JP3581501B2 - 合成実験自動化システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学合成実験を自動で行う合成実験自動化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化学実験の効率化および省力化を図るために、種々の自動実験装置が開発されている。
【0003】
これら自動実験装置には、例えば、(1)温度、圧力、流量などの制御、熱収支の精密測定、反応パラメータの解析など反応条件の制御を自動で行う装置、(2)合成、後処理、精製など少量サンプル合成のためのシーケンシャルな装置、(3)ロボットを用いて、合成、後処理、分析を行う装置に大別される。
【0004】
上記の自動実験装置を具体的に示すと、例えば(I)特開平1−249135号公報、特開平2−2870号公報、特開平6−63389号公報、特開平6−79166号公報に開示されている合成反応装置、(II)商品名コンタラボ(メトラー社製)、商品名ARS(相互薬品工業(株)製)等の自動合成装置、(III)商品名コンビテック(テカン社製)のロボットを用いた合成実験装置などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記(I)に記載されている合成反応装置は、一体型のシーケンス制御装置であるので、セットした反応容器に対して試薬、溶媒を注入し、その場で反応させるようになっている。このため、システムの柔軟性や拡張性に乏しく、しかも反応の場が限定されるので、多数の反応を同時に進行させたり、反応プロセスを自由に組み合わせたりすることが困難である。
【0006】
また、上記(II)に記載されている自動合成装置では、1反応装置で1本の反応しか行えないという理由から、1回に1反応しか操作できないという問題が生じる。
【0007】
さらに、上記(III)に記載されている合成実験装置では、ロボットを用いている点で、前記(I)および(II)に記載の装置よりも拡張性があるものの、可能な実験の単位操作が少なく、複数の単位操作を組み合わせた複雑な合成実験を行うことができないという問題が生じる。
【0008】
以上のように、従来の自動化装置は、何れも人間が行っていた操作を機械が代わりにする装置である。しかしながら、これら従来の自動化装置においても幾つかの問題点、例えば、同時に多数の実験を行うことができない、自動供給できる試薬数が少ない、反応温度域が狭い、可能な実験の単位操作が少ない、装置の改良や拡張が困難であるなどの問題点を有するので、化学実験の劇的な省力化、効率化を可能にしたとは言えない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記の問題点を鑑みて、研究者が通常行う程度の複雑さの種々の実験を、多数同時に行うことを可能にし、科学実験の劇的な省力化及び効率化が実現できる合成実験自動化システムを発明するに至った。
【0010】
したがって、本発明の合成実験自動化システムは、上記の課題を解決するために、複数の反応容器を収納する反応容器ラックと、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装置と、試薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可能な反応部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実験条件の合成反応の設定が可能な反応装置とを含む反応システムと、上記反応容器ラックから反応容器を取り出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に搬送すると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上記反応装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応システム内の各装置の動作を、各合成反応の実験条件に基づいて制御するコンピュータと、上記ロボットが走行する拡張可能なレールとからなり、上記反応システムは、さらに、上記反応装置で合成反応終了直後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された条件で振とうする振とう装置と、上記振とう装置で振とうされた反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分液する分液装置とを含み、上記振とう装置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、振とう時の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生するガスを排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部とを備え、上記拡張可能なレールに沿って、上記反応システムの各装置が配置されていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、コンピュータによって反応システム内の装置の動作が各合成反応の実験条件毎に制御されるので、反応装置内の複数の反応部をそれぞれ異なる実験条件で作動させることができる。例えば、上記反応装置の各反応部に、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段を設け、上記温度調整手段の温度調整動作を、上記コンピュータにより制御すれば、複数の異なる温度条件で合成反応が同時に行える。また、振とう装置と分液装置とをロボットの行動範囲内に配置することで、反応システム内で合成反応の各実験条件に基づいて作動させることができる。また、反応後の溶液を振とうした場合に発生するガスによる容器の破損を防止することができる。しかも、蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部を備えているので、該蓋部が次の実験に使用された場合に、その反応溶液と前の実験の反応溶液とが混ざらないようにすることができる。
【0012】
さらに、反応部には複数の反応容器が収納可能なので、さらに多くの実験条件の異なる合成反応を同時に行わせることができる。
【0013】
また、ロボットの反応容器の搬送載置動作も上記コンピュータによって制御されているので、ロボットは、各合成反応の実験条件に基づいて反応システム内で反応容器を搬送するようになる。これにより、ロボットの行動範囲に上記反応システムの各装置を配置するだけで、容易に合成実験自動化システムを拡張することができる。
【0014】
さらに、上記ロボットの搬送載置動作および上記反応システム内の装置の動作が、合成反応の実験条件毎に制御されているので、種々の合成反応に柔軟に対応させることができ、反応プロセスの組み合わせが自由になる。これによってもシステムの柔軟性を向上させることができる。また、上記ロボットは、拡張可能なレール上を走行することで、このレールに沿って反応システムの各装置を配置すれば、ロボットによる反応容器の搬送を効率良く行うことができる。しかも、上記のレールは拡張可能なので、レールを増設するだけで容易にシステムの拡張を行うことができる。したがって、合成反応に使用される種々の装置を自由に配置できるので、種々の合成反応の実験条件に対応させることが可能な拡張性に富む合成実験自動化システムを提供することがきる。
【0015】
上記のように複数の実験を同時に行うためには、例えばコンピュータが、上記反応システムで実行される合成反応手順を、合成反応の各実験毎に設定することによって実現できる。
【0019】
本発明の合成実験自動化システムは、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、分液装置は、分層された反応液の界面を、それぞれの層の電気伝導度の差により検出する検出器を備え、この検出信号に基づいて溶液を分液することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、分層された反応液の界面が、それぞれの層の電気伝導度の差により検出されるので、反応液の光の屈折率の差から上記反応液の界面を認識する場合のように、屈折率検知センサ等で外部から光走査する必要がないので、装置の大型化を防止することができる。
【0021】
そして、上記検出器の検出結果に基づいて、反応溶液から分層された溶液の一方を抽出する抽出手段によって、反応液の分液を行えば良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図29に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】
本実施の形態に係る合成実験自動化システムは、図1に示すように、反応容器ラック1、分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7で構成される反応システムと、ロボット8と、コンピュータ9と、ロボット走行用レール110とで構成されている。
【0026】
本合成実験自動化システムは、ロボット8がロボット走行用レール110上を走行しながら、容器を各機器の所定の位置まで搬送し、所定の位置に載置すると共に、コンピュータ9によってロボット8および他の機器を制御することで、所望する合成実験を自動的に行う実験システムである。したがって、上記各機器間に搬送される容器は、システムが稼働中であれば、ロボット8が行うものである。よって、以下の各機器の説明では、ロボット8が反応容器の搬送や載置の各動作を行っているので、ロボット8の説明を省略している。尚、ロボット8の動作については後で詳細に述べるものとする。
【0027】
尚、図1は、本合成実験自動化システムを示す模式的なものであり、各機器についての詳細は後述する。また、本実施の形態では、説明の便宜上、上記合成実験自動化システムをハードウェアとソフトウェアとに分けて説明する。即ち、始めに、上記合成実験自動化システムの各機器について説明し、その後、これら各機器がどのようにして制御されているのかを説明する。
【0028】
先ず、ハードウェアの説明として反応容器ラック1について説明する。
上記反応容器ラック1は、図2(a)(b)(c)に示すように、反応容器としての合成反応容器15を収納する第1収納部11、第2収納部12および第3収納部13と、合成反応容器15用のメクラ栓16を複数個収納する第4収納部14の4つの収納部からなっている。
【0029】
第1収納部11、第2収納部12および第3収納部13は、それぞれ4×4=16本の合成反応容器15が収納できるように構成されている。また、ここでは、合成反応容器15として容量100mlの容器を使用する。
【0030】
第4収納部14は、4×4=16個のメクラ栓16が収納できるように構成されている。この第4収納部14は、本実施の形態では、メクラ栓16を収納するようになっているが、これに限定されず、他の部材を収納しても良い。従って、第4収納部14は、必要に応じて設ければ良い収納部である。
【0031】
上記第1収納部11には、試薬や溶媒の注入前の空の状態の合成反応容器15が収納され、上記第2収納部12には、反応後の反応溶液が貯蔵された状態の合成反応容器15が収納されている。
【0032】
また、上記第3収納部13は、反応途中の溶液を貯蔵した合成反応容器15等の反応容器を一時的に収納する場所であり、ここで、例えば合成反応を停止させるための反応停止剤の注入等の操作を行うようになっている。従って、この第3収納部13も、上述した第4収納部14と同様に必要に応じて設ければ良い収納部である。
【0033】
また、上記の第2収納部12は、反応後の合成反応容器15が収納される為、収納される合成反応容器15の反応温度によっては、非常に高温状態になる虞がある。このため、第2収納部12における合成反応容器15の支持部は、耐熱性を有する四フッ化エチレン樹脂で形成されている。同様の理由から、上記のメクラ栓16も四フッ化エチレン樹脂で形成されている。
【0034】
尚、本実施の形態の各収納部は、それぞれ16本の合成反応容器15あるいは16個のメクラ栓16を収納できるように構成されているが、これに限定されるものではない。また、各収納部の配置順は特に限定しない。さらに、反応容器ラック1では、合成反応容器15の収納部が3つ形成されているが、これに限定されるものではない。さらに、上記第2収納部12の合成反応容器15の支持部およびメクラ栓16は、四フッ化エチレン樹脂で形成されているが、これに限定されるものではなく、耐熱、耐薬品性を有する材料で形成されていれば良い。
【0035】
