JPH1013493A - 専用線端末装置間の相互同期方法及び装置 - Google Patents

専用線端末装置間の相互同期方法及び装置

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JPH1013493A
JPH1013493A JP8168047A JP16804796A JPH1013493A JP H1013493 A JPH1013493 A JP H1013493A JP 8168047 A JP8168047 A JP 8168047A JP 16804796 A JP16804796 A JP 16804796A JP H1013493 A JPH1013493 A JP H1013493A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一の専用線を用いて混在して伝達されるユ
ーザデータ,端末制御情報を峻別でき、相互同期用の同
期パターン検出を厳格に行う場合にも、ユーザデータを
確実に受信できる専用線端末装置間の相互同期方法及び
装置を提供する。 【解決手段】 端末装置2a,2bの接続された相互同
期装置1a,1bが専用線LCを挟んで対向配置され
る。端末装置2aから端末装置2bに端末制御情報を通
信する場合、相互同期のために、同期パターン発生部9
aを用いて相互同期装置1aからPNパターンを送信す
る。FIFOで構成したバッファ部12bは、相互同期
装置1a側からの受信データをバッファすると共に、同
期パターン検出部10bは上記のPNパターンを検出し
て制御部3bへ割り込む。制御部3bはバッファ部12
bに指示して、該バッファ部12bに含まれるPNパタ
ーンをクリアし、PNパターンがデータ受信部6bに送
出されないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、専用線上でユーザ
データと制御情報を混在させて送受信して、端末装置間
の通信を実現するための専用線端末装置間の相互同期方
法及び装置に関し、とりわけ、ユーザデータを確実に受
信可能な専用線端末装置間の相互同期方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】音声に加え、ファクシミリ,静止画,動
画などの各種メディアを高速に伝送するためのディジタ
ル式ネットワークとして、従来より、ISDNと呼ぶネ
ットワークが知られている。このISDNは、回線交換
により、多数の加入者間で多対多の回線接続を実現する
もので、各加入者は通信が必要な場合にだけ回線接続し
て通信を行うようになっている。ここで、ISDNにお
ける通信インターフェイスの一つに、B1,B2,Dチ
ャネルと呼ぶ3つのチャネルを用いて、加入者端末間の
通信を実現した方式がある。ちなみに、この通信インタ
ーフェイスはISDN基本インターフェイスと呼ばれ、
そのチャネルは2B+Dと呼ばれている。
【0003】これらのチャネルのうち、B1チャネルと
B2チャネルは何れも音声や各種データを伝送するため
の情報チャネルであって、チャネル速度はともに64k
bps(キロビット毎秒)になっている。これに対し、
DチャネルはB1,B2チャネルで為される通信のため
の発着信時の回線制御などに利用される信号チャネルで
あって、チャネル速度は16kbpsに設定されてい
る。そして、こうしたインターフェイスに適合した端末
をISDN端末と呼んでいる。
【0004】一方、ISDNとは別に、128kbps
の回線速度を有するスーパーディジタルといった「専用
線」と呼ばれる通信形態がある。この形態では1対1の
通信を前提とした貸し切り回線であって、例えば、企業
の本店・支店間の内線電話などに利用される。こうした
専用線を使用する場合、通信相手は予め決まっているの
で、相手先電話番号のダイヤル等は不要であって、相互
の同期が確立すればデータを垂れ流しで出すことができ
る。したがって、専用線を用いた通信では、ISDNに
存在する制御チャネルは不要であって、端末間の通信は
情報チャネルのみを用いて実現されている。以上からわ
かるように、専用線に接続される端末は、情報チャネル
だけで通信を行っており、ISDN端末とは異なる専用
線端末が使用される。
【0005】ここで、専用線を用いることの利点として
は次のようなことが考えられる。すなわち、ISDNな
どでは回線の使用時間に比例して料金が課金される従量
制を採用しているのが一般的であり、長時間回線を占有
する用途では回線使用料が莫大な金額になってしまう可
