JP2000334770A - 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置 - Google Patents
磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置Info
- Publication number
- JP2000334770A JP2000334770A JP11281800A JP28180099A JP2000334770A JP 2000334770 A JP2000334770 A JP 2000334770A JP 11281800 A JP11281800 A JP 11281800A JP 28180099 A JP28180099 A JP 28180099A JP 2000334770 A JP2000334770 A JP 2000334770A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- nut
- cylindrical magnetic
- magnetic body
- rotor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便な手段により、磁性体の破損を未然に防
止し得る。 【解決手段】 成形型のキャビティ14内に筒状磁性体
5を配置する工程と、この筒状磁性体の中空内部に空隙
部を有して筒状磁性体の内径を越え外径未満の鍔径を有
する鍔付き金属管16を挿入配置する工程と、上記鍔付
き金属管の鍔方向から樹脂2を射出成形する工程とを有
する。
止し得る。 【解決手段】 成形型のキャビティ14内に筒状磁性体
5を配置する工程と、この筒状磁性体の中空内部に空隙
部を有して筒状磁性体の内径を越え外径未満の鍔径を有
する鍔付き金属管16を挿入配置する工程と、上記鍔付
き金属管の鍔方向から樹脂2を射出成形する工程とを有
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体付き樹脂成
形体の製造方法に係り、特に脆性材料からなる筒状磁性
体付きナットを用いたねじ駆動装置の製造方法、および
ねじ駆動装置に関する。
形体の製造方法に係り、特に脆性材料からなる筒状磁性
体付きナットを用いたねじ駆動装置の製造方法、および
ねじ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】モータを構成するナットとねじ軸との間
で回転運動を直線運動に変換するものとして、図4に、
その断面図を示すねじ駆動装置がある(実開平5−96
605号公報)。図4において、1はケース、2aは樹
脂製のナットであり、ナット2aの外周面に筒状磁性体
からなる回転子5aが一体的に取り付けられ、ケース1
の内周面に固定子6が取り付けられ、この両者によりナ
ット2aを回転駆動するモータ4を構成している。ナッ
ト2aの両端部の外周面に、ケース1の内面とすベリ接
触するラジアル軸受面7、7が形成されている。また、
ナット2aの中央部分に設けた段差の両端面には、ケー
ス1の内側端面とすべり接触するスラスト軸受面8、8
が形成されている。ナット2aの内周面には、ねじ山9
が形成され、このねじ山9に、ねじ軸3のねじ谷10が
螺合している。
で回転運動を直線運動に変換するものとして、図4に、
その断面図を示すねじ駆動装置がある(実開平5−96
605号公報)。図4において、1はケース、2aは樹
脂製のナットであり、ナット2aの外周面に筒状磁性体
からなる回転子5aが一体的に取り付けられ、ケース1
の内周面に固定子6が取り付けられ、この両者によりナ
ット2aを回転駆動するモータ4を構成している。ナッ
ト2aの両端部の外周面に、ケース1の内面とすベリ接
触するラジアル軸受面7、7が形成されている。また、
ナット2aの中央部分に設けた段差の両端面には、ケー
ス1の内側端面とすべり接触するスラスト軸受面8、8
が形成されている。ナット2aの内周面には、ねじ山9
が形成され、このねじ山9に、ねじ軸3のねじ谷10が
螺合している。
【0003】従来、このようなねじ駆動装置に用いられ
る磁性体付き樹脂成形体は、図5に示す方法で製造され
ていた。図5は磁性体付き樹脂成形体の工程図である。
ここで、磁性体付き樹脂成形体の製造装置の主要部は、
図5(a)に示すように射出成形金型11、12(以
下、単に金型と称す)からなる。この金型内には、磁性
体付き樹脂成形体の外形状に適合したキャビティ14が
形成され、このキャビティ14に溶融樹脂を供給するた
めのスプルー15がキャビティ14に連通して設けられ
ている。磁性体付き樹脂成形体の製造に際しては、ま
ず、図5(b)に示すように可動金型12を開放した状
態で、キャビティ14に回転子などとなる筒状磁性体5
を内嵌したのち固定金型11に衝合する。つぎに、図5
(c)に示すようにその状態でスプルー15を通じて溶
融した樹脂2を圧送してキャビティ14内の筒状磁性体
5の中空内部に注入・充填する。この樹脂2を硬化させ
ることにより、図5(d)に示すように筒状磁性体5の
中空内部に樹脂2を一体成形した磁性体付き樹脂成形体
17を得ることができる。
る磁性体付き樹脂成形体は、図5に示す方法で製造され
ていた。図5は磁性体付き樹脂成形体の工程図である。
ここで、磁性体付き樹脂成形体の製造装置の主要部は、
図5(a)に示すように射出成形金型11、12(以
下、単に金型と称す)からなる。この金型内には、磁性
体付き樹脂成形体の外形状に適合したキャビティ14が
形成され、このキャビティ14に溶融樹脂を供給するた
めのスプルー15がキャビティ14に連通して設けられ
ている。磁性体付き樹脂成形体の製造に際しては、ま
ず、図5(b)に示すように可動金型12を開放した状
態で、キャビティ14に回転子などとなる筒状磁性体5
を内嵌したのち固定金型11に衝合する。つぎに、図5
(c)に示すようにその状態でスプルー15を通じて溶
融した樹脂2を圧送してキャビティ14内の筒状磁性体
5の中空内部に注入・充填する。この樹脂2を硬化させ
ることにより、図5(d)に示すように筒状磁性体5の
中空内部に樹脂2を一体成形した磁性体付き樹脂成形体
17を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁性体は、
一般的に脆性材料からなる焼結体であり、その組成材料
によってはヤング率の大きいものがある。ヤング率の大
きい磁性体を用いて磁性体付き樹脂成形体を製造する場
合、以下のような問題があった。すなわち、ねじ駆動装
置などに用いられる筒状磁性体5の中空内部に樹脂成形
体を射出成形により一体成形した場合、溶融樹脂の射出
圧力により筒状磁性体5の円周方向に引っ張り応力が発
生する。一方、筒状磁性体5を金型のキャビティ4に容
易に挿入するためには、磁性体5の外周面とキャビティ
4の内壁面との摺り合わせを必要とし、磁性体外周面と
キャビティの内壁面との間に隙間(クリアランス)を形
成する必要がある。その結果、前述した相互作用、つま
り磁性体の引っ張り特性で許容できない隙間が存在する
と、その磁性体が破損することがある。
一般的に脆性材料からなる焼結体であり、その組成材料
によってはヤング率の大きいものがある。ヤング率の大
きい磁性体を用いて磁性体付き樹脂成形体を製造する場
合、以下のような問題があった。すなわち、ねじ駆動装
置などに用いられる筒状磁性体5の中空内部に樹脂成形
体を射出成形により一体成形した場合、溶融樹脂の射出
圧力により筒状磁性体5の円周方向に引っ張り応力が発
生する。一方、筒状磁性体5を金型のキャビティ4に容
易に挿入するためには、磁性体5の外周面とキャビティ
4の内壁面との摺り合わせを必要とし、磁性体外周面と
キャビティの内壁面との間に隙間(クリアランス)を形
成する必要がある。その結果、前述した相互作用、つま
り磁性体の引っ張り特性で許容できない隙間が存在する
と、その磁性体が破損することがある。
【0005】本発明は、そのような問題に対処するため
になされたもので、簡便な手段により、磁性体の破損を
未然に防止し得る磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動
装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置を提供すること
