JPH10132828A - 合成実験自動化システム - Google Patents

合成実験自動化システム

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JPH10132828A
JPH10132828A JP28870896A JP28870896A JPH10132828A JP H10132828 A JPH10132828 A JP H10132828A JP 28870896 A JP28870896 A JP 28870896A JP 28870896 A JP28870896 A JP 28870896A JP H10132828 A JPH10132828 A JP H10132828A
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弘一 村田
Norihiko Hirata
紀彦 平田
Toshio Koike
敏雄 小池
Kenji Tani
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Yasuharu Kawada
易治 川田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研究者が通常行う程度の複雑さの種々の実験
を、同時に行うことができ、しかも、可能な実験操作が
多く、システムの改良や拡張が容易に行うことができる
ような合成実験自動化システムを提供することにある。 【解決手段】 反応容器ラック1から合成反応容器15
を取り出して、該合成反応容器15を、分注・分液装置
2の分注・分液位置に搬送すると共に、上記反応装置3
の予め指定された実験条件で反応する温調ユニット30
の所定位置に搬送するロボット8を有する。予め設定さ
れた複数の異なる実験条件に基づいて、上記ロボット8
の動作を制御すると共に、上記分注・分液装置2および
反応装置3の動作を制御するコンピュータ9とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学合成実験を自
動で行う合成実験自動化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、化学実験の効率化および省力
化を図るために、種々の自動実験装置が開発されてい
る。
【0003】これら自動実験装置には、例えば、(1)
温度、圧力、流量などの制御、熱収支の精密測定、反応
パラメータの解析など反応条件の制御を自動で行う装
置、(2)合成、後処理、精製など少量サンプル合成の
ためのシーケンシャルな装置、(3)ロボットを用い
て、合成、後処理、分析を行う装置に大別される。
【0004】上記の自動実験装置を具体的に示すと、例
えば(I)特開平1−249135号公報、特開平2−
2870号公報、特開平6−63389号公報、特開平
6−79166号公報に開示されている合成反応装置、
(II)商品名コンタラボ(メトラー社製)、商品名AR
S(相互薬品工業(株)製)等の自動合成装置、(III)
商品名コンビテック(テカン社製)のロボットを用いた
合成実験装置などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記(I)
に記載されている合成反応装置は、一体型のシーケンス
制御装置であるので、セットした反応容器に対して試
薬、溶媒を注入し、その場で反応させるようになってい
る。このため、システムの柔軟性や拡張性に乏しく、し
かも反応の場が限定されるので、多数の反応を同時に進
行させたり、反応プロセスを自由に組み合わせたりする
ことが困難である。
【0006】また、上記(II)に記載されている自動合
成装置では、1反応装置で1本の反応しか行えないとい
う理由から、1回に1反応しか操作できないという問題
が生じる。
【0007】さらに、上記(III)に記載されている合成
実験装置では、ロボットを用いている点で、前記(I)
および(II)に記載の装置よりも拡張性があるものの、
可能な実験の単位操作が少なく、複数の単位操作を組み
合わせた複雑な合成実験を行うことができないという問
題が生じる。
【0008】以上のように、従来の自動化装置は、何れ
も人間が行っていた操作を機械が代わりにする装置であ
る。しかしながら、これら従来の自動化装置においても
幾つかの問題点、例えば、同時に多数の実験を行うこと
ができない、自動供給できる試薬数が少ない、反応温度
域が狭い、可能な実験の単位操作が少ない、装置の改良
や拡張が困難であるなどの問題点を有するので、化学実
験の劇的な省力化、効率化を可能にしたとは言えない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
問題点を鑑みて、研究者が通常行う程度の複雑さの種々
の実験を、多数同時に行うことを可能にし、科学実験の
劇的な省力化及び効率化が実現できる合成実験自動化シ
ステムを発明するに至った。
【0010】したがって、請求項1の合成実験自動化シ
ステムは、上記の課題を解決するために、複数の反応容
器を収納する反応容器ラックと、反応容器内に試薬・溶
媒を注入する分注装置と、試薬・溶媒が注入された複数
の反応容器を収納可能な反応部を複数有し、それぞれの
反応部では異なる実験条件の設定が可能な反応装置とを
含む反応システムと、上記反応容器ラックから反応容器
を取り出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に
搬送すると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上
記反応装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、
上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応
システム内の装置の動作を、合成反応の各実験条件毎に
制御するコンピュータとからなることを特徴としてい
る。
【0011】上記の構成によれば、コンピュータによっ
て反応システム内の装置の動作が各合成反応の実験条件
毎に制御されるので、反応装置内の複数の反応部をそれ
ぞれ異なる実験条件で作動させることができる。例え
ば、請求項2に記載のように、上記反応装置の各反応部
に、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段を設
け、上記温度調整手段の温度調整動作を、上記コンピュ
ータにより制御すれば、複数の異なる温度条件で合成反
応が同時に行える。
【0012】さらに、反応部には複数の反応容器が収納
可能なので、さらに多くの実験条件の異なる合成反応を
同時に行わせることができる。
【0013】また、ロボットの反応容器の搬送載置動作
も上記コンピュータによって制御されているので、ロボ
ットは、各合成反応の実験条件に基づいて反応システム
内で反応容器を搬送するようになる。これにより、ロボ
ットの行動範囲に上記反応システムの各装置を配置する
だけで、容易に合成実験自動化システムを拡張すること
ができる。
【0014】さらに、上記ロボットの搬送載置動作およ
び上記反応システム内の装置の動作が、合成反応の実験
条件毎に制御されているので、種々の合成反応に柔軟に
対応させることができ、反応プロセスの組み合わせが自
由になる。これによってもシステムの柔軟性を向上させ
ることができる。
【0015】上記のように複数の実験を同時に行うため
には、例えば請求項8に記載のように、コンピュータ
が、上記反応システムで実行される合成反応手順を、合
成反応の各実験毎に設定することによって実現できる。
【0016】また、上記の反応システムは、請求項3に
記載のように、さらに、上記反応装置で合成反応終了直
後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された条
件で振とうする振とう装置と、上記振とう装置で振とう
された反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分液
する分液装置とを含んでも良い。この場合、振とう装置
と分液装置とをロボットの行動範囲内に配置すること
で、反応システム内で合成反応の各実験条件に基づいて
作動させることができる。
【0017】請求項4の合成実験自動化システムは、上
記の課題を解決するために、請求項3の構成に加えて、
振とう装置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、
振とう時の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生す
るガスを排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部
の反応容器側面部を洗浄する洗浄部とを備えていること
を特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、反応後の溶液を振と
うした場合に発生するガスによる容器の破損を防止する
ことができる。しかも、蓋部の反応容器側面部を洗浄す
る洗浄部を備えているので、該蓋部が次の実験に使用さ
れた場合に、その反応溶液と前の実験の反応溶液とが混
ざらないようにすることができる。
【0019】請求項5の合成実験自動化システムは、上
記の課題を解決するために、請求項3または4の構成に
加えて、分液装置は、分層された反応液の界面を、それ
ぞれの層の電気伝導度の差により検出する検出器を備
え、この検出信号に基づいて溶液を分液することを特徴
としている。
【0020】上記の構成によれば、分層された反応液の
界面が、それぞれの層の電気伝導度の差により検出され
るので、反応液の光の屈折率の差から上記反応液の界面
を認識する場合のように、屈折率検知センサ等で外部か
ら光走査する必要がないので、装置の大型化を防止する
ことができる。
【0021】そして、請求項6に記載のように、上記検
出器の検出結果に基づいて、反応溶液から分層された溶
液の一方を抽出する抽出手段によって、反応液の分液を
行えば良い。
【0022】請求項7の合成実験自動化システムは、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし6の何れか
の構成に加えて、ロボットは、拡張可能なレール上を走
行することを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、請求項1ないし6の
何れかの作用に加えて、ロボットは、拡張可能なレール
上を走行することで、このレールに沿って反応システム
の各装置を配置すれば、ロボットによる反応容器の搬送
を効率良く行うことができる。しかも、上記のレールは
拡張可能なので、レールを増設するだけで容易にシステ
ムの拡張を行うことができる。したがって、合成反応に
使用される種々の装置を自由に配置できるので、種々の
合成反応の実験条件に対応させることが可能な拡張性に
富む合成実験自動化システムを提供することがきる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図29に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0025】本実施の形態に係る合成実験自動化システ
ムは、図1に示すように、反応容器ラック1、分注・分
液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置
5、ガスクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7で構
成される反応システムと、ロボット8と、コンピュータ
9と、ロボット走行用レール110とで構成されてい
る。
【0026】本合成実験自動化システムは、ロボット8
がロボット走行用レール110上を走行しながら、容器
を各機器の所定の位置まで搬送し、所定の位置に載置す
ると共に、コンピュータ9によってロボット8および他
の機器を制御することで、所望する合成実験を自動的に
行う実験システムである。したがって、上記各機器間に
搬送される容器は、システムが稼働中であれば、ロボッ
ト8が行うものである。よって、以下の各機器の説明で
は、ロボット8が反応容器の搬送や載置の各動作を行っ
ているので、ロボット8の説明を省略している。尚、ロ
ボット8の動作については後で詳細に述べるものとす
る。
【0027】尚、図1は、本合成実験自動化システムを
示す模式的なものであり、各機器についての詳細は後述
する。また、本実施の形態では、説明の便宜上、上記合
成実験自動化システムをハードウェアとソフトウェアと
に分けて説明する。即ち、始めに、上記合成実験自動化
システムの各機器について説明し、その後、これら各機
器がどのようにして制御されているのかを説明する。
【0028】先ず、ハードウェアの説明として反応容器
ラック1について説明する。上記反応容器ラック1は、
図2(a)(b)(c)に示すように、反応容器として
の合成反応容器15を収納する第1収納部11、第2収
納部12および第3収納部13と、合成反応容器15用
のメクラ栓16を複数個収納する第4収納部14の4つ
の収納部からなっている。
【0029】第1収納部11、第2収納部12および第
3収納部13は、それぞれ4×4=16本の合成反応容
器15が収納できるように構成されている。また、ここ
