JP2002129005A - ポリエーテル芳香族ケトン系樹脂組成物並びにフィルム及びシート - Google Patents

ポリエーテル芳香族ケトン系樹脂組成物並びにフィルム及びシート

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JP2002129005A
JP2002129005A JP2000330557A JP2000330557A JP2002129005A JP 2002129005 A JP2002129005 A JP 2002129005A JP 2000330557 A JP2000330557 A JP 2000330557A JP 2000330557 A JP2000330557 A JP 2000330557A JP 2002129005 A JP2002129005 A JP 2002129005A
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resin
aromatic ketone
polyether aromatic
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ketone resin
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Arihiro Kaneda
有弘 金田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエーテル芳香族ケトン樹脂の摺動性を改
良し、自他ともに損傷摩耗がなく、成形性に優れた樹脂
成形品を製造する。 【解決手段】 ポリエーテル芳香族ケトン樹脂50〜9
0重量部とポリエーテルイミド樹脂10〜50重量部と
平均粒子径が0.1〜100μmの球状炭素粒子を1重
量部〜100重量部含有してなる樹脂組成物並びにフィ
ルム及びシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエーテル芳香
族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂を基材とする耐
熱性、成形性に優れた摺動樹脂材として優れた特性を有
する樹脂組成物に関するものである。例えば電気・電子
機器、航空用機器、宇宙機器、自動車機器、輸送機器、
事務用機器、一般産業機器その他各種機器の部品である
歯車、カム、プーリー、スリーブ、軸受け、ワッシャ
ー、シーリング材、クッションシート、バルブ部品、保
護カバー、等の摺動材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエーテル芳香族ケトン樹
脂は機械的、化学的、熱的性質および耐磨耗性に優れた
エンジニアリングプラスチックとして良く知られてい
る。ポリエーテル芳香族ケトン樹脂単独では摩擦係数が
高いが、フッ素樹脂を添加することにより、その摺動性
が著しく向上し摩擦係数が低下すること(特開平6−1
36255号公報)が従来より良く知られている。しか
し、自己潤滑性は向上する反面、成形物の機械的強度や
耐荷重性の低下により、高荷重条件下や摩擦接触速度が
非常に速い条件下での使用は磨耗量が逆に増加すること
があった。
【0003】ポリエーテル芳香族ケトン樹脂にガラス繊
維、アラミド繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン等の固
体潤滑剤を添加することでその機械強度および摺動性が
著しく向上し磨耗量が減少すること(特開平1−282
252,特開平1−282253号各公報)が知られて
いる。しかし摺動相手材が、特にアルミニウム合金やス
テンレス鋼材といった比較的軟質の金属である場合に
は、添加された繊維状強化材によってこれらが磨耗し易
く、著しい場合には異常磨耗が起こる問題点がある。
【0004】このような異常磨耗の発生原因は、主とし
てガラス繊維、炭素繊維等の比較的硬質の繊維状強化材
の先端が軟質金属の表面を攻撃し、その際に発生した磨
耗紛が研磨作用を行う現象である。
【0005】また繊維状の強化繊維材を用いる場合、得
られた樹脂成形品の収縮率の異方性が大きく、使用環境
下および摩擦熱の発生により雰囲気温度が上昇したとき
の寸法安定性が低下する。精度の高い寸法精度を必要と
する用途においては使用が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、耐熱性、耐磨耗性、成形性に優れ、か
つ摩擦係数が低く、アルミニウム合金等の軟質金属材を
相手とする摺動条件においても、自他ともに損傷がない
摺動樹脂材を提供することである。摺動樹脂材を所望の
形状に成形加工する手段としては射出成形、溶融押出し
成形、注型成形、圧縮成形、焼結成形、紛体塗装等の各
種成形方法を可能とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決する為に鋭意探索した結果、ポリエーテル芳香族ケト
ン樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる系に球状ない
し粒状のフェノール樹脂を熱処理して得られる球状ない
し粒状の炭素粒子を含有してなることを特徴とするポリ
エーテル芳香族ケトン系樹脂組成物が、耐熱性、耐磨耗
性、成形性に優れた摺動樹脂材を提供できることを見出
した。
【0008】本発明において使用されるポリエーテル芳
香族ケトン樹脂は式(1)または式(2)で表される繰