能性もある。その点、専用線は通信相手が固定されてい
るという制約はあるものの、回線使用時間に依存しない
固定の使用料を払えば良く、接続時間を気にすることな
く、回線を常時つないでおくことができる。したがっ
て、ある所定時間以上の回線使用が見込まれる場合に
は、ISDNの代わりに専用線を用いるのが得策である
といえる。
【0006】ところで、専用線を用いた通信は、従来、
図5に示すごとく構成された装置を各端末装置に接続す
ることで実現されていた。すなわち、同図に示すよう
に、端末装置間の通信の同期を司る相互同期装置51
a,51bが、専用線LCを介して対向配置され、相互
同期装置51a,51bにはそれぞれ端末装置2a,2
bが接続される。ここで、同図から明らかなように、相
互同期装置51a,51bは全く同一に構成されてい
る。そこで以下、これらを代表して相互同期装置51a
についてだけ構成を説明する。
【0007】相互同期装置51aにおいて、制御部3a
は共通バスを介して同装置内の各部を制御する制御回路
であって、主として、データの発生及び受信の制御と、
端末装置2aとの間の入出力制御を行う。一例として、
制御部3aはCPU(中央処理装置),ROM(リード
オンリメモリ),RAM(ランダムアクセスメモリ)か
ら構成される。
【0008】端末インターフェイス(図では「I/
F」)部4aは、端末装置2aを共通バスに接続するた
めのインターフェイス回路である。データ発生部5a
は、制御部3aを介して端末装置2aから送られる送信
データを変換し、送信データパターンを発生させて、後
述する回線インターフェイス部7aの送信端Tへ送出す
る。なお、制御部3aから共通バスを通してデータ発生
部5aに送られるデータは、例えば、8ビット単位で転
送されてくる。
【0009】データ受信部6aは、回線インターフェイ
ス部7aが専用線LCを介して受信したシリアルのデー
タ列を、回線インターフェイス部7aの受信端Rから受
信し、これを制御部3aが扱うフォーマットに変換して
共通バスへ出力する。回線インターフェイス部7aは、
データの送信或いは受信に際して電気レベル変換を行う
ことによって、専用線LCから受信したシリアルのデー
タをデータ受信部6a及び同期用クロック部8aへ送出
する。また、回線インターフェイス部7aは、データ発
生部5aから送られる送信データを電気レベル変換し、
これを専用線LCへ送出する。
【0010】同期用クロック部8aは、回線インターフ
ェイス部7aから送られる受信データの中から、データ
発生部5a及びデータ受信部6aを動作させる同期用の
クロックを抽出する。次に、こうした相互同期装置51
a,51bを用いた端末装置2a,2b間の通信は以下
のようになされる。まず、相互同期装置51aでは、制
御部3aが、端末装置2aからの送信データをデータ発
生部5aに順次書き込む。データ発生部5aは、同期用
クロック部8aからのクロックに同期して、回線インタ
ーフェイス部7aを通じて専用線LCに送信データを送
出する。
【0011】すると、相互同期装置51bでは、専用線
LC及び回線インターフェイス7bを通じて相互同期装
置51aから受信したデータの中から、同期用クロック
部8bが同期用のクロックを抽出する。回線インターフ
ェイス部7bからの受信データは、このクロックに同期
してデータ受信部6bに入力される。すると、制御部3
bは、データ受信部6bが受信したデータを一定の時間
間隔で内部のRAMに読み込む。ここで、データ受信部
6b(6a)は、8ビット分のデータを受信する度に制
御部3b(3a)に割り込み信号を送出し、これを契機
に制御部3b(3a)が順次読み込みを行う。
【0012】なお、データ受信部6b(6a)から割り
込みを上げるかわりに、制御部3b(3a)がポーリン
グによってデータ受信部6b(6a)からデータを取り
込むように構成することもある。さらに、こうしたデー
タの送信・受信は、制御部3b(3a)内のCPUを介
さずに、DMA(ダイレクトメモリアクセス)転送によ
って、データ発生部5b(5a),データ受信部6b
(6a)と制御部3b(3a)内のRAMの間で為され
る場合もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述のような専
用線に接続された端末装置では、各端末装置が、互いに
ユーザデータを専用線に流して通信を行っている。一
方、こうした端末装置にあっては、ユーザデータ以外に
も、当該端末装置に関する状態情報や各種の制御情報
を、通信相手の端末装置へ伝達する必要がある。このよ
