JPH0961312A - 簡易測定装置 - Google Patents

簡易測定装置

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JPH0961312A
JPH0961312A JP7221633A JP22163395A JPH0961312A JP H0961312 A JPH0961312 A JP H0961312A JP 7221633 A JP7221633 A JP 7221633A JP 22163395 A JP22163395 A JP 22163395A JP H0961312 A JPH0961312 A JP H0961312A
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JP
Japan
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sample
analysis
sample tube
tube
analysis chip
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JP7221633A
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English (en)
Inventor
Chuichi Yamauchi
内 忠 一 山
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】血液や尿などを試料とする免疫測定などの医療
用測定等を簡単な操作で迅速に行うことができ、しか
も、小型化も可能な簡易測定装置を提供する。 【解決手段】液体試料を収容する試料管と、試料管に収
容された液体試料中の被測定物質量に応じた信号を出力
する分析チップと、分析チップから出力された信号か
ら、液体試料中の被測定物質量を演算し、測定結果を表
示する、試料管および分析チップが着脱自在な装置本体
と、試料管および分析チップが装置本体に装着された際
に、液体試料が収容された試料管の内部と分析チップと
を連結する連結手段とを有することにより、前記目的を
達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液や尿等の生体
から採取された試料中の被測定物質を測定する、免疫測
定等の測定分野に属し、試料中の被測定物質を簡易かつ
迅速に測定することができる医療用途に適した簡易測定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査に必要な血液試料は、使い捨て
の減圧採血管を用いて採取されることが多い。この減圧
採血管は、注射筒シリンジ操作の必要がなく簡便であ
り、採血者の負担が少なく感染医療事故の防止にも有効
である。しかし、減圧採血管内に採取された血液試料の
臨床検査を行うためには採血管蓋体を外す開栓作業を要
し、その作業段階の煩雑さと感染医療事故の危険性が問
題点として残されている。
【0003】そのため、開栓用具の開発が行われ、さら
に、減圧採血管の蓋体を取り外すことなく、採血管内部
の試料を分取できる吸引ノズルが開発された(特開平6
−182234号、同6−300670号の各公報参
照)。また、臨床検査の自動化が進むにつれて、減圧採
血管をそのまま設置できるキャップピアス方式の自動分
析装置が開発された。このような自動分析装置として
は、血液試料を採取した減圧採血管を保持して所定位置
に移送する移送手段、血清分離手段、および採血管内の
検体を吸引して血清分離手段あるいは分析手段に分注す
る吸引ノズルから構成される自動分析装置が知られてい
る(特開平2−75959号、同6−123741号の
各公報参照)。しかしながら、これらの吸引ノズルや自
動分析装置は、吸引ノズルを動作させたり、減圧採血管
ホルダーを移送させたりするための駆動機構を要し、装
置の小型化やコストの面で問題がある。
【0004】一方で、駆動機構を必要としない簡便な減
圧採血管補助具もいくつか開発された。例えば、赤血球
沈降速度測定用のウェスターグレン測定管の所定位置ま
で減圧採血管内の血液試料を導入する補助具が知られて
いる(特開平3−17557号公報参照)。また、血液
試料のスライドグラス塗抹を容易にする減圧採血管の栓
体が知られている(特開平6−265541号公報参
照)。しかしながら、これらは減圧採血管内の試料採取
法に関する技術であり、減圧採血管に採取された血液を
用いて、小型でかつ簡便に血液検査、生化学検査、免疫
化学検査などの各種臨床検査一般を行うことができる測
定装置は、実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、血液や尿など
を試料とする免疫測定等の医療用測定を簡単な操作で迅
速に行うことができ、しかも、小型化も可能な医療用途
に適した簡易測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、液体試料を収容する試料管と、前記試料
管に収容された液体試料中の被測定物質量に応じた信号
を出力する分析チップと、前記分析チップから出力され
た信号から、前記液体試料中の被測定物質量を演算し、
測定結果を出力あるいは表示する、前記試料管および分
析チップが着脱できる装置本体と、前記試料管および分
析チップが装置本体に装着された際に、前記試料管の液
体試料を収容する内部と分析チップとを連通する連結手
段とを有することを特徴とする、医療用途に適した簡易
測定装置を提供する。
【0007】また、前記試料管が減圧採取管であるのが
好ましい。
【0008】また、前記試料管が、鋭利な先端を有する
部材が容易に貫通することができ、かつこの部材を抜い
た際には形成された孔が閉塞される弾性体から形成され
る蓋体を有し、かつ前記連結手段が、前記分析チップに
固定される鋭利な先端を有するキャピラリ部であるのが
好ましい。
【0009】さらに、前記分析チップが出力する信号が