り返し単位を有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物であり、例えば、式(1)の構造を持つものとしてI
CI社製PEEK(商品名)等がある。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】尚、繰り返し単位(1)、(2)の他に以
下の繰り返し単位を含ませることも可能である。
【0012】
【化6】 (また式中、Aは直接結合、O、S、SO2、COまた
は二価の炭化水素基を示し、QおよびQ’はそれぞれS
2またはCOであり、Ar’は二価の芳香族基であ
り、mは0,1,2または3である。)
【0013】 本発明において使用されるポリエーテル
イミド樹脂は式(3)で表される繰り返し単位を有する
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であり、例えば、
式(3)の構造を持つものとして米国GE社製ウルテム
(商品名)等がある。
【化7】
【0014】本発明に係る樹脂組成物はポリエーテル芳
香族ケトン樹脂50〜90重量部とポリエーテルイミド
樹脂10〜50重量部に対して、炭素粒子を1重量部〜
100重量部を含有することで、低コストで耐熱性、耐
磨耗性、耐薬品性に優れ、かつ成形性に優れた摺動性樹
脂組成物を得ることが可能になる。
【0015】本発明におけるポリエーテル芳香族ケトン
樹脂とポリエーテルイミド樹脂を組み合わせることで、
得られる樹脂組成物の耐熱性は、ポリエーテル芳香族ケ
トン樹脂単独に比較してガラス転移点(Tg)が上昇
し、耐熱性に優れる。また、ポリエーテル芳香族ケトン
樹脂単独に比較して得られる成形品の硬度が高くなり、
さらには高温時での寸法変化が小さくなる。
【0016】本発明における炭素粒子の添加量は、ポリ
エーテル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂か
らなる基材樹脂組成物100重量部に対して、1重量部
〜100重量部を含有する。好ましくは3重量部〜50
重量部である。
【0017】本発明における炭素粒子の添加量がポリエ
ーテル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂から
なる基材樹脂組成物100重量部に対して1重量部より
少ない場合は、得られる樹脂組成物の耐磨耗性の改良効
果が発現しにくくなり好ましくない。また、100重量
部より多い場合には樹脂組成物の成形加工性が悪くなり
好ましくない。
【0018】ポリエーテル芳香族ケトン樹脂並びに前記
式(3)で示す主鎖にエーテル結合を有する熱可塑性ポ
リイミドは、優れた耐熱性、耐磨耗性、機械強度を有
し、かつ射出成形や溶融押出し成形が可能である優れた
溶融特性を有している。特にポリエーテル芳香族ケトン
樹脂は強酸、強アルカリ等に対してさえ優れた耐薬品性
を有している。
【0019】本発明に係る樹脂組成物はポリエーテル芳
香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる基材
樹脂組成物100重量部に対して、平均粒子径が0.1
μm〜100μmの炭素粒子を1重量部〜100重量部
を含有することで、低コストで耐熱性、耐磨耗性、耐薬
品性に優れ、かつ成形性に優れた摺動性樹脂組成物を得
ることが可能になる。
【0020】本発明におけるポリエーテル芳香族ケトン
樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる基材樹脂組成物
の配合割合はポリエーテルイミド樹脂に対するポリエー
テル芳香族ケトン樹脂の割合(ポリエーテル芳香族ケト
ン樹脂/ポリエーテルイミド樹脂)が1〜9が適当であ
る。ポリエーテル芳香族ケトン樹脂が90重量部より多
く、ポリエーテルイミド樹脂が10重量部より少ない場
合にはポリエーテル芳香族ケトン樹脂単独との比較にお
いて、耐熱性、摺動性、機械強度等に優位性が見出せ
ず、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂が50重量部より少
なく、ポリエーテルイミド樹脂が50重量部より多い場
合にはポリエーテル芳香族ケトン樹脂単独との比較にお
いて、摺動特性が低下しポリエーテル芳香族ケトン樹脂
の持つ優れた耐薬品性が損なわれる。
【0021】本発明における炭素粒子の平均粒子径は
0.1μm〜100μmのものを用いる。好ましくは1
μm〜50μmである。さらに好ましくは3μm〜30
μmである。
【0022】本発明における炭素粒子の平均粒子径が
0.1μmより小さい場合には、ポリエーテル芳香族ケ
トン樹脂に対して耐摩耗性能を向上させるに至らない。
【0023】本発明における炭素粒子の平均粒子径が1
00μmより大きな場合、成形品の外観が好ましくなく
表面の平滑性が得られにくくなる。
【0024】本発明における球状ないし粒状のフェノー
ル樹脂を熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子
は、摺動性樹脂組成物の摺動性を飛躍的に向上すること
ができる。この炭素粒子は、摺動面において荷重を受け
る効果を有する為、耐磨耗性を向上させることができ
る。
【0025】本発明における球状ないし粒状のフェノー
ル樹脂を熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子
は、球状である為、基材樹脂に対する分散性に優れ、ポ
リエーテル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂
