JPH10132059A - 建設機械の旋回装置 - Google Patents
建設機械の旋回装置Info
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- JPH10132059A JPH10132059A JP30349796A JP30349796A JPH10132059A JP H10132059 A JPH10132059 A JP H10132059A JP 30349796 A JP30349796 A JP 30349796A JP 30349796 A JP30349796 A JP 30349796A JP H10132059 A JPH10132059 A JP H10132059A
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- Japan
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- inner ring
- holes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 旋回輪を構成する内輪のリム厚を薄くして、
しかも内歯の損傷、特に内歯の歯元部分における亀裂の
発生等を抑制して、その長寿命化を図る。 【構成】 旋回輪30の内輪33の内周面に内歯34が
形成されており、内輪33側に穿孔部36が所定のピッ
チ間隔をもって穿設されている。穿孔部36は、ピッチ
間隔が一定で、各穿孔部36は内歯34に対して、その
歯底を通る半径方向における延長線L上の位置に穿設さ
れており、これらのうち、所要の数の穿孔部36はボル
ト挿通孔として兼用され、残りの穿孔部36はボルトを
挿通しない応力低減用の穿孔部である。内歯34の1個
置きに穿孔部36を設けて、これら各穿孔部36のう
ち、穿孔部36Aと穿孔部36Bとが交互に配列され、
穿孔部36A及び穿孔部36Bはそれぞれ内歯34の数
の1/4の数が設けられる。
しかも内歯の損傷、特に内歯の歯元部分における亀裂の
発生等を抑制して、その長寿命化を図る。 【構成】 旋回輪30の内輪33の内周面に内歯34が
形成されており、内輪33側に穿孔部36が所定のピッ
チ間隔をもって穿設されている。穿孔部36は、ピッチ
間隔が一定で、各穿孔部36は内歯34に対して、その
歯底を通る半径方向における延長線L上の位置に穿設さ
れており、これらのうち、所要の数の穿孔部36はボル
ト挿通孔として兼用され、残りの穿孔部36はボルトを
挿通しない応力低減用の穿孔部である。内歯34の1個
置きに穿孔部36を設けて、これら各穿孔部36のう
ち、穿孔部36Aと穿孔部36Bとが交互に配列され、
穿孔部36A及び穿孔部36Bはそれぞれ内歯34の数
の1/4の数が設けられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
建設機械において、下部走行体に対して上部旋回体を旋
回可能に連結する旋回装置に関するものである。
建設機械において、下部走行体に対して上部旋回体を旋
回可能に連結する旋回装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械の一例としての油圧ショベル
は、図7に示したように、無限走行軌条を構成する左右
一対の走行体1を下部フレーム2(図8参照)に装着し
た下部走行体3と、上部旋回体4とから車両の本体部分
が構成され、上部旋回体4には、オペレータが搭乗する
運転室5が設置されると共に、ブーム6a,アーム6b
及びフロントアタッチメントとしてのバケット6b等か
らなるフロント作業機構6が装着され、またエンジンや
油圧ポンプ等の機器類を内蔵した機械室7が設けられ
る。
は、図7に示したように、無限走行軌条を構成する左右
一対の走行体1を下部フレーム2(図8参照)に装着し
た下部走行体3と、上部旋回体4とから車両の本体部分
が構成され、上部旋回体4には、オペレータが搭乗する
運転室5が設置されると共に、ブーム6a,アーム6b
及びフロントアタッチメントとしてのバケット6b等か
らなるフロント作業機構6が装着され、またエンジンや
油圧ポンプ等の機器類を内蔵した機械室7が設けられ
る。
【0003】上部旋回体4は、下部走行体3に対して旋
回可能に連結されるものであり、この上部旋回体4の上
部フレーム8と下部走行体3の下部フレーム2とは旋回
装置9を介して連結されている。旋回装置9は、図8及
