JPH0790622A - 自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材 - Google Patents
自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材Info
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- JPH0790622A JPH0790622A JP24011093A JP24011093A JPH0790622A JP H0790622 A JPH0790622 A JP H0790622A JP 24011093 A JP24011093 A JP 24011093A JP 24011093 A JP24011093 A JP 24011093A JP H0790622 A JPH0790622 A JP H0790622A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車用フードやフェンダー等を製造する際
のプレス成形等で厳しい加工条件が加えられた場合で
も、優れた成形加工性を示す高潤滑性の表面処理Alま
たはAl合金材を提供すること。 【構成】 最表面に、Ca,Mg,Ni,Fe,Mn,
Zn,Co,Alよりなる群から選択される少なくとも
1種の金属の水酸化物からなる0.2〜4.0μm厚の
層状構造皮膜が形成されたものであるところに要旨を有
するものである。ここで、Al水酸化物は単斜晶系、そ
れ以外の金属水酸化物は六方晶系の層状構造を有するも
のであり、これらの層状構造皮膜はそれ自身で優れた表
面潤滑性を発揮するが、該層状構造皮膜とAlまたはA
l合金基材の間に、厚さ3.0μm以下の酸化アルニミ
ウム皮膜を形成したものは、自動車部品用として一段と
優れた成形加工性を発揮する。
のプレス成形等で厳しい加工条件が加えられた場合で
も、優れた成形加工性を示す高潤滑性の表面処理Alま
たはAl合金材を提供すること。 【構成】 最表面に、Ca,Mg,Ni,Fe,Mn,
Zn,Co,Alよりなる群から選択される少なくとも
1種の金属の水酸化物からなる0.2〜4.0μm厚の
層状構造皮膜が形成されたものであるところに要旨を有
するものである。ここで、Al水酸化物は単斜晶系、そ
れ以外の金属水酸化物は六方晶系の層状構造を有するも
のであり、これらの層状構造皮膜はそれ自身で優れた表
面潤滑性を発揮するが、該層状構造皮膜とAlまたはA
l合金基材の間に、厚さ3.0μm以下の酸化アルニミ
ウム皮膜を形成したものは、自動車部品用として一段と
優れた成形加工性を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用フードやフェ
ンダー等を製造する際のプレス成形等で厳しい加工条件
が加えられた場合でも、優れた成形加工性を示す高潤滑
性の表面処理AlまたはAl合金材に関するものであ
る。
ンダー等を製造する際のプレス成形等で厳しい加工条件
が加えられた場合でも、優れた成形加工性を示す高潤滑
性の表面処理AlまたはAl合金材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】AlまたはAl合金材(以下、Al合金
材で代表する)は軽量で比強度が高く且つ耐食性や意匠
性においても優れたものであるところから、家庭用電気
製品の外板材や建築材料等として幅広く利用されてい
る。また最近では、Al合金材の上記特性を生かし、燃
費低減や排ガス低減のための車体軽量化を目的として、
自動車用部品材(フード、フェンダー、パネル等)とし
ての実用化研究も積極的に進められている。
材で代表する)は軽量で比強度が高く且つ耐食性や意匠
性においても優れたものであるところから、家庭用電気
製品の外板材や建築材料等として幅広く利用されてい
る。また最近では、Al合金材の上記特性を生かし、燃
費低減や排ガス低減のための車体軽量化を目的として、
自動車用部品材(フード、フェンダー、パネル等)とし