次に、分注・分液装置2について説明する。
上記分注・分液装置2は、▲1▼合成反応容器15に対して溶媒と試薬とを別々に分けて注入する分注機能、▲2▼分層された反応液の指定された溶液を抽出する分液機能、▲3▼反応後の反応液を排出する排液機能の3つの機能を有している。
【0036】
従って、上記分注・分液装置2は、図3に示すように、反応容器ラック1から搬送された合成反応容器15を載置する容器載置部17と、この容器載置部17に載置された合成反応容器15に対して指定された試薬、溶媒を注入あるいは反応後の合成反応容器15内の分層された何れか一方の溶液を抽出するための注入・抽出機構18とで構成されている。
【0037】
上記容器載置部17は、反応前の合成反応容器15を載置すると共に、反応後の合成反応容器15を載置するようになっており、さらに、反応後の合成反応容器15内から抽出された溶液を収納するための分液収納容器19を載置するようになっている。
【0038】
注入・抽出機構18は、合成反応容器15内に試薬・溶媒を注入あるいは合成反応容器15内の溶液を抽出するための分注ニードルと窒素を流入するための窒素ニードルとで構成されるニードル束20と、分層された反応後の溶液の電気伝導度を検出する検出器としての伝導度センサ29と、上記ニードル束20と伝導度センサ29とを上下方向に駆動する上下シフト軸21及び水平方向に駆動する水平シフト軸22とからなっている。
【0039】
つまり、注入・抽出機構18は、上下シフト軸21および水平シフト軸22によって、上記ニードル束20および伝導度センサ29を退避位置から所定の分注・分液位置に移動させるようになっている。上記ニードル束20の分注ニードルは、退避位置ではリンスポート23内で退避するようになっている。このリンスポート23は、後述する溶液を外部に排出するための排出部27に接続されており、上記分注ニードルで注入した溶液を排出処理できるようになっている。
【0040】
即ち、上記注入・抽出機構18は、容器載置部17に合成反応容器15が所定位置にセットされると、先ず、上下シフト軸21によって、退避位置のリンスポート23内で退避していたニードル束20を上方に移動させ、次いで、水平シフト軸22によって、上記ニードル束20を、その下端部が容器載置部17にセットされている合成反応容器15の開口部の真上に来るまで水平移動され、次に、再び上下シフト軸21によってニードル束20を、合成反応容器15内に挿入するように下方に移動させて分注あるいは分液(抽出)動作を行う。
【0041】
上記ニードル束20は、図4に示すように、デジタルシリンジポンプ24を介して、分注・分液装置2の外部に配置されている各種溶媒の入った複数の溶媒ボトル25…に接続されている。そして、溶媒ボトル25…とデジタルシリンジポンプ24との間には、切り替え弁26が設けられ、この切り替え弁26を制御することで、デジタルシリンジポンプ24は、所望する溶媒の入った溶媒ボトル25から該溶媒をニードル束20に輸送するようになっている。
【0042】
上記伝導度センサ29は、合成反応容器15内の溶液内に降下させることで、伝導度域(溶液内で伝導度が代わる領域)と伝導度域の代わる前の溶液の高さに関する情報を検出するようになっている。つまり、伝導度センサ29を用いて、分層された反応溶液の界面を検出するようになっている。この伝導度センサ29の動作も上述の二ードル束20の動作説明と同様に上記上下シフト軸21および水平シフト軸22によって駆動制御されるようになっている。
【0043】
従来より分液を自動的に行う場合には、屈折率の差等を利用した光学的な方法がある。また、溶液の界面における誘電率等の電気的性質の差を利用した方法もある。しかしながら、これらの方法を本願に適用した場合、何れの方法においてもセンサ等を用いて界面をスキャンさせる必要があり、この為の装置が高価であるという問題が生じている。
【0044】
ところが、本願のように、伝導度センサ29を実際に溶液の中に浸漬して、伝導度の変化する地点を溶液の界面として検出する方法であれば、従来のセンサを用いて界面をスキャンする方法に比べて、装置の規模が小さくなり、装置を安価に提供することができるという効果を奏する。
【0045】
また、伝導度センサ29は、注入・抽出機構18の上部に配置されている伝導度計63に接続されている。この伝導度計63は、本合成実験自動化システムのコンピュータ9に接続されており、伝導度センサ29により検出されたデータは、この伝導度計63を介して逐一コンピュータ9に通信機能を介して出力されるようになっている。尚、上記通信機能は、後述するRS232C端子あるいはRS232C端子の仕様に準拠する端子同士を接続することにより実現している。したがって、コンピュータ9からのデータも分注・分液装置2に送信することができる。
【0046】
そして、コンピュータ9では、上記検出データに基づいて、合成反応容器15内の抽出対象となる溶液の伝導度と溶媒高さを計算し、この計算結果を分注・分液装置2に出力する。分注・分液装置2では、上記計算結果に基づいて、注入・抽出機構18がニードル束20を合成反応容器15内の溶液の所定位置まで移動させた後、デジタルシリンジポンプ24が所定量だけ合成反応容器15内の指定された溶液を抽出する。このとき、抽出された溶液は、ニードル束20内に貯蔵された状態となり、該溶液が必要であれば、サンプル瓶等に排出し、また、該溶液が必要でなければ、ニードル束20がリンスポート23に退避したときに、デジタルシリンジポンプ24によって該リンスポート23から排出部27に排出される。
【0047】
このように、分注・分液装置2では、分液動作時において、伝導度センサ29により合成反応容器15内の溶液の伝導度を検出し、その検出結果に基づいて予め指定された溶液のみを、ニードル束20を用いて抽出するようになっている。
【0048】
尚、上記の分注・分液装置2において、ニードル束20の分注ニードルで溶媒を合成反応容器15に注入している時に、通常、この溶媒の注入と同時に窒素ニードルから窒素を合成反応容器15に注入して、合成反応容器15内を窒素雰囲気にするようになっている。また、この窒素注入は、必要に応じて合成反応容器15内に溶媒が注入される前から行っていても良い。
【0049】
また、上記容器載置部17の前端部側には、合成反応して分析した後の反応液を排出するための排出部27が設けられている。この排出部27には、排出口27aが形成されてると共に、この排出口27aから排出される溶液を装置外部に排出するための排出パイプ28が設けられている。また、この排出部27には、上述したようにニードル束20が退避するリンスポート23が接続されており、リンスポート23を介して抽出溶液が排出されるようになっている。
【0050】
次に、反応装置3について説明する。
上記反応装置3は、図1に示すように、それぞれの反応温度の設定温度を自在に変更できる4つの反応部としての温調ユニット30を有している。4つの温調ユニット30は、それぞれ同じ構成であるので、一つの温調ユニット30のみの説明にする。尚、本実施の形態の反応装置3では、各温調ユニット30が同じ構成であるとしているが、これに限定されるものではなく、それぞれ構成が異なる温調ユニットを有する反応装置であっても良い。
【0051】
温調ユニット30は、図5に示すように、合成反応容器15をセットして予め設定した反応温度に加温するための温度制御機構31と、上記温度制御機構31にセットされた合成反応容器15に試薬を注入するための試薬注入機構32と、上記温度制御機構31および試薬注入機構32を囲むように形成され、該温度制御機構31および試薬注入機構32を支持する支持体33とで構成されている。即ち、上記温度制御機構31は、支持体33の下方で支持されると共に、上記試薬注入機構32は、支持体33の上方で水平移動自在に支持されている。
【0052】
上記温度制御機構31は、合成反応容器15が4本収納可能な反応槽34と、反応槽34内に収納された合成反応容器15内の溶液を攪拌するための攪拌部35とで構成されている。
【0053】
上記反応槽34は、温度調節機能を有し、温度制御機構31に対して着脱自在なアルミブロック36(図6)で構成されている。このアルミブロック36には、合成反応容器15を収納するための筒状の開口部36aが4つ形成され、下部側に合成反応容器15を加温するための加温用ヒータ37が設けられている。さらに、上記アルミブロック36には、図7に示すように、上記合成反応容器15の周りを巻回するように、合成反応容器15の過加温を防止するための冷却管38が設けられている。尚、この冷却管38は、図1に示す冷媒循環装置10に接続されている。
【0054】
上記加温用ヒータ37は、例えばカートリッジタイプのヒータからなり、アルミブロック36のアルミニウム部分を介して合成反応容器15に熱を伝えて加温するようになっている。また、冷却管38は、銅管からなる細管からなり、冷媒循環装置10に接続された一端から冷却水が注入されると共に、他端から冷却水が排出されるようにして、合成反応容器15の周りを冷却水を循環させるようになっている。
【0055】
また、上記反応槽34は、合成反応容器15の収納位置の下部側に温度検知センサ39が設けられ、上記温度検知センサ39の検知信号に基づいて、図8に示す試薬注入機構32の下部側に設けられた温度コントローラ40が上記加温用ヒータ37の加温制御を行うようになっている。
【0056】
しかしながら、温度検知センサ39によって合成反応容器15の反応溶液の温度を検知して、その検知信号に基づいて温度コントローラ40が加温用ヒータ37を加温制御しても、反応溶液が過加温され易いので、反応溶液を所定の温度に維持し難い。
【0057】
そこで、上述のように冷却管38を、合成反応容器15の周りに設けることで、合成反応容器15内の反応溶液の過加温を防止するようにしている。この場合、冷却管38に接続された冷媒循環装置10を制御することによって、冷却管38に流れる水の流量を制御し、この冷却管38に循環する冷却水によって合成反応容器15を適度に冷却して所望の温度に保つようになっている。この場合の流量制御は、上記の温度検知センサ39の検知信号に基づいて行われるものとする。
【0058】
上記構成の反応槽34は、熱伝導度の高いアルミニウム製のアルミブロック36からなっているので、該反応槽34内にセットされた合成反応容器15内の反応溶液の温度調整を精度良く行うことができるという利点を有している。また、アルミニウムは、他の金属に比べて軽いので、取り扱い易いという利点も有している。
【0059】
尚、上記加温用ヒータ37および冷却管38は、合成反応容器15内の溶液を、設定された温度に保つためのものであり、このように合成反応容器15内の溶液を所定の温度で維持できる機構であれば、特に図6および図7に示すような構成に限定するものではない。
【0060】
また、上述したように、上記温度制御機構31は、図8に示すように、上記反応槽34の他に、セットされた合成反応容器15内の反応溶液を攪拌するための攪拌部35を有している。
【0061】
攪拌部35は、温度制御機構31の下部側に設けられたACモータ41と、このACモータ41の上方に設けられ、該ACモータ41の駆動軸に接続されたプーリー42と、さらに、合成反応容器15の載置面と対向する位置に設けられ、ACモータ41の駆動力がプーリー42を介してベルト伝達されて回転するマグネット部43とからなる。
【0062】
上記マグネット部43は、複数個のマグネットからなり、これらマグネットがACモータ41によって回転駆動することで、上記合成反応容器15内に予め仕込まれた攪拌子44を回転させ、合成反応容器15内の反応溶液を攪拌するようになる。
【0063】
尚、上記攪拌子44は、合成反応容器15に予め分注・分液装置2における試薬・溶媒の注入時に、合わせて仕込まれるものである。
【0064】
上述のように温度制御機構31にセットされた合成反応容器15には、上記した試薬注入機構32によって反応原料としての試薬が注入されるようになっている。
【0065】
上記試薬注入機構32は、図5に示すように、合成反応容器15内に試薬を注入するための4本の試薬注入用ニードル45…と、合成反応容器15の反応溶液を冷却するための4本の冷却管48…と、合成反応容器15用の蓋(以下、シールキャップと称する)49…の洗浄および載置を行うための蓋洗浄載置部50と、垂直駆動部46および水平駆動部47からなる駆動部51とからなっている。
【0066】
上記蓋洗浄載置部50には、反応中の合成反応容器15をシールするシールキャップ49を載置する載置部50aと、試薬注入用ニードル45を待機させるためのニードルリンス50bと、シールキャップ49を洗浄するための洗浄部50cとが試薬注入用ニードル45に対応して4か所ずつ設けられている。
【0067】