では、合成反応容器15として容量100mlの容器を
使用する。
【0030】第4収納部14は、4×4=16個のメク
ラ栓16が収納できるように構成されている。この第4
収納部14は、本実施の形態では、メクラ栓16を収納
するようになっているが、これに限定されず、他の部材
を収納しても良い。従って、第4収納部14は、必要に
応じて設ければ良い収納部である。
【0031】上記第1収納部11には、試薬や溶媒の注
入前の空の状態の合成反応容器15が収納され、上記第
2収納部12には、反応後の反応溶液が貯蔵された状態
の合成反応容器15が収納されている。
【0032】また、上記第3収納部13は、反応途中の
溶液を貯蔵した合成反応容器15等の反応容器を一時的
に収納する場所であり、ここで、例えば合成反応を停止
させるための反応停止剤の注入等の操作を行うようにな
っている。従って、この第3収納部13も、上述した第
4収納部14と同様に必要に応じて設ければ良い収納部
である。
【0033】また、上記の第2収納部12は、反応後の
合成反応容器15が収納される為、収納される合成反応
容器15の反応温度によっては、非常に高温状態になる
虞がある。このため、第2収納部12における合成反応
容器15の支持部は、耐熱性を有する四フッ化エチレン
樹脂で形成されている。同様の理由から、上記のメクラ
栓16も四フッ化エチレン樹脂で形成されている。
【0034】尚、本実施の形態の各収納部は、それぞれ
16本の合成反応容器15あるいは16個のメクラ栓1
6を収納できるように構成されているが、これに限定さ
れるものではない。また、各収納部の配置順は特に限定
しない。さらに、反応容器ラック1では、合成反応容器
15の収納部が3つ形成されているが、これに限定され
るものではない。さらに、上記第2収納部12の合成反
応容器15の支持部およびメクラ栓16は、四フッ化エ
チレン樹脂で形成されているが、これに限定されるもの
ではなく、耐熱、耐薬品性を有する材料で形成されてい
れば良い。
【0035】次に、分注・分液装置2について説明す
る。上記分注・分液装置2は、合成反応容器15に対
して溶媒と試薬とを別々に分けて注入する分注機能、
分層された反応液の指定された溶液を抽出する分液機
能、反応後の反応液を排出する排液機能の3つの機能
を有している。
【0036】従って、上記分注・分液装置2は、図3に
示すように、反応容器ラック1から搬送された合成反応
容器15を載置する容器載置部17と、この容器載置部
17に載置された合成反応容器15に対して指定された
試薬、溶媒を注入あるいは反応後の合成反応容器15内
の分層された何れか一方の溶液を抽出するための注入・
抽出機構18とで構成されている。
【0037】上記容器載置部17は、反応前の合成反応
容器15を載置すると共に、反応後の合成反応容器15
を載置するようになっており、さらに、反応後の合成反
応容器15内から抽出された溶液を収納するための分液
収納容器19を載置するようになっている。
【0038】注入・抽出機構18は、合成反応容器15
内に試薬・溶媒を注入あるいは合成反応容器15内の溶
液を抽出するための分注ニードルと窒素を流入するため
の窒素ニードルとで構成されるニードル束20と、分層
された反応後の溶液の電気伝導度を検出する検出器とし
ての伝導度センサ29と、上記ニードル束20と伝導度
センサ29とを上下方向に駆動する上下シフト軸21及
び水平方向に駆動する水平シフト軸22とからなってい
る。
【0039】つまり、注入・抽出機構18は、上下シフ
ト軸21および水平シフト軸22によって、上記ニード
ル束20および伝導度センサ29を退避位置から所定の
分注・分液位置に移動させるようになっている。上記ニ
ードル束20の分注ニードルは、退避位置ではリンスポ
ート23内で退避するようになっている。このリンスポ
ート23は、後述する溶液を外部に排出するための排出
部27に接続されており、上記分注ニードルで注入した
溶液を排出処理できるようになっている。
【0040】即ち、上記注入・抽出機構18は、容器載
置部17に合成反応容器15が所定位置にセットされる
と、先ず、上下シフト軸21によって、退避位置のリン
スポート23内で退避していたニードル束20を上方に
移動させ、次いで、水平シフト軸22によって、上記ニ
ードル束20を、その下端部が容器載置部17にセット
されている合成反応容器15の開口部の真上に来るまで
水平移動され、次に、再び上下シフト軸21によってニ
ードル束20を、合成反応容器15内に挿入するように
下方に移動させて分注あるいは分液(抽出)動作を行
う。
【0041】上記ニードル束20は、図4に示すよう
に、デジタルシリンジポンプ24を介して、分注・分液
装置2の外部に配置されている各種溶媒の入った複数の
溶媒ボトル25…に接続されている。そして、溶媒ボト
ル25…とデジタルシリンジポンプ24との間には、切
り替え弁26が設けられ、この切り替え弁26を制御す
ることで、デジタルシリンジポンプ24は、所望する溶
媒の入った溶媒ボトル25から該溶媒をニードル束20
に輸送するようになっている。
【0042】上記伝導度センサ29は、合成反応容器1
5内の溶液内に降下させることで、伝導度域(溶液内で
伝導度が代わる領域)と伝導度域の代わる前の溶液の高
さに関する情報を検出するようになっている。つまり、
伝導度センサ29を用いて、分層された反応溶液の界面
を検出するようになっている。この伝導度センサ29の
動作も上述の二ードル束20の動作説明と同様に上記上
下シフト軸21および水平シフト軸22によって駆動制
御されるようになっている。
【0043】従来より分液を自動的に行う場合には、屈
折率の差等を利用した光学的な方法がある。また、溶液
の界面における誘電率等の電気的性質の差を利用した方
法もある。しかしながら、これらの方法を本願に適用し
た場合、何れの方法においてもセンサ等を用いて界面を
スキャンさせる必要があり、この為の装置が高価である
という問題が生じている。
【0044】ところが、本願のように、伝導度センサ2
9を実際に溶液の中に浸漬して、伝導度の変化する地点
を溶液の界面として検出する方法であれば、従来のセン
サを用いて界面をスキャンする方法に比べて、装置の規
模が小さくなり、装置を安価に提供することができると
いう効果を奏する。
【0045】また、伝導度センサ29は、注入・抽出機
構18の上部に配置されている伝導度計63に接続され
ている。この伝導度計63は、本合成実験自動化システ
ムのコンピュータ9に接続されており、伝導度センサ2
9により検出されたデータは、この伝導度計63を介し
て逐一コンピュータ9に通信機能を介して出力されるよ
うになっている。尚、上記通信機能は、後述するRS2
32C端子あるいはRS232C端子の仕様に準拠する
端子同士を接続することにより実現している。したがっ
て、コンピュータ9からのデータも分注・分液装置2に
送信することができる。
【0046】そして、コンピュータ9では、上記検出デ
ータに基づいて、合成反応容器15内の抽出対象となる
溶液の伝導度と溶媒高さを計算し、この計算結果を分注
・分液装置2に出力する。分注・分液装置2では、上記
計算結果に基づいて、注入・抽出機構18がニードル束
20を合成反応容器15内の溶液の所定位置まで移動さ
せた後、デジタルシリンジポンプ24が所定量だけ合成
反応容器15内の指定された溶液を抽出する。このと
き、抽出された溶液は、ニードル束20内に貯蔵された
状態となり、該溶液が必要であれば、サンプル瓶等に排
出し、また、該溶液が必要でなければ、ニードル束20
がリンスポート23に退避したときに、デジタルシリン
ジポンプ24によって該リンスポート23から排出部2
7に排出される。
【0047】このように、分注・分液装置2では、分液
動作時において、伝導度センサ29により合成反応容器
15内の溶液の伝導度を検出し、その検出結果に基づい
て予め指定された溶液のみを、ニードル束20を用いて
抽出するようになっている。
【0048】尚、上記の分注・分液装置2において、ニ
ードル束20の分注ニードルで溶媒を合成反応容器15
に注入している時に、通常、この溶媒の注入と同時に窒
素ニードルから窒素を合成反応容器15に注入して、合
成反応容器15内を窒素雰囲気にするようになってい
る。また、この窒素注入は、必要に応じて合成反応容器
15内に溶媒が注入される前から行っていても良い。
【0049】また、上記容器載置部17の前端部側に
は、合成反応して分析した後の反応液を排出するための
排出部27が設けられている。この排出部27には、排
出口27aが形成されてると共に、この排出口27aか
ら排出される溶液を装置外部に排出するための排出パイ
プ28が設けられている。また、この排出部27には、
上述したようにニードル束20が退避するリンスポート
23が接続されており、リンスポート23を介して抽出
溶液が排出されるようになっている。
【0050】次に、反応装置3について説明する。上記
反応装置3は、図1に示すように、それぞれの反応温度
の設定温度を自在に変更できる4つの反応部としての温
調ユニット30を有している。4つの温調ユニット30
は、それぞれ同じ構成であるので、一つの温調ユニット
30のみの説明にする。尚、本実施の形態の反応装置3
では、各温調ユニット30が同じ構成であるとしている
が、これに限定されるものではなく、それぞれ構成が異
なる温調ユニットを有する反応装置であっても良い。
【0051】温調ユニット30は、図5に示すように、
合成反応容器15をセットして予め設定した反応温度に
加温するための温度制御機構31と、上記温度制御機構
31にセットされた合成反応容器15に試薬を注入する
ための試薬注入機構32と、上記温度制御機構31およ
び試薬注入機構32を囲むように形成され、該温度制御
機構31および試薬注入機構32を支持する支持体33
とで構成されている。即ち、上記温度制御機構31は、
支持体33の下方で支持されると共に、上記試薬注入機
構32は、支持体33の上方で水平移動自在に支持され
ている。
【0052】上記温度制御機構31は、合成反応容器1
5が4本収納可能な反応槽34と、反応槽34内に収納
された合成反応容器15内の溶液を攪拌するための攪拌
部35とで構成されている。
【0053】上記反応槽34は、温度調節機能を有し、
温度制御機構31に対して着脱自在なアルミブロック3
6(図6)で構成されている。このアルミブロック36
には、合成反応容器15を収納するための筒状の開口部
36aが4つ形成され、下部側に合成反応容器15を加
温するための加温用ヒータ37が設けられている。さら
に、上記アルミブロック36には、図7に示すように、
上記合成反応容器15の周りを巻回するように、合成反
応容器15の過加温を防止するための冷却管38が設け
られている。尚、この冷却管38は、図1に示す冷媒循
環装置10に接続されている。
【0054】上記加温用ヒータ37は、例えばカートリ
ッジタイプのヒータからなり、アルミブロック36のア
ルミニウム部分を介して合成反応容器15に熱を伝えて
加温するようになっている。また、冷却管38は、銅管
からなる細管からなり、冷媒循環装置10に接続された
一端から冷却水が注入されると共に、他端から冷却水が
排出されるようにして、合成反応容器15の周りを冷却
水を循環させるようになっている。
【0055】また、上記反応槽34は、合成反応容器1
5の収納位置の下部側に温度検知センサ39が設けら
れ、上記温度検知センサ39の検知信号に基づいて、図
8に示す試薬注入機構32の下部側に設けられた温度コ
ントローラ40が上記加温用ヒータ37の加温制御を行
うようになっている。
【0056】しかしながら、温度検知センサ39によっ
て合成反応容器15の反応溶液の温度を検知して、その
検知信号に基づいて温度コントローラ40が加温用ヒー
タ37を加温制御しても、反応溶液が過加温され易いの
で、反応溶液を所定の温度に維持し難い。
【0057】そこで、上述のように冷却管38を、合成
反応容器15の周りに設けることで、合成反応容器15
内の反応溶液の過加温を防止するようにしている。この
場合、冷却管38に接続された冷媒循環装置10を制御
することによって、冷却管38に流れる水の流量を制御
し、この冷却管38に循環する冷却水によって合成反応
容器15を適度に冷却して所望の温度に保つようになっ
ている。この場合の流量制御は、上記の温度検知センサ
39の検知信号に基づいて行われるものとする。
【0058】上記構成の反応槽34は、熱伝導度の高い
アルミニウム製のアルミブロック36からなっているの
で、該反応槽34内にセットされた合成反応容器15内
の反応溶液の温度調整を精度良く行うことができるとい
う利点を有している。また、アルミニウムは、他の金属
に比べて軽いので、取り扱い易いという利点も有してい
る。
【0059】尚、上記加温用ヒータ37および冷却管3
8は、合成反応容器15内の溶液を、設定された温度に
保つためのものであり、このように合成反応容器15内
の溶液を所定の温度で維持できる機構であれば、特に図
6および図7に示すような構成に限定するものではな
い。
【0060】また、上述したように、上記温度制御機構
31は、図8に示すように、上記反応槽34の他に、セ
ットされた合成反応容器15内の反応溶液を攪拌するた
めの攪拌部35を有している。
【0061】攪拌部35は、温度制御機構31の下部側
に設けられたACモータ41と、このACモータ41の
上方に設けられ、該ACモータ41の駆動軸に接続され
