JPH10133382A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH10133382A
JPH10133382A JP28671196A JP28671196A JPH10133382A JP H10133382 A JPH10133382 A JP H10133382A JP 28671196 A JP28671196 A JP 28671196A JP 28671196 A JP28671196 A JP 28671196A JP H10133382 A JPH10133382 A JP H10133382A
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JP
Japan
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lithographic printing
washing
water
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JP28671196A
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English (en)
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Takahiro Mori
孝博 森
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網点の目開きが良好でかつ耐刷性に優れ、ま
た非画像部にフリンジ状の汚れを与えることなく所望の
画像部が消失でき、中間調部分の消去性に優れる平版印
刷版用支持体の製造方法の提供。 【解決手段】 アルミニウム支持体をアルカリエッチ
ング処理した後、酸性水溶液中で化学エッチングを行
い、第1の水洗を行った後に酸性電解液中で電解粗面化
処理を行い、更に第2の水洗を行う平版印刷版用支持体
の製造方法において、第1及び第2の水洗水中に含まれ
る1価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜1
00ppmの範囲に調整することアルミニウム支持体
を酸性電解液中で電解粗面化処理を行い、アルカリで表
面を溶解処理し、水洗を行った後、酸性水溶液で中和を
行う支持体の製造方法において、水洗水中に含まれる1
価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100
ppmの範囲に調整することを特徴とする平版印刷版用
支持体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体の製造方法に関し、詳しくは第1に網点の目の開きが
良好でかつ耐刷性に優れ、第2に消去性に優れる平版印
刷版用支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版に使用されるアルミ
ニウム支持体は、アルミニウム板に機械的粗面化や電解
粗面化或いは両者を組み合わせた粗面化処理を施した
後、酸又はアルカリなどの水溶液によりエッチング及び
中和し、更に陽極酸化処理を施した後、所望により親水
化処理を施すことにより製造される。更にこのアルミニ
ウム支持体上に感光層を設けることにより感光性平版印
刷版が製造される。平版印刷版は、通常、像露光、現
像、修正、ガム引き工程を経て平版印刷版とされ、これ
を印刷機に取り付けて印刷する。
【0003】平版印刷版の問題として、第1に網点の目
開き及び耐刷性の問題がある。アルミニウム支持体をア
ルカリエッチング処理した後、酸性水溶液中で化学エッ
チングを行い、第1の水洗を行った後に酸性電解液中で
電解粗面化処理を行い、更に第2の水洗を行う平版印刷
版用支持体の製造方法の場合、従来は、この水洗工程に
おいて、水洗水中の1価の酸及び/又はナトリウムイオ
ンの濃度は特に調整されていなかった。また、アルミニ
ウム支持体と水洗槽との電位差もなんらコントロールさ
れていなかった。このような従来の製造方法では、印刷
時に印刷版の網点のドット間の砂目部分へのインキ汚れ
を解消することができず、印刷条件によっては網点が部
分的につぶれた状態、即ち網点の目の開きの悪い状態と
なることを防止することはできなかった。また更に、網
点の目の開きと耐刷性との両立を成し得ることはできな
かった。
【0004】また、第2に消去性の問題がある。平版印
刷版は、通常、像露光、現像が行われるが、必然的に生
ずる不必要な画像や削除訂正が必要な画像部が生じるこ
とがあって、修正することが必要になる。このような平
版印刷版の不要な画線部を除去するために特開昭54−
89806号や特公平5−2231号に記載の修正剤で
消去作業を行うことが知られているが、非画像部でのフ
リンジ状の汚れの改良がいまだ不十分である上、中間調
部分の消去性に難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、第1に網点の目開きが良好でか
つ耐刷性に優れる平版印刷版用支持体の製造方法の提供
であり、第2に非画像部にフリンジ状の汚れを与えるこ
となく所望の画像部が消失でき、また、中間調部分の消
去性に優れる平版印刷版用支持体の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は下記
手段により解決される。
【0007】第1の問題に対しては アルミニウム支持体をアルカリエッチング処理した
後、酸性水溶液中で化学エッチングを行い、第1の水洗
を行った後に酸性電解液中で電解粗面化処理を行い、更
に第2の水洗を行う平版印刷版用支持体の製造方法にお