上記水平駆動部47は、図示しない駆動手段により、支持体33の温度制御機構31側に向かって形成された案内溝33a・33aに沿って水平移動するようになっている。
【0068】
上記垂直駆動部46は、上記水平駆動部47上に設けられ、該水平駆動部47の水平移動に伴って、水平移動するようになっている。
【0069】
また、垂直駆動部46には、冷却管48を支持する第1支持部材52が垂直方向に移動自在に設けられている。そして、この第1支持部材52には、さらに、試薬注入用ニードル45を支持する第2支持部材53が設けられている。
【0070】
上記第2支持部材53は、上記第1支持部材52に連動すると共に、試薬注入用ニードル45を水平および垂直方向に移動自在に支持するようになっている。つまり、第2支持部材53は、試薬注入用ニードル45を、上記冷却管48に装着させるように移動させると共に、蓋洗浄載置部50上のニードルリンス50bまで移動させるようになっている。
【0071】
また、第1支持部材52は、垂直駆動部46による垂直方向の移動と、水平駆動部47による水平方向の移動とにより、冷却管48を所定の位置、即ち蓋洗浄載置部50の洗浄部50c、載置部50aおよび温度制御機構31の合成反応容器15のセット位置まで移動させるようになっている。
【0072】
尚、上記駆動部51の垂直駆動部46および水平駆動部47は、後述するコンピュータ9によって駆動制御されている。
【0073】
ここで、上記冷却管48とシールキャップ49について説明する。
冷却管48は、図9に示すように、ガラスからなるリフレックスコンデンサーであり、その周りを円筒部材54によって覆われている。冷却管48を支持する場合には、この円筒部材54を挟持することで、該冷却管48を壊さないように保護している。
【0074】
また、冷却管48は、一端部の第1開口部48aに試薬注入用ニードル45の先端部が挿通される一方、他端の第2開口部48bがシールキャップ49の貫通孔49aに挿通するように形成されている。上記第1開口部48aは、試薬注入用ニードル45が挿通し易いように広口に形成されている。また、冷却管48のほぼ中央部に位置する冷却部48cは、通常の円筒管よりも表面積が大きくなるように形成されており、合成反応容器15から流入する高温ガスを冷却する作用を有している。
【0075】
上記シールキャップ49は、例えばPTFE(poly−tetrafluoru−ethylene )材を本体とし、これにシリコン材をシールした構造であり、合成反応容器15の上部蓋となっている。そして、シールキャップ49の貫通孔49aは、合成反応容器15側が広口に形成されている。
【0076】
また、シールキャップ49は、冷却管48に対して、螺子締め等により固定されており、通常、冷却管48と一体的に移動するようになっている。これにより、シールキャップ49を合成反応容器15に装着すれば、冷却管48もその上部に配置されるようになる。
【0077】
また、上記試薬注入用ニードル45は、試薬注入が終わり、合成反応容器15内で合成反応が開始されると、冷却管48の第1開口部48aに対して窒素ガスパージを行うことで、該合成反応容器15内への空気流入と水分発生とを防止するようになっている。
【0078】
ここで、上記試薬注入用ニードル45による試薬注入機構について説明する。試薬注入機構は、図10に示すように、反応装置3の4つの温調ユニット30毎に、デジタルシリンジポンプ55、第1切り替え弁56を有し、試薬注入用ニードル45が、上記デジタルシリンジポンプ55を介して第1切り替え弁56に接続された構成となっている。即ち、試薬注入用ニードル45と第1切り替え弁56とは、一端に試薬注入用ニードル45が接続された第1チューブ57の他端と、一端に第1切り替え弁56が接続された第2チューブ58の他端との間にデジタルシリンジポンプ55を接続した構成となっている。
【0079】
上記第1切り替え弁56は、入力側には各種溶媒ボトル25…からの試薬を輸送する輸送チューブ59が接続される一方、出力側には4本の上記の第2チューブ58…が接続されている。これにより、輸送チューブ59により輸送される試薬が、選択的に切り替えられて、第2チューブ58を介して各試薬注入用ニードル45に輸送されるようになっている。このとき、第1切り替え弁56の切り替え動作に連動して、デジタルシリンジポンプ55が作動し、該当する試薬注入用ニードル45に試薬を輸送するようになっている。
【0080】
さらに、各温調ユニット30の輸送チューブ59…は、第2切り替え弁60の出力側に接続されている。この第2切り替え弁60の入力側には、中継チューブ62が接続されており、この中継チューブ62の他端は第3切り替え弁61の出力側に接続されている。
【0081】
上記第3切り替え弁61は、出力側が1端子で入力側が16端子の16方切り替え弁であり、選択的に該当する溶媒ボトル25に切り替えるようになっている。本実施の形態では、上記第3切り替え弁61の入力側の端子には、12本の溶媒ボトル25…が接続されている。尚、上述の第3切り替え弁61は、図10に示すように、4本の入力側の端子が何も接続されずに残っており、これら4本の端子にも溶媒ボトル25を接続すれば、合計16本の溶媒ボトル25から選択できるようになる。
【0082】
上記各溶媒ボトル25…には、それぞれが異なる種類の試薬が貯蔵されており、第3切り替え弁61の切り替えによって、所望の試薬が貯蔵された溶媒ボトル25が選択されるようになっている。また、必要に応じて、上記溶媒ボトル25には合成反応容器15内の合成反応を停止させる反応停止剤を貯蔵するようにしてもよい。
【0083】
上記構成の試薬注入機構では、各切り替え弁が後述のコンピュータ9により制御されている。即ち、試薬注入機構では、コンピュータ9によって、第3切り替え弁61を切り替え制御することで所望の試薬を貯蔵した溶媒ボトル25が選択される。そして、コンピュータ9によって第2切り替え弁60が、上記第3切り替え弁61にて選択された溶媒ボトル25からの試薬が所望する温調ユニット30に輸送されるように切り替えられる。さらに、コンピュータ9によって第1切り替え弁56が、第2切り替え弁60および輸送チューブ59を経て輸送される試薬を所望する試薬注入用ニードル45に輸送されるように切り替えられる。このようにして、所望する試薬が試薬注入用ニードル45から所望する合成反応容器15に注入されるようになっている。
【0084】
また、上記試薬注入用ニードル45における試薬の注入量は、デジタルシリンジポンプ55によって制御されており、各試薬注入用ニードル45毎に設定可能となっている。尚、上記デジタルシリンジポンプ55は、コンピュータ9によって駆動制御されている。
【0085】
以上のように、上記構成の反応装置3によれば、4つの異なる反応温度に設定された温調ユニット30…を有し、各温調ユニット30…には、それぞれ反応温度以外の合成条件の異なる4本の合成反応容器15…が載置することができるので、合計16種類の合成実験を同時に行うことができる。上記反応装置3では、−30℃から200℃までの温度制御が可能となっている。
【0086】
尚、本実施の形態では、上述のように、4つの異なる合成反応温度に設定しているが、これに限定されるものではない。例えば、上記温調ユニット30の数を増やせば、それに伴って設定可能な合成温度の数も増加できる。また、本実施の形態の温調ユニット30では、載置される合成反応容器15は4本であるが、これに限定するものではない。例えば、温調ユニット30の大きさあるいは合成反応容器15の大きさ等を考慮して、1台の温調ユニット30における合成反応容器15の数を増やせば良い。したがって、本実施の形態では、16種類の合成実験を同時に行うようになっているが、上述のように温調ユニット30の数を増やし、温調ユニット30に載置できる合成反応容器15の数を増やせば、16種類以上の合成実験を同時に行うことが可能となる。
【0087】
上記構成の反応装置3において、合成反応の終了した合成反応容器15は、一端反応容器ラック1の第2収納部12に収納された後、振とう装置4にて反応溶液が分層される。
【0088】
次に、上記振とう装置4について説明する。
振とう装置4は、図11に示すように、容器振とう部としての、合成反応容器15を振とうさせるためのボルテックスミキサー70と、ボルテックスミキサー70の上方に設けられ、合成反応容器15を載置する容器載置部71とで構成されている。
【0089】
上記ボルテックスミキサー70は、図示しないモータからの動力が伝達された偏心カムを介して生じる振とうを利用して合成反応容器15を振とうするものである。
【0090】
上記容器載置部71は、合成反応容器15を挿入して載置するための開口部72を有している。この開口部72は、ボルテックスミキサー70の上部に設けられた振とうゴム73に対応する位置に形成されている。これにより、合成反応容器15は、開口部72を介して振とうゴム73に接触するようにして載置され、ボルテックスミキサー70からの振動が振とうゴム73を介して伝達され、振とうされるようになる。
【0091】
上記の振とう装置4にて合成反応容器15が振とうされるとき、合成反応容器15内部の反応溶液が外部に飛散しないように、該合成反応容器15の上部開口部15aに押さえキャップ(蓋部)74が合成反応容器15上部に装着されるようになっている。この押さえキャップ74は、上部が振とう装置4に設けられた駆動部材75に設けられ、水平方向および垂直方向に移動自在となっている。
【0092】
上記駆動部材75は、押さえキャップ74を水平方向に移動させるための水平駆動軸76と、垂直方向に移動させるための垂直駆動軸77とで構成されている。これら水平駆動軸76および垂直駆動軸77は、それぞれエアシリンダ82・83に接続され、これらエアシリンダ82・83により駆動されるようになっている。尚、このエアシリンダの駆動制御は、後述のコンピュータ9によって行われている。
【0093】
上記押さえキャップ74は、合成反応容器15が振とうされないとき、容器載置部71の後部側に設けられたリンスポート78にて待機するようになっている。
【0094】
このリンスポート78は、上部に押さえキャップ74を載置する待機部(洗浄部)78aが形成されている。この待機部78aは、載置された押さえキャップ74の下面、即ち合成反応容器15に装着した場合の反応液が付着する面の洗浄を行う機能を有している。つまり、上記待機部78aの下部には、洗浄溶媒輸送用のチューブ79が待機部78aに洗浄溶媒を送出および排出可能なように設けられている。上記チューブ79の待機部78aとは反対側には、送液ポンプ80が設けられ、この送液ポンプ80によって洗浄溶媒が待機部78aに送出されるようになっている。
【0095】
上記送液ポンプ80には、廃液用ボトル81が接続されており、待機部78a内で押さえキャップ74が洗浄された後に生じた廃液を貯蔵するようになっている。
【0096】
また、上記の押さえキャップ74には、合成反応容器15内で発生するガスを逃がすための貫通孔74aが設けられている。これにより、合成反応容器15の振とう中に発生するガスによる容器の破裂を防止することができる。
【0097】
ここで、上記構成の振とう装置4の動作について説明する。
先ず、反応容器ラック1に載置された合成反応後の合成反応容器15のメクラ栓16が取り外された状態で、該合成反応容器15が容器載置部71の開口部72に載置される。そして、駆動部材75により押さえキャップ74が、リンスポート78から上記合成反応容器15の開口部15aに軽くタッチして静止する。尚、ボルテックスミキサー70は常時振動した状態となっており、容器載置部71の開口部72に合成反応容器15を押さえキャップ74を介して軽く置くだけで、該合成反応容器15内の反応液が攪拌流を形成するようになっている。そして、所定時間ミキシングする。
【0098】
次に、振とう後、該合成反応容器15の開口部15aから押さえキャップ74が駆動部材75によって取り外され、該押さえキャップ74が再びリンスポート78の待機部78aに載置される。そして、待機部78aにて押さえキャップ74の下面に付着した洗浄溶媒等の付着液を除去する。
【0099】
このようにして、振とうされた合成反応容器15は、図3に示す分注・分液装置2に搬送される。この合成反応容器15内部では、溶液が分層した状態となり、この分層状態の溶液の何れか一方を分注・分液装置2にて抽出することで所望する合成反応溶液を得る。このとき、分注・分液装置2では、上述したように、伝導度センサ29を用いて溶液の界面を検出し、何れかの溶液を抽出する。抽出する溶液としては、所望する合成反応溶液でも良いし、あるいは所望する合成反応溶液以外の溶液でも良い。したがって、所望する合成反応溶液を抽出する場合には、別にサンプル瓶等を容易して、その中に抽出した合成反応溶液を注入し、これをガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7等の分析装置にて分析するようにすれば良い。また、所望する溶液以外の溶液を抽出する場合には、合成反応容器15を分析装置に運搬し、その内部の溶液を分析装置にて分析するようにすれば良い。
