JPH10128530A - ハニカムパネルおよびその製造方法 - Google Patents

ハニカムパネルおよびその製造方法

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JPH10128530A
JPH10128530A JP8282286A JP28228696A JPH10128530A JP H10128530 A JPH10128530 A JP H10128530A JP 8282286 A JP8282286 A JP 8282286A JP 28228696 A JP28228696 A JP 28228696A JP H10128530 A JPH10128530 A JP H10128530A
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JP
Japan
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core structure
honeycomb
honeycomb core
honeycomb panel
square wave
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Application number
JP8282286A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Sasaki
敏彦 佐々木
Hiroyuki Takigawa
裕之 瀧川
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハニカムパネルの製作において、ろう付け処
理を確実に行うことができ、製作後もハニカムパネル同
士の溶接が可能で、強度が高いハニカムパネルおよびそ
の製造法を提供する。 【解決手段】 板状素材からなる角波成形体を重ね合わ
せて形成したハニカムコア構造体と、このハニカムコア
構造体の側端部に配設された縁材と、前記ハニカムコア
構造体および縁材の上下に配設された面板とをろう付け
一体としてなるハニカムパネルにおいて、前記ハニカム
コア構造体を形成する六角形の各セルの頂点の一つおき
の頂点に、隣接する他の二つのセルとを繋ぐ通気孔を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカムコア構造
体を縁材により囲み、ハニカムコア構造体と縁材との上
下に面板をろう付け一体としてなるハニカムパネルおよ
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハニカムパネルは、アルミニューム(そ
の合金を含む)、チタン(その合金を含む)、鉄鋼材料
(ステンレス鋼等)等より製造されている。この中で、
アルミニュームを用いたろう付けハニカムパネルが多く
用いられ、車両や船舶等の構造部、さらに建築物等の構
造用部材の一部として使用されている。
【0003】アルミニュームろう付けハニカムパネル
は、図6に示すようにハニカムコア構造体1の側端部に
用途に応じて種々の断面形状のアルミニューム縁材4、
5を配設し、ハニカムコア構造体1、面板2、3ととも
に一体ろう付けたハニカムパネルが実用化されている。
このハニカムパネルの縁材部を溶接することによりパネ
ル同士の溶接が可能であることが大きな特徴である。
【0004】このようなアルミニュームろう付けハニカ
ムパネルの製造例を図6により説明する。アルミニュー
ムシートまたは片面にろう材を設けたアルミニュームブ
レージングシートからなる板状素材を所定の幅に切断し
て正六角形の半分の角波形状になるように折り曲げ加工
する。次に、これら加工されたアルミニュームシートま
たはアルミニュームブレージングシートを重ね合せてハ
ニカムコア構造体1を形成する。このハニカムコア構造
体1の側端部にアルミニューム縁材4、5を配設し、上
下にハニカムコア構造体側にろう材を設けたアルミニュ
ームブレージングシートからなる面板2、3を配設して
ハニカムパネル形状に組み立てる。この組み立てられた
ハニカムパネルを、拘束した状態で、処理炉に挿入し、
真空雰囲気中で加熱を行い一体にろう付け接合する。な
お、アルミニューム縁材は押出成形等により製造されて
いる。
【0005】ろう付け処理において、ハニカムコア構造
体の各セルは閉空間とならないように、外気との通気性
が要求される。これは、ハニカムコア構造体の中央部ま
で真空状態にすることにより、均一なろう付け条件での
ろう付け処理を行う。さらに、真空状態でのろう付け処
理での気圧変化による変形を防止するためである。この