ての実用化研究も積極的に進められている。
【0003】ところで、Al合金材をフード、フェンダ
ー等の自動車用部品材料として実用化する際に最も重要
となるのはプレス成形性である。即ちAl合金材は汎用
の冷延鋼板とは異なる塑性変形挙動を有しており、殊に
表面摩擦係数が大きいため、フェンダー部の成形等で厳
しい加工条件が加わったときに大きな変形抵抗が生じ、
この変形抵抗を受ける部分に応力が集中して割れを起こ
すことがある。そこでプレス成形時の表面摩擦係数を小
さくして滑りを良くする為の手段として、高面圧下で優
れた潤滑性を示す高粘性の固形潤滑剤が用いられてい
る。
ー等の自動車用部品材料として実用化する際に最も重要
となるのはプレス成形性である。即ちAl合金材は汎用
の冷延鋼板とは異なる塑性変形挙動を有しており、殊に
表面摩擦係数が大きいため、フェンダー部の成形等で厳
しい加工条件が加わったときに大きな変形抵抗が生じ、
この変形抵抗を受ける部分に応力が集中して割れを起こ
すことがある。そこでプレス成形時の表面摩擦係数を小
さくして滑りを良くする為の手段として、高面圧下で優
れた潤滑性を示す高粘性の固形潤滑剤が用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車部品の製造工程
では、プレス成形等の後最終段階で美感性向上の為の塗
装処理が施されるが、プレス成形工程でAl合金成形品
の表面に付着した潤滑剤は、塗装前処理として実施され
るりん酸塩処理性を阻害するので、塗装前処理に先立っ
て除去しなければならない。ところが前述の固形潤滑剤
は除去が困難であり、汎用のアルカリ水溶液を用いた洗
浄法では完全に除去することができないため、潤滑剤除
去不足によってりん酸塩処理性が悪化し、ひいては塗装
性や塗装後耐食性に悪影響が現われてくる。
では、プレス成形等の後最終段階で美感性向上の為の塗
装処理が施されるが、プレス成形工程でAl合金成形品
の表面に付着した潤滑剤は、塗装前処理として実施され
るりん酸塩処理性を阻害するので、塗装前処理に先立っ
て除去しなければならない。ところが前述の固形潤滑剤
は除去が困難であり、汎用のアルカリ水溶液を用いた洗
浄法では完全に除去することができないため、潤滑剤除
去不足によってりん酸塩処理性が悪化し、ひいては塗装
性や塗装後耐食性に悪影響が現われてくる。
【0005】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、苛酷なプレス成形加工条
件が加えられる自動車部品用Al合金材を対象として、
除去困難な高粘性固形潤滑剤を使用しなくとも十分な成
形加工性を示す様な高潤滑性の表面処理AlまたはAl
合金材を提供しようとするものである。
たものであって、その目的は、苛酷なプレス成形加工条
件が加えられる自動車部品用Al合金材を対象として、
除去困難な高粘性固形潤滑剤を使用しなくとも十分な成
形加工性を示す様な高潤滑性の表面処理AlまたはAl
合金材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る自動車部品用高潤滑性表面処理A
lまたはAl合金材の構成は、最表面に、Ca,Mg,
Ni,Fe,Mn,Zn,Co,Alよりなる群から選
択される少なくとも1種の金属の水酸化物からなる0.
2〜4.0μm厚の層状構造皮膜が形成されたものであ
るところに要旨を有するものである。ここで、Al水酸
化物は単斜晶系、それ以外の金属水酸化物は六方晶系の
層状構造を有するものであり、これらの層状構造皮膜は
それ自身で優れた表面潤滑性を発揮するが、該層状構造
皮膜とAlまたはAl合金基材の間に、厚さ3.0μm
以下の酸化アルミニウム皮膜を形成したものは、自動車
部品用として一段と優れた成形加工性を発揮する。
のできた本発明に係る自動車部品用高潤滑性表面処理A
lまたはAl合金材の構成は、最表面に、Ca,Mg,
Ni,Fe,Mn,Zn,Co,Alよりなる群から選
択される少なくとも1種の金属の水酸化物からなる0.
