JP4052699B2 - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂よりなる位相差フィルム及びその製造方法に関し、より詳細には、例えば液晶表示装置などの光学装置において位相差を保証するのに用いられる位相差フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TN(ツイステッドネマティック)液晶表示装置やSTN(スーパーツイステッドネマティック)液晶表示装置などが、種々のOA機器等において広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置では、液晶で生じる位相差により、表示画像が着色し、完全な白黒表示を行い難いという問題があった。そこで、液晶表示セルの表面に、位相差フィルムを貼り合わせ、位相差を補償することにより、上記着色を解消することが試みられている。すなわち、延伸された熱可塑性樹脂フィルムの複屈折性を利用することにより、位相差の解消が図られている。
【0004】
ところで、位相差フィルムにおける位相差補償性能は、位相差で表される。位相差は、樹脂フィルムの屈折率差(すなわち、複屈折性)をΔn、樹脂フィルムの肉厚をdとしたときに、Δn×dで表される。
【0005】
他方、液晶表示装置などにおいては、表示部分の全面にわたり色むらやコントラストむらが小さいことが強く求められている。従って、このような均一な表示を可能とするには、液晶表示セルに貼り合わされる位相差フィルムにおいては、上記位相差が全面にわたり均一であることが求められる。
【0006】
そこで、位相差が均一な位相差フィルムの製造方法として、特開平8−122526号公報には、ポリアリレート及び/またはポリスルフォン溶液を流延成膜して原反フィルムを得、この原反フィルム中の溶剤含有量を固形分基準で0.5〜7重量%に調整した後、延伸して位相差フィルムを製造する方法が提案されている。この場合、溶剤としては、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、テトラヒドロフランなどを用い得る旨が示されている。
【0007】
上記先行技術に記載の製造方法では、溶剤キャスト法により得られた原反フィルムにおいて、延伸に先立ち、溶剤含有量を上記特定の範囲に調整することにより、幅方向の位相差分布が均一な位相差フィルムが得られるとされている。
【0008】
他方、特開平2−256003号公報には、押出成膜法を用いた光学用フィルムの製造方法が開示されている。ここでは、長さ方向に連続的に厚みの変化を測定したときに、50mm以下のピッチで、かつ厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動が存在しない熱可塑性フィルムを押出方向に対して直角方向に一軸または二軸延伸することにより、レターデーション値が1200nm以下であり、レターデーション値の振幅が10%以下である光学フィルムが得られるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−122526号公報や特開平2−256003号公報に記載の方法で得られた位相差フィルムを液晶表示装置に組み込んだ場合、色むらなどが生じる等、必ずしも上記位相差が全面にわたり均一化されるとは限らないという問題があった。
【0010】
すなわち、色むらやコントラストむらは、前述したように、位相差フィルムを液晶表示装置に組み込んだ際に位相差フィルムの位相差のばらつきにより生じる画質不良である。色むらやコントラストむらを抑制するには、位相差のばらつきを抑制することが必須であるが、位相差は上述したようにΔn×dで表される。
【0011】
従って、上記先行技術に記載の製造方法により得られた位相差フィルムでは、例えば、屈折率差Δnが幅方向に均一化されていたとしても、フィルムの厚みdがばらついていると、位相差Δがばらつくことになり、色むらやコントラストむらを解消することができなかった。
【0012】
位相差フィルムは、主としてSTN液晶表示装置に用いられるが、この場合位相差フィルムの平均位相差は通常約400nmであり、そのばらつきR(位相差の最大値−最小値)は約4nm、すなわち位相差の1%以内(±0.5%以内)であることが求められる。
【0013】
他方、隣合った1cm隔てた2点間の位相差の差が1nm以内でないと、位相差むらが色むらとして目視されることになる。従って、位相差むらは1nm/cm以下であること、すなわち位相差が400nmの位相差フィルムの場合には、位相差むらが0.25%/cm以下であることが求められる。
【0014】
よって、厚みが50μm、位相差の平均値が400nmの位相差フィルムを従来法に従って製造した場合、位相差フィルムの厚みむらは50μm±0.1μm以下であることが求められる。しかしながら、特開平8−122526号公報に記載のような、溶剤キャスト法により、このように厚み精度の高いフィルムを成形することは非常に困難である。従って、この先行技術に記載の方法により、位相差が均一な位相差フィルムを得ることは実際には非常に困難であった。
【0015】
他方、特開平2−256003号公報に記載の押出成膜法を用いた位相差フィルムの製造方法では、50mmピッチで厚みの振幅が0.5μm以下のフィルムが得られるが、このフィルムでは、厚みのばらつきは0.1μm/cmとなる。他方、現在実用化されている位相差フィルムの厚みは50μm程度である。従って、400〜2000nmの位相差を有する厚み50μmの位相差フィルムをこの先行技術に記載の方法に従って製造した場合、位相差むらは0.8〜4.0nm/cmとなり、目視により認識される色むらが発生することとなる。
【0016】
すなわち、押出成膜法を用いた場合、溶剤キャスト法を用いた場合に比べて生産性が高められ、フィルムのコストを低減することができるが、押出成膜法においても、厚み精度1%で50μm程度の厚みの位相差フィルムを高精度に得ることは非常に困難であった。また、このような厚み精度の位相差フィルムを押出成膜法により得ることが仮に可能であったとしても、その精度を安定に維持することは非常に困難である。
【0017】
本発明の目的は、上述した先行技術の欠点を解消し、面内方向において位相差がほぼ均一化されており、色むらのない均一かつ高品位な表示を可能とする位相差フィルムを、安価な設備を用いて高い生産性をもって製造し得る方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、溶剤キャスト法及び押出成膜法の何れにおいても、膜厚精度をより一層高めることが困難であることに鑑み、位相差フィルムの配向度を制御することにより、膜厚精度が従来の程度であっても位相差を高精度に制御し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0022】