電気信号であるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の簡易測定装置につ
いて詳細に説明する。図1(a−I)に、本発明の簡易
測定装置の一例の概略平面図を、図1(a−II)に、同
II−II線概略断面図を、それぞれ示す。
【0011】図1に示されるように、本発明の簡易測定
装置10は、基本的に、装置本体12と、液体試料を収
容する試料管14と、試料管14中の液体試料に存在す
る被測定物質(分析対象物)の量に応じた信号を出力す
る分析チップ16とから構成される。また、試料管14
と分析チップ16は、共に装置本体12に着脱可能に構
成される。
【0012】試料管14は、液体試料が収容される容器
である。なお、本発明の簡易測定装置10において、被
測定物質すなわち分析対象物には特に限定はなく、血液
検査、生化学検査、免疫化学検査等の医療用測定などの
各種の測定において、液体試料を導入された分析チップ
が液体試料中の被測定物質量に応じた信号強度または信
号特性を有する信号を発生するという分析方法が可能な
物質がすべて含まれる。また、信号としては、呈色、蛍
光、発光、あるいは、電流、電位、電導度、電気容量な
どの電気信号などが例示される。図1の図示例では、分
析チップ16が出力する信号が電気信号である場合を例
示している。さらに、分析方法としては、例えば、酵素
分析法などに代表される生化学反応分析法、免疫分析法
に代表される特異結合分析法、および電解質イオン分析
法などがある。
【0013】酵素分析法は、被測定物質が酵素基質、補
酵素、酵素補因子、酵素活性化物質、酵素阻害物質ある
いは酵素自体などであり、被測定物質量に応じて酵素反
応が発する信号強度あるいは信号特性が変化することを
応用した分析法であり、コレステロールオキシダーゼな
どを用いたコレステロール分析、リパ−ゼおよびグリセ
ロキナーゼなどを用いたトリグリセリド(TG)分析、
ウリカーゼなどを用いた尿酸分析、グルコースオキシダ
ーゼなどを用いた尿糖あるいは血糖分析、蛋白分解酵素
である血液凝固因子あるいはそのインヒビターの分析な
どが例示される。特異結合分析法は、抗原抗体反応を利
用したいわゆる免疫分析法などに代表されるように、分
析対象物と前記分析対象物に特異的に結合する特異結合
物質との特異結合反応を利用した分析法であり、分析対
象物と特異結合物質との特異結合反応に応じて信号強度
あるいは信号特性が変化することを応用した分析法であ
る。特異結合分析法で分析可能な被測定物質としては、
免疫分析法で分析できる抗体、抗原としての各種蛋白
質、ポリペプチド、糖蛋白質、多糖類、複合糖脂質ある
いは各種ハプテンなど、核酸ハイブリダイゼーション分
析法で分析できる核酸類、および、その他のリガンドレ
セプター結合分析法で分析できるリガンド分子、エフェ
クター分子、レセプター分子などが例示される。さらに
具体的には、α−フェトプロテイン、癌胎児性抗原(C
EA)、CA125、CA19−9等の腫瘍マーカー
や、β2 −ミクログロブリン(β2 m)、フェリチン、
C反応性蛋白質(CRP)などの各種蛋白質; エスト
ラジオール(E2 )、エストリオール(E3 )、ヒト絨
毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン
(LH)、ヒト胎盤ラクトゲン(hPL)などの各種ホ
ルモン; HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HB
e抗体、HBc抗体、HCV抗体、HIV抗体などの各
種ウイルス関連抗原あるいはウイルス関連抗体; 各種
アレルゲンおよびこれに特異的なIgE抗体; 麻薬性
薬物、医療性薬物およびこれらの代謝産物; ウイルス
および疾患関連ポリヌクレオチド配列の核酸等が例示さ
れる。電解質イオン分析法は、Naイオン、Kイオン、
Caイオン、無機リン、その他の金属イオンなどの電解
質イオンを、比色法あるいはイオン電極法などで分析す
る方法である。これらの分析法は、いずれも本発明の簡
易測定装置に利用できる分析法であるが、特に信号とし
て電流、電位、電導度、電気容量などの電気信号を発生
する分析法は、簡易測定装置の構成および分析手順を簡
略化でき、小型でポータブルな測定装置を実現する場合
に特に好適である。液体試料中の被測定物質量あるいは
濃度に応じた電気信号を出力する分析法としては、後記
する酵素センサ、免疫センサ、核酸センサ、微生物セン
サ、バイオセンサ、イオンセンサ、化学センサ、半導体
センサ、FETセンサ、ガスセンサなどとして知られて
いる各種のセンサを用いた分析法が好適である。これら
の各種センサを用いた分析法によっても、前記した各種
の被測定物質を分析可能である。
【0014】従って、液体試料としては、生体から採取
可能で、被測定物質の存在が予想される液体が各種例示
され、具体的には、全血、血清、血漿、尿、唾液、涙
液、髄液、乳頭などからの分泌液等が例示される。な
お、本発明の簡易測定装置10を用いた測定に供される
液体試料は、生体から採取した体液そのままであっても
よく、生理食塩水等の希釈剤で希釈したもの、あるいは
遠心操作や加熱操作などの前処理、もしくは酵素反応や
増幅反応(ポリメラーゼチェイン反応など)の反応が施
されたものであってもよい。また、例えば細胞や組織な
どの固体の試料を生体から採取して、これを緩衝液、生
理食塩水、界面活性剤等を含む溶解液剤あるいは抽出剤
などに溶解、あるいは懸濁あるいは抽出した液体試料で
あってもよい。
【0015】前述のように、試料管14は、このような
液体試料を収容(採取)するものであって、図示例にお
いては、試料管本体18と蓋体19とから構成され、測
定の際には、蓋体19を下方(図示例においては斜め下
方)にして装置本体12に装着される。
【0016】試料管本体18は、プラスチックやガラス
等からなる、各種の医療用測定に通常に利用される容器
でよい。なお、試料管本体18の外壁には、後述する装
置本体12の溝12cに挿入され、装置本体12への試
料管14の装着位置を規定する突起14aが形成され