を目的とする。
になされたもので、簡便な手段により、磁性体の破損を
未然に防止し得る磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動
装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁性体付き
樹脂成形体の製造方法は、成形型のキャビティ内に筒状
磁性体を配置する工程と、この筒状磁性体の中空内部に
空隙部を有して筒状磁性体の内径を越え外径未満の鍔径
を有する鍔付き金属管を挿入配置する工程と、上記鍔付
き金属管の鍔方向から樹脂を射出成形する工程とを有す
ることを特徴とする。また、上記鍔付き金属管内部に鍔
方向から樹脂を射出成形する工程が筒状磁性体の機械的
強度よりも高い成形圧力で行なうことを特徴とする。
樹脂成形体の製造方法は、成形型のキャビティ内に筒状
磁性体を配置する工程と、この筒状磁性体の中空内部に
空隙部を有して筒状磁性体の内径を越え外径未満の鍔径
を有する鍔付き金属管を挿入配置する工程と、上記鍔付
き金属管の鍔方向から樹脂を射出成形する工程とを有す
ることを特徴とする。また、上記鍔付き金属管内部に鍔
方向から樹脂を射出成形する工程が筒状磁性体の機械的
強度よりも高い成形圧力で行なうことを特徴とする。
【0007】本発明に係るねじ駆動装置の製造方法は、
ねじ軸と螺合するナットをケースに回転自在に支持する
工程と、このナットに脆性材料からなるモータの回転子
を上記ねじ軸の軸中心と同心円となる位置に設ける工程
と、上記回転子の外周に上記ケースに固定してモータの
固定子を設ける工程とからなるねじ駆動装置の製造方法
であって、上記ナットにモータの回転子を設ける工程
が、成形型のキャビティ内に筒状磁性体を配置する工程
と、上記筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状磁
性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
を挿入配置する工程と、上記鍔付き金属管の鍔方向から
樹脂を射出成形する工程とを有することを特徴とする。
また、前述の樹脂を射出成形する工程が筒状磁性体の機
械的強度よりも高い成形圧力で行なうことを特徴とす
る。ここで、筒状磁性体の機械的強度とは、樹脂の充填
圧力に抗する強度をいう。
ねじ軸と螺合するナットをケースに回転自在に支持する
工程と、このナットに脆性材料からなるモータの回転子
を上記ねじ軸の軸中心と同心円となる位置に設ける工程
と、上記回転子の外周に上記ケースに固定してモータの
固定子を設ける工程とからなるねじ駆動装置の製造方法
であって、上記ナットにモータの回転子を設ける工程
が、成形型のキャビティ内に筒状磁性体を配置する工程
と、上記筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状磁
性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
を挿入配置する工程と、上記鍔付き金属管の鍔方向から
樹脂を射出成形する工程とを有することを特徴とする。
また、前述の樹脂を射出成形する工程が筒状磁性体の機
械的強度よりも高い成形圧力で行なうことを特徴とす
る。ここで、筒状磁性体の機械的強度とは、樹脂の充填
圧力に抗する強度をいう。
【0008】本発明に係る磁性体付き樹脂成形体および
ねじ駆動装置の製造方法は、金型のキャビティ内壁面と
回転子との間に隙間を有していても、回転子が破損する
ことや表面に傷付きが発生することなく、かつ、ナット
の射出成形で成形圧力を高く設定できるため、高精度な
ねじ山を形成することができる。
ねじ駆動装置の製造方法は、金型のキャビティ内壁面と
回転子との間に隙間を有していても、回転子が破損する
ことや表面に傷付きが発生することなく、かつ、ナット
の射出成形で成形圧力を高く設定できるため、高精度な
ねじ山を形成することができる。
【0009】本発明に係るねじ駆動装置は、ねじ軸と螺
合するナットをケースに回転自在に支持し、そのナット
の外周に筒状磁性体からなるモータの回転子を、ケース
にモータの固定子をそれぞれ取り付け、上記回転子の中
空内部に空隙部を有してその回転子の内径を越え外径未
満の鍔径を有する鍔付き金属管を配置し、上記ナットを
射出成形可能な樹脂で形成し、そのナット表面にケース
とすべり接触する軸受面を設けたことを特徴とする。上
述の磁性体付き樹脂成形体を用いることにより、高精度
なねじ山が形成され、ねじ効率に優れる。また、鍔付き
金属管を金型内に配置するのみで、前工程や後工程を必
要としない。
合するナットをケースに回転自在に支持し、そのナット
の外周に筒状磁性体からなるモータの回転子を、ケース
にモータの固定子をそれぞれ取り付け、上記回転子の中
空内部に空隙部を有してその回転子の内径を越え外径未
満の鍔径を有する鍔付き金属管を配置し、上記ナットを
射出成形可能な樹脂で形成し、そのナット表面にケース
とすべり接触する軸受面を設けたことを特徴とする。上
述の磁性体付き樹脂成形体を用いることにより、高精度
なねじ山が形成され、ねじ効率に優れる。また、鍔付き
金属管を金型内に配置するのみで、前工程や後工程を必
要としない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る磁性体付き樹脂成形
体の製造工程を図1により説明する。まず、製造装置の
主要部は、図1(a)に示すように金型11、12から
なり、固定金型11と可動金型12を衝合することによ
り磁性体付き樹脂成形体の外形状に適合したキャビティ
14が形成され、そのキャビティ14の中心部には成形
体の軸穴になるコアピン13が配置され、また溶融樹脂
をキャビティ14に供給するためのスプルー15がキャ
ビティ14に連通している。
体の製造工程を図1により説明する。まず、製造装置の
主要部は、図1(a)に示すように金型11、12から
なり、固定金型11と可動金型12を衝合することによ
り磁性体付き樹脂成形体の外形状に適合したキャビティ
14が形成され、そのキャビティ14の中心部には成形
体の軸穴になるコアピン13が配置され、また溶融樹脂
をキャビティ14に供給するためのスプルー15がキャ
ビティ14に連通している。
【0011】まず、可動金型12を開放した状態で、キ
ャビティ14に筒状磁性体5を挿入し、さらに筒状磁性
体5の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
16を、筒状磁性体5との間に筒状の空隙部を有して挿
入したのち、図1(b)に示すように固定金型11に衝
合する。固定金型11には、キャビティ14と連通する
ようにスプルー15が形成されている。鍔付き金属管1
6の鍔部分は、スプルー15側となるように挿入され
る。図1(c)に示すように、この状態でスプルー15
を通じて溶融状態の樹脂2を圧送してコアピン13など
の外周面と鍔付き金属管16の内壁面との間の筒状空間
に注入・充填する。その後、注入・充填された樹脂2を
硬化後、固定金型11から可動金型12を離脱させてそ
の可動金型12のキャビティ14を開口させ、エジェク
トピン等の適宜の手段により図1(d)に示す磁性体付
き樹脂成形体17を離型させる。このようにすれば、筒
状磁性体5の円周方向に引っ張応力等が発生しないので
磁性体5が破損することはない。その結果、ヤング率の
大きい磁性体5でも使用することが可能となる。
ャビティ14に筒状磁性体5を挿入し、さらに筒状磁性
体5の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
16を、筒状磁性体5との間に筒状の空隙部を有して挿
入したのち、図1(b)に示すように固定金型11に衝
合する。固定金型11には、キャビティ14と連通する
ようにスプルー15が形成されている。鍔付き金属管1
6の鍔部分は、スプルー15側となるように挿入され
る。図1(c)に示すように、この状態でスプルー15
を通じて溶融状態の樹脂2を圧送してコアピン13など
の外周面と鍔付き金属管16の内壁面との間の筒状空間
に注入・充填する。その後、注入・充填された樹脂2を
硬化後、固定金型11から可動金型12を離脱させてそ
