JPH06146016A - AlまたはAl合金材のプレス成形法 - Google Patents

AlまたはAl合金材のプレス成形法

Info

Publication number
JPH06146016A
JPH06146016A JP30548992A JP30548992A JPH06146016A JP H06146016 A JPH06146016 A JP H06146016A JP 30548992 A JP30548992 A JP 30548992A JP 30548992 A JP30548992 A JP 30548992A JP H06146016 A JPH06146016 A JP H06146016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
press
alloy material
plating layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30548992A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsugumoto Ikeda
貢基 池田
Nagisa Takee
なぎさ 武江
Toshiki Ueda
利樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP30548992A priority Critical patent/JPH06146016A/ja
Publication of JPH06146016A publication Critical patent/JPH06146016A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 AlまたはAl合金材の表面に、ビッカース
硬さが300以上でめっき付着量が1〜20g/m2である
下層めっきと、60重量%以上のFeを含むFe−Zn
系めっきからなりめっき付着量が1 g/m2 以上である上
層めっきとからなる2層構造のめっき皮膜を形成し、固
形潤滑剤を用いないでプレス成形を行なう。 【効果】 AlまたはAl合金材の表面に、上記特定組
成からなる2層構造のめっき層を形成しておくことによ
って、固形潤滑剤なしでも表面傷などを生じさせること
なく円滑にプレス成形することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の各種車輛や家
庭用電気製品、建築材料等として使用されるAlまたは
Al合金材のプレス成形法に関し、特に、固形潤滑剤を
使用することなく優れた表面性状のプレス成形品を得る
ことのできるプレス成形法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlまたはAl合金材(以下Al合金材
で代表する)は軽量でしかも優れた耐食性及び意匠性を
有することから、家庭電気製品や建材等の幅広い分野で
用いられてきた。また最近では自動車分野等においても
公害防止、省資源の観点から車体の軽量化ひいては燃費
向上を目的としてフード、フェンダー等のパネル材にも
Al合金材が利用される機会が増えている。
【0003】この様な分野においてはプレス成形等の成
形加工が施されることが多いが、Al合金材は従来の冷
延鋼板や表面処理鋼板に比べて加工性に劣るという欠点
があり、またAl合金材は材料自身が柔らかいため傷つ
き易い。そのため、例えばフェンダー部の成形を行う場
合の様に厳しい加工条件でプレス成形を行う場合は、潤
滑剤として通常の冷延鋼板用として使用される低粘度の
防錆洗浄油を用いてプレス成形を行うと割れが生じる。
そこでAl合金材に強度のプレス加工を施す場合は、通
常の防錆洗浄油よりも高粘性の固形潤滑剤を用いること
により割れを防止して良好な表面性状のプレス成形品を
得ている。
【0004】一方Al合金材は、冷延鋼板に比べて軟質
であって製造工程あるいは取扱い時に傷付き易いので、
外観の美しさが重要視される自動車用パネル材などとし
て使用する場合は、耐傷付き性を改善する必要があり、
そのための手段としては硬質のめっき皮膜を形成するこ
とによって耐傷付き性を高める方法が採用されている。
【0005】またプレス成形後は、意匠性向上のため塗
装が施されるので、該塗膜の密着性を高めるための前処
理として化成処理により緻密なりん酸塩皮膜を形成する
必要があるが、そのためには、プレス成形工程で使用し
た潤滑剤を完全に除去しなければならない。ところが、
上記の様に高粘性の固形潤滑剤を用いてプレス成形を行
った場合、プレス成形品の表面に付着した固形潤滑剤の
除去が非常に困難であって通常の洗浄法では除去するこ
とができず、より洗浄力の高い洗剤を用いて入念な洗浄
を行わなければならず、洗浄作業が煩雑で時間を要し、
生産性を著しく低下させる。
【0006】また、耐傷付き性向上のために硬質のめっ
き皮膜を形成した場合は、プレス成形時にめっき層表面
