JPH10132820A - 免疫学的検査具 - Google Patents

免疫学的検査具

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JPH10132820A
JPH10132820A JP8285142A JP28514296A JPH10132820A JP H10132820 A JPH10132820 A JP H10132820A JP 8285142 A JP8285142 A JP 8285142A JP 28514296 A JP28514296 A JP 28514296A JP H10132820 A JPH10132820 A JP H10132820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の検体を収納する容器は、収納した検体を
そのまま試験して判定を確認することが困難であり、か
つ取り扱いが不便であり、しかも全体的に嵩張るので郵
送に不便である等の問題があった。 【解決手段】便等の検体を検査するための検査具であっ
て、浸透紙16の表裏面にカバーフィルム17,18を
積層した吸水性検査片15と、底部に試薬添加窓3と判
定窓4とを夫々有しかつ前記試験片15を試薬添加窓3
と判定窓4上に載置し得る容器1と、前記検体を試験片
15に塗着するために挿通し得る窓8を有する蓋6と、
先端縁に押圧片9を有しかつ中央部にすりばち型状の凹
穴11を有し、天井に擦切板14と中央リブ13とを有
し、かつ前記容器1と蓋6とに摺動自在に挿入し得る擦
切体10とを組み合わせて構成した試験具の構造であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糞便等の検体を簡単
に検査することが出来る免疫学的検査具に係り、特に検
体を体裁良くかつ衛生的に収納すると共に、検体を収納
したままの状態で簡単に検査してその結果を判定表示し
得る免疫学的検査具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糞便等の検体を試料とする検査として、
潜血成分、特にヒトヘモグロビンの有無を調べる便潜血
検査や、小児ウイルス性胃腸炎の主原因であるロタウイ
ルスを検出する検査等がある。この様な検体の糞便中の
被検物質を検出する方法には、例えば、動物血球に抗体
を感作したものと糞便溶解液とを混合して生じる沈降現
象を利用して逆受身血球凝集法、高分子ラテックス粒子
に抗体を感作したものと糞便溶解液とを混合して生じる
凝集像を利用して検出するラテックス凝集法、酵素標識
した抗体を利用する酵素免疫法等の免疫学的方法が用い
られている。
【0003】また、検体の糞便中から被検物質をより簡
便に検出する方法として、免疫クロマト法が知られてい
る。免疫クロマト法は、吸水性検査片上に、抗体を固定
化した固定相の領域を設け、該領域において被検物質及
び着色標識抗体の複合体を結合させることにより、被検
物質を吸水性検査片上にトラップして検出する方法であ
る。例えば、採取した糞便をいったん緩衝液に溶解し、
この糞便溶解液を吸水性検査片上に展開して測定する方
法がよく行われているが、この方法では検査者の操作が
煩雑である、また、糞便溶解液中で被検物質が変性する
問題があった。
【0004】従来、前述のような検体を被検査者自身が
採集して検査者に検査を依頼する場合には、フタ付きの
採便カップ等に少量の糞便を収納し、この状態で病院等
に持参するのが一般的であった。また、最近になって、
筒状のプラスチック容器が一般的に使用されるようにな
って来ている。このプラスチック容器は、キャップ部の
天井面に小さなスプーンが一体的に取付けられており、
このスプーンの先端に少量の糞便を塗着させ、そのまま
スプーンを容器の中に挿入し、キャップを容器の開口部
に嵌着させて密封した状態で病院に持参する構造の容器
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】処で、前述の構造を有
するプラスチック容器は、衛生的であり、かつ大便等の
検体を容器内に密封することは出来るが、全体的に嵩張