の可動金型12のキャビティ14を開口させ、エジェク
トピン等の適宜の手段により図1(d)に示す磁性体付
き樹脂成形体17を離型させる。このようにすれば、筒
状磁性体5の円周方向に引っ張応力等が発生しないので
磁性体5が破損することはない。その結果、ヤング率の
大きい磁性体5でも使用することが可能となる。
【0012】鍔付き金属管16を図2により説明する。
図2は、筒状磁性体5への挿入状態を示す鍔付き金属管
16の斜視図である。鍔付き金属管16は、円筒部16
aの一端に鍔16bが一体に設けられている形状で、そ
の鍔径D1は筒状磁性体5の内径d2を越え、外径D2未
満に設定される。この設定により、スプルー15を通じ
て注入される樹脂2の射出圧力が直接筒状磁性体5に作
用する力を抑制できるため、筒状磁性体5の破損を防ぐ
ことができる。また、筒状磁性体の内径d2と、鍔付き
金属管の円筒部16aの外径d1との差(d2−d1)、
すなわち筒状磁性体と鍔付き金属管との隙間は、樹脂2
の射出圧力による鍔付き金属管16の外径膨張があって
も 0以上で、かつ隙間に樹脂が充填されなければよい。
その隙間は、例えば 0.01 〜0.40mm、好ましくは 0.01
〜0.2mm であればよい。この隙間が大きすぎると、隙間
に樹脂が充填され筒状磁性体16に引っ張り応力が発生
し、破損する場合がある。鍔付き金属管の円筒部16a
の長さH1は、筒状磁性体5の長さH2とほぼ同じ長さで
あることが好ましく、H1=H2±1mm 程度であることが
好ましい。H1が長すぎると樹脂が充填不良となる場合
があり、短すぎると筒状磁性体5に引っ張り応力が発生
する場合がある。
図2は、筒状磁性体5への挿入状態を示す鍔付き金属管
16の斜視図である。鍔付き金属管16は、円筒部16
aの一端に鍔16bが一体に設けられている形状で、そ
の鍔径D1は筒状磁性体5の内径d2を越え、外径D2未
満に設定される。この設定により、スプルー15を通じ
て注入される樹脂2の射出圧力が直接筒状磁性体5に作
用する力を抑制できるため、筒状磁性体5の破損を防ぐ
ことができる。また、筒状磁性体の内径d2と、鍔付き
金属管の円筒部16aの外径d1との差(d2−d1)、
すなわち筒状磁性体と鍔付き金属管との隙間は、樹脂2
の射出圧力による鍔付き金属管16の外径膨張があって
も 0以上で、かつ隙間に樹脂が充填されなければよい。
その隙間は、例えば 0.01 〜0.40mm、好ましくは 0.01
〜0.2mm であればよい。この隙間が大きすぎると、隙間
に樹脂が充填され筒状磁性体16に引っ張り応力が発生
し、破損する場合がある。鍔付き金属管の円筒部16a
の長さH1は、筒状磁性体5の長さH2とほぼ同じ長さで
あることが好ましく、H1=H2±1mm 程度であることが
好ましい。H1が長すぎると樹脂が充填不良となる場合
があり、短すぎると筒状磁性体5に引っ張り応力が発生
する場合がある。
【0013】鍔付き金属管の材質は、樹脂の射出圧力に
耐える金属材料であることが好ましい。具体的には、鋼
表面に錆等による腐食の防止、もしくは腐食を抑える点
から非磁性のステンレス鋼、アルミニウム合金鋼等の非
鉄金属系非磁性鋼で形成することが好ましい。非磁性鋼
であると、磁性化されにくいので、筒状磁性体5の影響
を受けにくい。これは、磁性化されていないことにより
S極、N極がなく筒状磁性体5のS極、N極との互いの
吸引力や反発力の影響がないためである。このため、磁
性体付き樹脂成形体をねじ駆動装置に応用した場合、ね
じが停止しているときでも磁気力による不要な回転動の
発生防止にもつながる。また、ねじ回転時にステッピン
グ的な回転とならずトルク変動が少なく、滑らかな一定
回転の回転動作となるため、非磁性鋼が好ましい。
耐える金属材料であることが好ましい。具体的には、鋼
表面に錆等による腐食の防止、もしくは腐食を抑える点
から非磁性のステンレス鋼、アルミニウム合金鋼等の非
鉄金属系非磁性鋼で形成することが好ましい。非磁性鋼
であると、磁性化されにくいので、筒状磁性体5の影響
を受けにくい。これは、磁性化されていないことにより
S極、N極がなく筒状磁性体5のS極、N極との互いの
吸引力や反発力の影響がないためである。このため、磁
性体付き樹脂成形体をねじ駆動装置に応用した場合、ね
じが停止しているときでも磁気力による不要な回転動の
発生防止にもつながる。また、ねじ回転時にステッピン
グ的な回転とならずトルク変動が少なく、滑らかな一定
回転の回転動作となるため、非磁性鋼が好ましい。
【0014】本発明に係るねじ駆動装置は、筒状磁性体
5をモータの回転子5aと、樹脂2をナット2aとし、
固定子6が取り付けられたケース1に組み込むことによ
り得ることができる。そのようなねじ駆動装置の一例を
図3(a)および図3(b)に示す。図3(a)および
図3(b)はねじ駆動装置の断面図を示す。モータ4の
回転子5aは、ねじ軸3の軸中心と同心円となる位置に
設けられる。回転子5aと固定子6とでモータ4が構成
される。ねじ軸3の軸中心と同心円となる位置であれ
ば、ねじ軸3の外周に設けることも(図3(a))、ね
じ軸3の横に設けることも(図3(b))できる。ま
た、ケース1とナット2aとはラジアル軸受面7、7、
スラスト軸受面8、8により支持されている。ナット2
aの内周面には、ねじ山9が形成され、このねじ山9
に、ねじ軸3のねじ谷10が螺合している。
5をモータの回転子5aと、樹脂2をナット2aとし、
固定子6が取り付けられたケース1に組み込むことによ
り得ることができる。そのようなねじ駆動装置の一例を
図3(a)および図3(b)に示す。図3(a)および
図3(b)はねじ駆動装置の断面図を示す。モータ4の
回転子5aは、ねじ軸3の軸中心と同心円となる位置に
設けられる。回転子5aと固定子6とでモータ4が構成
される。ねじ軸3の軸中心と同心円となる位置であれ
ば、ねじ軸3の外周に設けることも(図3(a))、ね
じ軸3の横に設けることも(図3(b))できる。ま
た、ケース1とナット2aとはラジアル軸受面7、7、
スラスト軸受面8、8により支持されている。ナット2
aの内周面には、ねじ山9が形成され、このねじ山9
に、ねじ軸3のねじ谷10が螺合している。
【0015】なお、図3(a)および図3(b)に示す
ねじ駆動装置において、回転子5aとナット2aとの間
に、回転子5aの回り止め、抜け止めなどの手段は有し
ていても省略していてもよい。回り止め、抜け止めなど
の手段を有する場合、ナット2aと回転子5aとの固着
がより強固になるとともに、小型部材でもスペースを取
ることなく固定することができる。
ねじ駆動装置において、回転子5aとナット2aとの間
に、回転子5aの回り止め、抜け止めなどの手段は有し
ていても省略していてもよい。回り止め、抜け止めなど
の手段を有する場合、ナット2aと回転子5aとの固着
がより強固になるとともに、小型部材でもスペースを取
ることなく固定することができる。
【0016】本発明に好適な磁性体としては、ネオジム
−鉄系焼結磁石などの希土類磁石、希土類・コバルト磁
石やフェライト粉末またはハードフェライトからなるフ
ェライト磁石やこれらのボンド系磁石等があり、具体的
には、ネオジム−鉄系(Nd−Fe系)、ネオジム−鉄
−ほう素系(Nd−Fe−B系)、サマリウム−コバル
ト系(Sm−Co系)、サマリウム−鉄−窒素系(Sm
−Fe−N系)、サマリウム−鉄−コバルト−窒素系
(Sm−Fe−Co−N系)等が挙げられ、いずれも脆
性材料からなる。それらの物性としては、引っ張り強度
が 5〜10kgf/mm2程度で平均値で約 7〜8 kgf/mm2程度、
圧縮強度が約 5〜15kgf/mm2程度で平均値で約 8〜13kgf
/mm2程度である。
−鉄系焼結磁石などの希土類磁石、希土類・コバルト磁
石やフェライト粉末またはハードフェライトからなるフ
ェライト磁石やこれらのボンド系磁石等があり、具体的
には、ネオジム−鉄系(Nd−Fe系)、ネオジム−鉄
−ほう素系(Nd−Fe−B系)、サマリウム−コバル
ト系(Sm−Co系)、サマリウム−鉄−窒素系(Sm
−Fe−N系)、サマリウム−鉄−コバルト−窒素系
(Sm−Fe−Co−N系)等が挙げられ、いずれも脆
性材料からなる。それらの物性としては、引っ張り強度
が 5〜10kgf/mm2程度で平均値で約 7〜8 kgf/mm2程度、
圧縮強度が約 5〜15kgf/mm2程度で平均値で約 8〜13kgf