る。蓋体19はゴム系樹脂、シリコンフィルム等の弾性
体から形成され、後述する分析チップ16の導入管26
およびエア抜き管28によって容易に穿孔され、かつ、
これらを抜くと閉塞する、すなわち、いわゆる減圧採血
管等に装着される蓋体と同様の物である。なお、試料管
14の構成は図示例に限定されず、前記導入管26およ
びエア抜き管28が外壁の一部を貫通して内部に挿入可
能なものであれば、各種の構造および構成を有する容器
が利用可能である。中でも、液体試料採取の容易性等の
点で、減圧採血管等の減圧採取管が好適に利用される。
また、このような汎用品と同様の構成の物を試料管14
として用いることにより、検診等における一連の臨床検
査のための試料採取を同時に連続して行うことができ、
検査効率の向上や被検査者の負担低減等の点で好まし
い。さらに、試料管14として減圧採血管を用いる場合
には、必要に応じて、中に血液凝固阻止剤もしくは血液
凝固促進剤、血球分離剤、酵素阻害剤等を入れておくの
も好ましい。
【0017】分析チップ16は、試料管14に収容され
た液体試料中の被測定物質量に応じた信号を出力するも
のであって、基本的に、チップ本体20と、連結手段2
2と、分析部24とから構成される。
【0018】図示例において、チップ本体20には、連
結手段22および分析部24が形成されている。連結手
段22は、導入管26、エア抜き管28、およびエア抜
き管28に連通する通気口30から形成され、試料管1
4中の液体試料を分析部24に導入させる。導入管26
は、毛細管作用によって液体試料を試料管14から分析
部24に導くキャピラリー部である。導入管26の毛細
管作用を増強するために、その内面を界面活性剤、両親
媒性化合物等で処理あるいはコーティングすることも好
ましい。一方、エア抜き管28および通気口30は、導
入管26によって試料管14から液体試料を採取する際
のエア抜きであって、毛細管作用の認められない広い間
隙として通気口30が形成されているために、液体試料
はこのエア抜き管28から通気口30に向かう方向への
流出(逆流)はできない。すなわち、エア抜き管28は
導入管26と同様に内径0.2〜1.0mm程度に相当す
るキャピラリー部であり、通気口30は内径2mm程度以
上に相当する広い間隙である。ただし、その最適なサイ
ズは液体試料の物理的性状(粘度、含有粒子サイズ等)
によって変動する。通気口30あるいはエア抜き管28
からの液体試料の逆流を防止するために、その内面にシ
リコンコート等の撥水性コーティングを施してもよい。
【0019】導入管26およびエア抜き管28の先端
は、共にチップ本体20から図中横方向(具体的には、
後述する分析チップ16の挿入方向と平行)に突出して
おり、かつ先端が鋭利な形状を有し、後述する装置本体
12の試料管挿入口12aに挿入保持されている試料管
14の蓋体19を容易に穿孔、貫通できるように構成さ
れる。従って、分析チップ16を装置本体12のチップ
挿入部12cに挿入して装着すると、図2(b)および
図2(c)に示されるように、あらかじめ装置本体12
に装着されている試料管14の蓋体19を、導入管26
およびエア抜き管28の先端が穿孔、貫通し、試料管1
4の内部が減圧されている場合には、エア抜き管28あ
るいは導入管26から外気が吸引されて試料管14内部
に気泡が発生し、その結果、試料管内圧は外気圧と等し
くなる。次いで、毛細管作用によって導入管26に液体
試料が浸透し、キャピラリーで連通している分析部24
へと液体試料が導かれる。ここで、分析部24は、キャ
ピラリーあるいはろ紙などの多孔性の材質で構成された
毛細管作用の強い部分であるため(流路を有するた
め)、導入管26と分析部24とが連結(接触)してい
ることにより、液体試料は分析部24をさらに浸透し、
所定の分析部の反応が進行して液体試料中の被測定物質
量に応じた信号を出力する。導入管26および分析部2
4への液体試料の浸透に伴い、入れ替わりにエア抜き管
28から外気が吸引され、試料管14内部に気泡として
入ることにより試料管14内部圧を調整して液体試料の
導入管26および分析部24への浸透を助ける。
【0020】このような導入管26およびエア抜き管2
8は、注射針などの金属製の中空針あるいはプラスチッ
ク製の中空針でありチップ本体20(あるいはそのカバ
ー)と一体成形してもよい。好ましくは、分析チップ1
6がPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムな
どの高分子シート積層体あるいはその打ち抜き品として
形成されている場合、キャピラリー構造および/あるい
は通気口を内部に構成するように高分子シート積層体を
貼り合わせ、鋭利先端が残るように打ち抜いて作製すれ
ばよい。この点については、後に詳述する。
【0021】図示例においてはエア抜き管28および通
気口30によってエア抜きを取っているが、本発明にお
いては、これ以外にも、試料管14の一部を容易に破損
して小孔を形成できる構成として、測定時にこれによっ
てエア抜きを取る方法、装置本体12に装着する際に試
料管14を圧縮して液体試料を導入管26に押し出すこ
とにより、エア抜きを不要とする方法等、公知の方法が
各種利用可能である。但し、試料管14の一部を破損す
ると、その後の液体試料の漏洩等の問題があるので、測
定終了後に試料管14を保存する場合には不適切であ
る。また、図示例においては、連結手段22が分析チッ
プ16に配置・固定される構成を有するが、本発明はこ
れ以外にも、装置本体12や試料管14に連結手段22
が配置(一部あるいは全部)される構成であってもよ
い。試料管14に連結手段22が配置・固定される場合
は、例えば、試料管14に液体試料を採取後、その蓋体
19に連結手段22を取り付けてから装置本体12にセ
ットすればよい。この場合、装置本体12に分析チップ
16を装着すると連結手段22が試料管14内部の液体
試料と分析チップ16の分析部24とを連通させ、液体
試料が分析部24に導入される構成となる。また、装置
本体12に連結手段22が配置・固定される構成の場合
