JPH10124860A - 磁気カード - Google Patents

磁気カード

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JPH10124860A
JPH10124860A JP8293150A JP29315096A JPH10124860A JP H10124860 A JPH10124860 A JP H10124860A JP 8293150 A JP8293150 A JP 8293150A JP 29315096 A JP29315096 A JP 29315096A JP H10124860 A JPH10124860 A JP H10124860A
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JP
Japan
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magnetic
magnet
width
card
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Withdrawn
Application number
JP8293150A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Himori
広明 檜森
Motoichi Kagai
源市 加賀井
Haruyuki Takahashi
東幸 高橋
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Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリペイドカードのように基体の全面に磁性
層を形成するタイプの磁気カードは、従来、偽造防止機
能が充分でなかった。 【解決手段】 一軸磁気異方性を有する磁性粒子を含む
磁性層を非磁性基体上に形成してなる磁気記録媒体にお
いて、磁性粒子の磁化容易軸を記録再生方向に磁場配向
した磁気記録トラック領域と、少なくとも一部の磁性粒
子の磁化容易軸を記録再生方向と直角の方向に磁場配向
した磁気記録トラック外フリー領域とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードの偽造
防止に係る技術である。
【0002】
【従来の技術】磁気カードは近年多く金券として使用さ
れている。しかしながら磁気カードの特徴である記録再
生の容易なことはまた複製の容易性をも意味しており、
様々の偽造、変造、改竄防止の工夫が成されている。こ
れらのうち主なものを列挙すると、暗証番号を使用す
る方法、磁性層の構造や磁気記録材料に工夫を加え磁
気記録信号を読取れなくする方法、使用前後に非可逆
的な破壊を行い、使用済み後のカードを再使用できなく
する方法、書換え不能な固有コードを付与する方法、
暗号処理により正当性を判定する方法、その他セン
サーにより特殊な隠匿マークを検知する方法およびそれ
らの組合わせ等各種考えられている。ところで磁気カー
ドには大別して、(A)キャッシュカード、クレジット
カードや磁気通帳等のように、磁気テープや磁気ラベル
の貼着或いは印刷等の方法で磁気記録に用いる磁性層を
基体の一部に形成するものと、(B)多くのプリペイド
カードのように支持基体全面に磁性層を形成するものの
2種がある。後者(B)類のカードは、塗布マシーンで
広幅の基体に磁性層を連続的に形成し、多面付けの形で
カードを生産できることから量産性に優れている反面、
偽造防止の観点から言えば弱点があった。すなわち前述
したような偽造、変造、改竄防止方法のうち、の使用
前後に非可逆的な破壊を行い、使用済み後のカードを再
使用できなくする方法の一例として、例えば穿孔を行う
場合、カードの全面に行うのでなく、効率上実際に磁気
記録再生を行う磁気ヘッドのトラックゾーンのみに穿孔
する場合が多く、このような場合、例えば2枚の使用済
みカードを用意し、1枚目のパンチ穿孔部を切断除去
し、残る2枚目のカードから同形状の未穿孔部を切り出
し、先の1枚目のカードに継着することによって、容易
にバージンカードを変造することが可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、プリ
