JPH10133U - 磁気ヘッド装置 - Google Patents
磁気ヘッド装置Info
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- JPH10133U JPH10133U JP1072597U JP1072597U JPH10133U JP H10133 U JPH10133 U JP H10133U JP 1072597 U JP1072597 U JP 1072597U JP 1072597 U JP1072597 U JP 1072597U JP H10133 U JPH10133 U JP H10133U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 導入側で磁気テープがカールすることによる
消去用磁気ヘッドの消去効率の低下を防止する。 【構成】 磁気テープ導入側51に消去ヘッド12と、
磁気テープ導出側49に録再ヘッド10とが組み込まれ
た台座14上で、磁気テープ導入側テープガイド46及
び磁気テープ導出側テープガイド44が立設し、導出側
テープガイド44は、テープ案内面48の他側縁に磁気
テープ28を規制面53に押圧する調整面57aが設け
られている。導入側テープガイド46は、テープ案内面
50の他側縁に磁気テープ28を規制面53が設けられ
るが、前記調整面が設けられていない。そのため導入側
でのテープカールを防止でき、消去用磁気ヘッド12に
よる消去効率を高くできる。
消去用磁気ヘッドの消去効率の低下を防止する。 【構成】 磁気テープ導入側51に消去ヘッド12と、
磁気テープ導出側49に録再ヘッド10とが組み込まれ
た台座14上で、磁気テープ導入側テープガイド46及
び磁気テープ導出側テープガイド44が立設し、導出側
テープガイド44は、テープ案内面48の他側縁に磁気
テープ28を規制面53に押圧する調整面57aが設け
られている。導入側テープガイド46は、テープ案内面
50の他側縁に磁気テープ28を規制面53が設けられ
るが、前記調整面が設けられていない。そのため導入側
でのテープカールを防止でき、消去用磁気ヘッド12に
よる消去効率を高くできる。
Description
【0001】
本考案は、情報の記録及び又は再生等を行う磁気記録装置に装填されて、磁気 テープと摺接して磁気テープに記録又は記録された情報の読み取りを行う磁気ヘ ッド装置に関するもので、特に適正な磁気テープの走行を保つことのできるもの である。
【0002】
カセットテープレコーダやカーステレオ等の磁気記録装置においては、操作の 簡便さのためにカセットテープを装着したまま正方向、逆方向に記録又は再生を 行うことのできるオートリバースタイプの磁気記録装置が普及するに至っている 。
【0003】 しかしながら、オートリバースタイプの磁気記録装置において、一方向と同一 の機能を正逆両方向に持たせようとすれば磁気ヘッドの数が2倍になり、種々の 部品数が倍化するばかりでなく、ヘッド部が巨大化して大きなスペースを要する ようになってしまう。
【0004】 そこで、一つの台座に一つ以上の磁気ヘッドを組み込んだ磁気ヘッド装置が使 用される。そうした磁気ヘッド装置を使用すれば、台座ごと回転させたり、もし くは上下に又は左右に動かすことによって正逆両方向に同一の機能を働かすこと が可能となる。
【0005】 従来の磁気ヘッドの一例として図7ないし図9に示されるものが知られている 。
【0006】 この図7ないし図9において、録音再生用磁気ヘッド10と消去用磁気ヘッド 12はそれぞれ台座14に組み込まれている。
【0007】 尚、録音再生用磁気ヘッド10と消去用磁気ヘッド12の一体化されたユニッ トを台座14に組み込んだ磁気ヘッド装置もある。
【0008】 録音再生用磁気ヘッド10及び消去用磁気ヘッド12にはコイル(図示せず) の巻回された磁気コア60,60,68が設けられ、各磁気コア60,60,6 8に形成された磁気ギャップ62,66はそれぞれの磁気ヘッドの摺動面16及 び摺動面18に臨んでいる。
【0009】 摺動面16,18は、それぞれの磁気コア60,60,68が磁気テープ28 と確実に接触するように湾曲している。
【0010】 さらに、台座14には、磁気テープ28の走行方向中の両側部の一方の側部に 消去用磁気ヘッド12に隣接して磁気テープ導入側テープガイド22が設けられ 、他方の側部には録音再生用磁気ヘッド10に隣接して磁気テープ導出側テープ ガイド20が設けられている。
【0011】 導入側テープガイド22及び導出側テープガイド20は略平板凹字状で、凹ん だ部分のテープ案内面24,26を磁気テープ28が摺動走行する。テープ案内 面24,26は、磁気テープ28の走行方向に対して曲率中心38,40を円心 として緩やかに湾曲している。
