JPH10130754A - 耐熱性銅基合金 - Google Patents
耐熱性銅基合金Info
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- JPH10130754A JPH10130754A JP28945196A JP28945196A JPH10130754A JP H10130754 A JPH10130754 A JP H10130754A JP 28945196 A JP28945196 A JP 28945196A JP 28945196 A JP28945196 A JP 28945196A JP H10130754 A JPH10130754 A JP H10130754A
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Abstract
粗大化するような高温度に加熱されることがある製品,
部品の構成材料として好適に使用することができる耐熱
性銅基合金を提供する。 【解決手段】 耐熱性銅基合金は、Co:0.10〜
1.0Wt%、Sn:0.10〜1.0Wt%、P:
0.02〜0.20Wt%、Zn:0.01〜2.0W
t%、残部:Cuからなり、必要に応じて、Ni:0.
05〜0.7Wt%、Fe:0.05〜0.5Wt%、
Mn:0.01〜0.30Wt%、Mg:0.005〜
0.10Wt%から選択した一種又は二種の元素が更に
添加される。
Description
器等の熱交換器に使用される伝熱管等のように熱伝導
性,導電性に加えて耐熱性が必要とされる製品ないし部
品であって、特に、製作時や使用時において鑞付け等に
より相当以上の高温に加熱される製品ないし部品の構成
材料として好適に使用される耐熱性銅基合金に関するも
のである。
必要とする製品ないし部品の構成材料として使用されて
いるが、特に、瞬間湯沸器,給湯器等の熱交換器に使用
される伝熱管等のように耐熱性を必要とする製品ないし
部品の構成材としては、耐熱性に優れた燐脱酸銅(JI
S C1220)が最も一般的に使用されている。
熱交換器に使用される伝熱管は、一般に、銅製のフィン
や胴板等を取着したものであり、その製作時において
は、フィン等を取着するために相当以上の高温に加熱さ
れる。
蝋付けや溶接等により取着されるが、その際に、伝熱管
の一部(フィン等が取着される部分)や全体が蝋付け熱
や溶接熱等により一時的に高温に加熱されることにな
る。例えば、伝熱管とフィンや胴板等との蝋付けは、一
般に、伝熱管を、その被鑞付け箇所にフィン等を固定す
ると共にそこに適宜の鑞付け材をセットした状態で、非
酸化性雰囲気に保持された加熱炉(連続熱処理炉)内を
通過させることによって、行なわれる。かかる炉内鑞付
け法にあっては、蝋付け材として、一般に、強度やコス
トの面を考慮して燐銅蝋(JIS Z3264 BCu
P−2)が使用されるが、この燐銅蝋の融点が固相線温
度710℃,液相線温度795℃であることから、鑞付
け時には伝熱管全体を炉内において800℃程度に加熱
することになる。また、フィン等を含む伝熱管の形状や
構造によっては炉内鑞付け法を採用できないことがある
が、この場合には、加熱炉を使用せず、蝋付け材及びフ
ィン等を含めて伝熱管の必要箇所(被鑞付け箇所)を人
為的に加熱することによって、鑞付けを行なう。かかる
場合にも、鑞付け材の材質やその加熱温度等の鑞付け条
件は炉内鑞付け法におけると同様であり、伝熱管が局部
的に約800℃に加熱されることになる。溶接による場
合も、かかる人為的鑞付け法による場合と同様に、伝熱
管の被溶接箇所が鑞付け温度(約800℃)と同程度又
はそれ以上に高温加熱されることになる。
伝熱管にあっては、上記したフィン等の鑞付け,溶接に
より局部的又は全体的に約800℃以上の高温に加熱さ
れた場合、燐脱酸銅の結晶粒が粗大化することになるた
め、燐脱酸銅におけるマトリックス強度が低いこととも
相俟って、加熱後(鑞付け後又は溶接後)の機械的強度
(例えば、引張強さ,耐力,伸び,疲労強さ,硬さ等)
が著しく低下することになる。特に、耐力及び疲労強度
については、その低下が甚だしい。なお、このような燐
