JPH10122322A - ねじ駆動装置 - Google Patents
ねじ駆動装置Info
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- JPH10122322A JPH10122322A JP24773997A JP24773997A JPH10122322A JP H10122322 A JPH10122322 A JP H10122322A JP 24773997 A JP24773997 A JP 24773997A JP 24773997 A JP24773997 A JP 24773997A JP H10122322 A JPH10122322 A JP H10122322A
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Abstract
し得る構造を有するとともに、ねじ部の精度を向上させ
る。 【解決手段】 ねじ軸3と螺合するナット2をケース1
に回転自在に支持し、そのナットの外周にモータの回転
子5を、該回転子の外周にケースに固定されたモータの
固定子6をそれぞれ取付けてなるねじ駆動装置であっ
て、該ナットの外周に取付けられるモータの回転子は、
合成樹脂からなる固着層11にてナットと固着され、ナ
ットの外径および/または回転子の内径に、固着強化部
位13を備えてなる。
Description
し、とくにモータの回転子を構成するナットとねじ軸と
の間で回転運動を直線運動に変換するねじ駆動装置に関
する。
は、回転運動を直線運動に変換するねじ駆動装置が多用
され、ねじ部の精度がより高精度なものが要求されてい
る。従来、ねじ駆動装置はナットとモータの回転子とを
一体に成形して、このナットの外周にケースに固定され
たモータの固定子を配置する構成となっている。このよ
うなねじ駆動装置に組み込まれるモータの回転子は、通
常、脆性材料からなる焼結体である円筒状マグネットで
あり、ナットは合成樹脂で構成される場合が多い。この
ため、ねじ駆動装置の製造に際しては、円筒状マグネッ
トを金型のキャビティ内に配置した状態で、ナットを構
成する合成樹脂を射出成形するインサート成形によって
ナットと回転子とを一体に成形している。
マグネットの種類によってはヤング率の大きい場合もあ
る。この場合、ナットを一体成形する際の成形圧力に耐
えられなくなり、キャビティ内径と回転子外径との微少
な隙間であっても、回転子の伸び特性が許容できず回転
子が破損したりする問題が生じる。
間の微少な隙間は、インサート成形にとって回転子を金
型内にスムーズに配置するために必須の事項である。こ
のため、破損を抑えるためにナットの成形圧力を低く設
定すると、ねじ部の精度が悪くなるという問題が生じ
る。
になされたもので、簡便な手段により確実に回転子の破
損を防止し得る構造を有するとともに、ねじ部の精度を
向上させることのできるねじ駆動装置を提供することを
目的とする。
置は、ねじ軸と螺合するナットをケースに回転自在に支
持し、そのナットの外周にモータの回転子を、該回転子
の外周にケースに固定されたモータの固定子をそれぞれ
取付けてなるねじ駆動装置であって、該ナットの外周に
取付けられるモータの回転子は、合成樹脂からなる固着
層にてナットと固着され、ナットの外径および/または
回転子の内径に、固着強化部位を備えてなることを特徴
とする。
および回転子の内径の少なくとも一方に形成される凹凸
形状や部材であって、たとえば、固着層との回り止めあ
るいは抜け止めをいう。また、ナットは射出成形可能な
合成樹脂からなり、より具体的には熱可塑性ポリイミド
樹脂組成物からなることを特徴とする。さらに、固着層
は合成樹脂からなり、より具体的には射出成形可能な合
成樹脂からなることを特徴とする。
の溶融粘度よりも低い溶融粘度を有する合成樹脂からな
ることを特徴とする。ここで、合成樹脂の溶融粘度と
は、たとえば、射出成形するときのシリンダーまたはノ
ズルの温度において測定した粘度であり、その測定方法
はとくに限定されない。
はナットのねじ山の表面に、摩擦係数の小さい被覆層が
形成されていることを特徴とし、ねじ軸は非磁性鋼で形
成されてなることを特徴とする。この非磁性鋼からなる
ねじ軸のねじ面およびねじ面近傍の硬度が Hv 350 以上
であることを特徴とする。ここで、ねじ面近傍とは、ね
じ面の表面より少なくとも 1mm以内の厚さをいう。さら
に、ねじ軸またはナットのねじ山の一方を、断面が半円
形の形状で形成し、他方のねじ山を、一方のねじ山とね
じの進行方向に 2点で線接触する面で形成することを特
徴とする。
ータの回転子とを合成樹脂からなる固着層で一体に成形
しているので、ナットの成形時に成形圧力を低く設定す
る必要がない。その結果、高精度なねじ山を有するねじ
駆動装置が得られる。また、このような構造としたこと
により、製造時に金型のキャビティー内壁面と回転子の
間に隙間を有していても、回転子が破損することや表面
に傷付きが発生することがないので、回転子と固定子と
