JPH10129126A - 感熱転写記録材料及び感熱転写記録方法 - Google Patents

感熱転写記録材料及び感熱転写記録方法

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JPH10129126A
JPH10129126A JP8288028A JP28802896A JPH10129126A JP H10129126 A JPH10129126 A JP H10129126A JP 8288028 A JP8288028 A JP 8288028A JP 28802896 A JP28802896 A JP 28802896A JP H10129126 A JPH10129126 A JP H10129126A
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Japan
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group
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forming
dye
chelate
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JP8288028A
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English (en)
Inventor
Mari Honda
真理 本多
Akira Onishi
明 大西
Tatsuo Tanaka
達夫 田中
Yoriko Nakayama
依子 中山
Tawara Komamura
大和良 駒村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 定着性や耐光性等の画像保存性に優れた画像
を得るための感熱転写記録材料及びこの記録材料を用い
た感熱転写記録方法の提供。 【解決手段】 支持体上に少なくとも下記一般式(1)
で表される色素を含有する感熱転写記録材料。 〔式中、Zはキレート形成可能な基を含有する非金属
原子群を表し、Zは5員若しくは6員の芳香族環又は
複素環を形成する非金属原子群を表し、キレート形成可
能な基が置換されていても良く、ZとZは同じであ
っても異なっていても良い。Xは酸素、置換窒素、Zは
硫黄原子であり、XはZ又はZと結合して環を形成
してもよい。L、L、Lはメチン基を表す。nは
0、1又は2を表す。Mはカチオンを表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写記録材料
及び感熱転写記録方法に関し、更に詳しくは高濃度で画
像安定性が良好な画像を得るための感熱転写記録材料及
びこの感熱転写記録材料を用いて効率的に画像安定性の
良好な画像を記録することができる感熱転写記録方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、カラーハードコピーを得る方
法として、インクジェット、電子写真、感熱転写、ハロ
ゲン化銀感光材料等によりカラー画像記録材料が検討さ
れている。これらのうち、特に感熱転写記録材料は、操
作や保守が容易であること、装置の小型化、低コスト化
が可能なこと、更にランニングコストが安いこと等の利
点を有している。
【0003】ところで、熱転写方式の感熱転写記録にお
いては、感熱転写記録材料に用いられる色素が重要であ
る。得られた画像の安定性、特に定着や耐光性を改良す
る目的でキレート化可能な熱拡散性色素(以下ポストキ
レート色素と記す)を用いる感熱転写材料及び画像形成
方法が提案されており、例えば特開昭59−78893
号、同59−109349号、同60−2398号の公
報に記載されている。上記特許で開示された、ポストキ
レート色素を用いて形成された画像は耐光性や定着性に
優れているが、感熱転写記録材料の感度や材料自体の保
存性の点では十分に満足するものではなく更に改良が望
まれていた。
【0004】また、上記特許等で開示された、ポストキ
レート色素は2座配位又は3座配位のキレート色素を形
成するものであり、金属イオンと配位結合する基として
発色団のアゾ基を使用される。これらの色素を用いた感
熱転写記録においては、ポストキレート色素とキレート
色素の間での色相差が大きいため、画像形成時のキレー
ト反応が不十分な場合には未反応のポストキレート色素
の吸収が残存する場合や形成されたキレート色素自体の
不整吸収のためにフルカラー画像を得る場合に色再現上
更に改良することが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
性や耐光性等の画像保存性に優れた画像を得るための感
熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録
方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成できる。
【0007】1.支持体上に少なくとも下記一般式
(1)で表される色素を含有することを特徴とする感熱
転写記録材料。
【0008】
【化5】
【0009】式中、Z1はキレート形成可能な基を含有
する非金属原子群を表し、Z2は5員若しくは6員の芳
香族環又は複素環を形成する非金属原子群を表し、キレ
ート形成可能な基が置換されていてもよく、Z1とZ2
同じであっても異なっていても良い。Xは酸素、置換窒
素、又は硫黄原子であり、XはZ1又はZ2と結合して環
を形成してもよい。L1、L2、L3はメチン基を表す。
nは0、1又は2を表す。M+はカチオンを表す。
【0010】2.一般式(1)で表される色素におい
て、キレート形成可能な基のキレート結合原子が窒素原
子であることを特徴とする前記1に記載の感熱転写記録
材料。
【0011】3.前記一般式(1)が下記一般式(2)
であることを特徴とする前記1又は2に記載の感熱転写
記録材料。
【0012】
【化6】
【0013】式中、Z1はキレート形成可能な基を含有