すなわち、請求項に記載の発明は、溶剤キャスト法による位相差フィルムの製造方法であって、溶剤キャスト法による成膜工程、成膜された原反フィルムを乾燥もしくは養生する工程、延伸予熱工程、及び延伸工程の少なくとも1つの工程において、フィルムの厚みの厚い部分の揮発成分含有量が薄い部分に比べて多くなるように、かつ揮発成分が揮発した層が面内方向において均一な厚みとなるように、フィルム中の揮発成分を揮発させることにより、表面の面内方向屈折率差が厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べて大きくされているフィルムを得ることを特徴とする。
【0023】
また、請求項に記載の発明は、押出成膜法による位相差フィルムの製造方法であって、フィルムの押出直後もしくは溶融樹脂冷却工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1つの工程において、フィルムの厚みの厚い部分の揮発成分含有量が薄い部分に比べて多くなるように、かつ揮発成分が揮発した層が面内方向において均一な厚みとなるように、フィルム中の揮発成分である可塑剤を揮発させ、それによって表面の面内方向屈折率差が厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べて大きくされているフィルムを得ることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る位相差フィルムの製造方法では、好ましくは、延伸工程において、冷却しつつ延伸が行われる。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0025】
(熱可塑性樹脂)
本発明に係る位相差フィルムにおいては、表面の面内方向屈折率差を、厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べて大きくし得る限り、その材料は特に限定されるものではないが、通常、熱可塑性樹脂が用いられる。
【0026】
上記熱可塑性樹脂としては、延伸により位相差フィルムとして要求される位相差100〜1000nmを発現し得る限り、適宜の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に限定されるものではない。用い得る熱可塑性樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂などを挙げることができる。
【0027】
中でも、透明性に優れており、光の波長分散性が良好である(液晶特性に近い)、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルホン系樹脂を用いることが好ましく、特に、ポリサルホン樹脂を用いることが特に好ましい。ポリサルホン樹脂では、波長分散性が良好であるため、液晶によって各波長で異なる楕円偏光とされた光を良好に位相差補償することができ、液晶表示装置のコントラストを効果的に高め得る。
【0028】
(揮発成分)
本発明に係る位相差フィルムの製造方法は、配向度を制御するために可塑化効果を有し、かつ成膜過程で発泡することなく揮発する揮発成分を含有させておき、所定の工程において揮発成分を揮発させることにより配向度を制御することを特徴としている。揮発成分を揮発させる際には、少なくとも一部の揮発成分を残すようにして揮発させる必要があり、全ての揮発成分を完全に揮発させると配向度制御ができず、本発明の目的とする効果を発現させることができなくなる。ここで、上記揮発成分としては、一般的な可塑剤あるいは溶剤等を用いることができるが、好ましくは可塑剤が用いられる。
【0029】
なお、上記可塑剤としては、その沸点が成形温度より高いものを用いることが、タップを防止する上で好ましい。
また、上記可塑剤としては、フタル酸エステル、フタル酸異性体エステル、テトラヒドロフタル酸エステル、ヘキサヒドロフタル酸エステル、ピロメリット酸エステル、リシノール酸エステル、セバシン酸エステル、コハク酸エステル、スルホンアミド、トリアセチレン、トリメリット酸エステル、アジピン酸エステル、アゼライト酸エステル、安息香酸エステル、イソブチル酸エステル、チオブチル酸エステル、ブラシリック酸エステル、クエン酸エステル、グリコール酸エステル、イタコン酸エステル、オレイン酸エステル、リン酸エステル、ホスフィン酸エステルなどが用いられる。
【0030】
特に、熱可塑性樹脂としてポリサルホン樹脂を用いた場合には、上記可塑剤の中でも、フタル酸エステルまたはスルホンアミド系可塑剤を用いることが好ましい。フタル酸エステル及びスルホンアミドは、ポリサルホン樹脂との相溶性が高く、位相差フィルムの透明性を損ない難く、かつ沸点が高いので、成形過程における発泡や沸騰が生じ難く、位相差フィルムの品質安定性を高め得る。
【0031】
上記フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチルなどを挙げることができる。
【0032】
また、上記スルホンアミド系可塑剤としては、例えば、o,p−トルエン−スルホンアミド(例えば富士アミドケミカル社製、商品名:トップサイザー5号)、N−エチル−o,p−トルエンスルホンアミド(富士アミドケミカル社製、商品名:トップサイザー3号)、p−トルエンスルホンアミド(富士アミドケミカル社製、商品名:トップサイザー1号)などを挙げることができる。
【0033】
本発明においては、上記可塑剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.2〜20重量部の割合で用いられる。可塑剤の含有割合が0.2重量部未満では、可塑剤が揮発しても可塑剤の量が少なすぎるため、位相差を均一にする効果が十分に得られず、20重量部を超えると、可塑剤の可塑化効果が大きすぎるため、フィルムを延伸し、配向させようとしても応力が緩和され、フィルムが殆ど配向しなくなるため、所望の位相差が発現し難くなる。なお、可塑剤の配合については、溶剤キャスト法により製造する場合には、塗工に先立ち熱可塑性樹脂及び可塑剤を含む溶液を調製することにより、押出成膜法による場合には、押出機に熱可塑性樹脂を投入する前に熱可塑性樹脂と混合しておいてもよく、押出機内に可塑剤を直接圧入してもよい。
【0034】
(押出成膜法によるフィルムの成膜)