には、連結手段22が装置本体12内にあらかじめ固定
されていてもよいし、あるいは試料管14を設置する前
にディスポーサブルな連結手段22を装置本体12に配
置・固定してもよい。しかしながら、本発明の簡易測定
装置10は、多数の試料あるいは多数の分析を連続的に
処理する場合の簡便性を確保することも目的の一つであ
り、装置内部の清掃等の手間や流路汚染等を考慮すると
装置本体12に直接液体試料が接触するのは好ましくな
い。また、後述するが、試料管14および分析チップ1
6は基本的に使い捨て(ディスポーザブル)である。従
って、この点および試料管14からの液体試料の漏洩防
止を考慮すると、連結手段22は分析チップ16に配置
・固定され、試料管14と分析チップ16とを直接接続
して分析チップ16に液体試料を導入する構成とし、こ
れ以外の外部には液体試料が接触しないように構成する
のが好ましい。
【0022】分析部24は、連結手段22によって導入
された液体試料中の被測定物質量に応じた信号を出力す
る部分であり、図示例においては、連結手段22の液体
試料の流れ方向の下流に位置する。ここで、本発明の簡
易測定装置10においては、試料溶液中の被測定物質量
に応じた信号の発生(出力)方法、すなわち、発明にお
ける被測定物質量の測定方法には特に限定はなく、公知
の分析法がいずれも利用可能である。中でも特に、信号
として電流、電位、電導度、電気容量などの電気信号を
発生する分析法は、簡易測定装置の構成および分析手順
を簡略化でき、小型でポータブルな測定装置を実現する
場合に特に好適である。液体試料中の被測定物質量ある
いは濃度に応じた電気信号を出力する分析法としては、
酵素センサ、免疫センサ、核酸センサ、微生物センサ、
バイオセンサ、イオンセンサ、化学センサ、半導体セン
サ、FETセンサ、ガスセンサなどとして知られている
各種のセンサを用いた測定が可能である(A.P.P.Turne
r, I.Karube and G.S.Wilson, Biosensors 〜 Fundamen
tals and Applications, 1987; Electrochemical Senso
rs in Immunological Analysis, 1987; E.A.H.Hall, Bi
osensors, 1990; R.P.Buck, W.E.Hatfield, M.Umana,
E.F.Bowden, Biosensor Technology〜 Fundamentals an
d Applications)。また、これらのセンサは一般に各種
の液体試料を直接分析でき、分析操作自体も簡便であ
る。さらに、試料管14内部の液体試料が導入管26を
通じて分析部24へ浸透すると、後述する装置本体12
の計測部68はこれらのセンサを通じて液体試料の到達
を感知できる。そのため、測定装置自体が分析開始のタ
イミングを正確に検出でき、測定者が試料管14と分析
チップ16とを測定装置に装着するだけで、液体試料中
の被測定物質量に応じた精度の高い信号出力を得ること
ができる。
【0023】好ましくは被測定物質が関与する特異的な
反応を利用する測定方法であり、特異的な反応として
は、化学反応あるいは特異結合反応を利用する測定方法
が挙げられる。化学反応としては、特に特異性および反
応性を高めるために酵素などの生体触媒分子や生体機能
分子を利用した酵素センサ測定等が挙げられる。特異結
合反応としては、機能性薄膜やキレート剤などの配位化
合物に対する被測定化合物の特異的吸着反応あるいは特
異的結合反応が利用できるが、特に特異性、結合力、汎
用性を高めるために抗体、受容体、核酸などの生体機能
分子を利用した免疫測定、核酸ハイブリダイゼーション
測定、リガンド−リセプター測定等が挙げられ、特に好
ましい測定方法として汎用性等の点で免疫測定法が挙げ
られる。被測定物質の特異的な反応を利用して、反応に
よる被測定物質量に応じた変化を検出する方法として
は、反応によって電導度変化を生じる場合には電導度
を、反応によって電位差を生じる場合には電位差を、反
応が電子移動を伴う電気化学的反応である場合には電流
等を、それぞれ計測すればよく、分析部24は、これら
の電気信号を出力する。酵素と電子メディエータから構
成される酵素電極は、被測定物質が関与する酵素反応を
電極で電流として計測できる好ましい例であり、前記し
た文献資料中にも多数の例示がある。また、特異結合反
応を利用した電流測定方法としては、本出願人による特
開平5−264552号公報、特願平6−338626
号、同7−162297号の各明細書等に詳述される方
法が好ましく利用される。
【0024】以下、特開平5−264552号公報など
に開示される、MEDIA法(Mediator Diffusion-con
trolled Immunoassay)として知られている電気化学的酵
素免疫測定法を利用した分析部24を一例として例示す
る。図3(a)に分析部24の概略分解斜視図が、図3
(b)に分析部24の概略側面図が、それぞれ示され
る。この分析部24によれば、液体試料として血液を使
用し、血中エストラジオール(E2)量を定量できるた
め、卵胞成熟度診断などに用いられる。
【0025】図示例の分析部24において、最下層に
は、過酸化水素および尿素の混合液を含浸させて凍結乾
燥した円形セルロース濾紙が吸収部32として設置され
る。吸収部32の図中上面(以下、この面を表面、逆面
を裏面とする)の中央には、円形の液体不透過性シール
がシール部32aとして貼られている。吸収部32の上
には、円形の多孔質であるエストラジオール不溶化メン
ブレン34が中心を合わせて重ねられている。
【0026】エストラジオール不溶化メンブレン34の
上には、電極基板36が重ねられる。電極基板36は、
PETフィルムの表面および裏面にそれぞれ中心を一致
して形成されるリング状銀電極およびリング状カーボン
電極をスクリーン印刷してなるものであり、表面にリン
グ状銀電極(対極38)が、同裏面にリング状カーボン
電極(作用極40)が、それぞれ形成されている。さら
