JPH1013153A - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JPH1013153A
JPH1013153A JP16636196A JP16636196A JPH1013153A JP H1013153 A JPH1013153 A JP H1013153A JP 16636196 A JP16636196 A JP 16636196A JP 16636196 A JP16636196 A JP 16636196A JP H1013153 A JPH1013153 A JP H1013153A
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voltage
power supply
control voltage
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Withdrawn
Application number
JP16636196A
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Inventor
Norio Murakami
則夫 村上
Shigeyuki Miyazaki
茂行 宮崎
Shuichi Kono
修一 河野
Jo Shimura
城 志村
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Oki Electric Industry Co Ltd
Kyocera Crystal Device Corp
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Kyocera Crystal Device Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリキャップ等の可変容量手段を正電源電圧
Vccに接続しても、このVccの電圧変動による周波
数変動量を低減でき、さらに可変容量手段をVcc接続
構造にすることで、周波数可変幅を広くできる。 【解決手段】 分圧抵抗12,13によってVcc・1
/2の基準電圧Vrが演算増幅器15の正相入力端子に
印加される。外部制御電圧Vcが入力抵抗11を介して
演算増幅器15の逆相入力端子に入力されると、この演
算増幅器15から内部制御電圧Vi(=−Vc+Vc
c)が出力され、バリキャップ28,29側に供給され
る。バリキャップ28,29には、Vccが消去された
内部制御電圧Vcが印加され、このバリキャップ28,
29の容量値が決定される。この容量値に応答して出力
ノードNoから、出力周波数fの出力電圧Voが出力さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶発振子等の圧
電発振子、及び可変容量ダイオード等の可変容量手段等
で構成され、外部制御電圧によって出力周波数が制御で
きる圧電制御水晶発振器(以下、VCXOという)等の
電圧制御発振器(以下、VCOという)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のVCOに関する技術とし
ては、例えば次のような文献に記載されるものがあっ
た。 文献1:特開平4−179306号公報 文献2:特開平8−32349号公報 図2は、前記文献1に記載された従来の水晶発振子を有
するVCXOの回路図である。このVCXOは、リニア
な増幅特性を有するインバータ1を有し、このインバー
タの入力端子と出力端子側の出力ノードNoとの間に、
発振の動作点を決めるバイアス用の抵抗2と水晶発振子
3とが並列に接続されている。インバータ1の入力端子
と第1のノードN1との間に、直流遮断用のコンデンサ
4が接続され、さらに出力ノードNoと第2のノードN
2との間にも、直流遮断用のコンデンサ5が接続されて
いる。ノードN1には、可変容量ダイオード(以下、バ
リキャップという)6のカソードが接続され、このアノ
ードが接地電圧Vssに接続されている。ノードN2に
も、バリキャップ7のカソードが接続され、このアノー
ドが接地電圧Vssに接続されている。
【0003】水晶発振子3、コンデンサ4,5、及びバ
リキャップ6,7は、インバータ1に対する帰還回路を
構成している。ノードN1,N2には、出力周波数制御
用の制御電圧Viが入力され、出力ノードNoから出力
周波数fの出力電圧Voが出力されるようになってい
る。このような構成のVCXOでは、電源が投入される
と、インバータ1の出力信号で水晶発振子3が励振さ
れ、該水晶発振子3の出力信号がコンデンサ4,5及び
バリキャップ6,7によってインバータ1に正帰還され
る。そのため、VCXOが水晶発振子3の固有周波数で
発振し、出力周波数fの出力電圧Voが出力ノードNo
から出力される。図3は、図2の制御電圧Viに対する
バリキャップ6,7の容量値C,Cの特性図であ
る。
【0004】図4は、図2の負荷容量Cに対する周波
数変化率Δf/fの特性図である。負荷容量Cは、イ
ンバータ1から接地電圧Vss側を見た容量値Cのコ
ンデンサ4、容量値Cのコンデンサ5、容量値C
バリキャップ6、及び容量値Cのバリキャップ7の総
容量値であり、 1/C=1/C+1/C+1/C+1/C で表わされる。周波数変化率Δf/fは、出力周波数f
に対する微小変化Δfである。さらに、図5は、図2の
制御電圧Viに対する周波数変化率Δf/fの特性図で
ある。バリキャップ6,7の容量値C,Cは、次式
(1)で表わせる。 C,C∝(Vb+Vd)−α ・・・(1) 但し、Vb;バリキャップのビルトイン電圧(接合電
位) Vd;バリキャップのカソード・アノード間電圧(=V
i) α;バリキャップの定数(例えば、α=0.4〜0.