ペイドカードのように基体の全面に磁性層を形成するタ
イプの磁気カードにおいて、使用済みカードの構造破壊
部を切断除去し、別の使用済みカードの未使用非破壊部
を切り出し継着するような操作で、新たなバージンカー
ドの変造を防止する手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気カードでは
磁性層のうち、磁気記録トラック領域のみを通常の磁
気記録に用いる特性として形成し、それ以外のフリー領
域は磁気記録に使用しない異なる特性として形成するこ
と。次いで、カードの使用後、該磁気記録トラック領
域を非可逆的に構造破壊し再使用不能とすること。この
二つの手段で使用済み磁気カードの再悪用を防止する。
磁気記録の理論では、一軸磁気異方性を有する磁性粒子
の磁化容易軸の方向を、印加磁場に対して並行にしてお
くと、最大の残留磁化が得られるのに対し、磁性粒子の
磁化容易軸を印加磁場に対して直角の方向におくと、粒
子の残留磁化は容易軸方向に向くことになるので磁場印
加方向からみた残留磁化としては0となる。
【0005】一軸磁気異方性を有する磁性粒子を含む磁
性層を磁気記録の担い手とする磁気カードにおいて、信
号を記録する磁気記録トラック領域では磁性粒子の磁化
容易軸をカードの長手方向に配列し、信号の記録を行わ
ない他のフリー領域では磁性粒子の磁化容易軸をカード
の長手方向と直角の短手方向(幅方向)に配列する。一
般に磁気カードの磁気ヘッドに対する走行方向は長手方
向であり、磁気記録も同方向に沿って成されるから、こ
のようなカードでは、磁気記録トラック領域に記録した
後得られる磁気記録再生出力に較べて、フリー領域への
記録再生出力は極めて小さくなり、もはや二つの領域を
同等のものとして代用することができなくなる。このこ
とはフリー領域を切り出して他のカードに継着して悪用
する変造もできなくなることを意味する。さらに、残さ
れた磁気記録トラック領域の悪用を防止するため、この
領域をカードの使用完了後に非可逆的な構造破壊、例え
ばパンチ穿孔のような操作を加える。この場合、実質的
に記録トラック幅を再生できないような径の破壊とす
る。理論的にはトラック領域幅の1/2以上あれば好ま
しく、この結果、使用済みカードの変造悪用を防止でき
る。
【0006】フリー領域の磁性粒子の磁化容易軸は、一
様にカードの短手方向に配列されていなくても、すなわ
ち部分的に配列されていても、要するに磁気記録トラッ
クとして流用できない程度に形成されてさえいれば本発
明の目的を達成できる。また実際の工業的な量産の過程
においては、磁性粒子の磁化容易軸の配列は、配向装置
の不完全性あるいは不均一磁性粒子や未分散磁性粒子混
入等様々の理由により、理想的に行われることは考えら
れないが少なくとも磁気記録トラック領域とフリー領域
の磁気記録再生出力値比が、1/3以下程度好ましくは
1/5以下程度に形成できれば、読取り再生回路装置の
閾値の設定により両者の分別を有効に実施できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図によって本発明の詳細を説
明する。図1は本発明になる磁気カードの一形態であ
る。1は磁気カード、3は磁性層、3Aは磁気記録トラ
ック領域、3Bは磁気記録トラック外のフリー領域、3
Cはパンチ穿孔を表している。磁気カード1の表面には
磁性層3が形成されている。磁性層3は磁気記録トラッ
ク領域3Aとその両外側のフリー領域3Bから成る。図
の事例では磁気記録トラック領域3Aは単トラックで表
示されているが、複数トラックであってもよく、またト
ラック幅も任意に形成される。もちろん実際の磁気トラ
ックと磁気記録トラック領域とは一致していなくとも前
者は後者の内側にあってもよい。磁気記録トラック領域
3A内に設けられた点丸3Cは、カードの使用後に穿孔
するパンチ穿孔を表している。孔直径は磁気記録トラッ
ク領域幅の1/2以上であることが好ましいが、要は磁
気トラック領域が悪用されない程度に穿孔されていれば
よい。
【0008】図2は本発明になるカードの、磁性層に含
まれる磁性粒子の磁化容易軸方向を示した概要図であ
る。1は磁気カード、3は磁性層、3Aは磁気記録トラ
ック領域、3Bは磁気記録トラック外のフリー領域、4