たプーリー42と、さらに、合成反応容器15の載置面
と対向する位置に設けられ、ACモータ41の駆動力が
プーリー42を介してベルト伝達されて回転するマグネ
ット部43とからなる。
【0062】上記マグネット部43は、複数個のマグネ
ットからなり、これらマグネットがACモータ41によ
って回転駆動することで、上記合成反応容器15内に予
め仕込まれた攪拌子44を回転させ、合成反応容器15
内の反応溶液を攪拌するようになる。
【0063】尚、上記攪拌子44は、合成反応容器15
に予め分注・分液装置2における試薬・溶媒の注入時
に、合わせて仕込まれるものである。
【0064】上述のように温度制御機構31にセットさ
れた合成反応容器15には、上記した試薬注入機構32
によって反応原料としての試薬が注入されるようになっ
ている。
【0065】上記試薬注入機構32は、図5に示すよう
に、合成反応容器15内に試薬を注入するための4本の
試薬注入用ニードル45…と、合成反応容器15の反応
溶液を冷却するための4本の冷却管48…と、合成反応
容器15用の蓋(以下、シールキャップと称する)49
…の洗浄および載置を行うための蓋洗浄載置部50と、
垂直駆動部46および水平駆動部47からなる駆動部5
1とからなっている。
【0066】上記蓋洗浄載置部50には、反応中の合成
反応容器15をシールするシールキャップ49を載置す
る載置部50aと、試薬注入用ニードル45を待機させ
るためのニードルリンス50bと、シールキャップ49
を洗浄するための洗浄部50cとが試薬注入用ニードル
45に対応して4か所ずつ設けられている。
【0067】上記水平駆動部47は、図示しない駆動手
段により、支持体33の温度制御機構31側に向かって
形成された案内溝33a・33aに沿って水平移動する
ようになっている。
【0068】上記垂直駆動部46は、上記水平駆動部4
7上に設けられ、該水平駆動部47の水平移動に伴っ
て、水平移動するようになっている。
【0069】また、垂直駆動部46には、冷却管48を
支持する第1支持部材52が垂直方向に移動自在に設け
られている。そして、この第1支持部材52には、さら
に、試薬注入用ニードル45を支持する第2支持部材5
3が設けられている。
【0070】上記第2支持部材53は、上記第1支持部
材52に連動すると共に、試薬注入用ニードル45を水
平および垂直方向に移動自在に支持するようになってい
る。つまり、第2支持部材53は、試薬注入用ニードル
45を、上記冷却管48に装着させるように移動させる
と共に、蓋洗浄載置部50上のニードルリンス50bま
で移動させるようになっている。
【0071】また、第1支持部材52は、垂直駆動部4
6による垂直方向の移動と、水平駆動部47による水平
方向の移動とにより、冷却管48を所定の位置、即ち蓋
洗浄載置部50の洗浄部50c、載置部50aおよび温
度制御機構31の合成反応容器15のセット位置まで移
動させるようになっている。
【0072】尚、上記駆動部51の垂直駆動部46およ
び水平駆動部47は、後述するコンピュータ9によって
駆動制御されている。
【0073】ここで、上記冷却管48とシールキャップ
49について説明する。冷却管48は、図9に示すよう
に、ガラスからなるリフレックスコンデンサーであり、
その周りを円筒部材54によって覆われている。冷却管
48を支持する場合には、この円筒部材54を挟持する
ことで、該冷却管48を壊さないように保護している。
【0074】また、冷却管48は、一端部の第1開口部
48aに試薬注入用ニードル45の先端部が挿通される
一方、他端の第2開口部48bがシールキャップ49の
貫通孔49aに挿通するように形成されている。上記第
1開口部48aは、試薬注入用ニードル45が挿通し易
いように広口に形成されている。また、冷却管48のほ
ぼ中央部に位置する冷却部48cは、通常の円筒管より
も表面積が大きくなるように形成されており、合成反応
容器15から流入する高温ガスを冷却する作用を有して
いる。
【0075】上記シールキャップ49は、例えばPTF
E(poly-tetrafluoru-ethylene )材を本体とし、これ
にシリコン材をシールした構造であり、合成反応容器1
5の上部蓋となっている。そして、シールキャップ49
の貫通孔49aは、合成反応容器15側が広口に形成さ
れている。
【0076】また、シールキャップ49は、冷却管48
に対して、螺子締め等により固定されており、通常、冷
却管48と一体的に移動するようになっている。これに
より、シールキャップ49を合成反応容器15に装着す
れば、冷却管48もその上部に配置されるようになる。
【0077】また、上記試薬注入用ニードル45は、試
薬注入が終わり、合成反応容器15内で合成反応が開始
されると、冷却管48の第1開口部48aに対して窒素
ガスパージを行うことで、該合成反応容器15内への空
気流入と水分発生とを防止するようになっている。
【0078】ここで、上記試薬注入用ニードル45によ
る試薬注入機構について説明する。試薬注入機構は、図
10に示すように、反応装置3の4つの温調ユニット3
0毎に、デジタルシリンジポンプ55、第1切り替え弁
56を有し、試薬注入用ニードル45が、上記デジタル
シリンジポンプ55を介して第1切り替え弁56に接続
された構成となっている。即ち、試薬注入用ニードル4
5と第1切り替え弁56とは、一端に試薬注入用ニード
ル45が接続された第1チューブ57の他端と、一端に
第1切り替え弁56が接続された第2チューブ58の他
端との間にデジタルシリンジポンプ55を接続した構成
となっている。
【0079】上記第1切り替え弁56は、入力側には各
種溶媒ボトル25…からの試薬を輸送する輸送チューブ
59が接続される一方、出力側には4本の上記の第2チ
ューブ58…が接続されている。これにより、輸送チュ
ーブ59により輸送される試薬が、選択的に切り替えら
れて、第2チューブ58を介して各試薬注入用ニードル
45に輸送されるようになっている。このとき、第1切
り替え弁56の切り替え動作に連動して、デジタルシリ
ンジポンプ55が作動し、該当する試薬注入用ニードル
45に試薬を輸送するようになっている。
【0080】さらに、各温調ユニット30の輸送チュー
ブ59…は、第2切り替え弁60の出力側に接続されて
いる。この第2切り替え弁60の入力側には、中継チュ
ーブ62が接続されており、この中継チューブ62の他
端は第3切り替え弁61の出力側に接続されている。
【0081】上記第3切り替え弁61は、出力側が1端
子で入力側が16端子の16方切り替え弁であり、選択
的に該当する溶媒ボトル25に切り替えるようになって
いる。本実施の形態では、上記第3切り替え弁61の入
力側の端子には、12本の溶媒ボトル25…が接続され
ている。尚、上述の第3切り替え弁61は、図10に示
すように、4本の入力側の端子が何も接続されずに残っ
ており、これら4本の端子にも溶媒ボトル25を接続す
れば、合計16本の溶媒ボトル25から選択できるよう
になる。
【0082】上記各溶媒ボトル25…には、それぞれが
異なる種類の試薬が貯蔵されており、第3切り替え弁6
1の切り替えによって、所望の試薬が貯蔵された溶媒ボ
トル25が選択されるようになっている。また、必要に
応じて、上記溶媒ボトル25には合成反応容器15内の
合成反応を停止させる反応停止剤を貯蔵するようにして
もよい。
【0083】上記構成の試薬注入機構では、各切り替え
弁が後述のコンピュータ9により制御されている。即
ち、試薬注入機構では、コンピュータ9によって、第3
切り替え弁61を切り替え制御することで所望の試薬を
貯蔵した溶媒ボトル25が選択される。そして、コンピ
ュータ9によって第2切り替え弁60が、上記第3切り
替え弁61にて選択された溶媒ボトル25からの試薬が
所望する温調ユニット30に輸送されるように切り替え
られる。さらに、コンピュータ9によって第1切り替え
弁56が、第2切り替え弁60および輸送チューブ59
を経て輸送される試薬を所望する試薬注入用ニードル4
5に輸送されるように切り替えられる。このようにし
て、所望する試薬が試薬注入用ニードル45から所望す
る合成反応容器15に注入されるようになっている。
【0084】また、上記試薬注入用ニードル45におけ
る試薬の注入量は、デジタルシリンジポンプ55によっ
て制御されており、各試薬注入用ニードル45毎に設定
可能となっている。尚、上記デジタルシリンジポンプ5
5は、コンピュータ9によって駆動制御されている。
【0085】以上のように、上記構成の反応装置3によ
れば、4つの異なる反応温度に設定された温調ユニット
30…を有し、各温調ユニット30…には、それぞれ反
応温度以外の合成条件の異なる4本の合成反応容器15
…が載置することができるので、合計16種類の合成実
験を同時に行うことができる。上記反応装置3では、−
30℃から200℃までの温度制御が可能となってい
る。
【0086】尚、本実施の形態では、上述のように、4
つの異なる合成反応温度に設定しているが、これに限定
されるものではない。例えば、上記温調ユニット30の
数を増やせば、それに伴って設定可能な合成温度の数も
増加できる。また、本実施の形態の温調ユニット30で
は、載置される合成反応容器15は4本であるが、これ
に限定するものではない。例えば、温調ユニット30の
大きさあるいは合成反応容器15の大きさ等を考慮し
て、1台の温調ユニット30における合成反応容器15
の数を増やせば良い。したがって、本実施の形態では、
16種類の合成実験を同時に行うようになっているが、
上述のように温調ユニット30の数を増やし、温調ユニ
ット30に載置できる合成反応容器15の数を増やせ
ば、16種類以上の合成実験を同時に行うことが可能と
なる。
【0087】上記構成の反応装置3において、合成反応
の終了した合成反応容器15は、一端反応容器ラック1
の第2収納部12に収納された後、振とう装置4にて反
応溶液が分層される。
【0088】次に、上記振とう装置4について説明す
る。振とう装置4は、図11に示すように、容器振とう
部としての、合成反応容器15を振とうさせるためのボ
ルテックスミキサー70と、ボルテックスミキサー70
の上方に設けられ、合成反応容器15を載置する容器載
置部71とで構成されている。
【0089】上記ボルテックスミキサー70は、図示し
ないモータからの動力が伝達された偏心カムを介して生
じる振とうを利用して合成反応容器15を振とうするも
のである。
【0090】上記容器載置部71は、合成反応容器15
を挿入して載置するための開口部72を有している。こ
の開口部72は、ボルテックスミキサー70の上部に設
けられた振とうゴム73に対応する位置に形成されてい
る。これにより、合成反応容器15は、開口部72を介
して振とうゴム73に接触するようにして載置され、ボ
ルテックスミキサー70からの振動が振とうゴム73を
介して伝達され、振とうされるようになる。
【0091】上記の振とう装置4にて合成反応容器15
が振とうされるとき、合成反応容器15内部の反応溶液
が外部に飛散しないように、該合成反応容器15の上部
開口部15aに押さえキャップ(蓋部)74が合成反応
容器15上部に装着されるようになっている。この押さ
えキャップ74は、上部が振とう装置4に設けられた駆
動部材75に設けられ、水平方向および垂直方向に移動
自在となっている。
【0092】上記駆動部材75は、押さえキャップ74
を水平方向に移動させるための水平駆動軸76と、垂直
方向に移動させるための垂直駆動軸77とで構成されて
いる。これら水平駆動軸76および垂直駆動軸77は、
それぞれエアシリンダ82・83に接続され、これらエ
アシリンダ82・83により駆動されるようになってい
る。尚、このエアシリンダの駆動制御は、後述のコンピ
ュータ9によって行われている。
【0093】上記押さえキャップ74は、合成反応容器
15が振とうされないとき、容器載置部71の後部側に
設けられたリンスポート78にて待機するようになって
いる。
【0094】このリンスポート78は、上部に押さえキ
ャップ74を載置する待機部(洗浄部)78aが形成さ
れている。この待機部78aは、載置された押さえキャ
ップ74の下面、即ち合成反応容器15に装着した場合
の反応液が付着する面の洗浄を行う機能を有している。
つまり、上記待機部78aの下部には、洗浄溶媒輸送用
のチューブ79が待機部78aに洗浄溶媒を送出および
排出可能なように設けられている。上記チューブ79の
待機部78aとは反対側には、送液ポンプ80が設けら
れ、この送液ポンプ80によって洗浄溶媒が待機部78
aに送出されるようになっている。
【0095】上記送液ポンプ80には、廃液用ボトル8
1が接続されており、待機部78a内で押さえキャップ
74が洗浄された後に生じた廃液を貯蔵するようになっ
ている。
【0096】また、上記の押さえキャップ74には、合
成反応容器15内で発生するガスを逃がすための貫通孔
74aが設けられている。これにより、合成反応容器1
5の振とう中に発生するガスによる容器の破裂を防止す
ることができる。
【0097】ここで、上記構成の振とう装置4の動作に
ついて説明する。先ず、反応容器ラック1に載置された
合成反応後の合成反応容器15のメクラ栓16が取り外
された状態で、該合成反応容器15が容器載置部71の
開口部72に載置される。そして、駆動部材75により
押さえキャップ74が、リンスポート78から上記合成
反応容器15の開口部15aに軽くタッチして静止す
る。尚、ボルテックスミキサー70は常時振動した状態