する非金属原子群を表し、Z2は5員若しくは6員の芳
香族環又は複素環を形成する非金属原子群を表し、キレ
ート形成可能な基が置換されていてもよく、Z1とZ2
同じであっても異なっていても良い。L1、L2、L3
メチン基を表す。nは0、1又は2を表す。
【0014】4.前記一般式(1)が下記一般式(3)
であることを特徴とする前記1又は2に記載の感熱転写
記録材料。
【0015】
【化7】
【0016】式中、Z1及びZ3はキレート形成可能な基
を含有する非金属原子群を表し、Z 2及びZ4は5員若し
くは6員の芳香族環又は複素環を形成する非金属原子群
を表し、キレート形成可能な基が置換されていてもよ
く、Z1、Z2、Z3及びZ4は同じであっても異なってい
ても良い。L1、L2、L3はメチン基を表す。nは0、
1又は2を表す。
【0017】5.支持体上に少なくとも下記一般式
(4)で表される色素を含有することを特徴とする感熱
転写記録材料。
【0018】
【化8】
【0019】式中、Z1′はキレート形成可能な基を含
有する非金属原子群を表し、Z2′は、5員若しくは6
員の複素環を形成する非金属原群を表し、キレート形成
可能な基が置換されていてもよく、Z1′とZ2′は同じ
であっても異なっていても良い。R1、R2は置換基を表
し、L1、L2、L3はメチン基を表す。nは0、1又は
2を表す。
【0020】6.支持体上に少なくとも前記一般式
(1)で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受
像材料を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて
加熱し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により
形成されるキレート色素によって画像を形成することを
特徴とする感熱転写記録方法。
【0021】7.支持体上に少なくとも前記一般式
(2)で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受
像材料を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて
加熱し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により
形成されるキレート色素によって画像を形成することを
特徴とする感熱転写記録方法。
【0022】8.支持体上に少なくとも前記一般式
(3)で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受
像材料を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて
加熱し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により
形成されるキレート色素によって画像を形成することを
特徴とする感熱転写記録方法。
【0023】9.支持体上に少なくとも前記一般式
(4)で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受
像材料を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて
加熱し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により
形成されるキレート色素によって画像を形成することを
特徴とする感熱転写記録方法。
【0024】本発明を更に詳細に述べる。
【0025】本発明はキレート色素を形成することが出
来る前記一般式(1)で表される本発明の色素を用いる
ことを特徴とするが、本発明の目的をより効果的に作用
させるためにはキレート色素を形成することが出来る一
般式(1)で表される本発明の色素において、キレート
結合を形成する原子が窒素原子であることが好ましい。
【0026】一般式(1)においてZ1はキレート形成
可能な基を含有する非金属原子群を表し、一般式(1)
として色素を形成できるものなら何でもよく、更にXと
結合して環を形成しても良く、例えば5−ピラゾロン、
ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾール、ピラゾロイミ
ダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾー
ル、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニ
ン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、
イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオ
ン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン又はピ
ラゾロピリドン等が好ましい。
【0027】Z2は5員若しくは6員の芳香族環又は複
素環を形成する原子の集まりを表し、キレート形成可能
な基が置換されていても良い。該環上には更に置換基を
有していてもよく、縮合環を有していても良い。該環の
具体例としては5−ピラゾロン、ピラゾロピロール、ピ
ラゾロピラゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロト
リアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツール酸、
チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオ
ヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、イン
ダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオ
ン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン等を表し、