/mm2程度である。
【0017】また、ナットなどの樹脂体の例としては、
例えば、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド
系樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂等のポリアミド系樹
脂、ポリエーテルイミド系樹脂、芳香族系ポリエーテル
エーテルケトン系樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン系
樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂等のポリアリーレンサルファイド系樹
脂、ポリシアノアリールエーテル系樹脂、芳香族系ポリ
エステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、射出成形可能な溶融フッ素系樹脂等の熱可塑性
樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノール系樹脂やアリル系不飽和ポリエステル樹脂など
の熱硬化性樹脂、また、これら合成樹脂に各種配合剤を
配合した樹脂組成物を挙げることができる。なお、芳香
族系樹脂においては、全芳香族系樹脂であってもよい。
例えば、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド
系樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂等のポリアミド系樹
脂、ポリエーテルイミド系樹脂、芳香族系ポリエーテル
エーテルケトン系樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン系
樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂等のポリアリーレンサルファイド系樹
脂、ポリシアノアリールエーテル系樹脂、芳香族系ポリ
エステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、射出成形可能な溶融フッ素系樹脂等の熱可塑性
樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノール系樹脂やアリル系不飽和ポリエステル樹脂など
の熱硬化性樹脂、また、これら合成樹脂に各種配合剤を
配合した樹脂組成物を挙げることができる。なお、芳香
族系樹脂においては、全芳香族系樹脂であってもよい。
【0018】これらの樹脂組成物の中で、特に熱可塑性
ポリイミド樹脂組成物が耐熱性、機械的強度、耐摩耗性
および摺動特性に優れているため好ましい。例えば、熱
可塑性ポリイミド樹脂等の上述の樹脂群から選ばれる少
なくとも 1種以上の機械的強度に優れた樹脂 50 〜 90
重量%と、必要ならばフェノール樹脂系または非フェノ
ール樹脂系の原料を黒鉛化して得られる固定炭素量 97
%以上、 100%以下の黒鉛約 50 〜 10 重量%とからな
る樹脂組成物 100重量部にフッ素系樹脂約 1〜20 重量
部と、また粉末状のフェノール系樹脂硬化物約 5〜 30
重量部とを配合したものが好適である。
ポリイミド樹脂組成物が耐熱性、機械的強度、耐摩耗性
および摺動特性に優れているため好ましい。例えば、熱
可塑性ポリイミド樹脂等の上述の樹脂群から選ばれる少
なくとも 1種以上の機械的強度に優れた樹脂 50 〜 90
重量%と、必要ならばフェノール樹脂系または非フェノ
ール樹脂系の原料を黒鉛化して得られる固定炭素量 97
%以上、 100%以下の黒鉛約 50 〜 10 重量%とからな
る樹脂組成物 100重量部にフッ素系樹脂約 1〜20 重量
部と、また粉末状のフェノール系樹脂硬化物約 5〜 30
重量部とを配合したものが好適である。
【0019】黒鉛の固定炭素量が 97 %未満では、耐摩
耗性、結晶化処理前後の成形品の収縮率ともに満足でき
る結果が得られない。また、黒鉛の配合量が約 50 重量
%を越えると樹脂組成物の溶融粘度が高くなって射出成
形が困難となり約 10 重量%未満では、耐摩耗性の改善
効果が十分に得られない。さらに、フッ素系樹脂の配合
量が約 1重量部未満の添加では、熱可塑性ポリイミド樹
脂組成物に十分な摺動特性が付与されず、約 20 重量部
を越えると熱可塑性ポリイミド樹脂本体の機械的強度が
損なわれる。また、フェノール系樹脂硬化物の配合量が
約 5重量部未満では、耐摩耗性の効果が得られず、約 3
0 重量部を越えると、組成物の溶融粘度が高くなって射
出成形が困難となるばかりか、摩耗係数を低減できな
い。このことは、熱可塑性ポリイミド樹脂のみならず、
前述の合成樹脂群から選ばれる少なくとも 1種以上の機
械的強度に優れた樹脂についても同様である。
耗性、結晶化処理前後の成形品の収縮率ともに満足でき
る結果が得られない。また、黒鉛の配合量が約 50 重量
%を越えると樹脂組成物の溶融粘度が高くなって射出成
形が困難となり約 10 重量%未満では、耐摩耗性の改善
効果が十分に得られない。さらに、フッ素系樹脂の配合
量が約 1重量部未満の添加では、熱可塑性ポリイミド樹
脂組成物に十分な摺動特性が付与されず、約 20 重量部
を越えると熱可塑性ポリイミド樹脂本体の機械的強度が
損なわれる。また、フェノール系樹脂硬化物の配合量が
約 5重量部未満では、耐摩耗性の効果が得られず、約 3
0 重量部を越えると、組成物の溶融粘度が高くなって射
出成形が困難となるばかりか、摩耗係数を低減できな
い。このことは、熱可塑性ポリイミド樹脂のみならず、
前述の合成樹脂群から選ばれる少なくとも 1種以上の機
械的強度に優れた樹脂についても同様である。
【0020】このようなナット2a部材は、樹脂の一般
的な成形条件より高い射出圧力を用いて射出成形をして
も構わない。具体的には、一般的な成形条件が 800〜11
00kgf/cm2であれば、上限を 1500kgf/cm2 程度にして成
形することができる。このような一般的条件より高い圧
力下において成形することで、機械的強度、寸法精度に
優れ、ボイドの少ないねじ成形体とすることができるた
め、ねじ山部の摩耗や折損のない樹脂製ねじを得ること
ができる。
的な成形条件より高い射出圧力を用いて射出成形をして
も構わない。具体的には、一般的な成形条件が 800〜11
00kgf/cm2であれば、上限を 1500kgf/cm2 程度にして成
形することができる。このような一般的条件より高い圧
力下において成形することで、機械的強度、寸法精度に
優れ、ボイドの少ないねじ成形体とすることができるた
め、ねじ山部の摩耗や折損のない樹脂製ねじを得ること
ができる。
【0021】ここに用いられる熱可塑性ポリイミド樹脂
は、分子構造の繰り返し単位中に、熱的特性、機械的強
度等に優れたイミド基が芳香族基を取り囲みながらも、
熱などのエネルギーが加えられることにより適度な溶融
特性を示すエーテル結合部分を複数個有する構造のイミ
ド系樹脂がよく、機械的特性、剛性、耐熱性、射出成形
性を満足させるため、エーテル結合部を繰り返し単位中
に 2個有する熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましい。
は、分子構造の繰り返し単位中に、熱的特性、機械的強
度等に優れたイミド基が芳香族基を取り囲みながらも、
熱などのエネルギーが加えられることにより適度な溶融
特性を示すエーテル結合部分を複数個有する構造のイミ
ド系樹脂がよく、機械的特性、剛性、耐熱性、射出成形
性を満足させるため、エーテル結合部を繰り返し単位中
に 2個有する熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましい。
【0022】具体的に、イミド基と芳香族基とを有する
重合体の一例を(I)式に示す。
重合体の一例を(I)式に示す。
【化1】 (式中、Xは直結または炭素数 1〜 10 の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。Yは炭素数 2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
からなる群から選ばれた 4価の基を表わす。)