うな制御情報の伝達を実現するには、ユーザデータを伝
送する通信回線とは別に、独立した制御情報用の通信回
線を設置することが考えられる。しかしながら、こうし
た構成にしてしまうと、回線使用料のコストが倍となる
上に、ユーザデータが載る通信回線と制御情報が載る通
信回線との関係が非同期となってしまうため、現実的な
実現方法であるとは言えない。
【0014】したがって、ユーザデータと制御情報を同
一の通信回線で伝達する構成を採らざるを得ないことに
なる。こうした手法で問題となるのは、通信回線上を混
在して伝達されるユーザデータと制御情報について、こ
れらデータのパターンが一致してしまって誤動作してし
まう可能性があることである。とは言うものの、実際上
は、これらを完全に区別することは非常に難しいと言え
る。
【0015】そこで本発明者らは、あとで詳述するよう
に、上記の従来技術の問題の解決策を案出した。すなわ
ち、端末装置間で制御情報を伝送する際は、これら端末
装置間で相互同期をとることにしてユーザデータと制御
情報を区別するようにしている。そのために、相互同期
にあたっては、一方の端末装置から同期要求のための同
期パターンを他方の端末装置へ送信すると共に、他方の
端末装置側では、送られてくるデータと上記の同期パタ
ーンとを比較して同期パターンを検出し、これを以て相
互同期をとるようにしている。
【0016】ところで、こうした同期パターンを用いる
相互同期の実現手段としては、次のような構成がまず考
えられる。すなわち、図5に示す回線インターフェイス
部7a,7bで受信したデータから同期パターンを検出
する同期パターン検出部と、同期パターンを発生するた
めの同期パターン発生部を各相互同期装置に新設する。
ここで、データ受信部6a,6bは共通バスに直接接続
されることから、制御部3a,3bはデータの内容を調
べずに、データ受信部6a,6bから受信したデータ列
をそのまま内蔵のRAMに取り込む。
【0017】また、これと並行して、同期パターン検出
部で受信データが同期パターンかを比較し、同期パター
ンが検出された時点で制御部3a,3bへ割り込みを上
げる。これにより、制御部3a,3bが、データ受信部
6a,6bから内部のRAMに取り込んでおいた受信デ
ータを遡り、同期パターンを検索してこの同期パターン
を取り込まれた受信データから除去する。こうした動作
を繰り返すことで、相互同期をとりながら、ユーザデー
タだけを内蔵のRAMに取り込むようにする。
【0018】このように、専用線LCから受信したデー
タが同期パターンか否かは、同期パターンの長さに応じ
た所定長のデータ比較を行うことで判定することにな
り、こうした手法は通常であれば全く問題の無いもので
ある。ところが、制御部3a,3bが受信データから同
期パターンを除去する処理は一般に複雑なものになり、
制御部3a,3bがある一定の処理能力を有していない
と、ユーザデータを取りこぼしてしまう可能性がある。
また、同期パターンの検出時間が長くなれば、相互同期
動作完了に要する時間が長くなってしまうということに
もなる。
【0019】さらに、同期パターンの検出を厳格にする
ために、同期パターンのビット長を長くしたり、複数個
の同期パターンを連続させることも考えられる。そうし
た場合、取り込むべき受信データ列が長くなるため、同
期パターンと一致する部分を探し出して除去するまでの
時間が必然的に増大してしまう。したがって、上述した
データ損失の可能性を助長してしまうことになる。
【0020】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、同一の専用線を用いて混在して伝達
されるユーザデータ及び端末制御情報を峻別することの
できる専用線端末装置間の相互同期方法及び装置を提供
することにあり、特に、同期パターンの検出を厳格に行
う場合であっても、ユーザデータの受信を確実に保証で
きる専用線端末装置間の相互同期方法及び装置を提供す
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、第1の端末と該第1の端
末の通信相手である第2の端末の間で、専用線によりユ
ーザデータ及び制御情報を送受信して、これら端末間の
通信を実現するための専用線端末装置間の相互同期方法
であって、前記第1〜第2の端末間で前記制御情報を送
受信する前後において、これら端末間で互いに同期パタ
ーンを授受して相互同期をとる際に、前記第1(又は第
2)の端末側で、少なくとも前記同期パターンを格納可
能な容量を有する先入れ先出しのバッファに、前記第2