ため、ハニカムコア構造体に通気孔が設けられている。
例えば、図7の特公平3−30667号公報のように、
ハニカムコア構造体中の他のセルとは接合しない非ろう
付け部に通気孔10を設けることが提案されている。こ
れにより、ハニカムコア構造体1は良好なろう付け特性
が得られ、気圧変化による変形も防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、縁材を
有するハニカムパネルの場合、ハニカムコア構造体の各
セルの通気性を確保するためには、図8に示すような、
縁材5にセルピッチで通気孔9を設けるか、図9に示す
ような、セル内の非ろう付け部のすべてに通気孔10を
設ける必要がある。縁材にセルピッチで通気孔を設ける
ことは、縁材の強度を低下させるおそれがあり、さらに
孔あけ加工費を増加に伴う製造コストアップの問題があ
る。また、ハニカムコア構造体の各セル内の非ろう付け
部のすべてに通気孔を設けることは、ハニカムパネル全
体の強度を低下させるおそれがあり、特に、セル内の非
ろう付け部は、セル内のろう付け部(板状素材が重なり
合わせた部分)より、強度が低い。セル内の非ろう付け
部のすべてに通気孔を設けることにより、強度が低い非
ろう付け部の強度をさらに低下させるおそれがある。一
方、セル内のろう付け部に通気孔を設けるのは、ろう付
け接合時に通気孔に目詰まりを生じる問題がある(特公
平3−30667号公報参照)。
【0007】そこで本発明は、ハニカムパネルの製作に
おいて、ろう付け処理を確実に行うことができ、製作後
もハニカムパネル同士の溶接が可能で、強度が高いハニ
カムパネルおよびその製造法を提供することを目的とし
たものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは前述した目的
を達成するために、鋭意研究を行い、次のような結果を
得た。本発明のうちで請求項1記載の発明は、板状素材
からなる角波成形体を重ね合わせて形成したハニカムコ
ア構造体と、このハニカムコア構造体の側端部に配設さ
れた縁材と、前記ハニカムコア構造体および縁材の上下
に配設された面板とをろう付け一体としてなるハニカム
パネルにおいて、前記ハニカムコア構造体を形成する六
角形の各セルの頂点に、隣接する他の二つのセルとを繋
ぐ通気孔を設けることを特徴とするものである。ハニカ
ムコア構造体を形成する六角形の各セルの頂点、即ちセ
ルの3重点に、隣接する他の二つのセルとを繋ぐ通気孔
を設けることによって、ハニカムパネルの強度の低下を
少なくして、各セル間の通気性を確保することができ
る。
【0009】また請求項2記載の発明は、板状素材から
なる角波成形体をを重ね合わせて形成したハニカムコア
構造体と、このハニカムコア構造体の側端部に配設され
た縁材と、前記ハニカムコア構造体および縁材の上下に
配設された面板とをろう付け一体としてなるハニカムパ
ネルにおいて、前記ハニカムコア構造体を形成する六角
形の各セルの頂点の一つおきの頂点に、隣接する他の二
つのセルとを繋ぐ通気孔を設けることを特徴とするもの
である。ハニカムコア構造体を形成する六角形の各セル
の頂点の一つおきの頂点に、隣接する他の二つのセルと
を繋ぐ通気孔を設けることによって、最も効率よく隣り
合った各セル間の通気性を確保することができ、ハニカ
ムパネルのろう付けを確実に行え、通気孔を設けること
による強度の低下がさらに少ないハニカムパネルを得る
ことができる。
【0010】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載のハニカムパネルの通気孔が、板状素材からなる
角波成形体の折り曲げ部に設けられたスリットを前記角
波成形体の凸側から凹側へ押し込んでなるスリット加工
部を重ね合わせて形成されてなる貫通孔であることを特
徴とするものである。スリット加工部により、各セル間
の通気性を確保することができる。さらに、貫通孔を設
けることによる強度の低下を抑制し、ハニカムパネルの
ろう付けを確実に行うことができる。
【0011】また請求項4記載の発明は、板状素材から
なる角波成形体の凸側の面を相反する側にして重ね合わ
せて形成したハニカムコア構造体と、このハニカムコア
構造体の側端部に配設された縁材と、前記ハニカムコア
構造体および縁材の上下に配設された面板とをろう付け
一体としてなるハニカムパネルの製造方法において、
(イ)前記板状素材からなる角波成形体の折り曲げ部
に、一つおきに折り曲げ方向に直角にスリットを設け、
(ロ)前記スリットを前記角波成形体の凸側から凹側へ
押し込んだスリット加工部を設け、(ハ)このスリット
