JPH1012275A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

Info

Publication number
JPH1012275A
JPH1012275A JP8185621A JP18562196A JPH1012275A JP H1012275 A JPH1012275 A JP H1012275A JP 8185621 A JP8185621 A JP 8185621A JP 18562196 A JP18562196 A JP 18562196A JP H1012275 A JPH1012275 A JP H1012275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous electrolyte
lithium
solvent
nonaqueous electrolyte
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8185621A
Other languages
English (en)
Inventor
Maruo Jinno
丸男 神野
Yasuyuki Kusumoto
靖幸 樟本
Atsushi Yanai
敦志 柳井
Toshiyuki Noma
俊之 能間
Koji Nishio
晃治 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP8185621A priority Critical patent/JPH1012275A/ja
Publication of JPH1012275A publication Critical patent/JPH1012275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/122

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極と、リチウムを活物質とする負極と、非
水電解液とを備えた非水電解液電池において、充電時等
に非水電解液が電極と反応して自己放電が生じるのを抑
制し、充放電効率やサイクル特性に優れた非水電解液電
池が得られるようにする。 【解決手段】 正極1と、リチウムを活物質とする負極
2と、非水電解液とを備えた非水電解液電池において、
非水電解液における溶質にトリフルオロメタンスルホン
酸リチウムを用いると共に、その溶媒にジアルコキシエ
タンと環状エーテルとを含む混合溶媒或いはジアルコキ
シエタンとトリエーテルとを含む混合溶媒を用いるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、正極と、リチウ
ムを活物質とする負極と、非水電解液とを備えた非水電
解液電池に係り、特に、非水電解液と電極との反応が抑
制されて、自己放電が少なく、充放電効率やサイクル特
性に優れた非水電解液電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高出力,高エネルギー密度の新型
電池として、電解質に非水電解液を用い、リチウムの酸
化,還元を利用した高起電力の非水電解液電池が利用さ
れるようになった。
【0003】ここで、このような非水電解液電池におい
ては、この非水電解液における溶媒として、一般にエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等の非プロ
トン性有機溶媒が使用されており、またこの非水電解液
における溶質としては、テトラフロオロホウ酸リチウム
LiBF4 や過塩素酸リチウムLiClO4 やヘキサフ
ルオロリン酸リチウムLiPF6 等が使用されていた。
【0004】しかし、このような非水電解液電池におい
ては、充電時等においてこの非水電解液が電極に吸蔵さ
れたリチウム等と反応し、いわゆる自己放電が生じて、
充放電効率が低下したり、サイクル特性が悪くなる等の
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、正極と、
リチウムを活物質とする負極と、非水電解液とを備えた
非水電解液電池における上記のような問題を解決するこ
とを課題とするものであり、充電時等において非水電解
液が電極と反応して自己放電が生じるということが少な
く、充放電効率やサイクル特性に優れた非水電解液電池
が得られるようにすることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明における第1の
非水電解液電池においては、上記のような課題を解決す
るため、正極と、リチウムを活物質とする負極と、非水
電解液とを備えた非水電解液電池において、上記の非水
電解液における溶媒にジアルコキシエタンと環状エーテ
ルとを含む混合溶媒を用いると共に、この非水電解液に
おける溶質にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを
用いるようにしたのである。
【0007】そして、この発明における第1の非水電解
液電池のように、その非水電解液における溶媒に、ジア
ルコキシエタンと環状エーテルとを含む混合溶媒を用い
ると共に、この非水電解液における溶質にトリフルオロ
メタンスルホン酸リチウムLiCF3 SO3 を用いる
と、電極、特に負極に用いた負極材料の表面にリチウム
