JPH10123320A - 位相差板及びその製造方法 - Google Patents

位相差板及びその製造方法

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JPH10123320A
JPH10123320A JP8273452A JP27345296A JPH10123320A JP H10123320 A JPH10123320 A JP H10123320A JP 8273452 A JP8273452 A JP 8273452A JP 27345296 A JP27345296 A JP 27345296A JP H10123320 A JPH10123320 A JP H10123320A
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JP
Japan
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plasticizer
retardation
film
stretching
thermoplastic resin
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JP8273452A
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English (en)
Inventor
Kiyomi Kaminomachi
清巳 上ノ町
Hitoshi Kobayashi
仁 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 略全域にわたりレターデーション値の均一性
が保たれており、表示領域の略全域において均一かつ高
品位な表示を可能とする位相差板を得る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部に、沸点が押
出温度−50℃〜押出温度+100℃の範囲にある可塑
剤1〜10重量部を配合してなる配合物を溶融押出して
成膜し、延伸することにより得られ、厚み方向中央部に
比べてガラス転移点Tgが相対的に高い表面層がほぼ均
一な厚みに形成されている位相差板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムを用いて構成された位相差板及びその製造方法に関
し、より詳しくは、例えば液晶表示装置において位相差
を補償するのに好適な位相差板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、TN(ツイステッドネマティッ
ク)液晶表示装置やSTN(スーパーツイステッドネマ
ティック)液晶表示装置などが、種々のOA機器や表示
装置において広く用いられている。
【0003】液晶表示装置では、液晶で生じる位相差に
より、表示画像が青色または黄色に着色し、完全な白黒
表示を行い難いという致命的な問題があった。そこで、
液晶表示セルの表面に、熱可塑性樹脂フィルムよりなる
位相差板を貼り合わせ、位相差を補償することにより、
上記着色の問題を解消することが試みられている。すな
わち、延伸された熱可塑性樹脂フィルムの複屈折性を利
用することにより、液晶で生じた位相差を解消すること
が試みられている。
【0004】上記のような熱可塑性樹脂フィルムを延伸
してなる位相差板としては、従来、種々の材料からなる
ものが提案されている。例えば、セルロース系樹脂を用
いたもの(特開昭63−167363号公報)、塩化ビ
ニル系樹脂を用いたもの(特公昭45−34477号公
報、特開昭56−125702号公報)、ポリカーボネ
ート系樹脂を用いたもの(特公昭41−12190号公
報、特開昭56−130703号公報)、アクリロニト
リル系樹脂を用いたもの(特開昭56−130702号
公報)、スチレン系樹脂を用いたもの(特開昭56−1
25703号公報)、オレフィン系樹脂を用いたもの
(特開昭60−24502号公報)などが提案されてい
る。従来、上記のような熱可塑性樹脂フィルムを一軸延
伸することにより位相差板が構成されていた。この場