となっており、容器載置部71の開口部72に合成反応
容器15を押さえキャップ74を介して軽く置くだけ
で、該合成反応容器15内の反応液が攪拌流を形成する
ようになっている。そして、所定時間ミキシングする。
【0098】次に、振とう後、該合成反応容器15の開
口部15aから押さえキャップ74が駆動部材75によ
って取り外され、該押さえキャップ74が再びリンスポ
ート78の待機部78aに載置される。そして、待機部
78aにて押さえキャップ74の下面に付着した洗浄溶
媒等の付着液を除去する。
【0099】このようにして、振とうされた合成反応容
器15は、図3に示す分注・分液装置2に搬送される。
この合成反応容器15内部では、溶液が分層した状態と
なり、この分層状態の溶液の何れか一方を分注・分液装
置2にて抽出することで所望する合成反応溶液を得る。
このとき、分注・分液装置2では、上述したように、伝
導度センサ29を用いて溶液の界面を検出し、何れかの
溶液を抽出する。抽出する溶液としては、所望する合成
反応溶液でも良いし、あるいは所望する合成反応溶液以
外の溶液でも良い。したがって、所望する合成反応溶液
を抽出する場合には、別にサンプル瓶等を容易して、そ
の中に抽出した合成反応溶液を注入し、これをガスクロ
マトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7等の分析装
置にて分析するようにすれば良い。また、所望する溶液
以外の溶液を抽出する場合には、合成反応容器15を分
析装置に運搬し、その内部の溶液を分析装置にて分析す
るようにすれば良い。
【0100】尚、上述の何れの場合であっても、分析対
象となる溶液に対してガスクロマトグラフ6あるいは液
体クロマトグラフ7による分析前処理を分析前処理装置
5にて行う必要がある。ここでは、分析対象となる溶液
に対して、標準液を添加するか、希釈するための溶媒を
添加する。上記標準液とは、ガスクロマトグラフ6や液
体クロマトグラフ7等における予めピークの分かってい
る溶液である。また、溶液を希釈するのは、溶液の濃度
が高く、各分析機器の測定範囲を逸脱する虞があるから
である。
【0101】次いで、上記分析前処理装置5について以
下に説明する。分析前処理装置5は、図12に示すよう
に、サンプリング部90と、サンプル容器配置部91と
で構成されている。
【0102】上記サンプル容器配置部91は、載置台9
2上に、分液処理された溶液が貯蔵されたサンプル容器
(第1容器)を載置するための第1ラック93と、第1
ラック93に載置された容器からサンプリングした溶液
を貯蔵するサンプル容器(第2容器)を載置するための
載置口94a…が形成された第2ラック94とが設けら
れている。
【0103】上記第2ラック94に載置される第2容器
は、上記第1ラック93に載置される第1容器よりも小
容量であり、初期状態では内部は空であり、分析前処理
動作が開始されると、内部に、上記第1容器に貯蔵され
た溶液が注入されると共に、分析に必要な標準液あるい
は希釈液が注入されるようになっている。したがって、
ガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7等
の分析装置には、上記第2容器に貯蔵された溶液が使用
されることになる。
【0104】また、第1ラック93には、ロボット8に
より運搬された第1容器を載置するための載置口93a
が所定の位置に形成されている。そして第1ラック93
には、上記載置口93aの他に、ガスクロマトグラフ6
のバイアルストッカー(図示せず)に提供するための分
析前処理済みの溶液が貯蔵された第2容器を載置する載
置口93bと、第2容器に注入する標準液を貯蔵する標
準液容器を載置するための載置口93c…と、上記載置
口93aに載置された第1容器を一時的に収納するため
の載置口93d…とが設けられている。この第1容器の
載置口93aから載置口93dまでの搬送は、サンプリ
ング部90によって行われる。
【0105】このように、第1ラック93および第2ラ
ック94のそれぞれに載置された各容器への所望する溶
液の注入は、サンプリング部90によって行われる。
【0106】サンプリング部90は、図12に示すよう
に、載置台92上の両側部にガイド部材95・95が設
けられると共に、このガイド部材95・95の上面を前
後に水平移動する枠状の水平移動部材96が設けられて
いる。
【0107】上記水平移動部材96は、例えばガイド部
材95・95の上部に形成された前後方向に延設された
案内溝95a・95aに嵌合するような勘合部材(図示
せず)を設けて、ガイド部材95上を水平移動するよう
になっている。このときの水平移動部材96の駆動は、
図示しないモータ等の駆動手段によって行われており、
この駆動手段はコンピュータ9によって駆動制御されて
いる。
【0108】さらに、水平移動部材96の枠内には、該
水平移動部材96の移動方向とは直交する水平方向への
移動が案内される垂直水平移動部材97が設けられてい
る。
【0109】上記水平移動部材96の枠内部には、上記
垂直水平移動部材97の移動を案内する案内溝96aが
設けられると共に、この案内溝96aと並行な案内軸9
6bとが設けられている。
【0110】一方、上記垂直水平移動部材97には、上
記水平移動部材96の案内溝96aに嵌合する嵌合部材
97aと、上記案内軸96bが貫通すると共に、該垂直
水平移動部材97の垂直移動を案内するための案内溝9
7bとが設けられている。
【0111】よって、上記垂直水平移動部材97は、水
平移動部材96の案内溝96aに沿って水平移動し、該
垂直水平移動部材97の案内溝97aに沿って垂直移動
し、さらに、水平移動部材96の移動に伴って該垂直水
平移動部材97の水平移動とは直交する方向に移動する
ことができる。即ち、垂直水平移動部材97は、3次元
的に移動自在となる。通常、上記水平移動部材96は、
載置台92の後部側、即ち第1ラック93および第2ラ
ック94よりも後側で退避している。
【0112】したがって、上記垂直水平移動部材97
は、水平移動部材96の移動および自身の移動によりサ
ンプル容器配置部91の所定の位置に移動することがで
きる。尚、上記水平移動部材96および垂直水平移動部
材97は、図示しない駆動手段に接続され、その駆動は
コンピュータ9によって制御されている。
【0113】上記垂直水平移動部材97のサンプル容器
配置部91側の先端部には、載置台92に載置された第
1容器、第2容器等をチャッキングするためのアーム9
8が設けられている。
【0114】上記垂直水平移動部材97のアーム98
は、チューブ107を介してエアーポンプ106に接続
されている。また、上記アーム98の先端には、後述す
る各種の機能を有し、エアー圧力で作動するフィンガー
が着脱自在となっている。このエアーポンプ106の空
気の排出量や吸入量を調節することで、アーム98に装
着されたフィンガーを作動させるようになっている。
【0115】そして、垂直水平移動部材97の退避位
置、即ち水平移動部材96の退避位置に対向する載置台
92上には、上記アーム98に嵌合可能な第1フィンガ
ー99〜第4フィンガー102が載置されており、これ
ら各フィンガーは操作機能に応じて選択して上記アーム
98に装着される。このとき、各フィンガーは、アーム
98に対して図示しないピンと板バネとで嵌合するよう
になっている。このようなフィンガーには、サンプリン
グニードルやバイアルフィンガーの機能を有したものが
ある。
【0116】例えば、第1フィンガー99は、図13に
示すように、アーム98にピンと板バネで嵌合されたバ
イアルフィンガー103を有している。このバイアルフ
ィンガー103は、30mlのバイアル(第2容器)の
上部をチャッキングする爪ホルダ104を有している。
この爪ホルダ104は、図12に示すエアーポンプ10
6からチューブ107を介して流入する空気によって上
下方向に移動することで、第2容器の上部をチャッキン
グするようになっている。
【0117】また、第2フィンガー100は、図示しな
いが上記第1フィンガー99とは異なる容量のバイアル
(第1容器)をチャッキングするバイアルフィンガーを
有している。これも、上述の第1フィンガー99に同様
に、エアーポンプ106からの空気により駆動するよう
になっている。
【0118】さらに、第3フィンガー101は、図14
に示すように、アーム98にピンと板バネで嵌合された
サンプリングニードル105を有している。このサンプ
リングニードル105は、後端部105bで上記チュー
ブ107に接続されている。これにより、サンプリング
ニードル105は、チューブ107を介して先端部10
5aからエアーが排出される一方、この先端部105a
からチューブ107にエアーが吸入されるようになる。
即ち、サンプリングニードル105の先端部105aを
容器内の溶液に浸漬させて、図12に示すエアーポンプ
106を作動させることで、該容器内の溶液を所定の量
だけ抽出したり排出したりすることができる。
【0119】また、第4フィンガー102は、図示しな
いがこれもまた第3フィンガー101と同様に、アーム
98にピンと板バネで嵌合されたサンプリングニードル
を有するものである。例えば、第4フィンガー102の
サンプリングニードルは、第3フィンガー101のサン
プリングニードルとは異なる種類の溶液を注入あるいは
排出するようになっている。
【0120】さらに、図12に示すように、上記の各フ
ィンガー99〜102を載置している載置台92の近傍
には、さらに、サンプルインジェクション108、タッ
チミキサー109が設けられている。
【0121】上記サンプルインジェクション108は、
液体クロマトグラフ7のサンプル注入口に接続されてお
り、上記第3フィンガー101のサンプリングニードル
105により抽出された分析対象となるサンプル溶液
を、注入するようになっている。
【0122】また、タッチミキサー109は、例えば第
1フィンガー99のバイアルフィンガー103にてチャ
ッキングされた第2容器を、該タッチミキサー109の
表面に軽く接触させることで、内部溶液を攪拌させるも
のである。
【0123】ここで、上記分析前処理装置5の動作を以
下に説明する。先ず、予めコンピュータ9により指示さ
れたフィンガーをアーム98に装着するように作動す
る。この場合、始めにアーム98には第1フィンガー9
9を装着するように制御されている。
【0124】次いで、ロボット8により第1ラック93
の載置口93aまで搬送載置された分注・分液装置2に
て分液処理されたサンプル容器(第1容器)は、サンプ
リング部90の垂直水平移動部材97のアーム98の第
1フィンガー99にてチャッキングされ、第1ラック9
3の所定の載置口93dに搬送載置される。
【0125】次に、垂直水平移動部材97は、退避位置
まで移動し、アーム98に装着された第1フィンガー9
9を第3フィンガー101に切り替える。そして、第1
ラック93の載置口93dに載置された第1容器内の溶
液が、第3フィンガー101のサンプリングニードル1
05によってサンプリングされ、第2ラック94に載置
されている第2容器に注入される。このとき、必要に応
じて第2容器には、第1容器内の溶液の他に希釈用の溶
液を注入するようになっている。この注入動作も上記サ
ンプリングニードル105によって行われる。
【0126】続いて、上記第2容器には、サンプリング
ニードル105によって第1ラック93の載置口93c
に載置された容器に貯蔵された標準液が注入される。こ
のようにして第1容器内の溶液と、標準液とが注入され
た第2容器は、サンプリング部90のアーム98に装着
された第2フィンガー100によってチャッキングされ
た状態で、タッチミキサー109上に所定時間だけ静置
され、内部の溶液を攪拌する。
【0127】最後に、攪拌後の第2容器内の溶液、即ち
分析前処理の完了した第2容器内の溶液は、分析装置が
ガスクロマトグラフ6の場合、該第2容器を第1ラック
93の載置口93bに載置された後、ロボット8によっ
てガスクロマトグラフ6のバイアルストカーに運搬され
る。一方、分析装置が液体クロマトグラフ7の場合、上
記第2容器が一端第2ラック94の載置口94aに載置
され、内部の溶液がサンプリング部90によりサンプリ
ングされ、載置台92のサンプルインジェクション10
8に注入される。
【0128】以上のように、分析前処理装置5にて分析
前処理された溶液は、最終的にガスクロマトグラフ6あ
るいは液体クロマトグラフ7にて分析され、収率等のデ
ータを得るようになっている。この収率等のデータは、
コンピュータ9の内部あるいは外部の記憶装置にて記憶
され、必要に応じて読み出されて次の実験の参考資料と
して利用することもできる。
【0129】上記の合成実験自動化システムでは、上記
の反応容器ラック1、分注・分液装置2、反応装置3、
振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ
6の間に合成反応容器15等の容器を運搬するために、
ロボット8が利用されている。このロボット8は、産業
用のロボットであり、コンピュータ9により駆動制御さ
れている。
【0130】続いて、上記ロボット8について以下に説
明する。ロボット8は、図15(a)(b)に示すよう
に、本体113が直線状のロボット走行用レール110
上を端から端まで走行するようになっている。このロボ
ット走行用レール110としては、拡張性の高い1軸の
多軸走行軸が用いられる。つまり、ロボット8は、上記