加工部を重ね合わせて貫通孔を形成するように、前記角
波成形体の凸側の面を相反する側にして重ね合わせハニ
カムコアを形成し、(ニ)このハニカムコアを複数個重
ねてハニカムコア構造体を構成することを特徴とするも
のである。スリット加工部により、各セル間の通気性を
確保することができる。さらに、貫通孔を設けることに
よる強度の低下を抑制し、ハニカムパネルのろう付けを
確実に行うことができる。
【0012】また請求項5記載の発明は、請求項2記載
の発明の構成のスリット加工部によって貫通孔を形成す
る代わりに、孔あけ加工により貫通孔を設けるものであ
る。これにより、ハニカムパネルのろう付けを確実に行
うことができ、ハニカムパネルの製造コストを低減でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図示例ととも
に説明する。図1は、本発明の第1実施例のハニカムパ
ネルを示す図であり、図2は、本発明の第1実施例のハ
ニカムパネルの中央部の斜視図であり、図3は、本発明
の第1実施例のハニカムコア構造体を形成する板状素材
からなる角波成形体の折り曲げ部の形状を示す図であっ
て、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【0014】本発明の第1実施例のハニカムパネルは、
図1に示すように、2対の縁材4、5が4辺に配置され
た型枠の構成になっている。そして、この縁材4、5に
囲まれた領域にハニカムコア構造体1が配置されてい
る。このハニカムコア構造体1はその1対の対向する縁
材5に向かう側に各セルの6角に1辺が位置し、各セル
の6角のうちの1面が縁材5に平行になるように配置さ
れている。そして、図2に示すように、前記ハニカムコ
ア構造体1および縁材4、5の上下に面板2、3が配置
された構造になっている。本発明の実施例のハニカムパ
ネルは、前記ハニカムコア構造体1、縁材4、5および
面板2、3とをろう付け一体化されている。
【0015】ハニカムコア構造体1は、図3に示すよう
に、板状素材、例えば両面をろう材でクラッドされたア
ルミニュームブレージングシートを120度に折り曲げ
て成形することにより、水平面1aと傾斜面1bとを交
互に有する角波成形体6である。前記角波成形体6の折
り曲げ部(a〜i)に、一つおきに折り曲げ方向に直角
に複数のスリット7(本実施例では2本のスリット)を
角波成形体6の幅方向の中央部に設ける。ここで、図3
の(a)図において、折り曲げ部(b、d)はスリット
が角波成形体の凸側から凹側へ押し込まれた状態(スリ
ット加工部8となる。)を示し、折り曲げ部(f、h)
は、押し込み前のスリットが設けられた状態を示す。
【0016】前記スリット加工部をアルミニュームブレ
ージングシートの折り曲げ加工工程で同時にいれること
が好ましい。これによりスリット加工部の位置の寸法精
度が良くなり通気性が向上する。この加工方法として、
例えばアルミニュームブレージングシートの折り曲げ加
工工程の金型(成形ロールも含む)に、スリットを導入
する金型とスリットを凸側から凹側へ押し込む金型を組
み込むことができる。さらに、スリットの導入とスリッ
トを凸側から凹側へ押し込みを同時に行う金型を用いる
こともできる。また、スリット加工部の位置は角波成形
体の幅方向の中央部に設ける代わりに、ハニカムパネル
の形状や強度改善等の観点によりスリット加工部の位置
を変えることができる。
【0017】このスリット加工部を重ね合わせて貫通孔
を形成するように、前記角波成形体の凸側の面を相反す
る側にして重ね合わせてハニカムコアを形成する。例え
ば、図3に示す角波成形体6を多数製作し、角波成形体
6の辺abと辺efをそれぞれ、他の角波成形体の辺c
dと辺ghに重ね合わせることにより貫通孔を形成でき
る。また、スリット加工部を角波成形体の幅方向の中央
部に設けた場合は、角波成形体の上下を逆さま(長さ方
向に180度回転)にし、それぞれの角波成形体の辺a
b、辺efをそれぞれ重ね合わせることにより貫通孔を
形成できる。これらハニカムコアを複数個重ねあわせる
ことにより、図2に示すようなハニカムコア構造体の並
び方となり、折り込み部のスリット加工部が貫通孔を形
成し通気孔となる。
【0018】前記ハニカムコア構造体1および縁材4、
5の上下の面板2、3は、ハニカムコア構造体側にろう
材を設けたアルミニュームブレージングシートからな
る。また、縁材4、5は押出成形等により製造されたア
ルミニューム素材であり、図1に示すような通気孔9が
設けられている。
【0019】図1、図2に示すように組み立てられたハ
ニカムパネルは、この形状に拘束された状態で、処理炉