1とZ2は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0028】Xは酸素、置換窒素、又は硫黄原子であ
り、XはZ1又はZ2と結合して環を形成してもよい。L
1,L2,L3はメチン基を表す。nは0、1又は2を表
す。Mはカチオンを表す。M+が表すカチオンとして
は、具体的には、H+、Na+、K+、Et3NH+が好ま
しく、これらの中でH+が特に好ましい。
【0029】更に一般式(1)が、下記一般式(2)又
は下記一般式(3)で表される場合が好ましい。
【0030】一般式(2)においてZ1はキレート形成
可能な基を含有する非金属原子群を表し、一般式(2)
として色素を形成できるものなら何でもよく、例えば5
−ピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、
ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサ
ゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリ
ジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリド
ン又はピラゾロピリドン等が好ましい。該環上には更に
置換基を有していてもよく、縮合環を有していても良
い。
【0031】Z2は5員若しくは6員の芳香族環又は複
素環を形成する非金属原子群を表し、キレート形成可能
な基を含有しても良い。該環上には更に置換基を有して
いてもよく、縮合環を有していても良い。該環の具体例
としては5−ピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビ
ツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイ
ン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオ
ン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒド
ロキシピリドン、又はピラゾロピリドン等を表し、Z1
とZ2は互いに同じであっても異なっていても良い。
1,L2,L3はメチン基を表し、nは0、1又は2を
表す。
【0032】一般式(3)においてZ1及びZ3はキレー
ト形成可能な基を含有する非金属原子群を表し、一般式
(3)として色素を形成できるものなら何でもよく、該
環上には更に置換基を有していてもよく、縮合環を有し
ていても良い。Z1及びZ3を含む非金属原子群としては
例えば、ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾール、ピラ
ゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテ
トラゾール等が好ましい。
【0033】Z2及びZ4は5員若しくは6員の芳香族環
又は複素環を形成する非金属原子群を表し、キレート形
成可能な基を含有しても良い。該環上には更に置換基を
有していてもよく、縮合環を有していても良い。該環の
具体例としては、ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾー
ル、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピ
ラゾロテトラゾール等を表し、Z2とZ4は互いに同じで
あっても異なっていても良い。又、Z1、Z2、Z3及び
4は同じであっても、異なっていても良い。
【0034】更に、本発明はキレート色素を形成するこ
とが出来る前記一般式(4)で表される本発明の色素を
用いることを特徴とするが、本発明の目的をより効果的
に作用させるためにはキレート色素を形成することが出
来る一般式(4)で表される本発明の色素において、キ
レート結合を形成する原子が窒素原子であることが好ま
しい。
【0035】一般式(4)においてZ1′はキレート形
成可能な基を含有する非金属原子群を表し、一般式
(4)として色素を形成できるものなら何でもよく、該
環上には更に置換基を有していてもよく、縮合環を有し
ていても良く、ベンズ縮合環を形成する場合が好まし
い。例えばイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、
ピロール、インドール等が好ましい。Z2′は、5員若
しくは6員の複素環を形成する非金属原子群を表し、キ
レート形成可能な基を含有しても良い。該環上には更に
置換基を有していても良く、縮合環を有してもよく、ベ
ンズ縮合環を形成する場合が好ましい。
【0036】該環の具体例としては、イミダゾール、ピ
ラゾール、トリアゾール、ピロール、インドール等が挙
げられ、Z1′とZ2′は同じであっても異なっていても
良い。R1、R2は置換基を表し、具体的には、水素原
子、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子)又は一価の置換基(例えばアルキル基、アリール
基、複素環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ
基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基)等を表
し、でもよく、更にこれらも置換されていても良い。L
1、L2、L3はメチン基を表す。nは0、1又は2を表
す。
【0037】以下に一般式(1)〜(4)で表される色
素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】次に合成例を示す。
【0043】
【化13】
【0044】(例示色素D−5の合成)化合物(A)
2.0gと(B)4.05gをエタノール中加温溶解
し、トリエチルアミン2.3gを加え、2時間加熱環流
を行った。2時間後放冷し、析出してきた結晶を濾取
し、アセトニトリルによって再結晶した。得られた4.