押出成膜法を利用した本発明に係る位相差フィルムの製造方法では、上記熱可塑性樹脂及び可塑剤等の揮発成分を含む組成物を押出成膜する。この場合の成形温度については熱可塑性樹脂の溶融温度以上であれば特に問わないが、可塑剤を含有する組成物を混練するとガラス転移点Tgや溶融温度も低下するため、可塑剤等の含有量に応じて成形温度を低下させることが好ましい。例えば、上述した可塑剤の場合、熱可塑性樹脂100重量部に対し、可塑剤を1重量部含有させた場合、成形温度を10℃程度低下することが好ましい。
【0035】
押出機については特に限定されず、一軸タイプ及び二軸タイプの何れの押出機を用いてもよい。もっとも、混練性を高めるには、二軸スクリュータイプの押出機を用いることが好ましい。押出機のスクリューは、汎用樹脂用の市販品を用いることができ、ユニメルトタイプあるいはフルフライトタイプの何れを用いてもよいが、揮発成分を予め樹脂に含浸させる場合や同時に投入する場合には、揮発成分が気化した場合にホッパー側に逆流しないように、メルトシール可能な構造のものが望ましい。揮発成分を押出成膜中に圧入させる場合には、圧入圧力よりも樹脂圧力が低くなるように調整することが望ましい。
また、押出成膜により得られ可塑性樹脂フィルムの厚みについても、特に限定されるわけではないが、通常、70〜120μm程度とすればよい。
【0036】
(溶剤キャスト法による成膜)
溶剤キャスト法を用いた本発明に係る位相差フィルムの製造方法では、熱可塑性樹脂と、溶剤とを含む溶液に揮発成分を混合してもよく、熱可塑性樹脂溶剤及び揮発成分を当初から配合し溶液状としてもよい。溶液配合時に揮発成分を混合する場合には、プロペラ等を用いて攪拌することが望ましい。
【0037】
溶剤キャスト法では、上記のようにして調製された溶液をコーターを用いて支持体上に塗工し、乾燥することによりフィルムを得る。用いるコーターについては、特に限定されないが、厚み精度を高めるには、コンマコーターを用いることが望ましい。また、成膜後の乾燥温度及び時間については、揮発成分を揮発させきらないように選択することが必要である。
【0038】
上記溶剤としては、使用する熱可塑性樹脂を溶解し得るのに適当な適宜の溶剤を用いることができ、例えば塩化メチレン、クロロホルム、アニソール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミドなどを例示することができる。また、前述したとおり、揮発成分としてこの溶剤を用いることができ、その場合には、熱可塑性樹脂と溶剤とを含む溶液を用い、別途可塑剤等の揮発成分を使用する必要はない。
【0039】
(揮発)
押出成膜法を利用した場合には、可塑剤の揮発については、押出直後あるいは押出成形されたフィルムの冷却工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1工程において行えばよい。ここで、養生工程とは、原反の成膜終了時から延伸予熱工程開始までの工程を全て含むものとする。また、延伸予熱工程とは、延伸前の加熱に係わる工程、より詳しくは、延伸が開始されてフィルムが伸び始める直前までの工程をいうものとする。また、延伸工程とは、延伸温度以下に冷却が開始されるまでの工程をいうものとし、フィルムの伸びが終了し、かつ冷却が開始されるまでのアニール領域も延伸工程に含むものとする。さらに、溶融樹脂冷却工程とは、フィルムが常温になるまでの区間、すなわち押出用の金型吐出後の空冷区間並びにロールその他を用いた強制冷却間の何れをも含むものと
する。
【0040】
押出成膜法を用いて位相差フィルムを製造する場合、上記各工程のうち、少なくとも1つの工程において揮発成分を揮発させればよい。
また、溶剤キャスト法を用いた本発明に係る位相差フィルムの製造方法では、成膜乾燥工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1つの工程において揮発成分を揮発させればよい。なお、溶剤キャスト法では、塗工直後から乾燥を開始して成膜するが、乾燥不十分な場合には追加乾燥を行う必要がある。本明細書において、上記成膜乾燥工程とは、このような追加乾燥工程をも全て含むものとする。
【0041】
なお、溶剤キャスト法を利用した製造方法においても、養生工程、延伸予熱工程、延伸工程及び溶融樹脂冷却工程については、上述した意味を表すものとする。
【0042】
(延伸)
本発明に係る位相差フィルムの製造方法では、上記押出成膜法あるいは溶剤キャスト法により得られたフィルムを延伸する。延伸方法については、特に限定されず、縦一軸延伸、横一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、空気にてフィルムを浮かせて延伸する方法、オイルバス中で延伸する方法、横一軸延伸後機械送り方向に弛ませた樹脂フィルムを収縮させる方法、MD方向に樹脂を弛ませて取り付けた後横一軸延伸を行う方法などを挙げることができる。延伸後に、著しい位相差ばらつき、外観不良あるいは斜め方向から光を入射させた際の位相差の変化による視野角不良などが生じない限り、如何なる延伸方法を用いてもよい。また、延伸間距離が短い近接延伸であってもよく、該距離が長い非近接延伸であってもよい。
【0043】
延伸温度については、ネッキング現象を防止するために、上記熱可塑性樹脂のガラス転移点Tg以上とすることが好ましい。また、所定の位相差を得るため、かつフィルムの乾燥を安定に行うために、延伸温度の上限は、ガラス転移点Tg+80℃以下とすることが好ましく、より好ましくはガラス転移点Tg+40℃以下とすることが望ましい。
【0044】
なお、延伸に先立つ延伸予熱工程における予熱温度については、延伸が良好に行い得る限り、特に限定されないが、予熱温度>延伸温度とし、延伸中にフィルムを冷却しつつ延伸できればさらに好ましい。予熱温度>延伸温度とする場合の予熱温度も、ガラス転移点Tg+80℃以下が好ましく、より好ましくはガラス転移点Tg+40℃以下である。予熱温度と延伸温度との差が大きい程好ましく、この差は20℃以上とすることが好ましく、より好ましくは40℃以上とすることが望ましい。
【0045】
延伸時のフィルム搬送速度については、生産性を高めるためには1m/分以上とすることが好ましく、機械の安定性や機械精度の安定性を考慮すると0.1m/分以上が好ましい。延伸倍率については、所定の位相差が得られる限り、特に限定されないが、位相差を均一にする上では、1.05倍〜2.0倍の範囲が好ましい。
【0046】
(揮発方法)