ロボット走行用レール110に沿って配置された反応容
器ラック1、反応装置3等の合成実験自動化システムに
おける機器ユニット111・112に、容器等を運搬す
る手段として使用している。換言すれば、上記機器ユニ
ット111・112は、ロボット8の行動範囲内に配置
すれば良いことになる。
【0131】上記ロボット8の本体113には、該本体
113を中心に回転自在な多軸間接のアーム114が設
けられており、図15(b)に示すように、アーム11
4の先端が機器ユニット111上を移動自在となり、こ
のアーム114によって容器等を運搬載置するようにな
っている。
【0132】したがって、ロボット8の本体113とア
ーム114とをコンピュータ9にて適切に駆動制御すれ
ば、各機器ユニット111・112間に容器等を効率良
く運搬することができる。
【0133】また、上記アーム114は、図16(a)
(b)に示すように、先端部114aに着脱自在の把持
部115が設けられている。この把持部115には、そ
れぞれ把持できる容器の大きさが異なる第1フィンガー
116と第2フィンガー117とが設けられている。こ
の第1フィンガー116と第2フィンガー117とは、
アーム114の先端部114aに対して180°回転可
能な支持部材118の両端にそれぞれ接続されている。
【0134】上記第2フィンガー117は、合成反応容
器15の上部の首部15bを把持するようになっている
一方、第1フィンガー116は、上記合成反応容器15
よりも容量の小さな容器の首部を把持するようになって
いる。
【0135】具体的には、第2フィンガー117は、チ
ャッキング対象物、例えば合成反応容器15の場合には
首部15bの周囲を4点で支持するための4本の挟持用
部材117a…が設けられている。同様にして、第1フ
ィンガー116にも4本の挟持用部材116a…が設け
られている。しかしながら、各フィンガーの構成は上記
したものに限定されず、容器等のチャッキング対象物を
把持できる構成であれば、他のものでもよい。
【0136】また、第1フィンガー116と第2フィン
ガー117とは、支持部材118を180°回転させる
ことで、切り替えて使用するようになっている。例えば
初期の状態において第2フィンガー117が下で第1フ
ィンガー116が上にある場合に、合成反応容器15よ
りも小さいな容器を把持するときには、支持部材118
を180°回転させて第1フィンガー116を下側にな
るようにして、この第1フィンガー116にて容器を把
持すれば良い。
【0137】また、把持部115は、支持部剤118に
よって各フィンガーが回転自在となっているので、例え
ば第2フィンガー117で溶液の入った合成反応容器1
5をチャッキングしている場合に180°回転させるこ
とで、合成反応容器15の溶液を排出することもでき
る。
【0138】さらに、把持部115は、実験の用途等に
合わせて種々のものを用意し、必要に応じてアーム11
4に装着して使用するようになっている。この把持部1
15のアーム114への着脱は、操作者が必要に応じて
手動で行っても良く、また、上述の分析前処理装置5に
おけるアーム98への各第1フィンガー99から第4フ
ィンガー102等の着脱のように自動で行うようにして
も良い。
【0139】上記の構成の合成実験自動化システムの動
作を図1を参照しながら以下に説明する。先ず、ロボッ
ト8が反応容器ラック1に収納された合成反応容器15
をチャッキングして、分注・分液装置2の分注位置まで
搬送し、チャッキング状態で合成反応容器15内を窒素
雰囲気にした後、該容器内に指定された試薬・溶媒が分
注される。試薬・溶媒が注入された合成反応容器15
は、再びロボット8にて反応装置3の温調ユニット30
の反応位置まで搬送される。このとき、必要に応じて合
成反応容器15の空の状態の重量と、試薬・溶媒が注入
された状態の重量とを電子天秤等で秤量しても良い。こ
の秤量データは、コンピュータ9に送信される。
【0140】合成反応終了後、合成反応容器15は、ロ
ボット8により反応容器ラック1まで再び搬送して、メ
クラ栓をして待機する。
【0141】次に、ロボット8によりメクラ栓が取り外
された合成反応終了後の合成反応容器15を、振とう装
置4まで搬送し、所定時間攪拌して反応液を分層させ
る。そして、分層された合成反応容器15は、分注・分
液装置2の分液位置に搬送される。ここで、分注・分液
装置2の伝導度センサが該合成反応容器15内に挿入さ
れ、分層の界面が検出され、この検出結果に基づいて指
定された溶液がサンプリングされ、サンプル瓶に注入さ
れる。
【0142】このサンプル瓶は、分析前処理装置5に搬
送され、希釈液あるいは分析の標準液を注入して分析前
処理の溶液を作成する。そして、この溶液を、ガスクロ
マトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7にて所定の
分析を行い、合成反応の収率を決定する。
【0143】上記のロボット8は、コンピュータ9によ
る実行スケジュールプログラムに基づいて合成反応容器
15の運搬動作が制御されており、この動作は合成反応
の実験数だけ行われる。尚、上記コンピュータ9による
ロボット8および合成実験自動化システムの各機器の制
御については後述する。
【0144】以上のように、本願の合成実験自動化シス
テムでは、ロボット8および実験に用いられる各機器が
それぞれコンピュータ9により駆動制御されている。以
下に合成実験自動化システムのソフトウェアについて説
明する。尚、本発明では、汎用性という観点から上記コ
ンピュータ9としては、パーソナルコンピュータを使用
する。また、コンピュータ9で使用されるプログラム
は、米国マイクロソフト社製のWindows (3.1 版以上)
のOS(Operating System) 上で動作可能なプログラム
言語で作成されている。したがって、上記OS上で動作
可能であれば、その種類は特に限定しない。
【0145】先ず、コンピュータ9と合成実験自動化シ
ステムにおけるロボット8および反応システムの各機器
とがどのようにして接続されているのかを説明する。
【0146】上記コンピュータ9には、図17に示すよ
うに、少なくとも2つのシリアルポート(本実施の形態
では、COM1、COM2の2つのCOMポートを使用
する)が備えられており、これらシリアールポートにロ
ボット8およびシステムの各装置が接続されている。上
記シリアールポートは、RS232C端子あるいはRS
232C端子の仕様に準拠した端子である。
【0147】したがって、本願の合成実験自動化システ
ムにおける分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置
4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6、液体ク
ロマトグラフ7(以下、総称して各機器とする)には、
上記コンピュータ9のシリアルポートに接続してデータ
の送受信を行うための通信機能を有している必要があ
る。具体的には、各装置が、シリアルポートとしてRS
232C端子、あるいはRS232C端子の仕様に準拠
した通信端子を有していれば良い。
【0148】コンピュータ9のCOM1には、ロボット
8が接続される一方、COM2には、ペリフェラールボ
ックス等の信号分配器120を介して、分注・分液装置
2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガ
スクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7が接続され
ている。このように、ロボット8と合成実験自動化シス
テムの各機器とが別々のシリアルポートに接続されてい
るのは、ロボット8と各機器とでは、通信データの仕様
が異なるためである。
【0149】上記信号分配器120は、コンピュータ9
からの信号を、各装置に振り分けると共に、各機器から
の信号を選択的にコンピュータ9に送信するものであ
る。これは、RS232C端子における通信機能におい
て、一度に連続してコマンドを各装置に送信することが
できないためである。
【0150】また、コンピュータ9は、図18に示すよ
うに、合成実験自動化システムにおいて行われる合成実
験を実行するための合成反応の手順を示した実行ファイ
ルの作成を主に行う入力部121と、作成された実行フ
ァイルに基づいて、合成実験自動化システムの稼働制御
を行う実行部122とで構成されている。上記入力部1
21は、GASYS.EXE というアプリケーション起動プログ
ラムで実行ファイルの作成が実行されると共に、実行部
122は、GOSEI.EXE 、CRS.EXE 、BUNSEKI.EXE の3つ
の起動プログラムで稼働制御が実行されるようになって
いる。
【0151】上記GOSEI.EXE と、CRS.EXE およびBUNSEK
I.EXE とは、DDE(Dynamic DataExchange)によって
互いに情報を送受信し合って制御を行っている。
【0152】上記GASYS.EXE は、合成実験自動化システ
ムの実行ファイルを作成するツールアプリケーションで
ある。
【0153】上記GOSEI.EXE は、タイマでのスケジュー
ル管理を含む実行部122の中心プログラムである。こ
のプログラムは、入力部121で作成された実行ファイ
ルに基づいて実行開始される。
【0154】上記CRS.EXE は、ロボット8への制御信号
を送新するプログラムである。この信号による制御動作
は、GOSEI.EXE からDDEにより送信される。
【0155】上記BUNSEKI.EXE は、分析用機器(EX−
Multi )に対して制御信号を送るプログラムである。こ
の信号による制御動作は、GOSEI.EXE を経由して各分析
機器に送信される。
【0156】上記入力部121は、実行ファイルを作成
する実行ファイル作成部123を有している。実行ファ
イル作成部123では、GASYS.EXE というプログラム実
行ファイルを起動させることで、実行ファイル作成を行
うようになっている。上記実行ファイルとは、合成反応
の実験数、実験条件等を記述したファイルである。この
実行ファイル作成部123の詳細については後述する。
【0157】上記実行部122は、合成実験自動化シス
テムの各機器を制御する主制御部124と、ロボット8
を制御するロボット制御部125と、分析装置を制御す
る分析制御部126とを有している。主制御部124で
は、GOSEI.EXE というプログラム実行ファイルを起動さ
せることで、主制御に関するプログラムが実行される。
ロボット制御部125では、CRS.EXE というプログラム
実行ファイルを起動させることで、ロボット制御に関す
るプログラムを実行する。分析制御部126は、BUNSEK
I.EXE というプログラム実行ファイルを起動させること
で、分析制御に関するプログラムを実行する。
【0158】上記実行部122のGOSEI.EXE は、同時に
複数の実験を行うためにタイマーイベントによりスケジ
ュール管理を行っている。これは、上記Windows では1
つのプログラム実行ファイル(.EXE)で複数のタス
クを使用するアプリケーションの作成が困難であるため
である。つまり、実行部122は、各実験の処理の流れ
を数十ミリ秒から1秒程度(通常は機械に対して制御信
号を送信したタイミング)で中断し、他の実験の制御に
移行するようにして複数の実験のスケジュール管理を行
っている。
【0159】一般に、複数の合成実験を同時に行う場
合、全ての合成実験がなんの制限もなく無秩序に行われ
れば、重大な問題となる。
【0160】そこで、従来より複数の合成実験を行う制
御プログラムでは、本願の実行ファイルに相当する実験
ファイルの作成時に、各単位実験操作の所要時間を計算
して、実験毎にタイムテーブルを作成し、そしてこれら
各タイムテーブルをハードウェアの制約に違反しないよ
うに組み合わせる(つまり、実験毎に開始時刻をずら
す)ことにより、上記問題を解決してきた。
【0161】ところが、上記の制御プログラムでは、実
験ファイルを作成する時点でタイムテーブルを作成する
ようになっているので、「ある瞬間にはロボットはここ
にいるはず」、「振とう装置はあいているはず」などの
各単位操作の時間から見込みの操作を行っている。この
ような場合には、ハードウェアの異常時に迅速に対応す
ることができないという問題が生じる。
【0162】これに対して、本願では、各機器とコンピ
ュータ9とは通信機能により絶えず通信状態にあるの
で、コンピュータ9は常に各機器の状態を把握してい
る。これにより、ハードウェアに異常が生じた場合に迅
速に対応することができる。
【0163】ここで、上記入力部121の実行ファイル
作成部123について詳細に説明する。上記実行ファイ
ル作成部123は、図19に示すように、合成実験に必
要な温度、試薬等の実験パラメータを設定した実験ファ
イルを作成する実験ファイル作成部127と、ロボット
8の動作速度、反応容器ラック1のラックサイズ等の合
成実験自動化システムの環境を設定した環境ファイルを
作成する環境ファイル作成部128と、合成実験に使用
する試薬・溶媒等の名前を登録する試薬溶媒名登録部1
29の4つのプログラムで構成されており、上述したGA
SYS.EXE を起動することで各プログラムが実行される。
【0164】上記実験ファイル作成部127では、簡単
モードと詳細モードの2つの作成モードの少なくとも一
方を用いて実験ファイルを作成するようになっている。
