JP3230685B2 - 熱交換器用銅基合金 - Google Patents
熱交換器用銅基合金Info
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Description
関し、さらに詳しくは、自動車用ラジエータあるいは各
種工業用または家庭用熱交換器の製造材料として好適か
つ信頼性に富む銅基合金に関する。
タあるいは各種工業用または家庭用熱交換器などに用い
られてきた。自動車用ラジエータの場合、これを構成す
るタンク、プレート、チューブおよびフィン用材として
主に用いられており、特にタンク、プレートおよびチュ
ーブについては、黄銅1種または黄銅2種といった強度
と成形加工性に優れる軟質な銅基合金が用いられてい
た。
よび材質の高信頼化が強く望まれるようになり、自動車
の個々の部品についての軽量化および高信頼化が図られ
るようになった。
用いられている黄銅1種または黄銅2種といった軟質な
黄銅材は、脱亜鉛腐食を起こしたり、応力腐食割れを起
こしたりすることがあるため、信頼性の面で問題があっ
た。また軽量化に対しては、必要とする成形加工性を満
足した上で、さらに強度向上が強く求められてきた。
ータに起こる脱亜鉛腐食や応力腐食割れは、次に挙げる
事由によるものと考えられる。通常、ラジエータは空気
により強制的に冷却するところから、空気中のSO2 、
NOx およびCl2 ガスなどにより腐食が生じる。ま
た、エンジンルーム内への融雪材(NaCl等)の追入
や水分の追入により、腐食しやすい環境がつくられてい
る。さらに、ラジエータ内部には冷却媒体が還流してお
り、長期間にわたって使用していると、腐食生成物や汚
れが発生し、これらの発生および蓄積によって生じる通
気差電池や、還流している液体による衝撃腐食などによ
って脱亜鉛腐食、粒界腐食または孔食等が内側から生じ
ることなどからラジエータの寿命を低下させていた。
る残留応力や、組立時におけるかしめ等の応力が、腐食
環境とあいまって応力腐食割れを生じることなどから、
液漏れ等の重大な欠陥を引き起こすことがあった。
技術の問題点を解決し、耐応力腐食割れ性などの耐食性
に優れ、かつ、強度、成形加工性および半田付け性に優
れた熱交換器用銅基合金を提供することを目的としてい
る。
を解決するため鋭意研究したところ、従来の黄銅材に含
まれるZn成分を規制すると共に、さらにSiを適量添
加することによって黄銅の耐食性、特に耐応力腐食割れ
性を大幅に改善し、強度、成形加工性を向上させ得るこ
とを見い出し、本発明を達成することができた。
Zn: 7〜22%、Si:0.2〜2.5%、残部がCuおよび
不可避的不純物からなる熱交換器用銅基合金に関するも
のである。この銅基合金は、結晶粒度が0.005〜0.035mm
の合金として得ることが可能であり、この条件が満たさ
れるときは熱交換器用銅基合金としてさらに好ましいも
のとなる。また、引張強さが37kgf/mm 2 以上の合金とし
て得ることが可能である。さらにまた、エリクセン値が
13mm以上の合金として得ることが可能である。これらの
条件がすべて満たされるとき、熱交換器用合金として最
適なものとなるが、合金の使用目的によっては必ずしも
すべての条件が満たされる必要はないので、目的に応
じ、経済性を考慮して製造条件を選ぶことも可能であ
る。本発明はさらに、上記銅基合金からなる熱交換器用
コアプレート部材を提供する。
に説明する。
付け部の耐熱密着性を向上させる効果を有しており、こ
れらの効果は質量%において、Zn含有量が 7%未満で
は充分でなく、22%を超えるとSi存在下であっても脱
亜鉛腐食や応力腐食割れを起こしやすくなる。そのた
め、本発明におけるZnの含有量は 7〜22質量%(好ま
しくは13〜17質量%)の範囲内とした。
工性を向上させ、かつ、耐脱亜鉛腐食および耐応力腐食
割れ性を向上させる効果を有しており、これらの効果は
質量%において、Si含有量が0.2%未満では充分でな
く、2.5%を超えると熱間および冷間加工性の低下が著
しくなり、さらに半田付け性が劣化してしまう。そのた
め、本発明におけるSiの含有量は0.2〜2.5質量%(好
ましくは0.3〜1.2質量%)の範囲とした。なお、Zn含
有量が増すと強度、成形加工性が向上し、価格的にも有
利となるが、脱亜鉛腐食や応力腐食割れを抑制するため
に添加するSi量を多くする必要がある。
食や応力腐食割れの感受性が低下するが、強度不足にな
るのでSi量を多くしなければならない。従って、Si
含有量はZn含有量と密接な関係がある。ここでSi含
有量を多くすることは、鋳造時の湯流れ性の低下、熱間
および冷間加工時の変形抵抗の増大または変形能の低
下、あるいは熱処理時の被膜形成等、製造上不利とな
る。従って、Si添加量が最も少なくて特性を満足する
Znの最適量が求められる。Znの最適量は13〜17%、
Si添加量は 0.3〜1.2 %の範囲である。従って、好ま
しいZn含有量は13〜17%、このときのSi含有量は
0.3〜1.2 %の範囲である。
腐食割れ性が向上するが、成形加工性が低下する。従っ
て、0.005mm 以上が望ましく、0.035mm を超えると強度
および耐応力腐食割れ性が低下してくる。また、成形加
工後の肌荒れが起こりやすくなる。従って、結晶粒度は
0.005〜0.035mm の範囲とする。
ィンの薄肉化に対応するために、引張強さ33kgf/mm2 以
上、エリクセン値11mm以上が必要である。さらに近時の
軽量化の要求に対して引張強さ37kgf/mm2 以上、エリク
セン値13mm以上が好ましい。強度と成形加工性が共に良
くなるようにしないと、ラジエータの軽量化の達成は難
しくなる。さらに、前述した耐食性の向上により、薄肉
化を可能とする。
説明する。しかし本発明の範囲は、以下の実施例により
制限されるものではない。
合金試料 1〜12を高周波誘導溶解炉を用いて溶製し、40
mm×40mm×140mm の鋳塊に鋳造した。この場合、溶解鋳
造雰囲気を完全に不活性ガスでシールドして行った。
に切断し、この鋳片を 810℃で熱間圧延し、厚さ5mm の
熱延板を得た。これを面削した後、1.5mm まで冷延し、
500 〜550 ℃の温度で焼鈍した。これを酸洗した後、厚