揮発成分の揮発については、揮発させる工程内において、温度雰囲気の異なる領域を設け、すなわち該工程における温度雰囲気よりも相対的に高い温度雰囲気の領域を設け、揮発成分を揮発させればよい。この場合の雰囲気の異なる領域の温度については、使用する揮発成分、例えば可塑剤の種類によって異なるため、一義的には定め得ない。もっとも、熱可塑性樹脂としてポリサルホン樹脂を用い、可塑剤としてフタル酸エステルを用いた場合には、延伸工程の少なくとも1ヶ所で50〜270℃の温度、好ましくは100〜210℃とされる。延伸温度が50℃未満では、フタル酸エステルが揮発しにくくなり、270℃を超えるとポリサルホン樹脂の溶融温度近傍となり、延伸に際しての搬送が困難になる。
【0047】
また、熱可塑性樹脂としてポリサルホン樹脂を用い、可塑剤としてスルホンアミド系可塑剤を用いた場合には、同様に延伸工程の少なくとも1ヶ所で延伸温度を100〜270℃とする必要があり、好ましくは140〜240℃とされる。延伸温度が100℃未満ではスルホンアミド系可塑剤が揮発しにくくなり、270℃を超えるとポリサルホン樹脂の溶融温度近傍となり、延伸に際しての搬送が困難となる。
【0048】
(本発明に係る位相差フィルム)
本発明に係る位相差フィルムでは、上記のように、表面の面内方向屈折率差が、厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べ大きくされており、それによって位相差むらが低減される。この理由を、以下において説明する。
【0049】
なお、面内方向屈折率差とは、位相差フィルムを3次元的に分け、MD(Machine Direction )をx方向、TD(Transverse Direction)をy方向、厚み方向をz方向とし、x−y方向を面内方向とし、各方向の屈折率を、それぞれ、nx,ny,nzとしたときのnx−nyの値をいうものとする。もっとも、横一軸延伸の場合には、ny>nxとなるため、nx−nyは負の値となるが、この場合には、絶対値を採用することとする。
【0050】
上述した本発明に係る位相差フィルムの製造方法において、揮発成分を揮発させると、揮発成分はフィルムの表面側から揮発する。従って、揮発成分の濃度は、厚み方向中心部分に比べて表面側において低くなる。このとき、揮発量は樹脂及び揮発成分としての例えば可塑剤との系によって得られる境膜移動係数により決定されることになる。一定の揮発処理を施すと、フィルムの面内方向のどの部分においても、同様に揮発成分が揮発する。すなわち、フィルムの厚みの厚い部分及び薄い部分の何れにおいても、表面から同様に揮発成分が揮発することになる。
【0051】
従って、フィルムの厚みの厚い部分の揮発成分含有量は、薄い部分に比べて多くなる。揮発成分の濃度が低くなると、可塑化効果が減少し、延伸した際に応力緩和量が小さくなり、フィルムの配向性が大きくなり、位相差が大きくなる。従って、フィルムの厚みの厚い部分は、配向が低くなり、厚みの薄い部分については配向が高くなる。
【0052】
他方、位相差=厚み×Δnであり、Δnはフィルムの配向度に比例するため、上記揮発処理を施すことにより、延伸後に、厚みの厚い部分及び薄い部分の位相差が近接され、かつ揮発量を調整することにより厚みの厚い部分及び薄い部分における位相差をほぼ同等とし得ることがわかる。
【0053】
また、揮発成分が表面から揮発した場合、揮発成分が揮発した層、すなわち表面からある厚みの層は、面内方向において均一な厚みとなる。従って、延伸後には、高配向部が均一な厚みとなる。よって、位相差に大きく寄与する高配向部の厚みが均一となるため、高配向部における位相差の均一性がさらに促進されることになる。
【0054】
すなわち、揮発成分が揮発していくに従い、厚み方向中心の揮発成分濃度に比べ、表面の揮発成分濃度が低くなる。従って、この状態のフィルムを延伸すると、厚み方向中心に比べ、表面における配向度が高くなり、延伸方向に高屈折率となる。揮発の程度及び位相差の均一化効果は、この揮発成分の濃度分布に密接に関連する。従って、フィルム表面の屈折率と厚み方向中心の屈折率の比により、上記位相差均一効果の程度を定量化することができる。
【0055】
屈折率の計測は、フィルムを厚み方向にスライスし、スライスされた部分の面内方向屈折率を屈折計を用いて計測すれば簡単に求めることができる。屈折率の比は(表面におけるnx−n0 )/(厚み方向中心におけるnx−n0 )で表される。なお、n0 は樹脂の固有屈折率を示し、横延伸の場合にはnxはnyに置き換えられる。この屈折率の比が1を超えていればよく、好ましくは、1.1以上とすることが望ましい。屈折率差の比が1.1以上であると、位相差のばらつきは、厚みばらつきの1/2となる。
【0056】
現在成膜されているこの種のフィルムにおける厚みの最小ばらつきは一般に約±1%程度と考えられている。従って、このような厚み精度のフィルムを用い、屈折率差の比を1.1とした場合、位相差ばらつきは±0.5%とすることができる。すなわち、上記屈折率差の比を1.1以上とすれば、必要な位相差精度を実現することができる。
【0057】
また、好ましくは、上述したとおり、厚み方向に沿って、該厚み方向の一部に連続的な屈折率勾配を有することが望ましい。このような連続的な屈折率勾配を有しない部分としては、一般にスキン層と称されているフィルムの表面層にごく近い部分が挙げられる。スキン層の厚みは約0.1〜0.2μmである。図1に示すように、このスキン層では屈折率は一定であるが、スキン層とスキン層に接している厚み方向中心側の層とで大きな屈折率差が存在する。
【0058】
例えば、ポリサルホンフィルムでは、成膜直後無配向状態であっても、スキン層の屈折率は、フィルム厚み方向中心の屈折率に比べて約0.0003〜約0.001程度小さくなる。
【0059】
上記スキン層は延伸後も保持され、その結果、本発明に従って厚み方向に配向分布を形成せずとも、フィルム表面と厚み方向中心とに屈折率差が生じることになるが、スキン層による屈折率差は、位相差を均一にしようとする効果を殆ど果たさない。これは、スキン層の厚みが薄すぎるため、屈折率の値が小さく、位相差フィルム全体の位相差に殆ど影響を与えないためである。
【0060】
本発明に係る位相差フィルムでは、上述したとおり、揮発成分の揮発により、厚み方向に連続的に屈折率分布が与えられ、それによって位相差が均一化されるものである。従って、上記スキン層によってのみ、表面の面内方向屈折率差と厚み方向中心の屈折率差が異なっていたとしても、位相差を均一にさせる効果が得られないため、このようなスキン層によってのみ屈折率差が生じているフィルムについては、屈折率が一様なフィルムとして考えるものとする。
【0061】
すなわち、本発明に係る位相差フィルムにおけるフィルム表面の面内方向屈折率差とは、スキン層を超えた表層部分の面内方向屈折率差をいうものとする。
なお、上記揮発成分の濃度分布は、フィルム表面近傍以外に形成されていてもよく、厚み方向中心に近い部分で濃度分布が集中的に形成されていてもよい。
