JPH10131393A - 建築用竹製躯体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構築物、建築物の躯体や外装材の下地材とし
て有用な竹製の躯体とすることである。 【構成】 竹材を裁断し長尺板状に成形した竹片１を複
数積層することにより躯体Ａを形成したので、竹材のも
つ強度を充分に活かした躯体とすることができ、また、
孟宗竹材は３年で成竹となるので、十分に材料供給がで
き、資源枯渇の心配がない建築用竹製躯体Ａである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は構築物、建築物の躯体や
外装材の下地材として有用な竹製の躯体に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、木造建築物における柱、土台、梁
等の躯体としては、檜、杉、松、赤松、エゾ、ひば、
桐、栂、ツゲ、ラワン、シナ等の原木を加工したもの
や、これらの集成材から形成されたものが一般的であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の木材は耐震性が注目されてきている現在、充分な強度
があるとは言えず、また、森林保護や環境保護の観点か
ら、伐採による資源枯渇が大きな問題となっている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、竹材を裁断し長尺板状に成形した竹片
を複数積層することにより躯体を形成したので、竹材の
もつ強度を充分に活かした躯体とすることができ、ま
た、孟宗竹材は３年で成竹となるので、十分に材料供給
ができ、資源枯渇の心配がない建築用竹製躯体を提案す
るものである。

【０００５】

【実施例】以下に、図面を用いて本発明に係る建築用竹
製躯体Ａの一実施例について詳細に説明する。図１
（ａ）、（ｂ）は上記建築用竹製躯体Ａの代表的な一例
を示す説明図であり、竹材を裁断し長尺板状に成形した
竹片１を複数積層することにより長尺柱状に形成したも
のである。

【０００６】竹片１は例えば図２（ａ）に示すように、
例えば中国産の孟宗竹筒を長手方向に割り、分断し、こ
れに温度、蒸気、電磁波プロセス、加圧、プレス等を利
用して、図２（ｂ）に示すように平板状に成形し、それ
を図１（ａ）に示すように、幅方向に接着剤等を用いて
接着、積層して長尺柱状に形成するものである。また、
製造においては、竹片１に防虫処理、防腐処理、防水処
理も十分に施されたものを使用するのが有用である。

【０００７】また、竹片１のその他の構成としては、図
２（ｃ）に２点鎖線で示すように、図２（ｂ）に示す平
板を５〜３０ｍｍ位に長手方向に沿って細長く切断し、
棒状状に形成し、図１（ｂ）に示すように、上下、左右
方向を各々接着、積層して長尺柱状に形成するものであ
る。

【０００８】竹片１同士を積層する接着剤としては、例
えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニール樹脂等およびその
変性物の一種以上からなるものである。

【０００９】さらに、竹片１の長手方向の連結は、例え
ば図３（ａ）に示すように細長い一枚ものを複数積層、
接着して長尺柱状としたりするものである。この際、竹
片１の節目２による段差部分は表面をスライスして、フ
ラットにして使用するものである。

【００１０】さらに、図３（ｂ）は、竹片１の節目２部
分を切除したもの、あるいはそのままの長さの短いもの
を、千鳥足状に接着剤を用いて連結したものである。ま
た、この他にも図４（ａ）、（ｂ）に示すように、竹片
１の端部を雄雌相决状や楔状に形成した凹凸部３を設
け、それを連結することにより、接着面積を拡大でき連
結力を向上することもできるものである。

【００１１】また、図５および図６は建築用竹製躯体Ａ
の用途を示す説明図である。建築用竹製躯体Ａは、例え
ば図５に示すように、土台４、主柱５、間柱６、床づか
７、根太８、火打ち９、筋交い１０、胴差し１１等や、
図６に示すように、けた１２、梁１３、小屋づか１４、
垂木１５、棟１６、その他図示しないが胴縁、窓枠、サ
ッシ等の各種構造材として用いることができるものであ
る。

【００１２】

【その他の実施例】以上、説明したのは本発明に係る建
築用竹製躯体の一実施例にすぎず、図７〜図９に示すよ
うな建築用竹製躯体Ａとすることもできる。すなわち、
図７は竹片１同士の繊維方向を直交させて積層すること
により、強度の均一化を図った建築用竹製躯体Ａの例で
ある。

【００１３】図８は竹片１の間に、木材１７をサンドイ
ッチするように積層した建築用竹製躯体Ａの例である。
木材１７としては、檜、杉、松、赤松、エゾ、ひば、
桐、栂、ツゲ、ラワン、シナ等の１種以上の単板または
複合板からなるものであり、主に嵩上材、軽量化材、強
度補強材、接着補助材、コスト減少材として機能するも
のである。

【００１４】図９は竹片１の間に、シート状物１８をサ
ンドイッチするように積層した建築用竹製躯体Ａの例で
ある。シート状物１８は例えば不織布（ポリエステル
系、ナイロン系、ボロン系、炭素系、アルミナ系、炭化
ケイ素系、アラミド系の長繊維、もしくは短繊維）、合
成樹脂系シート（ポリウレタン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、セ
ロハン、ＥＰＤＭ、ゴム等の未発泡あるいは発泡プラス
チックシート、もしくはこれらに紙、塩ビ樹脂シート等
を複合したもの）、耐火シート、ゴム（弾性体）等から
なり、防水性、強度、クッション性、防火性の強化の
他、振動抑制材としても機能するものである。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る建築用
竹製躯体によれば、木材の資源枯渇に対し、大量に存
在し、成長の早い竹材を材料としているので、低コスト
で長期に亘って資源を供給できる。竹片を積層したの
で、竹材の持つ高強度、断熱性、防臭性、防腐性、防火
性、防水性等をそのまま活かした建築用竹製躯体とする
ことができる。等の特徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る建築用竹製躯体の代表例を示す説
明図である。

【図２】図１で用いられた竹片の例を示す説明図であ
る。

【図３】図１で用いられた竹片の例を示す説明図であ
る。

【図４】図１で用いられた竹片の例を示す説明図であ
る。

【図５】本発明に係る建築用竹製躯体の代表的な用途例
を示す説明図である。

【図６】本発明に係る建築用竹製躯体の代表的な用途例
を示す説明図である。

【図７】本発明に係る建築用竹製躯体のその他の例を示
す説明図である。

【図８】本発明に係る建築用竹製躯体のその他の例を示
す説明図である。

【図９】本発明に係る建築用竹製躯体のその他の例を示
す説明図である。

【符号の説明】

Ａ 建築用竹製躯体 １ 竹片 ２ 節目 ３ 凹凸部 ４ 土台 ５ 主柱 ６ 間柱 ７ 床つが ８ 根太 ９ 火打ち １０ 筋交い １１ 胴差し １２ けた １３ 梁 １４ 小屋づか １５ 垂木 １６ 棟 １７ 木材 １８ シート状物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 竹材を裁断し長尺板状に成形した竹片を
   複数積層することにより形成したことを特徴とする建築
   用竹製躯体。