合、延伸方法としては、縦一軸延伸する方法(特開平2
−191904号公報)、あるいは横一軸延伸する方法
(特開平2−42406号公報)などが知られている。
【0005】上記位相差板の位相差補償性能は、いわゆ
るレターデーション値で表される。レターデーション値
は、樹脂フィルムの屈折率の異方性(すなわち、複屈折
性)をΔn、樹脂フィルムの肉厚をdとしたときに、Δ
n×dで表される。
【0006】他方、液晶表示装置では、表示部分の全面
にわたり色むらやコントラストむらが生じ難いことが強
く求められている。このような均一な表示を可能とする
液晶表示装置を提供するには、位相差板において、上記
レターデーション値が全面にわたり均一であることが要
求される。
【0007】そこで、レターデーション値が均一な位相
差板の製造方法として、流延製膜法によって製膜された
フィルムの溶媒含有量を固形分比で2〜10重量%とし
て延伸する方法が提案されている(特開平4−2045
03号公報)。
【0008】また、ポリカーボネートの塩化メチレン溶
液を流延製膜し、得られたフィルムの溶媒含有量を固形
分比で3〜10重量%の範囲にあるときに、155℃以
上、175℃以下の雰囲気でフィルムの進行方向に延伸
することによりレターデーション値の均一化を図った位
相差膜の製造方法が提案されている(特開平5−113
506号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載の位相差板の製造方法を用いたとして
も、レターデーション値を十分に均一化することができ
なかった。これは、溶液流延法によって、例えば、ポリ
カーボネート樹脂フィルムを成膜した場合、乾燥工程に
おける温度分布や延伸工程における温度分布により、流
延用樹脂溶液に用いた溶媒の揮散する量がばらつくた
め、フィルム中の溶媒含有量がフィルム面方向において
均一となり難いことによるものと考えられる。従って、
フィルムのガラス転移点Tgが領域によって不均一とな
り、溶媒含有量の多い部分では、レターデーション値が
低くなり、少ない部分ではレターデーション値が高くな
りがちであった。
【0010】また、上記乾燥工程や延伸工程では、フィ
ルムの長さ方向における溶媒含有量のばらつきを低減す
ることも困難であり、長さ方向においてもレターデーシ
ョン値がばらつき易かった。加えて、溶液流延により原
反を成膜する工程と、延伸工程とを分離して実施する場
合には、原反を保管している間に溶媒含有量が変化する
ので、延伸工程後にレターデーション値を一定に保つこ
とが困難であった。
【0011】本発明の目的は、上述した先行技術の問題
点に鑑み、レターデーション値がほぼ均一化されてお
り、従って、表示領域の略全域において均一かつ高品位
な表示を可能とする、熱可塑性樹脂フィルムよりなる位
相差板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明にかかる位相差板は、厚み方向中央部に比べてガラス
転移点Tgが相対的に高い表面層が略均一な厚みとなる
ように形成されている熱可塑性樹脂フィルムよりなるこ
とを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、上記位相
差板の製造方法であって、熱可塑性樹脂100重量部
と、押出温度をT℃としたときに、沸点がT−50℃〜
T+100℃の範囲にある可塑剤1〜10重量部とを含
む配合物を用い、溶融押出し法により成膜した後、延伸
することを特徴とする。
【0014】以下、本発明の詳細を説明する。請求項2
に記載の発明にかかる位相差板の製造方法により得られ
る位相差板においては、レターデーション値を面方向に
おいてほぼ均一とすることができる。この理由は、以下
のように考えられる。
【0015】すなわち、請求項2に記載の発明では、熱
可塑性樹脂100重量部に対し、上記特定の温度範囲の
沸点を有する可塑剤が1〜10重量部配合されているた
め、溶融押出し法により成膜するに際し、可塑剤の一部
が揮発し、表面に可塑剤の濃度の低い層が形成される。
この可塑剤濃度の低い層は、厚み方向中央部に比べてガ
ラス転移点(Tg)が高く、かつその厚みが均一であ
