JPH10123381A - スペーサ型光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブル外径を小さく抑えながら、光ファイ
バの本数を多くすることができ、しかも光ファイバの伝
送特性が劣化しないようにする。 【解決手段】 複数本の光ファイバからなるテープ心線
(4) の複数を２列以上並列に積層してスペーサ(2) の溝
(3) 内に収納する。そして、溝(3) 内に収納したテープ
心線(4) の各列の間に仕切板(7) を配置して、テープ心
線(4) の配列の乱れを防止する。さらに、前記仕切板
(7) は、スペーサ(2) の溝(3) 毎に異なる色に着色し
て、溝(3) の識別を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、公衆通信等に使用
される多心のスペーサ型光ファイバケーブルに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、マルチメディア時代に向けて、通
信情報量が増大し、多心の光ファイバケーブルの需要が
増してきている。それに対処するため、テープ状光ファ
イバ心線をスペーサの溝の中に多数本収容したスペーサ
型光ファイバケーブルが開発されている。

【０００３】図４は 従来のスペーサ型光ファイバケー
ブルを示す図であり、図４（イ）は、第１従来例とし
て、４心テープ心線を用いた２００心ケーブルを示し、
図４（ロ）は、第２従来例として、８心テープ心線を用
いた２００心ケーブルを示している。図４において、１
はテンションメンバ、２はスペーサ、３はスペーサ２に
形成した溝、４は４心テープ心線、５は押え巻、６はシ
ース、９は８心テープ心線である。

【０００４】（第１従来例）図４（イ）に示す光ファイ
バケーブルは、４本の光ファイバを並列一体化した４心
テープ心線を、スペーサ２に複数設けた溝３内に複数本
ずつ収容している。この光ファイバケーブルでは、溝３
の数を多くして１０とすることにより、２００心の光フ
ァイバを収容するようにしている。

【０００５】（第２従来例）一方、図４（ロ）に示すよ
うに、通信容量を増加させるために各テープ心線の心線
数を８心に増やして、８心テープ心線９をスペーサ２の
溝３に収納した光ファイバケーブルも開発されている。
この光ファイバケーブルでは、各テープ心線の光ファイ
バの本数を８心にすることにより、２００心の光ファイ
バを収容するようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第１従
来例のように、４心テープ心線４を用いる光ファイバケ
ーブルにおいては、光ファイバ数を増加させるには、ケ
ーブル外径を大きくする必要があるという問題点があっ
た。すなわち、光ファイバ数を増加させるには、溝３の
数を増やすか、溝３を深くして各溝３の心線収容数を増
やす必要があるが、スペーサ２に必要な強度を維持なが
らそのようにするには、スペーサ２の外径が必然的に大
きくなって、その結果、ケーブル外径の増大を招いてい
た。

【０００７】それに対して、第２従来例においては、同
一外径のスペーサ２に、より多くの光ファイバを収納す
ることができる。すなわち、同じ本数の光ファイバを収
納させる場合は、ケーブル外径を小さくすることができ
る。例えば、図４（イ）に示すケーブルと図４（ロ）に
示すケーブルは、共に２００心ケーブルであるが、ケー
ブル外径が図４（イ）のものは１６．５ｍｍであるのに
対して、図４（ロ）のものは１４．５ｍｍと小さくな
る。しかしながら、第２従来例では、テープ心線を８心
にしているためテープ心線の幅が広くなりすぎて、ケー
ブルに過度の曲げが加わった時、テープ心線の両側端の
光ファイバに過大な歪みが加わって、伝送特性が劣化す
るという問題点があった。

【０００８】本発明は、そのような問題点を解決し、ケ
ーブル外径を小さく抑えながら、ケーブルの光ファイバ
数を多くすることができ、しかも光ファイバの伝送特性
が劣化しないようにすることを課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のスペーサ型光ファイバケーブルでは、複数
本の光ファイバからなるテープ心線を２列以上並列に積
層してスペーサの溝内に収納することとした。また、テ
ープ心線の各列の間に仕切板を配置することとした。さ
らに、前記仕切板は、スペーサの溝毎に異なる色に着色
することとした。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。

