JPH10132712A - 検体分析用具およびそれを用いた検体分析方法並びに検体分析装置 - Google Patents

検体分析用具およびそれを用いた検体分析方法並びに検体分析装置

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JPH10132712A
JPH10132712A JP9102204A JP10220497A JPH10132712A JP H10132712 A JPH10132712 A JP H10132712A JP 9102204 A JP9102204 A JP 9102204A JP 10220497 A JP10220497 A JP 10220497A JP H10132712 A JPH10132712 A JP H10132712A
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道男 仲
Koji Hirayama
浩二 平山
Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
Masufumi Koike
益史 小池
Hisashi Okuda
久 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の検体を迅速かつ正確に分析でき、しか
も測定装置における向きが限定されない検体分析用具を
提供する。 【解決手段】 略長方形板状の本体5が、樹脂製基体5
bと透明カバー5aとから構成され、前記樹脂製基体5
bの表面側に、第1の偏平円柱状凹部を形成し、これに
連通した状態で溝を形成し、この溝を突出部5cの先端
まで延ばし、前記溝の途中に第2の偏平円柱状凹部を前
記第1の偏平円柱状凹部より小さく形成し、前記溝の先
端を前記突出部5cの先端において外部に向かって開口
する。そして、前記樹脂製基体5bの表面を透明カバー
5aで覆い両者を一体化することにより、それぞれ、前
記第1の偏平円柱状凹部を引圧発生室1に、前記溝を吸
引流路2に、前記第2の偏平円柱状凹部を分析部3に、
前記溝の先端開口を吸引口4に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、体液等の検体の分
析に用いる検体分析用具およびそれを用いた検体分析方
法並びに検体分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分析科学の分野においては、様々な検体
があり、特に、医療の分野では、血液、尿、髄液および
唾液等の体液が重要な分析対象となっている。そして、
これらの検体を大量にかつ一括して分析することが要請
されている。
【0003】このような要請にもとづき、予め試薬を含
浸させた試薬フィルムを板状小片に貼着した検体分析用
具が開発されて実用に供されている。この検体分析用具
は、前記試薬フィルムに血液等を供給し、試薬と反応さ
せて発色物を生成させることにより試薬フィルムを呈色
させ、この呈色程度をデンシトメーター等の光学的測定
装置により分析するのである。この検体分析用具を用い
れば、試薬の調合操作や検体との反応操作を簡略化で
き、分析操作全体をルーチン化できる。
【0004】このような検体分析用具において、前記試
験フィルムに検体を供給する方法としては、毛細管現象
を利用する方法、上部点着方法、ディッピング法等があ
げられるが、このなかでも、毛細管現象を利用する方法
が、汎用されている。これは、光学的測定では、外部光
を遮断する必要があるため、検体分析用具を光学的測定
装置にセットした際、検体の供給点と分析部とを隔てる
必要がある。このため、検体分析用具において、検体を
移動させる必要があり、この移動手段として、毛細管現
象を利用するのである。毛細管現象を利用した検体分析
用具としては、例えば、特開平4−188065号公報
あるいは特開昭57−132900号公報に記載のもの
があげられる。
【0005】毛細管現象を利用した検体分析用具の一例
を図22に示す。図示のように、この検体分析用具は、
アクリル樹脂製の透明な基体47の前面44の略中央部
に三角形状に突出したサンプリング先端42を備え、こ
のサンプリング先端42から溝46が、基体47後方に
向かって延び、その延長部としてスロット45が形成さ
れている。そして、基体47の前面44側の上面には、
溝46を覆う状態で試験フィルム48が貼着されてい
る。この試薬フィルム48の構成は、検体の種類に応じ
て適宜決定されるが、例えば、血液の血漿成分の分析の
場合は、濾過層、試薬層、透明保護層、不透明保護層
が、この順序で下から積層された積層構造をとり、前記
不透明保護層の略中央部には、入光のための観察窓50
が形成されている。
【0006】この検体分析用具を用いての分析は、つぎ
のようにして行われる。すなわち、まず、被検者から採
取した一滴の血液を、サンプリング先端42に接触させ
る。すると、血液は、毛細管現象により、溝46へ吸引
され溝全体が血液で充填される。そして、溝46上部を
覆う試験フィルム48に血液が浸透すると、まず、濾過
層により赤血球等の血球成分が分離され、血漿成分が試
薬層に到達し、ここで試薬との反応が起き発色物が生成
し、この発色物により、試薬層が呈色する。この状態
で、検体分析用具を、デンシトメーター等の光学的測定
装置にセットし、前記観察窓50から光を照射して前記
試薬層の呈色程度を測定するのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、毛細管
現象を利用した場合は、つぎのような問題点がある。
【0008】まず、毛細管現象が発現するためには、毛
細管導入路が、検体で常に満たされる必要があるため、
分析に必要な量以上の検体量が必要となる。また、検体
の導入に時間がかかり、この結果、迅速な測定を行うこ
とができない。そして、血液等の体液は、毛細管現象に
影響を及ぼす粘性等の物性に個人差があり、分析部等へ
の導入時間を同一とすることができないため、試薬反応
時間等の分析に要する時間を一定にすることが困難とな
り、分析結果に誤差が生じるおそれがある。また、毛細
管現象による吸引力は、微弱であるため、重力による影
響を受けやすい。このため、検体を導入する際に、検体
分析用具の傾きが限定され、また光学的測定装置の構造
も限定される。そして、毛細管現象による吸引力が弱い
ことから、検体供給点と分析部との距離を大きくとるこ
とができないため、光学的測定装置において、検体導入
時の測定装置の汚染や外部光の影響を完全に排除できな
いおそれもある。
【0009】他方、上部点着方法は、血液を検体とする
場合、サンプリング箇所が指先に限定され、耳や腹部か
らのサンプリングが困難であるという問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、少量の検体を迅速かつ正確に分析することが可
能である検体分析用具およびそれを用いた検体分析方法
並びに検体分析装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するため
に、本発明の検体分析用具は、引圧発生手段と、これと
連通する吸引流路と、この吸引流路の途中に形成された
分析部と、前記吸引流路の先端に形成された吸引口とを
備え、前記引圧発生手段で発生した引圧により前記吸引
口から検体を吸引し前記吸引流路を通じて前記分析部に
前記検体を移動させるという構成をとる。
【0012】このように、本発明の検体分析用具は、従
来のように、毛細管現象を利用するのではなく、引圧を
利用し、強制的に検体を吸引する。すなわち、引圧発生
手段で引圧を発生させ、この引圧により、吸引口から検
体を吸引し、ついで前記引圧により吸引流路を通じて検
体を分析部に導入し、ここで光学的手段や電気化学的手
段などにより分析を行うのである。このように、引圧に
より強制的に吸引すると、少量の検体であっても確実に
分析部等に導入することができ、また、この導入に要す
る時間も、検体の粘性等の物性に関係なく一定の短時間
とすることができるため、例えば、試薬を使用して分析
を行う場合、検体と試薬との反応時間も一定化すること
ができる。また、強制吸引することにより、例えば、試
薬と反応させる検体の量を、常に一定量とすることがで
きる。これらの結果、分析誤差の発生を防止することが
可能となる。
【0013】また、強制吸引することから、本発明の検
体分析用具では、検体供給部と分析部との距離を制限す
る必要がなくなり、毛細管現象による吸引に比べて長い
距離をとることができる。このため、光学的測定装置に
おいて、外部光の影響を排除できるようになる。したが
って、本発明の検体分析用具を使用すれば、少量の検体
で、迅速かつ正確な分析が可能となる。また、強制吸引
することから、重力の影響をほどんど無視することがで
きる。
【0014】本発明において、引圧とは、検体を吸引す
るための圧力をいい、通常、負圧または陰圧である。
【0015】本発明において、検体とは、吸引可能なも
のあれば特に制限されず、例えば、液体やゾル状体等な
どがある。また、本発明において分析対象となる検体と
しては、例えば、全血液、尿、髄液、血漿、血清、唾液
等があげられる。
【0016】本発明の分析用具において、その分析手法
は特に制限するものではなく、例えば、光学的手段、電
気化学的手段等の手段を適用することができる。
【0017】前記光学的測定手段としては、検体と反応
して呈色物を生成する試薬、または検体と反応してそれ
自身呈色する試薬を用いる方法が一般的であるが、この
他に、血液のヘマトクリット値等のように、試薬を用い
ず、光の透過率または反射率のみで分析する場合もあ
る。また、光学的手段としては、前記透過光の測定の他
に、例えば、反射光の測定、蛍光光度の測定等があげら
れる。
【0018】前記電気化学的手段はとしては、検体の酸
化還元反応に基づく電流変化や電位の変化を測定するこ
とが一般的であり、この測定では、通常、検体と反応し
て酸化還元反応を生起する試薬を用いる。
【0019】前記試薬は、ドライタイプでもウエットタ
イプでもよい。また、後述する多項目同時分析(以下
「マルチ分析」という)用検体分析用具では、通常、分
析項目に応じ、複数種類の試薬が使用される。
【0020】本発明の検体分析用具において、吸引流路
が複数設けられ、それぞれの吸引流路の途中に分析部が
形成され、それぞれの吸引流路の先端が一つの吸引口に
合流していることが好ましい。このようにすると、複数
の分析項目を同時に分析できる、いわゆるマルチ分析が
可能となるからである。なお、このような検体分析用具
をマルチ分析用検体分析用具という。
【0021】本発明では、引圧による強制吸引を採用す
るが、後述のように、引圧と毛細管現象を併用してもよ
い。
【0022】つぎに、本発明の検体分析用具の好ましい
態様として、バイパス流路を設けた第1の検体分析用具
と、気体透過性液遮断性部が形成された第2の検体分析
用具がある。前述のように、本発明の検体分析用具は、
引圧による強制吸引を採用することから、前記各効果を
奏する。しかし、強制吸引は、毛細管現象を利用した吸
引に比べ、吸引力が著しく強いことから、検体が分析部
に止まらず通過する恐れがある。そこで、この問題を解
決するのが第1および第2の検体分析用具である。これ
ら、第1および第2の検体分析用具によれば、引圧の発
生に特別な注意を払う必要がなくなり、その操作が容易
となる。
【0023】まず、本発明の第1の検体分析用具は、引
圧発生手段と、これと連通する吸引流路と、この吸引流
路の途中に形成された分析部と、前記吸引流路の先端に
形成された吸引口とに加え、前記分析部と吸引口との間
の吸引流路から分岐しかつ前記引圧発生手段と連通する
バイパス流路を備え、前記分析部と前記引圧発生手段と
の間の前記吸引流路の液抵抗(X)、前記バイパス流路
の液抵抗(Y)および前記バイパス流路の分岐部と分析
部との間の吸引流路の液抵抗(Z)の3つの液抵抗の関
係が、X>Y>Zの関係であるという構成を有する。
【0024】すなわち、本発明の検体分析用具におい
て、引圧が大きい場合、充分量の検体が分析部等に導入
されても、なお余剰引圧が残る場合がある。余剰引圧が
残ると、分析部等に導入された検体が、さらに引圧発生
手段に吸引されたり、分析部に空気が混入したり、試薬
と反応して生成した発色物が引圧発生手段に流出するお
それがある。そこで、本発明の第1の検体分析用具は、
前述のように、バイパス流路を設け、且つこのバイパス
流路の液抵抗(Y)および前記吸引流路の2箇所の液抵
抗(X,Z)を、X>Y>Zの関係とすることにより、
この問題を解決したものである。
【0025】このようにすると、引圧発生手段で必要以
上の引圧が発生しても、前記3つの液抵抗X,Y,Zの
なかで、前記バイパス流路の分岐部と分析部との間の吸
引流路の液抵抗(Z)が最小であることから、まず、検