るので郵送に不便であった。また検体を必要以上にスプ
ーンの先端にかき取って付着させる問題もあった。更
に、検体を病院で試験するには、プラスチック容器から
一旦取り出し、他の容器に移した後で検体の試験をしな
ければならないので、病院等に於ける検査に手間取る等
の問題があった。
【0006】本発明者は前述の多くの問題点を改善する
ために、糞便等の検体を吸水性検査片に直接塗着した
後、免疫クロマト法に従い、配置した糞便中の被検物質
に、標識抗体を結合させ、これを試薬としての展開液に
よって吸水性検査片上の抗体固定化領域まで展開させ
て、被検物質を固定化抗体と標識抗体との複合体を形成
させ抗体固定化領域に捕捉する方法を開発し、既に特許
出願している。
【0007】しかしながら、この方法を実施する場合に
は、精度良く検出するために微量の一定量の糞便を塗着
する必要があり、そのためには、例えば吸水性検査片
に、一定面積の孔を設けた一定厚さの非吸水性フィルム
等を貼付し、前記孔と吸水性検査片からなる空隙付近に
適当量の検体となる糞便を塗布した後、ヘラ等を用いて
過剰に塗布された糞便を擦り切り排除する必要があり、
作業が煩雑であった。また、糞便を塗布した後の吸水性
検査片及び糞便が付着されたヘラ等をそのまま取り扱う
には衛生上の問題があった。
【0008】本発明に係る試験具は、前述の従来の問題
点に鑑み開発された全く新しい技術であって、容器内に
載置された吸水性検査片に適当量の検体を容易かつ正確
に塗着することが出来、かつ容器の表面から吸水性検査
片に試薬を添加することによって、その隣りの判定窓よ
り吸水性検査片に現れる検査結果を、直に簡便で精度良
く確認することが出来る技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る免疫学的検
査具は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術で
あって、特に、第1の抗体が固定化された領域を有する
吸水性検査片上の前記領域外に、試料の検体を配置した
後、免疫クロマト法に従い、試料中の被検物質に、標識
化された第2の抗体を結合させ、これを試薬となる展開
液によって前記第1の抗体が固定化された領域まで展開
させて、試料中の被検物質と第1の抗体と標識化された
第2の抗体との複合体を形成させ、第1の領域に捕捉す
ることによって、試料中の被検物質を検出する免疫学的
検査具である。
【0010】本発明に係る免疫学的検査具の第1発明の
要旨は、検体を免疫学的に検査するための検査具に於い
て、下面壁に試薬添加窓と判定窓とを有する容器と、上
面壁に窓を有しかつ該容器に被蓋し得る蓋と、先端部に
凹穴が穿設されると共に該凹穴に続く部分の天井面に擦
切刃が突設され更に前記容器と蓋との間に長軸方向に添
って摺動自在に挿入し得る擦切体と、検体を直接塗着す
ることが出来かつ前記容器の試薬添加窓と判定窓との上
に載置出来る吸水性検査片との組み合わせよりなる免疫
学的検査具である。
【0011】また、第2発明の要旨は、前記擦切体の凹
穴をすりばち型状に形成すると共に、該凹穴の底部内径
を前記吸水性検査片の短軸巾とほぼ等しい寸法に形成し
たことを特徴とした第1発明の免疫学的検査具である。
更に、第3発明の要旨は、前記擦切体の先端部に押圧片
を設けると共にその後部天井面に中央リブを設けて構成
したことを特徴とした請求項1或いは請求項2の免疫学
的検査具である。
【0012】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る免疫学的検
査具の一実施例を具体的に説明すると、図1は本発明に
係る検査具の各構成部品を説明する斜視図、図2は図1
の容器の説明図、図3は図1の蓋の説明図、図4は図1
の擦切体の説明図、図5は図1の吸水性検査片の説明
図、図6は図1の検査具の組立状態を示す平面及び縦断
面説明図、図7は図6の検査具の使用状態を示す平面及
び縦断面説明図である。
【0013】図1及び図2に於いて、1は長方形の容器
であって、その後部壁面1aの両側及び中央部には所定
巾の切溝2が穿設されている。また、容器の底部には、