のギャップを狭くとれ電力効率のよいねじ駆動装置が得
られる。
により説明する。図1は、本発明に係るねじ駆動装置の
一例を示す断面図である。図1において、1はケース、
2はナットであり、ナット2の外周面に回転子5が、ケ
ース1の内周面に固定子6がそれぞれ取付けられ、この
両者によりナット2を回転駆動するモータ4を構成して
いる。ナット2の両端部の外周面に、ケース1の内面と
すベリ接触するラジアル軸受面7、7が形成されてい
る。また、ナット2の中央部分に設けた段差の両端面に
は、ケース1の内側端面とすべり接触するスラスト軸受
面8、8が形成されている。ナット2の内径には、ねじ
山9が形成され、このねじ山9に、ねじ軸3のねじ谷1
0が螺合している。
止、もしくは腐食を抑える点から非磁性のステンレス
鋼、アルミニウム合金鋼等の耐腐食性非磁性鋼や非鉄金
属系非磁性鋼で形成することが好ましい。非磁性鋼であ
ると、磁性化されにくいので、回転子などの磁石類の影
響を受けにくい。これは、磁性化されていないことによ
りS極、N極がなく回転子5のS極、N極との互いの吸
引力や反発力の影響がないため、ねじが停止していると
きでも磁気力による不要な回転動の発生防止にもつなが
る。また、ねじ回転時にステッピング的な回転とならず
トルク変動が少なく、滑らかな一定回転の回転動作とな
るため、非磁性鋼が好ましい。さらに、ねじ軸のねじ面
およびねじ面近傍の硬度が Hv 350 以上、好ましくはHv
370 以上、より好ましくは Hv 380 以上とすることに
より、ねじ軸の耐摩耗性が向上し、また滑らかな回転動
作が得られる。具体的には、表面硬度 Hv が350 〜700
、好ましくは350 〜500 、より好ましくは370 〜500
である。 Hv 350以上の表面硬度を得るために、ねじ軸
3のねじ面は転造加工、冷間加工等で造ることが好まし
い。なお、表面硬度の上限値は、金属材料の特性からお
よそ Hv 950 程度である。また、磁性の評価基準のひと
つである透磁率μ≦1.01の値を満足する非磁性鋼が好ま
しく、さらに透磁率が、たとえば、冷間加工率が 0〜50
%の範囲、好ましくは 10 〜40%の範囲でも、たとえば
10 以下、好ましくは 1以下、より好ましくは 1×10-2
〜 1×10-4の値を満足する非磁性鋼であることが好まし
い。このような非磁性鋼は、転造加工、冷間加工などに
よる磁性化の心配がないので、非磁性化のための熱処理
を省略でき好ましい。非磁性鋼は、炭素、マンガン、ニ
ッケル、クロム、また必要であれば、これらにケイ素、
硫黄、銅、リン、窒素などから選ばれる少なくとも一種
類以上の元素を含有し、そして好ましくはオーステナイ
ト組織を有する鋼であれば、非磁性、じん性、加工性に
優れ好ましいものといえる。これらは、高マンガン系、
高ニッケル系およびこれらの中間の性質を有するものに
大別される。このような非磁性鋼で被削性を有するもの
として、たとえば大同ステンレス(株)社製の高硬度非
磁性快削ステンレス鋼:DSH400Fなどを挙げるこ
とができる。
らなる固着層11にて固着されている。この固着層に使
用できる合成樹脂は、ナット2と回転子5とをともに固
着することのできる合成樹脂であれば使用することがで
きる。とくに脆性材料からなる焼結体である回転子5
と、通常合成樹脂からなるナット2とを固着し一体化す
ることのできる材料として、ナットを形成する合成樹脂
の溶融粘度よりも低い溶融粘度を有する合成樹脂である
ことが好ましい。なぜなら、固着層11の溶融粘度がナ
ット2の溶融粘度より低い合成樹脂であると、ナット2
と回転子5を射出成形によって固着層となる合成樹脂で
一体化するときに、ナット2を形成する成形圧力より、
低い成形圧力で射出することが可能なためである。ナッ
ト2の成形圧力より低い圧力で固着層11となる合成樹
脂を射出成形すれば、固着層で一体に形成されたナット
2に寸法変化は生じず、回転子5が破損することはない
からである。
り、ナットの外径および/または回転子5の内径に、固
着強化部位となる固着層との回り止めあるいは抜け止め
13を形成することが好ましい。回り止めあるいは抜け
止めとしては、たとえば、ナットの外径を多角形にす
る、ナットの外径に突起を設けることなどがある。この
ような構造とすることにより、ナット2と回転子5との
固着がより強固になる。
れの回り止めや、抜け止めの具体的な手段としては、そ
れぞれの内周部、もしくは外周部分に凸状、もしくは凹
状部を 1〜5 箇所、好ましくは、 2、3 箇所程度設けれ
ば安定した固定を期待でき、小型部材でもスペースを取
ることなく固定することができる。回転子5は、比較的
脆弱な脆性材料であるので、図1に示すようにへこみ形
状(抜け止め13)であることが好ましく、回転子5の
抜け止め手段が突起形状であると、突起部分の折損等も
予想される。また、抜け止め手段の突起部、もしくはへ
こみ部分の断面形状は、四角形などの多角形もしくは丸
形状などいずれでもよいが、生産性、加工性など、容易