(又は第1)の端末から送られてくる受信データを順次
書き込んでゆくとともに、該受信データに前記同期パタ
ーンが含まれるか否かを判定し、前記同期パターンが前
記受信データの中に含まれていることが検出された時点
で、前記同期パターンの含まれる前記バッファ上の固定
領域をクリアするようにして、前記同期パターンの除去
された受信データを、前記バッファを介して前記第1
(又は第2)の端末へ送出することを特徴としている。
【0022】また、請求項2記載の発明は、専用線と、
該専用線を用いてユーザデータ及び制御情報を互いに送
受信して通信する専用線端末との間に配され、前記専用
線端末とその相手端末との間の相互同期を司る専用線端
末装置間の相互同期装置であって、前記専用線端末間で
前記制御情報を送受信する前後でこれら端末間の相互同
期をとるために授受される同期パターンを、前記相手端
末側から送られてくる受信データの中から検出するパタ
ーン検出手段と、少なくとも前記同期パターンを格納可
能な容量を有する先入れ先出しのバッファと、前記相手
端末側からの受信データを前記バッファに順次書き込ん
でゆくバッファ書込手段と、前記パターン検出手段が前
記同期パターンを検出した時点で、前記同期パターンの
含まれる前記バッファ上の固定領域をクリアして、前記
同期パターンの除去された受信データを前記バッファか
ら前記専用線端末へ送出する制御手段とを具備すること
を特徴としている。
【0023】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記バッファは、少なくとも前記容
量を持つメモリと、該メモリの読み出し/書き込みアド
レスを保持するポインタとを有し、前記制御手段は、前
記ポインタが示すメモリの内容を読み出して前記専用線
端末へ送出し、前記バッファ書込手段は、前記制御手段
が前記ポインタが示すメモリの内容を読み出した後に、
該ポインタが示すメモリのアドレスに対して前記受信デ
ータを書き込むことを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。図1は、同実施形態による
相互同期装置1a,1bと、これらに接続される端末装
置2a,2bの接続形態を示したブロック図である。こ
の図において、図5と同一の部品については同じ符号を
付してあり、その説明を省略する。また、相互同期装置
1a,1bの構成は同じであるため、以下ではこれらを
代表して、相互同期装置1aについて説明を行う。
【0025】本実施形態では、図5に示した従来の構成
に対して、同期パターン発生部9a,同期パターン検出
部10a,セレクタ11a,バッファ部12aが追加さ
れている。まず、上述した同期用クロック部8aは同期
パターン検出部10a及びバッファ部12aに対しても
同期用のクロックを供給するように変更されている。次
に、同期パターン発生部9aは、端末装置間における相
互同期を実現するためのパターンを発生する手段であっ
て、用いるパターンとしては例えば巡回符号が好まし
い。本実施形態では10段のPNパターン(擬似ランダ
ムパターン)を用いており、その生成多項式は「X10
9 +1」(繰り返し周期:888)である。
【0026】これを実現するには、例えば図2(a)に
示すように、10個のDフリップフロップを縦続接続す
ると共に、9段目と10段目(最終段)のDフリップフ
ロップの出力の排他的論理和(XOR)をとって、初段
のDフリップフロップの入力に戻してやれば良い。な
お、図ではDフリップフロップを駆動するクロックにつ
いては図示を省略してあるが、これらDフリップフロッ
プは全て同一のクロックに同期して動作する。
【0027】再び図1において、同期パターン検出部1
0aは、回線インターフェイス部7aが抽出した受信デ
ータの中から、同期パターン発生部9aが発生するのと
同じ同期パターンを検出する手段である。ここで、同期
パターン検出部10aの構成例としては図2(b)に示
すものが考えられる。この図に示すように、10個のD
フリップフロップを縦続接続して、回線インターフェイ
ス部7aからの受信データを、初段のDフリップフロッ
プへ入力すると共に、9段目及び10段目(最終段)の
Dフリップフロップの出力と受信データとの排他的論理
和をそれぞれとって、エラー検出信号を生成する。
【0028】そうして、受信データにつき、連続する5
6ビットにエラー信号が検出されなければ、PNパター
ンが検出(同期確立)されたものとする。いま、受信デ
ータのパターンがランダムであるとすると、PNパター