び図9に示したように、内輪10と外輪11とを有し、
内輪10と外輪11とは旋回軸受12を介して相対回転
自在に連結することによって、旋回輪13を構成してい
る。この旋回輪13のうち、内輪10は下部走行体3の
下部フレーム2に固定され、また外輪11は上部旋回体
4の上部フレーム8に固定されている。
回可能に連結されるものであり、この上部旋回体4の上
部フレーム8と下部走行体3の下部フレーム2とは旋回
装置9を介して連結されている。旋回装置9は、図8及
び図9に示したように、内輪10と外輪11とを有し、
内輪10と外輪11とは旋回軸受12を介して相対回転
自在に連結することによって、旋回輪13を構成してい
る。この旋回輪13のうち、内輪10は下部走行体3の
下部フレーム2に固定され、また外輪11は上部旋回体
4の上部フレーム8に固定されている。
【0004】内輪10の内周面には内歯14が形成され
ており、この内歯14には上部旋回体4に設置されてい
る旋回モータ15の出力軸に設けた旋回ピニオン16が
噛合している。従って、旋回ピニオン16を回転させる
と、この旋回ピニオン16が内輪10の内歯14に沿っ
て転動することになる結果、上部旋回体4が下部走行体
2に対して旋回することになる。従って、フロント作業
機構6で土砂を掘削して、掘削した土砂をダンプトラッ
クに積載する等の作業を行うことができる。
ており、この内歯14には上部旋回体4に設置されてい
る旋回モータ15の出力軸に設けた旋回ピニオン16が
噛合している。従って、旋回ピニオン16を回転させる
と、この旋回ピニオン16が内輪10の内歯14に沿っ
て転動することになる結果、上部旋回体4が下部走行体
2に対して旋回することになる。従って、フロント作業
機構6で土砂を掘削して、掘削した土砂をダンプトラッ
クに積載する等の作業を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した内
輪10の下部フレーム2への固定及び外輪11の上部フ
レーム8への固定はボルト17を用いて行われる。この
ために、内輪10及び外輪11には、それぞれボルト挿
通孔18,19が穿設されている。上部旋回体4に連結
される外輪11のボルト挿通孔19は、通常は等ピッチ
間隔で設けられるが、上部旋回体4には最も大きな荷重
が作用するのはフロント作業機構6を連結した部位であ
ることから、ボルト挿通孔19のピッチ間隔は、フロン
ト作業機構6側の部位のピッチ間隔を密にする場合もあ
る。これに対して、下部走行体3側では、最大荷重が作
用する部位が特定されないことから、内輪10にはボル
ト挿通孔18は実質的に均等なピッチ間隔に設け、各ボ
ルト挿通孔18を介して下部走行体3の下部フレーム2
に止着する。
輪10の下部フレーム2への固定及び外輪11の上部フ
レーム8への固定はボルト17を用いて行われる。この
ために、内輪10及び外輪11には、それぞれボルト挿
通孔18,19が穿設されている。上部旋回体4に連結
される外輪11のボルト挿通孔19は、通常は等ピッチ
間隔で設けられるが、上部旋回体4には最も大きな荷重
が作用するのはフロント作業機構6を連結した部位であ
ることから、ボルト挿通孔19のピッチ間隔は、フロン
ト作業機構6側の部位のピッチ間隔を密にする場合もあ
る。これに対して、下部走行体3側では、最大荷重が作
用する部位が特定されないことから、内輪10にはボル
ト挿通孔18は実質的に均等なピッチ間隔に設け、各ボ
ルト挿通孔18を介して下部走行体3の下部フレーム2
に止着する。
【0006】ここで、内輪10に設けられるボルト挿通
孔18の数は、内輪10の下部フレーム2への連結強度
に基づいて設定されるものである。これに対して、内輪
10に形成される内歯14の数は、旋回の円滑性や旋回
力の伝達効率等の観点から設定される。従って、これら
ボルト挿通孔18の数及び位置と、内歯14の数及び位
置とは相互に無関係に設定されている。
孔18の数は、内輪10の下部フレーム2への連結強度
に基づいて設定されるものである。これに対して、内輪
10に形成される内歯14の数は、旋回の円滑性や旋回
力の伝達効率等の観点から設定される。従って、これら
ボルト挿通孔18の数及び位置と、内歯14の数及び位
置とは相互に無関係に設定されている。
【0007】内輪10には内歯14が設けられており、
この内歯14には旋回ピニオン16が噛合しているか
ら、旋回時には、内歯14に大きな荷重が作用する。内