に効率よく抜け止め部分を形成できるように丸形状が好
ましい。
層の固着・接着性が十分であれば、図4に示すように回
転子5の回り止め、抜け止めなどの手段は省略すること
もできる。具体的に説明すると、図1に示す回転子5
は、図4に示す回転子5のように、円環状でのみなる形
状で、内周面、外周面に凹凸のない円筒部材に置き換え
られたものであってもよく、すなわち、図1に示す抜け
止め13がない状態の回転子5であってもよい。このよ
うにすれば、たとえば射出成形時に回転子5に圧力がか
かっても凹凸部を起点とした回転子5の破損を防止する
ことができ、回転子5の機械的強度を低下させることが
ないので、この点からもこのような形状は有利でもあ
る。
ましくは、 5〜 10 角形の多角形にするとよい。多角形
の角数が少なすぎると、ナット部分の角度部分の肉厚を
必要以上に多くするため、ねじ駆動装置を小型化しずら
くなり、一方、角数が多すぎると、ナット回転時のナッ
ト2と固着樹脂層11との固定が十分でなくなり、ま
た、角数を増やすための射出金型や、またナットの切削
加工などの工数が増し効率的でない。このような理由か
ら、ナット2の外周部分は、 6〜8 角形であることがと
くに好ましい。
方向の固定手段であるが、スラスト方向の固定手段につ
いて以下に述べる。たとえば、図1に示すようにナット
2の外周部の一部に段差部分を設け、固着層11の軸方
向両端部分はフランジ形状とし固着樹脂層の両端部フラ
ンジ部の外周径は、回転子5の内周径よりも大きな径と
し、固着樹脂層はナット2部材の段差部分面と回転子5
のラジアル方向の両端面において、それぞれ密着もしく
は微小な隙間を有して固定している手段を採用すること
ができる。このようにすればナット2と回転子5とを容
易に固定でき、また、固着樹脂層のフランジ形状両端面
は、スラスト軸受面として利用することもできる。
結磁石などの希土類磁石、希土類・コバルト磁石やフェ
ライト粉末またはハードフェライトからなるフェライト
磁石やこれらのボンド系磁石等があり、具体的には、ネ
オジム−鉄系(Nd−Fe系)、ネオジム−鉄−ほう素
系(Nd−Fe−B系)、サマリウム−コバルト系(S
m−Co系)、サマリウム−鉄−窒素系(Sm−Fe−
N系)、サマリウム−鉄−コバルト−窒素系(Sm−F
e−Co−N系)等が挙げられ、いずれも脆性材料から
なる。それらの物性としては、引張り強度が 5〜10kgf/
mm2 程度で平均値で約 7〜8 kgf/mm2 程度、圧縮強度が
約 5〜15kgf/mm2 程度で平均値で約 8〜13kgf/mm2 程度
である。
ては、たとえば、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミ
ドイミド系樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂等のポリアミ
ド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、芳香族系ポリエ
ーテルエーテルケトン系樹脂等の芳香族ポリエーテルケ
トン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂等のポリアリーレンサルファイド
系樹脂、ポリシアノアリールエーテル系樹脂、芳香族系
ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、射出成形可能な溶融フッ素系樹脂等の熱可
塑性樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂やアリル系不飽和ポリエステル樹
脂などの熱硬化性樹脂、また、これら合成樹脂に各種配
合剤を配合した樹脂組成物を挙げることができる。な
お、芳香族系樹脂においては、全芳香族系樹脂であって
もよい。
性ポリイミド樹脂組成物が耐熱性、機械的強度、耐摩耗
性および摺動特性に優れているため好ましい。また、他
の樹脂を使用することもできる。たとえば、熱可塑性ポ
リイミド樹脂等の上述の樹脂群から選ばれる少なくとも
1種以上の機械的強度に優れた樹脂 50 〜 90 重量%
と、必要ならば石油系や天然系の黒鉛、またはフェノー
ル樹脂系、非フェノール樹脂系の原料を黒鉛化して得ら
れる固定炭素量 97 %以上、 100%以下の黒鉛約50 〜
10 重量%とからなる樹脂組成物 100重量部に、また、
別に必要ならばフッ素系樹脂約 1〜 20 重量部と、また
粉末状のフェノール系樹脂硬化物、たとえば、 300〜28
00℃で熱処理したフェノール・ホルムアルデヒド系樹脂
を出発原料とした硬化物、好ましくは前記樹脂を 800℃
以上で焼成した、いわゆるガラス状カーボン系の粉粒
物、約 5〜 30 重量部とを配合したものが好適である。
耗性、結晶化処理前後の成形品の収縮率ともに満足でき
る結果が得られない。また、黒鉛の配合量が 50 重量%
を超えると樹脂組成物の溶融粘度が高くなって射出成形
が困難となり 10 重量%未満では、耐摩耗性の改善効果