ン(同期)を誤検出する確率は、2-56(1.3×10
-17)となる。したがって、例えばデータ通信速度を6
4kbpsとすれば、誤検出は35702年に1回とな
る。なお、実際には、こうした同期パターンが3回連続
して送られてきた場合に、初めて同期したものと見なす
ようにして信頼性の向上を図っている。
【0029】一方、図1のセレクタ11aは、共通バス
を介した制御部3aの制御の下に、データ発生部5aの
出力と同期パターン発生部9aの出力を選択して回線イ
ンターフェイス部7aの送信端Tへ送出する。バッファ
部12aは、同期用クロック部8aから送られるクロッ
クに同期して、回線インターフェイス部7aが送出する
受信データ列を順次蓄積していくための緩衝手段であ
る。ここで、バッファ部12aの容量は同期パターン検
出部10aで検出する同期パターン(上述)のビット長
よりも、若干大きな容量を確保するようにしている。
【0030】このバッファ部12aは一種のFIFO
(先入れ先出し)であるが、後述するように、同期パタ
ーンが検出された場合には、バッファ部12aから同期
パターンの部分を検索してこれを除去する必要がある。
したがって、バッファ部12aを一般的なFIFOの構
成とすることはできない。そこで本実施形態では、メモ
リを用いてバッファ部12aを実現することとし、当該
メモリ上にFIFOの長さ分の領域を確保してFIFO
の機能を実現している。
【0031】いま、一例として、受信データを1バイト
単位で取り扱うものとし、メモリに対するアクセスもバ
イト単位で行うものとする。そうした場合、メモリをア
クセスする際のアドレスをFIFOの長さ分で巡回させ
るようにすると共に、受信データを書き込むためのポイ
ンタをバッファ部12aの内部に設けるようにする。そ
して、回線インターフェイス部7aから1バイト相当分
のデータを受信した時点で、ポインタが指し示すアドレ
スから1バイトのデータを読み出した後に、受信した1
バイトのデータをこの同じアドレスに書き込むようにす
る。こうすれば、ポインタが示すアドレスへの書き込み
がFIFOへデータを入力することに相当し、また、読
み出されたデータはFIFOの長さ分だけ以前に書き込
まれた受信データになるから、FIFOの先頭からデー
タが取り出されるのと同様となって、FIFOの機能が
実現されることになる。
【0032】また、バッファ部12aは共通バスを介し
た制御部3aの制御を受ける。すなわちバッファ部12
aは、あとで詳述するように、制御部3aからバッファ
クリアの指示が送られると、同期パターン検出部10a
が検出したのと同じPNパターンが格納されている部分
を探索してクリアする。もっとも、同期パターン検出部
10aがPNパターンを検出してからクリアが指示され
るまでの時間は常に一定であるため、実際には、バッフ
ァ部12a上でクリアされるPNパターンの部分は常に
同じ領域になる。
【0033】さらに、バッファ部12aは、回線インタ
ーフェイス部7aとデータ受信部6aの間でのデータの
整合性をとるために、回線インターフェイス部7aから
送られるシリアルのデータ列を、例えばバイト単位に直
して上記のメモリに格納する。その一方で、バッファ部
12aは、メモリから読みだした例えばバイト単位のデ
ータを、シリアルのデータ列に変換してデータ受信部6
aへ送出する。
【0034】他方、本実施形態に係る相互同期装置は、
端末装置がユーザデータを相互に通信する通常のモード
(以下、ユーザデータ通信モードと呼ぶ)と、端末制御
情報を通信する特殊なモード(以下、情報データ通信モ
ードと呼ぶ)を有している。そのために、制御部3a,
3bはそれぞれ内部にステータスレジスタを具備してお
り、何れのモードにあるかを常に把握している。
【0035】次に、上記構成による相互同期装置の動作
を説明する。まずは、ユーザデータ通信モードにおける
動作を説明するが、以下では、端末装置2aから端末装
置2bにユーザデータを送信する場合を想定する。い
ま、端末装置2aがデータを送信する場合、制御部3a
は、送信すべきユーザデータを、一旦、端末インターフ
ェイス部4aから内蔵のRAMに取り込む。
【0036】それから制御部3aは、RAM上のユーザ
データをデータ発生部5aに書き込んでゆく。その際、
制御部3aはセレクタ11aがデータ発生部5aの出力
を選択するように、当該セレクタ11aを制御する。デ
ータ発生部5aに書き込まれた送信データは、当該デー
タ発生部5aでシリアルのパターン列に変換されたの
ち、セレクタ11aを通り、回線インターフェイス部7