は磁性粒子を示しその磁化容易軸の方向を矢印で表して
いる。磁気記録トラック領域における磁性粒子の磁化容
易軸はカードの長手方向に、磁気記録トラック外のフリ
ー領域の磁性粒子の磁化容易軸はそれと直角のカードの
短手方向を向いている。
【0009】図3は本発明になるカードの、磁気トラッ
ク外フリー領域の磁性粒子の別の配列例を表した図であ
る。1は磁気カード、3は磁性層、3Aは磁気記録トラ
ック領域、3B’は磁気記録トラック外のフリー領域、
3B1はフリー領域のうち短手方向配向ゾーン、3B2
はフリー領域のうちランダム配向ゾーンを表している。
4は磁性粒子を示しその磁化容易軸の方向を矢印で表し
ている。この発明事例では、磁気トラック外フリー領域
の磁性粒子は一様な短手方向配列ではなく、短手方向配
向ゾーン3B1とランダム配向ゾーン3B2とが交互短
冊状にカードの長手方向に形成されている。この場合、
ランダム配向ゾーンは特に配向に係わりのない領域であ
りここでの磁性粒子の磁化容易軸はランダムでも、或い
は垂直方向でも或いは長手方向に向いていても自由であ
る。図には長手方向に配向した例を示した。ただし、こ
のランダム配向ゾーンが悪用されないようその幅は、実
質的にカードで使用される磁気トラック幅よりも十分に
狭く形成されていることが望ましい。このように、フリ
ー領域の磁性粒子の磁化容易軸は必ずしも一様に短手方
向に配列されている必要はなく、一部でも要するに磁気
記録トラック領域として流用されない程度に形成されて
いれば本発明の使用に足りるのである。
【0010】図4は本発明になる磁気カードを製作する
ための塗布装置の概要図である。10はベース基体の巻
出部、11は塗工装置、12は配向装置A、13は配向
装置B、14は乾燥炉、15は完成ロールの巻取部を表
している。ベース支持基体2を巻出部10から巻き出
し、塗工装置11で基体上に磁気塗料を所定の厚さにコ
ーティングする。次いで配向装置A12で磁気塗料中の
磁性粒子の塗布方向(長手方向)配向処理を施し、配向
装置B13で実際に磁気記録に使用される以外の部分の
磁性粒子を幅方向(短手方向)に配列した後、乾燥炉1
4で塗膜を乾燥固化し、最後に巻取部15にて巻き取
る。尚、配向装置A12と配向装置B13の順序を逆に
行っても同様の結果を期待できるが、ただこの場合はそ
れに応じた配向装置の仕様変更が必要になる。
【0011】支持基体2は紙、プラスチックフィルム等
通常の磁気カードに使用されるフィルムであれば何でも
よい。塗工装置11は、図ではホッパー型の簡易な装置
を代表表示しているがこの他グラビヤコート、リバース
ロールコート、ノズルコート、バーコート等通常磁気コ
ートに供され、均一かつ平滑に塗膜を形成できる装置で
あれば何でもよい。配向装置A12は磁性粒子の磁化容
易軸を塗布方向(=カードの長手方向)に揃える通常の
配向装置であり、空心コイルや同極対抗磁石が用いられ
る。配向装置B13は、磁性粒子の磁化容易軸を基体の
幅方向(=カードの短手方向)に配列するための装置で
あり特別に設計された磁石が用いられる。乾燥炉14に
はコーティングマシンに通常一般に用いられる乾燥炉が
そのまま使用される。ここでは支持基体上に形成された
塗膜の溶剤が蒸発し配列した磁性粒子を固定する。した
がって、乾燥炉は一旦配向された磁性粒子が乱されない
よう、配向装置B13のできるだけ近傍に設置するのが
望ましい。
【0012】図5は図4に示した塗布装置の配向工程を
上部より観察した図である。2は支持基体、11は塗工
装置、4は磁気塗料中の磁性粒子、12は長手方向配向
装置A、13は幅方向配向装置B、130は幅配向磁
石、3Aは長手配向領域すなわち磁気記録トラック領
域、3Bは幅配向領域すなわち磁気記録トラック外フリ
ー領域を表している。
【0013】基体2に塗工装置11で塗布される磁気塗
料中の磁性粒子4は、初めランダムな分散状態にあるた
め磁化容易軸はあらゆる方向を向いている。しかるに配
向装置A12を通過する時点で、磁性粒子4の磁化容易
軸は塗布方向に平行に配列する。次いで幅配向装置B1
3を通過すると、幅配向磁石130によって所定部の磁
性粒子の磁化容易軸は基体の幅方向に配列する。この結
果、3A領域では、磁性粒子は基体の長手方向に配列し
カードの磁気記録トラック領域を形成する。また3B領