【0062】
また、フィルムを冷却しつつ延伸する場合には、フィルムを冷却することにより熱容量の小さい、厚みの薄いフィルム部分が延伸温度にすぐに到達するのに対し、フィルム厚みの厚い部分では熱容量が大きいためフィルム温度の低下が遅くなる。従って、フィルム厚みの厚い部分では、温度が高く、薄い部分は低くなる。延伸温度が高い程、同一延伸条件下では、配向度が低くなるため、厚み×配向度で表される位相差は、厚みの厚い部分及び低い部分で近似した値となる。すなわち、揮発成分の濃度分布に加え、延伸時の温度分布によりフィルム全面で位相差を均一にする効果が得られる。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0064】
(実施例1)
ポリサルホン樹脂(帝人アコモエンジニアリングプラスチック社製、品番:P−1700)ペレット100重量部と、フタル酸ジエチル(沸点296℃)3重量部とをタンブラーで混合し、一軸押出機を用いて290℃でTダイから溶融押出し、表面温度140℃の金属ロールとゴムロールとでニップして冷却し、平均厚み75μmのポリサルホン未延伸フィルムを作製した。
【0065】
上記未延伸フィルムをロール延伸機により、予熱ゾーンの温度を170℃、延伸ゾーンの温度を175℃として延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
【0066】
得られたフィルムの中央から幅500mm及び長さ1000mmの位相差フィルムサンプルを切り出した。この位相差フィルムサンプルの590nmにおける位相差を幅方向及び長さ方向共1cm間隔で測定したところ、位相差の平均値は565nmであり、1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値は1nmであった。
【0067】
(実施例2)
フタル酸ジエチルの配合割合を1重量部とし、押出成膜に際しての溶融温度を295℃とし、延伸に際しての延伸ゾーンの温度を187℃としたことを除いては、実施例1と同様にして平均厚み65μmのフィルムを得た。
【0068】
得られたフィルムの中央から、実施例1と同様にして位相差フィルムサンプルを切り出し、評価した。位相差サンプルの位相差の平均値は565nmであり、1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値は1nmであった。
【0069】
(実施例3)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しフタル酸ジエチル(沸点298℃)18重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、260℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み77μmの未延伸フィルムを作製した。
【0070】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン135℃、延伸ゾーン135℃で延伸倍率1.6倍で縦一軸延伸し平均厚み64μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は558nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.5nmであった。
【0071】
(実施例4)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しフタル酸ジエチル(沸点298℃)0.5重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、293℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0072】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃で延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は558nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大1nmであった。
【0073】
(実施例5)
ポリサルホン樹脂(帝人アコモエンジニアリングプラスチック社製、品番:P−1700)ペレット100重量部と、スルホンアミド系可塑剤(富士アミドケミカル社製、品番:トップサイザー5号、o,p−トルエン−スルホンアミド、沸点360℃)3重量部とをそれぞれ、独立したフィーダーで二軸押出機に混入し、二軸押出機を用い、330℃でTダイより溶融押出し、表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップし、冷却し、平均厚み75μmのポリサルホン未延伸フィルムを得た。
【0074】
上記フィルムを、ロール延伸機を用い、予熱ゾーンの温度を200℃、延伸ゾーンの温度を175℃とし、延伸倍率1.4倍で縦一軸延伸し、平均厚み68μmのフィルムを得た。
【0075】
上記のようにして得たフィルムを用い、実施例1と同様にして評価した。位相差フィルムサンプルの位相差値の平均値は565nmであり、1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値は、1nmであった。
【0076】
(実施例6)
延伸に際し、予熱ゾーンの温度を195℃、延伸ゾーンの温度を175℃としたことを除いては、実施例5と同様にして平均厚み68μmのフィルムを得た。このフィルムを用い、実施例1と同様にして評価した。
位相差フィルムサンプルの位相差値の平均値は565nmであり、1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値は0.7nmであった。
【0077】
(実施例7)
ポリサルホンのアニソール溶液(樹脂分20重量部)にフタル酸ジエチルを3重量部を混練した溶液をコンマコーターを用いてポリイミド製の支持フィルム上に塗工した。乾燥温度を130℃に設定し、溶剤のみを重点的に乾燥させ溶剤含有率をほぼ0重量部まで乾燥した。ポリサルホンフィルムをポリイミドフィルムから剥離し、乾燥温度を240℃で膜ダレしないように搬送しながらフタル酸ジエチルを0.5%程度揮発させた。平均フィルム厚みは75μmである。揮発後直ちに縦一軸延伸機により予熱温度185℃、延伸温度185℃、延伸倍率1.5倍にて延伸を行い平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。位相差の平均値は556nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.7nmであった。
