JP2723400B2 - 位相差補償板とその製造方法 - Google Patents
位相差補償板とその製造方法Info
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- JP2723400B2 JP2723400B2 JP3267513A JP26751391A JP2723400B2 JP 2723400 B2 JP2723400 B2 JP 2723400B2 JP 3267513 A JP3267513 A JP 3267513A JP 26751391 A JP26751391 A JP 26751391A JP 2723400 B2 JP2723400 B2 JP 2723400B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ＳＴＮ（Supper Twist
ed Nematic）液晶を使用した液晶表示装置に適用されＳ
ＴＮ液晶の複屈折による位相差を補償して表示を良好に
する位相差補償板に係り、特に、局所的なムラのない均
一な補償性能を有する位相差補償板とその製造方法に関
するものである。
ed Nematic）液晶を使用した液晶表示装置に適用されＳ
ＴＮ液晶の複屈折による位相差を補償して表示を良好に
する位相差補償板に係り、特に、局所的なムラのない均
一な補償性能を有する位相差補償板とその製造方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、表示容量の増大化並びに画面の大
型化に対応して高コントラストの表示が可能なＳＴＮ液
晶を使用した液晶表示装置が、パーソナルコンピュータ
やワードプロセッサの表示装置として着目されている。
型化に対応して高コントラストの表示が可能なＳＴＮ液
晶を使用した液晶表示装置が、パーソナルコンピュータ
やワードプロセッサの表示装置として着目されている。
【０００３】このＳＴＮ液晶を使用した液晶表示装置
は、信号に応じて駆動される液晶表示セルの両側に偏光
板を配置して構成されるものであるが、ＳＴＮ液晶の複
屈折性に起因して液晶表示セルを透過した光は楕円偏光
となり、その表示色が主として青色や黄色に着色してし
まう欠点があった。このため、ＳＴＮ液晶の複屈折によ
る位相差を補償し、楕円偏光を直線偏光に戻すことによ
り表示色を白黒表示にする方法が検討されている。
は、信号に応じて駆動される液晶表示セルの両側に偏光
板を配置して構成されるものであるが、ＳＴＮ液晶の複
屈折性に起因して液晶表示セルを透過した光は楕円偏光
となり、その表示色が主として青色や黄色に着色してし
まう欠点があった。このため、ＳＴＮ液晶の複屈折によ
る位相差を補償し、楕円偏光を直線偏光に戻すことによ
り表示色を白黒表示にする方法が検討されている。
【０００４】位相差を補償する手段としては、液晶表示
セルと同じ構成で位相のみを逆位相とした補償液晶セル
を用いるＤ−ＳＴＮ方式と、複屈折性フィルムを用いる
ＦＴＮ方式等が知られている。このうちＦＴＮ方式はＤ
−ＳＴＮ方式に較べてその軽量化、薄型化が図れ、か
つ、コストメリットの点も含めて優れているため盛んに
開発がなされている。
セルと同じ構成で位相のみを逆位相とした補償液晶セル
を用いるＤ−ＳＴＮ方式と、複屈折性フィルムを用いる
ＦＴＮ方式等が知られている。このうちＦＴＮ方式はＤ
−ＳＴＮ方式に較べてその軽量化、薄型化が図れ、か
つ、コストメリットの点も含めて優れているため盛んに
開発がなされている。
【０００５】ところで、上記ＦＴＮ方式により液晶表示
装置の表示色を白黒にするには、位相差補償板として用
いられる複屈折性フィルムが可視光の全ての波長におい
て液晶表示セルの発生する位相差を補償し得る性能、つ
まりこの複屈折性フィルムの位相差が液晶表示セルと同
様の波長依存性を有することが必要である。
装置の表示色を白黒にするには、位相差補償板として用
いられる複屈折性フィルムが可視光の全ての波長におい
て液晶表示セルの発生する位相差を補償し得る性能、つ
まりこの複屈折性フィルムの位相差が液晶表示セルと同
様の波長依存性を有することが必要である。
【０００６】このような位相差補償板としては、従来、
ポリカーボネートフィルムやポリビニルアルコールフィ
ルムを一軸方向へ延伸しその分子を配向させて上記位相
差の補償性を出したものが使用されているが、このいず
れも上記波長依存性が不十分であった。このため、より
高度な位相差補償を行う場合には特開平２−１２０８０
