JPH10128462A - 絞りしごき加工用アルミニウム合金圧延板 - Google Patents

絞りしごき加工用アルミニウム合金圧延板

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JPH10128462A
JPH10128462A JP8302485A JP30248596A JPH10128462A JP H10128462 A JPH10128462 A JP H10128462A JP 8302485 A JP8302485 A JP 8302485A JP 30248596 A JP30248596 A JP 30248596A JP H10128462 A JPH10128462 A JP H10128462A
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aluminum alloy
galling
chromium
particles
plate
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JP8302485A
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Akira Tajiri
彰 田尻
Toshiaki Kobayashi
敏明 小林
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金圧延板、特に絞りしごき加
工に適したアルミニウム合金圧延板およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 最大粒径が0.5〜15μmの金属クロ
ム粒子が表面乃至金属クロム粒子の粒径相当深さの表面
層に100mg/m2 以上存在し、さらにその表面に潤
滑性に優れた樹脂被覆層が設けられているアルミニウム
圧延板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム合金圧
延板、特に絞りしごき加工に適したアルミニウム合金圧
延板、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にDI缶胴のように絞り加工(Drawi
ng)としごき加工(Ironing)とが行われる成形加工ではし
ごき加工時に素材表面にしごき方向と平行に疵や変色、
すなわちゴーリングが発生することがある。このゴーリ
ングは素材表面の品質を著しく劣化させるものであり、
特にアルミニウム缶のように缶胴を全面塗装するのでは
なくアルミニウム素地を露出させて使用するような用途
において、このゴーリングの発生は商品の外観を損なう
ものとで致命的な表面欠陥となる。またゴーリングがひ
どい場合には、しごき加工中に材料破断が生じ、作業を
中断させ作業能率を低下させるという問題がある。さら
に破断した破片は時としてしごきダイスや加工装置に損
傷を与えることもある。これらの問題があるため、しご
き加工においてゴーリングの発生を抑制することが強く
望まれている。
【0003】このような問題があることから、アルミニ
ウム缶用の材料としては現在DC鋳造による3004合
金が一般に採用されている。その理由は、一つには比較
的強度が高く成形性に優れ、しごき加工時の加工硬化が
小さい等の機械的性質に優れていることが上げられる
が、それと共に圧延板中にAl−Mn−Fe系およびA
l−Mn−Fe−Si系の晶出化合物が多く存在し、こ
の晶出化合物が固体潤滑性を示し、さらにはしごきダイ
スのセルフクリーニングの効果がある。また晶出化合物
近傍に生じる空隙により潤滑油の保油性が向上する等の
作用によりゴーリングが起きにくいことも、DC鋳造法
による3004合金が採用されている大きな理由であ
る。
【0004】ゴーリングを防ぐ別の方法としてはDI加
工の潤滑方法を改良して 1)しごき加工の前処理として潤滑油原液をアルミニウム
合金圧延板に塗油して潤滑性を良くする 2)しごき加工時の潤滑油の組成割合を種々組み合わせ
て、油膜切れしにくい適切な潤滑油を用いる 3)圧延板表面の粗さを調整して保油性を向上させる等の
方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来3
004合金のDC鋳造材を用いて、潤滑方法を改良する