9) そのため、容量値C,Cは、図3に示すように、制
御電圧Viが小さいと大きく、該制御電圧Viが大きく
なると小さくなる。出力周波数fの周波数変化率Δf/
fは、図4に示すように、負荷容量値Cが小さくなる
と大きくなり、該負荷容量値Cが大きくなると小さく
なる。
【0005】図2のVCXOにおいて、水晶発振子3を
除いたインバータ1、抵抗2、コンデンサ4,5、及び
バリキャップ6,7を同一の半導体基板上に形成して集
積回路化を図る場合、該バリキャップ6,7は、例え
ば、接地電圧Vssに接続されたP型不純物層(アノー
ド側)と、該P型不純物層内に形成されたN型不純物層
(カソード側)との、PN構造で構成できる。このPN
構造のバリキャップ6,7の定数αは、例えば0.4程
度である。このようなバリキャップ6,7において、カ
ソード側のノードN1,N2に印加する制御電圧Vi
を、例えば図5に示すように0.5V〜4.5Vの範囲
で変化させると、周波数変化率Δf/fがほぼ直線状に
変化する。従って、図2のVCXOでは、制御電圧Vi
を変化させることにより、出力電圧Voの出力周波数f
を変化させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
図2のVCXOでは、プロセスによってはバリキャップ
6,7のアノード側が接地電圧Vssに接続された構造
であるため、定数αが小さい(例えば、0.4程度)。
そのため、バリキャップ6,7の可変容量の変化量が小
さく、その結果、図5に示すように出力周波数fの可変
範囲も狭い。出力周波数fの可変範囲を広くするために
は、前記文献2に記載されているように、バリキャップ
6,7のアノード側をノードN1,N2に接続し、これ
らのカソード側を正の電源電圧Vcc(例えば、5V程
度)に接続することが考えられる。このような構造にす
れば、定数αが例えば0.9のように大きくなってバリ
キャップ6,7の容量値C,Cの変化量が大きくな
り、この結果、出力周波数fの可変範囲を広くできる。
【0007】ところが、バリキャップ6,7を正の電源
電圧Vccに接続すると、ノイズ等による電源電圧Vc
cの変動により、出力周波数fが変動して安定した出力
周波数fを得ることが困難になる。本発明は、前記従来
技術が持っていた課題を解決し、バリキャップ等の可変
容量手段の接続が接地電圧Vss側でも、あるいは正の
電源電圧Vcc側でもこれに拘ることなく回路構成がで
き、可変容量手段を電源電圧Vcc側に接続しても、こ
の電源電圧Vccの電圧変動による出力周波数の変動量
を低減でき、さらに、可変容量手段を電源電圧Vcc側
に接続することで、出力周波数の可変幅を広くすること
ができるVCXO等のVCOを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のうちの請求項1の発明は、VCOにおい
て、リニアな増幅特性を有する論理ゲートと、前記論理
ゲートの出力信号によって励振される圧電発振子と、前
記圧電発振子と電源電圧E(例えば、正電源電圧Vcc
あるいは接地電圧Vss)との間に接続され、該電源電
圧Eと内部制御電圧Viとの電圧差Vd(=E−Vi)
に応じて容量値が変化して該圧電発振子の出力信号を前
記論理ゲートに正帰還させる可変容量手段と、出力周波
数制御用の外部制御電圧Vcが与えられると、前記電源
電圧Eと該外部制御電圧Vcとの電圧差(E−Vc)を
求めて前記内部制御電圧Viを生成し、この内部制御電
圧Viを前記可変容量手段側に供給する制御電圧供給手
段とを、備えている。そして、前記論理ゲート、前記可
変容量手段、及び前記制御電圧供給手段を半導体集積回
路で構成している。請求項2の発明は、請求項1のVC
Oにおいて、前記電源電圧Eは、正電源電圧Vccで構
成し、前記可変容量手段は、前記正電源電圧Vccが印
加されるN型不純物層と、前記N型不純物層内に形成さ
れ、前記内部制御電圧Viが印加されるP型不純物層と
の、PN構造からなるバリキャップで構成している。
【0009】請求項3の発明は、VCOにおいて、リニ
アな増幅特性を有する論理ゲートと、前記論理ゲートの
入・出力端子間に接続され、発振の動作点を決めるバイ
アス用の抵抗手段と、前記論理ゲートの入・出力端子間
に接続された圧電発振子と、前記論理ゲートの入力端子
と第1のノードとの間に接続された直流遮断用の第1の