体が吸引口から吸引され、充分量が分析部に導入され
る。そして、余剰引圧により過剰の検体や空気が吸引さ
れても、前記分析部と前記引圧発生手段との間の前記吸
引流路の液抵抗(X)が、前記バイパス流路の液抵抗
(Y)より大きいため、前記過剰の検体や混入空気は、
バイパス流路に導入されるが、分析部に導入された検体
および生成した発色物等は、ここに止まる。そして、前
記過剰の検体や混入空気は、前記バイパス流路あるいは
このバイパス流路を通じて引圧発生手段に排出される。
この結果、大きな引圧が発生しても、検体を確実に分析
部に導入して分析でき、より正確で迅速な分析が実現さ
れる。
【0026】なお、本発明において、「液抵抗」とは、
流路において移動する場合に液が受ける抵抗をいい、液
の流れやすさを表す指標である。
【0027】また、前記各流路の液抵抗を調整する方法
としては、例えば、流路径を変化させる方法、流路の液
接触表面を界面活性剤又は撥水剤等で処理し、濡れ性を
変化させる方法がある。上記撥水剤としては、シリコン
や四フッ化エチレン樹脂等があげられる。
【0028】前述と同様にマルチ分析が可能となるとい
う理由から、前記第1の検体分析用具において、吸引流
路が複数設けられ、それぞれの吸引流路の途中に分析部
が形成され、それぞれの前記吸引流路の先端が一つの吸
引口に合流し、バイパス流路が前記合流部と吸引口の間
の吸引流路から分岐し、かつ引圧発生手段と連通してい
ることが好ましい。
【0029】つぎに、前記第2の検体分析用具は、引圧
発生手段と、これと連通する吸引流路と、この吸引流路
の途中に形成された分析部と、前記吸引流路の先端に形
成された吸引口とに加え、前記引圧発生手段と前記分析
部との間の前記吸引流路の途中に形成された気体透過性
液遮断性部を備え、前記気体透過性液遮断性部により検
体の前記引圧発生手段への流入が阻止される。
【0030】この第2の検体分析用具において、前記気
体透過性液遮断性部の形成箇所である分析部と引圧発生
手段との間の吸引流路の途中は、吸引流路と引圧発生手
段の境界部分および吸引流路と分析部との境界部分を含
む趣旨である
【0031】第2の検体分析用具において、前記気体透
過性液遮断性部は、通常、疎水性多孔質部材により形成
される。
【0032】第2の検体分析用具は、以下に示すように
マルチ分析用にすることが好ましい。
【0033】すなわち、第2の検体分析用具において、
吸引流路の途中に分析部が複数形成され、引圧発生手段
とこれに最も近い分析部との間の吸引流路の途中に気体
透過性液遮断性部が形成されることが好ましい。
【0034】また、第2の検体分析用具において、吸引
流路が複数形成され、前記各吸引流路の途中に分析部が
形成され、前記複数の吸引流路の先端が一つの吸引口に
合流していることが好ましい。
【0035】つぎに、本発明の検体分析用具において、
吸引口の形状が、先端方向に向かって広がる形状である
ことが好ましい。このように、吸引口が、いわゆるろー
と形状をとると、サンプリングする際に、血液等の検体
をこの吸引口で保持することが可能となり、その後の吸
引操作が容易となる。また、空気の混入も少なくなる。
特に、指先のように狭い箇所から血液を採取する場合
は、検体分析用具の吸入口を吸引終了後まで採取箇所に
確実に接触させた状態にする必要があり、これには相当
の注意を必要とするため、操作が繁雑となる。また、指
先等から採取できる血液量は、数10μlと微量である
ため、従来の検体分析用具では吸引時に空気が混入され
やすく、測定結果に大きな影響を与えていた。そこで、
この問題を解決するために、吸引口の形状をろーと状に
して検体を保持できるようにしたのである。このように
すれば、採取箇所から吸引口を離した状態で吸引操作を
行うことができ、狭い採取箇所にある検体も、空気の混
入なく容易にサンプリングを行うことができる。
【0036】また、吸引口と吸引流路との間に液溜部が
形成され、この液溜部と分析部との間の吸引流路の途中
から空気抜き流路が分岐し、この空気抜き流路の先端が
外部に向かって開口された状態となっていることも好ま
しい。なお、前記空気抜き流路が、前記液溜部と分析部
との間の吸引流路の途中から分岐しているのは、検体の
吸引の際に空気が混入するのを防止するためである。
【0037】このように液溜部と空気抜き流路を設ける
ことにより、前記空気抜き流路により発生する毛細管現
象で検体を吸引して前記液溜部に保持することができ、
その後吸引操作を、空気の混入なく採取箇所から吸引口
を離した状態で行うことができる。
【0038】前記空気抜き流路の液抵抗は、前記液溜部
の液抵抗より大きいことが好ましい。このようにする
と、さらに空気の混入を防止できるからである。
【0039】前記液抵抗の調整方法は、例えば、断面積
の大きさを変化させる方法、液接触表面を界面活性剤ま
たは撥水剤等で処理し濡れ性を変化させる方法がある。
上記撥水剤としては、シリコンや四フッ化エチレン樹脂
等があげられる。調整の容易さから、液抵抗を調整する
方法としては、断面積の大きさを変化させることが好ま
しい。具体的には、前記液溜部の厚みおよび幅を、前記
空気抜き流路のそれより大きくすればよい。
【0040】本発明の検体分析用具において、吸引流路
の途中に形成された分析部が、試薬配置部および試薬反
応部を兼ね備えるものであってもよく、吸引流路の途中
に、試薬配置部、試薬反応部および分析部がそれぞれ独
立に設けられたものであってもよい。また、吸引流路の
途中に、試薬反応部、試薬配置部、分析部が複数設けら
れていてもよい。
【0041】すなわち、検体分析用具では、分析部が、
試薬配置部および試薬反応部を兼ね備えるのが一般的で
あるが、試薬が吸引流路を移動できる場合は、試薬配置
部、試薬反応部および分析部(以下「測定部」ともい
う)がそれぞれ独立に設けられたものであってもよい。
このような検体分析用具では、検体と試薬とを各部を往
復させることにより、混合攪拌の効果も得られ、試薬が
ドライタイプの場合、試薬の溶解を促進させることもで
きる。なお、試薬の移動は、試薬単独で移動する場合、
試薬が検体ともに移動する場合のどちらでもよい。
【0042】また、このような検体分析用具は、前処理
工程を有する多段階反応にも適用できる。例えば、吸引
流路の途中に試薬反応部等を直列に複数設ければ、検体
を準じ反応させながら移動させることができる。例え
ば、抗原抗体反応を利用した分析の場合、BF分離が必
要であるが、このような検体分析用具であれば、検体と
洗浄液が複数の試薬反応部等を移動することによりBF
分離が可能となる。
【0043】その他、二種類以上の成分から構成される
試薬であって、検体と反応させる前に前記成分を混合で
きない試薬を使用する場合は、吸引流路の途中に試薬配
置部が複数設けられていることが好ましい。
【0044】つぎに、本発明の検体分析用具において、
引圧発生手段としては、例えば、容積を変化させること
が可能な引圧発生室、引圧発生チューブ等があげられ
る。前記引圧発生室に、空気抜き孔を形成してもよい。
また、前記引圧発生チューブは、チューブをしごくこと
により引圧が発生するものである。
【0045】本発明の検体分析用具において、電気化学
的手段により検体を分析する場合は、分析部に、作用極
と対極の対からなる電極を備えることが好ましい。
【0046】つぎに、本発明の検体分析方法は、前記本
発明の検体分析用具を準備し、引圧発生手段で引圧を発
生させて吸引口から検体を吸引し、吸引した検体を前記
引圧により吸引流路を通じて分析部に導入して前記検体
の分析を行う方法である。
【0047】つぎに、前記第1および第2の本発明の検
体分析用具を用いた検体分析方法は、つぎの通りであ
る。
【0048】まず、第1の検体分析用具を用いた検体分
析方法は、第1の検体分析用具を準備し、引圧発生手段
で引圧を発生させて吸引口から検体を吸引し、吸引した
検体を前記引圧により吸引流路を通じて分析部に導入す
るとともに、余剰検体および混入した空気を前記バイパ
ス流路によりこのバイパス流路内および前記引圧発生手
段に排出し、この状態で、前記検体の分析を行う方法で
ある。
【0049】また、第2の検体分析用具を用いた検体分
析方法は、第2の検体分析用具を準備し、引圧発生手段
で引圧を発生させて吸引口から検体を吸引し、吸引した
検体を前記引圧により吸引流路を通じて分析部に導入し
て前記検体の分析を行う方法である。
【0050】これらの検体分析方法において、マルチ分
析をする場合は、マルチ分析用検体分析用具を用い、複
数の分析項目を同時に分析すればよい。
【0051】これらの分析方法において、吸引口の形状
をろーと状にした検体分析用具または液溜部と空気抜き
流路が形成された検体分析用具を用いた分析方法はつぎ
のようにして行われる。すなわち、前記検体分析用具を
準備し、吸引口を検体に接触させて毛細管現象により前
記検体を吸引口または液溜部に吸引してここに保持し、
ついで引圧発生手段で引圧を発生させ、この引圧により
前記吸引口または前記液溜部内の検体を吸引流路を通じ
て分析部に導入して前記検体の分析を行う。
【0052】前記吸引口の形状をろーと状にした検体分
析用具または液溜部と空気抜き流路が形成された検体分
析用具を用いた分析方法によれば、例えば、採取箇所に
ある検体を吸引口に接触させこの吸引口または前記液溜
部に吸引保持した後、検体分析用具を前記採取箇所から
離してもよく、その後の吸引操作が容易となる。
【0053】本発明の検体分析方法において、その分析
手段は特に制限されず、例えば、光学的手段、電気化学
的手段があげられる。
【0054】つぎに、本発明の検体分析装置は、光学系
測定装置と電気系測定装置との2種類がある。
【0055】前記光学系測定装置は、光照射部および光
検知部を備える光学的測定系と、請求項1〜16のいず
れか一項に記載の検体分析用具とからなる検体分析装置
であって、前記検体分析用具の分析部が、前記光照射部
からの光が照射されるように配置され、前記検知部が、
前記分析部の透過光、蛍光または反射光を検知できるよ
うに配置されている装置である。
【0056】電気系測定装置は、電気信号付与手段およ
び電気信号検出手段と、請求項17記載の検体分析用具
とからなる検体分析装置であって、前記検体分析用具の
作用極と前記電気信号付与手段とが接続され、前記検体
分析用具の対極と前記電気信号検出手段とが接続されて
いる装置である。
【0057】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を説明
する。なお、以下の実施形態において、特に示さない場
合は、分析部が、試薬配置部および試薬反応部を兼ね
る。
【0058】(実施形態1)図1に、本発明の検体分析
用具の一例を示す。図1(A)は、検体分析用具の平面
図であり、図1(B)は、図1(A)のI−I方向断面
図である。
【0059】図示のように、この検体分析用具は、長方
形板状の本体5の一方の端部(図において左側端部)
が、これよりも細い突出部5cに形成された形状をと
り、この突出部5cは、その先端に向かって徐々に幅が
狭くなっている。また、本体5は、基体5bとこれを覆
うカバー5aとから構成される。この基体5bとカバー
5aとは、通常、ホットメルト接着剤等の接着剤により
一体化されている。
【0060】前記基体5bの表面側には、中心から一端
側(図において右側)にずれた部分に、引圧発生室1と
なる第1の偏平円柱状凹部が形成され、これに連通した
状態で、吸引流路2となる溝が形成され、この溝は前記
突出部5cの先端まで延びており、その途中の本体5の
略中央部分に、分析部3となる第2の偏平円柱状凹部が
前記第1の偏平円柱状凹部より小さく形成され、さら
に、前記溝の先端は前記突出部5cの先端において外部
に向かって開口しており、この開口が吸引口4となる。
そして、基体5bの表面をカバー5aで覆い両者を一体
化することにより、それぞれ、前記第1の偏平円柱状凹
部が引圧発生室1に、前記溝が吸引流路2に、前記第2
の偏平円柱状凹部が分析部3に、前記溝の先端が吸引口
4に形成される。
【0061】なお、以下の実施形態においても、この実
施形態と同様に、偏平円柱状凹部および溝を形成するこ
とにより、引圧発生室、吸引流路、バイパス流路等を形
成している。
【0062】この図において、試薬は図示していない
が、例えば、カバー5aが透明であり、この側から光照
射する場合、試薬を含浸させた試薬フィルムが、分析部
3において、カバー5a内面に貼着されている。また、
図において、2aは、吸引流路2の吸引口4と分析部3
との間の部分、2bは吸引流路2の分析部3と引圧発生
室1との間の部分をそれぞれ示す。
【0063】この検体分析用具の大きさは、通常、全長
20〜50mm、幅10〜30mm、全体厚み1〜5m
m、突出部長さ10〜20mm、突出部最大幅5〜10
mm、突出部最小幅3〜5mmである。また、引圧発生
室1の大きさは、通常、直径10〜20mm、深さ0.