輪10におけるリム厚及びリム幅が十分大きくなってお
れば、ボルト挿通孔18をどの位置にどの程度の数を穿
設しても、それが内歯14の強度に実質的な影響を与え
ることはない。しかしながら、近年においては、内輪1
0を構成する材料の節減及び重量の軽減を図るために、
内輪10のリム厚を薄くする傾向にある。しかも、前述
した掘削作業、その他油圧ショベル等の建設機械による
作業をより効率化するために、旋回力や掘削力を増強さ
せる傾向にある。以上のことから、内輪10、特に旋回
ピニオン16と噛合する内歯14に過大な応力が発生し
て、早期に内歯14が損傷する等、寿命の点で問題があ
る。とりわけ、内歯14の損傷事故が発生する頻度が最
も高いのは、内歯14における歯元位置に亀裂が入る点
である。
この内歯14には旋回ピニオン16が噛合しているか
ら、旋回時には、内歯14に大きな荷重が作用する。内
輪10におけるリム厚及びリム幅が十分大きくなってお
れば、ボルト挿通孔18をどの位置にどの程度の数を穿
設しても、それが内歯14の強度に実質的な影響を与え
ることはない。しかしながら、近年においては、内輪1
0を構成する材料の節減及び重量の軽減を図るために、
内輪10のリム厚を薄くする傾向にある。しかも、前述
した掘削作業、その他油圧ショベル等の建設機械による
作業をより効率化するために、旋回力や掘削力を増強さ
せる傾向にある。以上のことから、内輪10、特に旋回
ピニオン16と噛合する内歯14に過大な応力が発生し
て、早期に内歯14が損傷する等、寿命の点で問題があ
る。とりわけ、内歯14の損傷事故が発生する頻度が最
も高いのは、内歯14における歯元位置に亀裂が入る点
である。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、旋回輪を構成する内
輪のリム厚を薄くして、しかも内歯の損傷、特に内歯の
歯元部分における亀裂の発生等を抑制して、その長寿命
化を図ることにある。
あって、その目的とするところは、旋回輪を構成する内
輪のリム厚を薄くして、しかも内歯の損傷、特に内歯の
歯元部分における亀裂の発生等を抑制して、その長寿命
化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、内周面に内歯を形設した内輪と、こ
の内輪に対して相対回転自在に連結した外輪とから構成
され、これら内輪及び外輪を、それぞれ下部走行体及び
上部旋回体にボルトで固定するようにした建設機械の旋
回装置であって、その内輪に設けられるボルト挿通孔
を、その半径方向における内歯の歯底のほぼ延長線上の
位置に設ける構成としたことをその特徴とするものであ
る。
ために、本発明は、内周面に内歯を形設した内輪と、こ
の内輪に対して相対回転自在に連結した外輪とから構成
され、これら内輪及び外輪を、それぞれ下部走行体及び
上部旋回体にボルトで固定するようにした建設機械の旋
回装置であって、その内輪に設けられるボルト挿通孔
を、その半径方向における内歯の歯底のほぼ延長線上の
位置に設ける構成としたことをその特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。従来技術において説明した
ように、内輪のリム厚を薄くして、大きな負荷が作用す
る状態で旋回させると、内歯が早期に損傷するが、その
損傷箇所は内歯の歯元部分であり、しかも損傷度合いは
内輪に設けられる全ての内歯に対して均等なものではな
い。以上の点を考慮して、本発明者等は、従来技術によ
る歯元位置での亀裂の原因について研究を行った。その
結果、内歯の早期損傷箇所は、内歯と内輪を固定するた
めに設けられるボルト挿通孔の位置に密接な関係がある
ことを知見して、本発明を完成するに至った。
施の形態について説明する。従来技術において説明した
ように、内輪のリム厚を薄くして、大きな負荷が作用す
る状態で旋回させると、内歯が早期に損傷するが、その
損傷箇所は内歯の歯元部分であり、しかも損傷度合いは
内輪に設けられる全ての内歯に対して均等なものではな
い。以上の点を考慮して、本発明者等は、従来技術によ
る歯元位置での亀裂の原因について研究を行った。その
結果、内歯の早期損傷箇所は、内歯と内輪を固定するた
めに設けられるボルト挿通孔の位置に密接な関係がある
ことを知見して、本発明を完成するに至った。
【0011】而して、図3に内輪20の内歯21と旋回
ピニオン22との噛合部分を示す。旋回ピニオン22が