４号公報に記載されているように複数の位相差補償板を
積層する方法が採られている。しかし、このような方法
を採った場合、一軸延伸フィルムの延伸軸を所望の角度
に正確に積層することは困難で歩留まりが低くなる問題
があり、また複数の一軸延伸フィルムを使用するためコ
ストアップにつながる問題があった。
ポリカーボネートフィルムやポリビニルアルコールフィ
ルムを一軸方向へ延伸しその分子を配向させて上記位相
差の補償性を出したものが使用されているが、このいず
れも上記波長依存性が不十分であった。このため、より
高度な位相差補償を行う場合には特開平２−１２０８０
４号公報に記載されているように複数の位相差補償板を
積層する方法が採られている。しかし、このような方法
を採った場合、一軸延伸フィルムの延伸軸を所望の角度
に正確に積層することは困難で歩留まりが低くなる問題
があり、また複数の一軸延伸フィルムを使用するためコ
ストアップにつながる問題があった。
【０００７】この様な技術的背景の下、特開平２−４２
４０６号公報においては単一の補償板でもって上記波長
依存性良好な位相差補償板を構成する手段が開示されて
いる。すなわち、この波長依存性良好な位相差補償板は
ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等を一
軸方向へ延伸して求められるフィルム又はシートから成
るものであった。
４０６号公報においては単一の補償板でもって上記波長
依存性良好な位相差補償板を構成する手段が開示されて
いる。すなわち、この波長依存性良好な位相差補償板は
ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等を一
軸方向へ延伸して求められるフィルム又はシートから成
るものであった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂の内ポリサルフォン系樹脂は特に熱変形温度が高く、
延伸加工によって付与される残留応力が延伸温度や歪の
与え方によって鋭敏に変化するため、製造条件のわずか
なばらつきにより残留応力の局所的なムラが発生し易
く、液晶表示装置に必要な面積で均一な位相差補償性能
を有する位相差補償板を得ることは困難な問題点があっ
た。
脂の内ポリサルフォン系樹脂は特に熱変形温度が高く、
延伸加工によって付与される残留応力が延伸温度や歪の
与え方によって鋭敏に変化するため、製造条件のわずか
なばらつきにより残留応力の局所的なムラが発生し易
く、液晶表示装置に必要な面積で均一な位相差補償性能
を有する位相差補償板を得ることは困難な問題点があっ
た。
【０００９】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、波長依存性の良
好なポリサルフォン系樹脂を用いた位相差補償板であっ
て、その延伸特性を改善して残留応力の局所的なムラを
取除き、均一な位相差補償性能を有する位相差補償板と
この位相差補償板を歩留まりよく製造できる方法を提供
することにある。
れたもので、その課題とするところは、波長依存性の良
好なポリサルフォン系樹脂を用いた位相差補償板であっ
て、その延伸特性を改善して残留応力の局所的なムラを
取除き、均一な位相差補償性能を有する位相差補償板と
この位相差補償板を歩留まりよく製造できる方法を提供
することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項１に係
る発明は、ポリサルフォン系樹脂１００重量部に対し少
なくとも１種類以上の可塑剤を１〜１５重量部配合して
成るフィルム又はシートを一軸方向へ延伸して形成され
ていることを特徴とする位相差補償板である。
る発明は、ポリサルフォン系樹脂１００重量部に対し少
なくとも１種類以上の可塑剤を１〜１５重量部配合して
成るフィルム又はシートを一軸方向へ延伸して形成され
ていることを特徴とする位相差補償板である。
【００１１】この様な技術的手段において、上記ポリサ
ルフォン系樹脂とは分子内にスルフォン基を有するポリ
マーであり、例えば、４−フェノキシスルフォニルクロ
リド等のスルフォニルクロリド化合物の重縮合によって
得られるポリアリルサルフォン；４，４’−ジクロロジ
フェニルサルフォン等のジハロゲンジフェニルサルフォ
ンとビスフェノールＡ等ジオールのナトリウム塩の重縮
合で得られるポリサルフォン；４，４’−ジクロロジフ
ェニルサルフォン等のジハロゲンジフェニルサルフォン
