JPH101345A - 半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物 - Google Patents

半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物

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JPH101345A
JPH101345A JP15661596A JP15661596A JPH101345A JP H101345 A JPH101345 A JP H101345A JP 15661596 A JP15661596 A JP 15661596A JP 15661596 A JP15661596 A JP 15661596A JP H101345 A JPH101345 A JP H101345A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工現場で迅速に調合でき、超速硬セメント
を用いた場合でもグラウトの施工上の悪影響を最小限に
留める。作業員による調合ミスを起こす恐れがない。流
動性に優れ、水粉体比を低下させて乾燥収縮を小さくし
クラックの発生を抑制でき、かつ強度発現性に優れる。
グラウトが白色化するため着色する場合に発色性が良
い。 【解決手段】 セメントと石灰石微粉末と珪砂と再乳化
性粉体樹脂と粉体添加物が所定の割合で均一に混合して
調製される。石灰石微粉末の代わりに高炉スラグを、ま
た珪砂の代わりに石灰石骨材を、再乳化性粉体樹脂の代
わりに粉末アスファルトを用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路の半たわみ性
舗装に使用する一粉型ポリマーセメント組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半剛性舗装とも呼ばれる半たわみ性舗装
は、アスファルト舗装のたわみ性とコンクリート舗装の
剛性とを兼ねた備えた舗装である。この半たわみ性舗装
は耐流動性、耐油性、耐熱性、明色性などが必要とされ
るところ、例えば車両の制動、停止、発進などが高頻度
で行われる道路の交差点、バス停、高速道路の料金所、
ガソリンスタンドなどに用いられる。半たわみ性舗装の
施工は、母体となる20〜27%程度の空隙率の大きい
開粒度アスファルト混合物を舗設した後に、この開粒度
アスファルト混合物にグラウトとして浸透用セメントミ
ルクを浸透させることにより行われる。浸透後の交通開
放までの養生時間は、セメントに普通ポルトランドセメ
ントを用いた場合で約3日間、早強ポルトランドセメン
トを用いた場合で約1日間、超速硬セメント或いは普通
又は早強ポルトランドセメントに急硬化材を添加したも
のを用いた場合で約3時間である。
【0003】この浸透用セメントミルクは、施工現場で
水性の樹脂エマルジョン又はゴムラテックスと水との混
合液を予め撹拌しつつ、これにセメント、珪砂等の粉体
を添加してミキサーで均一に混練される。この浸透用セ
メントミルクを調製するために数種類以上の材料の調合
に時間を要するばかりか、作業員が未熟な場合には調合
ミスを生じる恐れがあった。また樹脂エマルジョンの使
用後の廃缶の処理も問題である。従来、この点を改良す
るために、セメント100重量部に対して、フライアッ
シュ15〜70重量部、珪砂10〜60重量部及び再乳
化性粉体樹脂0.5〜10重量部を含む材料を混合調整
した半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物が
提案されている(特開平3−295905)。この半た
わみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物によれば、
施工現場で浸透用セメントミルクを調製する際の調合ミ
スの恐れが無くなるばかりでなく、短時間で仕上げる必
要のある急ぎの道路補修工事に速硬セメントを用いた場
合に、浸透用セメントミルクがモルタルミキサーや注入
ホース等の中で固化する等の施工上の悪影響を最小限に
留めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の半
たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物は浸透用
セメントミルクとして必要な流動性が十分に高くない。
このために所望のフロー値を得るために水粉体比を比較
的大きくし、結果として乾燥収縮が大きくなりクラック
が発生したり、強度発現性に劣る問題点があった。
【0005】本発明の目的は、施工現場で迅速に調合で
き、セメントに超速硬セメント或いは急硬化材を添加し
た普通又は早強ポルトランドセメントを用いた場合で
も、浸透用セメントミルクの施工上の悪影響を最小限に
留めることができる半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセ
