェライト
の電気伝導は、スピネル相を構成するBサイト−Bサイ
ト間のFe2+及びFe3+間の電子のホッピングにより生
じる。Fe2+が過剰になると、結晶粒子の比抵抗が減少
し、渦電流損失が増大する。
【0006】従来の高周波材においては、SiO2、C
aO等の副成分(微量添加物)を添加することにより、
粒界層の比抵抗を高くすることは、ある程度考慮されて
いるが、結晶粒子の比抵抗を高くすることに関しては、
十分になされていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、高周波において低損失な酸化物磁性材料及び
その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】先に述べたように、渦電
流損失を低減するためには、粒界層の比抵抗及び結晶粒
子の比抵抗を高くすることが必須の条件である。粒界層
の比抵抗を高くするためには、粒界層の組成及び粒界層
の厚みを調整する必要があり、SiO2、CaO等の粒
界層を構成する酸化物を添加し、できるだけ厚く、か
つ、均一にすることが好ましい。
【0009】また、結晶粒子の比抵抗を高くするために
は、Fe2+及びFe3+間のホッピング伝導を減らすた
め、Fe23量を減らす、焼成雰囲気を高い酸素分圧と
する、BサイトのFe3+と置換する添加物を添加する等
の主成分組成、焼成条件、微量添加物を調整することに
より、Fe2+を極力少なくすることが好ましい。
【0010】本発明者は、種々の検討を行った結果、主
成分としてFe23、MnO及びZnO、副成分として
SiO2、CaO及びHfO2からなるMn−Zn系フェ
ライトにおいて、焼成後の焼成体を800〜1000℃
で熱処理することにより、平均結晶粒径が2〜5μmで
あり、かつ、直流比抵抗が2000Ωcm以上、1GH
z以上での交流比抵抗が10Ωcm以上である、特に高
周波で低損失な酸化物磁性材料が得られることを見い出
した。
【0011】即ち、本発明は、主成分として酸化鉄(F
23)、酸化マンガン(MnO)及び酸化亜鉛(Zn
O)、副成分として二酸化珪素(SiO2)、酸化カル
シウム(CaO)及び酸化ハフニウム(HfO2)から
なり、平均結晶粒径が2〜5μmであり、直流比抵抗が
2000Ωcm以上、1GHz以上での交流比抵抗が1
0Ωcm以上であることを特徴とする低損失酸化物磁性
材料である。
【0012】また、本発明は、主成分として酸化鉄(F
23)、酸化マンガン(MnO)及び酸化亜鉛(Zn
O)、副成分として二酸化珪素(SiO2)、酸化カル
シウム(CaO)及び酸化ハフニウム(HfO2)から
なる酸化物磁性材料の製造方法において、焼成後の焼成
体を800〜1000℃で熱処理することを特徴とする
低損失酸化物磁性材料の製造方法である。
【0013】本発明において、高周波領域でコアロス特
性が向上したのは、熱処理を施すことにより、粒界層が
再酸化され、高い比抵抗で十分な厚みを有した粒界層が
形成されたことに加え、酸化によりFe2+が減少し、結
晶粒子の比抵抗が高くなり、渦電流損失が低減したため
である。
【0014】本発明において、熱処理温度を800〜1
000℃としたのは、800℃未満では、酸化されず効
果がないためであり、1000℃を越えると、粒成長
し、直流比抵抗の減少、及び粒界層の誘電成分の増加に
より、渦電流損失が増大するためである。
【0015】また、平均結晶粒径を2〜5μmとしたの
は、5μmを越えると、単位体積に含まれる粒界層の数
が減少し、直流比抵抗が低くなるのみならず、誘電成分
も増加し、交流比抵抗の減少を招くためである。また、
2μm未満であると、ヒステリシス損失が増加し、コア
ロス特性が劣化するためである。
【0016】また、直流比抵抗を2000Ωcm以上、
1GHz以上の比抵抗を10Ωcm以上としたのは、い
ずれの値も下回ることにより、渦電流損失の増大による
コアロスの劣化を招くためである。
【0017】また、1GHz以上の周波数の比抵抗を1
0Ωcm以上としたのは、GHz帯域の比抵抗の値は、
結晶粒子の比抵抗を反映したものであると考えられるか
らである。即ち、フェライトの比抵抗の周波数特性は、
kHz〜MHz帯域では、粒界層が容量成分を有するた
めに単調に減少する。それに対し、GHz帯域では、一
定の値を示し、周波数に依存しない。この値は、粒界層
以外のインピーダンス因子、つまり、結晶粒子の比抵抗
を表しているものと推察される。
【0018】
【発明の実施の形態】主成分となる原料を秤量し、ボー
ルミルを用いて混合し、その後、仮焼し、微量添加物と
して、SiO2、CaO及びHfO2をそれぞれ添加した
後、ボールミルで微粉砕を行う。微粉砕後、バインダー
を添加し、スプレードライヤーにて造粒し、得られた造
粒粉末を所定の形状にプレスした後、酸素分圧をコント
ロールしたN2雰囲気中で焼成する。焼成後、得られた
焼成体について、所定の温度範囲で熱処理する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0020】(実施例1)主成分が52.5mol%F
23、40.0mol%MnO、残部ZnOとなるよ
うに原料を秤量し、ボールミルを用いて混合し、大気中
850℃で2時間仮焼し、微量添加物として、0.05
wt%のSiO2、0.05wt%のCaO、0.5wt
%のHfO2を添加した後、ボールミルで微粉砕を行っ
た。微粉砕後、バインダーを添加し、スプレードライヤ