【0100】
尚、上述の何れの場合であっても、分析対象となる溶液に対してガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7による分析前処理を分析前処理装置5にて行う必要がある。ここでは、分析対象となる溶液に対して、標準液を添加するか、希釈するための溶媒を添加する。上記標準液とは、ガスクロマトグラフ6や液体クロマトグラフ7等における予めピークの分かっている溶液である。また、溶液を希釈するのは、溶液の濃度が高く、各分析機器の測定範囲を逸脱する虞があるからである。
【0101】
次いで、上記分析前処理装置5について以下に説明する。
分析前処理装置5は、図12に示すように、サンプリング部90と、サンプル容器配置部91とで構成されている。
【0102】
上記サンプル容器配置部91は、載置台92上に、分液処理された溶液が貯蔵されたサンプル容器(第1容器)を載置するための第1ラック93と、第1ラック93に載置された容器からサンプリングした溶液を貯蔵するサンプル容器(第2容器)を載置するための載置口94a…が形成された第2ラック94とが設けられている。
【0103】
上記第2ラック94に載置される第2容器は、上記第1ラック93に載置される第1容器よりも小容量であり、初期状態では内部は空であり、分析前処理動作が開始されると、内部に、上記第1容器に貯蔵された溶液が注入されると共に、分析に必要な標準液あるいは希釈液が注入されるようになっている。したがって、ガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7等の分析装置には、上記第2容器に貯蔵された溶液が使用されることになる。
【0104】
また、第1ラック93には、ロボット8により運搬された第1容器を載置するための載置口93aが所定の位置に形成されている。そして第1ラック93には、上記載置口93aの他に、ガスクロマトグラフ6のバイアルストッカー(図示せず)に提供するための分析前処理済みの溶液が貯蔵された第2容器を載置する載置口93bと、第2容器に注入する標準液を貯蔵する標準液容器を載置するための載置口93c…と、上記載置口93aに載置された第1容器を一時的に収納するための載置口93d…とが設けられている。この第1容器の載置口93aから載置口93dまでの搬送は、サンプリング部90によって行われる。
【0105】
このように、第1ラック93および第2ラック94のそれぞれに載置された各容器への所望する溶液の注入は、サンプリング部90によって行われる。
【0106】
サンプリング部90は、図12に示すように、載置台92上の両側部にガイド部材95・95が設けられると共に、このガイド部材95・95の上面を前後に水平移動する枠状の水平移動部材96が設けられている。
【0107】
上記水平移動部材96は、例えばガイド部材95・95の上部に形成された前後方向に延設された案内溝95a・95aに嵌合するような勘合部材(図示せず)を設けて、ガイド部材95上を水平移動するようになっている。このときの水平移動部材96の駆動は、図示しないモータ等の駆動手段によって行われており、この駆動手段はコンピュータ9によって駆動制御されている。
【0108】
さらに、水平移動部材96の枠内には、該水平移動部材96の移動方向とは直交する水平方向への移動が案内される垂直水平移動部材97が設けられている。
【0109】
上記水平移動部材96の枠内部には、上記垂直水平移動部材97の移動を案内する案内溝96aが設けられると共に、この案内溝96aと並行な案内軸96bとが設けられている。
【0110】
一方、上記垂直水平移動部材97には、上記水平移動部材96の案内溝96aに嵌合する嵌合部材97aと、上記案内軸96bが貫通すると共に、該垂直水平移動部材97の垂直移動を案内するための案内溝97bとが設けられている。
【0111】
よって、上記垂直水平移動部材97は、水平移動部材96の案内溝96aに沿って水平移動し、該垂直水平移動部材97の案内溝97aに沿って垂直移動し、さらに、水平移動部材96の移動に伴って該垂直水平移動部材97の水平移動とは直交する方向に移動することができる。即ち、垂直水平移動部材97は、3次元的に移動自在となる。通常、上記水平移動部材96は、載置台92の後部側、即ち第1ラック93および第2ラック94よりも後側で退避している。
【0112】
したがって、上記垂直水平移動部材97は、水平移動部材96の移動および自身の移動によりサンプル容器配置部91の所定の位置に移動することができる。尚、上記水平移動部材96および垂直水平移動部材97は、図示しない駆動手段に接続され、その駆動はコンピュータ9によって制御されている。
【0113】
上記垂直水平移動部材97のサンプル容器配置部91側の先端部には、載置台92に載置された第1容器、第2容器等をチャッキングするためのアーム98が設けられている。
【0114】
上記垂直水平移動部材97のアーム98は、チューブ107を介してエアーポンプ106に接続されている。また、上記アーム98の先端には、後述する各種の機能を有し、エアー圧力で作動するフィンガーが着脱自在となっている。このエアーポンプ106の空気の排出量や吸入量を調節することで、アーム98に装着されたフィンガーを作動させるようになっている。
【0115】
そして、垂直水平移動部材97の退避位置、即ち水平移動部材96の退避位置に対向する載置台92上には、上記アーム98に嵌合可能な第1フィンガー99〜第4フィンガー102が載置されており、これら各フィンガーは操作機能に応じて選択して上記アーム98に装着される。このとき、各フィンガーは、アーム98に対して図示しないピンと板バネとで嵌合するようになっている。このようなフィンガーには、サンプリングニードルやバイアルフィンガーの機能を有したものがある。
【0116】
例えば、第1フィンガー99は、図13に示すように、アーム98にピンと板バネで嵌合されたバイアルフィンガー103を有している。このバイアルフィンガー103は、30mlのバイアル(第2容器)の上部をチャッキングする爪ホルダ104を有している。この爪ホルダ104は、図12に示すエアーポンプ106からチューブ107を介して流入する空気によって上下方向に移動することで、第2容器の上部をチャッキングするようになっている。
【0117】
また、第2フィンガー100は、図示しないが上記第1フィンガー99とは異なる容量のバイアル(第1容器)をチャッキングするバイアルフィンガーを有している。これも、上述の第1フィンガー99に同様に、エアーポンプ106からの空気により駆動するようになっている。
【0118】
さらに、第3フィンガー101は、図14に示すように、アーム98にピンと板バネで嵌合されたサンプリングニードル105を有している。このサンプリングニードル105は、後端部105bで上記チューブ107に接続されている。これにより、サンプリングニードル105は、チューブ107を介して先端部105aからエアーが排出される一方、この先端部105aからチューブ107にエアーが吸入されるようになる。即ち、サンプリングニードル105の先端部105aを容器内の溶液に浸漬させて、図12に示すエアーポンプ106を作動させることで、該容器内の溶液を所定の量だけ抽出したり排出したりすることができる。
【0119】
また、第4フィンガー102は、図示しないがこれもまた第3フィンガー101と同様に、アーム98にピンと板バネで嵌合されたサンプリングニードルを有するものである。例えば、第4フィンガー102のサンプリングニードルは、第3フィンガー101のサンプリングニードルとは異なる種類の溶液を注入あるいは排出するようになっている。
【0120】
さらに、図12に示すように、上記の各フィンガー99〜102を載置している載置台92の近傍には、さらに、サンプルインジェクション108、タッチミキサー109が設けられている。
【0121】
上記サンプルインジェクション108は、液体クロマトグラフ7のサンプル注入口に接続されており、上記第3フィンガー101のサンプリングニードル105により抽出された分析対象となるサンプル溶液を、注入するようになっている。
【0122】
また、タッチミキサー109は、例えば第1フィンガー99のバイアルフィンガー103にてチャッキングされた第2容器を、該タッチミキサー109の表面に軽く接触させることで、内部溶液を攪拌させるものである。
【0123】
ここで、上記分析前処理装置5の動作を以下に説明する。
先ず、予めコンピュータ9により指示されたフィンガーをアーム98に装着するように作動する。この場合、始めにアーム98には第1フィンガー99を装着するように制御されている。
【0124】
次いで、ロボット8により第1ラック93の載置口93aまで搬送載置された分注・分液装置2にて分液処理されたサンプル容器(第1容器)は、サンプリング部90の垂直水平移動部材97のアーム98の第1フィンガー99にてチャッキングされ、第1ラック93の所定の載置口93dに搬送載置される。
【0125】
次に、垂直水平移動部材97は、退避位置まで移動し、アーム98に装着された第1フィンガー99を第3フィンガー101に切り替える。そして、第1ラック93の載置口93dに載置された第1容器内の溶液が、第3フィンガー101のサンプリングニードル105によってサンプリングされ、第2ラック94に載置されている第2容器に注入される。このとき、必要に応じて第2容器には、第1容器内の溶液の他に希釈用の溶液を注入するようになっている。この注入動作も上記サンプリングニードル105によって行われる。
【0126】
続いて、上記第2容器には、サンプリングニードル105によって第1ラック93の載置口93cに載置された容器に貯蔵された標準液が注入される。このようにして第1容器内の溶液と、標準液とが注入された第2容器は、サンプリング部90のアーム98に装着された第2フィンガー100によってチャッキングされた状態で、タッチミキサー109上に所定時間だけ静置され、内部の溶液を攪拌する。
【0127】
最後に、攪拌後の第2容器内の溶液、即ち分析前処理の完了した第2容器内の溶液は、分析装置がガスクロマトグラフ6の場合、該第2容器を第1ラック93の載置口93bに載置された後、ロボット8によってガスクロマトグラフ6のバイアルストカーに運搬される。一方、分析装置が液体クロマトグラフ7の場合、上記第2容器が一端第2ラック94の載置口94aに載置され、内部の溶液がサンプリング部90によりサンプリングされ、載置台92のサンプルインジェクション108に注入される。
【0128】
以上のように、分析前処理装置5にて分析前処理された溶液は、最終的にガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7にて分析され、収率等のデータを得るようになっている。この収率等のデータは、コンピュータ9の内部あるいは外部の記憶装置にて記憶され、必要に応じて読み出されて次の実験の参考資料として利用することもできる。
【0129】
上記の合成実験自動化システムでは、上記の反応容器ラック1、分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6の間に合成反応容器15等の容器を運搬するために、ロボット8が利用されている。このロボット8は、産業用のロボットであり、コンピュータ9により駆動制御されている。
【0130】
続いて、上記ロボット8について以下に説明する。
ロボット8は、図15(a)(b)に示すように、本体113が直線状のロボット走行用レール110上を端から端まで走行するようになっている。このロボット走行用レール110としては、拡張性の高い1軸の多軸走行軸が用いられる。つまり、ロボット8は、上記ロボット走行用レール110に沿って配置された反応容器ラック1、反応装置3等の合成実験自動化システムにおける機器ユニット111・112に、容器等を運搬する手段として使用している。換言すれば、上記機器ユニット111・112は、ロボット8の行動範囲内に配置すれば良いことになる。
【0131】
上記ロボット8の本体113には、該本体113を中心に回転自在な多軸間接のアーム114が設けられており、図15(b)に示すように、アーム114の先端が機器ユニット111上を移動自在となり、このアーム114によって容器等を運搬載置するようになっている。
【0132】
したがって、ロボット8の本体113とアーム114とをコンピュータ9にて適切に駆動制御すれば、各機器ユニット111・112間に容器等を効率良く運搬することができる。