イオン導電性の被膜が形成され、この被膜により充電時
等において負極におけるリチウムと非水電解液とが反応
して自己放電するのが抑制され、充放電効率やサイクル
特性が向上すると共に、この被膜におけるリチウムイオ
ン導電性が高いため、放電特性が低下するということも
ない。
【0008】ここで、上記の非水電解液においては、そ
の溶媒に用いるジアルコキシエタンとして、例えば、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−メトキシ
−n−プロポキシエタン等のCn H2n+1OCH2 CH2
OCm H2m+1(n,mは1〜4の整数)を用いることが
でき、また環状エーテルとして、例えば、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテ
トラヒドロフラン、2−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,
3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジ
オキサン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−
ジオキサン等を用いることができる。
【0009】また、上記のようなジアルコキシエタンと
環状エーテルとを混合させる割合については、充放電効
率等を向上させる上で、ジアルコキシエタンと環状エー
テルとの体積比が95:5〜5:95の範囲になるよう
にすることが好ましく、より好ましくは80:20〜2
0:80の範囲になるようにする。
【0010】また、この発明における第2の非水電解液
電池においては、上記のような課題を解決するため、正
極と、リチウムを活物質とする負極と、非水電解液とを
備えた非水電解液電池において、上記の非水電解液にお
ける溶媒にジアルコキシエタンとトリエーテルとを含む
混合溶媒を用いると共に、この非水電解液における溶質
にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを用いるよう
にしたのである。
【0011】そして、この発明における第2の非水電解
液電池のように、その非水電解液における溶媒に、ジア
ルコキシエタンとトリエーテルとを含む混合溶媒を用い
ると共に、この非水電解液における溶質にトリフルオロ
メタンスルホン酸リチウムLiCF3 SO3 を用いる
と、第1の非水電解液電池の場合と同様に、電極、特に
負極に用いた負極材料の表面にリチウムイオン導電性の
被膜が形成され、この被膜により充電時等において負極
におけるリチウムと非水電解液とが反応して自己放電す
るのが抑制され、充放電効率やサイクル特性が向上する
と共に、この被膜におけるリチウムイオン導電性が高い
ため、放電特性が低下するということもない。
【0012】ここで、上記の非水電解液において、その
溶媒に用いるジアルコキシエタンとしては、第1の非水
電解液電池の場合と同様のものを用いることができ、ま
たトリエーテルとしては、例えば、トリメトキシメタ
ン、トリエトキシメタン、1,1,1−トリメトキシエ
タン、1,1,2−トリメトキシエタン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル等を用いることができる。
【0013】また、上記のようなジアルコキシエタンと
トリエーテルとを混合させる割合については、充放電効
率等を向上させる上で、ジアルコキシエタンとトリエー
テルとの体積比が95:5〜5:95の範囲になるよう
にすることが好ましく、より好ましくは80:20〜2
0:80の範囲になるようにする。
【0014】また、この発明における上記の各非水電解
液電池において、その正極に使用する正極材料として
は、従来より使用されている公知の正極材料を用いるこ
とができ、リチウムイオンを吸蔵,放出できる金属化合
物、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、バナ
ジウム、ニオブの少なくとも1種を含むリチウム遷移金
属複合酸化物等を使用することができ、具体的には、L
iCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiFeO
2 等の材料を使用することができる。
【0015】また、この発明における非水電解液電池に
おいて、リチウムを活物質とする負極に使用する負極材
料としても、従来より使用されている公知の負極材料を
用いることができ、例えば、金属リチウム、リチウム合
金の他に、リチウムイオンを吸蔵,放出できる黒鉛等の
炭素材料を用いることができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係る非水電解液電池につい
て実施例をあげて具体的に説明すると共に、この実施例
に係る非水電解液電池においては、サイクル特性や充放
電効率が向上されることを比較例をあげて明らかにす
る。なお、この発明における非水電解質電池は下記の実
施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨
を変更しない範囲において適宜変更して実施できるもの
である。
【0017】(実施例1)この実施例においては、下記
のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用