からなる基材樹脂組成物中に均一に分散させることがで
きる為、摺動性樹脂組成物全体に均等に良好な耐磨耗性
を付与を付与させることが可能となる。
【0026】本発明における球状ないし粒状のフェノー
ル樹脂を熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子
は、球状である為、樹脂に添加した場合、各種成形後に
滑らかな表面を得ることができる。
【0027】なお、上記球状ないし粒状のフェノール樹
脂を熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子の熱
処理方法としては、窒素雰囲気下でかつ500℃以上の
高温条件下で焼成されたものが望ましい。
【0028】本発明における樹脂組成物は、ポリエーテ
ル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる
基材樹脂に対して、球状ないし粒状のフェノール樹脂を
熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子が均一に
混合していることが望ましい。
【0029】本発明の効果を阻害しない限り、必要に応
じて繊維補強材(ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、セラミック質
繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等)、粒状強化材(炭
酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、マイカ等)、
導電性向上材(カーボン、酸化亜鉛、酸化チタン等)、
熱伝導性向上剤(粉末状金属酸化物等)、酸化防止剤、
熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑材、離型剤、
染料、顔料、他の熱可塑性樹脂(ポリアミド系、ポリカ
ーボネート系、ポリアセタール系、PET系、PBT
系、ポリアリレート系、ポリフェニレンサルファイド
系、ポリエーテルサルフォン系、ポリサルフォン系、ポ
リアリレート系、ポリイミド系、フッ素系、ポリエーテ
ルニトリル系、液晶ポリマー系等)、熱硬化性樹脂(フ
ェノール系、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系、
ポリアミドイミド系等)を併用しても良い。
【0030】本発明における炭素粒子含有ポリエーテル
芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる樹
脂組成物の添加混合・混錬方法は特に限定されることは
なく各種混合・混錬手段が用いられる。例えば、各々別
々に溶融押出し機に供給して混合しても良い、またあら
かじめ紛体原料のみをヘンシェルミキサー、ボールミキ
サー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾
式予備混錬し、溶融混錬機にて溶融混錬することができ
る。成形方法としては基材となる樹脂に適当な成形方法
を適用することができる。たとえば射出成形、溶融押出
し成形、注型成形、圧縮成形、焼結成形、紛体塗装等の
各種成形方法である。好ましい実施形態としては炭素粒
子含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイ
ミド樹脂からなる樹脂組成物は溶融押出成形によりフィ
ルムシート化されるものが好ましいが、その押出方法、
引き取り方法については特に限定するものではない。本
発明の前記材料からなるのシートの製法は、溶融押出直
後に引き取り冷却ロールにより冷却固化させる方法が好
ましい。冷却ロールの表面を平滑にしておくことで、溶
融樹脂が固化する際にロール表面の平滑性をシート表面
へ転写させることが可能である。それにより得られる高
平滑性を有するシートを打ち抜き加工しスラスト軸受け
材として用いた場合、摩耗の発生を防止することができ
る。
【0031】冷却固化工程においては冷却ロールを用い
る方法の他に、ベルトコンベア式の引き取りベルトを用
いる方法がある。引き取りベルトの表面を平滑にしてお
くことで、溶融樹脂が固化する際にベルト表面の平滑性
をシート表面へ転写させることが可能である。冷却ロー
ルを用いる場合、シートの片面冷却を行う方法やシート
両表面を2台以上のロールを用いて同時に冷却固化させ
る方法がある。ベルトコンベア式に引き取る場合、シー
ト片面をベルト搬送により引き取る方法や2台以上のベ
ルトを用いてシート両表面をベルトで挟み込みながら冷
却固化搬送する方法がある。
【0032】回転軸と接するスラスト軸受け材として用
いる炭素粒子含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂とポリ
エーテルイミド樹脂からなる基材樹脂組成物成形品は、
その表面ができるだけ平滑であることが耐磨耗性のため
に必要である。炭素粒子含有ポリエーテル芳香族ケトン
樹脂とポリエーテルイミド樹脂からなる基材樹脂組成物
からなるシートの表面平滑性については、中心線平均粗
さ(Ra)が2μm以下が好ましく、より好ましくは1
μm以下、更に好ましくは0.5μm以下である。
【0033】表面平滑性に優れた炭素粒子含有ポリエー
テル芳香族ケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂からな
る基材樹脂組成物からなるシートを得る為には、シート