【0012】 磁気テープ28は、この磁気ヘッド装置34を装填した磁気記録装置内の所定 の走行路を走行し、磁気記録装置に設けられたガイドポール32でガイドされた 後、磁気テープ導入側テープガイド22のテープ案内面26を摺動し、消去用磁 気ヘッド12の摺動面18と録音再生用磁気ヘッド10の摺動面16を順に摺動 し、導出側テープガイド20の案内面24を摺動し、磁気記録装置に設けられた ガイドポール30にガイドされて再び磁気記録装置内の所定の走行路を走行する 。
【0013】 尚、磁気テープ28への記録又は再生時には、磁気テープ28を収容するカセ ットテープに設けられているフェルト製のパッド72が磁気テープ28を磁気ヘ ッド10,12に押圧する。
【0014】 磁気テープ28が消去用磁気ヘッド12の摺動面18に位置する磁気ギャップ 66を摺動する際に磁気テープ28に記録されている磁気記録が消去されたり、 また磁気テープ28が録音再生用磁気ヘッド10の摺動面16に位置する磁気ギ ャップ62を摺動する際に、磁気テープ28に記録したり、もしくは磁気テープ 28に記録されている磁気記録を読み取る。
【0015】 また、導出側テープガイド20のテープ案内面24の一側縁には、テープ案内 面24に対して直角に第1規制面53が形成され、テープ案内面24の他側縁に は、テープ案内面24に対して傾斜して連続する調整面57と、テープ案内面2 4に対して直角に向いて調整面57に連続する第2規制面55が形成されている 。そして前記第1規制面53と第2規制面55との間の間隔は、磁気テープ28 の幅よりも若干広い間隔に形成されている。
【0016】 同様に、導入側テープガイド22のテープ案内面26の一方には、テープ案内 面26に対して直角に第1規制面53が形成され、テープ案内面26の他方には 、テープ案内面26に対して傾斜して連続する調整面57と、テープ案内面26 に対して直角に向いて調整面57に連続する第2規制面55が形成されている。 そして前記第1規制面53と第2規制面55との間の間隔は、磁気テープ28の 幅よりも若干広い間隔に形成されている。
【0017】 図10は再生時において、パッド72(磁気テープを収容するカセットテープ に設けられている)が磁気テープ28を磁気ヘッド10の摺動面16に押しつけ るとともに、磁気テープ28が導出側テープガイド20のテープ案内面24と調 整面57に沿って変形した状態を示している。
【0018】 録音又は再生時には、磁気テープ28の幅方向側縁部のうち、一端は導出側テ ープガイド20の調整面57に摺接して他端方向への片寄せ力を受け、その結果 、磁気テープ28の他端は第1規制面53に当接し、磁気テープ28は第1規制 面53で走行位置を規制されつつ移動する。同様に導入側テープガイド22にお いても、磁気テープ28の一端が調整面57に摺接して片寄せ力を受け、磁気テ ープ28の他端が第1規制面に当接する。よって走行位置が規制された状態の磁 気テープ28が録音再生用磁気ヘッド10の磁気コア60に正規の走行位置と角 度で接触するのでアジマス損失の発生を抑制しつつ再生することができる。
【0019】 この状態から頭出し操作を行うと、パッド72が磁気テープ28を録音再生用 磁気ヘッド10の摺動面16に押しつける力が少なくなるか、なくなった状態で 早送り又は巻き戻し操作等で高速走行されるので、磁気テープ28は図11に示 すように導出側テープガイド20のテープ案内面24から離れるようになる。こ の状態においては、磁気テープ28は第1規制面53と第2規制面55との間で 移動するが、第2規制面55はテープ案内面24に対して直角に形成された面で あって第1規制面53と第2規制面55との間の間隔は磁気テープ28の幅より わずかに広いだけなので、この規制面55の間で磁気テープ28は幅方向に移動 する自由度が小さくなるか、なくなるために、頭出し操作時において磁気テープ 28の走行を安定化できる。
【0020】
上記のように、導出側テープガイド20と導入側テープガイド22の双方を設 けることにより、録音又は再生時および頭出し動作の双方において、磁気テープ 28が安定した状態で走行し、アジマス損失の発生を抑制できることを目指して いる。
【0021】 しかし、前記従来例では、導出側テープガイド20と導入側テープガイド22 とが、共に調整面57、57を有する同じ構造になっているため、記録動作中に おいて、導入側テープガイド22の影響が消去用磁気ヘッド12に直接的に及び やすくなり、消去用磁気ヘッド12での消去の効率が悪くなるという欠点を生じ ている。