【0133】
また、上記アーム114は、図16(a)(b)に示すように、先端部114aに着脱自在の把持部115が設けられている。この把持部115には、それぞれ把持できる容器の大きさが異なる第1フィンガー116と第2フィンガー117とが設けられている。この第1フィンガー116と第2フィンガー117とは、アーム114の先端部114aに対して180°回転可能な支持部材118の両端にそれぞれ接続されている。
【0134】
上記第2フィンガー117は、合成反応容器15の上部の首部15bを把持するようになっている一方、第1フィンガー116は、上記合成反応容器15よりも容量の小さな容器の首部を把持するようになっている。
【0135】
具体的には、第2フィンガー117は、チャッキング対象物、例えば合成反応容器15の場合には首部15bの周囲を4点で支持するための4本の挟持用部材117a…が設けられている。同様にして、第1フィンガー116にも4本の挟持用部材116a…が設けられている。しかしながら、各フィンガーの構成は上記したものに限定されず、容器等のチャッキング対象物を把持できる構成であれば、他のものでもよい。
【0136】
また、第1フィンガー116と第2フィンガー117とは、支持部材118を180°回転させることで、切り替えて使用するようになっている。例えば初期の状態において第2フィンガー117が下で第1フィンガー116が上にある場合に、合成反応容器15よりも小さいな容器を把持するときには、支持部材118を180°回転させて第1フィンガー116を下側になるようにして、この第1フィンガー116にて容器を把持すれば良い。
【0137】
また、把持部115は、支持部剤118によって各フィンガーが回転自在となっているので、例えば第2フィンガー117で溶液の入った合成反応容器15をチャッキングしている場合に180°回転させることで、合成反応容器15の溶液を排出することもできる。
【0138】
さらに、把持部115は、実験の用途等に合わせて種々のものを用意し、必要に応じてアーム114に装着して使用するようになっている。この把持部115のアーム114への着脱は、操作者が必要に応じて手動で行っても良く、また、上述の分析前処理装置5におけるアーム98への各第1フィンガー99から第4フィンガー102等の着脱のように自動で行うようにしても良い。
【0139】
上記の構成の合成実験自動化システムの動作を図1を参照しながら以下に説明する。
先ず、ロボット8が反応容器ラック1に収納された合成反応容器15をチャッキングして、分注・分液装置2の分注位置まで搬送し、チャッキング状態で合成反応容器15内を窒素雰囲気にした後、該容器内に指定された試薬・溶媒が分注される。試薬・溶媒が注入された合成反応容器15は、再びロボット8にて反応装置3の温調ユニット30の反応位置まで搬送される。このとき、必要に応じて合成反応容器15の空の状態の重量と、試薬・溶媒が注入された状態の重量とを電子天秤等で秤量しても良い。この秤量データは、コンピュータ9に送信される。
【0140】
合成反応終了後、合成反応容器15は、ロボット8により反応容器ラック1まで再び搬送して、メクラ栓をして待機する。
【0141】
次に、ロボット8によりメクラ栓が取り外された合成反応終了後の合成反応容器15を、振とう装置4まで搬送し、所定時間攪拌して反応液を分層させる。そして、分層された合成反応容器15は、分注・分液装置2の分液位置に搬送される。ここで、分注・分液装置2の伝導度センサが該合成反応容器15内に挿入され、分層の界面が検出され、この検出結果に基づいて指定された溶液がサンプリングされ、サンプル瓶に注入される。
【0142】
このサンプル瓶は、分析前処理装置5に搬送され、希釈液あるいは分析の標準液を注入して分析前処理の溶液を作成する。そして、この溶液を、ガスクロマトグラフ6あるいは液体クロマトグラフ7にて所定の分析を行い、合成反応の収率を決定する。
【0143】
上記のロボット8は、コンピュータ9による実行スケジュールプログラムに基づいて合成反応容器15の運搬動作が制御されており、この動作は合成反応の実験数だけ行われる。尚、上記コンピュータ9によるロボット8および合成実験自動化システムの各機器の制御については後述する。
【0144】
以上のように、本願の合成実験自動化システムでは、ロボット8および実験に用いられる各機器がそれぞれコンピュータ9により駆動制御されている。以下に合成実験自動化システムのソフトウェアについて説明する。尚、本発明では、汎用性という観点から上記コンピュータ9としては、パーソナルコンピュータを使用する。また、コンピュータ9で使用されるプログラムは、米国マイクロソフト社製のWindows (3.1 版以上) のOS(Operating System) 上で動作可能なプログラム言語で作成されている。したがって、上記OS上で動作可能であれば、その種類は特に限定しない。
【0145】
先ず、コンピュータ9と合成実験自動化システムにおけるロボット8および反応システムの各機器とがどのようにして接続されているのかを説明する。
【0146】
上記コンピュータ9には、図17に示すように、少なくとも2つのシリアルポート(本実施の形態では、COM1、COM2の2つのCOMポートを使用する)が備えられており、これらシリアールポートにロボット8およびシステムの各装置が接続されている。上記シリアールポートは、RS232C端子あるいはRS232C端子の仕様に準拠した端子である。
【0147】
したがって、本願の合成実験自動化システムにおける分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7(以下、総称して各機器とする)には、上記コンピュータ9のシリアルポートに接続してデータの送受信を行うための通信機能を有している必要がある。具体的には、各装置が、シリアルポートとしてRS232C端子、あるいはRS232C端子の仕様に準拠した通信端子を有していれば良い。
【0148】
コンピュータ9のCOM1には、ロボット8が接続される一方、COM2には、ペリフェラールボックス等の信号分配器120を介して、分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7が接続されている。このように、ロボット8と合成実験自動化システムの各機器とが別々のシリアルポートに接続されているのは、ロボット8と各機器とでは、通信データの仕様が異なるためである。
【0149】
上記信号分配器120は、コンピュータ9からの信号を、各装置に振り分けると共に、各機器からの信号を選択的にコンピュータ9に送信するものである。これは、RS232C端子における通信機能において、一度に連続してコマンドを各装置に送信することができないためである。
【0150】
また、コンピュータ9は、図18に示すように、合成実験自動化システムにおいて行われる合成実験を実行するための合成反応の手順を示した実行ファイルの作成を主に行う入力部121と、作成された実行ファイルに基づいて、合成実験自動化システムの稼働制御を行う実行部122とで構成されている。上記入力部121は、GASYS.EXE というアプリケーション起動プログラムで実行ファイルの作成が実行されると共に、実行部122は、GOSEI.EXE 、CRS.EXE 、BUNSEKI.EXE の3つの起動プログラムで稼働制御が実行されるようになっている。
【0151】
上記GOSEI.EXE と、CRS.EXE およびBUNSEKI.EXE とは、DDE(Dynamic Data Exchange)によって互いに情報を送受信し合って制御を行っている。
【0152】
上記GASYS.EXE は、合成実験自動化システムの実行ファイルを作成するツールアプリケーションである。
【0153】
上記GOSEI.EXE は、タイマでのスケジュール管理を含む実行部122の中心プログラムである。このプログラムは、入力部121で作成された実行ファイルに基づいて実行開始される。
【0154】
上記CRS.EXE は、ロボット8への制御信号を送新するプログラムである。この信号による制御動作は、GOSEI.EXE からDDEにより送信される。
【0155】
上記BUNSEKI.EXE は、分析用機器(EX−Multi )に対して制御信号を送るプログラムである。この信号による制御動作は、GOSEI.EXE を経由して各分析機器に送信される。
【0156】
上記入力部121は、実行ファイルを作成する実行ファイル作成部123を有している。実行ファイル作成部123では、GASYS.EXE というプログラム実行ファイルを起動させることで、実行ファイル作成を行うようになっている。上記実行ファイルとは、合成反応の実験数、実験条件等を記述したファイルである。この実行ファイル作成部123の詳細については後述する。
【0157】
上記実行部122は、合成実験自動化システムの各機器を制御する主制御部124と、ロボット8を制御するロボット制御部125と、分析装置を制御する分析制御部126とを有している。主制御部124では、GOSEI.EXE というプログラム実行ファイルを起動させることで、主制御に関するプログラムが実行される。ロボット制御部125では、CRS.EXE というプログラム実行ファイルを起動させることで、ロボット制御に関するプログラムを実行する。分析制御部126は、BUNSEKI.EXE というプログラム実行ファイルを起動させることで、分析制御に関するプログラムを実行する。
【0158】
上記実行部122のGOSEI.EXE は、同時に複数の実験を行うためにタイマーイベントによりスケジュール管理を行っている。これは、上記Windows では1つのプログラム実行ファイル(.EXE)で複数のタスクを使用するアプリケーションの作成が困難であるためである。つまり、実行部122は、各実験の処理の流れを数十ミリ秒から1秒程度(通常は機械に対して制御信号を送信したタイミング)で中断し、他の実験の制御に移行するようにして複数の実験のスケジュール管理を行っている。
【0159】
一般に、複数の合成実験を同時に行う場合、全ての合成実験がなんの制限もなく無秩序に行われれば、重大な問題となる。
【0160】
そこで、従来より複数の合成実験を行う制御プログラムでは、本願の実行ファイルに相当する実験ファイルの作成時に、各単位実験操作の所要時間を計算して、実験毎にタイムテーブルを作成し、そしてこれら各タイムテーブルをハードウェアの制約に違反しないように組み合わせる(つまり、実験毎に開始時刻をずらす)ことにより、上記問題を解決してきた。
【0161】
ところが、上記の制御プログラムでは、実験ファイルを作成する時点でタイムテーブルを作成するようになっているので、「ある瞬間にはロボットはここにいるはず」、「振とう装置はあいているはず」などの各単位操作の時間から見込みの操作を行っている。このような場合には、ハードウェアの異常時に迅速に対応することができないという問題が生じる。
【0162】
これに対して、本願では、各機器とコンピュータ9とは通信機能により絶えず通信状態にあるので、コンピュータ9は常に各機器の状態を把握している。これにより、ハードウェアに異常が生じた場合に迅速に対応することができる。
【0163】
ここで、上記入力部121の実行ファイル作成部123について詳細に説明する。
上記実行ファイル作成部123は、図19に示すように、合成実験に必要な温度、試薬等の実験パラメータを設定した実験ファイルを作成する実験ファイル作成部127と、ロボット8の動作速度、反応容器ラック1のラックサイズ等の合成実験自動化システムの環境を設定した環境ファイルを作成する環境ファイル作成部128と、合成実験に使用する試薬・溶媒等の名前を登録する試薬溶媒名登録部129の4つのプログラムで構成されており、上述したGASYS.EXE を起動することで各プログラムが実行される。
【0164】
上記実験ファイル作成部127では、簡単モードと詳細モードの2つの作成モードの少なくとも一方を用いて実験ファイルを作成するようになっている。つまり、上記実験ファイルは、簡単モードのみによって作成しても良く、また、簡単モードに加えて詳細モードによって作成しても良く、さらに、詳細モードのみによって作成しても良い。
【0165】
簡単モードとは、合成実験自動化システムにおける動作手順に不慣れな実験専門家がより容易に実験ファイルを作成するように考慮した実験ファイル作成モードである。この簡単モードでは、予め決められた合成実験の動作制御アルゴリズムに対して試薬溶媒、反応温度等の設定変更だけを行い、例えば▲1▼最適温度・時間検討コース、▲2▼最適試薬・溶媒検討コース、▲3▼最適モル比検討コースの3コースの何れかを選択して、実験ファイルを作成するようになっている。