域では、磁性粒子はそれと直角の基体の幅方向に配列し
カードの磁気記録トラック外のフリー領域を形成する。
ここで長手配向領域3Aの幅、トラック本数、位置は任
意であり、カードの形状仕様に合せ適切に設計される。
【0014】磁気記録を担う磁性粒子4としては、通常
磁気記録に用いる磁性材料のうち一軸磁気異方性を有す
る磁性粒子であれば、例えば形状異方性化された針状磁
性粒子、あるいは結晶磁気異方性を有するバリウムフェ
ライト、ストロンチウムフェライト等の磁性材料であれ
ば何でもよい。磁気塗料は、通常一般に塗布型に使用さ
れる磁気塗料であり、結合剤として、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ニト
ロセルロース樹脂等各種の合成樹脂をアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等の
溶剤に溶解し、各種の添加剤とともにボールミル、サン
ドミル、振とうミル、ビーズミル等の分散機で調製しも
のであり、配向によって磁性粒子が再配列可能な所定の
流動特性を維持する塗料であれば何でもよい。
【0015】磁性粒子の磁化容易軸に係る配列は、上述
したように磁気塗料の流動性を維持したまま、塗料中の
磁性粒子の運動が妨げられない状態で、これに配向磁界
を印加し配列する。長手方向配向装置A12は通常一般
の塗布型磁気記録媒体の製造に用いられる配向装置と同
一のものであり、バリウムフェライトやアルニコ製の同
極対抗永久磁石や空心コイルが用いられる。ただ、幅方
向配向の後に長手方向配向を行う場合は、磁気記録トラ
ック領域部分として幅方向特定部のみ長手配向するよ
う、設計する必要があり磁界の収束の点でやや難点があ
る。
【0016】幅方向への、磁性粒子の磁化容易軸の配列
は、長手方向配列ほど簡単にはいかないが結局幅方向磁
界の形成手段に帰着する。幅方向配向装置B13を製作
するため、図6のような直方体の小磁石131を準備す
る。NおよびSは磁極、aは小磁石の短辺長、bは小磁
石の長辺長、cは磁石の長さを表している。磁石の材質
は通常永久磁石に用いられるものであれば何でもよく、
例えばバリウムフェライトやアルニコ磁石その他を用い
る。
【0017】図7は幅配向に用いられる幅配向磁石13
0の第一の事例であり、その正面図および側面図を表し
ている。実際には配向装置には、このような幅配向磁石
130を目的とする所定の幅方向配向トラック数だけ連
結して用いる。131は図6に示したような小磁石、1
32は支持体、133は空隙部、NおよびSは磁極、1
34は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1は小磁石間隙長、a
は小磁石の短辺長、bは小磁石の長辺長、cは小磁石の
長さを表している。幅配向磁石130は、小磁石131
の磁極を立てるような形で、支持体132に交互に異な
る磁極となるよう、一定間隙w1を以って一定間隔に並
列配置したものである。空隙部133には非磁性のプラ
スチック材料等を埋め込んでおいてもよい。配向磁石幅
Wは、幅方向に配向するトラックの幅と一致させてお
く。この結果、磁石先端部には横方向の漏洩磁界134
が発生し、この磁石を基体上に塗布された磁性塗膜に近
接することによって、塗料に含まれる磁性粒子の配列
は、漏洩磁界に沿って幅方向に配列することとなる。も
ちろん磁極N又はS付近では磁界は必ずしも横方向に向
いておらずむしろ垂直方向とも言え、それに応じた磁性
粒子の配列がなされることになるが、前記した本発明の
もともとの趣旨から問題とならない。ただ磁極間隙長w
1が狭いと漏洩磁界の塗膜に及ぼす影響が弱まり、かと
いって広すぎると漏洩磁界の強度は低下するから目的と
する幅配向長をも考慮して適宜最も効果的な間隔に設計
する。磁石の長辺長bは、塗布中の配向磁界の印加され
る時間に係わり、したがって、基体の走行スピードを勘
案し塗膜の磁性粒子の配列が充分に行われる程度の長さ
に設計する。
【0018】図8は幅配向磁石130の第2の事例であ
り、その正面図と側面図を表している。この例では前記
第1の事例による配向磁石を2つ用意し、塗膜を形成し
た支持基体2を挟んで、上部幅配向磁石130Aと下部
幅配向磁石130Bと上下から同一磁極が対抗するよう