35gの結晶をエタノール中酢酸処理し、これを更にア
セトニトリルによって再結晶し、2.2gの(D−5)
を収率48%で得た。アセトン中でのλmaxは430
nmであった。
【0045】本発明の感熱転写記録材料は支持体上に本
発明の色素を有する感熱転写層から構成される。該感熱
転写層は本発明の色素をバインダーと共に溶剤中に溶解
することによって、或いは溶媒中に微粒子状に分散させ
ることによって感熱転写層形成用インク液を調製し、該
インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより
形成することができる。感熱転写層の厚さは乾燥膜厚で
0.1〜10μmが好ましい。
【0046】前記バインダーとしてはアクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ニ
トロセルロース、エチルセルロース等の溶剤可溶性ポリ
マーが好ましい。
【0047】これらのバインダーは、一種又は二種以上
を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分
散の形で使用してもよい。バインダーの使用量として
は、支持体1m2当り0.1〜20gが好ましい。
【0048】前記有機溶媒としては、アルコール類(例
えばエタノール、プロパノール)、セルソルブ類(例え
ばメチルセルソルブ)、芳香族類(例えばトルエン、キ
シレン)、エステル類(例えば酢酸エステル)、ケトン
類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エーテル
類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が挙げ
られる。
【0049】前記支持体としては、寸法安定性がよく、
記録の際感熱ヘッド等の加熱に耐えるものであればよい
が、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネー
トのような耐熱性のプラスチックフィルムが好ましく用
いられる。支持体の厚さは、2〜30μmが好ましく、
また支持体にはバインダーとの接着性の改良や色素の支
持体への転写、染着を防止する目的で選択されたポリマ
ーからなる下引き層を有することが好ましい。更に支持
体の裏面(感熱転写層と反対側)には、ヘッドが支持体
に粘着するのを防止する目的でスリッピング層を有して
もよい。
【0050】本発明の感熱転写記録材料は、後述する受
像材料に普通紙の如く受像層を特に設けていないものを
用いる目的で、感熱転写層上又は感熱転写層が塗設され
てなる支持体上の別層に特開昭59−106997号公
報に記載されているような熱溶融性化合物を含有する熱
溶融性層を有していてもよい。
【0051】この熱溶融性化合物としては、65〜15
0℃の温度で溶融する無色又は白色の化合物が好ましく
用いられ、例えばカルナバロウ、蜜ロウ、カンデリンワ
ックス等のワックス類が挙げられる。
【0052】なお、これらの熱溶融性層には、例えばポ
リビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリエス
テル、酢酸ビニル等のポリマーが含有されていても良
い。
【0053】本発明の感熱転写記録材料をフルカラー画
像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シア
ン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含
有するシアン感熱転写層、マゼンタ画像を形成すること
ができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタ感熱
転写層、イエロー画像を形成することができる熱拡散性
イエロー色素を含有するイエロー感熱転写層の合計3層
を支持体上の同一表面上に順次繰り返して塗設すること
が好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質
を含む感熱転写層の合計4層が同一表面上に順次に繰り
返して塗設されていても良い。上記色素の中で本発明の
色素は少なくとも1種使用されていれば良い。
【0054】本発明の感熱転写記録方法においては、前
記感熱転写記録材料の感熱転写層と受像材料とを重ね合
わせてから、画像情報に応じた熱を感熱転写記録材料に
与え、金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも
いう)と本発明の色素との反応により形成されるキレー
ト色素による画像を受像材料上に形成させる。メタルソ
ースは受像材料中に存在させても良いし、感熱転写材料
上に設けた熱溶融性層中に存在させても良い。前記メタ
ルソースは金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体
が挙げられ、中でも有機酸の塩及び錯体が好ましい。
【0055】金属としては、周期律表の第I〜VIII族
に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもA
l、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、N