aにて専用線LCの電気レベルに変換されて、相互同期
装置1b側へ伝送される。
【0037】相互同期装置1bでは、送信されたデータ
を受信するために、専用線LC上のデータを回線インタ
ーフェイス部7bにて電気レベル変換し、得られた受信
データをバッファ部12bへ送る。これと並行して、同
期用クロック部8bは、回線インターフェイス部7bか
らの受信データからクロックを抽出し、データ受信部6
b及びバッファ部12bに供給しており、これにより、
専用線網に同期したデータの受信が可能となる。また、
同期用クロック部8bは、データ発生部5bにもクロッ
クを供給しており、専用線LCへ送出する送信データに
ついても専用線網との同期を実現している。
【0038】その後、制御部3bは、データ受信部6b
から受信データを取り込むことになるが、バッファ部1
2bに入れられた受信データは上述したFIFOの長さ
分だけ遅延されてデータ受信部6bに与えられるから、
制御部3bはFIFOの長さ分に相当する遅延時間の後
に、データ受信部6bから受信データを取り出すことに
なる。こうして制御部3bは、受信したデータを一定時
間間隔で内蔵RAMに取り込み、これを端末インターフ
ェイス部4bを経て端末装置2bへ送出する。以上によ
り端末装置2aから端末装置2bに対するユーザデータ
の送信処理が完了したことになる。なお、ユーザデータ
を受信している間、同期パターン検出部10bはPNパ
ターンを検出しないため、バッファ部12bは単なるF
IFO或いはバッファとして機能する。
【0039】次に、端末装置2a,2b間で制御情報デ
ータを相互に送受信する場合の動作について説明する。
図3は、本実施形態における情報通信モードでの動作を
説明するための図であって、図中、時間は上から下に流
れてゆく。そこで、以下の説明では、同図の上から下の
並び順に沿って説明してゆくことにする。なお図中、U
点はユーザ点を意味する。
【0040】いま、上述したように、端末装置2a,2
b間でユーザデータの通信が相互に行われており、この
状態で端末装置2aから端末装置2bへ端末制御情報を
伝送することを想定する。まず、相互同期装置1a側で
は、セレクタ11aが同期パターン発生部9aの出力を
選択するように、制御部3aがセレクタ11aを制御す
る。このとき制御部3aは、データ発生部5aからユー
ザデータが送出されるのを一時保留するように当該デー
タ発生部5aを制御する。
【0041】次に、制御部3aが、同期パターン発生部
9aに対してPNパターンの発生を指示すると、同部が
発生したPNパターンは、セレクタ11a,回線インタ
ーフェイス部7aを通して専用線LCへ送出される。こ
れにより、制御情報の送出要求(図3の右側の「相互同
期要求通知」)が対向する相互同期装置1bへ通知され
る。ここで、制御部3a(3b)は専用線LC上で伝送
される情報チャネルの空き状態を管理している。例え
ば、PNパターンを送信する際、制御部3a(3b)は
これらチャネルの中から空きチャネルを選択し、該チャ
ネルに対応したタイムスロットにPNパターンを載せる
ことで、データの送信を行う。
【0042】一方、相互同期装置1bでは、回線インタ
ーフェイス部7bで電気レベル変換された受信データ
が、同期パターン検出部10b及びバッファ部12bに
伝達される。同期パターン検出部10bは、データ受信
部6bがバッファ部12bでバッファされたデータを受
信するのと並行して、受信データのビット列がPNパタ
ーンか否かを常に監視しており、該PNパターンを検出
した時点で割り込みを用い、制御部3bへPNパターン
検出の旨を通知する。なお、同期パターン検出部10b
はこうした検出処理をデータ発生部5bとは非同期的に
実施している。
【0043】すると制御部3bは、共通バスを介し、バ
ッファ部12bに対してバッファクリアを指示する。こ
れにより、バッファ部12bが当該バッファ部12bの
メモリのうちPNパターンの部分をクリアする。このこ
とを、以下に図4を用いて説明する。なお、図中、バッ
ファの左端から出力されるデータがデータ受信部側へ送
られ、回線インターフェイス部からの受信データがバッ
ファの右端から入れられる。
【0044】図4において、「DDDDDD」の部分は
PNパターン以外のデータを意味しており、PNパター
ンを受信する前にバッファ部12bに入力されたデータ
である。一方、「PNPN……」の部分はPNパターン
を意味しており、同期パターン検出部10bが検出した
PNパターンに対応している。ここで、前述したように
PNパターンが検出された時点では、PNパターンの最