が十分に得られない。さらに、フッ素系樹脂の配合量が
約 1重量部未満の添加では、熱可塑性ポリイミド樹脂組
成物に十分な摺動特性が付与されず、 20 重量部を超え
ると熱可塑性ポリイミド樹脂本体の機械的強度が損なわ
れる。また、フェノール系樹脂硬化物の配合量が 5重量
部未満では、耐摩耗性の効果が得られず、 30 重量部を
超えると、組成物の溶融粘度が高くなって射出成形が困
難となるばかりか、摩耗係数を低減できない。このこと
は、熱可塑性ポリイミド樹脂のみならず、前述の合成樹
脂群から選ばれる少なくとも 1種以上の機械的強度に優
れた樹脂についても同様である。
く射出圧力を、たとえば 500〜2500kgf/cm2 ( 5〜25kg
f/mm2 )、添加剤等の組成配合によっては 800〜2000kg
f/cm2 ( 8〜20kgf/mm2 )、組成物の種類によっては10
00〜1600kgf/cm2 (10〜16kgf/mm2 )、保圧(射出保持
圧力)を 500〜1000kgf/cm2 ( 5〜10kgf/mm2 )、組成
物の種類によっては 700〜1000kgf/cm2 ( 7〜10kgf/mm
2 )のように高い射出圧力条件により成形する。このよ
うな粘度の高い組成物を高い圧力下において成形するこ
とで、機械的強度、寸法精度に優れ、ボイドの少ないね
じ成形体とすることができるため、ねじ山部の摩耗や折
損のない樹脂製ねじを得ることができる。
は、分子構造の繰り返し単位中に、熱的特性、機械的強
度等に優れたイミド基が芳香族基を取り囲みながらも、
熱などのエネルギーが加えられることにより適度な溶融
特性を示すエーテル結合部分を複数個有する構造のイミ
ド系樹脂がよく、機械的特性、剛性、耐熱性、射出成形
性を満足させるため、エーテル結合部を繰り返し単位中
に 2個有する熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましい。たと
えば、芳香族エーテルジアミン類や芳香族エーテルジイ
ソシアネート類等と、ピロメリット酸無水物、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカル
ボン酸無水物等の 1種以上の酸無水物またはその誘導体
との反応により得られる樹脂を挙げることができる。
重合体の一例を(I)式に示す。
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜
5 )、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。Yは炭素数 2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
からなる群から選ばれた 4価の基を表わす。)
脂は、たとえば、下記(II)式で示される芳香族エー
テルジアミンと 1種以上の芳香族テトラカルボン酸二無
水物の反応によって得られるポリアミド酸を脱水環化し
て得られる。
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜
5 )、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。)
ち、市販品としては(I)式におけるR1 〜R4 が全て
水素である三井東圧化学社製の商品名オーラム(AUR
UM)などを挙げることができる。その化学式を(II
I)式に示す。
族環の少なくとも 1種類以上を有する点で、機械的強度
が高く、また、エーテル結合を適度に有するため、成形
時に望ましい溶融粘度となるため生産性効率の優れた射
出成形が可能となるため好ましいものと言える。
る黒鉛の形態は薄片状、鱗片状、球状、棒状等その形状
は問わないが、低摩擦係数、耐摩耗性などの摺動特性を
重視するのであれば、球状のものが好ましく、一方、摺
動特性と生産性、価格等とで、平均して総合的に優れる
ものを選ぶのであれば、薄片状、鱗片状であっても十分
である。このような黒鉛としては、たとえば、天然系、
石油系ピッチ、コークス、タール、またフラン系樹脂、
ポリアクリロニトリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂等の樹脂類等を原料として、たとえば約 800
〜3000℃、原料によっては、約 1200 〜 2300 ℃の高温
熱処理温度で焼成したものであればよい。熱処理温度が
低すぎると、黒鉛の固定炭素量が十分に高くならず、一
方、熱処理温度が高すぎると、黒鉛の昇華等などが発生
して黒鉛の熱分解が急激に進行したり、また、そのよう
な高温にするためのエネルギー効率等の点で無駄が生じ
たりするため好ましくない。
脂の平均粒径は、 1〜50μm 、好ましくは 1〜40μm 、
さらに好ましくは 5〜25μm のものが望ましい。平均粒
径が大きすぎると、樹脂組成物中での分散不良の原因と
なり、摺動特性も満足できない。平均粒径が小さすぎる