【0022】 その原因は、まず導入側テープガイド22の直近に消去用ヘッド12のギャッ プ66,66が位置し、導入側テープガイド22と消去用磁気ヘッド12のギャ ップ66,66との距離が短い点にある。さらに、図9から明らかなように、カ セットテープに設けられているパッド72は、録音再生用磁気ヘッド10側に寄 った位置に設けられているため、録音再生用磁気ヘッド10の磁気ギャップ62 に対しては磁気テープ28が強く押圧されるが、消去用磁気ヘッド12の磁気ギ ャップ66,66に対する磁気テープ28の押圧力は比較的弱くなっている点に ある。
【0023】 上記した構造では、導出側テープガイド20と導入側テープガイド22の双方 において、調整面57,57により磁気テープ28に片寄り力が与えられて、磁 気テープ28の他端が第1規制面53に押し付けられている。そのため図10に 示すように、各テープガイド20,22の部分において、走行中の磁気テープ2 8に、テープ案内面24,26側が凸となる方向へカールが発生する。
【0024】 前記のように、録音再生用磁気ヘッド10においては、その磁気ギャップ62 と導出側テープガイド20との距離が長く、また磁気ギャップ62に対して磁気 テープ28がパッド72により比較的強く押し付けられているため、導出側テー プガイド20の部分で発生する磁気テープ28のカールが録音再生用磁気ヘッド 10に対して与える影響は少ない。これに対し、消去用磁気ヘッド12に関して は、その磁気ギャップ66,66が導入側テープガイド22に接近しており、且 つパッド72による磁気テープ28の押え力も小さいため、導入側テープガイド 22での磁気テープ28のカールが消去用磁気ヘッド12の磁気ギャップ66、 66に影響を与えやすく、磁気テープ28に記録された信号、特に調整面57側 のチャンネルに記録された信号を消す消去効率が悪くなるという問題があった。
【0025】 本考案は、前記課題を解決するためになされたもので、磁気テープがカールす ることによる磁気的特性の劣化を防止することのできる磁気ヘッド装置を提供す ることを目的とするものである。
【0026】
本考案の磁気ヘッド装置は、磁気テープの導入側から導出側にかけて、導入側 テープガイド、消去用磁気ヘッド、録音再生用磁気ヘッド、および導出側テープ ガイドが順に配置され、導入側テープガイドと消去用磁気ヘッドの磁気ギャップ との距離が、録音再生用磁気ヘッドの磁気ギャップと導出側テープガイドとの距 離よりも短く設定されており、 導出側テープガイドは、走行する磁気テープの記録面に対面するテープ案内面 と、テープ案内面から立上がって磁気テープの縁部に対向する規制面と、走行す る磁気テープに対して前記縁部が前記規制面に当たる片寄り力を与える調整面と が設けられ、 導入側テープガイドは、磁気テープの記録面に対面するテープ案内面と、前記 案内面から磁気テープの両縁部に対向して立上がる第1の規制面と第2の規制面 が設けられ、この導入側テープガイドでは、走行する磁気テープに対して片寄り 力を与える調整面が設けられていないことを特徴とするものである。
【0027】 上記において、導出側テープガイドの規制面と、導入側テープガイドの一方の 規制面とが、磁気テープの走行方向と平行なほぼ同一面上に位置していることが 好ましい。
【0028】
本考案では、録音再生用磁気ヘッドと消去用磁気ヘッドとが設けられている磁 気ヘッド装置において、導入側テープガイドと導出側テープガイドとが設けられ ている。そして、導入側テープガイドと消去用磁気ヘッドの磁気ギャップとの距 離が、録音再生用磁気ヘッドの磁気ギャップと導出側テープガイドとの距離より も短くなっている。
【0029】 導入側テープガイドには、磁気テープの端部を規制面に当てるための片寄り力 を発生する調整面が設けられているため、録音または再生時などでは、導出側に おいて磁気テープが前記規制面に当接した状態で走行し、また導入側においても 磁気テープが第1と第2の規制面に規制されて走行するため、磁気テープと磁気 ギャップとのアジマス角度を安定して設定できる。また、頭出し動作においても 、導入側と導出側の双方において両テープガイドで磁気テープが拘束されて走行 するため、アジマス角度の大きなずれが生じにくい。
【0030】 前記消去用磁気ヘッドの磁気ギャップに接近している導入側テープガイドでは 、走行するテープの案内機能を有しているが、このテープガイドには磁気テープ に片寄り力を発生させる調整面が設けられていないため、導入側において磁気テ ープにカールが発生しにくくなり、消去用磁気ヘッドの磁気ギャップに対する磁 気テープの記録面の接触が良好になり、消去効率が高くなる。