いて、第1及び第2の水洗水中に含まれる1価の酸及び
/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100ppmの範
囲に調整することを特徴とする平版印刷版用支持体の製
造方法。
【0008】 第1及び/又は第2の水洗を複数回に
分けて行い、それぞれの最終回の水洗水中に含まれる1
価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100
ppmの範囲に調整することを特徴とする上記項記載
の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0009】 アルミニウム支持体をアルカリエッチ
ング処理した後、酸性水溶液中で化学エッチングを行
い、第1の水洗を行った後に酸性電解液中で電解粗面化
処理を行い、更に第2の水洗を行う平版印刷版用支持体
の製造方法において、第1及び第2の水洗時のアルミニ
ウム支持体と水洗槽との電位差の絶対値が2V以下とな
るよう調整することを特徴とする平版印刷版用支持体の
製造方法。
【0010】 第1及び第2の水洗時のアルミニウム
支持体と水洗槽との電位差の絶対値が2V以下となるよ
う調整することを特徴とする上記項又は項記載の平
版印刷版用支持体の製造方法。
【0011】第2の問題に対しては アルミニウム支持体をアルカリエッチング処理した
後、酸性水溶液中で化学エッチングを行い、次いで酸性
電解液中で電解粗面化処理を行い、アルカリで表面を溶
解処理し、水洗を行った後、酸性水溶液で中和を行う平
版印刷版用支持体の製造方法において、水洗水中に含ま
れる1価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜
100ppmの範囲に調整することを特徴とする平版印
刷版用支持体の製造方法。
【0012】 水洗を複数回に分けて行い、最終回の
水洗水中に含まれる1価の酸及び/又はナトリウムイオ
ンの濃度を0〜100ppmの範囲に調整することを特
徴とする上記項記載の平版印刷版用支持体の製造方
法。
【0013】以下、本発明について具体的に説明する。
【0014】第1の問題に対して、本発明者らはさまざ
まな検討を行った結果、本発明により上記問題が解消さ
れることを見いだした。
【0015】1価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃
度を調整する方法としては、水洗水を更新する頻度や量
などを変えたり、アルミニウム支持体の処理量に応じて
未使用の水洗水を一定量補充して調整する方法や電解液
中にこれらのイオンを添加する方法が挙げられる。好ま
しい方法としては、1価の酸やナトリウムイオンは水洗
以前の工程でアルミニウム板に付着して水洗水に持ち込
まれるため、未使用の脱イオン水を補給し、補給した量
に見合った水洗水を廃出することにより水洗水中の1価
の酸のイオンやナトリウムイオン濃度を一定に保つこと
ができる。水洗水中にイオンを添加する場合は、塩化ナ
トリウムや硝酸ナトリウムなどの塩のかたちで添加され
るが、特に塩化ナトリウムが適している。
【0016】水洗水中に含有する1価の酸及び/又はナ
トリウムイオンの濃度は0〜100ppm、より好まし
くは0〜500ppmである。
【0017】水洗時のアルミニウム支持体と水洗槽との
電位差の絶対値が2V以下となるよう調整する方法とし
ては、水洗槽に絶縁板を接続し、アースする方法が挙げ
られる。水洗時のアルミニウム支持体と水洗槽との電位
差の絶対値は2V以下が好ましく、より好ましくは0.
5V以下である。
【0018】第2の問題に対して、本発明では、アルミ
ニウム支持体を酸性電解液中で電解粗面化処理を行い、
アルカリで表面を溶解処理し、水洗を行った後、酸性水
溶液で中和を行い、その時の水洗水中に含有する1価の
酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100pp
mの範囲に調整することにより、非画像部にフリンジ状
の汚れを生じることなく所望の画像部が消去でき、かつ
中間調部分の消去性に優れる平版印刷版用支持体を製造
できることを見いだした。
【0019】従来は、この水洗工程において、水洗水中
の1価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度は特に調
整されていなかった。1価の酸及び/又はナトリウムイ
オンの濃度を調整する方法は、前記第1の方法と同様に
行うことができる。
【0020】(支持体について)本発明に使用できるア
ルミニウム支持体としては、純アルミニウム及びアルミ
ニウム合金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合
金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マ
ンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、
ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニ
ウムの合金が用いられる。
【0021】アルミニウム支持体は粗面化に先立ってア
ルミニウム表面の油脂、錆、ごみなどを除去するために
脱脂処理が施される。本発明の脱脂処理は、アルカリ水
溶液を用いたアルカリエッチングである。アルカリ剤と
しては苛性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸ソーダ、炭酸ソ
ーダ、アルミン酸ソーダ、グルコン酸ソーダ等が好まし
く、より好ましくは苛性ソーダである。濃度は0.01
〜20%、温度は常温ないしは90℃、時間5秒ないし