と、凝集の原因となり、結果としてやはり分散不良とな
る。このような理由から、黒鉛の平均粒径は 1〜20μm
、さらには 5〜15μmであることがより好ましい。
動性、射出金型からの離型性等に優れた四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)などのパーフルオロ系フッ素樹脂が好ま
しく、とくに四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が好ま
しい。
炭素の周囲を全てフッ素で囲まれたもの、もしくは微量
の酸素を介して全てフッ素で取り囲まれているために安
定しており、低摩擦係数、非粘着性、耐熱性、耐薬品性
などの点で優れている。このような、フッ素系樹脂をナ
ット樹脂組成物中に所定量配合することで、ナットに摺
動性が付与され、たとえば射出成形からのナット部材の
ねじり抜き取り性が容易にもなり、また、少ない駆動力
でナット2を回転、駆動することもでき、これにより回
転子5、固定子6をも小型化することができる。このよ
うに、ナット2もしくはねじ軸3のような摺動部材にフ
ッ素系重合体を添加したり、また、塗布したりすること
によって、効率よくねじを駆動、回転させることができ
る。
度よりも低い溶融粘度を有する合成樹脂で、固着層に使
用できる合成樹脂の例としては、たとえば、ナットに前
述の熱可塑性ポリイミド樹脂組成物を用いた場合は、6
12ナイロン、610ナイロン、46ナイロン、66ナ
イロン、11ナイロン、12ナイロン、3ナイロン、6
ナイロン、芳香族ナイロン、共重合ナイロンなどのポリ
アミド系樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
から製造されるフェノキシ樹脂、内部可塑化ポリエステ
ル樹脂などを用いることができる。
このような固着用樹脂は、たとえば、JIS K 72
10に基づく試験法、もしくは、これに準ずる測定法等
により粘度を測定することもできるが、この方法に準じ
た射出成形時のシリンダーまたはノズルの温度において
測定した粘度であってもよく、測定方法はいずれであっ
てもよい。たとえば、溶融樹脂の剪断速度が102 〜104
sec-1、好ましくは103 〜104 sec-1のときに、溶融粘
度が 50 〜200 Pa・s 、好ましくは、 100〜150 Pa・s
のように比較的溶融粘度の低い樹脂材であれば、射出成
形時に、大きな充填圧力をかけなくても、金型のキャビ
ティ内へ樹脂が充填されやすい。
脂製ナット2とを射出圧力をたとえば、 100〜1300kgf/
cm2 ( 1〜13kgf/mm2 )、好ましくは 100〜800 kgf/cm
2 (1〜8 kgf/mm2 )、より好ましくは 100〜500 kgf/c
m2 ( 1〜5 kgf/mm2 )に設定し、保圧をたとえば、 10
0〜500 kgf/cm2 ( 1〜5 kgf/mm2 )、好ましくは 100
〜 300kgf/cm2 ( 1〜3 kgf/mm2 )に設定して射出によ
り固着しても回転子5は破損されにくいことが考えられ
る。なお、ナット2部材、回転子5部材ともに共通し
て、前述の圧力が低すぎると、ボイド、ひけ等の発生原
因となり、圧力が高すぎると、バリやクラッキング、ク
レージング等の発生原因となることが考えられる。さら
に、上記各々の圧力を回転子5の引っ張り強度、もしく
は圧縮強度よりも低い圧力下において射出成形すること
がより望ましいと考えられる。このようにして溶融粘度
の低い固着用樹脂材にて回転子5の機械的強度よりも低
い圧力下において、固着樹脂層を射出により形成するこ
とにより、脆弱な回転子5は成形圧力によって破損する
ことなく、効率よく、一体成形体を形成することができ
るようになる。
アミド系樹脂で具体的に説明する。ポリアミド系樹脂
は、分子構造中において、主鎖にアミド結合(−NHC
O−)を含む線状重合体であり結晶性樹脂である。その
ため、機械的特性に優れ、耐衝撃性もまたよい。そして
−NHCO−により親水性を有するので吸水性はある
が、これにより耐衝撃性、柔軟性は増加する。そのよう
な特性であるため、比較的脆性材料の回転子5と剛直な
樹脂材からなるナット2等を射出成形法によって固着し
ても、回転子5にはクラックなどの破損は発生しずらい
と考えられる。このような理由から、たとえば、標準品
などで、伸びが 1〜 300%の固着用樹脂、好ましくは 3
〜200 %のポリアミド系樹脂が好ましいと考えられる。
伸び率が小さすぎると、柔軟性に期待できず、大きすぎ
ると機械的強度、剛性が低下する。
−)を主鎖に有する樹脂は吸水性があるので、寸法精度
もそれと共に変化する。そのため、吸水率は少ないほう
が、回転子5とナット2とを長期間安定して固着固定す
る上で有利であり、たとえば標準品で吸水率が 0.1〜1
%、好ましくは 0.1〜0.5 %( 24 時間)であるものが
好適である。なお、前述の伸びは、たとえば、ASTM
D638、前述の吸水率は、たとえば、ASTM D