i、Sn、Ti及びZnが好ましく、特にNi、Cu、
Cr、Co及びZnが好ましい。メタルソースの具体例
としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+
と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或いは安息香
酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられ
る。
【0056】また、下記一般式(5)で表される金属錯
体は、本発明のメタルソースとして特に好ましく用いる
ことができる。
【0057】 一般式(5) [Me(Q1)l(Q2)m(Q3)n]P+(Y-P 但し、上記式中、Meは金属イオン、好ましくはN
2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、
Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可
能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なって
いても良い。これらの配位化合物としては、例えばキレ
ート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物
から選択することができる。Yは有機アニオン基を表
し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキ
ルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げることができ
る。lは1、2又は3の整数を表し、mは1、2又は0
を表し、nは1又は0を表すが、これらは前記一般式で
表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定さ
れるか、或いはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって
決定される。Pは0、1又は2を表す。P=0は、Qで
表される配位化合物がアニオン性化合物であり、Qで表
されるアニオン性化合物とMeで表される金属カチオン
とが電気的に中和された状態であることを意味する。
【0058】アニオン性化合物としては下記一般式
(6)で表される化合物が好ましい。
【0059】
【化14】
【0060】R11、R13は各々同じであっても異なって
いても良いアルキル基又はアリール基を表し、R12はア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカ
ルボニル基、水素原子を表す。メタルソースの添加量
は、通常、受像材料又は熱溶融性層に対し、0.5〜2
0g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好まし
い。
【0061】なお、本発明で用いられる前記受像材料
は、一般に紙、プラスチックフィルム、又は紙−プラス
チックフィルム複合体を支持体としてその上に受像層と
してポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ルと他のモノマー(例えば酢酸ビニル等)との共重合樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポ
リカーボネート等の一種又は二種以上のポリマー層を形
成してなる。また受像材料は受像層の上層に融着防止を
目的として保護層を設けてもよく、更に支持体と受像層
の間に接着や断熱或いはクッション効果を目的として中
間層を設けても良い。また、上記支持体そのものを受像
材料にすることもある。
【0062】
【実施例】実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0063】(実施例−1) −インクの調製− 下記の原料を混合して本発明に係わる色素を含有する均
一な溶液のインクを得た。色素の溶解性は良好であり、
インク化適性も良好であった。
【0064】 例示色素(D−2) 0.72g ポリビニルアセトアセタール樹脂(KY−24、電機化学工業製) 1.08g メチルエチルケトン 26.4ml トルエン 1.6ml −感熱転写記録材料の作成− 上記インクを、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタ
レートベース上にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量
が2.3g/m2になるように塗布乾燥し、ポリエチレ
ンフタレートフィルム上に感熱転写層を形成してなる感
熱転写記録材料−1を作成した。なお、上記ポリエチレ
ンテレフタレートベースの裏面には、スティキング防止
層としてシリコン変性ウレタン樹脂(SP−2105、
大日精化製)を含むニトロセルロース層が設けられてい
る。
【0065】上記と同様にして表1に示す色素を用いた
感熱転写記録材料−2〜11を作成した。
【0066】−受像材料の作成− 紙の両面にポリエチレンをラミネートした支持体(片側
のポリエチレン層に白色顔料(TiO2)と青味剤を含
む)の上に、下記組成の塗布液を乾燥後の塗布量が7.