固定容量手段と、前記論理ゲートの出力端子と第2のノ
ードとの間に接続された直流遮断用の第2の固定容量手
段と、前記第1のノードと電源電圧E(例えば、正電源
電圧Vccあるいは接地電圧Vss)との間に接続さ
れ、該電源電圧Eと該第1のノード上の電圧V1との電
圧差Vd1(=E−V1)に応じて容量値が変化する第
1の可変容量手段と、前記第2のノードと前記電源電圧
Eとの間に接続され、該電源電圧Eと該第2のノード上
の電圧V2との電圧差Vd2(=E−V2)に応じて容
量値が変化する第2の可変容量手段と、出力周波数制御
用の外部制御電圧Vcが与えられると、前記電源電圧E
と該外部制御電圧Vcとの電圧差(E−Vc)を求めて
内部制御電圧Viを生成し、この内部制御電圧Viを前
記第1のノード及び前記第2のノードに供給する制御電
圧供給手段とを、備えている。そして、前記論理ゲー
ト、前記抵抗手段、前記第1、第2の固定容量手段、前
記第1、第2の可変容量手段、及び前記制御電圧供給手
段を半導体集積回路で構成している。
【0010】請求項4の発明は、請求項3のVCOにお
いて、前記電源電圧Eは、正電源電圧Vccで構成し、
前記第1の可変容量手段は、前記正電源電圧Vccが印
加される第1のN型不純物層と、前記第1のN型不純物
層内に形成され、前記第1のノードに接続された第1の
P型不純物層との、PN構造からなる第1のバリキャッ
プで構成している。さらに、前記第2の可変容量手段
は、前記正電源電圧Vccが印加される第2のN型不純
物層と、前記第2のN型不純物層内に形成され、前記第
2のノードに接続された第2のP型不純物層との、PN
構造からなる第2のバリキャップで構成している。請求
項5の発明は、請求項1、2、3又は4のVCOにおい
て、前記制御電圧供給手段は、第1及び第2の電極を有
し、該第1の電極に前記外部制御電圧Vcが印加される
入力抵抗と、前記電源電圧EをE・1/2に分圧して出
力する分圧回路と、前記入力抵抗の第2の電極に接続さ
れた逆相入力端子、前記分圧回路の出力側に接続された
正相入力端子、及び前記内部制御電圧Viを出力する出
力端子を有する演算増幅器と、前記演算増幅器の逆相入
力端子と出力端子との間に接続され、前記入力抵抗と同
一の抵抗値を有する帰還抵抗とを、備えている。
【0011】請求項1及び2の発明によれば、以上のよ
うにVCOを構成したので、外部制御電圧Vcが制御電
圧供給手段に与えられると、該制御電圧供給手段で内部
制御電圧Vi(=E−Vc)が生成され、この内部制御
電圧Viが可変容量手段側に供給される。すると、可変
容量手段には、電源電圧Eと内部制御電圧Viとの電圧
差Vd(=E−Vi)、即ち電源電圧Eに依存しない外
部制御電圧Vcが印加され、この外部制御電圧Vcによ
って容量値が設定される。そして、論理ゲートの出力信
号で圧電発振子が励振され、該圧電発振子の出力信号が
可変容量手段によって論理ゲートに正帰還される。この
結果、VCOは圧電発振子の固有周波数で発振し、可変
容量手段の容量値に応じた出力周波数の出力電圧が、論
理ゲートの出力端子から出力される。
【0012】請求項3及び4の発明によれば、外部制御
電圧Vcが制御電圧供給手段に与えられると、該制御電
圧供給手段では内部制御電圧Vi(=E−Vc)を生成
し、この内部制御電圧Viを第1及び第2のノードに供
給する。すると、第1及び第2の可変容量手段には、電
源電圧Eと第1、第2のノード上の電圧V1,V2との
電圧差Vd1,Vd2、即ち電源電圧Eに依存しない外
部制御電圧Vcが印加され、容量値が設定される。そし
て、論理ゲートの出力信号で圧電発振子が励振され、該
圧電発振子の出力信号が第1、第2の固定容量手段及び
第1、第2の可変容量手段によって論理ゲートに正帰還
される。この結果、VCOが圧電発振子の固有周波数で
発振していき、第1、第2の可変容量手段の容量値に応
じた出力周波数の出力電圧が、論理ゲートの出力端子か
ら出力される。請求項5の発明によれば、入力抵抗に外
部制御電圧Vcが印加されると、この入力抵抗に流れる
電流が帰還抵抗を通して演算増幅器の出力端子側へ流れ
る。この演算増幅器の働きにより、正相入力端子と逆相
入力端子とに同一の電圧が印加され、該演算増幅器の出
力端子から内部制御電圧Vi(=E−Vc)が出力さ
れ、これが可変容量手段側に供給される。