メント組成物を提供することにある。本発明の別の目的
は、作業員による調合ミスを起こすことのない半たわみ
性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物を提供すること
にある。
【0006】本発明の別の目的は、浸透用セメントミル
クの流動性に優れ、水粉体比を低下させて乾燥収縮を小
さくでき、かつクラックの発生を抑え、強度発現性に優
れた半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物を
提供することにある。本発明の更に別の目的は、浸透用
セメントミルクが白色化し、着色する場合に発色性が良
好な半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
セメントと石灰石微粉末と珪砂と再乳化性粉体樹脂と粉
体添加物が均一に混合して調製された半たわみ性舗装用
一粉型ポリマーセメント組成物である。石灰石微粉末を
用いることにより、流動性が向上し、所望のフロー値を
得るための水粉体比を低下させることができ、結果とし
て乾燥収縮を低減しクラックの発生を抑制できる。また
浸透用セメントミルクが白色化し、着色する場合に発色
性が良好になる。
【0008】請求項2に係る発明は、セメントと石灰石
微粉末と石灰石骨材と珪砂と再乳化性粉体樹脂と粉体添
加物が均一に混合して調製された半たわみ性舗装用一粉
型ポリマーセメント組成物である。石灰石骨材を用いる
ことにより、流動性が向上するとともに強度発現性が高
まる。
【0009】請求項3に係る発明は、セメントとフライ
アッシュと石灰石骨材と再乳化性粉体樹脂と粉体添加物
が均一に混合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポ
リマーセメント組成物である。フライアッシュと石灰石
骨材とを併用することにより、流動性が向上するととも
に強度発現性が高まる。
【0010】請求項4に係る発明は、セメントと高炉ス
ラグと珪砂と再乳化性粉体樹脂と粉体添加物が均一に混
合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメ
ント組成物である。高炉スラグを用いることにより、浸
透用セメントミルクが白色化し、着色する場合に発色性
が良好になる。
【0011】請求項5に係る発明は、セメントと石灰石
微粉末と珪砂と粉末アスファルトと消石灰と粉体添加物
が均一に混合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポ
リマーセメント組成物である。粉末アスファルトと消石
灰を用いることにより、再乳化性粉体樹脂を用いること
なく、良好なグラウト性状が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に係るポリマーセメント
組成物は、100重量部のセメントに対して、5〜10
0重量部の石灰石微粉末と、6〜300重量部の珪砂
と、2〜46重量部の再乳化性粉体樹脂を含む。請求項
2に係るポリマーセメント組成物は、100重量部のセ
メントに対して、5〜100重量部の石灰石微粉末と、
3〜200重量部の石灰石骨材と、3〜200重量部の
珪砂と、2〜46重量部の再乳化性粉体樹脂を含む。請
求項3に係るポリマーセメント組成物は、100重量部
のセメントに対して、5〜100重量部のフライアッシ
ュと、6〜300重量部の石灰石骨材と、2〜46重量
部の再乳化性粉体樹脂を含む。請求項4に係るポリマー
セメント組成物は、100重量部のセメントに対して、
5〜100重量部の高炉スラグと、6〜300重量部の
珪砂と、2〜46重量部の再乳化性粉体樹脂を含む。請
求項5に係るポリマーセメント組成物は、100重量部
のセメントに対して、5〜100重量部の石灰石微粉末
と、6〜300重量部の珪砂と、2〜46重量部の粉末
アスファルトと、0.01〜5重量部の消石灰を含む。
【0013】石灰石微粉末の好ましい含有量は請求項
1、2及び5において、20〜60重量部である。珪砂
の好ましい含有量は、請求項2の場合のみ13〜50重
量部であって、他の請求項1、4及び5の場合26〜1
00重量部である。石灰石骨材の好ましい含有量は、請
求項2の場合13〜50重量部、請求項3の場合26〜
100重量部である。再乳化性粉体樹脂の好ましい含有
量は、請求項1〜4において1.5〜15重量部であ
る。請求項3のフライアッシュの好ましい含有量は20
〜60重量部である。請求項4の高炉スラグの好ましい
含有量は20〜60重量部である。請求項5の粉末アス
ファルト及び消石灰の好ましい含有量はそれぞれ1.5
〜15重量部及び0.05〜1.0重量部である。
【0014】石灰石微粉末が上記下限値未満では良好な
流物性が得られないばかりか浸透用セメントミルクが白
色化せず、上記上限値を越えると強度発現性が低下する