にギャップ長gの間隔で配置したものである。このよう
に上下から横方向漏洩磁界134を付与することによる
相乗効果により、より効果的な幅方向配向を実現するこ
とができる。
【0019】図9は幅配向磁石130の第3の事例であ
り、その正面図と側面図を表している。131は小磁
石、132は支持体、133は空隙部、NおよびSは磁
極、134は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1は小磁石間隙
長、aは、小磁石の短辺長、bは小磁石の長辺長、cは
小磁石の長さを表している。この事例の幅配向磁石13
0は、支持体132に沿って小磁石131を、磁極が一
定間隙長w1を以って交互となるよう一定間隔に直列に
並べた形をとる。この場合も幅方向の漏洩磁界134を
発生させることができる。ただ小磁石の長さcの部分の
幅方向漏洩磁界は小さくなるから、この領域をできるだ
け狭く、好ましくは磁気記録トラック幅よりも狭く、つ
まり薄型磁石を用いることが望ましい。
【0020】図10は幅配向磁石130の第4の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。この例では前
記第3の事例による配向磁石を2つ用意し、塗膜を形成
した支持基体2を挟んで、上部幅配向磁石130Aと下
部幅配向磁石130Bとを上下から同一磁極が対抗する
ようにギャップ長gの間隔で配置したものである。この
ように上下から幅方向漏洩磁界134を付与することに
よる相乗効果により、より効果的な幅方向を実現するこ
とができる。
【0021】図11は幅配向磁石130の第5の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。131は小磁
石、132は支持体、133は空隙部、NおよびSは磁
極、134は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1は小磁石間隙
長、aは小磁石の短辺長、bは小磁石の長辺長、cは小
磁石の長さを表している。この事例の幅配向磁石130
は、支持体132に沿って小磁石131を、磁極が一定
間隙w1を以って交互逆向きとなるよう一定間隔に並列
して並べた形をとる。この場合も幅方向の漏洩磁界13
4を磁石の両端で発生させることができる。ただこの場
合は、磁極の前後で漏洩磁界の方向が逆となるが磁化容
易軸の配列は変らない。
【0022】図12は幅配向磁石130の第6の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。この例では前
記第5の事例による配向磁石を2つ用意し、塗膜を形成
した支持基体2を挟んで、上部幅配向磁石130Aと下
部幅配向磁石130Bとを上下から同一磁極が対抗する
ようにギャップ長gの間隔で配置したものである。この
ように上下から幅方向漏洩磁界134を付与することに
よる相乗効果により、より効果的な幅方向配向を実現す
ることができる。
【0023】図13は幅配向磁石130の第7の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。2は基体、1
30Aは上部幅配向磁石、130Bは下部幅配向磁石、
131は小磁石、132は支持体、133は空隙部、N
およびSは磁極、134は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1
は小磁石間隙長、aは小磁石の短辺長、bは小磁石の長
辺長、cは小磁石の長さ、そしてgは上下配向磁石間の
ギャップ長を表している。この事例では、配向磁石は塗
膜および基体を挟んで上部幅配向磁石130A、下部幅
配向磁石130Bの二つの対抗磁石からなり、それぞれ
の磁石は、小磁石131を支持体132に先端の磁極が
同極となるよう立て並べ、ただし二つの磁石の先端磁極
はそれぞれ異なる磁極となるようにする。磁石の作製の
仕方は、小磁石の先端磁極を同一になるよう立て並べる
のと間隙長w1を倍程度に広くすることを除けば図7と
同様である。次いでこの二つの磁石を塗膜および基体2
を挟んで上下からギャップ長gの幅で対抗近接し、かつ
位置をずらして磁極が上下交互にかみ合うようにして配
置する。この時ギャップ長gは磁石間隙長w1よりも小