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。Yは炭素数 2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
からなる群から選ばれた 4価の基を表わす。)
【0023】(I)式で示される熱可塑性ポリイミド樹
脂は、例えば、下記(II)式で示される芳香族エーテ
ルジアミンと 1種以上の芳香族テトラカルボン酸二無水
物の反応によって得られるポリアミド酸を脱水環化して
得られる。
脂は、例えば、下記(II)式で示される芳香族エーテ
ルジアミンと 1種以上の芳香族テトラカルボン酸二無水
物の反応によって得られるポリアミド酸を脱水環化して
得られる。
【化2】 (式中、Xは直結または炭素数 1〜 10 の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。)
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。)
【0024】このような熱可塑性ポリイミド樹脂のう
ち、市販品としては(I)式におけるR1〜R4が全て水
素である三井化学社製の商品名オーラム(AURUM)
などを挙げることができる。その化学式を(III)式
に示す。
ち、市販品としては(I)式におけるR1〜R4が全て水
素である三井化学社製の商品名オーラム(AURUM)
などを挙げることができる。その化学式を(III)式
に示す。
【化3】 このようなポリイミド系樹脂は、イミド基もしくは芳香
族環の少なくとも 1種類以上を有する点で、機械的強度
が高く、また、エーテル結合を適度に有するため、成形
時に望ましい溶融粘度となるため生産性効率の優れた射
出成形が可能となるため好ましいものと言える。
族環の少なくとも 1種類以上を有する点で、機械的強度
が高く、また、エーテル結合を適度に有するため、成形
時に望ましい溶融粘度となるため生産性効率の優れた射
出成形が可能となるため好ましいものと言える。
【0025】熱可塑性ポリイミド樹脂組成物に配合され
る黒鉛の形態は薄片状、鱗片状、球状、棒状等その形状
は問わないが、低摩擦係数、耐摩耗性などの摺動特性を
重視するのであれば、球状のものが好ましい。このよう
な黒鉛としては、例えば、ピッチ、コークス、タール、
フラン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、フェノール系樹脂等を原料として、約 800〜30
00℃で焼成したものであればよい。
る黒鉛の形態は薄片状、鱗片状、球状、棒状等その形状
は問わないが、低摩擦係数、耐摩耗性などの摺動特性を
重視するのであれば、球状のものが好ましい。このよう
な黒鉛としては、例えば、ピッチ、コークス、タール、
フラン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、フェノール系樹脂等を原料として、約 800〜30
00℃で焼成したものであればよい。
【0026】このような黒鉛の平均粒径は、 5〜50μm
、好ましくは 5〜25μm のものが望ましい。平均粒径
が大きすぎると、樹脂組成物中での分散不良の原因とな
り、摺動特性も満足できない。平均粒径が小さすぎる
と、凝集の原因となり、結果としてやはり分散不良とな
る。このような理由から、黒鉛の平均粒径は 5〜15μm
であることがより好ましい。
、好ましくは 5〜25μm のものが望ましい。平均粒径
が大きすぎると、樹脂組成物中での分散不良の原因とな
り、摺動特性も満足できない。平均粒径が小さすぎる
と、凝集の原因となり、結果としてやはり分散不良とな
る。このような理由から、黒鉛の平均粒径は 5〜15μm
であることがより好ましい。
【0027】また、フッ素系樹脂としては、耐熱性、摺
動性、射出金型からの離型性等に優れた四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)などのパーフルオロ系フッ素樹脂が摩擦
係数が小さくなるので好ましく、特に四フッ化エチレン
樹脂(PTFE)が好ましい。
動性、射出金型からの離型性等に優れた四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)などのパーフルオロ系フッ素樹脂が摩擦
係数が小さくなるので好ましく、特に四フッ化エチレン
樹脂(PTFE)が好ましい。
【0028】このような、フッ素系樹脂をナット樹脂組
成物中に所定量配合することで、ナットに摺動性が付与
され、例えば射出成形からのナット部材のねじり抜き取
り性が容易にもなり、また、少ない駆動力でナット2a
を回転、駆動することもできる。このように、ナット2
aもしくはねじ軸3のような摺動部材にフッ素系重合体
を添加したり、また、塗布したりすることによって、効
率よくねじを駆動、回転させることができる。
成物中に所定量配合することで、ナットに摺動性が付与
され、例えば射出成形からのナット部材のねじり抜き取
り性が容易にもなり、また、少ない駆動力でナット2a
を回転、駆動することもできる。このように、ナット2
aもしくはねじ軸3のような摺動部材にフッ素系重合体
を添加したり、また、塗布したりすることによって、効
率よくねじを駆動、回転させることができる。
【0029】本発明に係るねじ駆動装置の製造方法にあ
っては、上述のナットのねじ山の表面あるいはねじ軸の
表面に摩擦係数の小さいコーティング層を被覆すること
により、摺動抵抗を小さく、かつ安定した摺動特性が得
られる。好適なコーティング層としては、ポリフルオロ
アルキル重合体(PFAE)やフルオロポリエーテル重
合体などの含フッ素重合体が好ましい。ここで、ポリフ
ルオロアルキル重合体とは、例えば、CF3(CF2)7
−、H(CF2)6−、CF2Cl(CF2)11−、(C
F3)2CF(CF2)7−、CF2Cl(CF3)CF(C
F2)7−などのポリフルオロアルキル基を有する重合体
であり、フルオロポリエーテル重合体は、一般式、−C
xF2x−O−( xは 1〜4 の整数)で示される単位を主
要構造単位とし、数平均分子量が 1000 〜50000 の重合
体である。このような含フッ素重合体は軸受材料に対し
て親和性の高い官能基、例えばエポキシ基、アミノ基、
カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、イソシアネー
ト基、スルホン基、エステル基等を含有しているものが
好ましい。
っては、上述のナットのねじ山の表面あるいはねじ軸の
表面に摩擦係数の小さいコーティング層を被覆すること
により、摺動抵抗を小さく、かつ安定した摺動特性が得
られる。好適なコーティング層としては、ポリフルオロ
アルキル重合体(PFAE)やフルオロポリエーテル重
合体などの含フッ素重合体が好ましい。ここで、ポリフ
ルオロアルキル重合体とは、例えば、CF3(CF2)7
−、H(CF2)6−、CF2Cl(CF2)11−、(C
F3)2CF(CF2)7−、CF2Cl(CF3)CF(C
F2)7−などのポリフルオロアルキル基を有する重合体
であり、フルオロポリエーテル重合体は、一般式、−C
xF2x−O−( xは 1〜4 の整数)で示される単位を主
要構造単位とし、数平均分子量が 1000 〜50000 の重合
体である。このような含フッ素重合体は軸受材料に対し
て親和性の高い官能基、例えばエポキシ基、アミノ基、
カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、イソシアネー
ト基、スルホン基、エステル基等を含有しているものが
好ましい。
【0030】具体的には、以下の式(IV)に示すよう
に、末端にイソシアネート基を有するパーフルオロ系ポ
リエーテル重合体(PFPE)がナット2aなどの基材
と付着性に優れ、また、前述のフッ素系樹脂の添加と同
様に、基材付着後のフルオロポリエーテル重合体の非粘
着性や摺動特性に優れており、またこのような被覆層の
形成は容易でもあり、摺動性、価格などに平均して総合
的に優れるため好ましい。
に、末端にイソシアネート基を有するパーフルオロ系ポ
リエーテル重合体(PFPE)がナット2aなどの基材
と付着性に優れ、また、前述のフッ素系樹脂の添加と同
様に、基材付着後のフルオロポリエーテル重合体の非粘