とジフェニルエーテルの重縮合で得られるポリエーテル
サルフォン等が適用できる。
ルフォン系樹脂とは分子内にスルフォン基を有するポリ
マーであり、例えば、４−フェノキシスルフォニルクロ
リド等のスルフォニルクロリド化合物の重縮合によって
得られるポリアリルサルフォン；４，４’−ジクロロジ
フェニルサルフォン等のジハロゲンジフェニルサルフォ
ンとビスフェノールＡ等ジオールのナトリウム塩の重縮
合で得られるポリサルフォン；４，４’−ジクロロジフ
ェニルサルフォン等のジハロゲンジフェニルサルフォン
とジフェニルエーテルの重縮合で得られるポリエーテル
サルフォン等が適用できる。
【００１２】一方、上記ポリサルフォン系樹脂に配合さ
れる可塑剤は、ポリサルフォン系樹脂との相溶性が良く
相分離やブリードアウトを生じないものであり、かつ、
着色の生じないものであれば良く、この配合によりフィ
ルム又はシートの熱変形温度を低下させて延伸特性を改
善し延伸加工による残留応力の局所的なムラを解消させ
るものである。このような可塑剤としては、例えば、フ
タル酸系可塑剤、りん酸系可塑剤、アジピン酸可塑剤、
クエン酸系可塑剤、グリコール酸系可塑剤等が適用で
き、具体的にはフタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブ
チルベンジル、りん酸トリクレジル、メチルフタリル・
エチルグリコレート等が好適である。また２種類以上の
これらの可塑剤を混合して適用してもよい。
れる可塑剤は、ポリサルフォン系樹脂との相溶性が良く
相分離やブリードアウトを生じないものであり、かつ、
着色の生じないものであれば良く、この配合によりフィ
ルム又はシートの熱変形温度を低下させて延伸特性を改
善し延伸加工による残留応力の局所的なムラを解消させ
るものである。このような可塑剤としては、例えば、フ
タル酸系可塑剤、りん酸系可塑剤、アジピン酸可塑剤、
クエン酸系可塑剤、グリコール酸系可塑剤等が適用で
き、具体的にはフタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブ
チルベンジル、りん酸トリクレジル、メチルフタリル・
エチルグリコレート等が好適である。また２種類以上の
これらの可塑剤を混合して適用してもよい。
【００１３】そして、上記ポリサルフォン系樹脂１００
重量部に対し少なくとも１種類以上の上記可塑剤を１〜
１５重量部の範囲で配合して成るフィルム又はシートを
作製し、これを一軸方向へ延伸することにより請求項１
に係る位相差補償板を実現することが可能である。
重量部に対し少なくとも１種類以上の上記可塑剤を１〜
１５重量部の範囲で配合して成るフィルム又はシートを
作製し、これを一軸方向へ延伸することにより請求項１
に係る位相差補償板を実現することが可能である。
【００１４】尚、可塑剤の配合量が１重量部以下では位
相差補償板を得るのに必要な延伸特性の改善効果が得ら
れず、また、１５重量部以上では実際に使用される際の
高温環境下において内部応力の緩和が生じて位相差補償
性能が低下してしまうため、その配合割合は上述したよ
うに１〜１５重量部の範囲、好ましくは２重量部から１
０重量部の範囲に設定される。
相差補償板を得るのに必要な延伸特性の改善効果が得ら
れず、また、１５重量部以上では実際に使用される際の
高温環境下において内部応力の緩和が生じて位相差補償
性能が低下してしまうため、その配合割合は上述したよ
うに１〜１５重量部の範囲、好ましくは２重量部から１
０重量部の範囲に設定される。
【００１５】次に、ポリサルフォン系樹脂と可塑剤の配
合物を成膜する方法にはこれらの配合物を加熱溶融しこ
の溶融物をフィルム状又はシート状に押出し成型する方
法（押出し成型法）と、上記溶融物を流延冷却してフィ
ルム状又はシート状に成型する方法（熱溶融流延法）、
及び、上記配合物を溶剤に溶解させこの溶液をベルトや
ドラムの上に流延（キャスト）乾燥してフィルム状又は
シート状に成膜する方法（溶液キャスト成膜法）等が考
えられる。
合物を成膜する方法にはこれらの配合物を加熱溶融しこ
の溶融物をフィルム状又はシート状に押出し成型する方
法（押出し成型法）と、上記溶融物を流延冷却してフィ
ルム状又はシート状に成型する方法（熱溶融流延法）、
及び、上記配合物を溶剤に溶解させこの溶液をベルトや
ドラムの上に流延（キャスト）乾燥してフィルム状又は
シート状に成膜する方法（溶液キャスト成膜法）等が考
えられる。