5分の範囲から選択されるのが適当であり、好ましいエ
ッチング量としては0.1〜10g/m2である。
【0022】アルカリ処理後、燐酸、硝酸、硫酸、クロ
ム酸等の酸、或いはそれらの混酸からなる水溶液で更に
エッチング処理を行う。この時の処理温度は20〜80
℃が好ましく、時間は適宜選択され、好ましいエッチン
グ量は0.001〜2.0g/m2である。
【0023】このような脱脂処理に先だって、機械的粗
面化が行われてもよい。機械的粗面化法は特に限定され
ないが、ブラシ研磨、ホーニング研磨が好ましい。ブラ
シ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブラシ毛を植
毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨材を水に分
散させたスラリーを供給しながら支持体表面に押しつけ
て粗面化を行う。ホーニング研磨では、研磨材を水に分
散させたスラリーをノズルより圧力をかけ射出し、支持
体表面に斜めから衝突させて粗面化を行う。
【0024】更に、あらかじめ粗面化されたシートを支
持体表面に張り合わせ、圧力をかけて粗面パターンを転
写することにより機械的粗面化を行うこともできる。
【0025】酸性水溶液で化学エッチングを行った後、
アルミニウム支持体の表面は酸性電解液中で交流電流を
用いて電解粗面化される。この時の電解液としては塩
酸、硝酸等が用いられるが、塩酸がより好ましい。電解
液には必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデ
ヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加え
ることができる。
【0026】電解粗面化処理に関しては、例えば特公昭
48−28123号、英国特許896563号、特開昭
53−67507号、特願平8−151036号などに
記載されており、本発明においてはこれらの方法を用い
ることができるが、特願平8−151036号の方法が
より好ましい。
【0027】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好まし
い。電流密度は10〜200A/dm2が好ましく、2
0〜150A/dm2が更に好ましい。電気量は100
〜2000C/dm2、好ましくは200〜1500C
/dm2でよく、より好ましくは200〜1000C/
dm2である。温度は10〜50℃が好ましく、15〜
45℃が更に好ましい。
【0028】電解に使用する電流波形は正弦波、矩形
波、台形波、のこぎり波等求める粗面化形状により適宜
選択されるが、特に正弦波が好ましい。
【0029】電解粗面化処理された支持体は、表面のス
マット等を取り除いたり粗面のピット形状をコントロー
ルするなどのためにアルカリの水溶液に浸漬して表面を
エッチングされる。アルカリ剤としては例えば、苛性ソ
ーダ、苛性カリ等が含まれる。これらアルカリ水溶液と
しては0.05〜40%水溶液を用い、20〜90℃の
液温で5秒〜5分処理する。
【0030】アルカリの水溶液で表面をエッチングした
後に、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれ
らの混酸に浸漬し中和処理を施す。中和処理後に陽極酸
化処理を行う場合は、中和に使用する酸の種類を陽極酸
化処理に使用する酸と同じにすることが特に好ましい。
【0031】陽極酸化処理に用いられる電解液としては
多孔質酸化皮膜を形成するものならばいかなるものでも
使用でき、一般には硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、スル
ファミン酸、ベンゼンスルホン酸等或いはこれらの2種
類以上を組み合わせた混酸が用いられる。陽極酸化の処
理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に
特定し得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80重
量%、温度5〜70℃、電流密度1〜60A/dm2
電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲が適当
である。好ましいのは硫酸法で、通常直流電流で処理が
行われるが、交流を用いることもできる。
【0032】硫酸の濃度は10〜50重量%、温度20
〜50℃、電流密度1〜20A/dm2で10秒〜5分
間電解処理されるのが好ましい。電解液中にはアルミニ
ウムイオンが含まれている方が好ましい。
【0033】陽極酸化処理されたアルミニウム支持体
は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。封孔処理は熱
水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重
クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウ
ム塩処理等の公知の方法を用いて行うことができる。封
孔処理されたアルミニウム支持体には、次いで親水性層
を設けてもよい。親水性層の形成には、米国特許3,1
81,461号に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許
1,860,426号記載の親水性セルロース、特公平
6−94234号、同6−2436号などに記載のアミ
ノ酸及びその塩、或いは特公平5−32238号記載の
水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19