着性や摺動特性に優れており、またこのような被覆層の
形成は容易でもあり、摺動性、価格などに平均して総合
的に優れるため好ましい。
【化4】 (式中、m、nは整数を表わす。) このようなものとして、モンテフルロス社製商品名:フ
ォンブリンZ−DISOC(数平均分子量約 2000 )な
どを挙げることができる。
ォンブリンZ−DISOC(数平均分子量約 2000 )な
どを挙げることができる。
【0031】そしてまた、ねじ軸3は、鋼表面に錆等に
よる腐食の防止、もしくは腐食を抑える点から非磁性の
ステンレス鋼、アルミニウム合金鋼等の非鉄金属系非磁
性鋼で形成することが好ましい。非磁性鋼であると、磁
性化されにくいので、回転子などの磁石類の影響を受け
にくい。これは、磁性化されていないことによりS極、
N極がなく回転子5aのS極、N極との互いの吸引力や
反発力の影響がないため、ねじが停止しているときでも
磁気力による不要な回転動の発生防止にもつながる。ま
た、ねじ回転時にステッピング的な回転とならずトルク
変動が少なく、滑らかな一定回転の回転動作となるた
め、非磁性鋼が好ましい。
よる腐食の防止、もしくは腐食を抑える点から非磁性の
ステンレス鋼、アルミニウム合金鋼等の非鉄金属系非磁
性鋼で形成することが好ましい。非磁性鋼であると、磁
性化されにくいので、回転子などの磁石類の影響を受け
にくい。これは、磁性化されていないことによりS極、
N極がなく回転子5aのS極、N極との互いの吸引力や
反発力の影響がないため、ねじが停止しているときでも
磁気力による不要な回転動の発生防止にもつながる。ま
た、ねじ回転時にステッピング的な回転とならずトルク
変動が少なく、滑らかな一定回転の回転動作となるた
め、非磁性鋼が好ましい。
【0032】そしてまた、本発明のねじ部形状は、図3
に示すように、ナット2aのねじ山9の断面は半円径の
形状で、これに対するねじ軸3のねじ谷10は、ナット
2aのねじ山に対して、対称に傾斜する二つの傾斜面で
形成される。本発明に係るねじは、図3(a)および図
3(b)に示されるようなすべりねじであって、ねじ山
9とねじ谷10がねじの進行方向に二点で線接触するよ
うなねじに限らず、例えば、ミニチュアねじ、メートル
並目ねじ、メートル細目ねじ、ユニファイ並目ねじ、ユ
ニファイ細目ねじ、29度台形ねじ、30度台形ねじ
(メートル台形ねじ)等の台形ねじや、また、丸形ね
じ、テイ型ねじ、ノコ型ねじ、三角ねじ、角ねじなどの
角形ねじであったり、また、一条ねじ、もしくは複数条
の数条ねじであってもよく、あらゆるねじ形状に適用す
ることができる。
に示すように、ナット2aのねじ山9の断面は半円径の
形状で、これに対するねじ軸3のねじ谷10は、ナット
2aのねじ山に対して、対称に傾斜する二つの傾斜面で
形成される。本発明に係るねじは、図3(a)および図
3(b)に示されるようなすべりねじであって、ねじ山
9とねじ谷10がねじの進行方向に二点で線接触するよ
うなねじに限らず、例えば、ミニチュアねじ、メートル
並目ねじ、メートル細目ねじ、ユニファイ並目ねじ、ユ
ニファイ細目ねじ、29度台形ねじ、30度台形ねじ
(メートル台形ねじ)等の台形ねじや、また、丸形ね
じ、テイ型ねじ、ノコ型ねじ、三角ねじ、角ねじなどの
角形ねじであったり、また、一条ねじ、もしくは複数条
の数条ねじであってもよく、あらゆるねじ形状に適用す
ることができる。
【0033】
【実施例】実施例および比較例で使用した材料を一括し
て以下に示す。 (1)回転子:ネオジウムー鉄系焼結磁石(引っ張り強
度 7.6kgf/mm2、圧縮強度 11kgf/mm2) (2)ナット樹脂:熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学
社製商品名、オーラム#450、射出成形温度約 400〜
430 ℃) 65 重量%に、黒鉛 20 重量%、フッ素系樹脂
3重量%、フェノール系樹脂硬化物 12 重量部からなる
熱可塑性ポリイミド樹脂組成物 (3)ナット被覆層:フルオロポリエーテル重合体、モ
ンテフルロス社製商品名、フォンブリンZ一DISOC (4)ねじ軸:非磁性ステンレス鋼 (5)鍔付き金属管:非磁性ステンレス鋼 上述の材料を用いてねじ駆動装置を作製した。比較例は
図4に示す従来方法によりねじ駆動装置を作製した。
て以下に示す。 (1)回転子:ネオジウムー鉄系焼結磁石(引っ張り強
度 7.6kgf/mm2、圧縮強度 11kgf/mm2) (2)ナット樹脂:熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学
社製商品名、オーラム#450、射出成形温度約 400〜
430 ℃) 65 重量%に、黒鉛 20 重量%、フッ素系樹脂
3重量%、フェノール系樹脂硬化物 12 重量部からなる
熱可塑性ポリイミド樹脂組成物 (3)ナット被覆層:フルオロポリエーテル重合体、モ
ンテフルロス社製商品名、フォンブリンZ一DISOC (4)ねじ軸:非磁性ステンレス鋼 (5)鍔付き金属管:非磁性ステンレス鋼 上述の材料を用いてねじ駆動装置を作製した。比較例は
図4に示す従来方法によりねじ駆動装置を作製した。
【0034】ねじ駆動装置に用いられる磁性体付き樹脂
成形体の作製方法を図1を援用して説明する。射出成形
金型11、12を準備し、可動金型12のキャビティ1
4を開放した状態で、そのキャビティ14に筒状磁性体
5となるネオジウムー鉄系焼結磁石および非磁性ステン
レス鋼からなる鍔付き金属管16を筒状の空隙部を有し
て挿入したのち、固定金型11に衝合した(図1
(b))。つぎに、スプルー15を通じて樹脂2を圧送
してコアピン13の外周面と鍔付き金属管16の内壁面
との間の筒状空間に注入・充填した(図1(c))。射
出成形条件は、射出圧力が 1500kgf/cm2、保圧は 1500
から 800kgf/cm2の間で調整し、また型温度が 200℃、
樹脂温度が 410℃に設定した。その後、注入・充填され
た樹脂2を硬化後、固定金型11から可動金型12を離
脱させてキャビティ14を開口させ、エジェクトピンに
より磁性体付き樹脂成形体17を離型させた。得られた
磁性体付き樹脂成形体を固定子が取り付けられたケース
に組み込みねじ駆動装置を得た。
成形体の作製方法を図1を援用して説明する。射出成形
金型11、12を準備し、可動金型12のキャビティ1
4を開放した状態で、そのキャビティ14に筒状磁性体
5となるネオジウムー鉄系焼結磁石および非磁性ステン
レス鋼からなる鍔付き金属管16を筒状の空隙部を有し
て挿入したのち、固定金型11に衝合した(図1
(b))。つぎに、スプルー15を通じて樹脂2を圧送
してコアピン13の外周面と鍔付き金属管16の内壁面
との間の筒状空間に注入・充填した(図1(c))。射
出成形条件は、射出圧力が 1500kgf/cm2、保圧は 1500
から 800kgf/cm2の間で調整し、また型温度が 200℃、
樹脂温度が 410℃に設定した。その後、注入・充填され
た樹脂2を硬化後、固定金型11から可動金型12を離
脱させてキャビティ14を開口させ、エジェクトピンに
より磁性体付き樹脂成形体17を離型させた。得られた
磁性体付き樹脂成形体を固定子が取り付けられたケース
に組み込みねじ駆動装置を得た。
【0035】得られたねじ駆動装置について、以下の評
価試験を行なった。実施例および比較例の評価項目およ
び評価方法を以下に示す。なお、本測定に使用した試験
体は各n= 20 で行なった。 (1)回転子の破損率:射出成形後、回転子にクラック
が入っているか否かを顕微鏡で観察し、クラックが入っ
ている確率を調査する。 (2)回転子の寸法変化:射出成形後、クラックの入ら
なかった回転子の外径寸法に変化があるか否かを測定す
る。 (3)ナットおよびねじ軸ねじ面の摩耗量:ナットを 1
20℃の潤滑油(出光社製、商品名T−40)中で固定
し、ねじ軸をサーボモータに接続して図7に示すパター
ンで 2500万サイクル作動させた。作動後のナットの摩
耗量を測定する。 (4)ねじ効率:図3に示すように、各実施例および比
較例のナット2aに対応する試験用の雌ねじ18を、有
効径3.6mm 、ピッチ2.4mm、リード2.4mmの各実施例およ
び比較例の回転子5aに対応する軸付きの雄ねじ(SU
S303製、切削加工後、ねじ面は転造加工)19に嵌