【0013】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 1は、本発明の第1の実施形態を示すVCXOの回路図
である。このVCXOは、出力周波数制御用の外部制御
電圧Vcを入力し、内部制御電圧Viを生成して出力す
る制御電圧供給手段(例えば、制御電圧供給部)10
と、該内部制御電圧Viに応じた出力周波数fの出力電
圧Voを出力ノードNoから出力する発振手段(例え
ば、発振部)20とで、構成されている。制御電圧供給
部10は、抵抗値R11の入力抵抗11と、抵抗値R
12の分圧抵抗12及び抵抗値R13の分圧抵抗13か
らなる分圧回路と、平滑用コンデンサ14と、演算増幅
器15と、抵抗値R16の帰還抵抗16とを、有してい
る。第1及び第2の電極を有する入力抵抗11の該第1
の電極には、外部制御電圧Vcが印加され、該第2の電
極が演算増幅器15の逆相入力端子に接続されている。
分圧回路を構成する2つの分圧抵抗12,13は、電源
電圧E(例えば、正電源電圧Vcc)と接地電圧Vss
との間に直列に接続され、この直列接続点から基準電圧
Vrを出力して演算増幅器15の正相入力端子に与える
ようになっている。分圧抵抗13には、平滑用コンデン
サ14が並列に接続されている。演算増幅器15の逆相
入力端子と出力端子との間には、帰還抵抗16が接続さ
れ、該出力端子から内部制御電圧Viを出力し、発振部
20に与えるようになっている。
【0014】発振部20は、内部制御値電圧Viを入力
する入力抵抗21,22と、直流遮断用の第1の固定容
量手段(例えば、コンデンサ)23と、直流遮断用の第
2の固定容量手段(例えば、コンデンサ)24と、リニ
アな増幅特性を有する論理ゲート(例えば、インバー
タ)25と、発振の動作点を決めるバイアス用の抵抗手
段(例えば、抵抗)26と、固有周波数で発振する圧電
発振子(例えば、水晶発振子)27と、電圧差Vd1に
応じて容量値C28が変化する第1の可変容量手段(例
えば、バリキャップ)28と、電圧差Vd2に応じて容
量値C29が変化する第2の可変容量手段(例えば、バ
リキャップ)29とを、有している。入力抵抗21,2
2は、内部制御電圧Viを入力して第1、第2のノード
N1,N2に与える抵抗である。第1のノードN1に
は、コンデンサ23を介してインバータ25の入力端子
が接続され、さらに第2のノードN2には、コンデンサ
24を介してインバータ25の出力端子側の出力ノード
Noが接続されている。インバータ25の入力端子と出
力端子側の出力ノードNoとの間には、バイアス用抵抗
26と水晶発振子27とが並列に接続されている。な
お、出力ノードNoには、図示しないが波形整形用の出
力バッファ等が接続されることもある。ノードN1に
は、バリキャップ28のアノードが接続され、このカソ
ードが電源電圧E(例えば、正電源電圧Vcc)に接続
されている。さらに、ノードN2には、バリキャップ2
9のアノードが接続され、このカソードが電源電圧E
(例えば、正電源電圧Vcc)に接続されている。
【0015】このようなVCXOは、例えば、水晶発振
子27を除いた全ての回路素子が、同一の半導体基板上
に形成されて半導体集積回路で構成されている。2つの
バリキャップ28,29は、同一の構造をなし、この一
方(例えば、28)の構造例を図6に示す。図6は、図
1中のバリキャップ28の概略の断面構造図である。例
えば、図1のVCXOが形成されるN型半導体基板31
内には、N型不純物層からなるNウエル(バリキャップ
28のカソードに相当)32が形成されている。Nウエ
ル32内には、P型不純物層(バリキャップ28のア
ノードに相当)33と、オーミックコンタクト用のN
型不純物層34とが形成されている。P型不純物層3
3とNウエル32とで、バリキャップ28が構成され、
該P型不純物層33が図1のアノードN1に接続さ
れ、該N型不純物層34に電源電圧Vccが印加され
るようになっている。このような構造のバリキャップ2
8では、高い定数値を有している(例えば、α=0.8
〜0.9程度)。
【0016】次に、図1に示すVCXOの動作を説明す
る。電源電圧Vccが印加されると、該電源電圧Vcc
が分圧抵抗12,13で分圧され、該分圧抵抗12,1
3の直列接続点から基準電圧Vrが出力され、演算増幅
器15の正相入力端子へ与えられる。分圧抵抗12,1
3の抵抗値をR12=R13に設定しておくと、基準電
圧VrはVcc・1/2となる。外部制御電圧Vcが入