い、直径が24mm,厚みが3.0mmになった図1に
示すような扁平なコイン型の非水電解液二次電池を作製
した。
【0018】[正極の作製]正極を作製するにあたって
は、正極材料として400℃で20時間熱処理した二酸
化マンガンを用い、この二酸化マンガンと、導電剤であ
るカーボンと、結着剤であるポリテトラフルオロエチレ
ンとを85:10:5の重量比で混合して正極合剤を調
整し、この正極合剤を加圧成型して円板状になった正極
を作製した。
【0019】[負極の作製]負極を作製するにあたって
は、リチウム圧延板を円形に打ち抜いて、円板状になっ
た金属リチウムの負極を作製した。
【0020】[非水電解液の作製]非水電解液を作製す
るにあたっては、下記の表1に示すように、ジアルコキ
シエタンである1,2−エトキシメトキシエタン(EM
E)と、環状エーテルであるテトラヒドロフラン(TH
F)とを50:50の体積比で混合させた混合溶媒を用
い、この混合溶媒に溶質としてトリフルオロメタンスル
ホン酸リチウムLiCF3 SO3 を1mol/lの割合
で溶解させて非水電解液を作製した。
【0021】[電池の作製]電池を作製するにあたって
は、図1に示すように、上記のようにして作製した正極
1をステンレス鋼(SUS304)からなる正極集電体
5に取り付けると共に、上記の負極2を同じステンレス
鋼で構成された負極集電体6に取り付ける一方、ポリプ
ロピレン性の不織布で構成されたセパレータ3に上記の
非水電解液を含浸させ、このセパレータ3を正極1と負
極2との間に設け、これを正極缶4aと負極缶4bとで
形成される電池ケース4内に収容させ、正極集電体5を
介して正極1を正極缶4aに接続させる一方、負極集電
体6を介して負極2を負極缶4bに接続させ、この正極
缶4aと負極缶4bとを絶縁パッキン7により電気的に
絶縁させて上記のコイン型になった非水電解液二次電池
を作製した。
【0022】(比較例1〜4)これらの比較例において
は、実施例1の非水電解液電池における非水電解液の作
製において、使用する溶質の種類だけを変更させ、下記
の表1に示すように、その溶質として、比較例1におい
てはLiClO4 を、比較例2においてはLiBF4
を、比較例3においてはLiPF6 を、比較例4におい
てはLiN(CF3 SO22 を用い、これらの溶質を
それぞれ実施例1と同じ混合溶媒に1mol/lの割合
で溶解させて非水電解液を作製し、それ以外について
は、実施例1の場合と同様にして各非水電解液二次電池
を作製した。
【0023】次に、上記のようにして作製した実施例1
及び比較例1〜4の各非水電解液二次電池について、そ
れぞれ温度15℃の下で、充電電流1mA/cm2 で充
電終止電圧3.2Vまで充電させた後、放電電流1mA
/cm2 で放電終止電圧2.0Vまで放電させ、この充
放電を1サイクルとして各非水電解液二次電池における
放電容量が初期の放電容量の50%になるまで充放電を
繰り返して行ない、そのサイクル数を求めて、その結果
を表1に合わせて示した。
【0024】
【表1】
【0025】この結果、非水電解液における溶媒に、ジ
アルコキシエタンである1,2−エトキシメトキシエタ
ンと、環状エーテルであるテトラヒドロフランとを混合
させた混合溶媒を用いると共に、その溶質にトリフルオ
ロメタンスルホン酸リチウムLiCF3 SO3 を使用し
た実施例1の非水電解液二次電池は、他の溶質を使用し
た比較例1〜4の非水電解液二次電池に比べて、放電容
量が50%低下するまでのサイクル数が2倍以上になっ
ており、サイクル数の増加に伴う放電容量の低下が少な
く、サイクル特性が向上されていた。
【0026】(実験例1〜15)これらの実験例におい
ては、上記の実施例1及び比較例1〜4において作製し
た各非水電解液を使用すると共に、実験例1〜5では負
極にリチウムを用いた場合を想定して作用極に電極面積
が1cm2 のニッケル電極を、実験例6〜10ではLi
−Al合金を用いた場合を想定して作用極に電極面積が
1cm2 のアルミニウム電極を、実験例11〜15では
作用極に電極面積が1cm2 の黒鉛電極を用いてそれぞ
れ充放電効率(%)を求め、その結果を下記の表2に示
した。
【0027】ここで、これらの実験例において、充放電
効率(%)を求めるにあたっては、非水電解液に実施例
1及び比較例1〜4において作製した各非水電解液及び
上記の各作用極を用いると共に、参照極及び対極にそれ
ぞれリチウム金属を使用し、温度15℃の条件下におい
て、1mA/cm2 の充電電流で上記の各作用極を1分
間充電させた後、1mA/cm2 の放電電流で各作用極
の電位が参照極に対して1Vになるまで放電を行ない、
それぞれ下記の式によって充放電効率(%)を求めた。 充放電効率(%)=(放電電気量/充電電気量)×10
【0028】
【表2】
【0029】この結果、上記のように1,2−エトキシ
メトキシエタンと、テトラヒドロフランとを混合させた
混合溶媒を用いると共に溶質にトリフルオロメタンスル
ホン酸リチウムを用いた実施例1における非水電解液を
使用した場合には、他の溶質を用いた比較例1〜4の非
水電解液を使用した場合に比べ、作用極にNi電極、A
l電極及び黒鉛電極の何れを使用した場合であってもそ
の充放電効率が非常に高くなっていた。
【0030】(実験例16〜24)これらの実験例にお
いては、非水電解液を作製するにあたって、その溶媒と