2〜1mmであり、分析部3の大きさは、通常、直径2
〜5mm、深さ0.1〜0.5mmである。そして、吸
引流路2の大きさは、通常、全長15〜40mm、幅1
〜3mm、深さ0.1〜0.5mm、引圧発生室1と分
析部3との間の吸引流路2bの長さ5〜20mm、分析
部3と吸引口4との間の吸引流路2aの長さ10〜30
mmである。
【0064】前記基体5bの材質としては、例えば、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(AB
S樹脂),ポリスチレン、ノリル、ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート(PET),アクリル樹脂があ
げられ、この中でも光透過性等の理由から、ポリスチレ
ンやアクリル樹脂が好ましい。
【0065】また、前記カバー5aは、弾性を有する必
要があり、かつ、この側から光照射する場合は、少なく
とも分析部3に対応する部分が透明である必要がある。
そして、その材質としては、PET,ポリエチレン、塩
化ビニルがあげられ、このなかでも、加工性および寸法
安定性の理由から、PETが好ましい。
【0066】前記試薬は、先に述べたように、通常、試
薬フィルムの形態をとり、この試薬フィルムの構成は、
分析対象物の種類により適宜決定されるものである。例
えば、血液の血漿成分を分析対象とする場合は、赤血球
を分離するろ過層、試薬を含浸させた試薬層、基材が、
この順序で積層された構成が一般的である。そして、濾
過層が血液(検体)と接するように、かつ透明保護層側
から照射光が入光するように、試薬フィルムを分析部3
に配置する。なお、この試薬フィルムの各層の材質等
は、従来公知のものを使用できる。
【0067】この検体分析用具を用いての分析は、例え
ば、つぎのようにして行われる。
【0068】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバー5aを、例えば、指で押さえることにより
加圧して撓ませる。そして、この状態で、突出部5c先
端の吸引口4を検体に接触させる。そして、押さえてい
た指の力を抜いて加圧を解除すると撓んでいたカバー5
aが弾性力により元の状態に戻る。この時引圧が発生
し、これにより、前記吸引口4から検体が吸引され、さ
らに吸入流路2aを通じて分析部3に導入される。この
分析部3への導入は、毛細管現象による吸引に比べて極
めて短時間であり、しかも検体の粘性等の物性の影響を
ほとんど受けない。そして、この分析部3において、検
体と試薬フィルムの試薬とが反応して発色物が生成し、
試薬フィルムが呈色する。そして、試薬フィルムが呈色
した検体分析用具を、デンシトメーター等の光学的測定
装置の所定の場所にセットする。そして、これに、カバ
ー5a側から光を照射し、上記デンシトメーターの場合
は反射光を検知部で検知し、呈色程度を測定する。な
お、この検体において、基体5bおよび試薬フィルムも
透明である場合は、透過光によっても分析できる。
【0069】(実施形態2)つぎに、図2の平面図に、
マルチ分析用の本発明の検体分析用具の一例を示す。こ
のマルチ分析用の検体分析用具は、3つの分析項目を同
時に分析可能なものである。
【0070】図示のように、この検体分析用具は、長方
形板状の本体5の一端側(図において左側)が、これよ
りも細い突出部5cに形成された形状をとり、この突出
部5cは、その先端に向かって徐々に幅が狭くなってい
る。また、本体5は、前述と同様に、基体とこれを覆う
カバーとから構成される。
【0071】そして、実施形態1と同様に、基体の表面
側に、本体の中心から一端側(図において右側)にずれ
た部分に形成された1つの引圧発生室1から3つの吸引
流路2bが導出され、それぞれの吸引流路2bの先端に
分析部3が形成され、前記各分析部3にそれぞれ異なる
試薬(図示せず)が配置され、各分析部3から3つの吸
引流路2aが導出され、これらの先端が一つの吸引口4
に合流している。前記試薬の配置は、カバーが透明であ
る場合は、分析部3のカバー内面に試薬フィルムを貼着
することにより行われる。
【0072】このマルチ分析用の検体分析用具におい
て、全体の大きさは、分析項目の数に応じて適宜決定さ
れるものであり、この実施形態では、三つの分析項目で
あるから、通常、全長30〜80mm、幅20〜50m
m、全体厚み1〜5mm、突出部長さ10〜20mm、
突出部最大幅5〜10mm、突出部最小幅3〜5mmで
ある。
【0073】その他、材質や引圧発生室、吸引流路等の
大きさ等は、前述の検体分析用具と同様である。また、
分析項目の数も、特に限定しないが、通常、分析項目
は、1〜20項目であり、好ましくは、3〜5項目であ
る。この場合、分析項目数に応じて、分析部および吸引
流路を形成すればよい。
【0074】このマルチ分析用の検体分析用具を用いて
の分析は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0075】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバーを、例えば、指で押さえることにより加圧
して撓ませる。そして、この状態で、先端部の吸引口4
を検体に接触させる。ついで、押さえていた指の力を抜
いて加圧を解除すると、撓んでいたカバーが弾性力によ
り元の状態に戻る。この時引圧が発生し、これにより、
前記吸引口4から検体が吸引され、さらに3つの吸入流
路2aを通じて3つの分析部3に導入される。前述と同
様に、それぞれの分析部3への導入は、毛細管現象によ
る吸引に比べて極めて短時間であり、しかも検体の粘性
等の物性の影響をほとんど受けない。そして、各分析部
3において、検体と試薬フィルムの試薬とが反応してそ
れぞれ発色物が生成し試薬フィルムが呈色する。この試
薬フィルムが呈色した検体分析用具を、デンシトメータ
ー等の光学的測定装置の所定の場所にセットする。そし
て、これに光を照射し、上記デンシトメーターの場合は
反射光を検知部で検知し、呈色程度を測定すると、3つ
の分析項目について同時に分析ができる。
【0076】(実施形態3)つぎに、図3の平面図に、
バイパス流路を設けた本発明の検体分析用具の一例を示
す。
【0077】図示のように、この検体分析用具も、長方
形板状の本体5の一方の端部(図において左側端部)
が、これよりも細い突出部5cに形成された形状をと
り、この突出部5cは、その先端に向かって徐々に幅が
狭くなっている。また、本体5は、前述と同様に、基体
とこれを覆うカバーとから構成される。
【0078】そして、実施形態1と同様に、基体5bの
表面側に、本体5の中心から一端側(図において右側)
にずれた部分に形成された引圧発生室1から吸引流路2
bが導出され、この吸引流路2bの先端に分析部3が形
成され、この分析部3に試薬(図示せず)が配置され、
さらにこの分析部3から吸引流路2aが導出されて突出
部5cの先端に向かって延びており、前記吸引流路2a
の先端は吸引口4に形成されている。前記試薬の配置
は、カバーが透明である場合は、分析部3のカバー内面
に試薬フィルムを貼着することにより行われる。そし
て、吸引口4と分析部3の間の吸引流路2aの一部か
ら、バイパス流路6が分岐しており、このバイパス流路
6は引圧発生室1まで延びてこれと連通している。
【0079】また、引圧発生室1と分析部3との間の吸
引流路2bの液抵抗(X)と、バイパス流路の液抵抗
(Y)と、前記バイパス流路6の分岐部と分析部3との
間の吸引流路2aの液抵抗(Z)の3つの液抵抗は、X
>Y>Zの関係をとる。
【0080】すなわち、図示のように、前記吸引流路2
aは、全体が太径の流路となって液抵抗(Z)が最も小
さく、バイパス流路6は、その分岐部から一定の距離の
流路6aが細径のバイパス流路となって液抵抗(Y)が
中間の大きさであり、前記吸引流路2bは全体が細径の
流路となって液抵抗(X)が最も大きくなっている。
【0081】具体的には、前記吸引流路2aは、通常、
長さ10〜30mm、幅1〜3mm、深さ0.1〜0.