【0166】
一方、詳細モードとは、合成実験における各種パラメータや、シーケンス(動作単位)の選択設定を詳細に行うようにした実験ファイル作成モードである。
【0167】
通常、実験ファイルを作成するときには、簡単モードにより設定の後に、詳細モードに移行するようになっている。しかしながら、上述したように、簡単モードを選択せず、詳細モードのみによって実験ファイルを作成しても良く、さらに、簡単モードのみで実験ファイルを作成しても良い。
【0168】
また、環境ファイル作成部128は、ロボット8の移動速度やダイリュータの吸引排出速度、同一配管内での試薬交換時の配管の洗浄回数の設定や、反応容器ラック1のサイズの設定等の合成実験自動化システムにおける各装置の配置等の環境設定をファイルとして作成するためのプログラムが実行されている。
【0169】
さらに、試薬溶媒名登録部129は、合成実験に使用する各種試薬、溶媒名を登録するためのプログラムが実行されている。
【0170】
上記構成の入力部121における実行ファイル作成部123のプログラムの起動は、操作者が図示しないコンピュータ9のモニタ上に表示されているWindows 上のプログラム起動用のアイコンを選択することによって行われる。このときのアイコンは、GASYS.EXE を起動するように設定されている。そして、上記プログラムの起動後、図示しない入力設定メイン画面が表示される。この入力設定メイン画面には、簡単モードおよび詳細モードの何れかが選択できるように表示されている。
【0171】
次いで、操作者は、実験の目的に応じて上記入力設定メイン画面から簡単モードか詳細モードかの何れかを選択し、実験の条件を入力する。このとき、先に簡単モードを選択して、実験条件を入力した後、さらに詳細モードを選択して、実験条件を入力することができる。また、最初から詳細モードを選択して、実験条件を入力することもできる。
【0172】
上記の実験条件の入力は、何れの場合においても試薬溶媒等の項目を選択して行う場合と、反応温度、反応時間等のように数値を入力して行う場合とに分けられる。このとき、項目を選択する場合は選択項目のエラー確認、数値を入力する場合は数値範囲のエラー確認を行う。そして、エラー時には警告を発して操作者に知らせる。この場合、コンピュータ9のスピーカ等から音で警告すると共に、画面に警告を表示するようになっている。
【0173】
このようにして、エラーのチェック等を行いながら全ての実験条件の入力が終了すれば、実行部122に送信するファイルを作成する。このファイル作成時においても、入力項目に誤りがある場合は、上述のようにして警告を発し、操作者に知らせる。
【0174】
また、上記入力設定メイン画面には、上記簡単モードおよび詳細モードの選択表示の他に、環境設定、試薬溶媒登録の設定登録用のアイコンが表示されており、所望するアイコンを選択することで、それぞれの設定画面あるいは登録画面に切り換わるようになっている。
【0175】
したがって、上記入力部121の実行ファイル作成は、例えば図23に示すように、コンピュータ9に備えられているモニタ(図示せず)に表示される画面200に沿って行われる。
【0176】
このようにして入力部121にて作成された実行ファイルに基づいて、実行部122は、合成実験自動化システムを稼働制御する。
【0177】
ここで、上記実行部122の主制御部124、ロボット制御部125および分析制御部126について詳細に説明する。
【0178】
上記主制御部124は、図20に示すように、実行JOB登録部130、稼働処理部131、通信管理部132、情報管理部133、データファイル作成部134、ログファイル作成部135の6つのプログラムで構成されている。上記の各プログラムの実行は、GOSEI.EXE というプログラムの起動によって行われる。
【0179】
実行JOB登録部130は、実行ファイル作成部123にて作成された実行ファイルの中から選択された実行ファイルを読み込み、該実行ファイルが設定温度毎に実行JOBとして登録するプログラムである。この実行JOBは、各実行ファイルの設定温度毎に登録されており、所定のタイミングで稼働処理部131で読み込まれ、この実行JOB単位で合成実験が行われる。
【0180】
上記実行JOB登録部130において、実行ファイルを読み込んだとき、環境値のチェック、シーケンスのパラメータチェック、合成実験自動化システムにおける各機器の確認、使用系列の配置等を行うようになっている。例えば、機器の確認では、実行ファイルを実行JOBとして登録をする前に、使用する各機器に初期動作コマンドを送信して、その機器が動作コマンドを正しく送受信しているか否かを確認している。このとき、何れかの機器が動作コマンドを正しく送受信していない状態(例えば電源が入っていない、通信コネクタが外れている等)を確認した場合には、合成実験自動化システムの操作者に警告を発すると共に、実験動作の開始を中断する。そして、上記の機器の接続不良等の問題を解消した後、再び機器の確認を行い、上記の実行ファイル及び機器の確認が終了した時点で、実行JOBの登録を行う。
【0181】
このように、実行JOB登録部130において、実行JOBの登録を行う前に実行ファイルの内容をチェックする理由は、入力部121にて作成された実行ファイルが通常のテキストファイルで記載されており、エディタ等を用いてテキストファイルの内容を容易に変更できるためである。
【0182】
稼働処理部131は、実行JOB登録部130で登録された実行JOBの内容に基づいて、合成実験自動化システムを動作させる。このとき、稼働処理部131では、タイマーによる実験の実行スケジュール、実行JOBの配置、実験系列の配置、DDE通信制御、機器の動作制御等のプログラムが実行されている。
【0183】
この稼働処理部131による制御では、反応装置3の温調ユニット30が4つであるため、4つの実行JOBまで同時に実行可能である。これ以上の実行JOBを行う場合には、前の実験がJOB単位で終了した時点で、次の実行JOBによる実験を該当する温調ユニット30にて開始するようになっている。つまり、本実施の形態では、反応装置3の温調ユニット30は4つであるが、この温調ユニット30の数を増やすことで同時に行えるJOB数も増加する。
【0184】
合成実験が実行されている間、図24に示すような実行の進行状況を表示する実行画面201がモニタ(図示せず)に表示されるようになっている。この実行状況としては、実験の進行を合成反応容器15毎に表示する「バイアル実行・だんご図」、反応装置3の各温調ユニット30…の温度を配置した系列毎に表示する「温調ユニット使用状況」、JOBの進行を表示する「稼働JOB・待機JOB」がある。
【0185】
上記稼働処理部131が実行JOBに基づいて生成する各機器の制御信号は、通信管理部132を介して送信される。また、各機器からの情報は、通信管理部132を介して受信される。
【0186】
上記通信管理部132での制御信号の送受信はCOM2を用いる。尚、通信管理部132における制御信号の送受信は、稼働処理部131とは別の独立したタイマによって行われている。これは、上記COM2では、制御信号を1度に連続して送信することができないためである。
【0187】
通信管理部132は、情報管理部133と情報の送受信をDDEで行っている。この情報管理部133は、合成実験中の合成実験自動化システムにおける稼働環境、ロボット8へのCRS通信、ペリフェラール通信等の状況を管理する情報管理プログラムである。
【0188】
上記情報管理部133における情報管理プログラムは、稼働処理部131にてタイマーによって、短い時間間隔で順に各機器に制御信号(コマンド)を送信して、次の実行JOBが実行可能であるか否かを、該プログラム上に設けられたフラグというビット単位の情報管理手段によりチェックするようになっている。ここで、次の実行JOBが実行可能であればその機器に対して動作信号を送信するように稼働処理部131を制御し、不可能な場合には、登録された実行JOBの中から可能な実行JOBが見つかるまで、上記のチェックを繰り返すようになっている。
【0189】
さらに、主制御部124には、稼働処理部131による実行JOBに基づく実験に伴って生じる試薬や溶媒、あるい反応液等の秤量値のような各種データをファイルするデータファイル作成部134というプログラムが含まれている。
【0190】
また、主制御部124には、上記データファイル作成部134の他に、合成実験の間、合成実験自動化システムにおける各機器がどのような動作をしたか、あるいはどのようなコマンドで動作したか等のコンピュータ9と各機器との通信のログファイルを作成するためのログファイル作成部135というプログラムが含まれている。
【0191】
上記データファイル作成部134およびログファイル作成部135にて作成されたデータファイルおよびログファイルは、コンピュータ9の内部あるいは外部の記憶装置に記憶され、必要に応じて参照または利用できるようになっている。
【0192】
次に、ロボット制御部125について詳細に説明する。ここで、ロボット8は、合成実験自動化システムにおいて各機器に対して合成反応容器15等の容器の搬送に使用されているので、そのスケジュール管理は上述の稼働処理部131によって行われる。しかしながら、ロボット8の動作の独立性および通信信号の仕様の相違から、この動作の通信信号送受信部は独立した制御部にて制御される。この制御部が上記のロボット制御部125である。
【0193】
上記ロボット制御部125は、図21に示すように、GOSEI.EXE との間でDDEによる送受信を行うための送受信管理部136と、DDE通信による情報信号から動作コマンドを送受信し、この動作コマンドをロボット8用の動作信号に変換するための動作コマンド送受信部137と、動作信号を送受信すると共に、動作信号送受信部138との3つのプログラムで構成されている。
【0194】
上記動作信号送受信部138は、COM1とロボット8のコントローラと間で動作信号の送受信を管理するプログラムである。
【0195】
上記の各プログラムの実行は、CRS.EXE を起動することで実行される。このCRS.EXE は、上述したGOSEI.EXE を起動するときに、このGOSEI.EXE とのDDE通信によって起動される。
【0196】
また、上記の動作信号送受信部138のプログラムが実行されると、予め設定されたロボット8の移動場所(以下、ロケーションと称する)の設定変更を行う画面と、上記ロケーションへのロボット8の移動等を含む任意のコマンドを送信できるようなターミナル画面とが、上記送受信管理部136を介してモニタ上に表示される。尚、上記の両機能は、通常の合成実験で使用することはない。
【0197】
次いで、分析制御部126について以下に説明する。尚、上記分析制御部126も、前述のロボット制御部125と同様に、分析機器(ガスクロマトグラフ6や液体クロマトグラフ7等)の動作の独立性および通信信号の仕様の相違から、この動作の通信信号送受信部は独立した制御部にて制御されている。この制御部が分析制御部126である。
【0198】
上記分析制御部126は、図22に示すように、GOSEI.EXE との間でDDEによる送受信を行うための送受信管理部139と、DDE通信による情報信号から動作コマンドを送受信するための動作コマンド送受信部140との2つのプログラムで構成されている。
【0199】
尚、分析機器の移動場所等の管理は、分析機器本体が記憶しているため、上述のロボット制御部125におけるターミナル画面等を表示する必要はない。
【0200】
上記分析制御部126における各部のプログラムは、BUNSEKI.EXE を起動することで実行される。このBUNSEKI.EXE は、上述したGOSEI.EXE を起動するときに、このGOSEI.EXE とのDDE通信によって起動される。そして、分析機器の制御動作は、GOSEI.EXE からDDE通信により送信される動作信号によって行われ、また分析機器に対しての制御信号はGOSEI.EXE を経由して分析機器に送信される。
【0201】
ここで、上記構成の合成実験自動化システムにおけるシステム全体の動作の流れについて、図25ないし図28に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。但し、上記合成実験自動化システムの作動させる前には、操作者によって、各機器の電源のON、試薬、溶媒、合成反応容器15等のセッテイング等の実験準備を行う。そして、上記の実験準備が完了した後、コンピュータ9を作動させるものとする。
【0202】
先ず、図25に示すように、所望する合成実験に応じた実行ファイルの作成を行う(S1)。この実行ファイルの作成のサブルーチンは、後述する。
【0203】