して、上記の1,2−エトキシメトキシエタン(EM
E)と、テトラヒドロフラン(THF)とを下記の表3
に示す体積比にした溶媒を使用し、各溶媒に対してそれ
ぞれトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを1mol
/lの割合で溶解させて各非水電解液を作製した。
【0031】そして、これらの各非水電解液を使用し、
作用極に電極面積が1cm2 のニッケル電極を用い、上
記の実験例1〜15の場合と同様にして充放電効率
(%)を求め、その結果を表3に合わせて示した。
【0032】
【表3】
【0033】この結果、溶質にトリフルオロメタンスル
ホン酸リチウムを用いると共に、溶媒にジアルコキシエ
タンである1,2−エトキシメトキシエタンと環状エー
テルであるテトラヒドロフランとを混合させた混合溶媒
を使用した実験例17〜23のものは、溶媒に1,2−
エトキシメトキシエタンだけを使用した実験例16のも
のや、溶媒にテトラヒドロフランだけを使用した実験例
24のものに比べて充放電効率が向上しており、またこ
の混合溶媒においても、1,2−エトキシメトキシエタ
ンとテトラヒドロフランとの混合体積比が95:5〜
5:95の範囲になるようにして混合された混合溶媒、
特に、50:50の体積比で混合された混合溶媒を用い
た場合に、充放電効率が非常に高くなっていた。
【0034】(実験例25〜30)これらの実験例にお
いては、非水電解液を作製するにあたって、その溶媒と
して、上記の1,2−エトキシメトキシエタン(EM
E)と、下記の表4に示すジアルコキシエタンとを5
0:50の体積比で混合させた混合溶媒を使用し、各混
合溶媒に対してそれぞれトリフルオロメタンスルホン酸
リチウムを1mol/lの割合で溶解させて各非水電解
液を作製した。
【0035】そして、これらの各非水電解液を使用し、
作用極に電極面積が1cm2 のニッケル電極を用い、上
記の実験例1〜15の場合と同様にして充放電効率
(%)を求め、その結果を表4に合わせて示した。
【0036】
【表4】
【0037】この結果、溶質にトリフルオロメタンスル
ホン酸リチウムを用いると共に、環状エーテルであるテ
トラヒドロフランと上記の各ジアルコキシエタンを混合
させた混合溶媒を用いた場合には、溶媒に1,2−エト
キシメトキシエタンだけを使用した実験例16のもの
や、テトラヒドロフランだけを使用した実験例24のも
のに比べて充放電効率が向上しており、特に、ジアルコ
キシエタンにおけるアルコキシがエトキシであるジアル
コキシエタンを用いた場合には、充放電効率がさらに向
上した。
【0038】(実施例2〜11及び比較例5〜10)こ
れらの実施例においては、非水電解液を作製するにあた
り、その溶媒としてジアルコキシエタンと環状エーテル
との混合溶媒を用いるようにし、ジアルコキシエタンと
しては、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2
−エトキシメトキシエタン(EME)、1,2−ジエト
キシエタン(DEE)、1,2−メトキシn−プロポキ
シエタン(n−PME)を用いると共に、環状エーテル
としては、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル
テトラヒドロフラン(2MeTHF)、3−メチルテト
ラヒドロフラン(3MeTHF)、1,3−ジオキソラ
ン(DOXL)、2−メチル−1,3−ジオキソラン
(2MeDOXL)、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン(4MeDOXL)、1,2−ジオキサン(1,2−
DO)、1,3−ジオキサン(1,3−DO)を用い、
これらを下記の表5に示すように組み合わせて体積比5
0:50になった混合溶媒を使用し、各混合溶媒に対し
て、それぞれトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを
1mol/lの割合で溶解させて各非水電解液を作製し
た。
【0039】一方、比較例5〜10においては、非水電
解液を作製するにあたり、その溶媒として、ジアルコキ
シエタンと環状エーテルとの混合溶媒ではなく、下記の
表5に示すように、比較例5ではEMEとDMEとを、
比較例6では2MeTHFとTHFとを、比較例7では
EMEとプロピレンカーボネート(PC)とを、比較例
8ではEMEとγ−ブチロラクトン(γ−BL)とを、
比較例9ではPCとTHFとを、比較例10ではγ−B
LとTHFとをそれぞれ50:50の体積比で混合させ
た混合溶媒を使用し、上記の各実施例の場合と同様に、
各混合溶媒に対してそれぞれトリフルオロメタンスルホ
ン酸リチウムを1mol/lの割合で溶解させて各非水
電解液を作製した。
【0040】そして、これらの実施例2〜11及び比較
例5〜10における各非水電解液を使用し、作用極に電
極面積が1cm2 のニッケル電極を用い、前記の実験例
1〜15の場合と同様にして充放電効率(%)を求め、
その結果を表5に合わせて示した。
【0041】
【表5】
【0042】この結果、上記の実施例2〜11に示すよ
うに、非水電解液における溶媒として、ジアルコキシエ
タンと環状エーテルとの混合溶媒を用いると共に、溶質
にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを用いた場