不具合を生じる。珪砂が上記下限値未満では所望の流動
性が得られず、上記上限値を越えると強度発現性が低下
する不具合を生じる。石灰石骨材が上記下限値未満では
性状が改善されず、上記上限値を越えると強度発現性が
低下する不具合を生じる。再乳化性粉体樹脂が上記下限
値未満ではひび割れが発生し易くなり、上記上限値を越
えると強度発現性が低下する不具合を生じる。フライア
ッシュが上記下限値未満では流動性が改善されず、上記
上限値を越えると強度発現性が低下する不具合を生じ
る。高炉スラグが上記下限値未満では浸透用セメントミ
ルクが白色化せず、上記上限値を越えると強度発現性が
低下する不具合を生じる。粉末アスファルトが上記下限
値未満ではひび割れに対する抵抗性が不十分であり、上
記上限値を越えると強度発現性が低下する不具合を生じ
る。消石灰が上記下限値未満では十分な硬化遅延を修正
する効果が得られず、上記上限値を越えると過早硬化
し、良好な流動性が得られない不具合を生じる。
【0015】請求項1ないし請求項5に係るポリマーセ
メント組成物を通じて、各材料について詳述する。本発
明のセメントには、交通開放が求められる養生時間に応
じて、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセ
メント、混合セメント、超速硬セメントが用いられる。
またこれらを併用してもよい。普通又は早強ポルトラン
ドセメントに急硬化材を添加して超速硬セメントとして
使用してもよい。また超速硬セメントを使用する場合に
は、オキシカルボン酸又はその塩、アルカリ金属塩、ア
ルミン酸塩、硫酸塩などの凝結調整剤を用いて注入作業
を確保することができる。超速硬セメントには、ポル
トランドセメント又は混合セメント20〜70重量部に
II型無水石膏10〜30重量部と製鋼滓20〜50重量
部とこれら成分の総重量に対して凝結遅延剤0.5〜5
重量部を添加して比表面積が3500cm2/gになる
まで粉砕し、この微粉混合物に上記割合のポルトランド
セメント又は混合セメントを混合したもの(特開昭62
−260749号公報に記載の急硬性セメント)、ポ
ルトランドセメント又は混合セメント100重量部にス
テンレス製鋼精錬過程の脱酸工程でアルミニウム使用で
副産されるステンレス製鋼滓10〜70重量部とII型無
水石膏4〜40重量部と酒石酸のような有機系凝結遅延
剤及び炭酸ナトリウムのような炭酸アルカリからなる凝
結調整剤0.5〜5重量部とを混合した後、この混合物
を粉砕したもの(特開平6−321607号公報に記載
の速硬性組成物)、又は市販のカルシウムアルミネー
ト系の速硬性材料を用いることができる。
【0016】本発明の珪砂は、鋳物砂、海砂、川砂、山
砂のいずれを用いてもよい。7号程度の比較的細かい珪
砂が好ましい。本発明の再乳化性粉体樹脂としては、市
販の酢酸ビニル系樹脂粉末が挙げられる。例えばエチレ
ン酢酸ビニル樹脂、カルボン酸変性酢酸ビニル樹脂、ベ
オバ変性酢酸ビニル樹脂、酢酸アクリル酸エステル共重
合体、純アクリル樹脂等の樹脂粉末が挙げられる。石灰
石微粉末及び高炉スラグには、ブレーン値(比表面積)
が1000〜6000cm2/g、好ましくは2000
〜4500cm2/gの粉体を用いる。石灰石骨材は、
粒径が0.01〜1.0mm、好ましくは0.05〜
0.6mmのものを用いる。粉末アスファルトは、平均
粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmのも
のを用いる。更に消石灰は、粒径が0.1mm以下、好
ましくは0.05mm以下のものを用いる。
【0017】本発明の粉体添加剤としては、減水剤、消
泡剤、増粘剤が挙げられる。請求項1ないし請求項5に
係るポリマーセメント組成物を通じて、これらの組成物
に、セメント100重量部に対して、減水剤は0.1〜
10重量部、消泡剤は0.01〜2重量部、増粘剤は
0.01〜3.0重量部含まれる。これらの下限値未満
ではそれぞれの所望の性能が発現せず、上限値を越える
と、減水剤の場合、材料分離の硬化遅延を生じ、消泡剤
の場合、硬化遅延を生じ、増粘剤の場合、硬化遅延を生
じかつ流動性が低下する恐れがある。減水剤としては、
リグニンスルフォン酸塩、オキシ有機酸塩、βナフタリ
ンスルフォン酸塩、ポリカルボン酸塩、メラミン樹脂ス
ルフォン酸塩、クレオソート油スルフォン酸縮合物塩等
が挙げられる。また消泡剤としてはエーテル類、脂肪酸
エステル、脂肪酸アミド、高級アルコール、高重合グリ
コール、シリコーン類等が挙げられる。この中で非イオ
ン系又はシリコーン系が好ましい。増粘剤としてはヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ
る。
【0018】本発明の一粉型ポリマーセメント組成物を
調製するには、各材料をV型ミキサ、縦型ミキサ、万能
混合機等の通常の粉体混合装置により乾式混合する。ま
た本発明の一粉型ポリマーセメント組成物を用いた半た
わみ性舗装の施工は、母体となる開粒度アスファルト混