停止しており、内歯21と旋回ピニオン22との噛合部
に負荷が作用しない状態では、内輪20は仮想線で示し
た真円形状を保っている。そこで、旋回ピニオン22を
矢印A方向に回転させると、内輪20が駆動されて矢印
B方向に回転する。この時に、旋回ピニオン22の駆動
力が符号21aで示した内歯に作用して、矢印C方向に
押し出される方向に力が加わり、この内歯21aの旋回
ピニオン22への噛合側では引っ張り力が、それとは反
対側では圧縮力が加わる。このように内歯21aに作用
する力により内輪20はこの矢印C方向に突出するよう
に変形させる力を受ける。内輪20のリム厚が大きく、
内歯21aの全長が長いと、前述した引っ張り力及び圧
縮力を十分に受承できる。しかしながら、リム厚を薄く
すると、内歯21aに作用する引っ張り力及び圧縮力に
対する強度が低下することから、繰り返しこのような力
が作用することにより、やがては損傷に至る。特に、引
っ張り及び圧縮時における応力は内歯21aの歯元部分
が最も大きくなり、内歯の歯元部分に生じる亀裂は、そ
れに作用する引っ張り及び圧縮に対する応力集中の結果
である。
ピニオン22との噛合部分を示す。旋回ピニオン22が
停止しており、内歯21と旋回ピニオン22との噛合部
に負荷が作用しない状態では、内輪20は仮想線で示し
た真円形状を保っている。そこで、旋回ピニオン22を
矢印A方向に回転させると、内輪20が駆動されて矢印
B方向に回転する。この時に、旋回ピニオン22の駆動
力が符号21aで示した内歯に作用して、矢印C方向に
押し出される方向に力が加わり、この内歯21aの旋回
ピニオン22への噛合側では引っ張り力が、それとは反
対側では圧縮力が加わる。このように内歯21aに作用
する力により内輪20はこの矢印C方向に突出するよう
に変形させる力を受ける。内輪20のリム厚が大きく、
内歯21aの全長が長いと、前述した引っ張り力及び圧
縮力を十分に受承できる。しかしながら、リム厚を薄く
すると、内歯21aに作用する引っ張り力及び圧縮力に
対する強度が低下することから、繰り返しこのような力
が作用することにより、やがては損傷に至る。特に、引
っ張り及び圧縮時における応力は内歯21aの歯元部分
が最も大きくなり、内歯の歯元部分に生じる亀裂は、そ
れに作用する引っ張り及び圧縮に対する応力集中の結果
である。
【0012】以上のことから、内歯21aに作用する力
に対して強度を向上させる必要があるが、内輪20の材
質及び形状の関係からの制約がある。そこで、内歯21
における歯元部分に作用する応力を低減させると、その
耐久性を向上させることができる。内歯21に駆動力が
加わった時に、内歯21の近傍部位を変形させることに
より応力を吸収すれば、応力の低減が図られる。
に対して強度を向上させる必要があるが、内輪20の材
質及び形状の関係からの制約がある。そこで、内歯21
における歯元部分に作用する応力を低減させると、その
耐久性を向上させることができる。内歯21に駆動力が
加わった時に、内歯21の近傍部位を変形させることに
より応力を吸収すれば、応力の低減が図られる。
【0013】内輪20は下部走行体1の下部フレーム2
にボルトで固定される関係から、ボルト挿通孔23を設
けなければならない。そこで、このボルト挿通孔23を
応力低減用の穿孔部として利用することは可能である。
にボルトで固定される関係から、ボルト挿通孔23を設
けなければならない。そこで、このボルト挿通孔23を
応力低減用の穿孔部として利用することは可能である。
【0014】内輪20には、複数箇所においてボルト挿
通孔23が穿設されているが、このボルト挿通孔23の
位置によっては、内輪20における内歯21の歯元部分
における応力が変化する。そこで、図4乃至図6にボル
ト挿通孔23の位置による内歯21の歯元部分に作用す
る応力分布を示す。
通孔23が穿設されているが、このボルト挿通孔23の
位置によっては、内輪20における内歯21の歯元部分
における応力が変化する。そこで、図4乃至図6にボル
ト挿通孔23の位置による内歯21の歯元部分に作用す
る応力分布を示す。
【0015】図4には符号23Aで示したように、ボル
ト挿通孔が内歯21aの歯底から半径方向の延長線L上
に位置する状態が示され、また図5には内歯21aの近
傍にはボルト挿通孔23が設けられていない場合が示さ
れており、さらに図6においては、符号23Bで示した
ように、歯の中心での半径方向の延長線R上の位置にボ
ルト挿通孔が位置している。