ことで缶が作られてきているが、省エネルギー、環境保
全、設備コスト及び製造コスト低減等の目的から従来の
DC鋳造→熱間圧延→(焼鈍)→冷間圧延というアルミニ
ウム板製造プロセス(以下DCプロセスと言う)に代わ
り、連続鋳造圧延→(焼鈍)→冷間圧延という連続鋳造
圧延プロセス(以下CCプロセスと言う)への変更が望
まれている。CCプロセスで製造された板は、合金元素
の強制固溶量が多くまた晶出化合物の粒径が小さいの
で、一般に強度が高くDI加工以外の成形加工性におい
ては優れた性質を示す。しかしながらCCプロセス、特
に鋳造時の冷却速度がきわめて速い双ロール法で製造し
た3004アルミニウム合金圧延板はDI加工時にゴー
リングが発生しやすい性質があり、これがアルミニウム
DI缶用の材料としては採用されていない最大の理由で
ある。また、一般の成形加工用に用いられているDCプ
ロセスによる5052材や5182材においても、高い
加工度を伴うしごき加工においてしばしばゴーリングの
発生が問題となることがある。
【0006】ゴーリングの発生を抑制するため、上記し
たような潤滑条件の他にもダイス条件等種々検討が行わ
れている。例えばDIダイスに超鋼合金を用いること、
あるいは超硬合金の上に更にTiNやTiCをコーテ
ングする、セラミックスダイスを用いることなどが検討
されている。しかしゴーリング抑制効果が不十分であっ
たり、ダイス寿命が短い等十分な成果が得られていない
のが現状である。また、潤滑油を用いると、その分のコ
ストがかかるだけでなく、DI加工後に潤滑油を除く洗
浄工程が必要となることから、潤滑油を使用しないある
いは潤滑油の使用量の少ない成形方法や材料が求められ
ている。本発明の目的はアルミニウム合金圧延板の絞り
しごき加工におけるこのゴーリングの発生を防止し、ま
た加工時に使用する潤滑油を少なくすることのできるア
ルミニウム合金圧延板ならびにその製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに種々研究した結果、本発明に至った。すなわち本発
明は、最大粒径が0.5〜15μmの金属クロム粒子が
板の表面乃至金属クロム粒子の粒径相当深さの表面層に
100mg/m2 以上存在することを特徴とする絞りし
ごき加工用アルミニウム合金圧延板である。また本第二
発明は最大粒径が0.5〜15μmの金属クロム粒子が
板の表面乃至金属クロム粒子の粒径相当深さの表面層に
100mg/m2 以上存在し、さらにその表面に潤滑性
に優れた樹脂被覆層があることを特徴とする絞りしごき
加工用アルミニウム合金圧延板である。また本第三発明
はアルミニウム合金板に金属クロム粒子の電解析出処理
を施した後、引き続き冷間圧延を行ない、最終板表面乃
至粒径相当深さの表面層で粒径0.5〜15μmの微細
な金属クロム粒子の量が100mg/m2 以上となるこ
とを特徴とする絞りしごき加工用アルミニウム合金圧延
板の製造方法である。また本第四発明はアルミニウム合
金板に金属クロム粒子の電解析出処理を施した後、引き
続き冷間圧延を行ない、最終板表面乃至粒径相当深さの
表面層で粒径0.5〜15μmの微細な金属クロム粒子
の量が100mg/m2 以上とし、さらにその表面を潤
滑性に優れた樹脂で被覆することを特徴とする絞りしご
き加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法である。
【0008】上記のアルミニウム合金圧延板の製造プロ
セスとしては次のようなものがあげられるが、これに限
定されるものではない。 例1(DCプロセス) DC鋳造→熱間圧延→冷間圧延
→中間焼鈍→冷間圧延→金属クロム析出処理 例2(DCプロセス) DC鋳造→熱間圧延→冷間圧延
→中間焼鈍→金属クロム析出処理→冷間圧延 例3(DCプロセス) DC鋳造→熱間圧延→中間焼鈍
→金属クロム析出処理→冷間圧延 例4(DCプロセス) DC鋳造→熱間圧延→冷間圧延
→中間焼鈍→冷間圧延→金属クロム析出処理→樹脂被覆
処理 例5(CCプロセス) 連続鋳造圧延→冷間圧延→中間
焼鈍→金属クロム析出処理→冷間圧延 例6(CCプロセス) 連続鋳造圧延→冷間圧延→中間
焼鈍→冷間圧延→金属クロム析出処理→樹脂被覆処理 例7(CCプロセス) 連続鋳造圧延→冷間圧延→中間
焼鈍→金属クロム析出処理→冷間圧延→樹脂被覆処理 ここで、中間焼鈍は必要に応じて行えば良く、焼鈍条件