に、対極38に導通して対極端子38aが、作用極40
に導通して作用極端子40aがそれぞれ形成されてい
る。リング状電極部(38および40)と端子(38a
および40a)以外の導通部は、レジストインクで被覆
されており(図示省略)表面に露出していない。また、
電極基板36は、両電極の中央を貫いている貫通孔42
を有している。なお、図1および図2に示されるよう
に、分析チップ16は、電極基板36の端子側の端部
が、チップ本体20から突出するように構成される。貫
通孔42の中心をエストラジオール不溶化メンブレン3
4の中心に一致させて、電極基板36が積層される。
【0027】電極基板36の上には、界面活性剤処理し
緩衝剤成分を含浸して凍結乾燥した円形のガラス繊維濾
紙44が、その中心が貫通孔42の中心に合うように積
層される。ガラス繊維濾紙44の表面中央には、円形の
液体不透過性シールがシール部44aとして貼られてい
る。ガラス繊維濾紙44の上には、パーオキシダーゼ酵
素標識エストラジオール抗体と電子メディエータ(N,
N,N′,N′−テトラキス−(2′−ヒドロキシエチ
ル)−p−フェニレンジアミン=THEPD)との混合
溶液を、円形ガラス繊維濾紙に含浸させ凍結乾燥した酵
素標識抗体含浸部46が、中心を下層と合わせて重ねら
れる。さらに、必要に応じて、酵素標識抗体含浸部46
の上に、円形に切断した不織布を、不純物を除去するた
めのフィルタ部として重ねてもよい。
【0028】液体試料は、導入管26によって試料管1
4から酵素標識抗体含浸部46に導入される。なお、酵
素標識抗体含浸部46の上にフィルタ部を有する場合に
は、液体試料はフィルタ部に導入されて、ここで凝集物
等の異物を除去され、酵素標識抗体含浸部46に導入さ
れる。酵素標識抗体含浸部46に導入された液体試料
は、酵素標識抗体含浸部46の酵素標識抗体および電子
メディエータを溶解し、シール44aを迂回してガラス
繊維濾紙44を中心部の方向へ流れる。この間に液体試
料中のエストラジオール抗原はこの酵素標識抗体と結合
反応して、抗原−酵素標識抗体複合体を形成する。ま
た、血球成分等は、ガラス繊維濾紙44および酵素標識
抗体含浸部46内で捕捉される。液体試料はさらに、電
極基板36の貫通孔42を通過し、エストラジオール不
溶化メンブレン34に入り、下面にあるシール部32a
を迂回してエストラジオール不溶化メンブレン34内を
中心から周辺部へと放射状に浸潤して吸収部32内へ吸
収され、吸収部32内の十分量の酵素基質(過酸化水
素)を溶解する。
【0029】液体試料中の抗原エストラジオールとの複
合体を形成しなかった遊離の酵素標識構体は、液体試料
がエストラジオール不溶化メンブレン34内を放射状に
浸潤する際に不溶化エストラジオールと複合体(不溶化
抗原−標識抗体の複合体)を形成しうる。そのため、エ
ストラジオール不溶化メンブレン34内には、抗原量に
応じて、標識酵素の結合分布が形成されている。すなわ
ち、液体試料中の抗原量が少なければ少ない程、標識酵
素は円形のエストラジオール不溶化メンブレン34の中
心部に局在化する傾向を示す。逆に、液体試料中の抗原
量が多ければ多い程、標識酵素はエストラジオール不溶
化メンブレン34全体に散らばる。
【0030】このMEDIA法を利用した分析部24に
おいては、エストラジオール不溶化メンブレン34の中
心部に接したリング状の作用極40とエストラジオール
不溶化メンブレン34に分布している標識酵素との間を
電子メディエータが媒介して、標識酵素の酸化還元反応
を電流値として計測する。前述の例では、電子メディエ
ータであるTHEPDが、標識酵素であるパーオキシダ
ーゼの過酸化水素基質に対する反応と作用極40での電
極反応とを循環的に媒介し、電極反応によって作用極4
0上に生じる電子メディエータの還元電流を計測する。
この還元電流は、電子メディエータの拡散による物質移
動に依存しているため、酵素分子と作用極40間の距離
に大きく依存する。それゆえ、検体中の抗原量が少なく
てエストラジオール不溶化メンブレン34の中心部に局
在化した標識酵素分子が多いほど電流値は大きくなる。
逆に、検体中の抗原量が多くてエストラジオール不溶化
メンブレン34全体に標識酵素分子が散在すると電流値
は小さくなる。従って、あらかじめ標準濃度の抗原を含
む液体試料の分析によって決定された抗原濃度算出式を
用いて、電気信号である電流値から液体試料中の抗原濃
度を演算できる。
【0031】ここでは、分析部24に関して電気化学的
反応の利用を例示したが、検体中の被測定物質量に応じ
た信号を発生(出力)することのできる方法あるいは手
段であれば、本発明の簡易測定装置の分析方法として利
用可能であるのは前述のとおりである。
【0032】前述のように、このような分析チップ16
は、PETフィルムなどの高分子シート積層体、あるい
はその打ち抜き品として形成することができる。前述し
たMEDIA法免疫分析チップに基いて、図4に、その
一例を示す。
【0033】図4に示される分析チップ16Aは、基本
的に、前記分析部24に加え、四角系でほぼ同形状を有
する7枚のシート(板状材)を積層することにより、前
述の分析チップ16と同機能を有する分析チップを形成
したものである。図4に示されるように、分析チップ1
6Aの最下層には四角形の基板48が配置され、その上
には、基板48と同形で中央部に吸収部32等と同形状
の貫通孔50aが形成された第1保持部材50が積層さ
れる。分析部24の吸収部32およびエストラジオール
不溶化メンブレン34は、貫通孔50aに挿入されて保
持される。この第1保持部材50の上には、前述の電極
基板36が積層され、その上には、前記第1保持部材5
0と同様の形状を有する第2保持部材52が積層され
る。前述のガラス繊維濾紙44および酵素標識抗体含浸
部46は、第2保持部材52の貫通孔52aに挿入さ
れ、前述の分析部24が構成される。
【0034】第2保持部材52の上には、基板48とほ
ぼ同形で、かつ図中左方(分析チップ挿入方向)にテー
パ状の鋭利な先端を有する凸部54bが形成された第1