570により測定できるが、そのような測定方法に限定
されるものではなく、いずれの測定法であってもよい。
また、このような重合体よりなる成形体の表面硬度は比
較的大きく、耐摩耗性があり、また、低摩耗係数で自己
潤滑性も有するので、摺動特性も有しており、滑り軸受
材などとしての摺動材としてもまた好適である。なお、
摺動特性を向上させるため、固着用樹脂材 100重量部あ
たり、前述のポリイミド系樹脂へ所定量添加する理由と
同様に 1〜50重量部のフッ素系重合体や、また機械的強
度を向上させる目的として、 1〜100 重量部、好ましく
は 10 〜 50 重量部のガラス繊維等の強化繊維類等の少
なくとも1種類以上の充填材を固着用樹脂組成物に添
加、配合してもよい。
〜50μm 、繊維長 0.001〜10mm、好ましくは繊維径 1〜
25μm 、繊維長 0.01 〜1 mmであればよい。繊維径、繊
維長が細すぎたり、短すぎたりすると機械的強度が向上
されにくく、一方、繊維径、繊維長が太すぎたり、長す
ぎたりすると相手摺動材の摩耗の進行が早くなると考え
られるため好ましくない。
として、たとえば式(IV)に示されるようなポリアミ
ド612樹脂などを例示することができる。
ュポン社製商品名、ザイテルFE5382等を挙げるこ
とができる。
子の破損などを生じることなく一体成形することのでき
る厚さであればよい。その厚さは、たとえば 0.3〜5mm
、好ましくは 0.5〜3mm であればよい。層厚が薄すぎ
ると、固着、接着性に期待できず、厚すぎるとねじ駆動
装置を小型化できない。
トのねじ山の表面あるいはねじ軸の表面に摩擦係数の小
さい被覆層を被覆することにより、摺動抵抗を小さく、
かつ安定した摺動特性が得られる。好適な被覆層として
は、ポリフルオロアルキル重合体(PFAE)やフルオ
ロポリエーテル重合体などの含フッ素重合体が好まし
い。ここで、ポリフルオロアルキル重合体とは、たとえ
ば、CF3 (CF2 )7 −、H(CF2 )6 −、CF2
Cl (CF2 )11−、(CF3 )2 CF(CF2 )
7 −、CF2 Cl (CF3 )CF(CF2 )7 −などの
ポリフルオロアルキル基を有する重合体であり、フルオ
ロポリエーテル重合体は、一般式、−Cx F2x−O−
(x は 1〜4 の整数)で示される単位を主要構造単位と
し、数平均分子量が1000 〜50000 の重合体である。こ
のような含フッ素重合体は軸受材料に対して親和性の高
い官能基、たとえばエポキシ基、アミノ基、カルボキシ
ル基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、スル
ホン基、エステル基等を含有しているものが好ましい。
に、末端にイソシアネート基を有するパーフルオロ系ポ
リエーテル重合体(PFPE)がナット2などの基材と
付着性に優れ、また、前述のフッ素系樹脂の添加と同様
に、基材付着後のフルオロポリエーテル重合体の非粘着
性や摺動特性に優れており、またこのような被覆層の形
成は容易でもあり、摺動性、価格などに平均して総合的
に優れるため好ましい。
ォンブリンZ−DISOC(数平均分子量約 2000 )な
どを挙げることができる。
機溶媒に 0.1〜10重量%、効果的な薄層や、また液の歩
留まり性、価格等を考慮すれば 1〜5 重量%の濃度にな
るように希釈してナット2、もしくはねじ軸3のよう
な、少なくとも一方の摺動部材の摺動面に塗布する。塗
布方法は、塗布液の歩留まりがよく効率的な浸漬塗布法
(ディッピング)や、塗膜の厚みを精度よく形成できる
霧化塗布法(スプレー)などを適宜選択することができ
る。塗布後、自然乾燥もしくは生産性効率をあげるた
め、乾燥と薄層や基材の熱処理とを兼ねて、たとえば、
50〜 350℃、好ましくは、50〜 280℃の温度で、 1〜24
時間、好ましくは 1〜6 時間程度の加熱処理を施して
もよい。このようにして、形成される塗布層の厚さは
0.001〜 30 μm 、好ましくは、0.01〜 10 μmの厚さで
あればよい。層の厚さが薄すぎると良好な摺動特性を長
期間維持することが困難となり、厚すぎると、ナット2
とねじ軸3との隙間寸法精度の管理が困難となり、円滑
なねじの回転動作となりにくい。
図3により説明する。図2に示すように、ナット2のね
じ山9は断面が半円形の形状で形成され、これに対して
ねじ軸3のねじ谷10は、ナット2のねじ山9に対して
対称に傾斜する 2つの傾斜面10a、10bで形成され
ており、ねじ山9とねじ谷l0はねじの進行方向に 2点
で線接触している。このようなねじ駆動装置において
は、ケース1を固定した状態でナット2を回転させる
と、ねじ軸3が軸方向に移動する。逆に、ねじ軸3を固
定した状態でナット2を回転させると、ナット2とケー
ス1が直線移動する。この駆動においては、ナット2の
ねじ山9とねじ軸3のねじ谷10は 2点で線接触し、こ
れにナット2を形成する合成樹脂とナット2もしくはね
じ軸3を被覆したPFAE層、PFPE層もしくはPT