【００１６】しかし、ポリサルフォン系樹脂は、通常、
その溶融温度が３５０℃以上で一般的に適用されている
可塑剤の沸点を上回ってしまうため、上記押出し成型法
や熱溶融流延法を適用した場合にポリサルフォン系樹脂
と可塑剤の配合比を維持することが困難になる問題があ
り、かつ、光学機能部品であるところの位相差補償板を
得るためには成形後の厚み精度に優れた溶液キャスト成
膜法が優れている。
その溶融温度が３５０℃以上で一般的に適用されている
可塑剤の沸点を上回ってしまうため、上記押出し成型法
や熱溶融流延法を適用した場合にポリサルフォン系樹脂
と可塑剤の配合比を維持することが困難になる問題があ
り、かつ、光学機能部品であるところの位相差補償板を
得るためには成形後の厚み精度に優れた溶液キャスト成
膜法が優れている。
【００１７】従って、この技術的手段においてはポリサ
ルフォン系樹脂と可塑剤の配合物を成膜する方法として
上記溶液キャスト成膜法が好適である。
ルフォン系樹脂と可塑剤の配合物を成膜する方法として
上記溶液キャスト成膜法が好適である。
【００１８】すなわち、請求項２に係る発明はこの様な
技術的背景から完成されたもので、請求項１に係る位相
差補償板の製造方法を前提とし、ポリサルフォン系樹脂
１００重量部と少なくとも１種類以上の可塑剤１〜１５
重量部とが溶解されている溶液を流延し、かつ、乾燥さ
せてこれをフィルム状又はシート状に成膜した後、これ
を一軸方向へ延伸して位相差補償板を製造することを特
徴とするものである。
技術的背景から完成されたもので、請求項１に係る位相
差補償板の製造方法を前提とし、ポリサルフォン系樹脂
１００重量部と少なくとも１種類以上の可塑剤１〜１５
重量部とが溶解されている溶液を流延し、かつ、乾燥さ
せてこれをフィルム状又はシート状に成膜した後、これ
を一軸方向へ延伸して位相差補償板を製造することを特
徴とするものである。
【００１９】尚、可塑剤が配合されてないポリサルフォ
ン系樹脂の溶液キャスト成膜法においてはその溶剤を完
全に取除くためにポリサルフォン系樹脂のガラス転移温
度である２００℃付近まで加熱することを要するが、可
塑剤が配合されたポリサルフォン系樹脂を適用する本発
明においてはそのガラス転移温度が低下し、従って、溶
液キャスト成膜に必要な加熱乾燥温度も低下するため、
その製造装置に要求される制約が減少する利点を有して
いる。
ン系樹脂の溶液キャスト成膜法においてはその溶剤を完
全に取除くためにポリサルフォン系樹脂のガラス転移温
度である２００℃付近まで加熱することを要するが、可
塑剤が配合されたポリサルフォン系樹脂を適用する本発
明においてはそのガラス転移温度が低下し、従って、溶
液キャスト成膜に必要な加熱乾燥温度も低下するため、
その製造装置に要求される制約が減少する利点を有して
いる。
【００２０】また、成膜されたフィルム又はシートを一
軸方向へ延伸する方法としては縦一軸ロール延伸及び横
一軸テンター延伸のいずれの方法も適用可能であり、か
つ、延伸の際には一方向のみに延伸されるようにするこ
とが重要である。
軸方向へ延伸する方法としては縦一軸ロール延伸及び横
一軸テンター延伸のいずれの方法も適用可能であり、か
つ、延伸の際には一方向のみに延伸されるようにするこ
とが重要である。
【００２１】この延伸に際して、可塑剤が配合されたフ
ィルム又はシートは熱変形温度が低下し、従って延伸温
度を低く設定でき、しかも延伸特性が優れ均一に延伸す
ることができる。
ィルム又はシートは熱変形温度が低下し、従って延伸温
度を低く設定でき、しかも延伸特性が優れ均一に延伸す
ることができる。
【００２２】この様にして求められた位相差補償板はそ
の少なくとも片面にアクリル粘着剤層を設け偏光フィル
ムに接着して使用することもできる。
の少なくとも片面にアクリル粘着剤層を設け偏光フィル
ムに接着して使用することもできる。
【００２３】
【作用】請求項１に係る発明によれば、ポリサルフォン
系樹脂に配合された可塑剤の作用によりポリサルフォン
系樹脂の熱変形温度が低下しその延伸特性が改善される
ため、延伸加工によって付与される残留応力の局所的な
ムラを取除くことが可能となる。
系樹脂に配合された可塑剤の作用によりポリサルフォン
系樹脂の熱変形温度が低下しその延伸特性が改善される
ため、延伸加工によって付与される残留応力の局所的な
ムラを取除くことが可能となる。
【００２４】他方、請求項２に係る発明によれば、可塑
剤が配合されているポリサルフォン系樹脂を成膜する手