脱酸銅製の伝熱管等における結晶粒の粗大化による機械
的強度の低下は、伝熱管等の素材製作条件によって多少
異なるが、一般には600〜700℃以上に加熱された
場合に顕著に認められる。
た瞬間湯沸器,給湯器等の熱交換器にあっては、伝熱管
の機械的強度が製作段階で低下しているため、当然に耐
久性に問題があった。例えば、瞬間湯沸器,給湯器等に
あっては、その使用により伝熱管が頻繁に熱膨張と熱収
縮とを繰り返すため、それによる繰り返し荷重により伝
熱管が局部的に疲労破壊する等の虞れがあり、製品寿命
が短いといった問題があった。
とする伝熱管に限らず、製作時又は使用時において高温
加熱ないし高温熱処理されることのある、あらゆる燐脱
酸銅製の製品,部品において指摘されるところであり、
燐脱酸銅の結晶粒が粗大化するような温度(一般に、6
00〜700℃以上)に加熱されたときにも機械的強度
並びに熱伝導性ないし導電性が著しく低下しない耐熱性
銅基合金の開発が強く要請されている。
たもので、製作時や使用時において燐脱酸銅の結晶粒が
粗大化するような高温度に加熱(ないし熱処理)される
ことがある製品,部品の構成材料として好適に使用する
ことができ、かかる加熱後においても機械的強度並びに
熱伝導性ないし導電性が低下しない耐熱性銅基合金を提
供することを目的とするものである。
を達成すべく、次のような金属組成をなす耐熱性銅基合
金を提案する。
「第1発明」という)の銅基合金は、コバルト0.10
〜1.0重量%と、錫0.10〜1.0重量%と、燐
0.02〜0.20重量%と、亜鉛0.01〜2.0重
量%と、を含有し、且つ残部が銅及び不可避不純物から
なる金属組成をなすものである。
2発明」という)の銅基合金は、コバルト0.05〜
0.7重量%と、錫0.10〜1.0重量%と、燐0.
02〜0.20重量%と、亜鉛0.01〜2.0重量%
と、ニッケル0.05〜0.7重量%、鉄0.05〜
0.5重量%、マンガン0.01〜0.30重量%及び
マグネシウム0.005〜0.10重量%から選択され
た一種又は二種の元素と、を含有し、且つ残部が銅及び
不可避不純物からなる金属組成をなすものである。
おける高温加熱条件下(例えば、硬鑞付け時における約
800℃の加熱条件下)での結晶粒の粗大化を抑制する
ための必須元素である。すなわち、コバルトの添加によ
り、高温(600〜700℃以上)に加熱されたときに
おける結晶粒の成長を良好に抑制して、金属組成を微細
に保持させることができ、且つ高温加熱後の合金の耐疲
労性が向上される。而して、このようなコバルト添加に
よる効果は、その添加量が0.10重量%未満であると
きは、充分に発揮されない。但し、第2発明における如
く、ニッケル,鉄,マンガン,マグネシウムから選択さ
れた一種又は二種の元素(以下、これらを総称していう
ときは「共添ニッケル等」という)を添加させる場合に
は、後述するように、共添ニッケル等の作用と相俟っ
て、コバルト添加量が0.10重量%未満であっても、
0.05重量%以上であれば、上記効果が充分に発揮さ
れる。一方、コバルト添加による効果には限度があり、
必要以上の添加は無意味であり、添加量に見合う効果を
得ることができないし、却って、導電性,熱伝導性とい
った銅基合金本来の特性を損なう虞れがある。すなわ
ち、コバルトを1.0重量%(共添ニッケル等を添加さ
せる場合には0.7重量%)を超えて添加しても、それ
に見合うだけの効果が得られないばかりか、却って銅基
合金本来の特性である導電性,熱伝導性が低下すること
なる。勿論、コバルトは非常に高価なものであるから、
これを必要以上に添加することは、経済的にも問題があ
る。このような理由から、コバルトの添加量を、共添ニ
ッケル等が添加されない場合には0.10〜1.0重量
%とし、共添ニッケル等が添加させる場合には0.05
〜0.7重量%とした。
結晶粒の成長抑制機能を発揮するものであるが、その機
能は、コバルトとの共添によって飛躍的に向上される。
したがって、コバルトに加えて燐を添加しておくことに
より、高温加熱による結晶粒の成長を極めて効果的に抑
制して、加熱後も微細な結晶状態を確実に維持する。而
して、かかる燐の添加による効果は、その添加量が0.