る。
【0016】このようにして成膜された熱可塑性樹脂フ
ィルムを延伸すると、延伸後のレターデーション値は、
Tgの高い表面層のレターデーション値に大きく左右さ
れる。従って、延伸後に熱可塑性樹脂フィルムが厚みむ
らを有する場合であっても、可塑剤濃度が低く、ガラス
転移点が相対的に高い上記表面層が均一な厚みで形成さ
れているので、延伸後のレターデーション値はほぼ均一
となる。
【0017】また、請求項1に記載の発明にかかる位相
差板では、上記のようにガラス転移点Tgが相対的に高
い表面層がほぼ均一な厚みとなるように形成されてお
り、この場合レターデーション値はTgが高い表面層の
レターデーション値に大きく依存するため、レターデー
ション値がほぼ均一とされている。
【0018】請求項1,2に記載の発明において用いら
れる熱可塑性樹脂としては、延伸により複屈折性をを示
す適宜の熱可塑性樹脂である限り特に限定されるもので
はなく、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹
脂、ポリエーテルサルホン系樹脂などを例示することが
できる。
【0019】また、上記可塑剤としては、使用する熱可
塑性樹脂との相溶性が高く、押出温度をT℃としたとき
に、沸点がT−50℃〜T+100℃の範囲にある任意
の低分子量化合物を用いることができる。用い得る可塑
剤の例としては、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪族二
塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可
塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可
塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可
塑剤、グリコール系可塑剤などを挙げることができる。
【0020】請求項2に記載の発明にかかる位相差板の
製造方法では、成膜は溶融押出し法により行われるが、
具体的な方法及び成膜装置については特に限定されず、
例えば、Tダイを用いた方法を挙げることができる。ま
た、押出機は一軸または二軸の何れであってもよい。ま
た、熱可塑性樹脂と可塑剤との混合は、タンブラーなど
の混合機で熱可塑性樹脂ペレットと可塑剤とを混合し、
押出機のホッパーに投入することにより行ってもよく、
あるいは、熱可塑性樹脂のみをホッパーに投入し、可塑
剤は押出機のベント部から注入し、押出機内で混合する
方法により行ってもよい。すなわち、熱可塑性樹脂と可
塑剤との混合は、押出し前に任意の方法で行ない得る。
【0021】押出温度Tは、熱可塑性樹脂の種類及び可
塑剤の配合割合により決定されるが、さらに、可塑剤の
沸点がT−50℃〜T+100℃であるような可塑剤を
選択する。可塑剤の沸点がT−50℃よりも低い場合に
は、溶融押出しにより成膜した際に、可塑剤の揮発量が
多くなりすぎ、フィルムが発泡し、不透明なフィルムと
なる。逆に、可塑剤の沸点がT+100℃を超えると、
押出成形に際し可塑剤がほとんど揮発せず、上記のよう
な可塑剤濃度が低い表面層が確実に形成されなくなり、
レターデーション値の均一化を果たすことができなくな
る。
【0022】また、可塑剤は、熱可塑性樹脂100重量
部に対し1〜10重量部の割合で配合される。可塑剤の
配合割合が1重量部未満の場合には、可塑剤の揮発量が
少なくなり、上記のように可塑剤濃度が相対的に低い表
面層を確実に形成することができず、レターデーション
値の均一化を果たすことができない。逆に、可塑剤の配
合割合が10重量部を超えると、フィルムが軟化し、耐
熱性が不足する。また、可塑剤の揮発量が多くなると、
表面層の可塑剤濃度がばらつき易くなり、均一な表面層
を形成するのが困難になる。
【0023】溶融押出しにより成膜された熱可塑性樹脂
フィルムは、例えばTダイを用いて押出成形した場合、
Tダイから吐出されたフィルムは、金属ロール、ゴムロ
ールあるいは金属ベルトなどを用いて片面もしくは両面
を冷却しつつ引き取られる。
【0024】このようにして得られた熱可塑性樹脂フィ