さく設計する。この結果漏洩磁界134は、基体を挟ん
で対抗する異磁極に向かうから、幅方向の漏洩磁界を形
成できることになる。
【0024】図14は幅配向磁石130の第8の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。2は基体、1
30Aは上部幅配向磁石、130Bは下部幅配向磁石、
131は小磁石、132は支持体、133は空隙部、N
およびSは磁極、134は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1
は小磁石間隙長、aは小磁石の短辺長、bは小磁石の長
辺長、cは小磁石の長さ、そしてgは上下配向磁石間の
ギャップ長を表している。この事例では、配向磁石は塗
膜および基体を挟んで上部幅配向磁石130A、下部幅
配向磁石130Bの二つの対抗磁石からなり、それぞれ
の磁石は小磁石131を支持体132に磁極を同一方向
に向けて横に並列する。ただし二つの磁石の磁極の向き
は異なるようにする。磁石の作製の仕方は、小磁石を交
互に磁極の向きを変えて並列するのと間隙長w1を倍程
度に広くすることを除けば図11の事例5と同様であ
る。次いでこの二つの磁石を塗膜および基体2を挟んで
上下からギャップ長gの幅で対抗近接し、かつ位置をず
らして磁極が上下交互にかみ合うようにして配置する。
この時ギャップ長gは磁石間隙長w1よりも小さく設計
する。この結果漏洩磁界134は、基体を挟んで対抗す
る異磁極に向かうから、幅方向の漏洩磁界を形成できる
ことになる。
【0025】図15は幅配向磁石130の第9の事例で
あり、その正面図と側面図を表している。2は基体、1
30Aは上部幅配向磁石、130Bは下部幅配向磁石、
131は小磁石、132は支持体、133は空隙部、N
およびSは磁極、134は漏洩磁界、Wは磁石幅、w1
は小磁石間隙長、aは小磁石の短辺長、bは小磁石の長
辺長、cは小磁石の長さ、そしてgは上下配向磁石間の
ギャップ長を表している。この事例では、配向磁石は塗
膜および基体を挟んで上部幅配向磁石130A、下部幅
配向磁石130Bの二つの対抗磁石からなり、それぞれ
の磁石は小磁石131を支持体132に交互に異なる磁
極となるよう直列に配置したものである。ただし二つの
磁石の磁極の向きは同方向とする。磁石の作製の仕方
は、間隙長w1を倍程度に広くすることを除けば図9の
事例3と同様である。次いでこの二つの磁石を塗膜およ
び基体2を挟んで上下からギャップ長gの幅で対抗近接
し、かつ位置をずらして磁極が上下交互にかみ合うよう
にして配置する。この時ギャップ長gは磁石間隙長w1
よりも小さく設計する。この結果漏洩磁界134は、基
体を挟んで対抗する異磁極に向かうから、幅方向の漏洩
磁界を形成できることになる。
【0026】以上永久磁石を組合わせ、幅方向の漏洩磁
界を形成し、塗膜に近接して幅方向への磁性粒子の配列
する手段を述べた。配向磁界の強さを増すには近接距離
をできるだけ小さくすることが望ましいが、接触きずを
発生するから塗膜および基体に当接しないよう注意す
る。例えばゴム磁石に磁極を形成しロール状に成形して
回転ロール状に成形できれば、基体下部に当接して幅方
向配向に供することができる。またこれまで、主として
永久磁石を組合わせた方法で幅方向配向装置の説明を行
ってきたが、電磁石を用いても同様の結果を期待できる
ことは言うまでもない。
【0027】実施例1 磁気記録材料として粒子長径平均1μm、軸比7/1の
針状γ−Fe23 磁性粉を準備し、塩化ビニル酢酸ビ
ニルコポリマー樹脂とウレタン樹脂とを3/1の重量比
率でブレンドしメチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンおよびトルエン混合溶剤に溶解したラッカーを準
備し、ピグメント/レジン比率4/1の割合でラッカー
と磁性粉を混合し、分散剤としてリン酸エステルを少量
添加して振とうミルで分散し磁気塗料とする。さらに塗
料に溶剤を添加して、1000cp程度の粘度に調整す
る。支持基体として188μ厚骨白入り白色ポリエステ
ルフィルムを準備し、該磁気塗料をホッパー型塗布機で
約100μの濡れ厚さで塗布する。次いで塗膜が未乾燥
の状態のまま、バリウムフェライト永久磁石を同極対抗
する形で基体の上下より近接せしめ、塗膜中の磁性粒子