さ0.4mm まで冷延し、400 〜600 ℃の温度で結晶粒度が
0.025mm になるように焼鈍した。但し、供試料中8のみ
は 650℃で焼鈍し、結晶粒度を0.060mm とした(結晶粒
度はJIS H 0501を参考にして求めた)。
粗さをRmax 0.0015mmに調整した。これを試験材として
用い、引張強さ、伸び、エリクセン値および耐応力腐食
割れ性を調べ、その結果を同表に併記した。
は、それぞれ JISZ 2244 、JIS Z2241、およびJIS Z 22
47(A法)に従って行った。耐応力腐食割れ性について
は、市販のアンモニア水(25〜28%)を純水で薄め、約
13%とした液をデシケータ底部に入れ、次いで中央部の
応力が9kgf/mm2 になるようにアーチ状に曲げた試験片
をその保持具と共にデシケータ内に置き、常温下で保持
した。
シケータ内より取り出し、実体顕微鏡で試験片表面を40
倍に拡大して観察し、割れ発生時間を測定した。
囲気に暴露した後、引張試験を行い、引張強さと伸びを
測定することによって粒界腐食の度合いを評価し、これ
らの結果を同表に併記した。
しい態様であるNo.1〜No.5の合金は、引張強さ、伸びお
よびエリクセン値に優れ、かつ耐応力腐食割れ性も良好
であり、従って熱交換器用銅基合金として非常に優れた
合金であることが分る。
り少ない比較合金No.6は、強度および伸びが低く、かつ
耐応力腐食割れ性に劣り、逆にSiが規定量より多い比
較合金No.7は、冷間圧延の途中で割れが発生し製造する
ことができなかった。また、Zn量の少ない比較合金N
o.9は、強度、伸びおよびエリクセン値が低く、逆にZ
nが規定量より多い比較合金No.10は、耐応力腐食割れ
性に劣っている。
金 No.11および No.12は、強度の面でも耐応力腐食割れ
性の面でも劣っていることが分る。
量のものであっても、結晶粒度が大きすぎる合金No.8の
場合は、強度、加工性および耐応力腐食割れ性が他の比
較合金よりは優れているものの、熱交換器用銅基合金と
しては不十分である。
熱交換器用として強度、成形加工性および耐応力腐食割
れ性に優れた特性を有し、近時各分野で所望される熱交
換器の軽量化、高信頼化に対応できるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%において、Zn: 7〜22%、S
i:0.2〜2.5%、残部がCuおよび不可避的不純物から
なる銅基合金であり、結晶粒度が0.005〜0.035mm、引張
強さが37kgf/mm 2 以上およびエリクセン値が13mm以上で
あることを特徴とする熱交換器用銅合金。 - 【請求項2】 質量%において、Zn: 7〜22%、S
i:0.2〜2.5%、残部がCuおよび不可避的不純物から
なる銅基合金であり、結晶粒度が0.005〜0.035mm、引張
強さが37kgf/mm 2 以上およびエリクセン値が13mm以上の
銅基合金からなることを特徴とする熱交換器用コアプレ
ート部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02959391A JP3230685B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 熱交換器用銅基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02959391A JP3230685B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 熱交換器用銅基合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04246141A JPH04246141A (ja) | 1992-09-02 |
JP3230685B2 true JP3230685B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=12280374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02959391A Expired - Lifetime JP3230685B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 熱交換器用銅基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230685B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8506730B2 (en) | 1998-10-09 | 2013-08-13 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
US7056396B2 (en) | 1998-10-09 | 2006-06-06 | Sambo Copper Alloy Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
AU2003236001A1 (en) * | 2002-09-09 | 2004-03-29 | Sambo Copper Alloy Co., Ltd. | High-strength copper alloy |
CN101098976B (zh) | 2005-09-22 | 2014-08-13 | 三菱伸铜株式会社 | 含有极少量铅的易切削铜合金 |
US11427891B2 (en) * | 2019-07-24 | 2022-08-30 | Nibco Inc. | Low silicon copper alloy piping components and articles |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP02959391A patent/JP3230685B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04246141A (ja) | 1992-09-02 |
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