020重量%未満では有効に発揮されず、さほど期待で
きない。しかし、0.20重量%を超えて添加しても、
その添加量に見合う効果は得られないばかりか、却って
導電性,熱伝導性が低下することになり、しかも熱間加
工性も低下することになる。したがって、燐の添加量は
0.02〜0.20重量%とした。
上記したコバルト及び燐による結晶粒の成長抑制作用及
び微細化作用を向上させると共にコバルト,燐の析出速
度を増大させ得て、高温加熱後における機械的強度を向
上させるものである。しかし、かかる錫の添加による効
果は、その添加量が0.10重量%未満では充分に発揮
されず、また1.0重量%を超えると、機械的強度は添
加量に応じてある程度向上するものの、導電性,熱伝導
性が低下することになる。かかる理由から、錫の添加量
は0.10〜1.0重量%とした。
強度の向上を図るために添加する。すなわち、結晶粒が
如何に微細であっても、マトリックス自体の強度が低い
場合には、当然に合金全体としての機械的強度は低いも
のとなるため、亜鉛はかかるマトリックスの強化を図る
ために添加する。この点は、錫も同様であるが、亜鉛の
添加は、更に、鑞付け性を向上させる効果を奏する。す
なわち、亜鉛を添加することにより、燐銅蝋(JIS
Z3264)等の鑞付け材との濡れ性を向上させること
ができるのある。而して、かかる亜鉛添加の効果は、そ
の添加量が0.01重量%未満では充分に発揮されず、
逆に2.0重量%を超えると、導電性,熱伝導性が低下
すると共に、応力割れや腐食割れに対する感受性が高く
なる。かかる理由から、亜鉛の添加量は0.01〜2.
0重量%とした。
は、コバルト添加による上記効果を維持しつつ高価なコ
バルトの添加量を可及的に減じるために添加されるもの
である。すなわち、ニッケルないし鉄は、マトリックス
へのコバルト固溶限度を減少せしめて、コバルト機能を
少ない添加量で有効に発揮させる役割を果たし、経済的
な効果を発揮させる。さらには、コバルト,ニッケル,
燐との共添による相乗効果によって、導電性,熱伝導性
をより高めると共に、コバルト,鉄,燐との共添による
相乗効果によって、耐熱性の更なる向上を図るものであ
る。また、マンガンないしマグネシウムも、ニッケル,
鉄と同様に、マトリックスへのコバルト固溶限度を減少
せしめて、上記したコバルト機能を少ない添加量で有効
に発揮させる役割を果たし、コバルトの固溶量を減少さ
せることにより熱,電気の伝導性を高めるものであり、
熱間加工性を高める効果もある。而して、かかる共添ニ
ッケル等の添加による効果は、ニッケル,鉄,マンガ
ン,マグネシウムのうち1種又は2種を選択して添加す
ることによって奏せられ、3種以上添加してもそれに見
合う添加効果は認められない。そして、添加量が、ニッ
ケル0.05重量%未満,鉄0.05重量%未満、マン
ガン0.01重量%未満,マグネシウム0.005重量
%未満では、上記した添加効果が充分に発揮されず、逆
にニッケル0.7重量%,鉄0.5重量%,マンガン
0.30重量%,マグネシウム0.10重量%を超える
添加によっては、添加量に見合う添加効果が認められな
いし、却って導電性,熱伝導性が低下する等の弊害を生
じる。かかる添加量の範囲については、ニッケル,鉄,
マンガン,マグネシウムのうち1種を添加させる場合の
みならず、2種を添加させる場合においても同様であ
る。このような理由から、共添ニッケル等の添加量を、
ニッケル0.05〜0.7重量%、鉄0.05〜0.5
重量%、マンガン0.01〜0.30重量%及びマグネ
シウム0.005〜0.10重量%とした。
明又は第2発明の銅基合金が、硬鑞付けや熱処理等によ
り600〜700℃以上の高温度に加熱された後におい
ても、機械的強度が低下せず、良好な熱伝導性,導電
性,鑞付け性等を有するものであり、熱交換器の伝熱管
等の構成材料として好適に使用できるものであること
は、以下に述べる実施例から容易且つ明瞭に理解される
であろう。
に係る銅基合金(以下「実施例合金」という)No.1
〜No.14を、各々、高周波溶解炉を使用して、木炭
の被覆下において大気溶解し、厚み35mm,幅90m
m,長さ250mmの鋳塊を得た。そして、各鋳塊を8
50℃に加熱して、熱間圧延により厚み5mmの板状素
材を得た。しかる後、各板状素材を、その表面を酸洗処
理した上で、厚さ0.63mmとなるように冷間圧延
し、更に焼鈍した上で冷間仕上圧延を行なうことにより
厚み0.6mmの板材を得た。なお、実施例合金No.