FE樹脂層12の潤滑性が加わることにより、ねじ山9
とねじ谷10の摺接部分の摩擦抵抗は極めて小さなもの
となる。このため、ねじ山9とねじ谷10の摺動時に生
じるトルクが大幅に低減され、ボールねじを用いた場合
と同様にトルク変動の少ない円滑な駆動力伝達を行うこ
とができる。
では、ねじ軸3のねじ谷10を、ナット2のねじ山9の
曲率半径R1 よりも大きく、かつ中心が互いに偏心する
曲率半径R2 、R2 を備えた 2つの円弧面10c、10
dで形成している。このようにねじ谷10をゴシック形
状としても、ねじ山9とねじ谷10を 2点で線接触させ
ることができ、駆動力伝達時のトルク損失を小さくする
ことができる。また、上述の場合は、ナットのねじ山を
半円形の形状に形成したが、逆にねじ軸のねじ山を半円
形に形成し、ナットのねじ山をそれに線接触する面で形
成してもよい。
に示すように、ナット2のねじ山の断面は半円径の形状
で、これに対するねじ軸3のねじ谷10は、ナット2の
ねじ山に対して、対称に傾斜する二つの傾斜面で形成さ
れる。本発明に係るねじは、図1に示されるようなすべ
りねじであって、ねじ山9とねじ谷10はねじの進行方
向に二点で線接触するようなねじに限らず、たとえば、
ミニチュアねじ、メートル並目ねじ、メートル細目ね
じ、ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじ、29度
台形ねじ、30度台形ねじ(メートル台形ねじ)等の台
形ねじや、また、丸形ねじ、テイ型ねじ、ノコ型ねじ、
三角ねじ、角ねじなどの角形ねじであったり、また、一
条ねじ、もしくは複数条の数条ねじであってもよく、あ
らゆるねじ形状に適用することができる。
て以下に示す。 (1)回転子:ネオジウムー鉄系焼結磁石(引張り強度
7.6kgf/mm2 、圧縮強度11 kgf/mm2 ) (2)ナット:熱可塑性ポリイミド樹脂(三井東圧化学
社製商品名、オーラム#450、射出成形温度約 400〜
430 ℃、 420℃における溶融粘度 300〜500 Pa・s 、射
出圧力 1500 kgf/cm2 、保圧 1500 から 800kgf/cm2 の
間で調整) 65 重量%に、黒鉛 20 重量%、フッ素系樹
脂 3重量%、フェノール系樹脂硬化物 12重量部からな
る熱可塑性ポリイミド樹脂組成物 (3)固着層:612ナイロン樹脂、デュポン社製商品
名、ザイテルFE5382(ガラス繊維 33 重量%混
入)、射出成形条件は、射出圧力を 200kgf/cm2 、保圧
を 200から 100kgf/cm2 の間で調整した。なお、射出成
形温度約 230〜290℃、 250℃における溶融粘度 70 〜1
80 Pa・s 、固着層の厚さ約 0.4〜1 mmである。 (4)ねじ軸:非磁性ステンレス鋼(大同ステンレス
(株)社製、DSH400F(透磁率:μ≦1.01)およ
びSUS303) (5)被覆層:フルオロポリエーテル重合体、モンテフ
ルロス社製商品名、フォンブリンZ一DISOC
せによりねじ駆動装置を作製した。まず、射出成形金型
にネオジウムー鉄系焼結磁石よりなる回転子と、その内
部にナットを挿入する。ナットの外径は 6角形とした。
ついで実施例1ないし実施例3においては612ナイロ
ン樹脂を、比較例1においては熱可塑性ポリイミド樹脂
組成物を回転子とナットとの隙間に充填する。固着樹脂
が固化した後、成形体を金型より取り出し回転子とナッ
トの一体成形品を得る。なお、固着樹脂として熱可塑性
ポリイミド樹脂組成物を用いた比較例1においては射出
成形金型内において回転子が破損した。
エーテル重合体を高フッ化有機溶媒として HCFC225(旭
硝子社製、アサヒクリーン AK-225 )溶媒に 3重量%の
濃度となるように溶解してナットのねじ部に浸漬塗布し
た。浸漬塗布後 70 ℃で 1時間、120 ℃で 3時間加熱乾
燥した。塗布後の層の厚さは 1μm 以下であった。
し、ねじ面は転造加工した。転造加工後のねじ面表面近
傍の硬度は、実施例2、実施例3および比較例1で用い
たSUS303が Hv 368 〜 Hv 373 であり、実施例1
で用いたDSH400Fが Hv 387 〜 Hv 401 であっ
た。最後に、全体を組み立てねじ駆動装置を得た。
行った。その結果を表2に示す。実施例および比較例の
評価項目および評価方法を以下に示す。なお、本測定に
使用した試験体は各n=5で行った。 (1)回転子の破損率:射出成形後、回転子にクラック
が入っているかを顕微鏡で観察し、クラックが入ってい
る確率を調査する。 (2)回転子の固着強度:ナットを固定した状態で回転
子に径方向ヘ力を加える。このときに回転子がナットか
ら剥がれたときのねじりトルクを測定する。 (3)ナットおよびねじ軸ねじ面の摩耗量:ナットを 1
20℃の潤滑油(出光社製、商品名T−40)中で固定
し、ねじ軸をサーボモータに接続して図6に示すパター
ンで 2500 万サイクル作動させた。作動後のナットの摩
耗量を測定する。 (4)ねじ効率:図4に示すように、各実施例および比