合物を舗設した後で、一粉型ポリマーセメント組成物1
00重量部に対して、水20〜60重量部、好ましくは
25〜50重量部を移動式ミキサなどで混合して浸透用
セメントミルク(グラウト)を調製する。舗設した開粒
度アスファルト混合物が50℃以下になった後に、この
浸透用セメントミルク(グラウト)を散布し、ゴムレー
キで広げて振動ローラで開粒度アスファルト混合物に浸
透させることにより行われる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>普通ポルトランドセメント100重量部に
対して、ブレーン値が3000cm2/gの石灰石微粉
末35重量部と、珪砂7号40重量部を万能混合機の容
器に採取し、撹拌羽根を取付けて、最初低速で10分間
撹拌した。続いてこの容器に再乳化性粉体樹脂としてア
クリル共重合樹脂粉末4重量部と、粉体添加物として高
性能減水剤(メラミン樹脂スルフォン酸縮合物塩)0.
9重量部と、粉末消泡剤(非イオン系)0.1重量部と
増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)0.02重量部
を入れ、撹拌速度を高速にして20分間撹拌混合し、半
たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物を調製
し、これを密閉容器に入れた。
【0020】<実施例2>珪砂7号を40重量部採取す
る代わりに、平均粒径が0.3mmの石灰石骨材を20
重量部と、珪砂7号を20重量部採取した以外は実施例
1と同様にして半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメン
ト組成物を調製し、これを密閉容器に入れた。 <実施例3>石灰石微粉末を35重量部採取する代わり
に、フライアッシュを35重量部を、また珪砂7号を4
0重量部採取する代わりに、0.3mmの以下に粉砕し
た石灰石骨材を40重量部それぞれ採取した以外は実施
例1と同様にして半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメ
ント組成物を調製し、これを密閉容器に入れた。
【0021】<実施例4>石灰石微粉末を35重量部採
取する代わりに、ブレーン値が3000cm2/gの高
炉スラグを35重量部採取した以外は実施例1と同様に
して半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成物を
調製し、これを密閉容器に入れた。 <比較例1>石灰石微粉末を35重量部採取する代わり
に、フライアッシュを35重量部採取した以外は実施例
1と同様にして半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメン
ト組成物を調製し、これを密閉容器に入れた。 <比較例2>実施例1と同じ普通ポルトランドセメント
100重量部に対して、珪砂7号29重量部を実施例1
と同様に容器に採取し撹拌した後、続いてこの容器に再
乳化性粉体樹脂としてアクリル共重合樹脂粉末3重量部
と、粉体添加物として実施例1とそれぞれ同一の減水剤
0.5重量部と消泡剤0.1重量部を入れ、撹拌速度を
高速にして20分間撹拌混合し、半たわみ性舗装用一粉
型ポリマーセメント組成物を調製し、これを密閉容器に
入れた。
【0022】<実施例5>再乳化性粉体樹脂を4重量部
採取する代わりに、平均粒径が41μmの粉末アスファ
ルトを4重量部採取し、増粘剤を0.02重量部から
0.04重量部に増量し、更に消石灰を0.3重量部加
えた以外は実施例1と同様にして半たわみ性舗装用一粉
型ポリマーセメント組成物を調製し、これを密閉容器に
入れた。
【0023】<比較例3>消石灰を一切添加しない以外
は実施例5と同様にして半たわみ性舗装用一粉型ポリマ
ーセメント組成物を調製し、これを密閉容器に入れた。 <比較例4>増粘剤の添加量を0.02重量部にした以
外は実施例5と同様にして半たわみ性舗装用一粉型ポリ
マーセメント組成物を調製し、これを密閉容器に入れ
た。実施例1〜5及び比較例1〜4の配合内容を表1に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】<グラウトの混練>実施例1〜5及び比較
例1,3,4の半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメン
ト組成物100重量部をそれぞれ水45重量部に投入
し、また比較例2の半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセ
メント組成物100重量部を水50重量部に投入し、各
別にミキサで均一に混合して9種類の浸透用セメントミ
ルク(グラウト)を調製した。
【0026】<グラウト及び供試体の物性> (a) 流動性(フロー)試験 土木学会規準「プレパックドコンクリートの注入モルタ