ト挿通孔が内歯21aの歯底から半径方向の延長線L上
に位置する状態が示され、また図5には内歯21aの近
傍にはボルト挿通孔23が設けられていない場合が示さ
れており、さらに図6においては、符号23Bで示した
ように、歯の中心での半径方向の延長線R上の位置にボ
ルト挿通孔が位置している。
【0016】これらの図から明らかなように、旋回ピニ
オン22が内歯21aと噛合して、駆動力が作用してい
る状態では、図4にあるように、ボルト挿通孔23Aが
歯底に近い位置にあると、旋回ピニオン22による駆動
力が作用した時に、ボルト挿通孔23Aが変形すること
になり、このボルト挿通孔23Aの変形により応力の吸
収機能を発揮する。この結果、図示のような応力分布と
なり、内歯21aの歯元部分における応力は低減する。
一方、図5のように、ボルト挿通孔が存在しない部位で
は、内歯近傍の強度が高い分だけ、応力も低くなるが、
なお孔の変形による応力吸収がない分だけ、図4に示し
たものより僅かに高い応力分布を有する。また、図6に
おいては、ボルト挿通孔23Bの位置は内歯21aの歯
元部分から最も遠いものであるから、このボルト挿通孔
23Bによっては、応力を有効に吸収する機能は期待で
きず、しかも図5のようにボルト挿通孔そのものが存在
しない場合より強度が低い。この結果、内歯21aにお
いて、引っ張り側と圧縮側との中間位置にボルト挿通孔
23Bを設けることは、この穿孔部に向けて応力が集中
する強度上で最も不利な位置になる。従って、この応力
集中部に亀裂が発生することになる。なお、以上の応力
分布は内歯21aにおける引っ張り側について示した
が、圧縮側でもほぼ同様の応力分布を示す。
オン22が内歯21aと噛合して、駆動力が作用してい
る状態では、図4にあるように、ボルト挿通孔23Aが
歯底に近い位置にあると、旋回ピニオン22による駆動
力が作用した時に、ボルト挿通孔23Aが変形すること
になり、このボルト挿通孔23Aの変形により応力の吸
収機能を発揮する。この結果、図示のような応力分布と
なり、内歯21aの歯元部分における応力は低減する。
一方、図5のように、ボルト挿通孔が存在しない部位で
は、内歯近傍の強度が高い分だけ、応力も低くなるが、
なお孔の変形による応力吸収がない分だけ、図4に示し
たものより僅かに高い応力分布を有する。また、図6に
おいては、ボルト挿通孔23Bの位置は内歯21aの歯
元部分から最も遠いものであるから、このボルト挿通孔
23Bによっては、応力を有効に吸収する機能は期待で
きず、しかも図5のようにボルト挿通孔そのものが存在
しない場合より強度が低い。この結果、内歯21aにお
いて、引っ張り側と圧縮側との中間位置にボルト挿通孔
23Bを設けることは、この穿孔部に向けて応力が集中
する強度上で最も不利な位置になる。従って、この応力
集中部に亀裂が発生することになる。なお、以上の応力
分布は内歯21aにおける引っ張り側について示した
が、圧縮側でもほぼ同様の応力分布を示す。
【0017】以上の点から、本願発明においては、実質
的に全てのボルト挿通孔23を最も応力の低減が図られ
る部位、即ち図4に示した内歯21の歯底の半径方向の
延長線の位置乃至その近傍位置に穿設する。しかも、こ
の位置に穿孔部を設けると、全く穿孔部を設けない場合
より応力そのものの低減が図られることにあり、かえっ
て穿孔による応力低減効果が得られるから、ボルトを挿
通するために必要なボルト挿通孔をこの位置に設けるの
はもとより、ボルトを装着しない応力低減用の穿孔部を
設けることもできる。
的に全てのボルト挿通孔23を最も応力の低減が図られ
る部位、即ち図4に示した内歯21の歯底の半径方向の
延長線の位置乃至その近傍位置に穿設する。しかも、こ
の位置に穿孔部を設けると、全く穿孔部を設けない場合
より応力そのものの低減が図られることにあり、かえっ
て穿孔による応力低減効果が得られるから、ボルトを挿
通するために必要なボルト挿通孔をこの位置に設けるの
はもとより、ボルトを装着しない応力低減用の穿孔部を
設けることもできる。
【0018】要するに、少なくともボルト挿通孔23は
内歯21の歯底の半径方向の延長線の位置に設けるが、
内歯21のピッチ間隔に応じて、実質的に等ピッチ間隔
をもって、それぞれの内歯21の歯底近傍部分に穿孔
し、それらの全てまたはそのうちの所要数の穿孔部をボ
ルト挿通孔とする。そして、内輪20のリム厚を3m
(モジュール)以下とした時には、内歯21における歯
底に対して1〜3m(モジュール)の距離に穿孔部を形