合、非水電解液における溶媒として、ジアルコキシエタ
ンと環状エーテルとの混合溶媒以外の上記の各混合溶媒
を用いた比較例5〜10のものに比べて充放電効率が非
常に高くなっていた。
【0043】(実施例12)この実施例においては、実
施例1の非水電解液二次電池における非水電解液の作製
において、その溶媒として、ジアルコキシエタンである
1,2−エトキシメトキシエタン(EME)と、トリエ
ーテルであるトリメトキシメタン(TMM)とを50:
50の体積比で混合させた混合溶媒を用い、この混合溶
媒に溶質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム
LiCF3 SO3 を1mol/lの割合で溶解させて非
水電解液を作製し、それ以外については、実施例1の場
合と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0044】(比較例11〜14)これらの比較例にお
いては、上記の実施例12における非水電解液の作製に
おいて、使用する溶質の種類だけを変更させ、下記の表
6に示すように、その溶質として、比較例11ではLi
ClO4 を、比較例12ではLiBF4 を、比較例13
ではLiPF6 を、比較例14ではLiN(CF3 SO
22 を用い、これらの溶質をそれぞれ実施例12と同
じ混合溶媒に1mol/lの割合で溶解させて非水電解
液を作製し、それ以外については、実施例1の場合と同
様にして各非水電解液二次電池を作製した。
【0045】次に、上記のようにして作製した実施例1
2及び比較例11〜14の各非水電解液二次電池につい
て、前記の実施例1及び比較例1〜4の場合と同様に、
温度15℃の下で、充電電流1mA/cm2 で充電終止
電圧3.2Vまで充電させた後、放電電流1mA/cm
2 で放電終止電圧2.0Vまで放電させ、この充放電を
1サイクルとして各非水電解液二次電池における放電容
量が初期の放電容量の50%になるまで充放電を繰り返
して行ない、そのサイクル数を求めて、その結果を表6
に合わせて示した。
【0046】
【表6】
【0047】この結果、非水電解液における溶媒に、ジ
アルコキシエタンである1,2−エトキシメトキシエタ
ンと、トリエーテルであるトリメトキシメタンとを混合
させた混合溶媒を用いると共に、その溶質にトリフルオ
ロメタンスルホン酸リチウムLiCF3 SO3 を使用し
た実施例12の非水電解液二次電池は、他の溶質を使用
した比較例11〜14の非水電解液二次電池に比べて、
放電容量が50%低下するまでのサイクル数が2倍以上
になっており、サイクル数の増加に伴う放電容量の低下
が少なく、サイクル特性が向上されていた。
【0048】(実験例31〜39)これらの実験例にお
いては、非水電解液を作製するにあたって、その溶媒と
して、ジアルコキシエタンである1,2−エトキシメト
キシエタン(EME)と、トリエーテルであるトリメト
キシメタン(TMM)とを下記の表7に示す体積比にし
た溶媒を使用し、各溶媒に対してそれぞれトリフルオロ
メタンスルホン酸リチウムを1mol/lの割合で溶解
させて各非水電解液を作製した。
【0049】そして、これらの各非水電解液を使用し、
作用極に電極面積が1cm2 のニッケル電極を用い、前
記の実験例1〜15の場合と同様にして充放電効率
(%)を求め、その結果を表7に合わせて示した。
【0050】
【表7】
【0051】この結果、溶質にトリフルオロメタンスル
ホン酸リチウムを用いると共に、溶媒に、ジアルコキシ
エタンである1,2−エトキシメトキシエタンと、トリ
エーテルであるトリメトキシメタンとを混合させた混合
溶媒を使用した実験例32〜38のものは、溶媒に1,
2−エトキシメトキシエタンだけを使用した実験例31
のものや、溶媒にトリメトキシメタンだけを使用した実
験例39のものに比べて充放電効率が向上しており、ま
たこの混合溶媒においても、1,2−エトキシメトキシ
エタンとトリメトキシメタンとの混合体積比が95:5
〜5:95の範囲になるようにして混合された混合溶
媒、特に、50:50の体積比で混合された混合溶媒を
用いた場合に、充放電効率が非常に高くなっていた。
【0052】(実施例13〜20及び比較例15〜2
4)これらの実施例においては、非水電解液を作製する
にあたり、その溶媒としてジアルコキシエタンとトリエ
ーテルとの混合溶媒を用いるようにし、ジアルコキシエ
タンとしては、1,2−ジメトキシエタン(DME)、
1,2−エトキシメトキシエタン(EME)、1,2−
ジエトキシエタン(DEE)、1,2−メトキシn−プ
ロポキシエタン(n−PME)を用いると共に、トリエ
ーテルとしては、トリメトキシメタン(TMM)、トリ
エトキシメタン(TEM)、1,1,1−トリメトキシ
エタン(1,1,1−TME)、1,1,2−トリメト
キシエタン(1,1,2−TME)、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル(Diglyme)、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル(EDiglyme)を用
い、これらを下記の表8に示すように組み合わせて体積
比50:50になった混合溶媒を使用し、各混合溶媒に
対して、それぞれトリフルオロメタンスルホン酸リチウ
ムを1mol/lの割合で溶解させて各非水電解液を作
製した。
【0053】一方、比較例15〜24においては、非水