【0031】 特に図1に示すように、導出側テープガイド44の規制面53と、導入側テー プガイド46の規制面53とが、磁気テープの走行方向に平行なほぼ同一面上に 位置していると、導出側テープガイド44において調整面57aにより磁気テー プに片寄り力が与えられたときの走行基準面と、導入側テープガイド46での磁 気テープの走行基準面とが、共にほぼ同一面上に位置する規制面53および規制 面53で決められることになるため、導入側テープガイド46に調整面が設けら れていなくても、磁気テープの案内精度を高くできる。
【0032】
本考案の一実施例を図1〜図3を参照して以下に説明する。尚、図1〜図3に 示す磁気ヘッド装置はオートリバースタイプのものであるが、本考案はこのタイ プに限定されるものではなく、台座や取付板又は取付枠等に少なくとも一つ以上 の磁気ヘッドと複数のテープガイドの設けられる磁気ヘッド装置であれば適用で きるものである。
【0033】 図1〜図3に示す磁気ヘッド装置42は、録音再生用磁気ヘッド10と消去用 磁気ヘッド12がそれぞれ台座14に組み込まれて概略構成されている。
【0034】 尚、録音再生用磁気ヘッド10と消去用磁気ヘッド12の一体化されたユニッ トを台座14に組み込んでもよい。
【0035】 録音再生用磁気ヘッド10にはコイル(図示せず)の巻回された磁気コア60 、60がシールド板64を介して設けられ、磁気コア60の先端に形成された磁 気ギャップ62が録音再生用磁気ヘッド10の摺動面16上に臨んでいる。
【0036】 同様に、消去用磁気ヘッド12にもコイル(図示せず)の巻回された磁気コア 68の先端に形成された磁気ギャップ66が摺動面18上に臨んでいる。
【0037】 摺動面16は磁気テープ28が磁気コア60に確実に接触するように湾曲し、 摺動面18も磁気テープ28が磁気コア68に確実に接触するように湾曲してい る。
【0038】 録音再生用磁気ヘッド10の大きさ、その摺動面16の曲率及び磁気ギャップ の位置と、消去用磁気ヘッド12の大きさ、摺動面18の曲率及び磁気ギャップ の位置は、それぞれの磁気ヘッドの機能を効果的に作用させるために、各々異な っている。
【0039】 台座14は前面輪郭がほぼ円形上を為していて、その中心を通り、磁気テープ の走行方向に垂直な直線B−B上に、取付孔56,58が形成されている。これ ら取付孔56,58はこの磁気ヘッド装置42を磁気記録装置のシャーシに設け られた回転駆動装置に取付ける際に使用するものであり、台座14はその中心を 軸に180゜ずつ磁気テープ28の走行方向にほぼ平行な面に沿って回転する。
【0040】 さらに、台座14には、磁気テープ28の走行方向中の一方の側部であるテー プ導出部49に録音再生用磁気ヘッド10に隣接して磁気テープ導出側テープガ イド44が設けられ、他方の側部であるテープ導入部51には消去用磁気ヘッド 12に隣接して磁気テープ導入側テープガイド46が立設している。
【0041】 導出側テープガイド44及び導入側テープガイド46は略平板凹字状で、凹ん だ部分のテープ案内面48,50を磁気テープ28が摺動走行する。
【0042】 テープ案内面48,50は磁気テープ28の走行方向に対して緩やかに湾曲し ている。
【0043】 磁気テープ28が消去用磁気ヘッド12の摺動面18に位置する磁気ギャップ 66を摺動する際に磁気テープ28に記録されている磁気記録が消去されたり、 また磁気テープ28が録音再生用磁気ヘッド10の摺動面16に位置する磁気ギ ャップ62を摺動する際に磁気テープ28に記録したり、もしくは磁気テープ2 8に記録されている磁気記録が再生される。
【0044】 また、導出側テープガイド44は、図2に示すように、基体部59と、基体部 59の肩部に形成される側片45,47で構成され、一方の側片45においてテ ープ案内面48側の部分にはテープ案内面48に対して直角に第1規制面53が 形成され、他方の側片47においてテープ案内面48側の部分には、テープ案内 面48に対して傾斜して連続する調整面57aとテープ案内面48に対して直角 に向いて調整面57aに連続する第2規制面55が形成されている。
【0045】 前記第1規制面53と第2規制面55との間の間隔は、磁気テープ28の幅よ りも若干広い間隔に形成されている。
【0046】 次に、導入側テープガイド46については、図3に示すように、基体部59と 、基体部59の肩部に形成される側片45,47で構成され、一方の側片45に おいてテープ案内面50側の部分にはテープ案内面50に対して直角に第1規制 面53が形成されている。ただし、本明細書では、従来と同様に、他方の側片4 7においてテープ案内面50側の部分に、テープ案内面50に対して傾斜して連 続する調整面57bとテープ案内面48に対して直角に向いて調整面57bに連 続する第2規制面55が形成されているものを比較例として想定している。