5mmであり、前記バイパス流路6は、通常、全長10
〜30mm、細径バイパス流路6aの長さ0.5〜5m
m、細径バイパス流路6aの幅0.1〜0.5mm、細
径バイパス流路6aの深さ0.1〜0.5mm、太径バ
イパス流路の幅1〜3mm、太径バイパス流路の深さ
0.1〜0.5mmであり、前記吸引流路2bは、通
常、長さ0.5〜30mm、幅0.1〜0.5mm、深
さ0.1〜0.5mmである。
【0082】このバイパス流路6を設けた検体分析用具
において、全体の大きさ、材質、引圧発生室等の大きさ
等は、前述の実施形態1と同様である。
【0083】また、図4の平面図に、バイパス流路6の
細径流路6aを比較的長くした例を示す。この検体分析
用具において、前記バイパス流路6は、通常、全長10
〜30mm、細径バイパス流路6aの長さ3〜10m
m、細径バイパス流路6aの幅0.1〜0.5mm、細
径バイパス流路6aの深さ0.1〜0.5mm、太径バ
イパス流路の幅1〜3mm、太径バイパス流路の深さ
0.1〜0.5mmである。このように、細径バイパス
流路6aを長めにすることにより、バイパス流路6の液
抵抗(Y)と前記バイパス流路6の分岐部と分析部3と
の間の吸引流路2aの液抵抗(Z)との差を大きくとる
ことができる。
【0084】また、図4に示す検体分析用具では、その
吸引口4が、先端に向かって徐々に幅が広くなる、いわ
ゆるろーと形状となっている。このようにすると、検体
のサンプリングにおいて、このろーと形状の吸引口4で
検体を保持することができ、その後の吸引操作をスムー
ズに行うことができるとともに、空気の混入も防止でき
る。この吸引口4は、通常、最大幅3〜6mm、最小幅
1〜3mm,長さ1〜5mmである。
【0085】この図4に示す検体分析用具において、前
記バイパス流路6および吸引口4の他は、図3に示すも
のと同様である。
【0086】つぎに、バイパス流路が設けられた検体分
析用具(図3、図4)を用いての分析は、例えば、つぎ
のようにして行われる。
【0087】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバーを、例えば、指で押さえることにより加圧
して撓ませる。この状態で、突出部5cの吸引口4を検
体に接触させる。この状態で、押さえていた指の力を抜
いて加圧を解除すると撓んでいたカバーが弾性力により
元の状態に戻る。
【0088】この時、引圧が発生するが、必要以上の大
きな引圧が発生した場合の検体の吸引は、例えば、図5
に示すようになる。すなわち、前記バイパス流路6分岐
部と分析部3との間の吸引流路2aの液抵抗(Z)が最
も小さいため、まず、図5(A)に示すように、前記吸
引口4から検体15が吸引され、さらに吸入流路2aを
通じて分析部3に導入される。そして、余剰引圧がまだ
残っている場合、バイパス流路6aの液抵抗(Y)が、
吸引流路2bの液抵抗(X)より小さいため、図5
(B)に示すように、余分な検体15や混入空気は、前
記バイパス流路6に流れ込み、さらに図5(C)に示す
ように、その一部は引圧発生室1へと流れ込む。この
時、吸引流路2bの液抵抗(X)が最も大きいことか
ら、分析部3に導入された検体はそのまま動かずに試薬
(図示せず)と反応し発色物が生成して試薬フィルムが
呈色し、しかも前記発色物の引圧発生室1への流出のお
それがない。そして、余剰引圧がまだ残っている場合
は、図5(D)に示すように、バイパス流路6中の余剰
の検体15や混入空気が、さらに引圧発生室1に排出さ
れる。
【0089】そして、前記試薬フィルムが呈色した検体
分析用具を、デンシトメーター等の光学的測定装置の所
定の場所にセットする。そして、これに光を照射し、上
記デンシトメーターの場合は反射光を検知部で検知し、
呈色程度を測定する。
【0090】このように、バイパス流路を設け、また前
記3箇所の流路の液抵抗を前記関係とすると、余剰引圧
が発生しても、検体を分析部に確実に導入して試薬と反
応させることができ、しかも生成した発色物の流出のお
それもない。したがって、このバイパス流路を設けた検
体分析用具を使用すれば、指の押さえ加減を気にするこ
となく検体のサンプリングを迅速に行うことができる。
【0091】(実施形態4)図6に、分析部を本体裏面
側に形成した本発明の検体分析用具の一例を示す。この
検体分析用具は、本体裏面側から光を照射するものであ
る。なお、図6(A)は、検体分析用具の平面図であ
り、図6(B)は、図6(A)のII−II方向断面図
である。
【0092】図示のように、この検体分析用具は、略長
方形板状の本体5からなり、この本体5は、基体5bと
この表面を覆うカバー5aとから構成される。
【0093】そして、基体5bの表面側において、本体
5の中心から一端側(図において左側)にずれた部分に
引圧発生室1が形成され、これから吸引流路2bが、本
体の他端側に向かって延びている。そして、この吸引流
路2bは、表面側から裏面側へと潜り込み、ここで基体
5b裏面側に形成された分析部3の一端側から導入され
てこれと連通している。図示のように、この分析部3に
は、試薬フィルム7が配置されている。そして、この分
析部3の他端側から吸引流路2aが基体5b表面側に導
出され、さらにこの吸引流路2aは、基体5bの表面側
において、本体の他端側(引圧発生室1と反対側)に向
かって延び、その先端は吸引口4に形成されている。こ
の吸引口4は、いわゆるろーと形状となっている。ま
た、引圧発生室1からは、バイパス流路6が導出されて
おり、この先端は、分析部3と吸引口4との間の吸引流
路2aに合流している。そして、このバイパス流路6の
前記合流部では、細径のバイパス流路6aとなってお
り、また、前記吸引流路2bは全体が細径となってお
り、前記吸引流路2aは全体が太径となっている。この
結果、吸引流路2bの液抵抗(X)、バイパス流路6a
の液抵抗(Y)、バイパス流路6の分岐部と分析部3と
の間の吸引流路2aの液抵抗(Z)は、X>Y>Zの関
係となっている。
【0094】この検体分析用具において、カバー5a
は、透明である必要はないが、検体の吸引を確認できる
という理由から透明であってもよい。
【0095】その他、基体5b、カバー5aの材質、引
圧発生室や吸引流路の大きさ等は前述と同様である。
【0096】つぎに、この検体分析用具を用いての分析
は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0097】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバー5aを、例えば、指で押さえることにより
加圧して撓ませる。そして、この状態で、吸引口4を検
体に接触させる。ついで、押さえていた指の力を抜いて
加圧を解除すると撓んでいたカバー5aが弾性力により
元の状態に戻る。この時引圧が発生し、これにより、前
記吸引口4から検体が吸引され、さらに吸入流路2aを
通じて分析部3に導入される。この吸引において、バイ
パス流路6が設けられ、かつ前記3つの液抵抗(X,
Y,Z)が、X>Y>Zの関係を満たすことから、余剰
引圧が発生しても、検体を確実に分析部3に導入して反
応させることができ、かつ生成した発色物の引圧発生室
1への流出のおそれもない。そして、試薬フィルムが呈
色した検体分析用具を、デンシトメーター等の光学的測
定装置の所定の場所にセットする。そして、これに、基
体5bの裏面側から光Lを照射し、上記デンシトメータ
ーの場合は反射光を検知部で検知し、呈色程度を測定す
る。
【0098】(実施形態5)つぎに、図7の平面図に、
マルチ分析用の本発明の検体分析用具の一例を示す。こ
のマルチ分析用の検体分析用具は、三つの分析項目を同
時に分析可能なものである。
【0099】図示のように、この検体分析用具は、長方
形板状の本体5の一端側(図において左側)が、これよ
りも細い突出部5cに形成された形状をとり、この突出
部5cは、その先端に向かって徐々に幅が狭くなってい
る。また、本体5は、前述と同様に、基体とこの表面を
覆うカバーとから構成される。
【0100】そして、基体の表面側に、本体の中心から
一端側(図において右側)にずれた部分に形成された1
つの引圧発生室1から3つの吸引流路2bが導出され、
それぞれの吸引流路2bの先端に分析部3が形成され、
前記各分析部3にそれぞれ異なる試薬(図示せず)が配
置され、各分析部3から3つの吸引流路2aが導出さ
れ、これらの先端が一つの吸引口4に合流している。前
記試薬の配置は、カバーが透明である場合は、分析部3
のカバー内面に試薬フィルムを貼着することにより行わ
れる。また、引圧発生室1からは、一つのバイパス流路
6が導出され、その先端は吸引口4に合流している。そ
して、このバイパス流路6の前記合流部では、細径のバ
イパス流路6aとなっており、また、前記吸引流路2b
は全体が細径となっており、前記吸引流路2aは全体が
太径となって、吸引流路2bの液抵抗(X),バイパス
流路6の液抵抗(Y),バイパス流路6の分岐部と分析
部3との間の吸引流路2aの液抵抗(Z)は、X>Y>
Zの関係となっている。
【0101】このマルチ分析用の検体分析用具におい
て、全体の大きさは、分析項目の数に応じて適宜決定さ
れるものであり、この実施形態では、3分析項目である
から、通常、全長20〜50mm、幅20〜50mm、
全体厚み1〜5mm、突出部長さ10〜20mm、突出
部最大幅5〜20mm、突出部最小幅3〜5mmであ
る。その他、材質や引圧発生室、吸引流路等の大きさ等
は、前述のバイパス流路を設けた検体分析用具と同様で
ある。また、分析項目の数も、特に限定しないが、通
常、分析項目は、1〜20項目であり、好ましくは、3
〜5項目である。この場合、分析項目数に応じて、分析
部、バイパス流路および吸引流路を形成すればよい。
【0102】このマルチ分析用の検体分析用具を用いて
の分析は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0103】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバーを、例えば、指で押さえることにより加圧
して撓ませる。そして、この状態で、突出部の吸引口4
を検体に接触させる。ついで、押さえていた指の力を抜
いて加圧を解除すると、撓んでいたカバーが弾性力によ
り元の状態に戻る。この時引圧が発生し、これにより、
前記吸引口4から検体が吸引され、さらに3つの吸入流
路2aを通じて3つの分析部3に導入される。この吸引
において、バイパス流路6が設けられ、かつ前記3つの
液抵抗(X,Y,Z)が、X>Y>Zの関係を満たすこ
とから、余剰引圧が発生しても、検体を確実に分析部3
に導入して反応させることができ、かつ生成した発色物
の引圧発生室1への流出のおそれもない。そして、試薬
フィルムが呈色した検体分析用具を、デンシトメーター
等の光学的測定装置の所定の場所にセットする。そし
て、これに光を照射し、上記デンシトメーターの場合は
反射光を検知部で検知し、呈色程度を測定すると、3つ
の分析項目について同時に分析ができる。
【0104】(実施形態6)図8の平面図に、吸引口と
バイパス流路の分岐部との間の吸引流路を蛇行させかつ
細径にし、この流路の液抵抗を最も高くした検体分析用
具の一例を示す。
【0105】図示のように、この検体分析用具は、一端
が先細りとなった略長方形板状の本体5からなり、この
本体5は、基体とこの表面を覆うカバーとから構成され
る。
【0106】そして、基体の表面側において、本体5の
中心から他端側(図において右側)にずれた部分に引圧
発生室1が形成され、これから吸引流路2bが、本体の
一端側の先細り部分に向かって延びており、その途中
(本体5の略中央部)に分析部3が形成されている。そ
して、この分析部3から、吸引流路2aが前記先細り部
へと延びるが、途中で蛇行している。また、この吸引流
路2aからは、バイパス流路6が分岐しており、これは
前記引圧発生室1に導入され連通している。また、前述
のように、前記吸引流路2aにおいて、バイパス流路6
の分岐部から先の部分は蛇行しており、その先端は、前
記先細り部の先端において、ろーと状の吸引口4に形成
されている。前記分析部3には試薬が配置されるが、こ
の配置は、前記カバーが透明な場合、分析部3のカバー
内面に試薬フィルムを貼着することにより行われる。
【0107】バイパス流路6の分岐部と分析部3との間
の前記吸引流路2aは、全体的に太径に形成され、前記
バイパス流路6の分岐部分6aは細径に形成され、前記
吸引流路2bは全体的に細径に形成されている。そして
前記吸引流路2aの蛇行部分は、細径に形成されてお
り、またその長さは、前記吸引流路2bよりも長い。こ
のため、前記吸引流路2bの液抵抗(X)よりも前記吸
引流路2a蛇行部分の液抵抗(W)が大きい。したがっ
て、前記吸引流路2aの蛇行部分の液抵抗(W)、前記