【００１１】（第１実施形態）図１は、本発明の第１実
施形態を示す図である。符号は、図４のものに対応して
いる。この実施形態では、スペーサ２に形成した５つの
溝３に、それぞれ、４心テープ心線４を５枚ずつ２列に
収納して２００心構造としている。それら４心テープ心
線４の寸法は、幅１．１ｍｍ×厚さ０．４ｍｍであり、
ケーブル外径は１４．５ｍｍである。

【００１２】このようにすれば、スペーサ２に形成する
溝３の数は増やす必要がなく、その深さも深くする必要
はないので、スペーサ２のサイズを特段大きくする必要
はないため、ケーブル外径を小さく抑えることができ
る。また、ケーブルに過度の曲げが加わっても、テープ
心線は４心で幅が狭いため、その両側端の光ファイバに
も過大な歪みが加わることもなく、良好な伝送特性を保
つことができる。

【００１３】（第２実施形態）図２は、本発明の第２実
施形態を示す図である。符号は、図１のものに対応し、
７は仕切板である。この実施形態では、２列の４心テー
プ心線４の積層体の間に仕切板７を設けている。仕切板
７には、ポリエステル，ポリエチレン，ポリエチレン・
テレフタレート等のプラスチックフィルム等を用いるこ
とができる。

【００１４】この仕切板７を設けることにより、光ファ
イバケーブルに曲げが加わっても溝３内の４心テープ心
線４の配列を維持する効果が高くなる。また、この仕切
板７を、各溝３毎に異なる色に着色すれば、各溝３の識
別が可能になる。

【００１５】（第３実施形態）図３は、本発明の第３実
施形態を示す図である。符号は、図１のものに対応し、
８は小幅溝である。この実施形態では、幅広の溝３と小
幅溝８というように、１つのスペーサ２に大きさの異な
る溝を設けて、溝３には４心テープ心線４の積層体を２
列配列し、小幅溝８には１列配列するというように、サ
イズの異なる溝に異なる数の４心テープ心線４を収納す
る。そのようにすることで、光ファイバケーブルに収納
する光ファイバの数を任意の数に調整することができ
る。

【００１６】なお、上記実施形態では、積層した４心テ
ープ心線４を各溝３に２列収納したが、テープ心線は４
心に限定されず、両側端の光ファイバに過大な歪が加わ
らない幅になる範囲で任意の心数を選択することができ
る。また、溝３に収納するテープ心線の列数も２列に限
定されず、３列以上にしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明のスペーサ型光
ファイバケーブルによれば、テープ心線を２列以上並列
に積層してスペーサの溝内に収納するようにしたので、
ケーブル外径を小さく抑えながら、心線数を多くするこ
とができ、しかも光ファイバの伝送特性を良好な状態に
維持することができる。

【００１８】また、テープ心線の各列の間に仕切板を配
置すれば、光ファイバケーブルに曲げが加わっても溝内
のテープ心線の配列を維持する効果が高くなる。また、
その仕切板を、各溝毎に異なる色に着色すれば、各溝の
識別が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施形態を示す図

【図２】 本発明の第２実施形態を示す図

【図３】 本発明の第３実施形態を示す図

【図４】 従来のスペーサ型光ファイバケーブルを示す
図

【符号の説明】

１ テンションメンバ ２ スペーサ ３ 溝 ４ ４心テープ心線 ５ 押え巻 ６ シース ７ 仕切板 ８ 小幅溝 ９ ８心テープ心線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 作山 裕樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 長納 竜一郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本の光ファイバからなるテープ心線
   (4) を２列以上並列に積層してスペーサ(2) の溝(3) 内
   に収納したことを特徴とするスペーサ型光ファイバケー
   ブル。
2. 【請求項２】 テープ心線(4) の各列の間に仕切板(7)
   を配置したことを特徴とする請求項１記載のスペーサ型
   光ファイバケーブル。
3. 【請求項３】 前記仕切板(7) は、スペーサ(2) の溝
   (3) 毎に異なる色に着色したことを特徴とする請求項２
   記載のスペーサ型光ファイバケーブル。