段として溶液キャスト成膜法が適用されているため、上
記ポリサルフォン系樹脂と可塑剤の配合比が維持された
状態で厚み精度に優れたフィルム又はシートが得られ、
しかも、上記のように延伸特性が優れているためむらの
ない均一な位相差補償性能を有する位相差補償板を確実
に製造することが可能となる。
剤が配合されているポリサルフォン系樹脂を成膜する手
段として溶液キャスト成膜法が適用されているため、上
記ポリサルフォン系樹脂と可塑剤の配合比が維持された
状態で厚み精度に優れたフィルム又はシートが得られ、
しかも、上記のように延伸特性が優れているためむらの
ない均一な位相差補償性能を有する位相差補償板を確実
に製造することが可能となる。
【００２５】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
る。
【００２６】［実施例１］４，４’−ジクロロジフェニ
ルサルフォンとビスフェノールＡのナトリウム塩の共縮
重合によって求められたスチレン換算での重量平均分子
量が７×１０4 の樹脂を塩化メチレンに溶解して２０％
溶液とした。更に、上記樹脂１００重量部に対し可塑剤
として５重量部のりん酸トリクレジルを配合した。得ら
れた溶液を回転するクロムメッキしたスチールベルト上
にキャストし、最終温度１７５℃で乾燥して溶剤を除去
すると共に剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７５μｍのフィ
ルムを求めた。こうして求めたフィルムを１７０℃に加
熱された横一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．７
倍に延伸して実施例に係る位相差補償板を求めた。
ルサルフォンとビスフェノールＡのナトリウム塩の共縮
重合によって求められたスチレン換算での重量平均分子
量が７×１０4 の樹脂を塩化メチレンに溶解して２０％
溶液とした。更に、上記樹脂１００重量部に対し可塑剤
として５重量部のりん酸トリクレジルを配合した。得ら
れた溶液を回転するクロムメッキしたスチールベルト上
にキャストし、最終温度１７５℃で乾燥して溶剤を除去
すると共に剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７５μｍのフィ
ルムを求めた。こうして求めたフィルムを１７０℃に加
熱された横一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．７
倍に延伸して実施例に係る位相差補償板を求めた。
【００２７】この位相差補償板中央から４００ｍｍ角の
試料片を切り出し、波長５９０ｎｍの光線を照射し、位
相差を測定した。測定は、延伸方向に５ｃｍ間隔、延伸
方向に直交する方向に５ｃｍ間隔に設けられた計６４カ
所で測定し、位相差の平均値Ｒ590 と標準偏差σ590 を
求めた。この結果を表１に示す。
試料片を切り出し、波長５９０ｎｍの光線を照射し、位
相差を測定した。測定は、延伸方向に５ｃｍ間隔、延伸
方向に直交する方向に５ｃｍ間隔に設けられた計６４カ
所で測定し、位相差の平均値Ｒ590 と標準偏差σ590 を
求めた。この結果を表１に示す。
【００２８】また、波長５９０ｎｍの光線の代りに波長
４５０ｎｍの光線を使用し、同様に計６４カ所の位相差
の平均値Ｒ450 を求め、波長依存性の評価尺度としてＲ
590 とＲ450 の比（Ｒ450／Ｒ590 ）を採用した。この
結果を表１に示す。
４５０ｎｍの光線を使用し、同様に計６４カ所の位相差
の平均値Ｒ450 を求め、波長依存性の評価尺度としてＲ
590 とＲ450 の比（Ｒ450／Ｒ590 ）を採用した。この
結果を表１に示す。
【００２９】尚、比較のためＳＴＮ液晶の波長依存性
（Ｒ450 ／Ｒ590 ）も合わせて表１に示す。
（Ｒ450 ／Ｒ590 ）も合わせて表１に示す。
【００３０】[実施例２] ４，４’−ジクロロジフェニルサルフォンとビスフェノ
ールＡのナトリウム塩の共縮重合によって求められたス
チレン換算での重量平均分子量が７×１０4 の樹脂を塩
化メチレンに溶解して２５％溶液とした。この樹脂１０
０重量部に対し可塑剤として１０重量部のメチルフタリ
ル・エチルグリコレートを配合した。得られた溶液を回
転するクロムメッキしたスチールベルト上にキャスト
し、最終温度１５５℃で乾燥して溶剤を除去すると共に
剥離して幅６００ｍｍ、厚さ１１５μｍのフィルムを求
めた。こうして求めたフィルムを１５０℃に加熱された