を走行方向に平行に磁場配向を実施、次いで塗布ロール
の幅方向の一部に、長辺長2cm、短辺長0.5cm、
長さ3cmの直方体のバリウム磁石3個を、支持体に3
cmの間隔で先端磁極がNS交互に変化するよう配置し
た幅方向配向磁石を上下より対抗近接し、幅方向磁場配
向を行った。この後ロールから、磁気カード形状にサン
プルを切り出し、長手方向磁場配向トラックと幅方向磁
場配向トラックとの磁気記録再生出力を比較計測した。
測定はヘッドギャップ約10μmのパーマロイ製記録再
生兼用ヘッドを装備した磁気カード記録再生器を用い
て、210BPI周波数の正弦信号を記録再生し比較し
た。その結果、幅方向磁場配向トラック部の再生出力は
長手方向磁場配向トラック部の出力に較べ1/3以下で
あった。
【0028】実施例2 磁気記録材料として直径平均1μm、軸比1/10の板
状バリウムフェライト磁性粉を準備し、ポリエステル樹
脂をブレンドしメチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンおよびトルエン溶剤の等量混合溶剤に溶解したラ
ッカーを準備し、分散剤としてリン酸エステルを少量添
加してピグメント/レジン比率3.5/1の割合で混合
し振とうミルで分散し磁気塗料とする。さらに塗料に溶
剤を添加して、1000cp程度の粘度に調整する。支
持基体として188μ厚骨白入り白色ポリエステルフィ
ルムを準備し、該磁気塗料をホッパー型塗布機で約10
0μの濡れ厚さで塗布する。次いで塗膜が未乾燥の状態
のまま、バリウムフェライト永久磁石を同極対抗する形
で基体の上下より近接せしめ、塗膜中の磁性粒子を走行
方向に平行に磁場配向を実施、次いで塗布ロールの幅方
向の一部に、長辺長2cm、短辺長0.5cm、長さ3
cmの直方体のバリウム磁石2個を、支持体に6cmの
間隔で先端磁極がN極同一となるよう配置した上部幅方
向配向磁石130Aと同じく先端磁極がS極となるよう
配置した下部幅方向配向磁石130Bとを、雄雌状の位
置になるよう3cmずらして上下より対抗近接し、幅方
向磁場配向を行った。この後ロールから、磁気カード形
状にサンプルを打ち抜き、平行方向磁場配向トラックと
幅方向磁場配向トラックとの磁気記録再生出力を比較計
測した。測定はヘッドギャップ約10μmのパーマロイ
製記録再生兼用ヘッドを装備した磁気カード記録再生器
を用いて、210BPI周波数の正弦信号を記録再生し
比較した。その結果、幅方向磁場配向トラック部の再生
出力は長手方向磁場配向トラック部の出力に較べ1/3
以下であった。以上これまで本発明になる磁気カード
の、磁性層の構造とその形成方法について述べてきた。
事例としては最もシンプルな単一磁性層で単一な磁気記
録トラック領域の場合について説明を行ったが、本発明
は当然それに限定するものではない。複数トラックで
も、あるいは多層積層構造のものでも、また印刷層、保
護層、磁気バーコード層、固定コード層等磁気カードと
しての使用上併用する各種の付加仕様が存在しても要は
一軸磁気異方性を有する一様な磁気記録層を形成するよ
うな磁気カードについては、上記同様の方式で磁気記録
不用部の形成を行うことによって、カードの変造による
悪用を回避できることは明らかであり、本特許の範囲内
であることは自明である。
【0029】
【発明の効果】本発明のカードは、カードの変造防止に
効果的なだけでなく、カード全面に一様に磁性層が形成
されているので段差が生ぜず荷崩れの心配がなく、また
量産性に優れており、従来の塗布機に幅方向配向装置を
追加するだけで容易に生産可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる磁気カードの一形態を示す平面図
である。
【図2】本発明の磁気カードの磁性層に含まれる磁性粒
子の磁化容易軸方向を示した概要図である。
【図3】本発明の磁気カードの磁気トラック外フリー領
域の磁性粒子の別の配列例を表わした概要図である。
【図4】本発明の磁気カードを製作するための塗布装置
の概要図である。
【図5】図4に示した塗布装置の配向工程を上部より観
察した図である。
【図6】幅配向磁石を構成するための小磁石の例を示す
斜視図である。
【図7】幅方向配向に用いられる幅方向配向磁石の第1