先端側から後部に向かって、試薬添加窓3と2個の判定
窓4とが夫々並列されて穿設されている。これ等の判定
窓4から後部に掛けての両側には所定間隔を保ってリブ
1bが夫々突設されており、両側のリブ1bには後述の
吸水性検査片を挿入し得るように構成されている。5は
不織布製の試薬吸収体であって、前記試薬添加窓3内に
嵌着し得るように構成されている。
【0014】図1及び図3に於いて、6は蓋であって、
前記容器1に被蓋し得る寸法を有している。この蓋6の
後部壁面は切除されて、切欠部7が設けられている。か
つ蓋6のほぼ中央部には、検便に使用される大便等の検
体を先端に添着した綿棒を挿通することが出来る比較的
大径の窓8が穿設されている。また、蓋6の後部の天井
面には、後述の吸水性検査片を押さえることが出来る二
又状の押圧片9が突設されている。
【0015】図1及び図4に於いて、10は擦切体であ
って、前記容器1とこの容器1に被蓋された蓋6との間
に挿入され、かつこれ等の容器1及び蓋6の長軸方向に
摺動し得るように、長方形状に構成されている。この擦
切体10の先端部には、綿棒の先端に塗着された検体を
挿通するためのすりばち型状の凹穴11が穿設されてい
る。この凹穴11の底部の内径は後述の吸水性検査片の
短軸巾とほぼ等しい寸法を有している。また、擦切体1
0の先端縁には吸水性検査片を押さえるための押圧板1
2が突設されている。擦切体10の後部には、前記蓋6
の押圧片9を摺動自在に挿入し得る長穴10aが穿設さ
れている。
【0016】更に、擦切体10の天井面の後部から中央
部に向かっては軸方向に吸水性検査片を押圧し得る中央
リブ13が突設されている。かつ擦切体10の天井面に
設けられたすりばち型状の凹穴11と該中央リブ13の
先端との間には、板状の擦切刃14が長軸と直行する方
向に突設されている。また、この擦切体10は蓋6の切
欠部7内に挿入出来る巾と厚みを有している。かつその
左右の側壁面及び中央リブ13は、夫々容器1の後部壁
面1aに穿設された切溝2内に挿入し得るように構成さ
れている。
【0017】図1及び図5に於いて、15は約3〜10
mm程度の巾を有する吸水性検査片であって、試薬とな
る展開液を急速に浸透させることが出来る浸透紙16
と、この浸透紙16の表裏面に一体的に積層されカバー
フィルム17,18より形成されている。カバーフィル
ム17は浸透紙16とほぼ等しい面積を有しており、か
つその端部には検体を挿入することが出来る所定の巾を
持った貫通したスリット19が穿設されている。従っ
て、スリット19内に挿入された検体は、カバーフィル
ム17の裏側にある浸透紙16に一定量が直接塗着され
るように構成されている。
【0018】また、カバーフィルム18は浸透紙16よ
りも長軸方向に短い寸法を有しており、カバーフィルム
18を浸透紙16の後端縁に合わせて積層した場合に
は、浸透紙16の先端部裏面が特に図5に示す如く、露
出するように構成されている。従って、この吸水性検査
片15を前述のように容器1のリブ1b,1b間に載置
した場合には、吸水性検査片15の浸透紙16の裏面の
露出部分が容器1の試薬添加窓3に位置するように構成
されている。
【0019】また、容器1と蓋6との間に摺動自在に挿
入された擦切体10が容器1及び蓋6から引出された状
態に於いては、図6に示す如く、蓋6の窓8と擦切体1
0の凹穴11と前記吸水性検査片15のスリット19と
が合致するように構成されている。従って、蓋6の窓8
より挿入した綿棒の先端頭部は、擦切体10のすりばち
型状の凹穴11を通って、その先端頭部に付着した検体
を吸水性検査片15のスリット19内に充填することが
出来るように構成されている。
【0020】本発明に係る検査具の使用状態を説明する
と、次の通りである。前述の図6に示す如く、先ず吸水
性検査片15を容器1のリブ1b,1b間に載置し、そ
の後端を壁面1aに当接して収納する。次に容器1の中
に擦切体10を収納し、擦切体10の両側壁を容器1の
壁面1aの両側に設けられた切溝2内に挿入し、同様に
壁面1aの中央部に設けられた切溝2内に擦切体10の
天井面に突設された中央リブ13を挿入する。次に容器