の金型に対する動摩擦係数が増大し、プレス成形性が著
しく阻害される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、Al
合金材に表面傷を与えることなく、しかも除去困難な固
形潤滑剤を使用しなくとも円滑にプレス成形を遂行し得
る様な方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るプレス成形法の構成は、Alまた
はAl合金材の表面に、ビッカース硬さが300以上で
めっき付着量が1〜20g/m2である下層めっきと、60
重量%以上のFeを含むFe−Zn系めっきからなりめ
っき付着量が1g/m2以上である上層めっきとからなる2
層構造のめっき皮膜を形成し、固形潤滑剤を用いないで
プレス成形するところに要旨を有するものである。
【0009】
【作用】本発明者らは、Al合金板のプレス成形性を改
善すべく種々の観点から検討を進めているが、その成果
の一環として、Al合金材の表面にFe含有量が60重
量%以上のFe−Zn系めっき皮膜を形成してやれば、
プレス成形用金型との動摩擦係数が低減してプレス成形
性が高められることを確認し、別途特許出願を済ませ
た。ところがこの方法では、プレス成形性は改善される
ものの最終製品として最も重要な耐傷付き性については
満足の行く改善効果が得られない。
【0010】そこで、Al合金材のプレス成形性を高め
ると共に優れた耐傷付き性を確保し得る様な技術を確立
すべく、めっき皮膜構造、めっき付着量、めっき硬さな
どを主体にして更に研究を進めた。その結果、上記の様
にAl合金材の表面に、ビッカース硬さが300以上で
めっき付着量が1〜20g/m2である下層めっきと、60
重量%以上のFeを含むFe−Zn系めっきからなりめ
っき付着量が1g/m2以上である上層めっきとからなる2
層構造のめっき皮膜を形成してからプレス成形を行なえ
ば、固形潤滑剤を使用しなくとも優れた成形性の下で、
傷のない優れた表面性状のプレス成形品が得られること
を知り、ここに本発明の完成を見た。
【0011】即ちAl合金材の表面に形成されるめっき
層を2層構造とし、下層めっき層のビッカース硬さを3
00以上とすると共にそのめっき付着量を1〜20g/m2
の範囲に設定し、その上に、Fe含有量が60重量%以
上であるFe−Zn系のめっき層を形成してやれば、め
っき層全体としての表面硬さは冷延鋼板の表面硬さと同
等以上(ビッカース硬さで120程度以上)となり、十
分な耐傷付き性を確保することができる。
【0012】しかも、この2層構造のめっき層では、上
層がFe含有量が60重量%以上のFe−Zn系合金に
よって構成されており、該上層部はプレス成形金型との
動摩擦係数を低減する作用を有しているので、プレス成
形時の割れの原因になる金型との間の摩擦力が低減さ
れ、更には、下層側に硬質のめっき層が存在することに
よって、Al合金材表面の細かい凸部が変形される時に
生じる変形抵抗を低減する効果も発揮し、それらの相乗
効果によってプレス成形性は著しく高められる。ここ
で、下層めっきのビッカース硬さが300未満では上記
の効果が有効に発揮されず、また該下層部のめっき付着
量が1g/m2未満でも、めっき層全体としての硬質化効果
が不十分となって上記の効果が有効に発揮されなくな
る。一方、下層部のめっき付着量が20g/m2を超える
と、プレス成形時におけるAl合金母材の変形にめっき
皮膜が追従し得なくなり、めっき剥離やパウダリング等
を起こし易くなる。
【0013】また上層めっきを、Fe含有量が60重量
%以上のFe−Zn系めっき層とした場合は、該めっき
層の内部構造の殆どが動摩擦係数低減効果の高いα相と
なり、優れたプレス成形性が与えられるが、Fe含有量
が60重量%未満になると、動摩擦係数を増大させる金
属間化合物相が多量に生成し、満足の行くプレス成形性
が得られなくなる。またこのFe−Zn系めっき層の付
着量が1g/m2未満である場合も、上層部に期待される上
記のプレス成形性向上効果が十分に発揮されず、本発明
の目的を果たすことができない。
【0014】本発明において下層めっきを構成する硬質
めっき材としては、300以上のビッカース硬さを有す
るものであればその種類は一切制限されないが、好まし
いものとしては、例えばNi系やZn系、Fe系、Cu
系、Cr系合金めっき等が挙げられ、更にこれら金属め
っき層中にPやB等を含有させてものや、SiO2 ,A
23 ,Al(OH)3 等のセラミックスを含有させ
たものを利用することもできる。即ち、例えばNi−P
系の合金めっき材は通常ビッカース硬さが150以上を
示し、めっき後の熱処理条件などによっては300以上
の硬度を示すものとなる。またこの下層めっきは、常法
に従ってめっき層を形成した後、N,C,Si,Oなど
をイオン注入することによって硬質化したものでっても
勿論構わない。
【0015】また、上層めっきを構成するFe−Zn系
めっきとしては、要は60重量%以上のFeを含み残部