への異物混入が無いことも必要とされる。溶融押出しシ
ート状に加工する際、溶融した樹脂をフィルトレーショ
ンすることで混練異物等の除去が可能となる。フィルト
レーションに用いる異物除去フィルターの種類や条件に
ついては特に限定するものではない。
【0034】炭素粒子含有ポリエーテル芳香族ケトン樹
脂とポリエーテルイミド樹脂からなる基材樹脂組成物か
らなる成形品の形状としては、特に限定しないが、打ち
抜きした円盤状の平板、又は打ち抜き時に成形した曲面
状板が好ましい。炭素粒子含有ポリエーテル芳香族ケト
ンとポリエーテルイミド樹脂からなる基材樹脂組成物か
らなる成形品の厚みとしては25〜1000μmが好ま
しく、25μm未満の場合は打ち抜きなどの加工性及び
組立時の安定性が悪く、1000μmを超えると打ち抜
きにくかったり、コスト的に高価なものになってしま
う。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0036】実施例にて使用した原材料に関しては以下
のとおりである。 *1:ポリエーテル芳香族ケトン樹脂 VICTREX製 PEEK450P(商品名) *2:ポリエーテルイミド樹脂 GE製 ウルテム1000(商品名) *3:炭素粒子 鐘紡製 ベルパールC−800(商品名)
【0037】表に示す各材料を2軸混錬押出機を用いて
溶融混錬し、ペレットを製造した。各実施例、および比
較例の組成欄の数値は重量部を示す。製造したペレット
を単軸押出機とT型ダイス等を用いて溶融押出加工によ
り、また熱プレス加工によりシート状サンプルを得た。
【0038】各種評価については下記に基づき実施し
た。 (1)耐磨耗性(1):磨耗輪磨耗型磨耗試験機を用い、
摺動荷重1000gf、試験片回転速度60rpm、磨
耗距離245m運転後の試験片磨耗体積[×103cm3]
を測定(JIS K 7204準拠) (2)表面硬度:鉛筆引っかき硬度 (JIS K 5
400準拠) (3)耐磨耗性(2):ピンオンディスク型磨耗試験機を
用い、摺動荷重90gf、SUS軸回転速度10000
rpm、磨耗時間100時間運転後の試験片磨耗痕およ
び軸先端の磨耗状況を観察。試験片磨耗および軸先端磨
耗の少ないものを○、試験片または軸先磨耗が確認でき
るものを△、試験片および軸先磨耗が確認できるものを
×とした。 (4)ガラス転移点(Tg):DSC測定より求めた。 (5)成形性:二軸混錬機および単軸混錬機でのストラ
ンド加工およびシート加工成形を行い得られたサンプル
の外観を目視で評価。外観良好なものを○、表面粗さの
大きいもの、または安定した成形品が得られないものに
ついて×とした。
【0039】本発明の実施例1〜4と比較例を比較する
と、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂単独で用いた比較例
1およびポリエーテルイミド樹脂単独で用いた比較例6
に比較して、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂とポリエー
テルイミド樹脂よりなる樹脂基材に対して炭素粒子を添
加することで成形性を損なわずに、かつ摩耗相手材を摩
耗することなく耐磨耗性が向上することがわかる。
【0040】比較例2,3について、添加量が少ない場
合には摺動性改善の効果を発揮できず、また添加量が多
すぎる場合には成形性が非常に悪い為加工が困難となる
ことがわかる。
【0041】比較例4,5について、耐熱性(Tg)が
比較例1に比較して向上するが、相手材の摩耗および自
己摩耗が発生し優れた摺動材となりえないことがわかる
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における樹
脂組成物は耐熱性、耐磨耗性、成形性に優れ、自他とも
に損傷摩耗がない樹脂成形品の製造が可能になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテル芳香族ケトン樹脂50〜9
    0重量部とポリエーテルイミド樹脂10〜50重量部
    と、炭素粒子1重量部〜100重量部を含有してなるポ
    リエーテル芳香族ケトン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエーテル芳香族ケトン樹脂が式
    (1)または式(2)で表される繰り返し単位を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のポリエーテル芳香族ケ
    トン系樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】 ポリエーテルイミド樹脂が式(3)で表
    される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1
    または2記載のポリエーテル芳香族ケトン系樹脂組成
    物。 【化3】
  4. 【請求項4】 炭素粒子が、球状ないし粒状のフェノー
    ル樹脂を熱処理して得られる球状ないし粒状の炭素粒子
    であり、その平均粒子径が0.1〜100μmの球状炭
    化物である請求項1、2または3記載のポリエーテル芳
    香族ケトン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のポリエ
    ーテル芳香族ケトン系樹脂組成物よりなるフィルムまた
    はシート。
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