JPH0521687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は磁気記録媒体としての磁気テープに相
対的に摺動して情報の磁気記録又は再生を行なう
磁気ヘツドに関するものである。

［従来の技術］ 従来よりこの種の磁気ヘツドでは磁気テープの
摺動状態いわゆるテープタツチを良好にするため
に磁気ヘツドの磁気テープ摺動面は磁気テープ摺
動方向に沿つてほぼ円弧状に湾曲して形成されて
いる。その湾曲の曲率は磁気テープ摺動方向に直
交するトラツク幅方向すなわち磁気テープの幅方
向に沿つて全体として均一に形成されている。ま
たこの種の磁気ヘツドでは磁気テープ摺動面上に
おける磁気テープの摺動走行位置を所定に規制す
るためのテープガイドが磁気テープ摺動面の両端
又は一方の端に臨むようにして設けられる。この
テープガイドの規制により磁気ヘツドと磁気テー
プのトラツク位置を合わせて磁気テープの摺動走
行を行なわせ情報の記録再生を行なつている。

［考案が解決しようとしている課題］ ところでテープレコーダで磁気テープの長さ方
向に沿う両方向について磁気テープを磁気ヘツド
に摺動走行させて記録再生を行なうテープレコー
ダでは、磁気テープ駆動機構の状態によつては磁
気テープの走行方向により磁気ヘツドに対する磁
気テープの位置、角度が異なり、ずれる場合があ
る。そしてこの場合にテープガイドの磁気テープ
を規制する２本の腕の間隔は磁気テープの幅より
わずかに大きく遊びがあるため、前記の走行方向
による磁気テープの位置、角度のずれが解消され
ず、そのずれによりいわゆるアジマス損失が生
じ、磁気ヘツドの出力の周波数特性が劣化すると
いう問題があつた。

［課題を解決するための手段］ 上述の課題を解決するため本考案によれば、磁
気記録媒体としての磁気テープに相対的に摺動し
て情報の磁気記録又は再生を行なう磁気ヘツドに
おいて、該ヘツドの磁気テープ摺動面は磁気テー
プ摺動方向に沿つて湾曲して形成されており、該
湾曲の曲率が前記摺動面において磁気テープの幅
方向に沿い一方の端に寄るほど大きくなるように
形成された構造を採用した。

［作用］ このような構造によれば磁気テープの摺動走行
時において上記の曲率の違いによる磁気テープの
摺動抵抗、テンシヨンの違いにより磁気ヘツドの
磁気テープ摺動面において磁気テープをその幅方
向に沿つて摺動面の曲率が大きい方の端から小さ
い方の端へ向かつて片寄らせる力が作用する。こ
れにより磁気テープが片寄りテープガイドの片側
の規制部に押し付けられ磁気テープの走行経路が
厳密に所定に規制される。

［実施例］ 以下、添付した図を参照して本考案の実施例の
詳細を説明する。

第１図及び第２図は本考案の実施例による磁気
ヘツドの構造を説明する磁気ヘツドの斜視図及び
磁気テープ摺動状態の斜視図である。

両図に符号１で全体を示す磁気ヘツドの構造に
おいて符号２はケースであり、このケース２の開
口部２ａを形成された図中手前右側の面が磁気テ
ープ６に摺動される磁気テープ摺動面（以下摺動
面と略す）３として構成されている。そしてケー
ス２に対しこの場合４チヤンネルの磁気コア４を
不図示のコイル等の他の磁気ヘツドの構成部材と
共に嵌合し、磁気コア４を開口部２ａを介して摺
動面３に露出させ、樹脂からなる固定材７をケー
ス２に充填して磁気コア４を固定して磁気ヘツド
１が構成される。

また磁気ヘツド１には摺動面３における磁気テ
ープ６の摺動走行の経路を所定に規制するテープ
ガイド５，５が付設される。テープガイド５，５
はそれぞれ磁気テープの走行経路を規制する２本
の腕５ａ，５ｂを有するプレート状に形成されて
おり、摺動面３において第２図中矢印ｃ，ｄで示
す磁気テープ摺動方向の両方向の端に臨むように
してケース２の両側面に固定される。