も限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の作用について説明
する。
【0010】微細な析出金属クロム粒子の作用 金属クロム粒子の硬さはアルミニウム合金母材に比べ硬
く、ビッカース硬度HVでアルミニウム合金母材がせい
ぜい100程度であるのに対して、金属クロム粒子は2
00程度の硬さを有する。本発明においては、この硬く
微細な金属クロム粒子が板表面に存在することにより、
絞りしごき加工時、特にしごき加工時にアルミニウム合
金母材としごき工具が直接接触する割合が減少する。ま
た加工時に工具に僅かなアルミニウム合金の凝着が生じ
ても、この硬く微細な金属クロム粒子が凝着物を削り落
とすクリーニング作用がある。これらの作用によりゴー
リングの発生を防止できる。板表面に電解析出させた金
属クロム粒子がこのようなゴーリング抑制効果を発現す
るためには、金属クロム粒子が板表面に100mg/m
2 以上存在することが必要である。100mg/m2
満たないと、アルミニウム合金母材としごき工具が直接
接触する割合が増加し、凝着が生じやすくなる。また一
度付着した凝着物を削り取る効果も少なくゴーリングが
発生しやすくなる。特に望ましくは150mg/m2
上の微細な金属クロム粒子が存在することが必要であ
る。クロム粒子の析出量の上限については特に規定はし
ないが、最終板で300mg/m2 を越えて付けること
は不経済となるだけでなく、析出処理後の表面が黒色を
呈し、アルミニウム素地の色調を保持させたい用途には
不向きとなる欠点がある。したがって300mg/m2
以下が適当である。また金属クロム粒子の最大粒径は
0.5〜15μmが適当である。粒子径が0.5μm以
下では、前記したようなゴーリングの抑制効果が少な
い。粒子径が15μmを越えると、絞りしごき加工時に
破断の基点となることがあるだけでなく、析出処理後の
表面が黒色を呈し、アルミニウム素地の色調を保持させ
たい用途には不向きとなる欠点がある。金属クロムの電
解析出処理方法については陰極電解法が好ましいが、特
にこれに限定されるものではない。なお析出処理の条件
によっては、微細な析出金属クロム粒子を含むアルミニ
ウム合金圧延板の表面全体が0.01μm程度の極く薄
いクロム水和酸化物からなるクロメート皮膜により被覆
されることがあるが、本発明において特に問題となるこ
とはない。クロム粒子の析出処理は片面でも両面でも良
いが、少なくともしごき加工を受ける面には必ず処理す
る必要がある。例えばアルミニウムDI缶の加工におい
ては、しごきダイス側(缶の外側)がしごき面となるの
で、少なくてもこの面に析出処理を行えばよい。パンチ
側(缶内面側)には析出処理を行っても行わなくても良
い。いずれにしても、本発明においては析出金属クロム
は最大粒径0.5〜15μmの『粒子状』となっている
ことが重要であり、メッキのように連続的に析出しては
本発明の効果は得られない。
【0011】析出処理後の冷間圧延の作用 次に金属クロムの析出処理後に冷間圧延を行う場合につ
いて説明する。この場合、析出処理直後の状態は図1の
様であるが、その後冷間圧延加工を行うと金属クロム粒
子は圧延により母材中に埋め込まれるが、金属クロムは
硬くて変形しにくく破壊しにくいため量が減るわけでは
なく、図3の様に圧延板表面に顔を出した状態で板表面
または表面の極く近傍に存在している。この場合、硬い
金属クロム粒子が母材中に埋め込まれたときに粒子と母
材との間に極く微細な亀裂が生じ、この極く微細な亀裂
が潤滑油の油溜まりとして作用する効果が加算されるた
め、前記したような絞りしごき加工におけるゴーリング
の抑制効果は、最終板で析出処理した場合と比較して同
等以上の効果が得られる。また析出処理を冷間圧延の前
または冷間圧延の途中工程で行うことにより、作業効率
が著しく向上する。すなわち同一重量の材料を冷間圧延
前あるいは冷間圧延の途中工程で析出処理を行えば、最
終冷間圧延後に処理する場合に比べ、処理長さが短く処
理表面積が少なくて済むからである。例えばアルミニウ
ム缶胴用の材料の場合、最終の冷間圧延率を50%以上
とする例が多い。この場合中間工程で処理することによ
り、最終板で処理する場合に比べ半分以下の処理長さで
良く、作業効率が著しく向上する。
【0012】被覆樹脂の作用 樹脂被覆の目的は潤滑性の向上であり、絞りしごき加工