ルムを、延伸することにより、請求項1に記載の発明に
かかる位相差板を得ることができる。延伸方法について
は特に限定されず、一軸延伸あるいは二軸延伸の何れで
あってもよく、より具体的には、ロールにより縦一軸延
伸、テンターによる横一軸延伸、これらを組み合わせた
二軸延伸、複数枚の熱可塑性樹脂フィルムの周縁部を把
持し一軸または二軸に延伸する方法など従来より公知の
適宜の延伸方法を用いることができる。
【0025】延伸温度は、未延伸原反のガラス転移点を
Tg0 としたとき、Tg0 −5℃〜Tg0 +30℃の範
囲内とすることが好ましい。延伸温度がTg0 −5℃よ
り低い場合には、熱可塑性樹脂フィルムが十分な柔軟性
を有さないため、延伸時に破断することがあり、延伸温
度がTg0 +30℃を超えると、変形に伴う延伸応力の
増加が小さくなり、一旦伸ばされ始めた部分だけが優先
的に延伸され、延伸むらが生じ易くなり、レターデーシ
ョン値の均一化を果たし得ることがある。
【0026】なお、請求項2に記載の発明にかかる製造
方法においては、熱可塑性樹脂100重量部に対し、上
記特定の割合で可塑剤を含有させているが、可塑剤以外
に、本発明の目的を阻害しない範囲で滑剤、酸化防止剤
などの他の添加剤が添加されていてもよい。
【0027】また、請求項1に記載の発明にかかる位相
差板は、上記請求項2に記載の発明にかかる位相差板の
製造方法により得ることができるが、他の方法で製造さ
れてもよいことを指摘しておく。すなわち、ガラス転移
点が相対的に高い表面層が略均一な厚みに形成されてい
る熱可塑性樹脂フィルムであれば、上記のように面方向
においてレターデーション値をほぼ均一とすることがで
き、それによって上記課題を達成し得るため、このよう
な位相差板の製造方法自体については、請求項2に記載
の発明の方法に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0029】実施例1 ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成社製、商品
名:パンライト K−1285)100重量部と、可塑
剤としてフタル酸ジエチル(沸点=296℃)3重量部
とをタンブラーで混合し、一軸押出機を用いて押出温度
280℃でTダイから溶融押出し、表面温度130℃の
金属ロールとゴムロールとでニップして冷却し、平均厚
さ75μmのポリカーボネートフィルム未延伸原反を得
た。
【0030】上記未延伸原反をロール延伸機を用い、延
伸温度150℃、延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、平
均厚さ68μmの延伸フィルムを得た。得られた延伸フ
ィルムの中央部から幅500mm×長さ1000mmの
位相差板サンプルを切り出した。得られた位相差板サン
プルの590nmにおけるレターデーション値を、幅方
向及び長さ方向の何れにおいても1cm間隔で測定した
ところ、全測定値の平均値は565nm、1cm離れた
2点間のレターデーション値の差の最大値は1.1nm
(すなわち、平均値の0.19%)であった。
【0031】実施例2 ポリサルホン樹脂(テイジンアモコエンジニアリングプ
ラスチックス社製、商品名:ユーデル P−1700)
を二軸押出機に投入し、該ポリサルホン樹脂100重量
部に対しフタル酸ジブチル(沸点=339℃)2重量部
をこの押出機のベント部より添加し、混練し、押出温度
350℃でTダイから溶融押出し、表面温度150℃の
金属ロールとゴムロールとでニップして冷却し、平均厚
さ80μmのポリサルホンフィルム未延伸原反を得た。
【0032】上記未延伸原反をロール延伸機を用い、延
伸温度180℃、延伸倍率1.35倍で縦一軸延伸し、
平均厚さ65μmの延伸フィルム得た。得られた延伸フ
ィルムの中央部から幅500mm×長さ1000mmの
位相差板サンプルを切り出した。得られた位相差板サン
プルの590nmにおけるレターデーション値を、幅方
向及び長さ方向共1cm間隔で測定したところ、全測定
値の平均値は553nm、1cm離れた2点間のレター
デーション値の差の最大値は1.0nm(平均値の0.