に挿入し、真空あるいは不活性雰囲気中で加熱を行い一
体にろう付け接合する。スリット加工部はセルのろう付
け部に半分懸かった状態であるにかかわらず、スリット
加工部にろう付けによる目詰まりが発生しなかった。ハ
ニカムコア構造体を構成する各セルは、ハニカムコア構
造体の外部と通気性を有することになる。さらに、スリ
ット加工部をアルミニュームブレージングシートの折り
曲げ加工工程で同時にいれることにより、スリット加工
部の位置精度が優れ、さらに良好な通気性を有すること
になる。ハニカムコア構造体を構成する各セルは縁材
4、5の通気孔9を介して、ハニカムパネルの外部とも
通気性を有することになる。この結果、ハニカムコア構
造体の中央部まで真空雰囲気状態にすることにより、ハ
ニカムパネルのろう付けは良好となり、かつ真空ろう付
け処理での気圧の変化によってハニカムパネルに変形が
生じなかった。
【0020】本発明の第1実施例では、各セルの頂点
(セルの3重点)の一つおきの頂点に通気孔を設けてい
る。セルの3重点に位置する折り込み部が通気孔となる
ため、最も効率よく隣り合った各セル間の通気性を確保
することができ、従来の図7に示すセルの非ろう付け部
に通気孔を設けた場合と比較して、通気孔の数が1/2
となる。また、スリット加工部がハニカムコアを構成す
るセルの中で比較的強度の高いコーナ部にあり、かつス
リット加工部の一部がろう付け部(板状素材が重なり合
わせた部分)と重なり合うので強度の低下が少ない。さ
らに、スリット加工部は単なる空間でなく、アルミニュ
ームブレージングシートが存在するので、ハニカムコア
の強度維持に寄与することになる。これらの結果より、
従来のセルの非ろう付け部に孔あけをする場合に比べ、
強度が向上するものである。
【0021】このスリットの長さは1.0mmから5.
0mmの範囲、2本の平行なスリットの間の距離は0.
5mmから3.0mmの範囲であることが好ましい。ス
リットの長さが1.0mm未満では、ハニカムコア構造
体を構成する各セル間の通気性が悪くなる。一方、スリ
ットの長さが5.0mmを越えると、ハニカムコア構造
体の強度を低下させる。2本の平行なスリットの間の距
離が0.5mm未満では、ハニカムコア構造体を構成す
る各セル間の通気性が悪くなり、3.0mmを越える
と、ハニカムコア構造体の強度を低下させる。なお、平
行なスリットの数を3本以上にすることができるが、こ
のときスリットの長さやスリット間の距離は上記条件を
考慮する必要がある。
【0022】本発明の第2実施例を説明する。本発明の
第2実施例は、前記スリット加工部によって貫通孔を形
成する代わりに孔あけ加工により貫通した通気孔を設け
た場合である(図4参照)。第1実施例と同様に、ハニ
カムコア構造体1と、ハニカムコア構造体側にろう材を
設けたアルミニュームブレージングシートからなる面板
2、3と、押出成形等により製造されたアルミニューム
縁材4、5とを一体ろう付けを行い、ハニカムパネルを
製造した。本実施例でも、前記通気孔は目詰まりを生じ
ることがなく、ハニカムコア構造体を構成する各セル
は、ハニカムコア構造体の外部と通気性を有することを
確認した。第2実施例の通気孔も、セルの3重点に位置
する折り込み部に位置し、従来のセルの非ろう付け部に
孔あけをする場合の1/2の孔数となる。また、通気孔
がハニカムコアを構成するセルの中で比較的強度の高い
コーナ部にあり、かつ通気孔の一部がろう付け部(板状
素材が重なり合わせた部分)と重なり合うので強度の低
下が少ない。この結果、従来のセルの非ろう付け部に孔
あけをする場合より、強度が優れている。
【0023】第2実施例の通気孔の直径は0.5mmか
ら5.0mmの範囲にあることが好ましい。通気孔の直
径が0.5mm未満ではハニカムコア構造体を構成する
各セル間の通気性が悪くなり、極端な場合はろう付け接
合時に通気孔に目詰まりを生じる。一方、通気孔の直径
が5.0mmを越えると、ハニカムコア構造体の強度低
下が著い。
【0024】なお、ハニカムコア構造体を形成する六角
形の各セルの頂点(セルの3重点)に隣接する他の二つ
のセルとを繋ぐ通気孔を設けた場合も、従来の図7に示
すセルの非ろう付け部に通気孔を設けた場合より優れた
性能を持つ。各セルの頂点に通気孔を設けた場合は、本
発明の第1実施例や第2実施例に比べ、ハニカムパネル
の強度は低くなるが、各セル間の通気性をさらに向上で
きる。また、従来のセルの非ろう付け部に通気孔を設け
た場合より、ハニカムパネルの強度を高くできる。すな
わち、通気孔がハニカムコアを構成するセルの中で比較
的強度の高いコーナ部にあり、かつ通気孔の一部がろう
付け部(板状素材が重なり合わせた部分)と重なり合う