【0078】
(実施例8)
ポリサルホンに可塑剤としてフタル酸ジエチルを4重量%添加しながら、溶融押出により、可塑剤を含有したポリサルホンフィルムを得た。得られたフィルムを60℃のイソプロピルアルコール中に浸漬し、表面部の可塑剤を抽出した後、イソプロピルアルコールから取り出し、イソプロピルアルコールを乾燥させた後、直ちに延伸機で縦一軸延伸を施し位相差補償板を得た。
得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。位相差の平均値は556nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.7nmであった。
【0079】
(実施例9)
ポリサルホンのアニソール溶液(樹脂分20重量部)にフタル酸ジエチルを18重量部を混練した溶液をコンマコーターを用いてポリイミド製の支持フィルム上に塗工した。乾燥温度を130℃に設定し、溶剤のみを重点的に乾燥させ溶剤含有率をほぼ0重量部まで乾燥した。ポリサルホンフィルムをポリイミドフィルムから剥離し、乾燥温度を240℃で膜ダレしないように搬送しながらフタル酸ジエチルを3.0%程度揮発させた。平均フィルム厚みは77μmである。揮発後直ちに縦一軸延伸機により予熱温度135℃、延伸温度135℃、延伸倍率1.6倍にて延伸を行い平均厚み64μmのフィルムを得た。
【0080】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は557nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.4nmであった。
【0081】
(実施例10)
ポリサルホンのアニソール溶液(樹脂分20重量部)にフタル酸ジエチルを0.5重量部を混練した溶液をコンマコーターを用いてポリイミド製の支持フィルム上に塗工した。乾燥温度を130℃に設定し、溶剤のみを重点的に乾燥させ溶剤含有率をほぼ0重量部まで乾燥した。ポリサルホンフィルムをポリイミドフィルムから剥離し、乾燥温度を240℃で膜ダレしないように搬送しながらフタル酸ジエチルを0.1%程度揮発させた。平均フィルム厚みは75μmである。揮発後直ちに縦一軸延伸機により予熱温度190℃、延伸温度190℃、延伸倍率1.5倍にて延伸を行い平均厚み66μmのフィルムを得た。
【0082】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は555nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.8nmであった。
【0083】
(実施例11)
ポリカーボネート樹脂(軟化温度150℃)を塩化メチレン(沸点40℃)に溶解し、20重量%濃度のポリカーボネート樹脂溶液を調製した。このポリカーボネート樹脂溶液を、表面がクロムメッキされたスチールベルト上に流延し、熱風炉において130℃で加熱乾燥し、フィルムを成形した。成形されたフィルムをスチールベルト上から剥離し、幅800mm、平均厚さ75μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。
【0084】
上記ポリカーボネート樹脂フィルムをアルミ袋で密封し、27℃及び相対湿度78%で24時間養生した。しかる後、直ちに上記ポリカーボネート樹脂フィルムをライン速度2m/分で搬送しつつ、後述する前処理工程を行った後、続いて温度140℃の熱風炉に備えられた複数のロールに導き、延伸ゾーンの距離を2m、冷却ゾーンの温度を27℃とし、縦一軸ゾーン延伸を延伸倍率1.3倍で行い、位相差フィルムを得た。
【0085】
前処理工程は、ポリカーボネート樹脂フィルムの温度を80℃とし、36m走行させることにより行った。この前処理直後の原反フィルムにおける溶剤含有率を、下記の測定法に従って測定したところ、表面側から約2μmの厚みの層すなわち屈折率差易形成層では約1%、残りの層は約3.1%であり、全体としての平均溶剤含有率は3%となっていた。
【0086】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は555nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.3nmであった。
【0087】
(実施例12)
実施例1にて作製した原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン205℃、延伸ゾーン180℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様に測定した。位相差の平均値は550nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.7nmであった。
【0088】
(実施例13)
実施例7にて作製した原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン205℃、延伸ゾーン180℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
【0089】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は550nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.7nmであった。
【0090】
(実施例14)
実施例1にて作製した原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン220℃にて保持し可塑剤を0.2%程度揮発させた後、延伸ゾーン180℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
【0091】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は550nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.8nmであった。
【0092】