18%)であった。
【0033】比較例1 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、商品名:パンラ
イト K−1285)を塩化メチレンに溶解し20重量
%塩化メチレン溶液とした。この溶液を、クロムメッキ
されたスチールベルト状にキャストし、熱風炉で130
℃まで乾燥した溶剤を除去した後、スチールベルトから
平均厚さ75μmのポリカーボネート未延伸原反を得
た。
【0034】得られた未延伸原反を、ロール延伸機を用
い、延伸温度155℃、延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸
し、平均厚さ68μmの延伸フィルムを得た。得られた
延伸フィルムの中央部から、実施例1と同様にして位相
差板サンプルを切り出し、実施例1と同様にしてレター
デーション値の平均値及び1cm離れた2点間のレター
デーション値の差の最大値を測定した。その結果、レタ
ーデーション値の全測定値の平均値は563nmであ
り、1cm離れた2点間のレターデーション値の差の最
大値は2.3nm(平均値の0.41%)であった。
【0035】比較例2 可塑剤を用いなかったことを除いては、実施例1と同様
にして、平均厚さ75μmのポリカーボネート樹脂フィ
ルム未延伸原反を得た。この未延伸原反を、延伸温度1
55℃、延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、平均厚さ6
7μmの延伸ポリカーボネート樹脂フィルムを得た。
【0036】得られたポリカーボネート樹脂フィルムか
ら実施例1と同様にして位相差板サンプルを切り出し
た。また、得られた位相差板サンプルの590nmにお
けるレターデーション値の平均値と、1cm離れた2点
間のレターデーション値の差の最大値を実施例1と同様
にして測定した。その結果、レターデーション値の平均
値は571nmであり、1cm離れた2点間のレターデ
ーション値の差の最大値は2.9nm(平均値の0.5
1%)であった。
【0037】比較例3 可塑剤の配合量を0.5重量部としたことを除いては、
実施例1と同様にして、平均厚さ75μmのポリカーボ
ネート樹脂フィルム未延伸原反を得た。この未延伸原反
を、延伸温度155℃、延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸
し、平均厚さ67μmの延伸ポリカーボネート樹脂フィ
ルムを得た。
【0038】得られたポリカーボネート樹脂フィルムか
ら実施例1と同様にして位相差板サンプルを切り出し
た。また、得られた位相差板サンプルの590nmにお
けるレターデーション値の平均値と、1cm離れた2点
間のレターデーション値の差の最大値を実施例1と同様
にして測定した。その結果、レターデーション値の平均
値は566nmであり、1cm離れた2点間のレターデ
ーション値の差の最大値は2.5nm(平均値の0.4
4%)であった。
【0039】比較例4 可塑剤の配合量を15重量部としたことを除いては、実
施例1と同様にして、平均厚さ75μmのポリカーボネ
ート樹脂フィルム未延伸原反を得た。この未延伸原反
を、延伸温度140℃、延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸
し、平均厚さ68μmの延伸ポリカーボネート樹脂フィ
ルムを得た。
【0040】得られたポリカーボネート樹脂フィルムか
ら実施例1と同様にして位相差板サンプルを切り出し
た。また、得られた位相差板サンプルの590nmにお
けるレターデーション値の平均値と、1cm離れた2点
間のレターデーション値の差の最大値を実施例1と同様
にして測定した。その結果、レターデーション値の平均
値は550nmであり、1cm離れた2点間のレターデ
ーション値の差の最大値は2.1nm(平均値の0.3
8%)であった。
【0041】比較例5 可塑剤としてフタル酸ジエチルの代わりにフタル酸ジイ
ソデシル(沸点420℃)を3重量部配合したことを除
いては、実施例1と同様にして、平均厚さ75μmのポ
リカーボネート樹脂フィルム未延伸原反を得た。この未
延伸原反を、延伸温度150℃、延伸倍率1.3倍で縦
一軸延伸し、平均厚さ68μmの延伸ポリカーボネート
樹脂フィルムを得た。
【0042】得られたポリカーボネート樹脂フィルムか
ら実施例1と同様にして位相差板サンプルを切り出し
た。また、得られた位相差板サンプルの590nmにお
けるレターデーション値の平均値と、1cm離れた2点
間のレターデーション値の差の最大値を実施例1と同様
にして測定した。その結果、レターデーション値の平均
値は543nmであり、1cm離れた2点間のレターデ
ーション値の差の最大値は2.4nm(平均値の0.4
4%)であった。
【0043】比較例6 可塑剤としてフタル酸ジエチルの代わりにキシレン(沸
点140℃)を3重量部配合したことを除いては、実施