力抵抗11に入力されると、この入力抵抗11に流れる
電流Iが演算増幅器15の逆相入力端子に入力され、さ
らに該演算増幅器15の出力端子から出力される電流が
帰還抵抗16を介して該演算増幅器15の逆相入力端子
にフィードバックされる。この演算増幅器15の働きに
より、該演算増幅器15の正相入力端子と逆相入力端子
には同一の基準電圧Vrが印加されることになる。この
とき、入力抵抗11に流れる電流は、次式(2)で表わ
され、この電流Iが帰還抵抗16を介して演算増幅器1
5の出力端子側へ流れる。 I=(Vc−Vr)/R11=(Vr−Vi)/R16 ・・・(2) 入力抵抗11と帰還抵抗16の抵抗値をR11=R16
に設定しておくと、(2)式は次式(3)のようにな
り、演算増幅器15の出力端子から内部制御電圧Viが
出力され、発振部20の入力抵抗21,22を介してノ
ードN1,N2へ供給される。 Vi=(Vc−Vr)+Vr =−Vc+2Vr =−Vc+Vcc ・・・(3) 内部制御電圧ViがノードN1,N2に供給されると、
各バリキャップ28,29には、次式(4)で示される
ような、電圧差Vd1=Vd2がそれぞれ印加される。 Vd1=Vd2=Vcc−Vi =Vc ・・・(4) 即ち、各バリキャップ28,29の両電極間には、電源
電圧Vccの影響を受けない外部制御電圧Vcそのもの
が印加されることになる。このような制御電圧Vcが各
バリキャップ28,29の両電極間に印加されると、
(1)式で示すように、この制御電圧Vcによって各バ
リキャップ28,29の容量値C28=C29が設定さ
れる。そして、発振部20では、インバータ25の出力
信号によって水晶発振子27が励振され、該水晶発振子
27の出力信号がコンデンサ23,24及びバリキャッ
プ28,29によってインバータ25に正帰還され、該
発振部20が水晶発振子27の固有周波数で発振する。
この結果、バリキャップ28,29の容量値C28,C
29に応じた出力周波数fの出力電圧Voが、出力ノー
ドNoから出力される。
【0017】以上のように、この第1の実施形態では、
次の(a)〜(c)のような効果がある。 (a) 電源電圧Vccが消去された外部制御電圧Vc
が、電圧差Vd1=Vd2として各バリキャップ28,
29に印加されてこれらの各バリキャップ28,29の
容量値C28=C29が設定され、これに応じた出力周
波数fが出力電圧Voとして出力ノードNoから出力さ
れる。そのため、ノイズ等によって電源電圧Vccが変
動しても、この電源電圧Vccの変動に影響されない外
部制御電圧Vcそのものが各バリキャップ28,29に
印加されるので、出力周波数fの周波数変動量を低減で
きる。 (b) バリキャップ28,29のカソード側を電源電
圧Vccに接続した図6のような素子構造を採用してい
るため、これらのバリキャップ28,29の定数αが大
きくなる(例えば、α=0.8〜0.9程度)。この結
果、図5に示すように、従来のものよりも周波数可変幅
を広くすることができる。 (c) インバータ25の入力側と出力側の両方にバリ
キャップ28,29を設け、該インバータ25に対する
帰還回路中の容量値C28,C29を変化させて出力周
波数fを可変するようにしているので、周波数調整幅を
より広くすることができる。このため、非常に大きな周
波数変化を必要とするVCXOや、きわめて低電圧で使
用するVCXO等に適している。
【0018】第2の実施形態 図7は、本発明の第2の実施形態を示すVCXOにおけ
る発振部の回路図であり、第1の実施形態を示す図1中
の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。こ
のVCXOの発振部では、図1のインバータ25の出力
側の入力抵抗22及びバリキャップ29を省略し、内部
制御電圧Viによって1つのバリキャップ28の容量値
28のみを可変するような構成になっている。このよ
うな構成の発振部では、図1の演算増幅器15の出力端
子から供給される内部制御電圧Viが、入力抵抗21を
通してノードN1に供給され、バリキャップ28に電圧
差Vd1(=Vc)が印加される。これにより、バリキ
ャップ28の容量値C28が設定される。そして、水晶
発振子27の出力信号がコンデンサ23,24及びバリ
キャップ28によってインバータ25に帰還され、該水
晶発振子27が固有周波数で発振する。そのため、内制