の加工度が50%を越えるような高い場合に特に有効な
ものである。また予め潤滑性に優れた樹脂を被覆してお
くことにより、絞りしごき加工時の潤滑油が不要ないし
は使用量を軽減することができる。一般に従来の絞りし
ごき加工では、鉱物油や合成油に種々の添加剤を配合し
た潤滑油、あるいは水溶性エマルションタイプの潤滑油
が使用される。加工度の高い絞りしごき加工では潤滑と
ともに冷却も目的にして、油を水に乳化させた水溶性エ
マルションタイプの潤滑油を使用することが一般的であ
る。しかしこの場合、加工終了後に潤滑油を洗い落とす
ため脱脂洗浄処理を行わなければならないが、脱脂洗浄
処理には別の装置が必要であるだけでなく、生産性の低
下やコスト高の要因となる。本発明においてもこれら従
来の潤滑油を使用することは特に差し支えない。しかし
ながら、本発明の方法によれば圧延板に金属クロム粒子
の析出処理を行い、さらに潤滑性に優れた樹脂を被覆す
ることにより、絞りしごき加工時の潤滑油が不要ないし
は使用量を軽減することができ、あるいは水溶性エマル
ションタイプの潤滑油の代わりに油を使わないソリュー
ションタイプの潤滑油を使用することもでき、その結果
脱脂洗浄工程が不要または軽減できるので著しい生産性
の向上やコスト低減を図ることができる。金属クロム粒
子を覆う樹脂皮膜の量は、絞りしごき加工で簡単に皮膜
が剥離する程度の量が適当であり、具体的には1mg/
2 程度の少量で十分である。すなわち、図2,図4に
示すように金属クロム粒子が樹脂で被覆されたアルミニ
ウム合金板をしごき加工すると、金属クロム粒子部分の
樹脂被覆が破れ露出した金属クロム粒子が前述のゴーリ
ングを防ぐ効果を示すと共に、粒子間のアルミニウム素
地を覆う樹脂が潤滑性を示し、その相乗作用によって絞
りしごき性を向上させることができる。従って樹脂の塗
布量は、金属クロム粒子を含む板表面全体を覆うように
行うが、表面全体が均一な樹脂皮膜で被覆される必要は
なく、金属クロム粒子を覆う樹脂皮膜はむしろ必要では
なく、金属クロム粒子の間のアルミニウム面を埋める程
度で十分である。本発明で使用される樹脂としては、熱
硬化性あるいは熱可塑性樹脂からなる任意の樹脂から選
択できる。例えばフェノル系、エポキシ系、ビニル系、
アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、合成ゴム系
等の単独または2種以上の組み合わせが使用される。こ
れらの樹脂は、エナメル或いはラッカー等の有機溶媒溶
液あるいは水性分散液または水溶液の形で、ローラー塗
装、スプレー塗装、あるいは静電塗装等の形で金属素板
に処理する。また必要により焼き付け処理を行う。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0014】供試材として使用したアルミニウムの合金
組成を表1に示す。これらの材料はアルミニウム缶用の
材料であり、3004は缶胴材として、また5182は
缶蓋材として絞り加工や絞りしごき加工が行われる代表
的な合金である。
【0015】
【表1】
【0016】供試材の製造プロセスを表2に示す。鋳造
方法の欄の「DC」は従来のDC鋳造法を、また「C
C」は双ロール法連続鋳造圧延を意味する。金属クロム
析出処理の欄のアルカリ脱脂は日本パーカライジング社
製FC−4498の50℃、2%水溶液で15秒処理を
施した。また析出処理は日本パーカライジング社製PM
−292の40℃、10%水溶液を用いて陰極電解法で
処理を行った。この時、電流密度と処理時間を種々変化
させて所望のクロム量、最大粒径を得た。樹脂被覆処理
の欄のアルカリ脱脂は日本パーカライジング社製FC−
315の60℃、3%水溶液で2分処理した。また樹脂
コートはエポキシアクリル系樹脂をバーコーターにて塗
布後200℃×2分の焼き付けを行い、塗膜量の1mg
/m2 の試験片とした。
【0017】
【表2】
【0018】表2に示す製法aは従来と同じDC材を用
いてクロム析出処理を施したものであり、bは連続鋳造
圧延材を用いてクロム析出処理を施し、さらに冷間圧延
を施したものである。またcはクロム析出処理を施した
後に樹脂被覆を行ったものであり、dはクロム析出処理
後、冷間圧延を行い、さらに樹脂被覆を行ったものであ
る。またeは従来法であり、fはCC材を用いクロム析
出処理も樹脂被覆処理も施していない比較例である。