電解液を作製するにあたり、その溶媒にジアルコキシエ
タンとトリエーテルとの混合溶媒ではなく、下記の表8
に示すように、比較例15ではDMEとプロピレンカー
ボネート(PC)とを、比較例16ではDMEとγ−ブ
チロラクトン(γ−BL)とを、比較例17ではPCと
TMMとを、比較例18ではγ−BLとTMMとを、比
較例19ではEMEとDMEとを、比較例20では2−
メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)とテトラヒ
ドロフラン(THF)とを、比較例21ではEMEとP
Cとを、比較例22ではEMEとγ−BLとを、比較例
23ではPCとTHFとを、比較例24ではγ−BLと
THFとをそれぞれ50:50の体積比で混合させた混
合溶媒を使用し、各混合溶媒に対してそれぞれトリフル
オロメタンスルホン酸リチウムを1mol/lの割合で
溶解させて各非水電解液を作製した。
【0054】そして、これらの実施例13〜20及び比
較例15〜24における各非水電解液を使用し、作用極
に電極面積が1cm2 のニッケル電極を用い、前記の各
場合と同様にして充放電効率(%)を求め、その結果を
表8に合わせて示した。
【0055】
【表8】
【0056】この結果、上記の実施例13〜20に示す
ように、非水電解液における溶媒として、ジアルコキシ
エタンとトリエーテルとの混合溶媒を用いると共に、溶
質にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを用いた場
合には、非水電解液における溶媒として、ジアルコキシ
エタンとトリエーテルとの混合溶媒以外の上記の各混合
溶媒を用いた比較例15〜24のものに比べて、充放電
効率が非常に高くなっていた。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
非水電解液電池においては、その非水電解液における溶
質にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを用いると
共に、その溶媒にジアルコキシエタンと環状エーテルと
を含む混合溶媒或いはジアルコキシエタンとトリエーテ
ルとを含む混合溶媒を用いるようにしたため、電極と非
水電解液との反応が抑制され、特に負極に用いた負極材
料の表面にリチウムイオン導電性の被膜が形成され、こ
の被膜により充電時等において負極におけるリチウムと
非水電解液とが反応して自己放電が生じるということが
抑制され、充放電効率やサイクル特性に優れた非水電解
液電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製した
非水電解質二次電池の内部構造を示した断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 2 負極
フロントページの続き (72)発明者 能間 俊之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、リチウムを活物質とする負極
    と、非水電解液とを備えた非水電解液電池において、上
    記の非水電解液における溶媒にジアルコキシエタンと環
    状エーテルとを含む混合溶媒を用いると共に、この非水
    電解液における溶質にトリフルオロメタンスルホン酸リ
    チウムを用いたことを特徴とする非水電解液電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した非水電解液電池にお
    いて、上記の非水電解液における溶媒として、ジアルコ
    キシエタンと環状エーテルとが体積比で95:5〜5:
    95の範囲で混合された混合溶媒を用いたことを特徴と
    する非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 正極と、リチウムを活物質とする負極
    と、非水電解液とを備えた非水電解液電池において、上
    記の非水電解液における溶媒にジアルコキシエタンとト
    リエーテルとを含む混合溶媒を用いると共に、この非水
    電解液における溶質にトリフルオロメタンスルホン酸リ
    チウムを用いたことを特徴とする非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した非水電解液電池にお
    いて、上記の非水電解液における溶媒として、ジアルコ
    キシエタンとトリエーテルとが体積比で95:5〜5:
    95の範囲で混合された混合溶媒を用いたことを特徴と
    する非水電解液電池。
JP8185621A 1996-06-25 1996-06-25 非水電解液電池 Pending JPH1012275A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8185621A JPH1012275A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 非水電解液電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8185621A JPH1012275A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 非水電解液電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1012275A true JPH1012275A (ja) 1998-01-16