2〜4.0μm厚の層状構造皮膜が形成されたものであ
るところに要旨を有するものである。ここで、Al水酸
化物は単斜晶系、それ以外の金属水酸化物は六方晶系の
層状構造を有するものであり、これらの層状構造皮膜は
それ自身で優れた表面潤滑性を発揮するが、該層状構造
皮膜とAlまたはAl合金基材の間に、厚さ3.0μm
以下の酸化アルミニウム皮膜を形成したものは、自動車
部品用として一段と優れた成形加工性を発揮する。
【0007】
【作用】表面処理鋼板や冷延鋼板に比べてAl合金材の
プレス成形性が劣る理由の一つに塑性変形挙動の違いを
挙げることができ、殊にAl合金材はプレス成形時の表
面摩擦係数が高いため、高面圧下で大きな変形力が作用
すると該変形力の荷重負担部に応力が集中し、当該応力
集中部が強度不足により割れを生じるものと思われる。
プレス成形性が劣る理由の一つに塑性変形挙動の違いを
挙げることができ、殊にAl合金材はプレス成形時の表
面摩擦係数が高いため、高面圧下で大きな変形力が作用
すると該変形力の荷重負担部に応力が集中し、当該応力
集中部が強度不足により割れを生じるものと思われる。
【0008】そこで本発明者らは、Al合金材の表面潤
滑性を高めることによって動摩擦係数を低減せしめ、そ
れにより成形加工時の応力集中を軽減する方向で研究を
進めた。その結果、前述の如くAl合金材表面に、C
a,Mg,Ni,Fe,Mn,Zn,Co,Alよりな
る群から選択される少なくとも1種の金属の水酸化物よ
りなる層状構造の皮膜を形成してやれば、表面の潤滑性
が著しく向上し、プレス成形時に高面圧が作用した場合
でも割れ等を生じることなく優れた加工性が得られるこ
とを知った。
滑性を高めることによって動摩擦係数を低減せしめ、そ
れにより成形加工時の応力集中を軽減する方向で研究を
進めた。その結果、前述の如くAl合金材表面に、C
a,Mg,Ni,Fe,Mn,Zn,Co,Alよりな
る群から選択される少なくとも1種の金属の水酸化物よ
りなる層状構造の皮膜を形成してやれば、表面の潤滑性
が著しく向上し、プレス成形時に高面圧が作用した場合
でも割れ等を生じることなく優れた加工性が得られるこ
とを知った。
【0009】この様に特定の金属水酸化物皮膜によって
加工性が高められる理由は、次の様に考えることができ
る。即ち上記金属水酸化物のうち、Alの水酸化物は単
斜晶系結晶の化合物であり、またCa,Mg,Ni,F
e,Mn,Zn,Coの各水酸化物は六方晶系のヨウ化
カドミウム型構造を有しており、いずれも層状構造を有
している。そしてこれら層状構造の金属水酸化物皮膜は
層間の結合力が弱いため、該皮膜に高面圧の加工力が作
用したときに層間で滑りを生じ、これが潤滑性向上とな
って表われるものと考えられる。
加工性が高められる理由は、次の様に考えることができ
る。即ち上記金属水酸化物のうち、Alの水酸化物は単
斜晶系結晶の化合物であり、またCa,Mg,Ni,F
e,Mn,Zn,Coの各水酸化物は六方晶系のヨウ化
カドミウム型構造を有しており、いずれも層状構造を有
している。そしてこれら層状構造の金属水酸化物皮膜は
層間の結合力が弱いため、該皮膜に高面圧の加工力が作
用したときに層間で滑りを生じ、これが潤滑性向上とな
って表われるものと考えられる。
【0010】そして、こうした層状構造皮膜の潤滑剤改