次いで、作成された実行ファイルに基づいて実行JOBを登録する(S2)。この実行JOBの登録のサブルーチンについても、後述する。
【0204】
次に、S2で登録された実行JOBを読み込む(S3)。ここでは、実行ファイルに記載されている反応温度毎のJOBの作成、実行ファイル内の異常のチェック等を行う。
【0205】
続いて、上記実行JOBに基づいて、実験が開始される(S4)。本実施の形態の合成実験自動化システムでは、反応装置3における4つの異なる反応温度に設定された温調ユニット30を有しているので、4種類のJOBが実行可能である。
【0206】
そして、実験の実行状況をモニタに表示する共に、実験中に生じた各種データのファイルと、各機器とコンピュータ9の通信状況等を示すログファイルとを作成する(S5)。このため、実験の実行中に、操作者は、実行状況をモニタリングすることができ、実験中の異常を発見することができる。
【0207】
次に、操作者が、上記実行状況のモニタリング中に異常が発見されたか否かを判定する(S6)。ここで、異常がなければ、別の実験を実行するか否かを判定する(S7)。
【0208】
S6で、異常がありと判定すれば、エラー処理を行うサブルーチンに移行する(S8)。このエラー処理については、後述する。
【0209】
また、S7で、別の実験を実行するのであれば、S3に移行し、別の実験の実行JOBを読み込む。一方、S7で、別の実験を実行しないのであれば、実験を終了させる(S9)。ここで、実験の終了とは、システム全体の合成反応が終了することである。
【0210】
続いて、上記実行ファイル作成のサブルーチンについて説明する。尚、ここでは、実行ファイル作成部123における実験ファイル作成部127、環境ファイル作成部128、試薬溶媒名登録部129の各部で作成および登録されたデータを実行ファイルとする。
【0211】
先ず、図26に示すように、GASYS.EXE を起動させて実行ファイル作成部123によりコンピュータ9に入力設定の初期画面を表示させる(S11)。この初期画面には、『実ファイルの作成』、『環境ファイルの作成』、『試薬溶媒名登録』の3つの項目が表示されている。そして、この3つの項目から実験ファイルの作成という項目が選択されたか否かを判定する(S12)。ここで、実験ファイル作成が選択されなければ、図27に示すS19に移行する。一方、実験ファイル作成が選択されれば、上記初期画面は、『簡単モード』と『詳細モード』の2つの項目が表示され、さらに、簡単モードが選択され、該簡単モードが実行されたか否かを判定する(S13)。
【0212】
S13で簡単モードが実行されたと判定されなければ、S15に移行して詳細モードが実行されたか否かが判定される。また、S13で簡単モードが実行されたと判定されれば、簡単モードでの実験条件の入力が行われる。
【0213】
そして、簡単モードの実行が終了すれば(S14)、詳細モードが選択され、該詳細モードが実行されたか否かが判定される(S15)。ここで、詳細モードが実行されたと判定されなければ、S17に移行する。一方、詳細モードが実行されたと判定されれば、詳細モードでの実験入力が行われる。
【0214】
そして、詳細モードの実行が終了すれば(S16)、実験ファイルの作成が終了されたか否かが判定される(S17)。ここで、実験ファイルの作成が終了されたと判定されなければ、さらに実験ファイルを作成するために、再びS13に移行する。
【0215】
一方、S17で実験ファイルの作成が終了されたと判定されれば、実行ファイルの作成が終了されたか否かが判定される(S18)。ここで、実行ファイルの作成が終了されたと判定されれば、図25に示すS2に移行し、実行JOBの登録のサブルーチンを実行する。このサブルーチンについては後述する。
【0216】
また、S18で、実行ファイルの作成が終了されたと判定されなければ、S12に移行する。
【0217】
ここで、上記S12にて実験ファイルの作成が選択されない場合について、図27のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0218】
先ず、実験ファイルの作成という項目を選択しない場合、初期画面から、環境ファイルを作成する項目が選択されたか否かが判定される(S19)。ここで、環境ファイルの作成が選択されたと判定されなければ、S21に移行する。一方、環境ファイルの作成が選択されたと判定されれば、環境ファイルの作成が行われる。そして、この環境ファイルの作成が終了すれば(S20)、S21に移行する。
【0219】
S21では、上記初期画面から試薬溶媒名の登録という項目が選択されたか否かが判定される。ここで、試薬溶媒名の登録が選択されたと判定されなければ、S23に移行する。一方、S21で試薬溶媒名の登録を選択されたと判定されれば、試薬溶媒名の登録が行われる。そして、試薬溶媒名の登録が終了すれば(S22)、再び実験ファイルの作成が選択されたか否かが判定される(S23)。
【0220】
S23で、実験ファイルの作成が選択されたと判定されなければ、S19に移行し、環境ファイルの作成が選択されたか否かが判定される。一方、S23で、実験ファイルの作成が選択されたと判定されれば、図26に示すS13に移行する。
【0221】
このようにして、合成反応の実験数および実験条件の数だけ実行ファイルが作成される。
【0222】
次に、図25に示す実行JOBの登録のサブルーチンについて図28に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0223】
先ず、上述した実行ファイルの作成サブルーチンによって作成された実行ファイルの選択が行われる(S31)。
【0224】
次いで、選択した実行ファイルが読み込まれる(S32)。このとき、読み込まれた実行ファイルから、合成実験自動化システムの環境値のチェック、シーケンスのパラメータチェック、使用機器の確認、使用系列の配置の確認等が行われる。そして、読み込んだ実行ファイルに異常がなければ、上記実行ファイルが実際に行う合成実験を実行するための実行JOBとして登録される(S33)。
【0225】
そして、実行JOBの登録が終了されたか否かを判定する(S34)。ここで、所望する実験数の実行ファイルが、実行JOBとして全て登録された場合には、実行JOBの登録を終了して、図25に示すS3に移行する。一方、所望する実験数の実行ファイルが実行JOBとして登録されていなれば、S31に移行する。
【0226】
このようにして、実行JOBが合成反応の実験数および実験条件の数だけ登録される。
【0227】
次に、図25に示すエラー処理におけるサブルーチンについて、図29に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。本合成実験自動化システムでは、システムがエラーを検知した場合、そのエラーがどのような種類のエラーであるのかを認識し、そのエラーの種類によって所定の処理が行われる。
【0228】
先ず、システムにダメージを与えるエラー、例えば異常な負荷、異常な電流等により生じるエラーか否かを判定する(S41)。ここで、そのようなシステムにダメージを与えるようなエラーであれば、ブレカーを落とす等してシステムの元の電源を切る(S42)。そして、エラー処理を終了する。
【0229】
また、S41で、発生したエラーがシステムに与えるエラーでなければ、次に、実験進行が不可能なエラー、例えばロボット8の走行エラー等の故障により生じるエラーか否かを判定する(S43)。ここで、実験進行が不可能なエラーであれば、合成実験自動化システムの全装置を初期化して、システムをシャットダウンする(S44)。そして、ここで検出したエラーの内容をロギングし(S45)、エラー処理を終了する。
【0230】
一方、S43で、実験進行が不可能なエラーでなければ、続行可能な実験について続行可能な処理を行う(S46)。そして、ここで検出したエラーの内容をロギングし(S47)、エラー処理を終了する。
【0231】
上記のようなエラー処理を行った後は、エラー内容をチェックして、そのエラー内容に基づいて合成実験自動化システムを再点検して、次の実験に備える。
【0232】
このように、本願の合成実験自動化システムでは、合成反応が行われている間、常に反応システム内の各機器とコンピュータ9とが通信しているので、エラー発生等の異常時にはエラー処理用のプログラム(図29)を実行すればエラーを回避することができる。しかも、本合成実験自動化システムでは、上述のように、実行ファイルの作成および実行JOBの登録段階においても異常を検出して、その異常を回避するようになっている。したがって、本願によれば、安全で確実な実験ができる合成実験自動化システムを提供することができる。
【0233】
また、上記構成の合成実験自動化システムによれば、コンピュータ9によって反応システム内の装置の動作が実験条件毎に制御されるので、反応装置3内の複数の温調ユニット30をそれぞれ異なる実験条件で作動させることができる。
【0234】
例えば、上記反応装置3の各温調ユニット30には、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段が設けられ、上記温度調整手段の温度調整動作は、上記コンピュータ9により各実験条件に基づいて制御されている。これにより、本合成実験自動化システムでは、複数の異なる温度条件で合成反応が同時に行える。さらに、温調ユニット30には複数の合成反応容器15が収納可能なので、さらに多くの実験条件の異なる反応を同時に行わせることができる。
【0235】
また、ロボット8の搬送載置動作も上記コンピュータ9によって制御されているので、ロボット8は、実験条件に基づいて反応システム内でロボット8を搬送するようになる。これにより、ロボット8の行動範囲に上記反応システムの各装置を配置することができるので、合成実験自動化システムの拡張性を向上させることができる。
【0236】
さらに、上記ロボットの搬送載置動作および上記反応システム内の装置の動作が、合成反応の実験条件毎に制御されているので、種々の反応に対応させることができ、反応プロセスの組み合わせが自由になる。これによって、システムの柔軟性を向上させることができる。
【0237】
上記のように複数の実験を同時に行うためには、例えばコンピュータ9が、上記反応システムにおける合成反応手順を、各実験毎に設定すれば良い。
【0238】
また、本願の合成実験自動化システムに使用されるロボット8は、拡張可能な走行用レール110上を走行するようになっている。これにより、この走行用レール110に沿って反応システムの各装置を配置すれば、ロボット8による反応容器の搬送を効率良く行うことができる。しかも、上記の走行用レール110は拡張可能なので、レール110を増設するだけで容易にシステムの拡張を行うことができる。
【0239】
尚、本実施の形態では、合成実験自動化システムに配置される機器、即ち反応システムを構成する機器として、反応容器ラック1、分注・分液装置2、反応装置3、振とう装置4、分析前処理装置5、ガスクロマトグラフ6、液体クロマトグラフ7を用いているが、これに、図1に示すように、濃縮装置150を載置しても良い。また、ロボット走行用レール110を延長することによって、さらに他の機器を配置しても良い。
【0240】
以上の説明では、本願発明の一例を示したにすぎず、本願の請求項に記載の技術思想を反映させ得るものであれば、どのような合成実験自動化システムにも適用することができる。
【0241】
【発明の効果】
の発明の合成実験自動化システムは、以上のように、複数の反応容器を収納する反応容器ラックと、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装置と、試薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可能な反応部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実験条件の合成反応の設定が可能な反応装置とを含む反応システムと、上記反応容器ラックから反応容器を取り出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に搬送すると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上記反応装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応システム内の各装置の動作を、各合成反応の実験条件に基づいて制御するコンピュータと、上記ロボットが走行する拡張可能なレールとからなり、上記反応システムは、さらに、上記反応装置で合成反応終了直後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された条件で振とうする振とう装置と、上記振とう装置で振とうされた反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分液する分液装置とを含み、上記振とう装置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、振とう時の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生するガスを排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部とを備え、上記拡張可能なレールに沿って、上記反応システムの各装置が配置されている構成である。