ーにて造粒した。得られた造粒粉末を所定の形状にプレ
スした後、酸素分圧をコントロールしたN2雰囲気中1
100℃で焼成した。さらに、焼成後の焼成体を、酸素
分圧をコントロールしたN2雰囲気中700〜1100
℃の範囲で熱処理し、幅10mm×高さ5mm×長さ3
0mmの角棒状の試料及び外径25mm×内径15mm
×高さ5mmの環状の試料を作製した。
【0021】比較例として、従来の製造方法により、次
のように焼成体を作製した。主成分が52.5mol%
Fe23、40.0mol%MnO、残部ZnOとなる
ように原料を秤量し、ボールミルを用いて混合し、大気
中850℃で2時間仮焼し、微量添加物として、0.0
5wt%のSiO2、0.05wt%のCaO、0.5w
t%のHfO2を添加した後、ボールミルで50時間の
微粉砕を行った。微粉砕後、バインダーを添加し、スプ
レードライヤーにて造粒した。得られた造粒粉末を所定
の形状にプレスした後、酸素分圧をコントロールしたN
2雰囲気中で1150℃で焼成し、上記の寸法の角棒状
及び環状の試料を作製した。
【0022】表1に、実施例1の熱処理温度を変化させ
たときの試料及び比較例の試料の平均結晶粒径、直流比
抵抗ρD.C.、1GHzの比抵抗ρ1GHz、1MHz−50
0G−100℃におけるコアロスPCVの値を示した。な
お、平均結晶粒径は、画像解析装置を用い求めた。直流
及び交流比抵抗は、角棒状の試料により4端子法で測定
した。また、PCVは、環状の試料より求めた。
【0023】
【0024】表1より、熱処理温度が800〜1000
℃の場合に、ρD.C.、ρ1GHzがそれぞれ2000Ωcm
以上、10Ωcm以上であり、PCVが小さいことがわか
る。
【0025】また、図1に、本発明(No.3)と比較
例の比抵抗の周波数特性を示した。比較例と比べ、本発
明は、全周波数範囲で、比抵抗が高いことがわかる。
【0026】また、図2に、本発明(No.3)と比較
例のPCVの温度特性を示した。比較例と比べ、本発明
は、全温度範囲で、PCVが低いことがわかる。
【0027】(実施例2)主成分が52.5mol%F
23、40.0mol%MnO、残部ZnOとなるよ
うに原料を秤量し、ボールミルを用いて混合し、大気中
850℃で2時間仮焼し、微量添加物として、0.05
wt%のSiO2、0.05wt%のCaO、0.5wt
%のHfO2をそれぞれ添加した後、ボールミルで微粉
砕を行った。微粉砕後、バインダーを添加し、スプレー
ドライヤーにて造粒した。得られた造粒粉末を所定の形
状にプレスした後、酸素分圧をコントロールしたN2
囲気で1050〜1200℃で焼成した。
【0028】表2に、実施例2の焼成温度を変化させた
ときの試料の平均結晶粒径、ρD.C.、ρ1GHz、1MHz
−500G−100℃におけるPCVの値を示した。測定
は、実施例1と同様に行った。なお、比較のため、上述
の比較例も併せて示した。
【0029】
【0030】表2より、平均結晶粒径が2〜5μmの場
合に、ρD.C.、ρ1GHzがそれぞれ2000Ωcm以上、
10Ωcm以上であり、PCVが小さいことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、高周
波において低損失な酸化物磁性材料及びその製造方法を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(No.3)と比較例の比抵抗の周波数
特性を示す図。
【図2】本発明(No.3)と比較例のコアロスPcv
温度特性を示す図。
【符号の説明】
A 本発明(No.3) B 比較例

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として酸化鉄(Fe23)、酸化
    マンガン(MnO)及び酸化亜鉛(ZnO)、副成分と
    して二酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(Ca
    O)及び酸化ハフニウム(HfO2)からなり、平均結
    晶粒径が2〜5μmであり、直流比抵抗が2000Ωc
    m以上、1GHz以上での交流比抵抗が10Ωcm以上
    であることを特徴とする低損失酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 主成分として酸化鉄(Fe23)、酸化
    マンガン(MnO)及び酸化亜鉛(ZnO)、副成分と
    して二酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(Ca
    O)及び酸化ハフニウム(HfO2)からなる酸化物磁
    性材料の製造方法において、焼成後の焼成体を800〜
    1000℃で熱処理することを特徴とする低損失酸化物
    磁性材料の製造方法。
JP8303708A 1996-10-28 1996-10-28 低損失酸化物磁性材料及びその製造方法 Pending JPH10135022A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116730716A (zh) * 2023-05-25 2023-09-12 日照亿鑫电子材料有限公司 一种微波烧结锰锌铁氧体及其制备方法

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