御電圧Viによって設定された出力周波数fの出力電圧
Voが、出力ノードNoから出力される。この第2の実
施形態の発振部では、第1の実施形態の効果(a),
(b)と同様の効果を有している。さらに、この発振部
では、1つのバリキャップ28によって周波数を調整す
るようにしているので、第1の実施形態よりも周波数調
整幅が狭いが、入力抵抗22及びバリキャップ29の省
略により、回路構成がより簡単になる。
【0019】なお、本発明は上記実施形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例
えば次の(i)〜(iii)のようなものがある。 (i) 図8は、本発明の実施形態の変形例を示す図1
中のバリキャップ28の概略の断面構造図である。この
図8では、P型半導体基板41内に、N型不純物層から
なるNウエル(バリキャップ28のカソード側に相当)
42が形成され、さらにこのNウエル42内に、P
不純物層(バリキャップ28のアノード側に相当)43
と、オーミックコンタクト用のN型不純物層44とが
形成されている。P型不純物層43とNウエル42と
でバリキャップ28が構成され、該P型不純物層43
が図1あるいは図7のノードN1に接続され、さらに該
型不純物層44に電源電圧Vccが印加されるよう
になっている。このような構造のバリキャップ28で
は、図6の構造よりも定数値が小さいが(例えば、α=
0.4程度)、それほど大きな周波数調整幅を必要とし
ない場合や、VCXOの他の素子をP型半導体基板41
上に形成する場合等に、この図8の構造を適用できる。
【0020】(ii) 図1に示す制御電圧供給部10
は、従来の図2のような発振部にも適用可能である。例
えば、ノイズ等によって接地電圧Vss側が変動し、こ
れを防止するような場合、図2のバリキャップ6,7を
図9及び図10に示すような断面構造にすることも可能
である。図9及び図10は、本発明の実施形態の他の変
形例を示すバリキャップ6の概略の断面構造図である。
図9では、N型半導体基板51内にPウエル(バリキャ
ップ6のアノード側に相当)52が形成され、このPウ
エル52内に、N型不純物層(バリキャップ6のカソ
ード側に相当)53とオーミックコンタクト用のP
不純物層54とが形成されている。Pウエル52とN
型不純物層53とで、図2のバリキャップ6が構成さ
れ、該N型不純物層53が図2のノードN1に接続さ
れ、さらに該P型不純物層54に接地電圧Vssが印
加されるようになっている。この素子構造では、定数α
が例えば0.4程度である。
【0021】また、図10では、P型半導体基板61内
にPウエル(バリキャップ6のアノード側に相当)62
が形成され、このPウエル62内に、N型不純物層
(バリキャップ6のカソード側に相当)63とオーミッ
クコンタクト用のP不純物層64とが形成されてい
る。Pウエル62とN型不純物層63とで、図2のバ
リキャップ6が構成され、該N型不純物層63が図2
のノードN1に接続され、さらに該P型不純物層64
には接地電圧Vssが印加されるようになっている。こ
の素子構造では、定数αが例えば0.4程度である。こ
のように、図9あるいは図10の構造のバリキャップ
6,7に対して、図1の制御電圧供給部10から内部制
御電圧Viを印加するようにした場合、接地電圧Vss
が消去された外部制御電圧Vcが該バリキャップ6,7
の両電極間に印加される。そのため、接地電圧Vss側
がノイズ等によって変動する場合でも、出力周波数fの
変動量を低減できる。従って、本発明の実施形態では、
バリキャップ28,29(あるいはバリキャップ6,
7)の接続が電源電圧Vcc側でも、あるいは接地電圧
Vss側でも、これらに拘ることなく回路構成ができる
という効果がある。
【0022】(iii) インバータ25は他の構成の論理
ゲートで構成したり、水晶発振子27はセラミック発振
子等の他の圧電発振子で構成してもよい。バリキャップ
28,29は、文献2に記載されたような、固定容量と
MOS抵抗とを直列に接続し、このMOS抵抗のゲート
を内部制御電圧Viによって制御することにより、周波
数を調整するような他の可変容量手段で構成してもよ
い。図7のバリキャップ28は、インバータ25の出力
側のみに設けてもよい。また、図1の制御電圧供給部
は、他の回路構成の制御電圧供給手段で構成してもよ