1〜No.4は第1発明に係る銅基合金であり、実施例
合金No.5〜No.14は第2発明に係る銅基合金で
ある。
をなす銅基合金(以下「比較例合金」という)No.2
1〜No.26を、各々、上記実施例と同一条件下で溶
解して、同一形状の鋳塊を得た。そして、各鋳塊から上
記実施例と同一条件下で同一工程により、同一形状の板
材(厚さ0.6mm)を得た。但し、比較例合金No.
26については、鋳塊を熱間圧延した段階で割れが生じ
たため、板材を得ることができなかった。なお、比較例
合金No.21は、冒頭で述べた如く熱交換器の伝熱管
等の構成材料として一般に使用されている燐脱酸銅(J
IS C1220)である。
を実施する場合と同一の条件で連続熱処理炉内を通過さ
せることにより、800℃(10分)に加熱処理した。
このときの各板材の温度変化は、図1に示す通りであ
る。
について、各々、結晶粒度及び導電率を測定すると共
に、各板材から得た試験片を使用して常法による引張試
験及び疲労試験(シェンク型繰り返し曲げ疲労試験)を
行なった。すなわち、引張試験においては、引張強さ
(N/mm2 )及び伸び(%)を測定し、疲労試験にお
いては、105 の繰り返し数に対する疲れ強さ(N/m
m2 )及び疲れ強さが100N/mm2 に達したときの
繰り返し数(疲労寿命)を測定した。
お、比較例合金No.26に係るものについては、前述
したように板材を得ることができなかったため、これら
の測定,試験は行なっていない。
については、連続熱処理炉に入れる前(800℃に加熱
する前)の段階においても、上記した結晶粒度及び導電
率の測定並びに引張試験及び疲労試験を行なった。その
結果は、結晶粒度:0.020mm,導電率:87%I
ACS,引張強さ:259N/mm2 ,伸び:40%,
疲れ強さ:140N/mm2 ,繰り返し数(疲労寿
命):5×105 であった。
金やアルミニウム等にあって、熱伝導率と導電率とは極
めて高い相関関係を示すものである。すなわち、両者は
略一定の比例関係にあり、例えば、熱伝導率が高い銅基
合金にあっては導電率も高く、逆に導電率が高い銅基合
金にあっては熱伝導率も高い。したがって、銅基合金や
アルミニウム等については、その導電率を測定すること
によって、熱伝導率ないし熱伝導性の良否を相当程度正
確に把握することができることから、ここでは、導電率
の測定値をもって実施例合金及び比較例合金相互におけ
る熱伝導率(熱伝導性)の相対的評価を行なうこととし
た。
る比較例合金No.21では、冒頭で述べた如く、鑞付
け温度である800℃に加熱されることによって、結晶
粒が粗大化して、機械的強度が大幅に低下することが理
解される。すなわち、結晶粒度は加熱前においては0.
020mmであるが、加熱後は0.3mmであり、結晶
粒が大幅に粗大化している。そして、加熱前後において
導電率及びこれから把握される熱伝導率は変化しないも
のの、機械的強度については、加熱前において259N
/mm2 (引張強さ),40%(伸び),140N/m
m2 (疲れ強さ),5×105 (繰り返し数)であった
が、加熱後においては207N/mm2(引張強さ),
26%(伸び),84N/mm2 (疲れ強さ),0.7
×105(繰り返し数)となり、800℃に加熱したこ
とによって大幅に低下している。
o.4及びNo.5〜No.14については、800℃
に加熱された後においても、結晶粒度は加熱前の比較例
合金No.21(燐脱酸銅)よりも小さくなっており、
結晶粒が殆ど粗大化しないことが理解される。このこと
から、機械的強度が加熱後も殆ど低下しないことが当然
に理解され、加熱後の機械的強度が、加熱後の比較例合
金No.21に比しては勿論、加熱前の比較例合金21
に比しても、大幅に高くなっていることが表3から明瞭
に理解される。すなわち、表3から明らかなように、実
施例合金No.1〜No.14は、その何れについて
も、実施例合金No.2,No.9,No.11,N
o.13において加熱後の伸びが加熱前の比較例合金N
o.21と同等となっている他は、加熱後の引張強さ,
伸び,疲れ強さ,繰り返し数(疲労寿命)の何れもが加
熱前の比較例合金No.21を大幅に上回っている。し
たがって、本発明に係る耐熱性銅基合金を構成材料とし
て使用すれば、従来において最も一般的な耐熱性銅基合
金である燐脱酸銅(比較例合金No.21)を構成材料
とする製品,部品の耐久性,耐用寿命等を大幅に向上さ
せることができ、更には、高温加熱後の機械的強度等の