494号記載の燐酸塩、同59−101651号記載の
スルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を
用いることができる。
【0034】更に本発明の支持体には、感光性平版印刷
版を重ねたときの感光層への擦り傷を防ぐために、又は
現像時、現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐた
めに例えば特開昭50−151136号、同57−63
293号、同60−73538号、同61−67863
号、特開平6−35174号、同8−240914号等
に記載されている支持体裏面に保護層を設ける処理を行
うことができる。
【0035】(感光層及び処理)本発明に用いられる感
光層には公知の平版印刷版に使用される技術を用いるこ
とができる。例えば特願平8−151036号、同7−
231444号に記載された感光層の構成が好ましく用
いられる。
【0036】また、本発明に用いられる平版印刷版の処
理には公知の通常平版印刷版に用いられる処理を適用す
ることができる。
【0037】
【実施例】
実施例1 (支持体Aの作成)厚さ0.3mmのアルミニウム板
(材質1050、調質H16)を、40℃に保たれた1
0%苛性ソーダ水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解
量が5g/m2となるようエッチングし、水洗後、25
℃に保たれた10%硫酸水溶液中に15秒間浸漬して、
アルミニウム溶解量が0.05g/m2となるようエッ
チングした後、第1の水洗を行った。
【0038】次いでこのアルミニウム板を、1.0%の
塩酸水溶液中において、温度30℃、電流密度100A
/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化し
た後、第2の水洗を行った。ここで、第1及び第2の水
洗水の組成は同一とし、水洗水中の1価の酸イオン及び
ナトリウムイオン濃度を表1のように変化させた。また
この時、水洗槽に必要に応じて絶縁板を取り付けてアー
スし、アルミニウム支持体と水洗槽との電位を測定し、
その差を算出し、表1に示した。
【0039】その後、50℃に保たれた1%苛性ソーダ
水溶液中に15秒間浸漬した後水洗した。次いで、25
℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中
和処理した後水洗した。その後、20%硫酸水溶液中
で、温度25℃、電流密度2A/dm2の条件で1分間
陽極酸化処理を行い、水洗、乾燥して支持体Aを得た。
【0040】(支持体Bの作成)1.0%塩酸水溶液で
の電解粗面化を1.0%硝酸水溶液での電解粗面化に変
えた以外は、支持体Aの作成と同様にして支持体Bを得
た。
【0041】(支持体Cの作成)厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質1050、調質H16)を、ナイロン
ブラシとアルミナ(#800)の水懸濁液を用いて粗面
化し(Ra=0.4μm)、水洗後30℃に保たれた1
0%苛性ソーダ水溶液中に浸漬してアルミニウム溶解量
が5g/m2となるようエッチングし、水洗後、40℃
に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬した後、
第1の水洗を行った。
【0042】次いでこのアルミニウム板を、1.0%の
塩酸水溶液中において、温度30℃、電流密度100A
/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化し
た後、第2の水洗を行った。ここで、第1及び第2の水
洗水の組成は同一とし、水洗水中の1価の酸イオン及び
ナトリウムイオン濃度を表1のように変化させた。また
この時、水洗槽に必要に応じて絶縁板を取り付けてアー
スし、アルミニウム支持体と水洗槽との電位を測定して
その差を算出し、表1に示した。
【0043】その後、50℃に保たれた1%苛性ソーダ
水溶液中に15秒間浸漬した後水洗した。次いで、25
℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中
和処理した後水洗した。その後、20%硫酸水溶液中
で、温度25℃、電流密度2A/dm2の条件で1分間
陽極酸化処理を行い、水洗、乾燥して支持体Cを得た。
【0044】(支持体Dの作成)1.0%塩酸水溶液で
の電解粗面化を1.0%硝酸水溶液での電解粗面化に変
えた以外は、支持体Cの作成と同様にして支持体Dを得
た。
【0045】(支持体Eの作成)支持体Cの作成方法に
おいて、第1と第2の水洗水の組成は同じであるが、第
1及び第2の水洗をそれぞれ2回に分けて行い、この2
回のそれぞれの水洗水中の1価の酸イオン及びナトリウ
ムイオン濃度を表2のように変化させ、またこの時、水
洗槽に必要に応じて絶縁板を取り付けてアースした以外
は支持体Cの作成と同様にして支持体Eを作成した。
【0046】次に、これらの支持体に下記組成の感光性
組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で
乾燥し感光性平版印刷版を得た。この時、感光性組成物
の乾燥後の塗布重量は1.8g/m2であった。