例を示す正面図および側面図を表わしている。
【図8】幅配向磁石の第2例を示す正面図と側面図を表
わしている。
【図9】幅配向磁石の第3例を示す正面図と側面図を表
わしている。
【図10】幅配向磁石の第4例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【図11】幅配向磁石の第5例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【図12】幅配向磁石の第6例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【図13】幅配向磁石の第7例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【図14】幅配向磁石の第8例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【図15】幅配向磁石の第9例を示す正面図と側面図を
表わしている。
【符号の説明】
1 磁気カード 2 支持基体 3 磁性層 3A 磁気記録トラック領域 3B 磁気記録クラック外フリー領域 3B’ 磁気記録クラック外フリー領域 3B1 短手方向配向ゾーン 3B2 長手方向配向ゾーン 3C パンチ穿孔 4 磁性粒子 10 巻出部 11 塗工装置 12 配向装置A 13 配向装置B 14 乾燥炉 15 巻取部 130 幅配向磁石 130A 上部幅配向磁石 130B 下部幅配向磁石 131 小磁石 132 支持体 133 空隙部 134 漏洩磁界

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸磁気異方性を有する磁性粒子を含む
    磁性層を非磁性基体上に形成してなる磁気記録媒体にお
    いて、磁性粒子の磁化容易軸を記録再生方向に磁場配向
    した磁気記録トラック領域と、少なくとも一部の磁性粒
    子の磁化容易軸を記録再生方向と直角の方向に磁場配向
    した磁気記録トラック外フリー領域とを備え、該フリー
    領域を磁気記録トラック領域として使用できない特性と
    したことを特徴とする磁気カード。
  2. 【請求項2】 使用後に磁気記録トラック領域のいずれ
    かの位置にパンチ穿孔し、再使用できないようにするこ
    とを特徴とする請求項1の磁気カード。
  3. 【請求項3】 使用後に磁気記録トラック領域のいずれ
    かの位置に、トラック領域幅の1/2以上の直径のパン
    チ孔を穿孔することを特徴とする請求項1の磁気カー
    ド。
  4. 【請求項4】 支持基体上に塗布された一軸磁気異方性
    を有する磁性粒子を含む磁気塗料の、該磁性粒子の磁化
    容易軸を塗布方向に直角方向に配列する幅方向配向装
    置。
  5. 【請求項5】 少くとも2以上の磁石の磁極をNS交互
    に幅方向一定間隔で配置した請求項4の幅方向配向装
    置。
  6. 【請求項6】 塗膜を挟んで、少くとも2以上の磁石の
    磁極をNS交互に幅方向一定間隔で配置した請求項4の
    幅方向配向装置。
  7. 【請求項7】 少くとも2以上の磁石の磁極をNS交互
    に幅方向一定間隔で配置し、塗膜を挟んで同極同志向か
    い合うように配置した請求項4の幅方向配向装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005174484A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Dainippon Printing Co Ltd 磁気読み取り書き込み装置と磁気読み取り書き込み方法、磁気記録媒体の真偽判定方法

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JP2005174484A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Dainippon Printing Co Ltd 磁気読み取り書き込み装置と磁気読み取り書き込み方法、磁気記録媒体の真偽判定方法

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