横一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．４倍に延伸
して位相差補償板を求めた。
ールＡのナトリウム塩の共縮重合によって求められたス
チレン換算での重量平均分子量が７×１０4 の樹脂を塩
化メチレンに溶解して２５％溶液とした。この樹脂１０
０重量部に対し可塑剤として１０重量部のメチルフタリ
ル・エチルグリコレートを配合した。得られた溶液を回
転するクロムメッキしたスチールベルト上にキャスト
し、最終温度１５５℃で乾燥して溶剤を除去すると共に
剥離して幅６００ｍｍ、厚さ１１５μｍのフィルムを求
めた。こうして求めたフィルムを１５０℃に加熱された
横一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．４倍に延伸
して位相差補償板を求めた。
【００３１】この位相差補償板のＲ590 、σ590 、波長
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
【００３２】［比較例１］４，４’−ジクロロジフェニ
ルサルフォンとビスフェノールＡのナトリウム塩の共縮
重合によって求められたスチレン換算での重量平均分子
量が７×１０4 の樹脂を塩化メチレンに溶解して２０％
溶液とした。この溶液を回転するクロムメッキしたスチ
ールベルト上にキャストし、最終温度２００℃で乾燥し
て溶剤を除去すると共に剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７
５μｍのフィルムを求めた。こうして求めたフィルムを
１９０℃に加熱された横一軸テンター延伸機にかけ、幅
方向に１．７倍に延伸して位相差補償板を求めた。
ルサルフォンとビスフェノールＡのナトリウム塩の共縮
重合によって求められたスチレン換算での重量平均分子
量が７×１０4 の樹脂を塩化メチレンに溶解して２０％
溶液とした。この溶液を回転するクロムメッキしたスチ
ールベルト上にキャストし、最終温度２００℃で乾燥し
て溶剤を除去すると共に剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７
５μｍのフィルムを求めた。こうして求めたフィルムを
１９０℃に加熱された横一軸テンター延伸機にかけ、幅
方向に１．７倍に延伸して位相差補償板を求めた。
【００３３】この位相差補償板のＲ590 、σ590 、波長
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
【００３４】［比較例２］市販のポリカーボネート樹脂
（スチレン換算での重量平均分子量が７×１０4 ）を塩
化メチレンに溶解して２０％溶液とした。この溶液を回
転するクロムメッキしたスチールベルト上にキャスト
し、最終温度１８０℃で乾燥して溶剤を除去すると共に
剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７５μｍのフィルムを求め
た。こうして求めたフィルムを１７５℃に加熱された横
一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．４倍に延伸し
て位相差補償板を求めた。
（スチレン換算での重量平均分子量が７×１０4 ）を塩
化メチレンに溶解して２０％溶液とした。この溶液を回
転するクロムメッキしたスチールベルト上にキャスト
し、最終温度１８０℃で乾燥して溶剤を除去すると共に
剥離して幅５００ｍｍ、厚さ７５μｍのフィルムを求め
た。こうして求めたフィルムを１７５℃に加熱された横
一軸テンター延伸機にかけ、幅方向に１．４倍に延伸し
て位相差補償板を求めた。
【００３５】この位相差補償板のＲ590 、σ590 、波長
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
依存性（Ｒ450 ／Ｒ590 ）を表１に示す。
【００３６】
【表１】
【００３７】『確認』 表１の結果から、 （１）ポリサルフォン系樹脂を使用した位相差補償板
（実施例１〜２）の波長依存性はポリカーボネート樹脂
を使用した位相差補償板（比較例２）に較べてＳＴＮ液
晶の波長依存性に近く、従ってポリサルフォン系樹脂を
使用した位相差補償板は可視光の全ての波長におけるＳ
ＴＮ液晶セルの位相差を補償する優れた性能を有してい
ること、 （２）可塑剤が配合された位相差補償板（実施例１〜