較例のナット2に対応する試験用の雌ねじ14を、有効
径 6.2mm、ピッチ 2.4mm、リード 2.4mmの各実施例およ
び比較例の回転子5に対応する雄ねじ(SUS303製
またはDSH400F製、切削加工後、ねじ面は転造加
工)15(軸15a付き)に嵌めた。そして、図5に示
すようなねじ効率測定装置にこれら雌ねじ14と雄ねじ
15を取り付けて摩擦トルクM(gf-cm )を測定し、こ
れを下記に示すねじ効率の算出式に代入してねじ効率η
を求めた。 η=R・Q・tanβ/M tanβ=n・p/π・d ここで、Rはねじ軸有効径/2 を、Qは軸方向荷重を、
nは条数を、pはピッチを、dは有効径を、Mは摩擦ト
ルクをそれぞれ示す。
を説明する。試験用の雌ねじ14は、軸付きの雄ねじ1
5を保持した状態で保持筒16と一体に固定されてお
り、保持筒16は、伝導べルト17を介してモータ18
により回転動力が伝えられて 2rpm で回転する。この
際、雄ねじ15には 1kgの重り19によって軸方向荷重
が垂直下向きに負荷されているので、ねじ面同士の摩擦
抵抗によるトルクMが、板ばね20の歪みとして現れる
こととなる。このトルクMは、図外のストレインアンプ
に繋がったストレインゲージ21により測定される。な
お、板ばね20の端部は、直交状に点接触する一対のロ
ーラ22により上下左右に移動自在である。
実施例3はナットの寸法変化が非常に小さく、回転子の
破損がない。さらに、回転子の固着強度およびねじ効率
において満足できる値になっている。ナットねじ山に含
フッ素重合体をコーティングした実施例3はねじ効率が
非常に高くなった。
外周に取付けられるモータの回転子が合成樹脂からなる
固着層にて固着されているので、回転子を破損すること
なく、かつ高精度なねじ山を保つことができる。さら
に、前工程や後工程を必要としないためコストの上昇を
抑えることができる等、生産性に優れている。
図である。
断面図である。
を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 ねじ軸と螺合するナットをケースに回転
自在に支持し、そのナットの外周にモータの回転子を、
該回転子の外周に前記ケースに固定されたモータの固定
子をそれぞれ取付けてなるねじ駆動装置であって、 前記ナットの外周に取付けられる前記モータの回転子
は、合成樹脂からなる固着層にて前記ナットと固着さ
れ、前記ナットの外径および/または前記回転子の内径
に、固着強化部位を備えてなることを特徴とするねじ駆
動装置。 - 【請求項2】 前記ナットは射出成形可能な合成樹脂か
らなることを特徴とする請求項1記載のねじ駆動装置。 - 【請求項3】 前記固着層は合成樹脂からなることを特
徴とする請求項1または請求項2記載のねじ駆動装置。 - 【請求項4】 前記合成樹脂は射出成形可能な合成樹脂
からなることを特徴とする請求項3記載のねじ駆動装
置。 - 【請求項5】 前記固着層は前記ナットを形成する合成
樹脂の溶融粘度よりも低い溶融粘度を有する合成樹脂か
らなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
れか1項記載のねじ駆動装置。 - 【請求項6】 前記ねじ軸またはナットのねじ山の表面
が摩擦係数の小さい被覆層からなることを特徴とする請
求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のねじ駆動装
置。 - 【請求項7】 前記ねじ軸が非磁性鋼であることを特徴
とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載のね
じ駆動装置。 - 【請求項8】 前記非磁性鋼からなるねじ軸のねじ面お
よびねじ面近傍の硬度が Hv 350 以上であることを特徴
とする請求項7記載のねじ駆動装置。 - 【請求項9】 前記ねじ軸または前記ナットのねじ山の
一方を、断面が半円形の形状で形成し、他方のねじ山
を、前記一方のねじ山とねじの進行方向に 2点で線接触
する面で形成したことを特徴とする請求項1ないし請求
項8のいずれか1項記載のねじ駆動装置。 - 【請求項10】 前記ナットが熱可塑性ポリイミド樹脂
組成物で形成されてなることを特徴とする請求項1ない
し請求項9のいずれか1項記載のねじ駆動装置。
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JPH10122322A true JPH10122322A (ja) | 1998-05-15 |
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-
1997
- 1997-08-27 JP JP24773997A patent/JP3818749B2/ja not_active Expired - Fee Related
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