善効果を有効に発揮させるには、該金属水酸化物皮膜の
肉厚を0.2μm以上にしなければならず、これ未満の
薄肉では高面圧下の加工時に工具面と被加工材の間で皮
膜層の途切れが起こり、その後の潤滑作用が急激に悪化
してくる。但し4.0μmを超える厚肉になるとパウダ
リングを起こし易くなり、潤滑性改善層としての機能が
有効に発揮されなくなる。
善効果を有効に発揮させるには、該金属水酸化物皮膜の
肉厚を0.2μm以上にしなければならず、これ未満の
薄肉では高面圧下の加工時に工具面と被加工材の間で皮
膜層の途切れが起こり、その後の潤滑作用が急激に悪化
してくる。但し4.0μmを超える厚肉になるとパウダ
リングを起こし易くなり、潤滑性改善層としての機能が
有効に発揮されなくなる。
【0011】尚、上記金属水酸化物よりなる層状構造皮
膜の形成法は特に限定されないが、一般的なのは、上記
金属の水可溶性塩を含むpH調整された水溶液にAl合
金材を所定時間浸漬し、Al合金材表面に金属水酸化物
の結晶を生成、沈着させる方法である。皮膜厚さは、水
溶液中の金属イオン濃度や浸漬時間を調節することによ
って任意に変更できる。
膜の形成法は特に限定されないが、一般的なのは、上記
金属の水可溶性塩を含むpH調整された水溶液にAl合
金材を所定時間浸漬し、Al合金材表面に金属水酸化物
の結晶を生成、沈着させる方法である。皮膜厚さは、水
溶液中の金属イオン濃度や浸漬時間を調節することによ
って任意に変更できる。
【0012】ところで上記水酸化物皮膜の形成に先立っ
て、Al合金材表面に陽極酸化処理等を施して酸化アル
ミニウム(アルマイト)皮膜を形成しておけば、この酸
化皮膜は多孔質であり、上記金属水酸化物皮膜の形成工
程で該水酸化物が酸化アルミニウム皮膜の細孔内から生
成し成長していくため、アンカー効果によって該水酸化
物皮膜の密着性が高められると共に、該酸化皮膜により
表面硬度が高められて表面の動摩擦係数も低減され、表
面潤滑性は一段と高められる。
て、Al合金材表面に陽極酸化処理等を施して酸化アル
ミニウム(アルマイト)皮膜を形成しておけば、この酸
化皮膜は多孔質であり、上記金属水酸化物皮膜の形成工
程で該水酸化物が酸化アルミニウム皮膜の細孔内から生
成し成長していくため、アンカー効果によって該水酸化
物皮膜の密着性が高められると共に、該酸化皮膜により
表面硬度が高められて表面の動摩擦係数も低減され、表
面潤滑性は一段と高められる。
【0013】アルマイト皮膜の種類は多孔質のものであ
る限りその種類には一切制限がなく、たとえば硫酸、り
ん酸、しゅう酸、クロム酸等の単独もしくは混合溶液中
で電解する方法、あるいは陽極酸化法により形成した全
てのアルマイト皮膜が包含される。但し、このアルマイ
ト皮膜が厚肉になりすぎると、加工工程で該皮膜に割れ
が生じ、その微細破片がプレス加工時に押し傷を発生さ
せる原因になるので、こうした問題を回避するには3.
0μm以下にすることが必要である。
る限りその種類には一切制限がなく、たとえば硫酸、り
ん酸、しゅう酸、クロム酸等の単独もしくは混合溶液中
で電解する方法、あるいは陽極酸化法により形成した全
てのアルマイト皮膜が包含される。但し、このアルマイ
ト皮膜が厚肉になりすぎると、加工工程で該皮膜に割れ
が生じ、その微細破片がプレス加工時に押し傷を発生さ
せる原因になるので、こうした問題を回避するには3.