めた。そして、図6に示すようなねじ効率測定装置にこ
れら雌ねじ18と雄ねじ19を取り付けて摩擦トルクM
(gf−cm)を測定し、これを下記に示すねじ効率の算
出式に代入してねじ効率ηを求めた。 η=R・Q・tanβ/M tanβ=n・p/π・d ここで、Rはねじ軸有効径/2 を、Qは軸方向荷重を、
nは条数を、pはピッチを、dは有効径を、Mは摩擦ト
ルクをそれぞれ示す。
価試験を行なった。実施例および比較例の評価項目およ
び評価方法を以下に示す。なお、本測定に使用した試験
体は各n= 20 で行なった。 (1)回転子の破損率:射出成形後、回転子にクラック
が入っているか否かを顕微鏡で観察し、クラックが入っ
ている確率を調査する。 (2)回転子の寸法変化:射出成形後、クラックの入ら
なかった回転子の外径寸法に変化があるか否かを測定す
る。 (3)ナットおよびねじ軸ねじ面の摩耗量:ナットを 1
20℃の潤滑油(出光社製、商品名T−40)中で固定
し、ねじ軸をサーボモータに接続して図7に示すパター
ンで 2500万サイクル作動させた。作動後のナットの摩
耗量を測定する。 (4)ねじ効率:図3に示すように、各実施例および比
較例のナット2aに対応する試験用の雌ねじ18を、有
効径3.6mm 、ピッチ2.4mm、リード2.4mmの各実施例およ
び比較例の回転子5aに対応する軸付きの雄ねじ(SU
S303製、切削加工後、ねじ面は転造加工)19に嵌
めた。そして、図6に示すようなねじ効率測定装置にこ
れら雌ねじ18と雄ねじ19を取り付けて摩擦トルクM
(gf−cm)を測定し、これを下記に示すねじ効率の算
出式に代入してねじ効率ηを求めた。 η=R・Q・tanβ/M tanβ=n・p/π・d ここで、Rはねじ軸有効径/2 を、Qは軸方向荷重を、
nは条数を、pはピッチを、dは有効径を、Mは摩擦ト
ルクをそれぞれ示す。
【0036】図6に示すねじ効率測定装置について概要
を説明する。試験用のナット雌ねじ18は、軸付きの雄
ねじ19を保持した状態で保持筒20と一体に固定され
ており、保持筒20は、伝導ベルト21を介してモータ
22により回転動力が伝えられて 2rpm で回転する。こ
の際、ねじ軸3には 1kgの重り23によって軸方向荷重
が垂直下向きに負荷されているので、ねじ面同士の摩擦
抵抗によるトルクMが、板ばね24の歪みとして現れる
こととなる。このトルクMは、図外のストレインアンプ
に繋がったストレインゲージ25により測定される。な
お、板ばね24の端部は、直交状に点接触する一対のロ
ーラ26により上下左右に移動自在である。評価結果を
表1に示す。
を説明する。試験用のナット雌ねじ18は、軸付きの雄
ねじ19を保持した状態で保持筒20と一体に固定され
ており、保持筒20は、伝導ベルト21を介してモータ
22により回転動力が伝えられて 2rpm で回転する。こ
の際、ねじ軸3には 1kgの重り23によって軸方向荷重
が垂直下向きに負荷されているので、ねじ面同士の摩擦
抵抗によるトルクMが、板ばね24の歪みとして現れる
こととなる。このトルクMは、図外のストレインアンプ
に繋がったストレインゲージ25により測定される。な
お、板ばね24の端部は、直交状に点接触する一対のロ
ーラ26により上下左右に移動自在である。評価結果を
表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなとおり、実施例はナット
の寸法変化が非常に小さく、回転子の破損がない。さら
に、回転子の摩耗特性およびねじ効率において満足でき
る値になっている。
の寸法変化が非常に小さく、回転子の破損がない。さら
に、回転子の摩耗特性およびねじ効率において満足でき
る値になっている。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る磁性体付き樹脂成形体の製
造方法は、筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状
磁性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属
管を挿入配置して、その鍔付き金属管の鍔方向から樹脂
を射出成形するので、筒状磁性体を破損することなく磁
性体付き樹脂成形体を製造することができる。さらに、
前工程や後工程を必要としないためコストの上昇を抑え
ることができる等、生産性に優れている。
造方法は、筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状
磁性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属
管を挿入配置して、その鍔付き金属管の鍔方向から樹脂
を射出成形するので、筒状磁性体を破損することなく磁
性体付き樹脂成形体を製造することができる。さらに、
前工程や後工程を必要としないためコストの上昇を抑え
ることができる等、生産性に優れている。
【0040】本発明に係るねじ駆動装置の製造方法は、
ねじ軸と螺合するナットにモータの回転子を設ける工程
が、成形型のキャビティ内に筒状磁性体を配置する工程
と、上記筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状磁
性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
を挿入配置する工程と、上記鍔付き金属管の鍔方向から
樹脂を射出成形する工程とを有するので、回転子を破損
することなくねじ駆動装置を製造することができる。ま
た、ナット樹脂の射出圧力が高くても回転子が破損する
ことがないので、高精度なねじ山を得ることができる。
さらに、前工程や後工程を必要としないためコストの上
昇を抑えることができる等、生産性に優れている。
ねじ軸と螺合するナットにモータの回転子を設ける工程
が、成形型のキャビティ内に筒状磁性体を配置する工程
と、上記筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して筒状磁
性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
を挿入配置する工程と、上記鍔付き金属管の鍔方向から
樹脂を射出成形する工程とを有するので、回転子を破損
することなくねじ駆動装置を製造することができる。ま
た、ナット樹脂の射出圧力が高くても回転子が破損する
ことがないので、高精度なねじ山を得ることができる。
さらに、前工程や後工程を必要としないためコストの上
昇を抑えることができる等、生産性に優れている。
【0041】本発明に係るねじ駆動装置は、ねじ軸と螺
合するナットをケースに回転自在に支持し、そのナット
の外周に筒状磁性体からなるモータの回転子を、ケース
にモータの固定子をそれぞれ取り付け、上記回転子の中
空内部に空隙部を有してその回転子の内径を越え外径未
満の鍔径を有する鍔付き金属管を配置し、上記ナットを
射出成形可能な樹脂で形成し、そのナット表面にケース
とすべり接触する軸受面を設けたので、回転子が破損す
ることなく、かつ高精度なねじ山を保つことができる。
さらに、前工程や後工程を必要としないためコストの上
昇を抑えることができる等、生産性に優れている。
合するナットをケースに回転自在に支持し、そのナット
の外周に筒状磁性体からなるモータの回転子を、ケース
にモータの固定子をそれぞれ取り付け、上記回転子の中
空内部に空隙部を有してその回転子の内径を越え外径未
満の鍔径を有する鍔付き金属管を配置し、上記ナットを
射出成形可能な樹脂で形成し、そのナット表面にケース
とすべり接触する軸受面を設けたので、回転子が破損す
ることなく、かつ高精度なねじ山を保つことができる。
さらに、前工程や後工程を必要としないためコストの上
昇を抑えることができる等、生産性に優れている。
【図1】磁性体付き樹脂成形体の製造工程を示す図であ
る。
る。
【図2】鍔付き金属管の斜視図である。
【図3】ねじ駆動装置の断面図である。
【図4】従来のねじ駆動装置の断面図である。
【図5】従来の磁性体付き樹脂成形体の製造工程を示す
図である。
図である。
【図6】ねじ効率測定装置の概要図である。
【図7】作動パターンを示す図である。