【0047】 (感光性組成物) ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が 10/54/36でMwが4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(Mw:3000)とo−ナフトキノンジアジド −5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%)1.50g ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(日本食品加工[株]製) 0.15g ポリエチレングリコール#2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学[株]製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S −トリアジン 0.15g FC−430(住友3M[株]製) 0.03g cis−1,2シクロヘキサンジカルボン酸 0.02g メチルセロソルブ 100ml 得られたそれぞれの感光性平版印刷版を、光源として4
kwメタルハライドランプを使用し、8mW/cm2
60秒間照射することにより露光後、SiO2/Na2
のモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶
液(pH=12.7)で現像した。
【0048】得られた試料No.1〜No.34について下
記の評価を行った。
【0049】(網点の目の開き)得られた平版印刷版
を、印刷機(三菱重工業[株]製DAIYA1F−1)
にかけ、コート紙、湿し水(東京インキ[株]製エッチ
液SG−51濃度1.5%)、インキ(東洋インキ製造
[株]製ハイプラスM紅)を使用して1000枚印刷を
行った後、インキを完全に紙面へと移してから印刷版を
取り外し、常温常湿で48時間放置した。放置後、再び
同様の条件で印刷を行い、印刷物上のスクリーン線数1
50line/inchの80%網点の面積を測定し、
目の開きを評価した。面積の測定はマクベス濃度計で行
った。網点の面積が80%に近いほど目が開いており、
100%に近いほど目がつぶれているという評価とな
る。
【0050】(耐刷性)得られた平版印刷版を、印刷機
(三菱重工業[株]製DAIYA1F−1)にかけ、コ
ート紙、湿し水(東京インキ[株]製エッチ液SG−5
1濃度1.5%)、インキ(東洋インキ製造[株]製ハ
イプラスM紅)を使用して印刷を行い、印刷物の画像部
にインキ着肉不良が現れるか、又は非画像部にインキが
付着して汚れるまで印刷を行い、その時の印刷枚数を求
め耐刷性を評価した。
【0051】このようにして得られたそれぞれの平版印
刷版について印刷を行ったところ、表1及び表2に示し
た結果が得られた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1及び2の結果から、本発明の試料は、
網点の目開きが良好で、耐刷性が優れていることがわか
る。
【0055】実施例2 (支持体1の作成)厚さ0.3mmのアルミニウム板
(材質1050、調質H16)を、85℃に保たれた1
0%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、10秒間エッチング
を行った後水洗した。このエッチングしたアルミニウム
板を、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に15秒間
浸漬した後水洗した。次いでこのアルミニウム板を、
1.0%の塩酸水溶液中において、温度30℃、電流密
度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電
解粗面化した。その後、50℃に保たれた1%苛性ソー
ダ水溶液中に15秒間浸漬した後水洗した。この時、水
洗水中の1価の酸イオン及びナトリウムイオン濃度を表
3のように変化させた。次いで、25℃に保たれた10
%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗
した。その後、20%硫酸水溶液中で、温度25℃、電
流密度2A/dm2の条件で1分間陽極酸化処理を行
い、水洗、乾燥して支持体1を得た。
【0056】(支持体2の作成)1.0%塩酸水溶液で
の電解粗面化を1.0%硝酸水溶液での電解粗面化に変
えた以外は、支持体1の作成と同様にして支持体2を得
た。
【0057】(支持体3の作成)厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質1050、調質H16)を、85℃に
保たれた10%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、10秒間
エッチング処理を行った後水洗した。このエッチングし
たアルミニウム板を、25℃に保たれた10%硫酸水溶
液中に15秒間浸漬した後、水洗した。このアルミニウ
ム板を、ナイロンブラシとアルミナ(#800)の水懸
濁液を用いて粗面化し(Ra=0.4μm)水洗後、7
0℃に保たれた10%苛性ソーダ水溶液中に10秒間浸
漬し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1
0秒間浸漬した後水洗した。
【0058】次に、1.0%の塩酸水溶液中において、
温度30℃、電流密度100A/dm2の条件で交流電
流により30秒間電解粗面化した。その後、50℃に保
たれた1%苛性ソーダ水溶液中に15秒間浸漬した後水
洗した。この時、水洗水中の1価の酸イオン及びナトリ
ウムイオン濃度を表3のように変化させた。
【0059】次いで、25℃に保たれた10%硫酸水溶
液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。その
後、20%硫酸水溶液中で、温度25℃、電流密度2A
/dm2の条件で1分間陽極酸化処理を行い、水洗、乾
燥して支持体3を得た。
【0060】(支持体4の作成)支持体3の作成方法に
おいて、1.0%塩酸水溶液での電解粗面化後の1%水