【0019】[実施例1]上記の各供試材より、現行の
超硬合金ダイスと現行のエマルションタイプの潤滑油を
用い350mlサイズのアルミニウム缶胴をDI加工に
より250缶/分の速度で1000缶連続製缶し、ゴー
リングの発生状況を目視観察で調べた。最終板の金属ク
ロム粒子量、最大粒径およびゴーリングの発生状況を表
3に示す。ここでゴーリング欄の×はゴーリングの発生
が甚だしいもの、○はゴーリングが発生していないかま
たは若干の疵があるものの使用上問題の無い程度である
ものを意味する。
【0020】
【表3】
【0021】ここで、NO.1は従来例であり、ゴーリ
ングの発生はない。NO.2は合金を3004から51
82に変更し、従来法によって圧延板を製造したもので
あるが、ゴーリングの発生により途中で缶切れが発生し
中断した。NO.3は現行のDC−3004に金属クロ
ムの析出処理を行ったものであるが特に問題はない。N
O.4は5182材であるが、金属クロムの析出処理に
より加工性が改善されゴーリングの発生は見られなくな
った。No.5,6は比較例であり、クロム量が少ない
ためゴーリングが発生した。NO.7は粒径が大きくク
ロム量が多いため素板がやや黒色を呈した。また粒径が
大きいため、粒子が起点と思われる缶切れが発生した。
No.8,9は析出処理後に冷間圧延を施した発明例で
あり、金属クロムの析出処理時にそれぞれ546mg/
2 ,424mg/m2 付着させ、その後冷間圧延し最
終板での付着量がそれぞれ207,153mg/m2
なったもので、いずれも良好な成形性を示した。NO.
10,11はNO.8,9と同様に析出工程後に冷間圧
延処理したもので金属クロムの析出処理時にそれぞれ2
18mg/m2 ,178mg/m2 付着させ、その後冷
間圧延し最終板での付着量がそれぞれ86,62mg/
2となったものであるが、金属クロムの付着量が少な
かったためゴーリングが発生した。 [実施例2]樹脂被覆の効果を調べるために、実施例1
と同様に350mlサイズのアルミニウム缶胴をDI加
工により250缶/分の速度で1000缶連続製缶し、
ゴーリングの発生状況を調べた。ただし潤滑油は従来の
水溶性エマルションタイプの潤滑油に変わり、潤滑性は
劣るが油を使わず後処理の容易なソリューションタイプ
の潤滑油を使用した。その結果を表4に示す。ここでゴ
ーリング欄の×はゴーリングの発生が甚だしいもの、○
はゴーリングが発生していないかまたは若干の疵がある
ものの使用上問題の無い程度であるもの、◎はゴーリン
グの発生がなく極めて良好なものを意味する。
【0022】
【表4】
【0023】NO.12は3004CC材を用い、金属
クロムの析出処理と樹脂被覆を行わない製造方法fによ
る比較例であり、初期段階からゴーリングが発生し、缶
切れのため加工を中断した。NO.13,14,15,
16は本発明例であり、従来のものに比較して潤滑性の
劣るソリューションタイプの潤滑油を使用したにも関わ
らず良好な成形性を示した。NO.17,18は比較例
であり、金属クロムの析出処理と樹脂被覆処理を施した
ものだが、クロム量が少ないためゴーリングが発生し
た。NO.19,20,21,22は金属クロム析出処
理後に冷間圧延を施し、最終工程で樹脂被覆を行った例
で、NO.19,20が本発明例であり良好な成形性を
示した。NO.21,22はクロム量が少なかったため
ゴーリングが発生した。NO.23,24は5182合
金のCC材という従来は耐ゴーリング性が非常に悪いと
されたものであるが、No24は本発明例であり良好な
耐ゴーリング性を示した。一方、NO.25はクロム量
の少ない比較例でありゴーリングが発生している。
【0024】
【発明の効果】本発明によればアルミニウム合金圧延板
の表面に100mg/m2 以上の微細な金属クロム粒子
を析出処理したことにより、これまでゴーリングの発生
によりDI加工が不可能であった3004双ロールCC
材や5000系材等のDI加工が可能となった。これに
より缶材の高強度、薄肉化がはかれ、コスト低減等の効
果が得られる。また途中工程で金属クロム粒子の析出処
理を行い、その後冷間圧延を施すことにより表面積の少
ない状態で析出処理を行うことができ、作業時間の短縮
がはかれコスト低減の効果が得られる。また、金属クロ
ム粒子とともに潤滑性に優れた樹脂を併用することによ
り、さらに加工性の向上がはかれ、その結果ソリューシ