【0047】 また、前記第1規制面53と第2規制面55との間の間隔は、磁気テープ28 の幅よりも若干広い間隔に形成されている。
【0048】 本考案では、導入側テープガイド46での前記調整面57bで磁気テープ28 に作用する片寄り力の大きさが導出側テープガイド44での前記調整面57aで 与えられる片寄り力よりも小さくするように構成している。つまり、テープ案内 面48、50に対する調整面57a,57bの傾斜角をθa、θbとすると、θ a>θb,0゜<θa≦90゜,0゜≦θb≦90゜の関係を満たすように構成 し、その最も効果のある構造として本考案ではθb=0°に設定した。
【0049】 このような構成を採用することにより、導入側テープガイド46において、磁 気テープ28にカールが発生することを抑制できるようになる。その結果、導入 側テープガイド46と消去用磁気ヘッド12のギャップ66との距離が短いこと による影響、および消去用磁気ヘッド12に対するパッドの押圧力が弱いことに よる影響をほとんど受けず、磁気テープ28に記録された信号を消す消去効率が 劣化することがなくなる。
【0050】 しかも、導出側テープガイド44の調整面57aにて磁気テープ28に片寄り 力が与えられ、また導入側テープガイド46においても、第1規制面53と第2 規制面55との間で磁気テープ28を規制できるため、記録再生時または頭出し 動作において、アジマス損失の発生を抑制することができる。
【0051】 特に本考案では、θb=0゜であり、導入側テープガイド46の調整面が実質 的に押圧する作用をしていない状態であるから、消去用磁気ヘッド12の摺動面 18上で、磁気テープ28がカールすることがほとんどなくなり、摺動面18と 磁気テープ28との密着性が向上し、消去効率を最大限に発揮することが可能と なる。
【0052】 (実験例) 下記条件で本実施例および比較例の磁気ヘッド装置を製造し、その磁気ヘッド 装置において、アジマス角度をずらした時の消去率を測定した。すなわち、走行 する磁気テープ28に対して磁気ヘッド装置の回転位置を変化させ、磁気テープ に対する磁気ヘッドのアジマス角度をずらして、それぞれにおいて磁気テープ2 8に記録されている信号を消去用磁気ヘッドで消去したときの消去率を測定した 。
【0053】 本考案の実施例では、 θa=60゜ θb= 0゜ また、比較例として、下記条件とした。
【0054】 θa=60゜ θb=60゜ 本実施例の磁気ヘッド装置の測定結果を図4に、比較例の磁気ヘッド装置の測 定結果を図5に示す。尚、図4,図5中□は正方向、+は逆方向の消去率を示す 。
【0055】 図5から、比較例の磁気ヘッド装置では、正方向(磁気テープのフォワード走 行)、逆方向(磁気テープのリバース走行)ともに、消去率を保つことのできる アジマス角度の変化量の範囲(追従性)が0.6゜程度しかないことが分かる。
【0056】 しかしながら、図4に示すように、本実施例の磁気ヘッド装置では、正方向( フォワード方向)では1.5゜程度、逆方向(リバース方向)では2.4゜以上 の追従性が得られていることが分かる。これは、本実施例では、導入側テープガ イド46による磁気テープ28のカール量が少なく、比較例に比べて、磁気テー プと消去用磁気ヘッド12の磁気ギャップ66,66との接触性が良好であるこ とを示している。
【0057】 尚、本実施例において図6のように、導入側テープガイド46の第1規制面5 3、第2規制面55、導出側テープガイド44の第1規制面53、第2規制面5 5のうちの少なくとも一つを、磁気テープ28の走行方向に対して従来例より長 く構成することにより、前述したアジマスの追従性をさらに向上させることがで きる。
【0058】 さらに、図6において磁気ヘッドのアジマス等を調整する位置決め基準部80 、80を設けてもよい。アジマスが正確に設定されれば、さらに消去効率等の磁 気的特性を向上させることができる。
【0059】 尚、本実施例においては、回転リバースタイプのアジマス無調整ヘッドについ て記載したが、これに限るものではない。本考案のポイントである、テープガイ ドの直近にギャップのある磁気ヘッドにおける、テープカールの影響を受けやす いことによる磁気的特性の劣化のある磁気ヘッド装置に、適宜実施することが可 能である。
【0060】
本考案の磁気ヘッド装置では、導入側テープガイドと、消去用磁気ヘッドの磁 気ギャップとの距離が接近していても、導入側テープガイドによる磁気テープの 変形を防止でき、消去用磁気ヘッドによる消去効率を高くできる。また導出側テ ープガイドには調整面が設けられ、また導入側にもテープガイドが設けられてい るため、磁気テープが安定して走行でき、アジマス角度の変動が生じにくい。
【図1】本考案の磁気ヘッド装置の実施例を示す正面図