板状部材54が積層される。また、この第1板状部材5
4には、その中心に酵素標識抗体含浸部46と連通する
ための貫通孔54aが形成される。第1板状部材54の
上には、これと同様の外観形状を有する導入板56が積
層され、この導入板56の上には、貫通孔54aを有さ
ない以外は第1板状部材54と同形状の第2板状部材5
8が積層される。導入板56には、導入板56を上下に
貫通して凸部56bの先端から第1板状部材54の貫通
孔54aに対応する位置まで延在する導入溝56cが形
成されている。すなわち、図示例の分析チップ16Aに
おいては、導入板56を上下の板状部材で挟むことによ
り、キャピラリ状の導入管26を形成しており、液体試
料は導入溝56cを流れて貫通孔54aから分析部24
(酵素標識抗体含浸部46)に導入される。
【0035】第2板状部材58の上には、これと同様の
外観形状のエア抜き板60が積層され、エア抜き板60
の上には、中央に四角形の打抜部62aを有する以外は
第2板状部材58と同様の第3板状部材62が積層され
る。さらに、第3板状部材62の上には、若干の厚みが
あり打ち抜き部62aと同形状の空間64aを有するス
ペーサ64が積層され、その上すなわち分析チップ16
Aの最上層には、基板48と同形状の上部カバー66が
積層され、分析チップ16Aが形成される。このエア抜
き板60には、エア抜き板60を上下に貫通して凸部6
0bの先端から前記空間64a(打抜部62a)に対応
する位置まで延在するエア抜き溝60cが形成され、さ
らに、右方端部には、空間64aに対応する位置から外
部に開放する溝60dがエア抜き板60を上下に貫通し
て形成される。すなわち、図示例の分析チップ16Aで
は、空間64aに至る溝60bを有するエア抜き板60
を第2板状部材58および第3板状部材62で挟持する
ことによりエア抜き管28を形成し、さらに、空間64
aを有するスペーサ64ならびに打抜部62aを有する
第3板状部材62を、エア抜き板60および上部カバー
66で挟持することにより、通気口30を形成し、溝6
0dによって外部に開放する。
【0036】このような分析チップ16Aを形成する板
状材の材料には特に限定はなく、剛性を十分に確保、特
に導入管26やエア抜き管28を形成する凸部が試料管
14の蓋体19を容易に穿孔できる剛性が確保でき、測
定に影響を与えることがない材料が各種利用可能である
が、例えば、前述のPET等の各種の樹脂材料、ステン
レス等の金属材料等が例示される。
【0037】このような試料管14および分析チップ1
6は、共に装置本体12に装着可能にされる。図示例に
おいて、装置本体12の側面(図1中左側)には試料管
14を装着するための前述の試料管挿入口12aが形成
され、その対面には、分析チップ16を装着するためチ
ップ挿入部12bが形成される。さらに、この装置本体
12には、分析チップ16から出力された電気信号を計
測・処理する計測部68、計測部68からの出力信号を
演算して測定結果とする演算部70、測定結果を表示す
る表示パネル72、および装置本体12に装着された分
析チップ16を排出するためのイジェクト機構74が配
置される。
【0038】試料管挿入口12aは、試料管14とほぼ
同じ直径を有し、装置本体12の図中左側面上方から斜
め下方に向かってチップ挿入部12bに至る円柱状の貫
通孔であり、前述のように、試料管14は、この試料管
挿入口12aから挿入・取り外しされることにより、装
置本体12に着脱可能にされる。また、試料管14の外
周面には突起14aが形成され、試料管挿入口12aの
内壁面にはこれに対応する溝12cが形成されており、
試料管14を挿入した際に、溝12cの試料管14挿入
方向端部と突起14aとが当接することにより、試料管
14の挿入が規制され、所定の挿入位置に保持、固定さ
れる。なお、本発明においては、必要に応じて、試料管
14と、試料管挿入口12aとに、互いに係合するリブ
と凹溝とを形成し、あるいは、試料管14と、試料管挿
入口12aとを互いに緩く嵌合するサイズ(径)とする
ことにより、試料管14が装置本体12に装着された際
に、試料管14を確実に保持できる構成としてもよい。
【0039】一方、チップ挿入部12bは、分析チップ
16が挿入可能な開口で、図2に示されるように、連結
部22が試料管14内に挿入可能な位置に分析チップ1
6を収容し、これを保持する。なお、必要に応じて、チ
ップ挿入部12bと分析チップ16とに互いに係合する
突起(図1中符号y)と凹部(図1中符号x)とを形成
する方法等の公知の方法によって、装置本体12への分
析チップ16の装着をより確実なものとしてもよい。ま
た、突起yは、他の部材の押圧によりチップ挿入部12
b壁内に収納可能に構成してもよい。ここで、チップ挿
入部12bの分析チップ16挿入方向の終端には、電極
基板36の分析チップ16から突出する部分が挿入され
る溝12dが形成される。すなわち、分析チップ16の
対極端子38aおよび作用極端子40aは、この溝12
dに挿入され、それぞれ、公知の手段で計測部68に電
気的に接続される。
【0040】図示例の装置は、好ましい態様として、装
置本体12(チップ挿入部12b)に装着された分析チ
ップ16を排出するためのイジェクト機構74を有す
る。イジェクト機構74には特に限定はなく、カム機構
やリンク機構などを用いた機械的な押動手段等、公知の
ものが全て利用可能である。また、装置本体12に装着
された分析チップ16を、スプリング等で排出方向に付
勢し、これをフック等で押さえて(ロックして)分析チ
ップ16を装置本体12に装着する構成とし、このフッ
ク等によるロックを解除することにより、分析チップ1
6を排出する構成としてもよい。
【0041】前述のように、分析チップ16の電極基板
36の端子部が溝12dに挿入されることにより、対極
端子38aおよび作用極端子40aが計測部68に電気
的に接続される。計測部68はこの電極基板端子部の溝
12dへの挿入を検知して、測定可能状態となる。計測
部68は、必要に応じて対極端子38aと作用局端子7