例1と同様にして、平均厚さ75μmのポリカーボネー
ト樹脂フィルム未延伸原反を得た。このフィルムは、可
塑剤の発泡により白化し、光学フィルムとしては使用で
きないものであった。
【0044】実施例1,2及び比較例1〜6の結果を下
記の表1にまとめて示す。
【0045】
【表1】
【0046】比較例1では、溶液流延法により得たポリ
カーボネート樹脂フィルムを、延伸して位相差板サンプ
ルを作製したが、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差の最大値が平均値の0.41%と大きかった。
【0047】また、比較例2では溶融押出し法により成
膜したポリカーボネート樹脂フィルムを延伸したが、可
塑剤を用いていないためか、1cm離れた2点間のレタ
ーデーション値の差の最大値が平均値の0.51%と高
かった。
【0048】比較例3では、可塑剤の配合割合が0.5
重量部と少なかったためか、1cm離れた2点間のレタ
ーデーション値の差の最大値は平均値の0.44%と高
かった。
【0049】また、比較例4では、可塑剤の配合割合が
15重量部と多すぎたためか、1cm離れた2点間のレ
ターデーション値の最大値が平均値の0.38%と高か
った。
【0050】他方、比較例5,6では、それぞれ、押出
温度280℃に対し、沸点が420℃及び140℃の可
塑剤を用いたためか、比較例5では、1cm離れた2点
間のレターデーション値の差の最大値が平均値の0.4
4%と高く、比較例6では、上記のように白化により光
学フィルムとして使用できないものとなり、評価できな
かった。
【0051】これに対して、実施例1,2では、本発明
に従って上記特定の温度範囲の可塑剤を用いているた
め、1cm離れた2点間のレターデーション値の差の最
大値が平均値の0.19%及び0.18%と小さく、従
って、レターデーション値の均一性に優れていることが
わかる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の発明にかかる位相差板
では、厚み方向中央に比べて相対的にガラス転移点Tg
が高い表面層が均一な厚みに形成されており、この場合
位相差板のレターデーション値は表面層のレターデーシ
ョン値に大きく依存するため、レターデーション値が略
全域にわたり均一である位相差板を提供することが可能
となる。従って、例えば、液晶表示装置に本発明にかか
る位相差板を用いた場合色むらやコントラストむらを低
減することができる。
【0053】すなわち、請求項1に記載の発明にかかる
位相差板を、例えば、液晶表示装置などに用いることに
より、表示画面の周辺部の着色度合いを効果的に低減で
き、表示画面の略全域にわたり均一かつ優れた画質の表
示を実現することが可能となる。
【0054】また、請求項2に記載の発明にかかる位相
差板の製造方法では、熱可塑性樹脂100重量部に対
し、沸点が押出温度−50℃〜押出温度+100℃の範
囲にある可塑剤1〜10重量部を配合して溶融押出しに
より成膜し、しかる後、延伸して位相差板を得ているた
め、請求項1に記載の発明にかかる位相差板を確実に得
ることができ、従って、請求項2に記載の発明によりレ
ターデーション値が略全域にわたり均一な位相差板を確
実に提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 11:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向中央部に比べてガラス転移点T
    gが相対的に高い表面層が略均一な厚みとなるように形
    成されている熱可塑性樹脂フィルムよりなることを特徴
    とする位相差板。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂100重量部と、押出温度
    をT℃としたときに、沸点がT−50℃〜T+100℃
    の範囲にある可塑剤1〜10重量部とを含む配合物を用
    い、溶融押出し法により成膜した後、延伸することを特
    徴とする位相差板の製造方法。
JP8273452A 1996-10-16 1996-10-16 位相差板及びその製造方法 Withdrawn JPH10123320A (ja)

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JP8273452A JPH10123320A (ja) 1996-10-16 1996-10-16 位相差板及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11337731A (ja) * 1998-05-26 1999-12-10 Sekisui Chem Co Ltd 位相差板の製造方法及び位相差板製造装置
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