吸引流路2bの液抵抗(X)、前記バイパス流路6の液
抵抗(Y)およびバイパス流路6の分岐部と分析部3と
の間の前記吸引流路2aの液抵抗(Z)の4つの液抵抗
の関係は、W>X>Y>Zとなる。
【0108】この検体分析用具において、前記吸引流路
2a蛇行部分は、通常、全長5〜15mm、幅0.1〜
0.5mm、深さ0.1〜0.5mmである。その他、
その材質、引圧発生室や吸引流路の他の部分の大きさ等
は前述と同様である。
【0109】つぎに、この検体分析用具を用いての分析
は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0110】すなわち、まず、検体分析用具の引圧発生
室1のカバーを、例えば、指で押さえることにより加圧
して撓ませる。そして、この状態で、突出部先端の吸引
口4を検体に接触させる。そして、押さえていた指の力
を抜いて加圧を解除すると撓んでいたカバー5aが弾性
力により元の状態に戻る。この時引圧が発生し、これに
より、前記吸引口4から検体が吸引されるが、前記4つ
の液抵抗(W,X,Y,Z)が、W>X>Y>Zの関係
を満たすことから、急激な引圧が発生しても、検体をさ
らに確実に分析部3に導入して反応させることができ
る。また、吸引流路2aの蛇行部分の液抵抗(W)が最
も高いことから、試薬反応部3に導入された検体や発色
物が、吸引口4側に流出することがない。そして、試薬
フィルムが呈色した検体分析用具を、デンシトメーター
等の光学的測定装置の所定の場所にセットする。そし
て、これに、本体5表面側から光を照射し、上記デンシ
トメーターの場合は反射光を検知部で検知し、呈色程度
を測定する。
【0111】(実施形態7)図9に、本発明の検体分析
用具の一例を示す。図9(A)は、検体分析用具の平面
図であり、図9(B)は、図9(A)のIII−III方向断
面図である。図示のように、この検体分析用具は、複数
のフィルムを積層して形成されたものであり、その本体
形状は、略長方形板状となっている。この検体分析用具
では、前記略長方形板状本体の中心から一端側(図にお
いて右側)にずれた部分に引圧発生室1が突出した状態
で形成されており、この引圧発生室1の下方から、吸引
流路2が、略長方形板状本体の前記引圧発生室1と反対
側の一端(他端)に向かって延びており、その途中には
分析部3が形成され、また前記吸引流路2の先端は、液
溜部9を介し、前記略長方形板状本体の他端に形成され
た吸引口4と連通している。前記分析部3の下方には、
窓部10が形成されている。この窓部10は、必要に応
じて形成されるものである。例えば、試薬としてグルコ
ースオキシダーゼ(GOD)を用いた場合、この試薬は
発色反応に酸素を必要とするため、酸素供給用として窓
部が形成される。しかし、このような場合を除き、分析
部3に光が入光できるように、分析部3に対応するフィ
ルム部分が透明であれば、窓部を形成する必要はない。
また、前記分析部3の下方には、前記窓部10を覆う状
態で試薬を含浸させた試験フィルム7が配置されてい
る。そして、前記引圧発生室1と前記分析部3との間の
吸引流路2bの途中において、引圧発生室1側の部分に
気体透過性液遮断性部8が形成されている。この気体透
過性液遮断性部8は、吸引流路2b途中に疎水性多孔質
膜を配置することにより形成されている。
【0112】また、前記液溜部9と分析部3との間の吸
引流路2aの途中から空気抜き流路25が分岐してお
り、その先端26は本体外部に向かって開口された状態
となっている。このように、開口とすることで空気抜き
流路25によって毛細管現象が生じる。
【0113】また、空気抜き流路25の流路断面積の大
きさは液溜部9の流路断面積の大きさより小さく形成さ
れており、これにより、空気抜き流路25の液抵抗が液
溜部9の液抵抗より大きくなっている。具体的には、液
溜部9の幅は、吸引流路2および空気抜き流路25の幅
の約4倍であり、液溜部9の厚みは、吸引流路2および
空気抜き流路25の厚みの約2倍となっている。
【0114】このようなフィルム積層の検体分析用具
は、例えば、図10に示すように、各種形状に成形され
たフィルム11、12、13、14を、試験フィルム7
と疎水性多孔質膜8を介して積層することにより作製で
きる。
【0115】フィルム14は、検体分析用具の裏面を形
成するフィルムであり、窓部10が形成されている。フ
ィルム13は、液溜部9、空気抜き流路25、分析部3
および吸引流路2を形成するための切り込み部が形成さ
れている。フィルム12は、液溜部9の厚み(流路断面
積の大きさ)を確保するためのものであり、液溜部9の
形成のための切り込み部と、空気抜き流路25の先端を
開口にするための円形の切り欠き部および吸引流路2b
を引圧発生室1に導くための円形切り欠き部が形成され
ている。フィルム11は、引圧発生室1を形成するため
の略円柱状の凸部が突出して形成されており、また空気
抜き流路25の先端を開口にするための円形切り欠き部
が形成されている。
【0116】そして、フィルム14とフィルム13との
間に試験フィルム7を分析部3の形成位置に配置し、フ
ィルム13とフィルム12の間に疎水性多孔質膜8を吸
引流路2bの途中の位置となる位置に配置し、この状態
で、前記4つのフィルム14、13、12、11を下か
らこの順序で積層して一体化すると図9に示すような、
検体分析用具を作製することができる。
【0117】前記疎水性多孔質膜としては、例えば、疎
水性樹脂多孔質膜があげられ、具体例としては、ポリエ
チレン多孔質膜、ポリプロピレン多孔質膜、テフロン多
孔質膜等があげられる。本発明に適当な疎水性樹脂多孔
質膜としては、セルガード(商品名、ヘキストセラニー
ズ社製)、ハイポア(商品名、旭化成社製)があげられ
る。なお、前記疎水性樹脂多孔質膜の孔平均径は、通
常、0.1〜1μmであり、好ましくは0.3〜0.7
μmである。また、前記疎水性樹脂多孔質膜の厚みは、
通常、10〜100μmである。このような疎水性樹脂
多孔質膜は、例えば、前記疎水性樹脂を用いてフィルム
を形成し、このフィルムを一軸若しくは二軸延伸するこ
と等により作製できる。
【0118】前記試験フィルム7は、フィルムに試薬を
含浸させたものであるが、その試薬は分析対象に応じ適
宜選択される。この試薬フィルムの構成も、分析対象物
の種類により適宜決定されるものである。例えば、血液
の血漿成分を分析対象とする場合は、血球を分離する濾
過層、試薬を含浸させた試薬層、基材が、この順序で積
層された構成が一般的である。そして、濾過層が血液
(液状検体)と接するように、試薬フィルム7を分析部
3に配置する。なお、この試薬フィルムの各層の材質等
は、従来公知のものを使用できる。
【0119】本発明の検体分析用具の作製の際の前記フ
ィルムの一体化は、接着剤を用いて各フィルム相互を接
着してもよいし、加圧若しくは加熱によるラミネートで
もよい。
【0120】また、検体分析用具を構成するフィルムの
材質としては、例えば、ポリエチレン、ポレエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル等があげられ、このなかでも、加工性がよいという理
由から、PETが好ましい。
【0121】この図9に示す検体分析用具の大きさは、
全体大きさが、通常、縦15〜60mm、横5〜20m
m、厚み1〜3mmである。また、引圧発生室1の大き
さは、通常、直径3〜15mm、高さ0.5〜3mmで
あり、吸引流路2の大きさは、通常、全長10〜40m
m、流路幅0.5〜2mm、流路厚み0.1〜0.5m
m、吸引流路2aの長さ5〜30mm、吸引流路2bの
長さ5〜30mmである。また、分析部3の大きさは、
通常、直径2〜10mm、高さ0.1〜1mmである。
液溜部9の大きさは、通常、長さ2〜10mm、幅2〜
10mm、厚み0.2〜1mmである。吸気抜き流路2
5の大きさは、通常、全長2〜10mm、流路幅0.5
〜2mm、流路厚み0.1〜0.5mm、開口直径0.
5〜5mmである。吸引口4の大きさは、通常、幅2〜
10mm、厚み0.2〜1mmである。
【0122】つぎに、この図9に示す検体分析用具を用
いた検体分析方法を、図11に基づき説明する。なお、
図11において図9と同一部分には同一符号を付してい
る。
【0123】すなわち、まず、検体分析用具の突出した
引圧発生室1を、例えば、指で押さえることにより加圧
して圧縮する。そして、この状態で、吸引口4を、所定
の採取箇所にある検体15に接触させる。すると、図1
1(A)に示すように、空気抜き流路25により発生し
た毛細管現象により吸引口4から検体15が吸引され液
溜部9に保持される。そして、吸引口4を採取箇所から
離し、ついで押さえていた指の力を抜いて加圧を解除す
る。すると、圧縮されていた引圧発生室1が弾性力によ
り再び元の突出形状に戻り、これによって引圧(負圧)
が発生する。この引圧により、図11(B)に示すよう
に、前記液溜部9に保持された検体15が、吸入流路2
aを通じて分析部3に導入される。この分析部3への導
入は、毛細管現象による吸引に比べて極めて短時間であ
り、しかも検体の粘性等の物性の影響をほとんど受けな
い。また、この吸引において、液溜部9と空気抜き流路
25の液抵抗を前述のように調整しているため、図示の
ように空気抜き流路25に検体15の一部が残留し、空
気の混入が防止される。そして、過剰の引圧が発生して
も、気体透過性液遮断性部8が形成されていることか
ら、検体15が引圧発生室1に流出することがなく、確
実に分析部3に導入することができる。したがって、指
の押さえ加減等を気にする必要がない。そして、前記分
析部3において、検体15と試薬フィルム7の試薬とが
反応して発色物が生成し、試薬フィルム7が呈色する。
そして、試薬フィルム7が呈色した検体分析用具を、デ
ンシトメーター等の光学的測定装置の所定の場所にセッ
トする。そして、これに、裏面の窓部10から光を照射
し、上記デンシトメーターの場合は反射光を検知部で検
知し、呈色程度を測定する。なお、この測定において、
分析部3全体が透明であり、試薬フィルム7も透明であ
る場合は、透過光によっても分析できる。
【0124】(実施形態8)図12の平面図に、分析部
を直列状に複数設けたマルチ分析用の検体分析用具を示
す。
【0125】図示のように、この検体分析用具は、一本
の吸引流路2の途中に分析部3を3つ設け、それぞれの
分析部3に試薬フィルム7を配置している。この試薬フ
ィルム7は、それぞれ異なる試薬を含浸させたものであ
る。この他の構成は、図9に示した検体分析用具と同様
であり、同一部分に同一符号を付している。
【0126】この検体分析用具は、前述の実施形態7と
同様に、所定の形状の複数のフィルムを積層して一体化
することにより作製でき、その手法及び用いる材料等も
実施形態7と同様である。また、この検体分析用具の全
体的な大きさは、通常、縦15〜100mm、横5〜2
0mm、厚み1〜3mmである。また、吸引流路2の全
体長さは、通常、20〜80mmであり、分析部相互の
間隔は、通常、3〜10mmである。この他の部分の大
きさは、実施形態7と同様である。
【0127】この実施形態では、3つの分析部を設けた
例を示すが、本発明は、これに限定されず、所望の測定
項目に応じた個数の分析部を設けることができる。
【0128】つぎに、このマルチ分析用の検体分析用具
を用いた分析方法は、例えば、つぎのようにして行われ
る。
【0129】すなわち、まず、前述と同様に、引圧発生
室1を加圧して圧縮し、この状態で、吸引口4を、所定
の採取箇所の検体に接触させ、毛細管現象により液溜部
9に吸引してここに保持する。そして、採取箇所から吸
引口4を離し、前記引圧発生室1の加圧を解除して引圧
を発生させ、前記3つの分析部3に順次導入して、それ
ぞれの試薬フィルム7に含有された試薬と反応させる。
そして、この検体分析用具をマルチ分析が可能な光学的
測定装置の所定の箇所にセットし、検体分析用具裏面の
窓部から光を照射して、各試薬フィルム7の呈色程度を
測定する。前記光学的測定装置としては、例えば、デン
シトメーターがあげられる。このように、このマルチ分
析用の検体分析用具を用いれば、複数の測定項目を同時
に測定することが可能となる。
【0130】(実施形態9)図13の平面図に、分析部
を並列状に複数設けたマルチ分析用の検体分析用具を示
す。
【0131】図示のように、この検体分析用具は、3つ
の吸引流路2を有し、それぞれに分析部3を形成して試
薬フィルム7を配置している。この試薬フィルム7は、
それぞれ異なる試薬を含浸させたものである。前記3つ
の吸引流路2において、3つの分析部3から吸引口4に
向かって延びる吸引流路は、液溜部9の手前で合流して
一本の吸引流路2aとなっている。また、引圧発生室1
からは、三本の吸引流路2bがそれぞれ3つの分析部3
に延びて連通している。この他の構成は、図9に示した