0μm以下にすることが必要である。
【0014】本発明が適用されるAl合金材としては、
Mg,Cu,Si,Zn,Cr,Ni等1種もしくは2
種以上を合金元素として種々のAl合金材が挙げられ、
勿論純Al材にも適用できるが、これらの中でも汎用性
の高いのはAl−Mg合金材、Al−Si合金材、Al
−Mg−Si合金材、Al−Cu−Mg合金材等であ
る。
Mg,Cu,Si,Zn,Cr,Ni等1種もしくは2
種以上を合金元素として種々のAl合金材が挙げられ、
勿論純Al材にも適用できるが、これらの中でも汎用性
の高いのはAl−Mg合金材、Al−Si合金材、Al
−Mg−Si合金材、Al−Cu−Mg合金材等であ
る。
【0015】かくして得られる本発明の自動車用表面処
理Al合金材は、最表面に形成された層状構造の前記金
属水酸化物皮膜もしくはその下層に形成されたアルマイ
ト皮膜の作用とも相まって優れた潤滑性を発揮するの
で、プレス成形用金型との間で優れた滑性を示し、高粘
性の固形潤滑剤等を使用しなくとも割れを等を生じるこ
となく任意の形状に成形加工することができ、成形加工
後の潤滑剤除去処理を著しく簡素化することができる。
理Al合金材は、最表面に形成された層状構造の前記金
属水酸化物皮膜もしくはその下層に形成されたアルマイ
ト皮膜の作用とも相まって優れた潤滑性を発揮するの
で、プレス成形用金型との間で優れた滑性を示し、高粘
性の固形潤滑剤等を使用しなくとも割れを等を生じるこ
となく任意の形状に成形加工することができ、成形加工
後の潤滑剤除去処理を著しく簡素化することができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0017】実施例 純Al板、Al−Mg−Cu系合金板またはAl−Mg
−Si系合金板を使用し、この表面に直接もしくは所定
厚さのアルマイト皮膜を介して、表1に示す条件で所定
厚さの金属水酸化物皮膜を形成した。得られた各金属水
酸化物の結晶構造を電子顕微鏡によって観察したとこ
ろ、いずれも層状構造を有しており、Al水酸化物は単
斜晶系結晶、Ca,Mg,Ni,Fe,Mn,Zn,C
oの各金属酸化物は六方晶系のヨウ化カドミウム型構造
であることが確認された。
−Si系合金板を使用し、この表面に直接もしくは所定
厚さのアルマイト皮膜を介して、表1に示す条件で所定
厚さの金属水酸化物皮膜を形成した。得られた各金属水
酸化物の結晶構造を電子顕微鏡によって観察したとこ
ろ、いずれも層状構造を有しており、Al水酸化物は単
斜晶系結晶、Ca,Mg,Ni,Fe,Mn,Zn,C
oの各金属酸化物は六方晶系のヨウ化カドミウム型構造
であることが確認された。
【0018】得られた各皮膜形成材について、下記の方
法で平板引抜試験による摺動性評価および円筒深絞り試
験によるプレス成形性評価を行なったところ、表1,表
2に示す結果を得た。
法で平板引抜試験による摺動性評価および円筒深絞り試
験によるプレス成形性評価を行なったところ、表1,表
2に示す結果を得た。
【0019】評価方法 摺動性:平板引抜試験時の動摩擦係数により評価。 測定条件 押さえ荷重:9.806×106 Pa 平型工具 :20mm×20mm,材質SKD11 潤滑油 :ノックスラスト 評価 ○…優 0.10以下 △…良 0.10〜0.14 ×…劣 0.14以上 プレス成形性:エリクセン円筒深絞り試験時の最大絞り
高さにより評価。 評価 ○…優 表面処理鋼板以上 △…良 表面処理鋼板と同等 ×…劣 表面処理鋼板以下
高さにより評価。 評価 ○…優 表面処理鋼板以上 △…良 表面処理鋼板と同等 ×…劣 表面処理鋼板以下
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1,2より次の様に考えることができ
る。実験No.1〜10は本発明の規定要件を満足する実
施例であり、いずれも優れた摺動性とプレス成形性を有
している。これらに対し実験No.11,13は水酸化物
皮膜が厚過ぎる比較例であり、いずれも水酸化物皮膜が
パウダリングを起こして基板表面から脱落するため表面
の摺動性が悪く、プレス成形性改善効果も不十分であ
る。またNo.12,14は水酸化物皮膜厚さが不足する
ため摺動性、プレス成形性ともに不良であり、且つ下地
層としてアルマイト皮膜を形成した場合(No.14)で
も十分な改質効果が得られない。更にNo.15,16は
下地層のアルマイト皮膜が厚過ぎるため皮膜に割れが発
生し、摺動性が悪化している。
る。実験No.1〜10は本発明の規定要件を満足する実
施例であり、いずれも優れた摺動性とプレス成形性を有
している。これらに対し実験No.11,13は水酸化物
皮膜が厚過ぎる比較例であり、いずれも水酸化物皮膜が
パウダリングを起こして基板表面から脱落するため表面
の摺動性が悪く、プレス成形性改善効果も不十分であ
る。またNo.12,14は水酸化物皮膜厚さが不足する
ため摺動性、プレス成形性ともに不良であり、且つ下地
層としてアルマイト皮膜を形成した場合(No.14)で
も十分な改質効果が得られない。更にNo.15,16は
下地層のアルマイト皮膜が厚過ぎるため皮膜に割れが発
生し、摺動性が悪化している。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、A