後のデータが常にFIFOの最後(バッファの右端)に
なっているから、バッファ部12b上でクリアされるの
は、FIFOの右端を起点としたPNパターン長分の領
域になる。
【0045】以上のようなPNパターンのクリアによっ
て、データ受信部6bにPNパターンが送出されること
を防止でき、ユーザデータだけがデータ受信部6bに送
られることになる。一方、制御部3bは、同期パターン
検出の通知を受け取ることで相互同期要求を受け付ける
モードに入ると共に、相互同期要求通知に対する応答と
して、同期パターン発生部9bを起動し、上述した相互
同期装置1aにおけるのと同様の手順で、PNパターン
を相互同期装置1aへ返信する。
【0046】すると相互同期装置1aでは、同期パター
ン検出部10aが、送られてきたPNパターンを検出し
て制御部3aに対してPNパターン検出を通知する。制
御部3aは、この通知を以て、相互同期装置1bが相互
同期要求を受け付けられる状態である(図3の左側の
「相互同期要求受付通知」)と判断し、同期パターン発
生部9aに対してPNパターンの送出の停止を指示し、
同時に、セレクタ11aを制御して、当該セレクタ11
aがデータ発生部5aの出力を選択するように切り替え
を行う。
【0047】その後、相互同期装置1b側では、同期パ
ターン検出部10bが、相互同期装置1aからのPNパ
ターンの送出の停止に起因する同期外れを検出して制御
部3bへ通知する。ここで、PNパターンの送出が停止
すると、NULL(「0」のビットの連続)が送出され
るようになっており、同期パターン検出部10bは、こ
のNULLのパターンを検出することで同期外れを検出
している。
【0048】同期外れが検出されると、これを以て制御
部3bは、相互同期要求を受け付けるモードに入り、同
期パターン発生部9bに対してPNパターンの送信を停
止する(図3の右側の「情報データ通信モードON通
知」)ように指示すると共に、セレクタ11bがデータ
発生部5bの出力を選択するように、当該セレクタ11
bを制御する。
【0049】次いで、相互同期装置1aでは、同期パタ
ーン検出部10aが、相互同期装置1bからのPNパタ
ーンの送出の停止によって同期外れを検出し、これを制
御部1aに通知する。以上により、相互同期装置1a,
1b間で同期が確立されたことになり、相互同期装置1
a側でも端末制御情報の通信を行うために、情報データ
通信モードに入る(図3の左側の「情報データ通信モー
ドON通知」)。
【0050】次に、情報データ通信モードでは、各相互
同期装置内の制御部3a,3bが、データ発生部5a,
5bをそれぞれ制御して端末制御情報を相手端末側へ送
信すると共に、相手端末側からデータ受信部6a,6b
を介して送られてくる情報データを受信する。こうし
て、端末装置2a,2b間で相互に端末制御情報の通信
がなされる。
【0051】その後に、端末制御情報の通信が終了する
と、相互同期装置1aは、「情報データ通信モードON
通知」時に行ったのと同様の手順で、PNパターンを相
互同期装置1b側へ送信する。これにより、相互同期装
置1bからのPNパターンの返送,相互同期装置1aに
おけるPNパターン送出の停止,相互同期装置1bにお
けるPNパターン送出の停止が順次なされて、相互同期
装置1a,1bにおいて、情報データ通信モードの解除
(図3の「情報データ通信モードOFF通知」)がなさ
れる。これ以後は、上述した説明と同様に、ユーザデー
タの通信或いは端末制御情報の通信が、モードを切り替
えながら適宜行われてゆく。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
専用線端末間で互いに同期パターンを授受して相互同期
をとる際に、一方の端末側で、他方の端末からの受信デ
ータを先入れ先出しのバッファに順次書き込むととも
に、同期パターンが含まれるか否かを判定し、同期パタ
ーンを検出した時点でバッファ上の固定領域をクリアす
るようにしたので、受信データ列を一旦記憶装置上に取
り込んだのちに、その中から同期パターンを探し出して
除去して、ユーザデータだけを再度取り出すといった複
雑な処理をする必要がなくなり、ユーザデータや同期パ
ターンが混在する受信データ列の中から、容易にユーザ
データだけを取り出して受信でき、したがって、同期パ
ターンの検出を厳格に行うような場合であっても、デー
タが失われてしまう恐れがなくなるという効果が得られ
る。また、上記のような複雑な処理がなくなるために、
専用線端末間の相互同期の処理が高速化されて情報デー