面で燐脱酸銅等を使用し得なかった製品,部品の実用化
を可能として、銅基合金の用途を大幅に拡大することが
できる。
導電率及びこれから把握される熱伝導率は、表3に示す
如く、比較例合金No.21より低くなっているもの
の、一般に燐脱酸銅製の製品,部品(例えば、熱交換器
の伝熱管等)に必要とされる導電率,熱伝導率と同程度
又はそれ以上の値を示しており、特に問題はない。例え
ば、熱交換器の伝熱管等の構成材料としては、従来から
も、燐脱酸銅の他、アルミニウムが使用されているが、
かかるアルミニウムの導電率は約60%IACSであ
り、実施例合金No.1〜No.14の導電率は、低い
ものでもアルミニウムの導電率と同等である。したがっ
て、少なくとも、アルミニウムを構成材料として使用さ
れる製品,部品(熱交換器の伝熱管等)にあっては、ア
ルミニウムに代えて本発明に係る銅基合金を使用する上
で、熱伝導性ないし導電性が問題となることは全くな
い。
は、800℃に加熱後の導電率(熱伝導率)、疲れ強さ
及び疲労寿命(繰り返し数)が、実施例合金No.1〜
No.14よりも明らかに低くなっている。また、比較
例合金No.25は、実施例合金No.1〜No.14
に比して、疲れ強さ及び疲労寿命(繰り返し数)は同等
であるが、800℃に加熱後の導電率(熱伝導率)が明
らかに低くなっている。これらのことから、本発明にお
いて各元素の添加量及び添加元素の選択を前述した如く
決定しておく意義が明瞭に確認された。なお、比較例合
金No.26については、前述した如く熱間加工性に問
題があり、伝熱管等の構成材料たり得ないことは明らか
である。
4については、蝋付け材として燐銅蝋(JIS Z32
64)を使用して硬鑞付けしたが、その鑞付け性には何
らの問題も生じず、本発明に係る銅基合金が鑞付け性に
も優れたものであることが確認された。
に、本発明の耐熱性銅基合金は、最も一般的な耐熱性銅
基合金である燐脱酸銅の結晶粒が粗大化されるような高
温度(600〜700℃以上)に加熱された場合にも、
加熱によって結晶粒が粗大化されることがなく、加熱後
も機械的強度や銅合金本来の特性(熱伝導性,導電性
等)が低下することがない。特に、機械的強度について
は燐脱酸銅に比して大幅に向上しており、加熱後の機械
的強度は加熱前の燐脱酸銅よりも優れている。
れば、製作時又は使用時において600〜700℃以上
の高温に晒される(特に、硬鑞付けや溶接により800
℃以上に加熱される)熱交換器の伝熱管等の各種製品,
部品についての耐久性ないし耐用寿命を、一般的な燐脱
酸銅製のものに比して、大幅に向上させることができ
る。
料として使用することによって、燐脱酸銅を使用する場
合に比して、その用途の大幅な拡大が期待される。
炉内鑞付け法を実施する場合と同一の条件で連続熱処理
炉内を通過させた場合における、当該板材の温度変化と
経過時間との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 コバルト0.10〜1.0重量%と、 錫0.10〜1.0重量%と、 燐0.02〜0.20重量%と、 亜鉛0.01〜2.0重量%と、を含有し、且つ残部が
銅及び不可避不純物からなる金属組成をなすことを特徴
とする耐熱性銅基合金。 - 【請求項2】 コバルト0.05〜0.7重量%と、 錫0.10〜1.0重量%と、 燐0.02〜0.20重量%と、 亜鉛0.01〜2.0重量%と、 ニッケル0.05〜0.7重量%、鉄0.05〜0.5
重量%、マンガン0.01〜0.30重量%及びマグネ
シウム0.005〜0.10重量%から選択された一種
又は二種の元素と、を含有し、且つ残部が銅及び不可避
不純物からなる金属組成をなすことを特徴とする耐熱性
銅基合金。
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---|---|---|---|
JP28945196A JP3347001B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 耐熱性銅基合金 |
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JP28945196A JP3347001B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 耐熱性銅基合金 |
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