成するのが、内歯21の強度が最も高くなる。
内歯21の歯底の半径方向の延長線の位置に設けるが、
内歯21のピッチ間隔に応じて、実質的に等ピッチ間隔
をもって、それぞれの内歯21の歯底近傍部分に穿孔
し、それらの全てまたはそのうちの所要数の穿孔部をボ
ルト挿通孔とする。そして、内輪20のリム厚を3m
(モジュール)以下とした時には、内歯21における歯
底に対して1〜3m(モジュール)の距離に穿孔部を形
成するのが、内歯21の強度が最も高くなる。
【0019】そこで、本発明の実施の形態についての具
体例を図面に基づいて説明する。而して、図1に旋回輪
の外観を示し、図2に内輪の平面の要部を拡大して示
す。
体例を図面に基づいて説明する。而して、図1に旋回輪
の外観を示し、図2に内輪の平面の要部を拡大して示
す。
【0020】図1から明らかなように、旋回輪30は、
外輪31と旋回軸受32を介して相対回転自在に連結し
た内輪33を有し、内輪33には、その内周面に内歯3
4が形成されており、この内歯34は旋回ピニオンと噛
合するものである。外輪31には、所定のピッチ間隔を
もってボルト挿通孔35が接続されている。一方、内輪
33側にも、穿孔部36が所定のピッチ間隔をもって穿
設されている。穿孔部36は、ピッチ間隔が一定である
だけでなく、各穿孔部36は内歯34と所定の位置関係
を持っている。即ち、各穿孔部36は、図2に示したよ
うに、内歯34の歯底を通る半径方向における延長線L
上の位置に穿設されている。さらに具体的に言えば、内
歯34の歯底の部分であって、内歯34の1個置きの位
置に穿孔部36が形成されている。
外輪31と旋回軸受32を介して相対回転自在に連結し
た内輪33を有し、内輪33には、その内周面に内歯3
4が形成されており、この内歯34は旋回ピニオンと噛
合するものである。外輪31には、所定のピッチ間隔を
もってボルト挿通孔35が接続されている。一方、内輪
33側にも、穿孔部36が所定のピッチ間隔をもって穿
設されている。穿孔部36は、ピッチ間隔が一定である
だけでなく、各穿孔部36は内歯34と所定の位置関係
を持っている。即ち、各穿孔部36は、図2に示したよ
うに、内歯34の歯底を通る半径方向における延長線L
上の位置に穿設されている。さらに具体的に言えば、内
歯34の歯底の部分であって、内歯34の1個置きの位
置に穿孔部36が形成されている。
【0021】以上のような規則性を持って設けられる穿
孔部36のうち、所要の数の穿孔部36はボルト挿通孔
として兼用され、残りの穿孔部36が有る場合はボルト
を挿通しない応力低減用の穿孔部として利用することも
できる。そこで、図1及び図2にボルト挿通孔として用
いる穿孔部を36Aの符号を用い、またボルトを挿通し
ない穿孔部を36Bの符号を用いて示す。同図から明ら
かなように、内歯34の1個置きに穿孔部36を設け
て、これら各穿孔部36のうち、穿孔部36Aと穿孔部
36Bとが交互に配列されている。従って、穿孔部36
A及び穿孔部36Bはそれぞれ内歯34の数の1/4の
数が設けられることになる。
孔部36のうち、所要の数の穿孔部36はボルト挿通孔
として兼用され、残りの穿孔部36が有る場合はボルト
を挿通しない応力低減用の穿孔部として利用することも
できる。そこで、図1及び図2にボルト挿通孔として用
いる穿孔部を36Aの符号を用い、またボルトを挿通し
ない穿孔部を36Bの符号を用いて示す。同図から明ら
かなように、内歯34の1個置きに穿孔部36を設け
て、これら各穿孔部36のうち、穿孔部36Aと穿孔部
36Bとが交互に配列されている。従って、穿孔部36
A及び穿孔部36Bはそれぞれ内歯34の数の1/4の
数が設けられることになる。
【0022】このように構成することによって、内輪3
3に設けた内歯34に作用する歯元応力が低減され、し
かもほぼ全ての内歯34に実質的に均等な応力が作用す
ることになるから、内歯34が部分的に耐久性が低下す
るという事態が発生することがなく、全体として旋回輪
30を構成する内輪33の寿命が長くなり、しかも内輪
33のリム部を薄肉化を図ることができるので、材料の
節約及び旋回装置の軽量化が図られる。
3に設けた内歯34に作用する歯元応力が低減され、し
かもほぼ全ての内歯34に実質的に均等な応力が作用す
ることになるから、内歯34が部分的に耐久性が低下す
るという事態が発生することがなく、全体として旋回輪
30を構成する内輪33の寿命が長くなり、しかも内輪