の主体がZnであるものであればよく、他の元素として
Ni,Cr,Mn,Mg等の1種以上を少量含むもので
あっても構わない。
【0016】2層めっきの形成法についても格別の制限
はなく、例えば置換めっき法、化学めっき法、電気めっ
き法あるいはこれらを適宜組み合わせて実施する方法な
どを採用することができる。置換めっき法としてはジン
ケート処理法等、化学めっき法では無電解Ni−Pめっ
き法等、電気めっき法では各種イオンを含む溶液中での
電解法等を、夫々所定の条件で実施することにより目的
にかなうめっき層を形成することができる。また下層め
っき若しくは上層めっきの形成に当たっては、めっき処
理の後、加熱処理などを行ってめっき層を更に改質した
り、イオン注入によって硬質化を進めるといったことが
有効であることは先に述べた通りである。
【0017】尚本発明が適用されるAl合金材として
は、銅、マンガン、珪素、マグネシウム、亜鉛、クロ
ム、ニッケル等の1種もしくは2種以上を合金成分とし
て含む様々のAl合金が包含され、その形状も、最も一
般的な板状物のほか、棒状物、線状物、管状物等、用
途、目的に応じて種々の形状のものに適用することが可
能である。
【0018】以下実施例によって本発明を更に詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0019】
【実施例】表面を清浄化したAl合金板の表面に、表1
に示す成分組成の2層構造のめっき層を形成し、夫々に
ついて耐傷付き性及びプレス成形性を下記の方法によっ
て調べ、表1に示す結果を得た。 [評価方法] 耐傷つき性:JIS K5400 8.4に定める鉛筆
硬度試験法に準じて測定した表面硬度で評価。 〇:優(6H以上) △:良(5H) ×:劣(4H以下) プレス成形性:エリクセン円筒深絞り試験による最大絞
り高さ、及びドロービード試験後めっき面のテープ剥離
量によって総合評価。 〇:優…表面処理鋼板よりも良好 △:良…表面処理鋼板と同等 ×:劣…表面処理鋼板より劣る
【0020】
【表1】
【0021】表1からも明らかである様に、本発明の規
定要件を全て満たす実験No.1〜6は耐傷付き性およ
びプレス成形性のいずれにおいても良好な結果が得られ
ている。これに対しNo.7〜11は、下記の様に本発
明で規定するいずれかの規定要件を欠く比較例であり、
本発明の目的を果たすことができない。
【0022】No.7:上層めっきの付着量が不足する
ため動摩擦係数の低減効果が十分に発揮されず、プレス
成形性が悪い。 No.8:下層めっきのビッカース硬さが低く且つめっ
き付着量が多過ぎるため、耐傷付き性およびプレス成形
性のいずれも不良である。 No.9,10:下層めっきの付着量が規定量を超えて
いるため、プレス成形性が悪くめっき層の剥離もしくは
パウダリングを起こし易くなる。 No.11:下層めっきの付着量が少ない為めっき層全
体の硬さが不足し、耐傷付き性を改善することができな
い。 No.12:めっき層を全く形成しなかった従来例であ
り、耐傷付き性およびプレス成形性のいずれも劣悪であ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、A
lまたはAl合金材の表面に2層構造からなる特定のめ
っき層を形成しておくことによって、固形潤滑剤なしで
も表面傷を与えるといった障害を招くことなく効率よく
プレス成形を行なうことができる。その結果、従来例の
ように固形潤滑剤の除去作業が全く不要となり、表面性
状の良好なプレス成形品を生産性よく安価に製造し得る
ことになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金材の表面に、ビッカ
    ース硬さが300以上でめっき付着量が1〜20g/m2
    ある下層めっきと、60重量%以上のFeを含むFe−
    Zn系めっきからなりめっき付着量が1g/m2以上である
    上層めっきとからなる2層構造のめっき皮膜を形成し、
    固形潤滑剤を用いないでプレス成形することを特徴とす
    るAlまたはAl合金材のプレス成形法。
JP30548992A 1992-11-16 1992-11-16 AlまたはAl合金材のプレス成形法 Withdrawn JPH06146016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30548992A JPH06146016A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 AlまたはAl合金材のプレス成形法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30548992A JPH06146016A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 AlまたはAl合金材のプレス成形法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06146016A true JPH06146016A (ja) 1994-05-27