【符号の説明】 1 ケース 2 樹脂 2a ナット 3 ねじ軸 4 モータ 5 筒状磁性体 5a 回転子 6 固定子 7 ラジアル軸受面 8 スラスト軸受面 9 ねじ山 10 ねじ谷 11、12 金型 13 コアピン 14 キャビティ 15 スプルー 16 鍔付き金属管 17 磁性体付き樹脂成形体
Claims (5)
- 【請求項1】 成形型のキャビティ内に筒状磁性体を配
置する工程と、 前記筒状磁性体の中空内部に空隙部を有して前記筒状磁
性体の内径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管
を挿入配置する工程と、 前記鍔付き金属管の鍔方向から樹脂を射出成形する工程
とを有することを特徴とする磁性体付き樹脂成形体の製
造方法。 - 【請求項2】 前記樹脂を射出成形する工程が、前記筒
状磁性体の機械的強度よりも高い成形圧力で行なうこと
を特徴とする請求項1記載の磁性体付き樹脂成形体の製
造方法。 - 【請求項3】 ねじ軸と螺合するナットをケースに回転
自在に支持する工程と、前記ナットに脆性材料からなる
モータの回転子を前記ねじ軸の軸中心と同心円となる位
置に設ける工程と、前記回転子の外周に前記ケースに固
定してモータの固定子を設ける工程とからなるねじ駆動
装置の製造方法であって、 前記ナットにモータの回転子を設ける工程は、成形型の
キャビティ内に筒状磁性体を配置する工程と、前記筒状
磁性体の中空内部に空隙部を有して前記筒状磁性体の内
径を越え外径未満の鍔径を有する鍔付き金属管を挿入配
置する工程と、前記鍔付き金属管の鍔方向から樹脂を射
出成形する工程とを有することを特徴とするねじ駆動装
置の製造方法。 - 【請求項4】 前記樹脂を射出成形する工程が、前記筒
状磁性体の機械的強度よりも高い成形圧力で行なうこと
を特徴とする請求項3記載のねじ駆動装置の製造方法。 - 【請求項5】 ねじ軸と螺合するナットをケースに回転
自在に支持し、そのナットの外周に筒状磁性体からなる
モータの回転子を、ケースにモータの固定子をそれぞれ
取り付けたねじ駆動装置において、前記回転子の中空内
部に空隙部を有して前記回転子の内径を越え外径未満の
鍔径を有する鍔付き金属管を配置し、前記ナットを射出
成形可能な樹脂で形成し、そのナット表面にケースとす
べり接触する軸受面を設けたことを特徴とするねじ駆動
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11281800A JP2000334770A (ja) | 1999-03-25 | 1999-10-01 | 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8129699 | 1999-03-25 | ||
JP11-81296 | 1999-03-25 | ||
JP11281800A JP2000334770A (ja) | 1999-03-25 | 1999-10-01 | 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000334770A true JP2000334770A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=26422326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11281800A Pending JP2000334770A (ja) | 1999-03-25 | 1999-10-01 | 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000334770A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002103333A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-09 | Asmo Co Ltd | モータコアの絶縁部成形装置 |
JP2008248247A (ja) * | 2008-04-07 | 2008-10-16 | Ntn Corp | 樹脂製ナットおよびすべりねじ装置 |
CN110757694A (zh) * | 2019-10-11 | 2020-02-07 | 扬州精创汽车设计有限公司 | 一种dcpd材料成型过程中防止预埋螺母堵塞的方法 |
-
1999
- 1999-10-01 JP JP11281800A patent/JP2000334770A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002103333A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-09 | Asmo Co Ltd | モータコアの絶縁部成形装置 |
JP2008248247A (ja) * | 2008-04-07 | 2008-10-16 | Ntn Corp | 樹脂製ナットおよびすべりねじ装置 |
CN110757694A (zh) * | 2019-10-11 | 2020-02-07 | 扬州精创汽车设计有限公司 | 一种dcpd材料成型过程中防止预埋螺母堵塞的方法 |
CN110757694B (zh) * | 2019-10-11 | 2021-11-26 | 扬州精创汽车设计有限公司 | 一种dcpd材料成型过程中防止预埋螺母堵塞的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3342667A (en) | Dry fluorocarbon bearing material | |
US20160341251A1 (en) | Sliding bearing | |
US20190226525A1 (en) | Sliding member | |
JP3818749B2 (ja) | ねじ駆動装置 | |
CN116376197A (zh) | 一种聚四氟乙烯密封材料及其制备方法 | |
WO2018062357A1 (ja) | 摺動部材 | |
CN105524412A (zh) | 抗静电peek树脂材料及其制备方法 | |
JP2000334770A (ja) | 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法、ならびにねじ駆動装置 | |
CN109312780B (zh) | 滑动性结构体及其制造方法 | |
KR20150010780A (ko) | 마찰공학적 방향족 폴리이미드 조성물 | |
JP6961988B2 (ja) | フィラー高含有組成物及び成形体の製造方法 | |
EP1790866A1 (en) | Retainer for bearing | |
CN102195380A (zh) | 具有缓冲层的塑料粘结磁体永磁转子 | |
WO2020195660A1 (ja) | 電動ウォータポンプ用すべり軸受 | |
JP3827413B2 (ja) | すべり装置およびキャリッジ | |
JP3658097B2 (ja) | 磁性体付き樹脂成形体およびねじ駆動装置の製造方法 | |
JP2005260016A (ja) | 繊維強化樹脂結合型磁石用組成物及びそれを用いてなる樹脂結合型磁石 | |
CN102324812A (zh) | 具有缓冲层的塑料粘结磁体永磁转子的制备方法 | |
JP2016060914A (ja) | 繊維強化ポリイミド樹脂成形体及びその製造方法 | |
JP7410737B2 (ja) | 電動ウォータポンプ用ロータ | |
JP2002129005A (ja) | ポリエーテル芳香族ケトン系樹脂組成物並びにフィルム及びシート | |
JP2000145786A (ja) | 樹脂製ベアリングおよびその製造方法 | |
Xinle et al. | Comparative Study on the Tribological Properties of Polyimides Fabricated by Vat Polymerization 3D Printing and Traditional Casting | |
JP3649896B2 (ja) | スラスト部材およびその使用方法 | |
JPH0939027A (ja) | マグネット付き樹脂成形体の製造方法 |