ので強度の低下が少なくなるからである。
【0025】
【実施例】さらに詳細な第3実施例を示す。第3実施例
では、板状素材としてアルミニュームブレージングシー
トBA24PC(厚さ0.23mm、ろう材クラッド率
片面5%、片面クラッド材、シート幅27.8mm)を
用いた。本実施例のハニカムパネルは長さ:2000m
m、幅:900mm、高さ:30mmで、ハニカムコア
のセルサイズは31.75mmである。
【0026】次に図3に示すように、アルミニュームブ
レージングシートをプレス成形して一つおきにスリット
加工部が設けた角波成形体を製作した。このとき、スリ
ット加工部の位置は角波成形体の幅方向の中央部に設け
た。
【0027】このスリット加工部を重ね合わせて貫通孔
を形成するように、前記角波成形体の凸側の面を相反す
る側にして重ね合わせて、セルサイズが31.75mm
のハニカムコアの形状に配列し、ハニカムコア構造体を
作成した。このハニカムコア構造体の側端部に、図1に
示すように、2対のアルミニューム押出材の縁材4、5
を4辺に配置し型枠を構成した。それぞれの縁材4、5
には、ハニカムパネルの内側と外側の通気性を確保する
ために、直径5mmの通気孔9を500mmピッチで設
けた。
【0028】その後、ハニカムコア構造体1および縁材
4、5の上下に、アルミニュームブレージングシートJ
IS BA24PC(ろう材クラッド率片面10%、片
面クラッド材)からなる厚さ1.0mmと1.2mmの
面板(2000mm×900mmをハニカムコア構造体
側にろう材がくるように、ハニカムパネルの形状に組み
立てた。組み立てられたハニカムパネルを、この形状で
拘束した状態で、真空ろう付け炉に挿入し、858K
(585℃)で15分保持して、一体ろう付け接合を行
いアルミニュームハニカムパネルを製作した。なお、本
実施例の縁材は、45mm×27.8mmのアルミニュ
ーム押出材JIS A6N01Sを用いた。
【0029】本実施例のハニカムパネルは、ろう付け接
合時に通気孔に目詰まりを生じることはなかった。通気
孔の存在により、ろう付けは良好となり、かつ気圧の変
化による変形も生じなかった。その後、このハニカムパ
ネル同士をTIG溶接したが、ハニカムパネルの変形が
無く、良好な溶接部が得られた。
【0030】さらに、第3実施例と同じ形状で、同じ材
質のアルミニュームハニカムパネルであって、図9に示
すような、ハニカムコア構造体中の他のセルとは接合し
ない非ろう付け部のすべてに、直径2.0mmの通気孔
が設けたハニカムパネルを第3実施例と同一条件で製作
した。この比較例のハニカムパネルと第3実施例のハニ
カムパネルについて、幅110mm、長さ500mmの
試験片を切り出した。この試験片を図5に示す4点曲げ
試験方法(準拠規格ASTMC393)に基づき曲げ試
験を行った。この結果、本実施例のハニカムパネルの破
断強度は4851Nに対し、比較例のハニカムパネルの
破断強度は4283Nであった。本実施例のハニカムパ
ネルの破断強度は比較例と比べて約13%以上の強度上
昇が認められた。
【0031】本実施例は、コア材としてアルミニューム
ブレージングシートを用いたが、アルミニュームシート
も使用できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のハニカム
パネルのハニカムコア構造体に設けた通気孔は、ハニカ
ムコアを構成するセルの3重点に位置する折り込み部に
配設される。通気孔が設けられた折り込み部は、ハニカ
ムコアを構成するセルのなかで、最も強度の高い部分と
なるので、ハニカムコア構造体全体では、強度低下が最
も少なくすることを可能とするものである。さらに、ハ
ニカムコア構造体を形成する六角形の各セルの頂点の一
つおきの頂点に隣接する他の二つのセルとを繋ぐ通気孔
を設けることにより、最も効率よく隣り合った各セル間
の通気性を確保することができ、強度の高いハニカムパ
ネルを得ることを可能とするものである。また、スリッ
ト加工の場合、通気孔となるスリット加工部は単なる空
間でなく、コア材の一部が存在するので、ハニカムコア
の強度維持に寄与すること可能とするものである。
【0033】本発明のハニカムパネルは縁材を有するの
で、ハニカムパネル同士の溶接が可能であり、通気孔を
有するため、溶接時も変形も生じない。この結果、ろう
付け処理を確実に行うことができ、製作後もハニカムパ
ネル同士の溶接が可能で、強度が高いハニカムパネルが
得られる。また、縁材を有するハニカムパネルの製作に
おいて、ハニカムコア構造体の各セルの通気性を確保す
るために、孔あけ加工費の増加を伴う縁材にセルピッチ