Family

ID=17945780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30548992A Withdrawn JPH06146016A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 AlまたはAl合金材のプレス成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06146016A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4860549A (en) * 1986-12-16 1989-08-29 Nihon Radiator Co., Ltd. Variable displacement wobble plate type compressor
JP2002212761A (ja) * 2001-01-11 2002-07-31 Honda Motor Co Ltd 非鉄金属製ワークの塑性加工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4860549A (en) * 1986-12-16 1989-08-29 Nihon Radiator Co., Ltd. Variable displacement wobble plate type compressor
JP2002212761A (ja) * 2001-01-11 2002-07-31 Honda Motor Co Ltd 非鉄金属製ワークの塑性加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5834587B2 (ja) 温間プレス部材の製造方法
EP3081664B1 (en) Al-plated steel sheet for hot pressing and process for manufacturing al-plated steel sheet for hot pressing
KR20190085137A (ko) 열간 프레스용 도금 강판, 열간 프레스용 도금 강판의 제조 방법, 열간 프레스 성형품의 제조 방법, 및 차량의 제조 방법
JP2004124208A (ja) 塗装後耐食性に優れた高強度表面処理鋼板および高強度自動車部品
JPH06146016A (ja) AlまたはAl合金材のプレス成形法
JP3931859B2 (ja) 熱間成形用亜鉛系めっき鋼材と熱間成形方法
JPH05125586A (ja) プレス成形性に優れた表面処理AlまたはAl合金材
JPH06173038A (ja) プレス成形性に優れた表面処理AlまたはAl合金材
JPH07188956A (ja) 自動車車体用Mg含有アルミニウム合金板の表面処理方法
KR950000909B1 (ko) 복수의 도금층을 가진 가공성, 내식성 및 내수도료 밀착성이 우수한 전기 도금 강판
JPH06116713A (ja) プレス成形用表面処理AlまたはAl合金材
JP2003193187A (ja) 加工性、加工部耐食性に優れた高強度アルミ系めっき鋼板及び高強度自動車部品
JP2814045B2 (ja) 摺動特性に優れためっきアルミニウム板
JP4638619B2 (ja) プレス成型性に優れたAl合金板およびその製造方法
JPH0790622A (ja) 自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材
JPH05271983A (ja) 成形加工性に優れた表面処理アルミ合金材料
JPH0754163A (ja) プレス成形性に優れたZn−Ni系合金めっき鋼板
JP2024001900A (ja) 鋼板およびその製造方法
JPH05195285A (ja) 耐傷付き性に優れた表面処理AlまたはAl合金材
JPH06158354A (ja) プレス成形性に優れた表面処理AlまたはAl合金材
JPH05331627A (ja) アルミニウム板の表面改質方法
JPH06305074A (ja) 自動車パネル用表面処理AlまたはAl合金材
JPH03249180A (ja) プレス成形性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JPH05140767A (ja) プレス成形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板
JPH0544057A (ja) プレス成形性及び塗装後耐食性に優れた表面処理AlまたはAl合金材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000201