溶液中への浸漬後の水洗を2回に分けて行い、かつそれ
ぞれの水洗水中の1価の酸イオン及びナトリウムイオン
濃度を表4のように変化させた以外は支持体3の作成と
同様にして支持体4を作成した。
【0061】次に、これらの支持体に下記組成の感光性
組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で
乾燥し感光性平版印刷版を得た。この時、感光性組成物
の乾燥後の塗布重量は1.8g/m2であった。
【0062】(感光性組成物)実施例1のものと同じ感
光性組成物を使用した。
【0063】得られたそれぞれの感光性平版印刷版試料
No.35〜No.58を、光源として4kwメタルハライ
ドランプを使用し、コダックステップタブレットにてク
リア4段相当の露光量で露光後、SiO2/Na2Oの
モル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液
(pH=12.7)で現像した。
【0064】次に、このステップ画像を消去液SIR−
17(コニカ[株]製)にて消去し、下記のように中間
調の消去性とフリンジ状の汚れを評価した。
【0065】(中間調の消去性)消去液を毛筆に含ませ
てステップ画像の上に塗布して1分放置後、水で洗い流
し、250℃にて7分のバーニングを行ってから印刷を
行い、印刷物上の消去部の汚れを下記の基準で評価し
た。
【0066】○:ルーペで観察しても汚れは見られない ×:消去した中間調部分にインキが付着し、印刷物に汚
れが見られる。
【0067】(フリンジ状の汚れ)消去液を毛筆に含ま
せてステップ画像の上に塗布し、5分放置後、水で洗い
流した後の消去部の周りの汚れをルーペを用い、下記の
基準で評価した。
【0068】A:フリンジ状の汚れは認められない B:ルーペで見ると、フリンジ状の汚れが見られる C:フリンジ状の汚れが目視でも明らかに認められる。
【0069】結果を表3及び表4に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】表3及び表4の結果から、本発明の試料は
中間調の消去性が良好でかつ非画像部のフリンジ状の汚
れが少ないことがわかる。
【0073】
【発明の効果】本発明により、網点の目開きが良好でか
つ耐刷性に優れる平版印刷版用支持体の製造方法ならび
に非画像部にフリンジ状の汚れを与えることなく所望の
画像部が消失でき、また、中間調部分の消去性に優れる
平版印刷版用支持体の製造方法を提供することができ
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体をアルカリエッチン
    グ処理した後、酸性水溶液中で化学エッチングを行い、
    第1の水洗を行った後に酸性電解液中で電解粗面化処理
    を行い、更に第2の水洗を行う平版印刷版用支持体の製
    造方法において、第1及び第2の水洗水中に含まれる1
    価の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100
    ppmの範囲に調整することを特徴とする平版印刷版用
    支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1及び/又は第2の水洗を複数回に分
    けて行い、それぞれの最終回の水洗水中に含まれる1価
    の酸及び/又はナトリウムイオンの濃度を0〜100p
    pmの範囲に調整することを特徴とする請求項1記載の
    平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム支持体をアルカリエッチン
    グ処理した後、酸性水溶液中で化学エッチングを行い、
    第1の水洗を行った後に酸性電解液中で電解粗面化処理
    を行い、更に第2の水洗を行う平版印刷版用支持体の製
    造方法において、第1及び第2の水洗時のアルミニウム
    支持体と水洗槽との電位差の絶対値が2V以下となるよ
    う調整することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の水洗時のアルミニウム支
    持体と水洗槽との電位差の絶対値が2V以下となるよう
    調整することを特徴とする請求項1又は2記載の平版印
    刷版用支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム支持体をアルカリエッチン
    グ処理した後、酸性水溶液中で化学エッチングを行い、
    次いで酸性電解液中で電解粗面化処理を行い、アルカリ
    で表面を溶解処理し、水洗を行った後、酸性水溶液で中
    和を行う平版印刷版用支持体の製造方法において、水洗
    水中に含まれる1価の酸及び/又はナトリウムイオンの
    濃度を0〜100ppmの範囲に調整することを特徴と
    する平版印刷版用支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 水洗を複数回に分けて行い、最終回の水
    洗水中に含まれる1価の酸及び/又はナトリウムイオン
    の濃度を0〜100ppmの範囲に調整することを特徴
    とする請求項5記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291336A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Nippon Steel Corp アルミニウム合金板の連続処理方法

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