２）の標準偏差は、可塑剤が配合されていない位相差補
償板（比較例１）に較べて著しく小さく、従って広い面
積の全面に亘って均一な補償性能を有していること、が
確認できた。
（実施例１〜２）の波長依存性はポリカーボネート樹脂
を使用した位相差補償板（比較例２）に較べてＳＴＮ液
晶の波長依存性に近く、従ってポリサルフォン系樹脂を
使用した位相差補償板は可視光の全ての波長におけるＳ
ＴＮ液晶セルの位相差を補償する優れた性能を有してい
ること、 （２）可塑剤が配合された位相差補償板（実施例１〜
２）の標準偏差は、可塑剤が配合されていない位相差補
償板（比較例１）に較べて著しく小さく、従って広い面
積の全面に亘って均一な補償性能を有していること、が
確認できた。
【００３８】また、この（１）（２）から、実施例に係
る位相差補償板は可視光の全ての波長におけるＳＴＮ液
晶セルの位相差を補償する優れた性能を広い面積に亘っ
て均一に有していることが確認できた。
る位相差補償板は可視光の全ての波長におけるＳＴＮ液
晶セルの位相差を補償する優れた性能を広い面積に亘っ
て均一に有していることが確認できた。
【００３９】
【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、延伸加工
によって付与される残留応力の局所的なムラを取除くこ
とが可能になるため、ポリサルフォン系樹脂の優秀な位
相差補償性能を生かした単板で可視光の全ての波長にお
けるＳＴＮ液晶セルの位相差を補償できる位相差補償板
を提供できる効果を有している。
によって付与される残留応力の局所的なムラを取除くこ
とが可能になるため、ポリサルフォン系樹脂の優秀な位
相差補償性能を生かした単板で可視光の全ての波長にお
けるＳＴＮ液晶セルの位相差を補償できる位相差補償板
を提供できる効果を有している。
【００４０】また、請求項２に係る発明によれば、可塑
剤が配合されているポリサルフォン系樹脂の成膜手段と
して溶液キャスト成膜法が適用されているため、ポリサ
ルフォン系樹脂と可塑剤の配合比が維持された状態で厚
み精度に優れたフィルム又はシートが得られ、しかも、
上記のように延伸特性が優れているためむらのない均一
な位相差補償性能を有する上記位相差補償板を確実に製
造できる効果を有している。
剤が配合されているポリサルフォン系樹脂の成膜手段と
して溶液キャスト成膜法が適用されているため、ポリサ
ルフォン系樹脂と可塑剤の配合比が維持された状態で厚
み精度に優れたフィルム又はシートが得られ、しかも、
上記のように延伸特性が優れているためむらのない均一
な位相差補償性能を有する上記位相差補償板を確実に製
造できる効果を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−70702（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−320203（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−256003（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−42406（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−96623（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−77277（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−144064（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−58825（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−70601（ＪＰ，Ｕ) 電子材料、1991年２月号、第37頁〜第 41頁
Claims (2)
- 【請求項１】 ポリサルフォン系樹脂１００重量部に対
し少なくとも１種類以上の可塑剤を１〜１５重量部配合
して成るフィルム又はシートを一軸方向へ延伸して形成
されていることを特徴とする位相差補償板。 - 【請求項２】 ポリサルフォン系樹脂１００重量部と少
なくとも１種類以上の可塑剤１〜１５重量部とが溶解さ
れている溶液を流延し、かつ、乾燥させてこれをフィル
ム状又はシート状に成膜した後、これを一軸方向へ延伸
して位相差補償板を製造することを特徴とする位相差補