lまたはAl合金材の最表面に層状構造を有する所定厚
さの金属水酸化物皮膜を形成し、もしくは下地アルマイ
ト層を介して水酸化物皮膜を形成することによって、表
面潤滑性(摺動性)を著しく高めることができ、それに
よりプレス成形性が良好で自動車部品用として優れた性
能の表面処理AlまたはAl合金材を提供し得ることに
なった。
lまたはAl合金材の最表面に層状構造を有する所定厚
さの金属水酸化物皮膜を形成し、もしくは下地アルマイ
ト層を介して水酸化物皮膜を形成することによって、表
面潤滑性(摺動性)を著しく高めることができ、それに
よりプレス成形性が良好で自動車部品用として優れた性
能の表面処理AlまたはAl合金材を提供し得ることに
なった。
Claims (3)
- 【請求項1】 最表面に、Ca,Mg,Ni,Fe,M
n,Zn,Co,Alよりなる群から選択される少なく
とも1種の金属の水酸化物からなる0.2〜4.0μm
厚の層状構造皮膜が形成されたものであることを特徴と
する自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金
材。 - 【請求項2】 Al水酸化物は単斜晶系、それ以外の金
属水酸化物は六方晶系の層状構造を有するものである請
求項1記載のAlまたはAl合金材。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載された層状構造
皮膜とAlまたはAl合金基材の間に、厚さ3.0μm
以下の酸化アルニミウム皮膜が形成されたものである自
動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24011093A JPH0790622A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24011093A JPH0790622A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0790622A true JPH0790622A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=17054645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24011093A Withdrawn JPH0790622A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 自動車部品用高潤滑性表面処理AlまたはAl合金材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790622A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811186A (en) * | 1995-05-25 | 1998-09-22 | Minnesota Mining And Manufacturing, Inc. | Undrawn, tough, durably melt-bonded, macrodenier, thermoplastic, multicomponent filaments |
JP2007063600A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱間ブロー成形用アルミニウム合金板 |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP24011093A patent/JPH0790622A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811186A (en) * | 1995-05-25 | 1998-09-22 | Minnesota Mining And Manufacturing, Inc. | Undrawn, tough, durably melt-bonded, macrodenier, thermoplastic, multicomponent filaments |
US5972463A (en) * | 1995-05-25 | 1999-10-26 | 3M Innovative Properties Company | Undrawn, tough, durably melt-bondable, macrodenier, thermoplastic, multicomponent filaments |
US6080482A (en) * | 1995-05-25 | 2000-06-27 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Undrawn, tough, durably melt-bondable, macodenier, thermoplastic, multicomponent filaments |
JP2007063600A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱間ブロー成形用アルミニウム合金板 |
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