ョンタイプの潤滑油の使用が可能となり、DI加工後の
洗浄工程の軽減、生産性の向上、アルミニウム缶等のト
ータル製造コストの低減等様々な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における圧延板の板厚方向断面の模式図
を図1、図2、図3、図4に示す。 図1は冷間圧延の途中工程にある中間圧延板あるいは最
終圧延板に金属クロムの析出処理を行った状態を示す。 図2は最終圧延板に金属クロム粒子の析出処理と潤滑性
に優れた樹脂の被覆を行った状態を示す。 図3は図1に示した状態の中間圧延板を冷間圧延し最終
板厚とした時の状態を示す。 図4は図3に示す圧延板にさらに潤滑性に優れた樹脂を
被覆した状態を示す。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金圧延板 2 金属クロム粒子 3 樹脂被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 685 C22F 1/00 685

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大粒径が0.5〜15μmの金属クロ
    ム粒子が板の表面乃至金属クロム粒子の粒径相当深さの
    表面層に100mg/m2 以上存在することを特徴とす
    る絞りしごき加工用アルミニウム合金圧延板。
  2. 【請求項2】 最大粒径が0.5〜15μmの金属クロ
    ム粒子が板の表面乃至金属クロム粒子の粒径相当深さの
    表面層に100mg/m2 以上存在し、さらにその表面
    に潤滑性に優れた樹脂被覆層があることを特徴とする絞
    りしごき加工用アルミニウム合金圧延板。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金板に金属クロム粒子の
    電解析出処理を施した後、引き続き冷間圧延を行ない、
    最終板表面乃至粒径相当深さの表面層で粒径0.5〜1
    5μmの微細な金属クロム粒子の量が100mg/m2
    以上となることを特徴とする絞りしごき加工用アルミニ
    ウム合金圧延板の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金板に金属クロム粒子の
    電解析出処理を施した後、引き続き冷間圧延を行ない、
    最終板表面乃至粒径相当深さの表面層で粒径0.5〜1
    5μmの微細な金属クロム粒子の量が100mg/m2
    以上とし、さらにその表面を潤滑性に優れた樹脂で被覆
    することを特徴とする絞りしごき加工用アルミニウム合
    金圧延板の製造方法。
JP8302485A 1996-10-28 1996-10-28 絞りしごき加工用アルミニウム合金圧延板 Pending JPH10128462A (ja)

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Cited By (3)

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US7106479B2 (en) 2000-10-10 2006-09-12 Stryker Corporation Systems and methods for enhancing the viewing of medical images
JP2019058923A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 東洋製罐グループホールディングス株式会社 アルミニウム容器の製造法
CN113477706A (zh) * 2021-07-15 2021-10-08 太原理工大学 一种基于纳米润滑的层状金属复合薄带的微柔性轧制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7106479B2 (en) 2000-10-10 2006-09-12 Stryker Corporation Systems and methods for enhancing the viewing of medical images
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