実施形態7の検体分析用具と同様であり、同一部分に同
一符号を付している。
【0132】この検体分析用具は、前述の実施形態7と
同様に、所定の形状の複数のフィルムを積層して一体化
することにより作製でき、その手法及び用いる材料等も
実施形態1と同様である。また、この検体分析用具の全
体的な大きさは、通常、縦15〜60mm、横10〜5
0mm、厚み1〜3mmである。また、吸引流路2の全
体長さは、通常、10〜40mmである。また、分析部
3相互の間隔は、通常、3〜10mmである。この他の
部分の大きさは、実施形態7と同様である。
【0133】この実施形態では、3つの分析部を設けた
例を示すが、本発明は、これに限定されず、所望の測定
項目に応じた個数の分析部および吸引流路を設けること
ができる。
【0134】つぎに、このマルチ分析用の検体分析用具
を用いた分析方法は、例えば、つぎのようにして行われ
る。
【0135】すなわち、まず、前述と同様に、引圧発生
室1を加圧して圧縮し、この状態で、吸引口4を、所定
の採取箇所の検体に接触させ、毛細管現象により液溜部
9に吸引してここに保持する。そして、採取箇所から吸
引口4を離し、前記引圧発生室1の加圧を解除して引圧
を発生させ、前記3つの分析部3に同時に導入して、試
薬フィルム7に含有された試薬と反応させる。そして、
この検体分析用具をマルチ分析が可能な光学的測定装置
の所定の箇所にセットし、検体分析用具裏面の窓部から
光を照射して、各試薬フィルム7の呈色程度を測定す
る。
【0136】このように、このマルチ分析用の検体分析
用具を用いれば、複数の測定項目を同時に測定すること
が可能となる。前記光学的測定装置は、例えば、デンシ
トメーターがあげられる。
【0137】以上、実施形態8および実施形態9におい
て、マルチ分析用の検体分析用具について説明したが、
分析部の配置を直列状にするか並列状にするかは、試薬
の相互影響や形状等の種々条件により決定される。
【0138】(実施形態10)図14の平面図に、吸引
流路の途中に、試薬配置部、試薬反応部および測定部を
別個独立に設けた検体分析用具を示す。
【0139】図示のように、この検体分析用具は、一本
の吸引流路2の途中に、試薬配置部32、試薬反応部3
0および測定部31を設けている。前記試薬配置部32
は、吸引流路の形態を特に変えず、吸引流路の一部に試
薬を配置しただけのものであるが、試薬反応部と同様に
偏平円柱状の空間としてもよい。また、試薬の配置方法
としては、試薬をそのまま配置する他、親水性ポリマー
等を用いて試薬配置部に付着させてもよい。前記試薬と
しては、例えば、検体とともに移動することができるウ
エットタイプの試薬等があげられ、例えば、GOD、ペ
ルオキシダーゼ(POD)、4−アミノアンチピリン、
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−3−メチルアニリン(TOOS)等があげられ
る。なお、ドライタイプの試薬であっても検体に溶解す
る場合は、検体とともに移動できる。そして、試薬反応
部3は、試薬フィルムが配置されていない他は、前述の
実施形態と同様に形成されている。また、測定部31
は、光が入光できるように透明に形成されている他は、
試薬反応部30と同様に、偏平円柱状の空間として形成
されている。なお、移動してきた発色物を固定するため
に、この測定部31に濾紙等の吸収性部材を配置しても
よい。この他の構成は、図9に示した実施形態7の検体
分析用具と同様であり、同一部分に同一符号を付してい
る。また、前記実施形態7と同様に試薬反応部30が測
定部を兼ねてもよく、この場合、前記試薬反応部30は
光が入光できるように透明に形成される。
【0140】この検体分析用具は、前述の実施形態7と
同様に、所定の形状の複数のフィルムを積層して一体化
することにより作製でき、その手法及び用いる材料等も
実施形態7と同様である。なお、試薬は、前記フィルム
積層時に親水性ポリマー等を用いて予め配置しておくの
が一般的である。この検体分析用具の全体的な大きさ
は、通常、縦15〜100mm、横5〜20mm、厚み
1〜3mmである。また、吸引流路2の全体長さは、通
常、20〜80mmであり、試薬配置部、試薬反応部3
0および測定部31の相互の間隔は、通常、3〜10m
mである。この他の部分の大きさは、実施形態7と同様
である。
【0141】つぎに、この検体分析用具を用いた分析方
法は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0142】すなわち、まず、前述と同様に、引圧発生
室1を加圧して圧縮し、この状態で、吸引口4を、所定
の採取箇所の検体に接触させ、毛細管現象により液溜部
9に吸引してここに保持する。そして、採取箇所から吸
引口4を離し、前記引圧発生室1の加圧を解除して引圧
を発生させ、前記試薬配置部32、試薬反応部30およ
び測定部31の順序で検体を移動させる。すると、検体
は、まず試薬配置部32にある試薬とともに試薬反応部
30に移動し、ここで反応し発色物が生成する。なお、
発色物の生成は、試薬反応部30から測定部31の間で
もよい。そして、この発色物が測定部31に移動する。
この測定部31に濾紙が配置されている場合は、これが
呈色する。そして、この検体分析用具を光学的測定装置
の所定の箇所にセットし、測定部に光を照射して、発色
物の発色程度若しくは濾紙の呈色程度をデンシトメータ
ー等の光学的測定装置で測定する。この測定の条件とし
ては、GOD等の前記試薬を用いる場合は、反応1分後
に570nmで測定する。
【0143】(実施形態11)図15の平面図に、吸引
流路の途中に、試薬配置部を2つ設けた検体分析用具を
示す。
【0144】図示のように、この検体分析用具は、一本
の吸引流路2の途中に、第1の試薬配置部32aおよび
第2の試薬配置部32bが形成され、これらが試薬反応
部30を形成しており、さらに測定部31が形成された
ものである。そして、通常、前記第1の試薬配置部32
aに第1の試薬が配置され、前記第2の試薬配置部32
bには第2の試薬が配置されている。
【0145】前記第1の試薬配置部32aおよび第2の
試薬配置部32bは、偏平円柱状の空間に形成されてい
るが、後述のように、吸引流路2の形状を変えずに試薬
を配置しただけのものでもよい。また、試薬の配置方法
としては、前述の実施形態10と同様に試薬をそのまま
配置する他、親水性ポリマー等を用いて試薬配置部に付
着させてもよい。前記試薬としては、先に述べたよう
に、2つ以上の成分からなり、検体との反応前に、これ
らの成分を混合できないものがあげられる。このような
試薬としては、酵素−基質系の試薬があげられ、具体例
としては、トリプシンとその基質系の試薬があり、前記
基質は、通常、酵素反応により発色物を生成するもので
ある。なお、この試薬は、検体に溶解して混和すること
により、移動可能となる試薬である。
【0146】そして、測定部31は、試薬配置部と同様
に、偏平円柱状の空間として形成されている。なお、移
動してきた発色物を固定するために、この測定部31に
濾紙等の吸収性部材を配置してもよい。この他の構成
は、図9に示した実施形態7の検体分析用具と同様であ
り、同一部分に同一符号を付している。なお、前記実施
形態7と同様に試薬反応部と測定部とを兼ねてもよく、
この実施形態の場合は、第2の試薬配置部32bが測定
部31を兼ねてもよい。
【0147】この検体分析用具は、前述の実施形態7と
同様に、所定の形状の複数のフィルムを積層して一体化
することにより作製でき、その手法及び用いる材料等も
実施形態7と同様である。なお、試薬は、前記構成フィ
ルムの積層時に親水性ポリマー等を用いて予め配置して
おくのが一般的である。この検体分析用具の全体的な大
きさは、通常、縦15〜100mm、横5〜20mm、
厚み1〜3mmである。また、吸引流路2の全体長さ
は、通常、20〜80mmであり、試薬配置部、および
測定部の相互の間隔は、通常、3〜10mmである。こ
の他の部分の大きさは、実施形態7と同様である。
【0148】つぎに、この検体分析用具を用いた分析方
法は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0149】すなわち、まず、前述と同様に、引圧発生
室1を加圧して圧縮し、この状態で、吸引口4を、所定
の採取箇所の検体に接触させ、毛細管現象により液溜部
9に吸引してここに保持する。そして、採取箇所から吸
引口4を離し、前記引圧発生室1の加圧を解除して引圧
を発生させ、前記第1の試薬配置部32a、第2の試薬
配置部32bおよび測定部31の順序で検体を移動させ
る。すると、検体は、まず第1の試薬配置部32aにあ
る第1の試薬とともに第2の試薬配置部32bに移動
し、ここで検体、第1の試薬および第2の試薬の3者が
反応し発色物が生成する。なお、発色物の生成は、第2
の試薬配置部32bから測定部31の間でもよい。そし
て、この発色物が測定部31に移動する。測定部31に
濾紙が配置されている場合は、これが呈色する。そし
て、この検体分析用具を光学的測定装置の所定の箇所に
セットし、測定部31に光を照射して、発色物の発色程
度若しくは濾紙の呈色程度をデンシトメーター等の光学
的測定装置で測定する。
【0150】(実施形態12)図16の平面図に、吸引
流路の途中に、3つの試薬配置部と1つの測定部を設け
た検体分析用具を示す。この検体分析用具は、前記実施
形態10および11の検体分析用具の構成を合体させた
ものである。
【0151】図示のように、この検体分析用具は、一本
の吸引流路2の途中に、第1の試薬配置部32a、第2
の試薬配置部32bおよび第3の試薬配置部32cが形
成され、これらが試薬反応部30を形成しており、さら
に測定部31が形成されたものである。そして、通常、
前記第1の試薬配置部32aに第1の試薬が配置され、
前記第2の試薬配置部32bには第2の試薬が配置さ
れ、さらに第3の試薬配置部32cには第3の試薬が配
置されている。
【0152】前記3つの試薬配置部32a、32b、3
2cは、吸引流路2の形状を変えずに試薬を配置しただ
けのものである。また、試薬の配置方法としては、前述
の実施形態4と同様に試薬をそのまま配置する他、親水
性ポリマー等を用いて試薬配置部に付着させてもよい。
前記試薬としては、先に述べたように、2つ以上の成分
からなり、検体との反応前に、これらの成分を混合でき
ないものがあげられる。このような試薬としては、酵素
−基質系の試薬があげられ、具体例としては、トリプシ
ン、その基質、緩衝液からなる試薬がある。この試薬の
測定対象としては、例えば、尿中のトリプシンインヒビ
ターがあげられる。また、この試薬において、基質は酵
素と反応すると発色物を生成するものである。そして、
この試薬の場合、第1の試薬が緩衝液となり、第2の試
薬がトリプシンとなり、第3の試薬が基質となる。な
お、この試薬は、検体に溶解して混和することにより、
移動可能となる試薬である。
【0153】そして、測定部31は、偏平円柱状の空間
として形成されている。なお、移動してきた発色物を固
定するために、この測定部31に濾紙等の吸収性部材を
配置してもよい。この他の構成は、図9に示した実施形
態7の検体分析用具と同様であり、同一部分に同一符号
を付している。
【0154】この検体分析用具は、前述の実施形態7と
同様に、所定の形状の複数のフィルムを積層して一体化
することにより作製でき、その手法及び用いる材料等も
実施形態7と同様である。なお、試薬は、前記フィルム
積層時に親水性ポリマー等を用いて予め配置しておくの
が一般的である。この検体分析用具の全体的な大きさ
は、通常、縦15〜100mm、横5〜20mm、厚み
1〜3mmである。また、吸引流路2の全体長さは、通
常、20〜80mmであり、試薬配置部、および測定部
の相互の間隔は、通常、3〜10mmである。この他の
部分の大きさは、実施形態7と同様である。
【0155】つぎに、この検体分析用具を用いた分析方
法を、緩衝液、トリプシンおよび基質からなる前述の試
薬を用いた場合を例にとり説明する。
【0156】すなわち、まず、第1の試薬配置部32a
に緩衝液を、第2の試薬配置部32bにトリプシンを、
第3の試薬配置部32cに基質を配置した検体分析用具
を準備する。そして、前述と同様に、引圧発生室1を加
圧して圧縮し、この状態で、吸引口4を、所定の採取箇
所の検体(尿)に接触させ、毛細管現象により液溜部9
に吸引してここに保持する。そして、採取箇所から吸引
口4を離し、前記引圧発生室1の加圧を解除して引圧を
発生させ、前記第1の試薬配置部32a、第2の試薬配
置部32b、第3の試薬配置部32cおよび測定部31
の順序で検体を移動させる。すると、検体は、まず第1
の試薬配置部32aにある緩衝液とともに第2の試薬配
置部32bに移動し、ここで検体、緩衝液およびトリプ