Family

ID=16174004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8185621A Pending JPH1012275A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 非水電解液電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1012275A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005050601A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
US7163767B2 (en) 2002-10-04 2007-01-16 Samsung Sdi Co., Ltd. Organic electrolytic solution and lithium battery employing the same
JP4864726B2 (ja) * 2004-02-11 2012-02-01 シオン・パワー・コーポレーション リチウム−硫黄電気化学的電池のための電解質
US20210098827A1 (en) * 2019-09-27 2021-04-01 Enevate Corporation Silicon-Based Energy Storage Devices With Electrolyte Containing Dimethoxyethane Based Compound

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7163767B2 (en) 2002-10-04 2007-01-16 Samsung Sdi Co., Ltd. Organic electrolytic solution and lithium battery employing the same
JP2005050601A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
JP4497858B2 (ja) * 2003-07-31 2010-07-07 三洋電機株式会社 リチウム二次電池
JP4864726B2 (ja) * 2004-02-11 2012-02-01 シオン・パワー・コーポレーション リチウム−硫黄電気化学的電池のための電解質
US20210098827A1 (en) * 2019-09-27 2021-04-01 Enevate Corporation Silicon-Based Energy Storage Devices With Electrolyte Containing Dimethoxyethane Based Compound
US11876179B2 (en) * 2019-09-27 2024-01-16 Enevate Corporation Silicon-based energy storage devices with electrolyte containing dimethoxyethane based compound

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10312826A (ja) 非水電解質電池及びその充電方法
JP2003282055A (ja) 非水電解液二次電池
JP4753593B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3416440B2 (ja) リチウム電池用負極及びリチウム電池
JP3287376B2 (ja) リチウム二次電池とその製造方法
JP4693372B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH0864240A (ja) 非水電解液電池
JP2000243437A (ja) 非水電解質電池用溶質及び非水電解質電池
JP4082853B2 (ja) リチウム二次電池
JP3197684B2 (ja) 非水系電解質二次電池
JP3639468B2 (ja) リチウム二次電池
JP3462764B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001052752A (ja) リチウム二次電池
JPH10255762A (ja) リチウム電池
JPH1012275A (ja) 非水電解液電池
JP3443290B2 (ja) 非水電解質電池
JP3281701B2 (ja) 非水系電解液電池
JPH1040955A (ja) 非水電解液および非水電解液二次電池
JP4497858B2 (ja) リチウム二次電池
JP2001052700A (ja) リチウム二次電池
JP2002170569A (ja) リチウム二次電池
JP3119928B2 (ja) 電池の電解液用非水溶媒
JPH103941A (ja) 非水電解液電池
JP4147448B2 (ja) 非水電解質二次電池およびこの製造方法
JP3423169B2 (ja) 非水電解液二次電池