4aとの間に電位を印加し、さらに分析チップ16(対
極端子38aおよび作用極端子40a)から出力された
電気信号を計測し、A/D変換等の必要な処理を行っ
て、演算部70に出力する。演算部70では、タイマー
あるいはカウンタを有しており、液体試料の作用極40
への到達を検知してから所定時間後に計測部68からの
出力信号を演算して、測定結果とし、この測定結果は、
表示パネル72に表示される。なお、本発明の簡易測定
装置10において、表示パネル72に表示される測定結
果は、測定値をそのまま表示するものであってもよく、
陽性もしくは陰性、正常もしくは異常等の簡単なメッセ
ージを表示するものであってもよく、あるいはその両者
を表示するものであってもよい。さらに、これらのメッ
セージとしては、国際公開番号WO95/16970号
明細書に示されるような、測定者に指示を与えるメッセ
ージあるいはコマンドであってもよい。また、表示パネ
ル72としては、液晶表示、LEDを用いた表示等、公
知のディスプレイが全て利用可能である。
【0042】本発明にかかる簡易測定装置10は、基本
的にこのような構成を有するものであるが、以下、その
作用について説明する。図示例の簡易測定装置10にお
いては、まず、図1〜図2(b)に示されるように、試
験管挿入口12aに試料管14を挿入し、装置本体12
に試料管14を装着する。この時、試料管14が水平面
から少し角度を持って装着されるように、試験管挿入口
12aには前述のように傾斜が付けられている。これに
より、試料管14内の液体試料を無駄なく分析できる。
次いで、図2(c)に示されるように、装置本体12の
チップ挿入部12bに分析チップ16を挿入し、装着す
る。これにより、連結手段22(導入管26およびエア
抜き管28)が試料管14の蓋体19を貫通して内部に
到り、導入管26から液体試料が分析部24に流入す
る。同時に、分析チップ16の対極端子38aおよび作
用極端子40aが溝12dに挿入され、計測部68に電
気的に接続される。液体試料が分析部24に流入する
と、先に図3を参照して説明したように、液体試料中の
被測定物質量に応じた電気信号が対極端子38aおよび
作用極端子40aから計測部68に出力され、計測結果
が演算部70に出力されて測定結果が演算され、表示パ
ネル72に出力される。このようにして測定が終了した
ら、イジェクト機構74によって分析チップ16を装置
本体12から排出し、試料管14を装置本体12から引
き抜いて取り外す。試料管14は、別の検査に供され、
あるいは廃棄される。他方、分析チップ16は廃棄され
る。なお、同一の試料に対して連続して別の分析を行う
場合には、試料管14を装置本体12に装着したまま、
次ぎの測定に対応する分析チップを装着して測定を行え
ばよい。
【0043】本発明の簡易測定装置は、以上説明した構
成例以外にも、各種の構成が可能である。以下にその一
例を例示する。なお、以下に示される例は、試料管14
や分析チップ16の装着方法や、各部材の配置位置等が
異なる以外は、基本的に前述の簡易測定装置10と同様
の構成を有するので、同じ部材には同じ符号を付し、以
下の説明は異なる部分を主に行う。
【0044】図5および図6に示される簡易測定装置7
6は、装置本体78の上方から試料管14を装着する構
成を有するものであって、従って、円柱状の試料管挿入
口78aが装置本体78の上面を貫通して形成されてい
る。また、分析チップ80のチップ本体82の上部中心
にも、試料管挿入口78aに対応する保持孔80aが形
成され、連結手段22はこの保持孔80aの中心で上方
に向かって突出して形成されている。
【0045】この簡易測定装置76においては、先ず、
図5〜図6(b)に示されるように、分析チップ80を
装置本体78のチップ挿入部78aに装着する。また、
これにより、分析チップ80の電極基板60がチップ挿
入部78aの溝78dに挿入され、両者が電気的に接続
される。次いで、図6(b)〜(c)に示されるよう
に、試料管14を蓋体19を下方にして、試料管挿入口
78aから保持孔80aに挿入して装着し、これによ
り、連結手段22が試料管14内に挿入され、先と同様
にして測定が行われる。
【0046】他方、図7および図8に示される簡易測定
装置84は、装置本体86をヒンジ状に開閉可能に構成
したものである。この構成を有する簡易測定装置84に
おいては、先ず図7(a)〜(b)に示されるように、
装置本体86の試料管挿入口86aに試料管14を固定
する。ここで、この態様においては、試料管14は比較
的強固に試料管挿入口86aに保持される。次いで、図
7(b)〜図8(c)に示されるように、分析チップ8
8の保護キャップ90を取り外し、装置本体86を開放
して、分析チップ88をチップ挿入部86cに収納し、
次いで、図8(d)に示されるように、装置本体86を
閉塞する。これにより、連結手段22が試料管14内に
挿入され、先と同様にして測定が行われる。なお、分析
チップ88を上方から装着する本例においては、電極基
板60は分析チップ88から突出せず、対極端子38a
および作用極端子40aは分析チップ88の側面に露出
する構成となっており、挿入部86bの内側面に配置さ
れる端子と両端子とが電気的に接触することにより、計
測部68と対極端子38aおよび作用極端子40aとが
電気的に接続される。
【0047】以上説明した本発明にかかる簡易測定装置
は、分析チップへの液体試料の流入を毛細管現象によっ
て行っているが、本発明はこの構成に限定されず、ポン
プなどを利用した吸引や押出等の手段や、重力等を利用
して分析チップへの液体試料の流入を行ってもよい。
【0048】以上の例では、分析部24に関して電気化
学的反応の利用を例示したが、検体中の被測定物質量に
応じた信号を発生(出力)することのできる方法あるい
は手段であれば、本発明の簡易測定装置の分析方法とし
て利用可能であるのは前述のとおりである。信号が呈
色、蛍光、発光などの場合には、装置本体12の計測部
68は光電増倍管、フォトダイオード、発光ダイオー
ド、半導体レーザなどから構成される公知の色差計、光