つまり、上記実験ファイルは、簡単モードのみによって
作成しても良く、また、簡単モードに加えて詳細モード
によって作成しても良く、さらに、詳細モードのみによ
って作成しても良い。
【0165】簡単モードとは、合成実験自動化システム
における動作手順に不慣れな実験専門家がより容易に実
験ファイルを作成するように考慮した実験ファイル作成
モードである。この簡単モードでは、予め決められた合
成実験の動作制御アルゴリズムに対して試薬溶媒、反応
温度等の設定変更だけを行い、例えば最適温度・時間
検討コース、最適試薬・溶媒検討コース、最適モル
比検討コースの3コースの何れかを選択して、実験ファ
イルを作成するようになっている。
【0166】一方、詳細モードとは、合成実験における
各種パラメータや、シーケンス(動作単位)の選択設定
を詳細に行うようにした実験ファイル作成モードであ
る。
【0167】通常、実験ファイルを作成するときには、
簡単モードにより設定の後に、詳細モードに移行するよ
うになっている。しかしながら、上述したように、簡単
モードを選択せず、詳細モードのみによって実験ファイ
ルを作成しても良く、さらに、簡単モードのみで実験フ
ァイルを作成しても良い。
【0168】また、環境ファイル作成部128は、ロボ
ット8の移動速度やダイリュータの吸引排出速度、同一
配管内での試薬交換時の配管の洗浄回数の設定や、反応
容器ラック1のサイズの設定等の合成実験自動化システ
ムにおける各装置の配置等の環境設定をファイルとして
作成するためのプログラムが実行されている。
【0169】さらに、試薬溶媒名登録部129は、合成
実験に使用する各種試薬、溶媒名を登録するためのプロ
グラムが実行されている。
【0170】上記構成の入力部121における実行ファ
イル作成部123のプログラムの起動は、操作者が図示
しないコンピュータ9のモニタ上に表示されているWind
ows上のプログラム起動用のアイコンを選択することに
よって行われる。このときのアイコンは、GASYS.EXE を
起動するように設定されている。そして、上記プログラ
ムの起動後、図示しない入力設定メイン画面が表示され
る。この入力設定メイン画面には、簡単モードおよび詳
細モードの何れかが選択できるように表示されている。
【0171】次いで、操作者は、実験の目的に応じて上
記入力設定メイン画面から簡単モードか詳細モードかの
何れかを選択し、実験の条件を入力する。このとき、先
に簡単モードを選択して、実験条件を入力した後、さら
に詳細モードを選択して、実験条件を入力することがで
きる。また、最初から詳細モードを選択して、実験条件
を入力することもできる。
【0172】上記の実験条件の入力は、何れの場合にお
いても試薬溶媒等の項目を選択して行う場合と、反応温
度、反応時間等のように数値を入力して行う場合とに分
けられる。このとき、項目を選択する場合は選択項目の
エラー確認、数値を入力する場合は数値範囲のエラー確
認を行う。そして、エラー時には警告を発して操作者に
知らせる。この場合、コンピュータ9のスピーカ等から
音で警告すると共に、画面に警告を表示するようになっ
ている。
【0173】このようにして、エラーのチェック等を行
いながら全ての実験条件の入力が終了すれば、実行部1
22に送信するファイルを作成する。このファイル作成
時においても、入力項目に誤りがある場合は、上述のよ
うにして警告を発し、操作者に知らせる。
【0174】また、上記入力設定メイン画面には、上記
簡単モードおよび詳細モードの選択表示の他に、環境設
定、試薬溶媒登録の設定登録用のアイコンが表示されて
おり、所望するアイコンを選択することで、それぞれの
設定画面あるいは登録画面に切り換わるようになってい
る。
【0175】したがって、上記入力部121の実行ファ
イル作成は、例えば図23に示すように、コンピュータ
9に備えられているモニタ(図示せず)に表示される画
面200に沿って行われる。
【0176】このようにして入力部121にて作成され
た実行ファイルに基づいて、実行部122は、合成実験
自動化システムを稼働制御する。
【0177】ここで、上記実行部122の主制御部12
4、ロボット制御部125および分析制御部126につ
いて詳細に説明する。
【0178】上記主制御部124は、図20に示すよう
に、実行JOB登録部130、稼働処理部131、通信
管理部132、情報管理部133、データファイル作成
部134、ログファイル作成部135の6つのプログラ
ムで構成されている。上記の各プログラムの実行は、GO
SEI.EXE というプログラムの起動によって行われる。
【0179】実行JOB登録部130は、実行ファイル
作成部123にて作成された実行ファイルの中から選択
された実行ファイルを読み込み、該実行ファイルが設定
温度毎に実行JOBとして登録するプログラムである。
この実行JOBは、各実行ファイルの設定温度毎に登録
されており、所定のタイミングで稼働処理部131で読
み込まれ、この実行JOB単位で合成実験が行われる。
【0180】上記実行JOB登録部130において、実
行ファイルを読み込んだとき、環境値のチェック、シー
ケンスのパラメータチェック、合成実験自動化システム
における各機器の確認、使用系列の配置等を行うように
なっている。例えば、機器の確認では、実行ファイルを
実行JOBとして登録をする前に、使用する各機器に初
期動作コマンドを送信して、その機器が動作コマンドを
正しく送受信しているか否かを確認している。このと
き、何れかの機器が動作コマンドを正しく送受信してい
ない状態(例えば電源が入っていない、通信コネクタが
外れている等)を確認した場合には、合成実験自動化シ
ステムの操作者に警告を発すると共に、実験動作の開始
を中断する。そして、上記の機器の接続不良等の問題を
解消した後、再び機器の確認を行い、上記の実行ファイ
ル及び機器の確認が終了した時点で、実行JOBの登録
を行う。
【0181】このように、実行JOB登録部130にお
いて、実行JOBの登録を行う前に実行ファイルの内容
をチェックする理由は、入力部121にて作成された実
行ファイルが通常のテキストファイルで記載されてお
り、エディタ等を用いてテキストファイルの内容を容易
に変更できるためである。
【0182】稼働処理部131は、実行JOB登録部1
30で登録された実行JOBの内容に基づいて、合成実
験自動化システムを動作させる。このとき、稼働処理部
131では、タイマーによる実験の実行スケジュール、
実行JOBの配置、実験系列の配置、DDE通信制御、
機器の動作制御等のプログラムが実行されている。
【0183】この稼働処理部131による制御では、反
応装置3の温調ユニット30が4つであるため、4つの
実行JOBまで同時に実行可能である。これ以上の実行
JOBを行う場合には、前の実験がJOB単位で終了し
た時点で、次の実行JOBによる実験を該当する温調ユ
ニット30にて開始するようになっている。つまり、本
実施の形態では、反応装置3の温調ユニット30は4つ
であるが、この温調ユニット30の数を増やすことで同
時に行えるJOB数も増加する。
【0184】合成実験が実行されている間、図24に示
すような実行の進行状況を表示する実行画面201がモ
ニタ(図示せず)に表示されるようになっている。この
実行状況としては、実験の進行を合成反応容器15毎に
表示する「バイアル実行・だんご図」、反応装置3の各
温調ユニット30…の温度を配置した系列毎に表示する
「温調ユニット使用状況」、JOBの進行を表示する
「稼働JOB・待機JOB」がある。
【0185】上記稼働処理部131が実行JOBに基づ
いて生成する各機器の制御信号は、通信管理部132を
介して送信される。また、各機器からの情報は、通信管
理部132を介して受信される。
【0186】上記通信管理部132での制御信号の送受
信はCOM2を用いる。尚、通信管理部132における
制御信号の送受信は、稼働処理部131とは別の独立し
たタイマによって行われている。これは、上記COM2
では、制御信号を1度に連続して送信することができな
いためである。
【0187】通信管理部132は、情報管理部133と
情報の送受信をDDEで行っている。この情報管理部1
33は、合成実験中の合成実験自動化システムにおける
稼働環境、ロボット8へのCRS通信、ペリフェラール
通信等の状況を管理する情報管理プログラムである。
【0188】上記情報管理部133における情報管理プ
ログラムは、稼働処理部131にてタイマーによって、
短い時間間隔で順に各機器に制御信号(コマンド)を送
信して、次の実行JOBが実行可能であるか否かを、該
プログラム上に設けられたフラグというビット単位の情
報管理手段によりチェックするようになっている。ここ
で、次の実行JOBが実行可能であればその機器に対し
て動作信号を送信するように稼働処理部131を制御
し、不可能な場合には、登録された実行JOBの中から
可能な実行JOBが見つかるまで、上記のチェックを繰
り返すようになっている。
【0189】さらに、主制御部124には、稼働処理部
131による実行JOBに基づく実験に伴って生じる試
薬や溶媒、あるい反応液等の秤量値のような各種データ
をファイルするデータファイル作成部134というプロ
グラムが含まれている。
【0190】また、主制御部124には、上記データフ
ァイル作成部134の他に、合成実験の間、合成実験自
動化システムにおける各機器がどのような動作をした
か、あるいはどのようなコマンドで動作したか等のコン
ピュータ9と各機器との通信のログファイルを作成する
ためのログファイル作成部135というプログラムが含
まれている。
【0191】上記データファイル作成部134およびロ
グファイル作成部135にて作成されたデータファイル
およびログファイルは、コンピュータ9の内部あるいは
外部の記憶装置に記憶され、必要に応じて参照または利
用できるようになっている。
【0192】次に、ロボット制御部125について詳細
に説明する。ここで、ロボット8は、合成実験自動化シ
ステムにおいて各機器に対して合成反応容器15等の容
器の搬送に使用されているので、そのスケジュール管理
は上述の稼働処理部131によって行われる。しかしな
がら、ロボット8の動作の独立性および通信信号の仕様
の相違から、この動作の通信信号送受信部は独立した制
御部にて制御される。この制御部が上記のロボット制御
部125である。
【0193】上記ロボット制御部125は、図21に示
すように、GOSEI.EXE との間でDDEによる送受信を行
うための送受信管理部136と、DDE通信による情報
信号から動作コマンドを送受信し、この動作コマンドを
ロボット8用の動作信号に変換するための動作コマンド
送受信部137と、動作信号を送受信すると共に、動作
信号送受信部138との3つのプログラムで構成されて
いる。
【0194】上記動作信号送受信部138は、COM1
とロボット8のコントローラと間で動作信号の送受信を
管理するプログラムである。
【0195】上記の各プログラムの実行は、CRS.EXE を
起動することで実行される。このCRS.EXE は、上述した
GOSEI.EXE を起動するときに、このGOSEI.EXE とのDD
E通信によって起動される。
【0196】また、上記の動作信号送受信部138のプ
ログラムが実行されると、予め設定されたロボット8の
移動場所(以下、ロケーションと称する)の設定変更を
行う画面と、上記ロケーションへのロボット8の移動等
を含む任意のコマンドを送信できるようなターミナル画
面とが、上記送受信管理部136を介してモニタ上に表
示される。尚、上記の両機能は、通常の合成実験で使用
することはない。
【0197】次いで、分析制御部126について以下に
説明する。尚、上記分析制御部126も、前述のロボッ
ト制御部125と同様に、分析機器(ガスクロマトグラ
フ6や液体クロマトグラフ7等)の動作の独立性および
通信信号の仕様の相違から、この動作の通信信号送受信
部は独立した制御部にて制御されている。この制御部が
分析制御部126である。
【0198】上記分析制御部126は、図22に示すよ
うに、GOSEI.EXE との間でDDEによる送受信を行うた
めの送受信管理部139と、DDE通信による情報信号
から動作コマンドを送受信するための動作コマンド送受
信部140との2つのプログラムで構成されている。
【0199】尚、分析機器の移動場所等の管理は、分析
機器本体が記憶しているため、上述のロボット制御部1
25におけるターミナル画面等を表示する必要はない。
【0200】上記分析制御部126における各部のプロ
グラムは、BUNSEKI.EXE を起動することで実行される。
このBUNSEKI.EXE は、上述したGOSEI.EXE を起動すると
きに、このGOSEI.EXE とのDDE通信によって起動され
る。そして、分析機器の制御動作は、GOSEI.EXE からD
DE通信により送信される動作信号によって行われ、ま
た分析機器に対しての制御信号はGOSEI.EXE を経由して
分析機器に送信される。
【0201】ここで、上記構成の合成実験自動化システ
ムにおけるシステム全体の動作の流れについて、図25
ないし図28に示すフローチャートを参照しながら以下
に説明する。但し、上記合成実験自動化システムの作動
させる前には、操作者によって、各機器の電源のON、
試薬、溶媒、合成反応容器15等のセッテイング等の実
験準備を行う。そして、上記の実験準備が完了した後、
コンピュータ9を作動させるものとする。
【0202】先ず、図25に示すように、所望する合成