1に蓋6を被蓋し、かつ擦切体10を蓋6の切欠部内に
挿入して検査具を組立構成する。
【0021】前述のように組立構成された検査具は、こ
の状態で擦切体10を容器1及び蓋6の後部から、図6
に示す如く引き出したり、或いは図7に示す如く容器1
及び蓋6内に深く挿入したりして摺動することが出来
る。容器1のリブ1b,1b間に載置された吸水性検査
片15は、蓋6の押圧片9,擦切体10の押圧板12及
び中央リブ13によって夫々押さえられて、試薬添加窓
3と判定窓4とに密着されている。また、この状態で吸
水性検査片15の浸透紙16の先端部裏面の露出部が、
試薬添加窓3に嵌着された試薬吸収体5に当接されてい
る。
【0022】次に綿棒の先端に塗着された検体(図示せ
ず)を吸水性検査片15のスリット19に挿入するに当
たっては、図6に示す如く、擦切体10を容器1及び蓋
6より引き出した状態に於いて、綿棒の先端を蓋6の窓
8より挿入し、擦切体10のすりばち型状の凹穴11を
通って、吸水性検査片15のスリット19に検体を挿入
し、その裏側の浸透紙16に検体の一部を付着させるこ
とが出来る。
【0023】本発明に於いては、擦切体10の凹穴11
がすりばち型状を有し、かつその凹穴11の底部の内径
が吸水性検査片15(スリット19)の巾とほぼ等しい
巾を有しているので、凹穴11の底部と吸水性検査片1
5(スリット19)とを正確に合致させることが出来る
と共に、綿棒等の先端に添着した検体を吸水性検査片1
5のスリット19内に正確に充填することが出来、これ
によって検体が吸水性検査片15の他の部分等に誤って
余分に塗着されることを防止出来る。
【0024】前述のように吸水性検査片15のスリット
19を介して浸透紙16に検体の一部を付着させた後
は、図7に示す如く、擦切体10を容器1及び蓋6内に
深く押し込み、かつ試験片15のスリット19の上方及
び周りに付着した余分の検体を擦切体10の天井面に突
設された擦切刃14でかき取って、常にスリット19内
に一定量の検体を残留させることが出来る。このように
してかき取った検体は容器1の先端底面と擦切体10の
天井面、容器1の両側面及び擦切刃14とで囲って密封
することが出来る。本発明に係る検査具はこの状態で封
筒に入れて病院に持参したり、或いは郵送することが出
来る。
【0025】次に、浸透紙16に付着された検体を試験
するに当たっては、試験具を図7に示す状態のまま裏返
し、容器1の底部に設けられた試薬添加窓3に試薬とな
る展開液を添加し、試薬を試薬吸収体5を介して浸透紙
16に浸透させることが出来る。試薬の展開液により塗
布された検体の糞便が溶解され、標識化された第2の抗
体と糞便中の被検物質とが結合する。
【0026】このように、浸透紙16に浸透された試薬
は直ちに検体に接触して反応し、その反応した結果を浸
透紙16に色採によって表示することが出来る。従っ
て、試薬添加窓3に近接して設けられた判定窓4をのぞ
くことによって、標識の色を肉眼観察或いは光学測定
し、浸透紙16の色を確認して被検物質の存在及び量を
知って判定をすることが出来る。
【0027】上記実施例に於いて、容器1の両内側面
と、擦切体10の両外側面の所定位置には、夫々突起状
のストッパー1c,10bが設けられており、これによ
って擦切体10の出し入れの摺動を規定し、容器1に載
置された試験片15のスリット19と、擦切体10の凹
穴11と及び蓋6の窓8とが正確に合致するように構成
されている。
【0028】本発明において、吸水性試験片15の浸透
紙16は、当該試料に対して免疫クロマト法が適用可能
な材料であればよい。即ち、試薬となる展開液を良く吸
水し、試料内の被検物質、標識化された第2の抗体を展
開できるものであれば特に限定されない。浸透紙16
は、検体の糞便中の被検物質が、標識化された第2の抗
体や、固定化された第1の抗体と十分な反応を行うため
の時間を確保するために、適度な吸水性を有するものが
好ましい。好ましい材料としては、例えば、ニトロセル
ロースメンブレン、酢酸セルロースメンブレン、ガラス
繊維濾紙、レーヨン、ポリエステル等の不織布、多孔質
材料等が挙げられる。
【0029】前述の浸透紙16の吸水性を調整したり、