タ通信モードにおける回線の切断や接続を高速化でき、
これ以外の様々な処理を実行することが可能となり、さ
らに多機能な装置が構築できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による相互同期装置1
a,1bの構成、及び、当該装置と端末装置2a,2b
の接続形態を表わすブロック図である。
【図2】 同実施形態によるPNパターンの生成,検出
の原理を説明する図であって、(a)は同期パターン発
生部9a,9bにおける同期パターン発生の原理図、
(b)は同期パターン検出部10a,10bにおける同
期パターン検出の原理図である。
【図3】 同実施形態による端末装置2a,2b間の相
互同期方法を説明した図である。
【図4】 同実施形態において、同期パターン検出部1
0a(10b)がPNパターンを検出した時点における
バッファ部12a(12b)の状態を示す図である。
【図5】 従来の技術による相互同期装置51a,51
bの構成、及び、当該装置と端末装置2a,2bの接続
形態を表わすブロック図である。
【符号の説明】
1a,1b…相互同期装置、2a,2b…端末装置、3
a,3b…制御部、4a,4b…端末インターフェイス
部、5a,5b…データ発生部、6a,6b…データ受
信部、7a,7b…回線インターフェイス部、8a,8
b…同期用クロック部、9a,9b…同期パターン発生
部、10a,10b…同期パターン検出部、11a,1
1b…セレクタ、12a,12b…バッファ部、LC…
専用線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の端末と該第1の端末の通信相手で
    ある第2の端末の間で、専用線によりユーザデータ及び
    制御情報を送受信して、これら端末間の通信を実現する
    ための専用線端末装置間の相互同期方法であって、 前記第1〜第2の端末間で前記制御情報を送受信する前
    後において、これら端末間で互いに同期パターンを授受
    して相互同期をとる際に、 前記第1(又は第2)の端末側で、少なくとも前記同期
    パターンを格納可能な容量を有する先入れ先出しのバッ
    ファに、前記第2(又は第1)の端末から送られてくる
    受信データを順次書き込んでゆくとともに、該受信デー
    タに前記同期パターンが含まれるか否かを判定し、 前記同期パターンが前記受信データの中に含まれている
    ことが検出された時点で、前記同期パターンの含まれる
    前記バッファ上の固定領域をクリアするようにして、 前記同期パターンの除去された受信データを、前記バッ
    ファを介して前記第1(又は第2)の端末へ送出するこ
    とを特徴とする専用線端末装置間の相互同期方法。
  2. 【請求項2】 専用線と、該専用線を用いてユーザデー
    タ及び制御情報を互いに送受信して通信する専用線端末
    との間に配され、前記専用線端末とその相手端末との間
    の相互同期を司る専用線端末装置間の相互同期装置であ
    って、 前記専用線端末間で前記制御情報を送受信する前後でこ
    れら端末間の相互同期をとるために授受される同期パタ
    ーンを、前記相手端末側から送られてくる受信データの
    中から検出するパターン検出手段と、 少なくとも前記同期パターンを格納可能な容量を有する
    先入れ先出しのバッファと、 前記相手端末側からの受信データを前記バッファに順次
    書き込んでゆくバッファ書込手段と、 前記パターン検出手段が前記同期パターンを検出した時
    点で、前記同期パターンの含まれる前記バッファ上の固
    定領域をクリアして、前記同期パターンの除去された受
    信データを前記バッファから前記専用線端末へ送出する
    制御手段とを具備することを特徴とする専用線端末装置
    間の相互同期装置。
  3. 【請求項3】 前記バッファは、少なくとも前記容量を
    持つメモリと、該メモリの読み出し/書き込みアドレス
    を保持するポインタとを有し、 前記制御手段は、前記ポインタが示すメモリの内容を読
    み出して前記専用線端末へ送出し、 前記バッファ書込手段は、前記制御手段が前記ポインタ
    が示すメモリの内容を読み出した後に、該ポインタが示
    すメモリのアドレスに対して前記受信データを書き込む
    ことを特徴とする請求項2記載の専用線端末装置間の相
    互同期装置。
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