33のリム部を薄肉化を図ることができるので、材料の
節約及び旋回装置の軽量化が図られる。
【0023】ここで、内輪33に設けられる内歯34の
数は、穿孔部36A及び穿孔部36Bの整数倍とはなら
ない場合がある。このような場合には、これら穿孔部3
6A及び穿孔部36Bが内歯34の歯底を通る半径方向
における延長線L上の位置に穿設されているという条件
を満足させる必要はあるが、穿孔部36Aや穿孔部36
Bの配置ピッチ間隔を均等となるように配置しなくても
良い。要するに、内輪33に設けられる穿孔部36は、
内歯34に対して常に一定の位置関係を持たせるように
する。即ち、図4と図5とを比較すると、内歯34の歯
元に作用する応力に大きな変化がなく、従って内歯の近
傍に穿孔部を設ける必要がない場合には、応力低減用の
穿孔部として設けても、また穿孔部を設けなくても良
い。内輪33を下部走行体に固定するために、最低限設
けなければならないボルト挿通孔は全て図6に示したよ
うに、強度の観点から最も不利な位置に形成するのを避
け、応力の最も低い図4の位置乃至その近傍に形成す
る。これによって、内輪の長寿命化が図られる。従っ
て、穿孔部の数やピッチ間隔は内歯34の数や内輪33
の固定性等の都合や、その他の事情に基づいて適宜設定
すれば良い。
数は、穿孔部36A及び穿孔部36Bの整数倍とはなら
ない場合がある。このような場合には、これら穿孔部3
6A及び穿孔部36Bが内歯34の歯底を通る半径方向
における延長線L上の位置に穿設されているという条件
を満足させる必要はあるが、穿孔部36Aや穿孔部36
Bの配置ピッチ間隔を均等となるように配置しなくても
良い。要するに、内輪33に設けられる穿孔部36は、
内歯34に対して常に一定の位置関係を持たせるように
する。即ち、図4と図5とを比較すると、内歯34の歯
元に作用する応力に大きな変化がなく、従って内歯の近
傍に穿孔部を設ける必要がない場合には、応力低減用の
穿孔部として設けても、また穿孔部を設けなくても良
い。内輪33を下部走行体に固定するために、最低限設
けなければならないボルト挿通孔は全て図6に示したよ
うに、強度の観点から最も不利な位置に形成するのを避
け、応力の最も低い図4の位置乃至その近傍に形成す
る。これによって、内輪の長寿命化が図られる。従っ
て、穿孔部の数やピッチ間隔は内歯34の数や内輪33
の固定性等の都合や、その他の事情に基づいて適宜設定
すれば良い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、内輪に
設けられるボルト孔を、その半径方向における内歯の歯
底のほぼ延長線上の位置に設けるように構成したので、
内輪を固定するために必ず設けられるボルト挿通孔の位
置を歯元に対する応力が低い位置に設定することによ
り、内輪の歯元部分の損傷が抑制されて、その長寿命化
を図ることができ、また応力の低減により内輪のリム部
の薄肉化が図られる等の効果を奏する。
設けられるボルト孔を、その半径方向における内歯の歯
底のほぼ延長線上の位置に設けるように構成したので、
内輪を固定するために必ず設けられるボルト挿通孔の位
置を歯元に対する応力が低い位置に設定することによ
り、内輪の歯元部分の損傷が抑制されて、その長寿命化
を図ることができ、また応力の低減により内輪のリム部
の薄肉化が図られる等の効果を奏する。
【図1】本発明の実施の形態における一具体例を示す旋
回輪の外観図である。
回輪の外観図である。
【図2】内輪の要部拡大平面図である。
【図3】内輪の内歯と旋回ピニオンとの噛合状態を示す
作用説明図である。
作用説明図である。
【図4】ボルト挿通孔を内歯の歯底から半径方向の延長
線上に位置させた時の応力分布図である。
線上に位置させた時の応力分布図である。
【図5】内歯の近傍にボルト挿通孔が設けられていない
場合の応力分布図である。
場合の応力分布図である。
【図6】内歯における歯の中心での半径方向の延長線上
の位置にボルト挿通孔が位置した時の応力分布図であ
る。
の位置にボルト挿通孔が位置した時の応力分布図であ
る。
【図7】建設機械の一例としての油圧ショベルの外観図
である。
である。
【図8】油圧ショベルにおける旋回装置の要部構成を示
す断面図である。
す断面図である。
【図9】従来技術による旋回輪の外観図である。
1 走行体 2 下部フレーム 3 下部走行体 4 上部旋回体 8 上部フレーム 20,33 内輪 21,21a,34 内歯 22 旋回ピニオン 23,23A,23B ボルト挿通孔 30 旋回輪 31 外輪 32 旋回軸受 35,36A,36B 穿孔部