い。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のう
ちの請求項1の発明は、制御電圧供給手段で生成された
内部制御電圧Viを可変容量手段側に供給するようにし
たので、電源電圧Eが消去された外部制御電圧Vcが該
可変容量手段に印加される。このため、ノイズ等によっ
て電源電圧Eが変動しても、この電源電圧Eが消去され
た外部制御電圧Vcによって可変容量手段の容量値が変
化するので、該電源電圧Eの変動による出力周波数の変
動量を低減できる。請求項2の発明によれば、正電源電
圧Vccが印加されるN型不純物層と内部制御電圧Vi
が印加されるP型不純物層とでバリキャップを構成した
ので、定数αが大きくなり、これによって周波数可変幅
を広くすることができる。請求項3の発明によれば、論
理ゲートの入力端子側と出力端子側との両方に第1と第
2の可変容量手段を設けて周波数を調整するようにした
ので、周波数調整幅をより広くできる。このため、非常
に大きな周波数変化を必要とするVCOや、きわめて低
電圧で使用するVCO等に適している。請求項4の発明
によれば、第1、第2の可変容量手段を第1、第2のバ
リキャップでそれぞれ構成したので、請求項2の発明と
同様に、周波数可変幅を広くすることができる。請求項
5の発明によれば、制御電圧供給手段を演算増幅器等を
用いて構成したので、安定した内部制御電圧Viを生成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すVCXOの回路
図である。
【図2】従来のVCXOの回路図である。
【図3】図2の制御電圧・容量値の特性図である。
【図4】図2の負荷容量・周波数変化率の特性図であ
る。
【図5】図2の制御電圧・周波数変化率の特性図であ
る。
【図6】図1中のバリキャップの概略の断面構造図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すVCXOにおけ
る発振部の回路図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例を示すバリキャップ
の概略の断面構造図である。
【図9】本発明の実施形態の他の変形例を示すバリキャ
ップの概略の断面構造図である。
【図10】本発明の実施形態の他の変形例を示すバリキ
ャップの概略の断面構造図である。
【符号の説明】
10 制御電圧供給部 11 入力抵抗 12,13 分圧抵抗 15 演算増幅器 16 帰還抵抗 20 発振部 23,24 直流遮断用コンデンサ 25 インバータ 26 バイアス用抵抗 27 水晶発振子 28,29 バリキャップ(可変容量ダイ
オード) 31,51 N型半導体基板 32,42 Nウエル 33,43 P型不純物層 41,61 P型半導体基板 52,62 Pウエル 53,63 N型不純物層 N1,N2 第1、第2のノード No 出力ノード Vc 外部制御電圧 Vi 内部制御電圧 Vcc 正電源電圧 Vss 接地電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 修一 東京都狛江市和泉本町1丁目8番1号 キ ンセキ株式会社内 (72)発明者 志村 城 東京都狛江市和泉本町1丁目8番1号 キ ンセキ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リニアな増幅特性を有する論理ゲート
    と、 前記論理ゲートの出力信号によって励振される圧電発振
    子と、 前記圧電発振子と電源電圧Eとの間に接続され、該電源
    電圧Eと内部制御電圧Viとの電圧差Vd(=E−V
    i)に応じて容量値が変化して該圧電発振子の出力信号
    を前記論理ゲートに正帰還させる可変容量手段と、 出力周波数制御用の外部制御電圧Vcが与えられると、
    前記電源電圧Eと該外部制御電圧Vcとの電圧差(E−
    Vc)を求めて前記内部制御電圧Viを生成し、この内
    部制御電圧Viを前記可変容量手段側に供給する制御電
    圧供給手段とを備え、 前記論理ゲート、前記可変容量手段、及び前記制御電圧
    供給手段を半導体集積回路で構成したことを特徴とする
    電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】 前記電源電圧Eは、正電源電圧Vccで