そして摺動面３上をｃ又はｄ方向に摺動走行す
る磁気テープ６の位置がテープガイド５，５の腕
５ａ，５ｂを介し所定に規制され、磁気テープ６
が磁気コア４のそれぞれに対し所定のトラツク位
置関係で摺動して情報の磁気記録、再生が行なわ
れるようになつている。

ところで本実施例の磁気ヘツド１において摺動
面３は磁気テープ摺動方向のｃ，ｄ方向に沿つて
円弧状ないし山形に湾曲して形成されている。そ
して本考案に関わる点として摺動面３はその湾曲
の曲率が摺動面３において磁気テープ６の幅方
向、即ち磁気コア４のトラツク幅方向の第２図中
矢印ａ，ｂ方向に沿つてａ方向の端に寄るほど大
きくなるように形成されている。

このような摺動面３の形状によれば、磁気テー
プの摺動走行時において摺動面３のａ方向の端の
側よりｂ方向の端の側の方が磁気テープ６の巻付
き角度が大きいため摺動抵抗が大きく、磁気テー
プ６のテンシヨンが大きくなる。そしてこの摺動
抵抗とテンシヨンの違いにより磁気テープ６に対
して第２図中矢印Ｆで示すように磁気テープ６を
その幅方向の一方向であるｂ方向に片寄らせる力
が作用する。そしてこの力により磁気テープ６は
テープガイド５，５のそれぞれの片側の腕５ｂ，
５ｂに押し付けられ、その走行位置を所定に規制
される。ここで上記のように磁気テープ６をｂ方
向に片寄らせる力の作用は磁気テープ摺動方向の
ｃ方向、ｄ方向に拘らず同様に作用するので、磁
気テープ６はその摺動走行方向に拘らずその走行
位置を所定に厳密に規制されることになる。

このようにして本実施例によれば磁気テープの
摺動走行時において磁気テープの駆動機構の状態
により摺動走行方向により磁気テープの走行位置
のずれ、角度のずれが生じようとしても、磁気テ
ープ６がテープガイド５，５の片側の腕５ｂ，５
ｂに押し付けられて走行位置を規制され、位置ず
れ、角度ずれが解消され、アジマス損失の発生を
防ぐことができ、磁気ヘツドの出力特性として良
好な特性が得られる。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、磁気記録媒体としての磁気テープに相対的に
摺動して情報の磁気記録又は再生を行なう磁気ヘ
ツドにおいて、該ヘツドの磁気テープ摺動面は磁
気テープ摺動方向に沿つて湾曲して形成されてお
り、該湾曲の曲率が前記摺動面において磁気テー
プの幅方向に沿い一方の端に寄るほど大きくなる
ように形成された構造を採用したので、磁気テー
プの摺動走行方向に拘らず磁気テープの磁気テー
プ摺動面における摺動走行位置を正確に所定に規
制でき、アジマス損失の発生を防ぎ、磁気ヘツド
の出力特性として良好な出力特性が得られるとい
う優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による磁気ヘツドの構
造を示す斜視図、第２図は同ヘツドの磁気テープ
摺動状態を示す斜視図である。 １……磁気ヘツド、２……ケース、３……磁気
テープ摺動面、４……磁気コア、５……テープガ
イド、６……磁気テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気記録媒体としての磁気テープに相対的に摺
   動して情報の磁気記録又は再生を行なう磁気ヘツ
   ドにおいて、該ヘツドの磁気テープ摺動面は磁気
   テープ摺動方向に沿つて湾曲して形成されてお
   り、該湾曲の曲率が前記摺動面において磁気テー
   プの幅方向に沿い一方の端に寄るほど大きくなる
   ように形成されたことを特徴とする磁気ヘツド。