Claims (2)
- 【請求項1】 内周面に内歯を形設した内輪と、この内
輪に対して相対回転自在に連結した外輪とからなり、こ
れら内輪及び外輪を、それぞれ下部走行体及び上部旋回
体にボルトで固定するようにしたものにおいて、前記内
輪に設けられるボルト挿通孔を、その半径方向における
内歯の歯底のほぼ延長線上の位置に設ける構成としたこ
とを特徴とする建設機械の旋回装置。 - 【請求項2】 前記内輪に形成される内歯の数と同じ
か、またはほぼ等ピッチ間隔で穿孔部を、それぞれ半径
方向における内歯の歯底のほぼ延長線上の位置に設け、
これらの穿孔部のうち、所定数の穿孔部を前記ボルト孔
とする構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設
機械の旋回装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30349796A JPH10132059A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 建設機械の旋回装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30349796A JPH10132059A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 建設機械の旋回装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10132059A true JPH10132059A (ja) | 1998-05-22 |
Family
ID=17921685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30349796A Pending JPH10132059A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 建設機械の旋回装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10132059A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169851A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | ブラケット構造体 |
JP2007522404A (ja) * | 2004-02-11 | 2007-08-09 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト | 遊星歯車装置 |
CN102072307A (zh) * | 2009-11-25 | 2011-05-25 | 常熟市迅达粉末冶金有限公司 | 一种齿轮及减速箱 |
CN104503478B (zh) * | 2014-12-02 | 2017-05-10 | 中国船舶重工集团公司第七一六研究所 | 一种可调侧隙的分离式伺服转台传动装置 |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP30349796A patent/JPH10132059A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007522404A (ja) * | 2004-02-11 | 2007-08-09 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト | 遊星歯車装置 |
JP2006169851A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | ブラケット構造体 |
CN102072307A (zh) * | 2009-11-25 | 2011-05-25 | 常熟市迅达粉末冶金有限公司 | 一种齿轮及减速箱 |
CN104503478B (zh) * | 2014-12-02 | 2017-05-10 | 中国船舶重工集团公司第七一六研究所 | 一种可调侧隙的分离式伺服转台传动装置 |
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