(実施例15)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しフタル酸ジイソノニル(沸点403℃)3重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、330℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0093】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は553nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.9nmであった。
【0094】
(実施例16)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しフタル酸ブチルベンジル(沸点370℃)3重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、320℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0095】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は550nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大1nmであった。
【0096】
(実施例17)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しアジピン酸ジオクチル(沸点355℃)3重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、310℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0097】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は554nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.8nmであった。
【0098】
(実施例18)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しセバシン酸ジオクチル(沸点377℃)3重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、320℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0099】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は553nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大0.8nmであった。
【0100】
(実施例19)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しトリフェニルホスフェート(TPP:沸点399℃)3重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、340℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmの未延伸フィルムを作製した。
【0101】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン190℃、延伸ゾーン190℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は555nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大1nmであった。
【0102】
(比較例1)
ポリサルホン樹脂を一軸押出機を用いて290℃でTダイより溶融押出し、表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み75μmのポリサルホン未延伸フィルムを作製した。この際可塑剤は混入しなかった。
【0103】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン195℃、延伸ゾーン195℃、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し平均厚み65μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は557nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大2nmであった。
【0104】
(比較例2)
ポリサルホン樹脂ペレット100重量部に対しフタル酸ジエチル(沸点298℃)22重量部をプランジャーポンプにて一軸押出機内に圧入し、260℃でTダイより溶融押出した。押し出したポリサルホン樹脂を表面温度140℃の金属ロールとゴムロールでニップ冷却し、平均厚み77μmの未延伸フィルムを作製した。
【0105】
この原反を縦一軸延伸機により、予熱ゾーン130℃、延伸ゾーン130℃で延伸倍率1.6倍で縦一軸延伸し平均厚み62μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は385nmとなり一般に使用する位相差400nmは発現しなかった。1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大1nmであった。
【0106】
(比較例3)
ポリサルホン樹脂(帝人アコモエンジニアリングプラスチック社製、品番:P−1700)ペレットを一軸押出機を用いて320℃でTダイより溶融押出し、表面温度165℃の金属ロールとゴムロールとでニップし、冷却し、平均厚み75μmのポリサルホン未延伸フィルムを得た。
【0107】
上記ポリサルホン未延伸フィルムをロール延伸機により、予熱ゾーン195℃、延伸ゾーン195℃とし、延伸倍率1.5倍で縦一軸延伸し、平均厚み65μmのフィルムを得た。
【0108】
得られたフィルムから実施例1と同様にして位相差フィルムサンプルを切り出し、評価した。
位相差フィルムサンプルの位相差値の平均値は565nmであり、1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値は8nmであった。
【0109】
(比較例4)
実施例11において、前処理工程を行わなかったことを除いては、実施例11と同様にして位相差フィルムを作製した。なお、延伸前の表面から厚み約2μmまでの表面層の溶剤含有率は約4%、原反フィルム全体の平均溶剤含有率は3.8%であった。
【0110】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は555nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大2.0nmであった。