実験に応じた実行ファイルの作成を行う(S1)。この
実行ファイルの作成のサブルーチンは、後述する。
【0203】次いで、作成された実行ファイルに基づい
て実行JOBを登録する(S2)。この実行JOBの登
録のサブルーチンについても、後述する。
【0204】次に、S2で登録された実行JOBを読み
込む(S3)。ここでは、実行ファイルに記載されてい
る反応温度毎のJOBの作成、実行ファイル内の異常の
チェック等を行う。
【0205】続いて、上記実行JOBに基づいて、実験
が開始される(S4)。本実施の形態の合成実験自動化
システムでは、反応装置3における4つの異なる反応温
度に設定された温調ユニット30を有しているので、4
種類のJOBが実行可能である。
【0206】そして、実験の実行状況をモニタに表示す
る共に、実験中に生じた各種データのファイルと、各機
器とコンピュータ9の通信状況等を示すログファイルと
を作成する(S5)。このため、実験の実行中に、操作
者は、実行状況をモニタリングすることができ、実験中
の異常を発見することができる。
【0207】次に、操作者が、上記実行状況のモニタリ
ング中に異常が発見されたか否かを判定する(S6)。
ここで、異常がなければ、別の実験を実行するか否かを
判定する(S7)。
【0208】S6で、異常がありと判定すれば、エラー
処理を行うサブルーチンに移行する(S8)。このエラ
ー処理については、後述する。
【0209】また、S7で、別の実験を実行するのであ
れば、S3に移行し、別の実験の実行JOBを読み込
む。一方、S7で、別の実験を実行しないのであれば、
実験を終了させる(S9)。ここで、実験の終了とは、
システム全体の合成反応が終了することである。
【0210】続いて、上記実行ファイル作成のサブルー
チンについて説明する。尚、ここでは、実行ファイル作
成部123における実験ファイル作成部127、環境フ
ァイル作成部128、試薬溶媒名登録部129の各部で
作成および登録されたデータを実行ファイルとする。
【0211】先ず、図26に示すように、GASYS.EXE を
起動させて実行ファイル作成部123によりコンピュー
タ9に入力設定の初期画面を表示させる(S11)。こ
の初期画面には、『実ファイルの作成』、『環境ファイ
ルの作成』、『試薬溶媒名登録』の3つの項目が表示さ
れている。そして、この3つの項目から実験ファイルの
作成という項目が選択されたか否かを判定する(S1
2)。ここで、実験ファイル作成が選択されなければ、
図27に示すS19に移行する。一方、実験ファイル作
成が選択されれば、上記初期画面は、『簡単モード』と
『詳細モード』の2つの項目が表示され、さらに、簡単
モードが選択され、該簡単モードが実行されたか否かを
判定する(S13)。
【0212】S13で簡単モードが実行されたと判定さ
れなければ、S15に移行して詳細モードが実行された
か否かが判定される。また、S13で簡単モードが実行
されたと判定されれば、簡単モードでの実験条件の入力
が行われる。
【0213】そして、簡単モードの実行が終了すれば
(S14)、詳細モードが選択され、該詳細モードが実
行されたか否かが判定される(S15)。ここで、詳細
モードが実行されたと判定されなければ、S17に移行
する。一方、詳細モードが実行されたと判定されれば、
詳細モードでの実験入力が行われる。
【0214】そして、詳細モードの実行が終了すれば
(S16)、実験ファイルの作成が終了されたか否かが
判定される(S17)。ここで、実験ファイルの作成が
終了されたと判定されなければ、さらに実験ファイルを
作成するために、再びS13に移行する。
【0215】一方、S17で実験ファイルの作成が終了
されたと判定されれば、実行ファイルの作成が終了され
たか否かが判定される(S18)。ここで、実行ファイ
ルの作成が終了されたと判定されれば、図25に示すS
2に移行し、実行JOBの登録のサブルーチンを実行す
る。このサブルーチンについては後述する。
【0216】また、S18で、実行ファイルの作成が終
了されたと判定されなければ、S12に移行する。
【0217】ここで、上記S12にて実験ファイルの作
成が選択されない場合について、図27のフローチャー
トを参照しながら以下に説明する。
【0218】先ず、実験ファイルの作成という項目を選
択しない場合、初期画面から、環境ファイルを作成する
項目が選択されたか否かが判定される(S19)。ここ
で、環境ファイルの作成が選択されたと判定されなけれ
ば、S21に移行する。一方、環境ファイルの作成が選
択されたと判定されれば、環境ファイルの作成が行われ
る。そして、この環境ファイルの作成が終了すれば(S
20)、S21に移行する。
【0219】S21では、上記初期画面から試薬溶媒名
の登録という項目が選択されたか否かが判定される。こ
こで、試薬溶媒名の登録が選択されたと判定されなけれ
ば、S23に移行する。一方、S21で試薬溶媒名の登
録を選択されたと判定されれば、試薬溶媒名の登録が行
われる。そして、試薬溶媒名の登録が終了すれば(S2
2)、再び実験ファイルの作成が選択されたか否かが判
定される(S23)。
【0220】S23で、実験ファイルの作成が選択され
たと判定されなければ、S19に移行し、環境ファイル
の作成が選択されたか否かが判定される。一方、S23
で、実験ファイルの作成が選択されたと判定されれば、
図26に示すS13に移行する。
【0221】このようにして、合成反応の実験数および
実験条件の数だけ実行ファイルが作成される。
【0222】次に、図25に示す実行JOBの登録のサ
ブルーチンについて図28に示すフローチャートを参照
しながら以下に説明する。
【0223】先ず、上述した実行ファイルの作成サブル
ーチンによって作成された実行ファイルの選択が行われ
る(S31)。
【0224】次いで、選択した実行ファイルが読み込ま
れる(S32)。このとき、読み込まれた実行ファイル
から、合成実験自動化システムの環境値のチェック、シ
ーケンスのパラメータチェック、使用機器の確認、使用
系列の配置の確認等が行われる。そして、読み込んだ実
行ファイルに異常がなければ、上記実行ファイルが実際
に行う合成実験を実行するための実行JOBとして登録
される(S33)。
【0225】そして、実行JOBの登録が終了されたか
否かを判定する(S34)。ここで、所望する実験数の
実行ファイルが、実行JOBとして全て登録された場合
には、実行JOBの登録を終了して、図25に示すS3
に移行する。一方、所望する実験数の実行ファイルが実
行JOBとして登録されていなれば、S31に移行す
る。
【0226】このようにして、実行JOBが合成反応の
実験数および実験条件の数だけ登録される。
【0227】次に、図25に示すエラー処理におけるサ
ブルーチンについて、図29に示すフローチャートを参
照しながら以下に説明する。本合成実験自動化システム
では、システムがエラーを検知した場合、そのエラーが
どのような種類のエラーであるのかを認識し、そのエラ
ーの種類によって所定の処理が行われる。
【0228】先ず、システムにダメージを与えるエラ
ー、例えば異常な負荷、異常な電流等により生じるエラ
ーか否かを判定する(S41)。ここで、そのようなシ
ステムにダメージを与えるようなエラーであれば、ブレ
カーを落とす等してシステムの元の電源を切る(S4
2)。そして、エラー処理を終了する。
【0229】また、S41で、発生したエラーがシステ
ムに与えるエラーでなければ、次に、実験進行が不可能
なエラー、例えばロボット8の走行エラー等の故障によ
り生じるエラーか否かを判定する(S43)。ここで、
実験進行が不可能なエラーであれば、合成実験自動化シ
ステムの全装置を初期化して、システムをシャットダウ
ンする(S44)。そして、ここで検出したエラーの内
容をロギングし(S45)、エラー処理を終了する。
【0230】一方、S43で、実験進行が不可能なエラ
ーでなければ、続行可能な実験について続行可能な処理
を行う(S46)。そして、ここで検出したエラーの内
容をロギングし(S47)、エラー処理を終了する。
【0231】上記のようなエラー処理を行った後は、エ
ラー内容をチェックして、そのエラー内容に基づいて合
成実験自動化システムを再点検して、次の実験に備え
る。
【0232】このように、本願の合成実験自動化システ
ムでは、合成反応が行われている間、常に反応システム
内の各機器とコンピュータ9とが通信しているので、エ
ラー発生等の異常時にはエラー処理用のプログラム(図
29)を実行すればエラーを回避することができる。し
かも、本合成実験自動化システムでは、上述のように、
実行ファイルの作成および実行JOBの登録段階におい
ても異常を検出して、その異常を回避するようになって
いる。したがって、本願によれば、安全で確実な実験が
できる合成実験自動化システムを提供することができ
る。
【0233】また、上記構成の合成実験自動化システム
によれば、コンピュータ9によって反応システム内の装
置の動作が実験条件毎に制御されるので、反応装置3内
の複数の温調ユニット30をそれぞれ異なる実験条件で
作動させることができる。
【0234】例えば、上記反応装置3の各温調ユニット
30には、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手
段が設けられ、上記温度調整手段の温度調整動作は、上
記コンピュータ9により各実験条件に基づいて制御され
ている。これにより、本合成実験自動化システムでは、
複数の異なる温度条件で合成反応が同時に行える。さら
に、温調ユニット30には複数の合成反応容器15が収
納可能なので、さらに多くの実験条件の異なる反応を同
時に行わせることができる。
【0235】また、ロボット8の搬送載置動作も上記コ
ンピュータ9によって制御されているので、ロボット8
は、実験条件に基づいて反応システム内でロボット8を
搬送するようになる。これにより、ロボット8の行動範
囲に上記反応システムの各装置を配置することができる
ので、合成実験自動化システムの拡張性を向上させるこ
とができる。
【0236】さらに、上記ロボットの搬送載置動作およ
び上記反応システム内の装置の動作が、合成反応の実験
条件毎に制御されているので、種々の反応に対応させる
ことができ、反応プロセスの組み合わせが自由になる。
これによって、システムの柔軟性を向上させることがで
きる。
【0237】上記のように複数の実験を同時に行うため
には、例えばコンピュータ9が、上記反応システムにお
ける合成反応手順を、各実験毎に設定すれば良い。
【0238】また、本願の合成実験自動化システムに使
用されるロボット8は、拡張可能な走行用レール110
上を走行するようになっている。これにより、この走行
用レール110に沿って反応システムの各装置を配置す
れば、ロボット8による反応容器の搬送を効率良く行う
ことができる。しかも、上記の走行用レール110は拡
張可能なので、レール110を増設するだけで容易にシ
ステムの拡張を行うことができる。
【0239】尚、本実施の形態では、合成実験自動化シ
ステムに配置される機器、即ち反応システムを構成する
機器として、反応容器ラック1、分注・分液装置2、反
応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロ
マトグラフ6、液体クロマトグラフ7を用いているが、
これに、図1に示すように、濃縮装置150を載置して
も良い。また、ロボット走行用レール110を延長する
ことによって、さらに他の機器を配置しても良い。
【0240】以上の説明では、本願発明の一例を示した
にすぎず、本願の請求項に記載の技術思想を反映させ得
るものであれば、どのような合成実験自動化システムに
も適用することができる。
【0241】
【発明の効果】請求項1の発明の合成実験自動化システ
ムは、以上のように、複数の反応容器を収納する反応容
器ラックと、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装
置と、試薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可
能な反応部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実
験条件で同時に合成反応が行われる反応装置とを含む反
応システムと、上記反応容器ラックから反応容器を取り
出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に搬送す
ると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上記反応
装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、上記ロ
ボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応システ
ム内の装置の動作を、上記の各実験条件に基づいて制御
するコンピュータとからなる構成である。
【0242】それゆえ、コンピュータによって反応シス
テム内の装置の動作が合成反応の実験条件毎に制御され
るので、反応装置内の複数の反応部をそれぞれ異なる実
験条件で作動させることができる。さらに、反応部には
複数の反応容器が収納可能なので、さらに多くの実験条
件の異なる反応を同時に行わせることができる。
【0243】また、ロボットの搬送載置動作も上記コン