ルの流動性試験方法(P漏斗による方法)(JSCE−
F521−1994)」に準じて試験した。即ち、実施
例1〜5及び比較例1〜4の一粉型ポリマーセメント組
成物から得られた混練直後のグラウトと、混練してから
20分経過した後のグラウトを鉛直に支持された漏斗内
に注ぎ、それぞれのフロー値を求め、その流動性を評価
した。その結果を表2に示す。 (b) 樹脂等の分離状況 実施例1,5及び比較例3,4について、混練直後のグ
ラウトをビーカーに入れ、180分経過後に再乳化性粉
体樹脂及び粉末アスファルトがグラウトから分離する状
況を目視により観察した。その結果を表2に示す。
【0027】(c) 強度試験及び乾燥収縮率の測定 「セメントの物理試験方法(JIS R 5201−19
92)」に準じて強度試験した。即ち、実施例1〜5及
び比較例1〜4の一粉型ポリマーセメント組成物から得
られた混練直後のグラウトから断面40mm平方、長さ
160mmの角柱の供試体を作製した。供試体の材令が
24時間、3日、7日及び28日の時点で、各供試体を
3個ずつ曲げ強さと圧縮強さについて測定した。また実
施例1〜4及び比較例1,2について、モルタル及びコ
ンクリートの長さ変化試験方法(JIS A 1129−
1993)に準じて供試体の乾燥期間が4週間になった
ときの乾燥開始時からの寸法変化により乾燥収縮率を求
めた。その平均値を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から次のことが判明した。比較例2に
おけるセメントの一部を石灰石微粉末で置換した実施例
1では、比較例2と比べて流動性が向上し、所望のフロ
ーを得るための水粉体比を50%から45%に低下する
ことができ、これにより乾燥収縮を低減できた。またグ
ラウトの色が白くなるため、着色する場合に発色性が良
好となった。実施例1における珪砂7号の半量を石灰石
骨材に置換した実施例2では、実施例1と比べてフロー
及び強度発現性が若干向上した。比較例1における珪砂
を全量石灰石骨材に置換してフライアッシュを使用した
実施例3では、比較例1に比べてフロー及び初期強度が
若干向上した。
【0030】比較例1のフライアッシュの代わりに高炉
スラグを用いた実施例4では、比較例1と比べて材令2
8日の強度が若干向上した。増粘剤の割合が少ない比較
例4では、比重が軽い粉末アスファルトがグラウト表面
に浮くため、樹脂等の分離が見られ、かつ硬化遅延を引
き起こした。これに対して増粘剤を増量し、消石灰を添
加した実施例5では、樹脂等の分離は見られず、実施例
1と同等の強度発現性を示した。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、施
工現場で迅速に調合でき、セメントに超速硬セメント或
いは急硬化材を添加した普通又は早強ポルトランドセメ
ントを用いた場合でも、浸透用セメントミルクの施工上
の悪影響を最小限に留めることができる。また作業員が
未熟であっても、調合ミスを起こすことがない。また流
動性に優れ、水粉体比を低下させて乾燥収縮を小さくで
き、かつ強度発現性に優れる。更に浸透用セメントミル
クが白色化するため、着色する場合に発色性が良好とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 111:50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと石灰石微粉末と珪砂と再乳化
    性粉体樹脂と粉体添加物が所定の割合で均一に混合して
    調製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組
    成物。
  2. 【請求項2】 セメントと石灰石微粉末と石灰石骨材と
    珪砂と再乳化性粉体樹脂と粉体添加物が所定の割合で均
    一に混合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマ
    ーセメント組成物。
  3. 【請求項3】 セメントとフライアッシュと石灰石骨材
    と再乳化性粉体樹脂と粉体添加物が所定の割合で均一に
    混合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセ
    メント組成物。
  4. 【請求項4】 セメントと高炉スラグと珪砂と再乳化性
    粉体樹脂と粉体添加物が所定の割合で均一に混合して調
    製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセメント組成
    物。
  5. 【請求項5】 セメントと石灰石微粉末と珪砂と粉末ア
    スファルトと消石灰と粉体添加物が所定の割合で均一に
    混合して調製された半たわみ性舗装用一粉型ポリマーセ
    メント組成物。
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