で通気孔を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のハニカムパネルのハニ
カムコア構造体と縁材との構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例のハニカムパネルの中央
部の斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施例のハニカムコア構造体を
形成する板状素材からなる角波成形体の折り曲げ部の形
状を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は
側面図である。
【図4】 本発明の第2実施例のハニカムコア構造体を
形成する板状素材からなる角波成形体の折り曲げ部の形
状を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は
側面図である。
【図5】 4点曲げ試験方法の説明図であって、(a)
は試験片の平面図であり、(b)は試験条件の説明図で
ある。
【図6】 ハニカムコア構造体の側端部に縁材を配設し
たハニカムパネルの断面図である。
【図7】 ハニカムパネルのろう付け接合前の組み立て
状態を示す斜視図である。
【図8】 従来のハニカムパネルのハニカムコア構造体
と縁材との構成図である。
【図9】 従来のハニカムパネルのハニカムコア構造体
と縁材との別の構成図である。
【符号の説明】
1 ハニカムコア構造体 1a 水平面 1b 傾斜面 2 面板 3 面板 4 縁材 5 縁材 6 角波成形体 7 スリット 8 スリット加工部 9 通気孔(縁材) 10 通気孔(コア内) 11a ハニカムコア構造体のろう付け部 11b ハニカムコア構造体の非ろう付け部 12 ブレージングシート 13 通気孔 a〜i 板状素材の折り曲げ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状素材からなる角波成形体を重ね合わ
    せて形成したハニカムコア構造体と、このハニカムコア
    構造体の側端部に配設された縁材と、前記ハニカムコア
    構造体および縁材の上下に配設された面板とをろう付け
    一体としてなるハニカムパネルにおいて、 前記ハニカムコア構造体を形成する六角形の各セルの頂
    点に、隣接する他の二つのセルとを繋ぐ通気孔を設けた
    ことを特徴とするハニカムパネル。
  2. 【請求項2】 板状素材からなる角波成形体を重ね合わ
    せて形成したハニカムコア構造体と、このハニカムコア
    構造体の側端部に配設された縁材と、前記ハニカムコア
    構造体および縁材の上下に配設された面板とをろう付け
    一体としてなるハニカムパネルにおいて、 前記ハニカムコア構造体を形成する六角形の各セルの頂
    点の一つおきの頂点に、隣接する他の二つのセルとを繋
    ぐ通気孔を設けたことを特徴とするハニカムパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハニカムパネルの
    通気孔が、板状素材からなる角波成形体の折り曲げ部に
    設けられたスリットを前記角波成形体の凸側から凹側へ
    押し込んでなるスリット加工部を重ね合わせて形成され
    てなる貫通孔であることを特徴とするハニカムパネル。
  4. 【請求項4】 板状素材からなる角波成形体の凸側の面
    を相反する側にして重ね合わせて形成したハニカムコア
    構造体と、このハニカムコア構造体の側端部に配設され
    た縁材と、前記ハニカムコア構造体および縁材の上下に
    配設された面板とをろう付け一体としてなるハニカムパ
    ネルの製造方法において、 前記板状素材からなる角波成形体の折り曲げ部に、一つ
    おきに折り曲げ方向に直角にスリットを設け、前記スリ
    ットを前記角波成形体の凸側から凹側へ押し込んだスリ
    ット加工部を設け、 このスリット加工部を重ね合わせて貫通孔を形成するよ
    うに、前記角波成形体の凸側の面を相反する側にして重
    ね合わせハニカムコアを形成し、このハニカムコアを複
    数個重ねてハニカムコア構造体を構成することを特徴と
    するハニカムパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記スリット加工部によって貫通孔を形
    成する代わりに孔あけ加工により貫通孔を設ける請求項
    3記載のハニカムパネルの製造方法。
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