償板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3267513A JP2723400B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 位相差補償板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3267513A JP2723400B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 位相差補償板とその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05107413A JPH05107413A (ja) | 1993-04-30 |
| JP2723400B2 true JP2723400B2 (ja) | 1998-03-09 |
Family
ID=17445885
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3267513A Expired - Lifetime JP2723400B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 位相差補償板とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2723400B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69533645T2 (de) * | 1994-10-26 | 2006-02-23 | Seiko Epson Corp. | Flüssigkristallvorrichtung und elektronisches gerät |
| TW327208B (en) | 1994-11-10 | 1998-02-21 | Sumitomo Chemical Co | Optically anisotropic film and process for producing the same and liquid crystal display device |
| KR100444413B1 (ko) * | 1996-05-09 | 2005-01-17 | 스미또모 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 광학이방성필름및액정디스플레이장치 |
| WO1998022839A1 (fr) * | 1996-11-22 | 1998-05-28 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Film de dephasage et son procede de fabrication |
| KR100635241B1 (ko) | 1998-09-17 | 2006-10-19 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 광학 이방성 필름, 이의 제조방법 및 액정 표시 장치 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0713683B2 (ja) * | 1987-06-30 | 1995-02-15 | 住友化学工業株式会社 | 位相差板およびこれを用いた複合偏光板および液晶表示装置 |
| JPH0830806B2 (ja) * | 1987-10-07 | 1996-03-27 | 住友化学工業株式会社 | 光学的異方体および液晶表示装置 |
| JP3184975B2 (ja) * | 1988-12-27 | 2001-07-09 | 住友化学工業株式会社 | 光学フィルム |
-
1991
- 1991-10-16 JP JP3267513A patent/JP2723400B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 電子材料、１９９１年２月号、第３７頁〜第４１頁 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05107413A (ja) | 1993-04-30 |
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