【0242】
それゆえ、コンピュータによって反応システム内の装置の動作が合成反応の実験条件毎に制御されるので、反応装置内の複数の反応部をそれぞれ異なる実験条件で作動させることができる。さらに、反応部には複数の反応容器が収納可能なので、さらに多くの実験条件の異なる反応を同時に行わせることができる。
【0243】
また、ロボットの搬送載置動作も上記コンピュータによって制御されているので、ロボットは、実験条件に基づいて反応システム内で反応容器を搬送するようになる。これにより、ロボットの行動範囲に上記反応システムの各装置を配置することができるので、合成実験自動化システムの拡張性の向上を図ることができる。
【0244】
さらに、上記ロボットの搬送載置動作および上記反応システム内の装置の動作が、実験条件毎に制御されているので、種々の反応に対応させることができ、反応プロセスの組み合わせが自由になる。これによってもシステムの柔軟性の向上を図ることができる。また、振とう装置と分液装置とをロボットの行動範囲内に配置することで、反応システム内で合成反応の各実験条件に基づいて作動させることができる。さらに、反応後の溶液を振とうした場合に発生するガスによる容器の破損を防止することができるという効果を奏する。
【0245】
発明の合成実験自動化システムは、以上のように、上記構成に加えて、反応装置の各反応部には、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段が設けられ、上記温度調整手段の温度調整動作は、上記コンピュータにより各実験条件に基づいて制御されている構成である。
【0246】
それゆえ、上記反応装置の各反応部に、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段を設け、上記温度調整手段の温度調整動作を、上記コンピュータにより制御すれば、複数の異なる温度条件で合成反応が同時に行える。
【0247】
さらに、反応部には複数の反応容器が収納可能なので、さらに多くの実験条件の異なる合成反応を同時に行わせることができるという効果を奏する。
【0252】
発明の合成実験自動化システムは、以上のように、上記構成に加えて、分液装置は、分層された反応液の界面を、それぞれの層の電気伝導度の差により検出する検出器を備え、この検出信号に基づいて分液する構成である。
【0253】
それゆえ、分層された反応液の界面が、それぞれの層の電気伝導度の差により検出されるので、反応液の光の屈折率の差から上記反応液の界面を認識する場合のように、屈折率検知センサ等で外部から光走査する必要がないので、装置の大型化を防止することができるという効果を奏する。
【0254】
発明の合成実験自動化システムは、以上のように、上記構成に加えて、分液装置は、上記検出器の検出結果に基づいて、反応溶液から分層された溶液の一方を抽出する抽出手段を備えている構成である。
【0255】
それゆえ、上記構成による効果に加えて、抽出手段が上記検出器の検出結果に基づいて、分層された反応液から所望する溶液を容易に抽出することができるという効果を奏する。
【0258】
しかも、上記のレールは拡張可能なので、レールを増設するだけで容易にシステムの拡張を行うことができるという効果を奏する。
【0259】
発明の合成実験自動化システムは、以上のように、上記構成に加えて、コンピュータは、上記反応システムで実行される合成反応の手順を、各実験毎に設定する構成である。
【0260】
それゆえ、上記構成による効果に加えて、コンピュータによって合成反応の手順が作成され、その手順に基づいて合成反応が実行されるようになるので、反応システム内で使用される機器が増加しても、プログラムを変更する等して柔軟に対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る合成実験自動化システムの模式構成図である。
【図2】図1に示す合成実験自動化システムに配置されている反応容器ラックを示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】図1に示す合成実験自動化システムに配置されている分注・分液装置の概略構成図である。
【図4】図3に示す分注・分液装置の分注ニードルと溶媒ボトルとの接続関係を示す説明図である。
【図5】図1に示す合成実験自動化システムに配置されている反応装置の概略構成図である。
【図6】図5に示す反応装置の反応槽の概略構成図である。
【図7】図6に示す反応槽の冷却機構を示す説明図である。
【図8】図5に示す反応装置に備えられている温度制御機構の概略構成図である。
【図9】図5に示す反応装置に備えられている冷却管の概略構成図である。
【図10】図5に示す反応装置における試薬・溶媒の供給システムを示す模式図である。
【図11】図1に示す合成実験自動化システムに配置されている振とう装置の概略構成図である。
【図12】図1に示す合成実験自動化システムに配置されている分析前処理装置の概略構成図である。
【図13】図12に示す分析前処理装置に備えられているアームに装着されるフィンガーの一例を示す説明図である。
【図14】図12に示す分析前処理装置に備えられているアームに装着されるフィンガーの他の例を示す説明図である。
【図15】図1に示す合成実験自動化システムに備えられているロボットを示すものであって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図16】図15に示すロボットのアームを示す説明図である。
【図17】図1に示す合成実験自動化システムの制御ブロック図である。
【図18】図17に示すコンピュータの内部を示す説明図である。
【図19】図18に示すコンピュータの入力部の実行ファイル作成部を示す説明図である。
【図20】図18に示すコンピュータの実行部の主制御部を示す説明図である。
【図21】図18に示すコンピュータの実行部のロボット制御部を示す説明図である。
【図22】図18に示すコンピュータの実行部の分析制御部を示す説明図である。
【図23】実行ファイル作成画面の一例を示す説明図である。
【図24】実験の進行状況画面の一例を示す説明図である。
【図25】図1に示す合成実験自動化システムにおけるシステムの流れを示すフローチャートである。
【図26】図25に示すフローチャートの実行ファイル作成の流れを示すフローチャートである。
【図27】図25に示すフローチャートの実行ファイル作成の流れを示すフローチャートである。
【図28】図25に示すフローチャートの実行JOB登録の流れを示すフローチャートである。
【図29】図25に示すフローチャートのエラー処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 反応容器ラック
2 分注・分液装置
3 反応装置
4 振とう装置
5 分析前処理装置
6 ガスクロマトグラフ
7 液体クロマトグラフ
8 ロボット
9 コンピュータ
15 合成反応容器(反応容器)
18 注入・抽出機構(抽出手段)
29 伝導度センサ(検出器)
30 温調ユニット(反応部)
70 ボルテックスミキサー(振とう部)
74 押さえキャップ(蓋部)
78 リンスポート(洗浄部)
110 走行用レール(レール)

Claims (6)

  1. 複数の反応容器を収納する反応容器ラックと、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装置と、試薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可能な反応部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実験条件の合成反応の設定が可能な反応装置とを含む反応システムと、
    上記反応容器ラックから反応容器を取り出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に搬送すると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上記反応装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、
    上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応システム内の各装置の動作を、各合成反応の実験条件に基づいて制御するコンピュータと、
    上記ロボットが走行する拡張可能なレールとからなり、
    上記反応システムは、さらに、上記反応装置で合成反応終了直後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された条件で振とうする振とう装置と、
    上記振とう装置で振とうされた反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分液する分液装置とを含み、
    上記振とう装置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、振とう時の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生するガスを排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部とを備え、
    上記拡張可能なレールに沿って、上記反応システムの各装置が配置されていることを特徴とする合成実験自動化システム。
  2. 複数の反応容器を収納する反応容器ラックと、反応容器内に試薬・溶媒を注入する分注装置と、試薬・溶媒が注入された複数の反応容器を収納可能な反応部を複数有し、それぞれの反応部では異なる実験条件の合成反応の設定が可能な反応装置とを含む反応システムと、
    上記反応容器ラックから反応容器を取り出して、該反応容器を上記分注装置の分注位置に搬送すると共に、試薬・溶媒の注入された反応容器を上記反応装置の反応部の所定位置に搬送するロボットと、
    上記ロボットの反応容器の搬送載置動作および上記反応システム内の各装置の動作を、各合成反応の実験条件に基づいて制御するコンピュータとからなり、
    上記反応システムは、さらに、上記反応装置で合成反応終了直後の反応容器を、上記実験条件に基づいて設定された条件で振とうする振とう装置と、
    上記振とう装置で振とうされた反応容器内の反応溶液から指定された溶液を分液する分液装置とを含み、
    上記振とう装置は、反応容器を振とうする容器振とう部と、振とう時の液漏れを防止すると共に、振とう時に発生するガスを排出するガス抜き機構を有する蓋部と、該蓋部の反応容器側面部を洗浄する洗浄部とを備えていることを特徴とする合成実験自動化システム。
  3. 上記反応装置の各反応部には、それぞれ異なる温度設定が可能な温度調整手段が設けられ、上記温度調整手段の温度調整動作は、上記コンピュータにより制御されていることを特徴とする請求項1または2記載の合成実験自動化システム。
  4. 上記分液装置は、分層された反応液の界面を、それぞれの層の電気伝導度の差により検出する検出器を備え、この検出信号に基づいて分液することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の合成実験自動化システム。
  5. 上記分液装置は、上記検出器の検出結果に基づいて、反応溶液から分層された溶液の一方を抽出する抽出手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の合成実験自動化システム。
  6. 上記コンピュータは、上記反応システムで実行される合成反応手順を、各合成反応の実験条件毎に設定することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の合成実験自動化システム。
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