シンが混合する。そして、この混合物が、第3の試薬配
置部32cに移動して、ここで基質と混合し、酵素反応
が生起して発色物が生成する。なお、発色物の生成は、
第3の試薬配置部32cから測定部31の間でもよい。
そして、この発色物が測定部31に移動する。測定部3
1に濾紙が配置されている場合は、これが呈色する。そ
して、この検体分析用具を光学的測定装置の所定の箇所
にセットし、測定部31に光を照射して、発色物の発色
程度若しくは濾紙の呈色程度をデンシトメーター等の光
学的測定装置で測定する。
【0157】(実施形態13)つぎに、引圧発生室に空
気抜き孔を形成した本発明の検体分析用具の実施形態に
ついて説明する。
【0158】図17に、この検体分析用具の一例の断面
図を示す。図17(A)に示すように、この検体分析用
具の基本的構成は、図9に示す前記実施形態7の検体分
析用具と同様であり、同一部分には同一符号を付してい
る。前記空気抜き孔1aの大きさは、通常、直径0.1
〜5mmの範囲である。この検体分析用具を用いての検
体の分析は、例えば、つぎのようにして行われる。
【0159】まず、検体分析用具の吸引口4に検体を接
触させ、液溜部9に検体15を保持する。そして、図1
7(B)に示すように、引圧発生室1を指等で加圧す
る。このとき、引圧発生室1中の空気は、空気抜き孔1
aから逃げるため、引圧発生室1の空気に押されて検体
が吸引口4から排出されることはない。そして、図17
(C)に示すように、引圧発生室1を加圧した状態で、
空気抜き孔1aを指等で塞ぐ。そして、図17(D)に
示すように、空気抜き孔1aを塞いだ状態で、引圧発生
室1への加圧を解除すると、引圧発生室1が元の形状に
戻る際に引圧が発生し、これによって、検体15が吸引
流路2内を移動し、分析部3に導入される。この後の分
析操作は、前記実施形態7と同様である。
【0160】このように、引圧発生室1に空気抜き孔1
aが形成された検体分析用具によれば、吸引口4に検体
15を接触させ液溜部に保持したのち、引圧発生室1を
加圧することができる。この結果、検体の採取が容易と
なる。
【0161】(実施形態14)つぎに、引圧発生手段と
して、引圧発生チューブを採用した本発明の検体分析用
具の実施形態について説明する。
【0162】図18に、この検体分析用具の一例の断面
図を示す。図18(A)に示すように、この検体分析用
具は、引圧発生室に代えて引圧発生チューブ21を備え
る他は、図9に示す前記実施形態7の検体分析用具と同
様であり、同一部分には同一符号を付している。前記引
圧発生チューブ21は、例えば、検体分析用具本体の上
に、樹脂シートを長手方向断面形状が略逆U字状になる
ように湾曲させて設置することにより形成できる。この
場合、引圧発生チューブの一端は、気体透過性液遮断性
部8を介して吸引流路2と連通し、他端は開口してい
る。この引圧発生チューブの大きさは、通常、前記シー
トの厚みが0.01〜2mmの範囲、チューブ内部の高
さが0.5〜5mmの範囲、チューブ内部幅が1〜10
mmの範囲、チューブの長さが5〜30mmの範囲であ
る。この引圧発生チューブ21は、吸引流路2や分析部
3等と重ならないように形成することが望ましい。引圧
発生チューブ21で引圧を発生させるためには、それを
加圧してしごく必要があるが、この加圧によって吸引流
路等が変形するおそれがあるからである。前記樹脂シー
トの形成材料としては、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、
軟質シリコーン樹脂、天然ゴム等があげられる。また、
この引圧発生チューブの長手方向断面形状は、前記逆U
字状に限定されず、例えば、矩形状等であってもよい。
【0163】この検体分析用具を用いての検体の分析
は、例えば、つぎのようにして行われる。まず、検体分
析用具の吸引口4に検体を接触させ、液溜部9に検体1
5を保持する。そして、図18(B)に示すように、引
圧発生チューブ21の吸引流路2と連通する一端側の一
部(図において右側端部)を指等で加圧し、その部分の
チューブ内面を密着させる。そして、図18(C)およ
び図18(D)に順次示すように、加圧部分をチューブ
開口側に移動させてチューブをしごく。すると、引圧発
生チューブ21内に引圧が発生し、これによって、検体
15が吸引流路2内を移動し、分析部3に導入される。
この後の分析操作は、前記実施形態7と同様である。
【0164】このように、引圧発生手段として引圧発生
チューブを備えた検体分析用具によれば、前記空気抜き
孔1aが形成された引圧発生室を備えた検体分析用具と
同様に、吸引口4に検体15を接触させ液溜部に保持し
たのち、吸引操作を行うことができる。この結果、検体
の採取が容易となる。
【0165】(実施形態15)つぎに、電気化学的手段
により分析を行う場合の本発明の実施形態について説明
する。
【0166】図19に、電極を備えた検体分析用具の一
例を示す。図19(A)は、前記検体分析用具の平面図
であり、図19(B)は、図19(A)のIV−IV方
向断面図である。この図において、電極を設け、窓部を
形成しなかった他は、図9に示す実施形態7と同様であ
り、同一部分には同一符号を付している。
【0167】図示のように、電極は、作用極33aと対
極33bとからなり、これらは、分析部3の下方に形成
され、これらは、それぞれ引圧発生室1を越えて延びて
おり、その先端は端子部33c、33dに形成されてい
る。
【0168】この検体分析用具は、実施形態7と同様
に、各所定形状に形成されたフィルムを積層することに
より作製することができる。例えば、図20に示すよう
に、各種形状に成形されたフィルム11、12、13、
14を、試験フィルム7と疎水性多孔質膜8を介して積
層することにより作製できる。
【0169】フィルム14は、検体分析用具の下部を形
成するフィルムであるが、その表面に電極(33a、3
3b、33c、33d)が形成されている。この電極
は、例えば、フィルム上にスクリーン印刷により銀ペー
ストを用いて端子部(33c、33d)を印刷形成し、
同様にスクリーン印刷により導電性カーボンペーストで
作用極33aと対極33bを印刷形成することにより形
成できる。前記電極の大きさは、例えば、図示の形状の
場合、通常、作用極33aの外径が1〜14mmの範囲
であり、対極33bの外径が3〜15mmであり、前記
両極の間隙幅は0.5〜2mmの範囲である。また、端
子部を含む電極全体長さは10〜50mmの範囲であ
る。なお、電極の形状は、図示の形状に限定されない。
前記フィルムの材質は、絶縁性のものなら特に制限され
ず、例えば、PET、ポリプロピレン、ポリエステル等
があげられる。なお、フィルム14には、窓部を形成す
るための孔はない。また、このフィルム14は、透明で
ある必要はなく、着色されていてもよい。
【0170】そして、この検体分析用具の作製におい
て、別個に作製した試薬フィルム7を用いてもよいが、
その他に、前記電極(作用極と対極)上に直接試薬フィ
ルム7を形成してもよい。例えば、親水性高分子水溶液
を前記電極部分上に塗布して乾燥し、この上に試薬溶液
をさらに塗布して乾燥することにより試薬フィルムを形
成できる。前記高分子水溶液としては、カルボキシメチ
ルセルロース0.5重量%水溶液があげられ、前記試薬
溶液としては、例えば、乳酸を分析対象とする場合は、
乳酸オキシダーゼ400U/mlとフェリシアン化カリ
ウム2.0重量%の水溶液があげられる。この他に、グ
ルコースを分析対象とする場合は、前記乳酸オキシダー
ゼに代えて、グルコースオキシダーゼを使用すればよ
く、同様に、コレステロールを分析対象とする場合は、
前記乳酸オキシダーゼに代えて、コレステロールオキシ
ダーゼを使用すればよい。
【0171】つぎに、この検体分析用具を用いた検体分
析方法を説明する。まず、前述と同様に、引圧発生室1
を圧縮し、この状態で吸引口4を所定の採取箇所にある
検体に接触させ、毛細管現象により液溜部9に吸引しこ
れに保持する。そして、引圧発生室1の圧縮を解除して
引圧を発生させ、前記検体を分析部3に位置する試薬フ
ィルム7まで移動させ、試薬と反応させる。そして、こ
の検体分析用具を電気化学的測定装置の所定箇所にセッ
トし、一定時間反応後、前記作用極と対極との間に一定
電圧を印加し、流れる電流を測定する。
【0172】(実施形態16)つぎに、イムノアッセイ
を用いた分析に本発明の検体分析用具を用いた実施形態
を説明する。
【0173】図21(A)の平面図に、イムノアッセイ
用の検体分析用具の一例を示す。図示のように、この検
体分析用具では、液溜部9aが偏平円柱状空間に形成さ
れており、その上に円形の吸引口4aが形成されてい
る。また、吸引流路2の途中に4個の分析部3a,3
b,3c,3dが形成されており、分析部3aには検体
中の目的抗原に反応し金コロイド等の呈色物で標識され
た抗体(標識抗体)を含む試薬フィルム7aが配置され
ており、また、分析部3bには、前記と同じ抗原に反応
する抗体を固定化した試薬フィルム7bが配置されてい
る。また、分析部3dには洗浄液16が配置されてい
る。その他の構成は、図9に示す前記実施形態7の検体
分析用具と同じであり、同一部分には同一符号を付して
いる。
【0174】この検体分析用具を用いたイムノアッセイ
は、例えば、図21(B)〜(H)に示すようにして行
う。まず、引圧発生室1を圧縮し、この状態で、吸引口
4aを検体に接触させ毛細管現象により液溜部9aに吸
引しここに保持する(図21(B))。なお、この時、
洗浄液16は、引圧発生室から排出される空気により押
され、分析部3bに移動する。そして引圧発生室1の圧
縮を僅かに緩めて弱い引圧を発生させ、検体を分析部3
aに移動させ、ここで検体中の抗原と標識抗体とを反応
させる(図21(C))。なお、この時、洗浄液は引圧
により、分析部3cに移動している。そして、引圧発生
室1の圧縮を完全に解除して引圧を発生させると、検体
は分析部3bに移動し、検体中の抗原は、固定化抗体と
反応する(図21(D))。なお、この時、洗浄液16
は、分析部3dに移動している。そして、再度、引圧発
生室1を軽く圧縮し、その排出空気で、検体を分析部3
aに移動させる(図21(E))。すると、分析部3b
には、固定化抗体に結合した抗原が残り、この抗原は標
識抗体で標識されている。しかし、この分析部3bに
は、抗原と結合していない標識抗体も多数残っている。
なお、この時、洗浄液16は、分析部3cに移動してい
る。そして、引圧発生室1をさらに強く圧縮し、その排
出空気で検体を液溜部9aに移動させるとともに、洗浄
液16を、分析部3bに移動させる(図21(F))。
そして、引圧発生室1の圧縮を僅かに解除して弱い引圧
を発生させ、洗浄液16を分析部3cに移動させる(図
21(G))。この結果、分析部3bは洗浄され、固定
化抗体および標識抗体の双方に結合した抗原のみが存在
する状態となる。なお、この時、検体は分析部3aに移
動している。そして、この状態で、分析部3cの標識抗
体量を光学的手段により測定する。測定後、引圧発生室
1の圧縮を完全に解除し(図21(H))、検体分析用
具を廃棄する。
【0175】
【発明の効果】以上のように、本発明の検体分析用具
は、引圧発生手段と、これと連通する吸引流路と、この
吸引流路の途中に形成された分析部と、前記吸引流路の
先端に形成された吸引口とを備え、前記引圧発生手段で
発生した引圧により前記吸引口から検体を吸引し前記吸
引流路を通じて前記分析部に前記検体を移動させるもの
である。
【0176】すなわち、本発明の検体分析用具は、検体
を引圧により強制吸引して分析部に移動させるため、少
量の検体であっても、その粘性等に関係なく短時間で分
析部に導入して分析を行うことができ、また、分析時間
や分析検体量も一定化することができる。そして、検体
の吸引部と分析部との距離を大きくとることができ、光
学的測定装置において、外部光の影響を排除でき、また
検体導入時の測定装置の汚染も防止できる。また、サン
プリングに失敗しても再吸引が可能であるため、少量の
検体を確実に分析することが可能である。そして、重力
の影響を無視できることから、測定装置における傾きが
限定されない。さらに、本発明の検体分析用具は、検体
が接触する部分が吸引口に限定されているため、用具全
体が検体で汚染されることが少ない。
【0177】また、バイパス流路または気体透過性液遮
断性部が形成された本発明の検体分析用具は、確実に分
析部に検体を導入して分析することができ、しかも検体
や発色物等の引圧発生手段への流出がない。したがっ
て、この検体分析用具を用いれば、さらに微量の検体を
迅速かつ正確に分析することができる。また指の押さえ
加減を気にすることなく検体をサンプリングすることが
できて分析効率が向上する。
【0178】本発明の検体分析用具において、吸引流路
や分析部等を複数設けることにより、マルチ分析が可能