2gになるように塗布乾燥し、受像材料−1を作成し
た。更に受像材料−1からメタルソースを除いた以外は
受像材料−1と同じ組成の受像材料−2を作成した。
【0067】 メタルソース(下記) 4.0g ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学工業製) 6.0g ポリエステル変成シリコン 0.3g −感熱転写記録方法− 前記感熱転写記録材料と受像材料とを重ね、感熱ヘッド
を感熱転写記録材料の裏面からあてて、サーマルプリン
ターで画像記録を行ない、階調性の優れた画像−1〜1
1を得た。記録後、画像の最大濃度、記録材料の感度及
び画像保存性について下記に従って評価した。結果を表
1に示す。
【0068】最大濃度の評価:X−Rite310TR
により画像の最大反射濃度(通常、印加時間が最大の部
分)を測定した。
【0069】感度の評価:感熱転写記録材料−10で形
成される画像の濃度が1.0となる時の印加エネルギー
を1とした時の各材料の相対的な印加エネルギーを求め
た。数字が小さいほど感度が高いことを示す。
【0070】画像保存性評価:得られた画像に対してキ
セノンフェードメーターで5日間光照射を行い耐光性を
評価した。光照射後の色素残存率の結果を表1に示す。
尚、色素残存率は光照射前の濃度をD0、光照射後の濃
度をDとしてD/D0×100で表す。
【0071】
【化15】
【0072】
【化16】
【0073】
【表1】
【0074】表1に示すとおり、本発明の色素を用いた
感熱転写記録材料は感度が高く、特にメタルソースと反
応させることで受像材料上にキレート画像を形成させる
ことで高濃度で画像保存性の良好な画像を得ることが出
来る。
【0075】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による感
熱転写記録材料及びこの記録材料を用いた感熱転写記録
方法は定着性や耐光性等の画像保存性に優れた画像を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 依子 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも下記一般式(1)
    で表される色素を含有することを特徴とする感熱転写記
    録材料。 【化1】 〔式中、Z1はキレート形成可能な基を含有する非金属
    原子群を表し、Z2は5員若しくは6員の芳香族環又は
    複素環を形成する非金属原子群を表し、キレート形成可
    能な基が置換されていても良く、Z1とZ2は同じであっ
    ても異なっていても良い。Xは酸素、置換窒素、又は硫
    黄原子であり、XはZ1又はZ2と結合して環を形成して
    もよい。L1、L2、L3はメチン基を表す。nは0、1
    又は2を表す。M+はカチオンを表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される色素において、
    キレート形成可能な基のキレート結合原子が窒素原子で
    あることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録材
    料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)が下記一般式(2)で
    表される色素であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の感熱転写記録材料。 【化2】 〔式中、Z1はキレート形成可能な基を含有する非金属
    原子群を表し、Z2は5員若しくは6員の芳香族環又は
    複素環を形成する非金属原子群を表し、キレート形成可
    能な基が置換されていてもよく、Z1とZ2は同じであっ
    ても異なっていても良い。L1、L2、L3はメチン基を
    表す。nは0、1又は2を表す。〕
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)が下記一般式(3)で
    表される色素であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の感熱転写記録材料。 【化3】 〔式中、Z1及びZ3はキレート形成可能な基を含有する
    非金属原子群を表し、Z2及びZ4は5員若しくは6員の
    芳香族環又は複素環を形成する非金属原子群を表し、キ
    レート形成可能な基が置換されていてもよく、Z1
    2、Z3及びZ4は同じであっても異なっていても良
    い。L1、L2、L3はメチン基を表す。nは0、1又は
    2を表す。〕
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも下記一般式(4)
    で表される色素を含有することを特徴とする感熱転写記
    録材料。 【化4】 〔式中、Z1′はキレート形成可能な基を含有する非金
    属原子群を表し、Z2′は5員若しくは6員の複素環を
    形成する非金属原群を表し、キレート形成可能な基が置
    換されていてもよく、Z1′とZ2′は同じであっても異
    なっていても良い。R1、R2は置換基を表し、L1
    2、L3はメチン基を表す。nは0、1又は2を表
    す。〕
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくとも前記一般式(1)
    で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受像材料
    を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱
    し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により形成
    されるキレート色素によって画像を形成することを特徴
    とする感熱転写記録方法。
  7. 【請求項7】 支持体上に少なくとも前記一般式(2)
    で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受像材料
    を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱
    し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により形成
    されるキレート色素によって画像を形成することを特徴
    とする感熱転写記録方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に少なくとも前記一般式(3)
    で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受像材料
    を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱
    し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により形成
    されるキレート色素によって画像を形成することを特徴
    とする感熱転写記録方法。
  9. 【請求項9】 支持体上に少なくとも前記一般式(4)
    で表される色素を含有する感熱転写記録材料に受像材料
    を重ね、該感熱転写記録材料を画像情報に応じて加熱
    し、該色素と金属イオン含有化合物との反応により形成
    されるキレート色素によって画像を形成することを特徴
    とする感熱転写記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1591266A2 (en) 2004-04-27 2005-11-02 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. Image forming method by using thermal dye transfer system
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