【図2】本考案の磁気ヘッド装置の導出側テープガイド
の一実施例を示す図
の一実施例を示す図
【図3】本考案の磁気ヘッド装置の導入側テープガイド
の一実施例を示す図
の一実施例を示す図
【図4】本考案の磁気ヘッド装置の実験例を示すグラフ
【図5】従来の磁気ヘッド装置の実験例を示すグラフ
【図6】本考案の別の実施例を示す正面図
【図7】従来の磁気ヘッド装置の斜視図
【図8】従来の磁気ヘッド装置の正面図
【図9】従来の磁気ヘッド装置の断面図
【図10】従来の磁気ヘッド装置のテープガイドを示す
図
図
【図11】従来の磁気ヘッド装置のテープガイドを示す
図
図
10 録音再生用磁気ヘッド 12 消去用磁気ヘッド 14 台座 44 磁気テープ導出側テープガイド 46 磁気テープ導入側テープガイド 48 テープ案内面 50 テープ案内面 53 第1規制面 55 第2規制面 57a 調整面
Claims (2)
- 【請求項1】 磁気テープの導入側から導出側にかけ
て、導入側テープガイド、消去用磁気ヘッド、録音再生
用磁気ヘッド、および導出側テープガイドが順に配置さ
れ、導入側テープガイドと消去用磁気ヘッドの磁気ギャ
ップとの距離が、録音再生用磁気ヘッドの磁気ギャップ
と導出側テープガイドとの距離よりも短く設定されてお
り、 導出側テープガイドは、走行する磁気テープの記録面に
対面するテープ案内面と、テープ案内面から立上がって
磁気テープの縁部に対向する規制面と、走行する磁気テ
ープに対して前記縁部が前記規制面に当たる片寄り力を
与える調整面とが設けられ、 導入側テープガイドは、磁気テープの記録面に対面する
テープ案内面と、前記案内面から磁気テープの両縁部に
対向して立上がる第1の規制面と第2の規制面が設けら
れ、この導入側テープガイドでは、走行する磁気テープ
に対して片寄り力を与える調整面が設けられていないこ
とを特徴とする磁気ヘッド装置。 - 【請求項2】 導出側テープガイドの規制面と、導入側
テープガイドの一方の規制面とが、磁気テープの走行方
向と平行なほぼ同一面上に位置している請求項1記載の
磁気ヘッド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997010725U JP2605524Y2 (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 磁気ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997010725U JP2605524Y2 (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 磁気ヘッド装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10133U true JPH10133U (ja) | 1998-06-19 |
JP2605524Y2 JP2605524Y2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=11758280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997010725U Expired - Fee Related JP2605524Y2 (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 磁気ヘッド装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2605524Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005293824A (ja) * | 2004-03-11 | 2005-10-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | サーボライタ |
-
1997
- 1997-12-04 JP JP1997010725U patent/JP2605524Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005293824A (ja) * | 2004-03-11 | 2005-10-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | サーボライタ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2605524Y2 (ja) | 2000-07-24 |
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