となり、複数の分析項目を同時に分析することが可能と
なって分析効率が飛躍的に向上するようになる。
【0179】そして、本発明の検体分析用具は、体液等
の検体を対象とする試験紙法に広く適用可能である。
【0180】また、吸引口をいわゆるろーと状にした
り、または液溜部および空気抜き流路を設けた本発明の
検体分析用具は、前記吸引口または前記液溜部に検体を
吸引しここに保持できるものである。このため、この検
体分析用具を用いれば、採取しにくい箇所にある検体で
あっても、まず、吸引口を検体に接触させて毛細管現象
により吸引口または液溜部に吸引保持し、ついで吸引口
を採取箇所から離した状態で、引圧により前記吸引口ま
たは液溜部にある検体を分析部に導入できる。したがっ
て、この検体分析用具は操作性に優れており、これを用
いれば、採取箇所を問わず、簡単かつ確実に検体を採取
できる。また、液溜部および空気抜き流路を設けると、
サンプリングに失敗しても再吸引が可能であるため、少
量の検体を確実に分析することが可能となる。
【0181】さらに、本発明の検体分析用具は、試薬配
置部、試薬反応部および測定部をそれぞれ独立に設ける
ことにより、例えば、吸引流路を移動可能な試薬にも適
用できる。また、試薬配置部を複数設ければ、2成分以
上からなる試薬であって、検体との反応前に前記成分を
混合できない試薬にも適用できる。また、本発明の検体
分析用具は、光学的手段および電気化学的手段を問わ
ず、幅広い分析に適用できる。
【0182】このように、本発明の検体分析用具は、少
量の検体を迅速かつ正確に分析でき、また分析効率およ
び操作性も優れることから、これを、例えば、医療の分
析に適用すれば、繁雑な分析業務の簡略化に貢献でき、
また分析精度の向上も実現可能であるなど、その有効性
は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(A)は、本発明の検体分析用具の一実施形
態の平面図であり、図(B)は、前記図(A)のI−I
方向断面図である。
【図2】本発明の検体分析用具の別の実施形態の平面図
である。
【図3】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態の
平面図である。
【図4】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態の
平面図である。
【図5】図(A)〜図(D)は、バイパス流路を設けた
本発明の検体分析用具の一実施形態における検体の吸引
過程を段階的に示す平面図である。
【図6】図(A)は、本発明の検体分析用具のさらに別
の実施形態の平面図であり、図(B)は、前記図(A)
のII−II方向断面図である。
【図7】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態の
平面図である。
【図8】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態の
平面図である。
【図9】図(A)は、本発明の検体分析用具のさらに別
の実施形態の平面図であり、図(B)は、前記図(A)
のIII−III方向断面図である。
【図10】図9に示す実施形態の検体分析用具の作製状
態を示す斜視図である。
【図11】図(A)は、図9に示す実施形態の検体分析
用具の液溜部に検体を吸引保持した状態を示す平面図で
あり、(B)は、図9に示す実施形態の検体分析用具の
分析部に検体を吸引した状態を示す平面図である。
【図12】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態
の平面図である。
【図13】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態
の平面図である。
【図14】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態
の平面図である。
【図15】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態
の平面図である。
【図16】本発明の検体分析用具のさらに別の実施形態
の平面図である。
【図17】図(A)〜図(D)は、本発明の検体分析用
具のさらに別の実施形態の検体の吸引状態を説明する断
面図である。
【図18】図(A)〜図(D)は、本発明の検体分析用
具のさらに別の実施形態の検体の吸引状態を説明する断
面図である。
【図19】図(A)は、本発明の検体分析用具のさらに
別の実施形態の平面図であり、図(B)は、前記図
(A)のIV−IV方向断面図である。
【図20】図19に示す実施形態の検体分析用具の作製
状態を示す斜視図である。
【図21】図(A)〜図(H)は、本発明の検体分析用
具のさらに別の実施形態を用いた分析を説明する平面図
である。
【図22】従来の検体分析用具の斜視図である。
【符号の説明】
1 引圧発生室 1a 空気抜き孔 2,2a,2b,2c 吸引流路 3、3a、3b、3c、3d 分析部 4、4a 吸引口 5 本体 5a 透明カバー 5b 樹脂製基体 5c 突出部 6 バイパス流路 6a 細径バイパス流路 7、7a、7b 試薬フィルム 8 気体透過性液遮断性部 9,9a 液溜部 10 窓部 11、12、13、14 フィルム 15 検体 16 洗浄液 21 引圧発生チューブ 25 空気抜き流路 26 空気抜き流路先端開口 30 試薬反応部 31 測定部 32、32a、32b、32c 試薬配置部 33a、33b、33c、33d 電極 42 サンプリング先端 44 基体前面 45 スロット 46 溝 47 基体 48 試薬フィルム 50 観察窓
フロントページの続き (72)発明者 小池 益史 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内 (72)発明者 奥田 久 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引圧発生手段と、これと連通する吸引流
    路と、この吸引流路の途中に形成された分析部と、前記
    吸引流路の先端に形成された吸引口とを備え、前記引圧
    発生手段で発生した引圧により前記吸引口から検体を吸
    引し前記吸引流路を通じて前記分析部に前記検体を移動
    させる検体分析用具。
  2. 【請求項2】 引圧発生手段と、これと連通する吸引流
    路と、この吸引流路の途中に形成された分析部と、前記
    吸引流路の先端に形成された吸引口とに加え、前記分析
    部と吸引口との間の吸引流路から分岐しかつ前記引圧発
    生手段と連通するバイパス流路を備え、前記分析部と前
    記引圧発生手段との間の前記吸引流路の液抵抗(X)、
    前記バイパス流路の液抵抗(Y)および前記バイパス流
    路の分岐部と分析部との間の吸引流路の液抵抗(Z)の
    3つの液抵抗の関係が、X>Y>Zの関係である請求項
    1記載の検体分析用具。
  3. 【請求項3】 吸引流路が複数形成され、前記各吸引流
    路の途中に分析部が形成され、前記各吸引流路の先端が
    一つの吸引口に合流している請求項1記載の検体分析用
    具。
  4. 【請求項4】 吸引流路が複数形成され、それぞれの吸
    引流路の途中に分析部が形成され、それぞれの前記吸引
    流路の先端が一つの吸引口に合流し、バイパス流路が前
    記合流部と吸引口の間の吸引流路から分岐し、かつ引圧
    発生手段と連通している請求項2記載の検体分析用具。
  5. 【請求項5】 引圧発生手段と、これと連通する吸引流
    路と、この吸引流路の途中に形成された分析部と、前記
    吸引流路の先端に形成された吸引口とに加え、前記引圧
    発生手段と前記分析部との間の前記吸引流路の途中に形
    成された気体透過性液遮断性部を備え、前記気体透過性
    液遮断性部により検体の前記引圧発生手段への流入が阻
    止される請求項1記載の検体分析用具。
  6. 【請求項6】 気体透過性液遮断性部が、疎水性多孔質
    部材により形成されている請求項5記載の検体分析用
    具。
  7. 【請求項7】 吸引流路の途中に分析部が複数形成さ
    れ、引圧発生手段とこれに最も近い分析部との間の吸引
    流路の途中に気体透過性液遮断性部が形成された請求項
    5または6記載の検体分析用具。
  8. 【請求項8】 吸引流路が複数形成され、前記各吸引流
    路の途中に分析部が形成され、前記複数の吸引流路の先
    端が一つの吸引口に合流している請求項5〜7のいずれ
    か一項に記載の検体分析用具。
  9. 【請求項9】 吸引口の形状が、先端方向に向かって広
    がる形状である請求項1〜8のいずれか一項に記載の検
    体分析用具。
  10. 【請求項10】 吸引口と吸引流路との間に液溜部が形
    成され、この液溜部と分析部との間の吸引流路の途中か
    ら空気抜き流路が分岐し、この空気抜き流路の先端が外
    部に向かって開口された状態となっている請求項1〜8
    のいずれか一項に記載の検体分析用具。
  11. 【請求項11】 空気抜き流路の液抵抗が液溜部の液抵
    抗より大きい請求項10記載の検体分析用具。
  12. 【請求項12】 吸引流路の途中に形成された分析部
    が、試薬配置部および試薬反応部を兼ね備える請求項1
    〜11のいずれか一項に記載の検体分析用具。
  13. 【請求項13】 吸引流路の途中に、試薬配置部、試薬
    反応部および分析部がそれぞれ独立に設けられた請求項
    1〜11のいずれか一項に記載の検体分析用具。
  14. 【請求項14】 吸引流路の途中に試薬配置部が複数設
    けられた請求項13記載の検体分析用具。
  15. 【請求項15】 引圧発生手段が、容積を変化させるこ
    とが可能な引圧発生室である請求項1〜14のいずれか
    一項に記載の検体分析用具。
  16. 【請求項16】 引圧発生室に空気抜き孔が形成された
    請求項15記載の検体分析用具。
  17. 【請求項17】 引圧発生手段が、引圧発生チューブで
    ある請求項1〜14のいずれか一項に記載の検体分析用
    具。
  18. 【請求項18】 少なくとも一つの分析部に、作用極と
    対極の対からなる電極を備える請求項1〜17のいずれ
    か一項に記載の検体分析用具。
  19. 【請求項19】 請求項1、3、5、6、7または8記
    載の検体分析用具を準備し、引圧発生手段で引圧を発生
    させて吸引口から検体を吸引し、吸引した検体を前記引
    圧により吸引流路を通じて分析部に導入して前記検体の
    分析を行う検体分析方法。
  20. 【請求項20】 請求項2または4記載の検体分析用具
    を準備し、引圧発生手段で引圧を発生させて吸引口から
    検体を吸引し、吸引した検体を前記引圧により吸引流路
    を通じて分析部に導入するとともに、余剰検体および混
    入した空気を前記バイパス流路によりこのバイパス流路
    内および前記引圧発生手段に排出し、この状態で、前記
    検体の分析を行う検体分析方法。
  21. 【請求項21】 請求項9、10または11記載の検体
    分析用具を準備し、吸引口を検体に接触させて毛細管現
    象により前記検体を前記吸引口または液溜部に吸引して
    ここに保持し、ついで引圧発生手段で引圧を発生させて
    吸引口から検体を吸引し、吸引した検体を前記引圧によ
    り吸引流路を通じて分析部に導入して前記検体の分析を
    行う検体分析方法。
  22. 【請求項22】 検体の分析を、光学的手段および電気
    化学的手段の少なくとも一つの手段により行う請求項1
    9〜21のいずれか一項に記載の検体分析方法。
  23. 【請求項23】 光照射部および光検知部を備える光学
    的測定系と、請求項1〜17のいずれか一項に記載の検
    体分析用具とからなる検体分析装置であって、前記検体
    分析用具の分析部が、前記光照射部からの光が照射され
    るように配置され、前記検知部が、前記分析部の透過
    光、蛍光または反射光を検知できるように配置されてい
    る検体分析装置。
  24. 【請求項24】 電気信号付与手段および電気信号検出
    手段と、請求項18記載の検体分析用具とからなる検体
    分析装置であって、前記検体分析用具の作用極と前記電
    気信号付与手段が接続され、前記検体分析用具の対極が
    前記電気信号検出手段と接続されている検体分析装置。
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