度計が使用される。
【0049】以上、本発明の簡易測定装置について説明
したが、本発明はこれに限定はされず、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行っ
てもよいのはもちろんである。
【0050】例えば、前述の簡易測定装置を複数検体の
同時測定が可能な装置に拡張あるいは改良することも容
易にできる。複数検体用の簡易測定装置では、前述の簡
易測定装置と同様の構成を有する試料挿入口とそれに対
応するチップ挿入部を複数備えており、それぞれ、独立
してあるいは連動して分析が行える。このような複数検
体同時測定用装置では、計測部、演算部あるいは表示パ
ネルなどを統合することにより測定装置の構成を簡略化
しても良いし、複数の試料挿入口とそれに対応するチッ
プ挿入部をカルーセル上に円形に配置して操作性などを
向上させてもよい。あるいは、前述の単数検体用の測定
装置を外部コンピュータから複数制御可能に構成しても
よい。この場合には、コンピュータの処理能力が許す限
り、測定者は測定状況や測定規模に応じて自在に測定装
置を拡張接続し測定結果をコンピュータに取り込んでデ
ータ処理ができるため効率よい臨床検査業務が可能とな
る。いずれにしても、単数検体用の測定装置の例で述べ
たように、分析チップおよび試料管を測定装置に装着し
た時に自動的に液体試料が分析部に導入され、その液体
試料の導入を自動的に検出して測定が開始され、自動的
に測定結果が演算処理されるため、複数検体用の場合で
も非常に独立性の高い測定システムとなる。すなわち、
測定すべき検体が発生した時に、測定装置上の空いてい
る試料管挿入口に試料管を装着し、測定すべき項目に対
応した分析チップを装着すれば、自動的に測定結果が得
られる。従って、本発明の簡易測定装置は、試料管から
反応容器へ液体試料を分注し、反応容器を試薬液分注工
程、インキュベーション工程、洗浄工程、測定工程など
から成る反応ラインおよび移送手段で処理して測定する
タイプの従来の全自動分析装置などで複雑な処理あるい
は手続きを要した複数検体多項目ランダムアクセス機能
や割り込み測定を、極めて簡単な小型の装置として提供
できる。
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、上記構成
を有する本発明の簡易測定装置によれば、分析チップと
試料管とを装置本体に装着するだけの簡易な操作で測定
を行うことができ、しかも、分析チップは基本的に使い
捨てであるのでメンテナンス等をほとんど不要とでき、
血液や尿などを試料とする免疫測定等の医療用測定を、
簡単な操作で迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a−I)は本発明の簡易測定装置の一例の概
略平面図、(a−II)は同II−II線概略断面図である。
【図2】(b)および(c)は、図1に示される簡易測
定装置の操作を説明するための概略断面図である。
【図3】(a)は図1に示される簡易測定装置の分析部
の概略分解斜視図、(b)は同分析部の側面図である。
【図4】図1に示される簡易測定装置に用いられる分析
チップの別の例の概略分解斜視図である。
【図5】(a−I)は本発明の簡易測定装置の別の例の
概略平面図、(a−II)は同II−II線概略断面図であ
る。
【図6】(b)および(c)は、図5に示される簡易測
定装置の操作を説明するための概略断面図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の簡易測定装置
の別の例を示す概略断面図である。
【図8】(c)および(d)は、図7に示される簡易測
定装置のの操作を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
10,76,84 簡易測定装置 12,78,86 装置本体 12a,78a,86a 試料管挿入口 12b,78b,86b チップ挿入部 14 試料管 16,80,88 分析チップ 18 試料管本体 19 蓋体 20,82 チップ本体 22 連結手段 24 分析部 26 導入管 28 エア抜き管 30 通気孔 32 吸収部 34 エストラジオール不溶化メンブレン 36 電極基板 38 対極 40 作用極 42 貫通孔 44 ガラス繊維濾紙 46 酵素標識含浸部 48 基板 50 第1保持部材 52 第2保持部材 54 第1板状部材 56 導入板 58 第2板状部材 60 エア抜き板 62 第3板状部材 64 スペーサ 66 上部カバー 68 計測部 70 演算部 72 表示パネル 74 イジェクト機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体試料を収容する試料管と、 前記試料管に収容された液体試料中の被測定物質量に応
    じた信号を出力する分析チップと、 前記分析チップから出力された信号から、前記液体試料
    中の被測定物質量を演算し、測定結果を出力あるいは表
    示する、前記試料管および分析チップが着脱できる装置
    本体と、 前記試料管および分析チップが装置本体に装着された際
    に、前記試料管の液体試料を収容する内部と分析チップ
    とを連通する連結手段とを有することを特徴とする簡易
    測定装置。
  2. 【請求項2】前記試料管が減圧採取管である請求項1に
    記載の簡易測定装置。
  3. 【請求項3】前記試料管が、鋭利な先端を有する部材が
    容易に貫通することができ、かつこの部材を抜いた際に
    は形成された孔が閉塞される弾性体から形成される蓋体
    を有し、 かつ前記連結手段が、前記分析チップに固定される鋭利
    な先端を有するキャピラリ部である請求項1または2に
    記載の簡易測定装置。
  4. 【請求項4】前記分析チップが出力する信号が電気信号
    である請求項1〜3のいずれかに記載の簡易測定装置。
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