【0111】
(比較例5)
前処理工程において、温度を130℃とし、延伸温度を155℃としたことを除いては、実施例11と同様にして位相差フィルムを作製した。なお、前処理工程直後であって延伸前に原反フィルムの表面から厚み約2μmまでの溶剤含有率を測定値としては約0%であり、原反フィルム全体の平均溶剤含有率は0.05%であった。
【0112】
得られたフィルムを実施例1と同様にして評価した。位相差の平均値は555nm、1cm離れた2点間の位相差の差は絶対値表示で最大1.6nmであった。
【0113】
(実施例及び比較例の評価)
上記実施例及び比較例で得た各位相差フィルムについての位相差及び位相差むら(1cm離れた2点間の位相差値の差の最大値)を下記の表1に示す。また、各位相差フィルムの厚みむらを差動トランス型マイクロメータ(マール社製、商品名:ミリトロン)を用いて測定した結果を表1に併せて示す。さらに、下記の要領で、各位相差フィルムの表面における面内方向屈折率差と厚み方向中心における面内方向屈折率差の比を測定し、表1に示した。
【0114】
位相差フィルムを、5mm厚みの支持ブロックに溶剤を用いて溶着し、10分間乾燥した後、ミクロトーム(ライヘルト社製、商品名:ウルトラカットE)を用いて厚みが約1/2となるようにスライスした。スライスされた面を屈折計(アタゴ社製、アッベ屈折計1T)に溶化メチレンで密着させ厚み方向中心の屈折率nxを測定した。また、スキン層がないと判断される場合には、屈折計に位相差フィルム表面側を密着させて得られる屈折率を表面における屈折率nxとした。スキン層が存在すると判断される場合には、位相差フィルムを上記と同様にミクロトームを用いて、但しスキン層のみを削り取るようにスライスし、スキン層が削り取られた面の屈折率を同様にして測定した。このようにして、厚み方向中心の屈折率及びフィルム表面の屈折率を測定した。上述した屈折率差の比は、(フィルム表面における屈折率nx−n0 )/(厚み方向中心における屈折率nx−n0 )により求められる。表1には、この比を示した。
【0115】
【表1】
Figure 0004052699
【0120】
【発明の効果】
請求項に記載の発明では、溶剤キャスト法により、成膜乾燥工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1工程において揮発成分を揮発させて位相差フィルムを得ているため、揮発成分の揮発により表面の面内方向屈折率差が中心における面内方向屈折率差に比べ大きな位相差フィルムを確実に提供することが可能となる。
【0121】
請求項に記載の発明では、押出成膜法により位相差フィルムを得るにあたり、押出直後あるいは溶融樹脂冷却工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1工程において、フィルム中の揮発成分を揮発させることにより、表面の面内方向屈折率差が厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べ大きなフィルムを確実に得ることができると共に、押出成膜法を利用するものであるため、高い生産性で上記位相差フィルムを安価に提供することが可能となる。
【0122】
請求項に記載の発明では、延伸工程において冷却しつつ延伸するため、延伸に際しての冷却により、厚みの厚い部分の温度を厚みの薄い部分に比べて相対的に高くすることにより、揮発成分の濃度分布に加え延伸時の温度分布により、さらに位相差を均一にすることができ、より一層位相差むらの少ない位相差フィルムを提供することが可能となる。
このように本発明の製造方法によって得られる位相差フィルムでは、フィルムの表面における面内方向屈折率差が中心における面内方向屈折率差に比べ大きくなっているため、屈折率差を有しないフィルムに比べ、位相差ムラが小さくなる。これは、フィルムの厚みにばらつきが生じていたとしても、表面の面内方向屈折率差が厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べ大きいため、表面の面内方向屈折率差により全体としての屈折率差が支配されることになるため、厚みばらつきが生じたとしても、上記屈折率差の大きな表面層の厚みを制御することにより、位相のばらつきを小さくすることができることによる。
従って、本発明により得られる位相差フィルムは、位相差むらが小さいため、例えば液晶表示装置において位相差を保証するのに用いた場合、面内方向の位相差が均一化されるため、色むらを確実に抑制することができる。よって、白黒液晶表示装置においては鮮明な白黒画面を、カラー液晶表示装置においては、階調反転(色相の反転)のないカラー表示を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スキン層が存在する場合の位相差フィルムの厚み方向における屈折率の変化を示す図。

Claims (3)

  1. 溶剤キャスト法による位相差フィルムの製造方法であって、溶剤キャスト法による成膜工程、成膜された原反フィルムを乾燥もしくは養生する工程、延伸予熱工程、及び延伸工程の少なくとも1つの工程において、フィルムの厚みの厚い部分の揮発成分含有量が薄い部分に比べて多くなるように、かつ揮発成分が揮発した層が面内方向において均一な厚みとなるように、フィルム中の揮発成分を揮発させることにより、フィルム表面の面内方向屈折率差がフィルム厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べて大きくされているフィルムを得ることを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
  2. 押出成膜法により位相差フィルムを製造方法する方法であって、
    フィルムの押出直後もしくは溶融樹脂冷却工程、養生工程、延伸予熱工程及び延伸工程の少なくとも1つの工程において、フィルムの厚みの厚い部分の揮発成分含有量が薄い部分に比べて多くなるように、かつ揮発成分が揮発した層が面内方向において均一な厚みとなるように、フィルム中の揮発成分である可塑剤を揮発させることにより、フィルム表面の面内方向屈折率差が厚み方向中心における面内方向屈折率差に比べて大きくされているフィルムを得ることを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記延伸工程において、冷却しつつ延伸することを特徴とする請求項1または2に記載の位相差フィルムの製造方法。
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