ピュータによって制御されているので、ロボットは、実
験条件に基づいて反応システム内で反応容器を搬送する
ようになる。これにより、ロボットの行動範囲に上記反
応システムの各装置を配置することができるので、合成
実験自動化システムの拡張性の向上を図ることができ
る。
【0244】さらに、上記ロボットの搬送載置動作およ
び上記反応システム内の装置の動作が、実験条件毎に制
御されているので、種々の反応に対応させることがで
き、反応プロセスの組み合わせが自由になる。これによ
ってもシステムの柔軟性の向上を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0245】請求項2の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項1の構成に加えて、反応装置
の各反応部には、それぞれ異なる温度設定が可能な温度
調整手段が設けられ、上記温度調整手段の温度調整動作
は、上記コンピュータにより各実験条件に基づいて制御
されている構成である。
【0246】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、上記反応装置の各反応部に、それぞれ異なる温度
設定が可能な温度調整手段を設け、上記温度調整手段の
温度調整動作を、上記コンピュータにより制御すれば、
複数の異なる温度条件で合成反応が同時に行える。
【0247】さらに、反応部には複数の反応容器が収納
可能なので、さらに多くの実験条件の異なる合成反応を
同時に行わせることができるという効果を奏する。
【0248】請求項3の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項1または2の構成に加えて、
反応システムは、さらに、上記反応装置で合成反応終了
直後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された
条件で振とうする振とう装置と、上記振とう装置で振と
うされた反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分
液する分液装置とを含む構成である。
【0249】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、振とう装置と分液装置とをロボットの行
動範囲内に配置することで、反応システム内で合成反応
の各実験条件に基づいて作動させることができるという
効果を奏する。
【0250】請求項4の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項3の構成に加えて、振とう装
置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、振とう時
の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生するガスを
排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部の反応容
器側面部を洗浄する洗浄部とを備えている構成である。
【0251】それゆえ、反応後の溶液を振とうした場合
に発生するガスによる容器の破損を防止することができ
るという効果を奏する。
【0252】請求項5の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項3または4の構成に加えて、
分液装置は、分層された反応液の界面を、それぞれの層
の電気伝導度の差により検出する検出器を備え、この検
出信号に基づいて分液する構成である。
【0253】それゆえ、分層された反応液の界面が、そ
れぞれの層の電気伝導度の差により検出されるので、反
応液の光の屈折率の差から上記反応液の界面を認識する
場合のように、屈折率検知センサ等で外部から光走査す
る必要がないので、装置の大型化を防止することができ
るという効果を奏する。
【0254】請求項6の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項5の構成に加えて、分液装置
は、上記検出器の検出結果に基づいて、反応溶液から分
層された溶液の一方を抽出する抽出手段を備えている構
成である。
【0255】それゆえ、請求項5の構成による効果に加
えて、抽出手段が上記検出器の検出結果に基づいて、分
層された反応液から所望する溶液を容易に抽出すること
ができるという効果を奏する。
【0256】請求項7の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項1ないし6の何れかの構成に
加えて、ロボットは、拡張可能なレール上を走行する構
成である。
【0257】それゆえ、請求項1ないし6の何れの構成
による効果に加えて、ロボットは、拡張可能なレール上
を走行することで、このレールに沿って反応システムの
各装置を配置すれば、ロボットによる反応容器の搬送を
効率良く行うことができる。
【0258】しかも、上記のレールは拡張可能なので、
レールを増設するだけで容易にシステムの拡張を行うこ
とができるという効果を奏する。
【0259】請求項8の発明の合成実験自動化システム
は、以上のように、請求項1ないし7の何れかの構成に
加えて、コンピュータは、上記反応システムで実行され
る合成反応の手順を、各実験毎に設定する構成である。
【0260】それゆえ、請求項1ないし7の何れかの構
成による効果に加えて、コンピュータによって合成反応
の手順が作成され、その手順に基づいて合成反応が実行
されるようになるので、反応システム内で使用される機
器が増加しても、プログラムを変更する等して柔軟に対
応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る合成実験自動化シ
ステムの模式構成図である。
【図2】図1に示す合成実験自動化システムに配置され
ている反応容器ラックを示すものであって、(a)は平
面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】図1に示す合成実験自動化システムに配置され
ている分注・分液装置の概略構成図である。
【図4】図3に示す分注・分液装置の分注ニードルと溶
媒ボトルとの接続関係を示す説明図である。
【図5】図1に示す合成実験自動化システムに配置され
ている反応装置の概略構成図である。
【図6】図5に示す反応装置の反応槽の概略構成図であ
る。
【図7】図6に示す反応槽の冷却機構を示す説明図であ
る。
【図8】図5に示す反応装置に備えられている温度制御
機構の概略構成図である。
【図9】図5に示す反応装置に備えられている冷却管の
概略構成図である。
【図10】図5に示す反応装置における試薬・溶媒の供
給システムを示す模式図である。
【図11】図1に示す合成実験自動化システムに配置さ
れている振とう装置の概略構成図である。
【図12】図1に示す合成実験自動化システムに配置さ
れている分析前処理装置の概略構成図である。
【図13】図12に示す分析前処理装置に備えられてい
るアームに装着されるフィンガーの一例を示す説明図で
ある。
【図14】図12に示す分析前処理装置に備えられてい
るアームに装着されるフィンガーの他の例を示す説明図
である。
【図15】図1に示す合成実験自動化システムに備えら
れているロボットを示すものであって、(a)は平面
図、(b)は側面図である。
【図16】図15に示すロボットのアームを示す説明図
である。
【図17】図1に示す合成実験自動化システムの制御ブ
ロック図である。
【図18】図17に示すコンピュータの内部を示す説明
図である。
【図19】図18に示すコンピュータの入力部の実行フ
ァイル作成部を示す説明図である。
【図20】図18に示すコンピュータの実行部の主制御
部を示す説明図である。
【図21】図18に示すコンピュータの実行部のロボッ
ト制御部を示す説明図である。
【図22】図18に示すコンピュータの実行部の分析制
御部を示す説明図である。
【図23】実行ファイル作成画面の一例を示す説明図で
ある。
【図24】実験の進行状況画面の一例を示す説明図であ
る。
【図25】図1に示す合成実験自動化システムにおける
システムの流れを示すフローチャートである。
【図26】図25に示すフローチャートの実行ファイル
作成の流れを示すフローチャートである。
【図27】図25に示すフローチャートの実行ファイル
作成の流れを示すフローチャートである。
【図28】図25に示すフローチャートの実行JOB登
録の流れを示すフローチャートである。
【図29】図25に示すフローチャートのエラー処理の
流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 反応容器ラック 2 分注・分液装置 3 反応装置 4 振とう装置 5 分析前処理装置 6 ガスクロマトグラフ 7 液体クロマトグラフ 8 ロボット 9 コンピュータ 15 合成反応容器(反応容器) 18 注入・抽出機構(抽出手段) 29 伝導度センサ(検出器) 30 温調ユニット(反応部) 70 ボルテックスミキサー(振とう部) 74 押さえキャップ(蓋部) 78 リンスポート(洗浄部) 110 走行用レール(レール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 弘一 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 平田 紀彦 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 小池 敏雄 神奈川県横浜市港南区日限山2−18−19 (72)発明者 谷 賢次 埼玉県志木市柏町1−23−28 (72)発明者 川田 易治 神奈川県横浜市戸塚区深谷町25−542

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の反応容器を収納する反応容器ラック
    と、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装置と、試
    薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可能な反応
    部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実験条件の
    合成反応の設定が可能な反応装置とを含む反応システム
    と、 上記反応容器ラックから反応容器を取り出して、該反応
    容器を上記分注装置の分注位置に搬送すると共に、試薬
    ・溶媒の注入された反応容器を上記反応装置の反応部の
    所定位置に搬送するロボットと、 上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応
    システム内の各装置の動作を、各合成反応の実験条件に
    基づいて制御するコンピュータとからなることを特徴と
    する合成実験自動化システム。
  2. 【請求項2】上記反応装置の各反応部には、それぞれ異
    なる温度設定が可能な温度調整手段が設けられ、上記温
    度調整手段の温度調整動作は、上記コンピュータにより
    制御されていることを特徴とする請求項1記載の合成実
    験自動化システム。
  3. 【請求項3】上記反応システムは、さらに、上記反応装
    置で合成反応終了直後の反応容器を、上記実験条件に基
    づいて設定された条件で振とうする振とう装置と、 上記振とう装置で振とうされた反応容器内の反応溶液か
    ら指定された溶液を分液する分液装置とを含むことを特
    徴とする請求項1または2記載の合成実験自動化システ
    ム。
  4. 【請求項4】上記振とう装置は、反応容器を振とうする
    容器振とう部と、振とう時の液漏れを防止すると共に、
    振とう時に発生するガスを排出するガス抜き機構を有す
    る蓋部と、該蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部と
    を備えていることを特徴とする請求項3記載の合成実験
    自動化システム。
  5. 【請求項5】上記分液装置は、分層された反応液の界面
    を、それぞれの層の電気伝導度の差により検出する検出
    器を備え、この検出信号に基づいて分液することを特徴
    とする請求項3または4記載の合成実験自動化システ
    ム。
  6. 【請求項6】上記分液装置は、上記検出器の検出結果に
    基づいて、反応溶液から分層された溶液の一方を抽出す
    る抽出手段を備えていることを特徴とする請求項5に記
    載の合成実験自動化システム。
  7. 【請求項7】上記ロボットは、拡張可能なレール上を走
    行することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記
    載の合成実験自動化システム。
  8. 【請求項8】上記コンピュータは、上記反応システムで
    実行される合成反応手順を、各合成反応の実験条件毎に
    設定することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに
    記載の合成実験自動化システム。
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