    構成し、 前記可変容量手段は、前記正電源電圧Vccが印加され
    るN型不純物層と、前記N型不純物層内に形成され、前
    記内部制御電圧Viが印加されるP型不純物層との、P
    N構造からなる可変容量ダイオードで構成したことを特
    徴とする請求項1記載の電圧制御発振器。
  3. 【請求項3】 リニアな増幅特性を有する論理ゲート
    と、 前記論理ゲートの入・出力端子間に接続され、発振の動
    作点を決めるバイアス用の抵抗手段と、 前記論理ゲートの入・出力端子間に接続された圧電発振
    子と、 前記論理ゲートの入力端子と第1のノードとの間に接続
    された直流遮断用の第1の固定容量手段と、 前記論理ゲートの出力端子と第2のノードとの間に接続
    された直流遮断用の第2の固定容量手段と、 前記第1のノードと電源電圧Eとの間に接続され、該電
    源電圧Eと該第1のノード上の電圧V1との電圧差Vd
    1(=E−V1)に応じて容量値が変化する第1の可変
    容量手段と、 前記第2のノードと前記電源電圧Eとの間に接続され、
    該電源電圧Eと該第2のノード上の電圧V2との電圧差
    Vd2(=E−V2)に応じて容量値が変化する第2の
    可変容量手段と、 出力周波数制御用の外部制御電圧Vcが与えられると、
    前記電源電圧Eと該外部制御電圧Vcとの電圧差(E−
    Vc)を求めて内部制御電圧Viを生成し、この内部制
    御電圧Viを前記第1のノード及び前記第2のノードに
    供給する制御電圧供給手段とを備え、 前記論理ゲート、前記抵抗手段、前記第1、第2の固定
    容量手段、前記第1、第2の可変容量手段、及び前記制
    御電圧供給手段を半導体集積回路で構成したことを特徴
    とする電圧制御発振器。
  4. 【請求項4】 前記電源電圧Eは、正電源電圧Vccで
    構成し、 前記第1の可変容量手段は、前記正電源電圧Vccが印
    加される第1のN型不純物層と、前記第1のN型不純物
    層内に形成され、前記第1のノードに接続された第1の
    P型不純物層との、PN構造からなる第1の可変容量ダ
    イオードで構成し、 前記第2の可変容量手段は、前記正電源電圧Vccが印
    加される第2のN型不純物層と、前記第2のN型不純物
    層内に形成され、前記第2のノードに接続された第2の
    P型不純物層との、PN構造からなる第2の可変容量ダ
    イオードで構成したことを特徴とする請求項3記載の電
    圧制御発振器。
  5. 【請求項5】 前記制御電圧供給手段は、 第1及び第2の電極を有し、該第1の電極に前記外部制
    御電圧Vcが印加される入力抵抗と、 前記電源電圧EをE・1/2に分圧して出力する分圧回
    路と、 前記入力抵抗の第2の電極に接続された逆相入力端子、
    前記分圧回路の出力側に接続された正相入力端子、及び
    前記内部制御電圧Viを出力する出力端子を有する演算
    増幅器と、 前記演算増幅器の逆相入力端子と出力端子との間に接続
    され、前記入力抵抗と同一の抵抗値を有する帰還抵抗と
    を、備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の電圧制御発振器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010109124A (ko) * 2000-05-29 2001-12-08 마치오 나카지마 전압-제어 수정 발진기
JP2008211763A (ja) * 2007-01-30 2008-09-11 Epson Toyocom Corp 圧電発振器
JP2015061264A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 セイコーエプソン株式会社 発振回路、電子機器、移動体および発振回路の製造方法

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JP2008211763A (ja) * 2007-01-30 2008-09-11 Epson Toyocom Corp 圧電発振器
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