測定試料中のタンパク質等の非特異的吸着を抑制するた
めに、当該浸透紙16に親水性重合体、タンパク質、界
面活性剤を被覆または含浸させてもよい。浸透紙16の
形状は試薬となる展開液によって試料を展開できる形状
であれば特に限定されるものではない。例えば、矩形の
シート状やロッド状が好ましい。
【0030】第1の抗体としては被検物質に対する抗体
で、通常の免疫学的測定に用いられる公知のものを適宜
選択すれば良い。抗体としては、例えば、ウサギ、ヤ
ギ、ヒツジ等由来のポリクロナール抗体、モノクロナー
ル抗体が用いられる。浸透紙10に第1の抗体を固定化
する方法は、特に限定されるものではないが、公知の物
理吸着法や共有結合法が好ましい方法である。前記浸透
紙16に積層する非吸水性のカバーフィルム17,18
としては、ポリマーフィルム、例えばPETフィルム等
のポリマーフィルムが用いられる。浸透紙16にカバー
フィルム17,18を積層する方法は、好ましい方法と
して浸透紙16に接着剤を塗布した後で、その表面にカ
バーフィルム17,18を重ねて接着する方法等があ
る。
【0031】カバーフィルム17に穿設する貫通孔より
なるスリット19の形状は特に限定されるものではない
が、好ましい形状としては浸透紙16の巾方向に長い長
方形や楕円形である。スリット19が浸透紙16の巾方
向に対して小さい場合は、展開液による試料中の被検物
質の拡散が不十分となり、第1の抗体固定化領域での発
色に班が生じるからである。カバーフィルム17の厚さ
は、3mm以下が好ましい。厚すぎる場合、塗布した検
体の糞便の乾燥に時間がかかり、この間に糞便中の被検
物質が変性する恐れがあるからである。
【0032】本発明において、試薬としての展開液は従
来より使用されている緩衝液が用いられる。緩衝液とし
ては、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、ほう酸緩衝液等
で、pH5〜9付近のものが用いられる。試料中の被検
物質と標識化された第2の抗体との結合は試料中の被検
物質が第1の抗体の領域に到達する前であればいつ行っ
てもよい。例えば展開液に標識化された第2の抗体を含
有させておき、この液を試料、第1の抗体の順番で通過
するように浸透紙16に添加する方法や、浸透紙16に
予め標識化された第2の抗体を含有させておき、展開液
を添加する方法がある。
【0033】第2の抗体としては被検物質に対する抗体
で、通常の免疫学的測定に用いられる公知のものを適宜
選択すれば良い。抗体としては、例えば、ウサギ、ヤ
ギ、ヒツジ等の由来のポリクロナール抗体、モノクロナ
ール抗体が用いられる。標識としては着色粒子が好まし
いものとして挙げられる。着色粒子としては金コロイド
粒子等の金属コロイド粒子、着色ラテックス粒子、顔料
粒子等が用いられる。着色粒子の粒子径は浸透紙にめづ
まりしない範囲とすることが好ましく、0.01〜3μ
mがよい。
【0034】一般的に吸水性検査片15の浸透紙16に
付着される検体の量が変化すると精度の良い測定が困難
になる問題がある。本発明に於いては、前述のようにカ
バーフィルム17のスリット19内に検体を挿入させ、
かつそのスリット19の上方及びその周りに塗着された
余分の検体を擦切刃14で完全に除去するので、常に一
定量の検体を浸透紙16に付着させることが出来、これ
によって極めて精度の良い測定をすることが出来る。
【0035】かつ、前述のように擦切刃14によって除
去された検体の一部が、吸水性検査片15の周辺に放置
されて残った場合には、特に検体が水様便の場合には、
浸透紙16の端面から検体が侵入し、そのために過剰の
糞便を測定することになる。本発明に於いては、前述の
ように擦切刃14で検体を吸水性検査片15の周りから
完全に除去し、容器1の先端底面及び両側面と擦切体1
0の天井面と擦切刃14とによって囲って密封するの
で、検体の一部が浸透紙16の端面から侵入する心配は
ない。また、これによって臭いが外部に漏れる心配もな
く、衛生的である。
【0036】更に、本発明に於いては、前述のように擦
切体10の先端縁及び後部天井面に夫々押圧板12及び
中央リブ13が突設されており、この押圧板及び中央リ
ブ13によって吸水性検査片15を擦切体10の移動と
共に交互に押圧して安定させることが出来るように構成
されている。即ち、擦切体10の擦切刃14が吸水性検
査片15からはみ出すまで移動する際に、吸水性検査片
15を押さえるための押さえ部材が容器1の方に設けら
れている場合には邪魔になるので、このように擦切体1
0の先端縁及び後部に押圧板12及び中央リブ13を設
けることによって、擦切体10の移動と共にこれ等を移
動させながら、吸水性検査片15を常に押圧して容器1
内に安定させることが出来るように構成されている。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る免疫学的検査具は、前述の
構造と作用とを有するので、次のような多大な効果を有
している。
【0038】(1)容器と蓋との間に擦切体を摺動自在
に挿入して構成したので、擦切体を容器から引き出した
際には、蓋の窓及び擦切体の凹穴を介して容器内の吸水
性検査片のスリット内に検体を挿入することが出来る。
(2)また、擦切体を容器内に深く挿入させた場合に
は、前記スリットの周りに付着した余分の検体を擦切刃
によって除去すると共に、除去した検体を容器及び擦切
体の一部で衛生的に密封することが出来る。(3)これ
によって過剰の検体の測定を防止することが出来る。
【0039】(4)擦切体に設けられた前記凹穴をすり
ばち型状にし、かつその底部の内径を吸水性検査片(ス
リット)の短軸巾とほぼ等しい寸法にした場合には、吸
水性検査片のスリットの周りや、擦切体の凹穴の周り等
に検体を誤って塗布したり、或いは過剰な検体を塗着す
ることを防止出来る。(5)擦切体の所定位置に押圧板
や中央リブ等を設けた場合には、擦切体は移動しなが
ら、これ等の押圧板や中央リブによって常に吸水性検査
片を容器の下壁面に押し付けて安定させることが出来
る。(6)本発明に係る免疫学的検査具は、全体がコン
パクトであり、取り扱いが極めて簡単である等の効果を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査具の各構成部品を説明する斜
視図である。
【図2】図1の容器の説明図である。
【図3】図1の蓋の説明図である。
【図4】図1の擦切体の説明図である。
【図5】図1の吸水性検査片の説明図である。
【図6】図1の検査具の組立状態を示す平面図及び縦断
面説明図である。
【図7】図6の検査具の使用状態を示す平面図及び縦断
面説明図である。
【符号の説明】
1 容器 1a 後部壁面 1b リブ 1c ストッパ
ー 2 切溝 3 試薬添加
窓 4 判定窓 5 試薬吸収
体 6 容器 7 切欠部 8 窓 9 押圧片 10 擦切体 10a 長穴 10b ストッパー 11 凹穴 12 押圧板 13 中央リブ 14 擦切板 15 吸水性検
査片 16 浸透紙 17,18 カバーフ
ィルム 19 スリット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体を免疫学的に検査するための検査具に
    於いて、下面壁に試薬添加窓と判定窓とを有する容器
    と、上面壁に窓を有しかつ該容器に被蓋し得る蓋と、先
    端部に凹穴が穿設されると共に該凹穴に続く部分の天井
    面に擦切刃が突設され更に前記容器と蓋との間に長軸方
    向に添って摺動自在に挿入し得る擦切体と、検体を直接
    塗着することが出来かつ前記容器の試薬添加窓と判定窓
    との上に載置出来る吸水性検査片との組み合わせよりな
    る免疫学的検査具。
  2. 【請求項2】前記擦切体の凹穴をすりばち型状に形成す
    ると共に、該凹穴の底部内径を前記吸水性検査片の短軸
    巾とほぼ等しい寸法に形成したことを特徴とした請求項
    1の免疫学的検査具。
  3. 【請求項3】前記擦切体の先端部に押圧片を設けると共
    にその後部天井面に中央リブを設けて構成したことを特
    徴とした請求項1或いは請求項2の免疫学的検査具。
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